JP3739319B2 - トリコテセン系マイコトキシンの検出方法及びその試薬 - Google Patents

トリコテセン系マイコトキシンの検出方法及びその試薬 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、農作物、食品および飼料等に含まれるトリコテセン系マイコトキシンを免疫学的に定量する方法、該マイコトキシンの免疫学的定量用試薬ならびにキットおよびそれらに使用するモノクローナル抗体に関する。
背景技術
マイコトキシンは、真菌によって生産される二次代謝産物で食品や飼料などを介して人畜になんらかの有害作用を示す化合物と定義され、細菌毒素などと区別されている。マイコトキシンは細菌毒素などと異なり低分子物質であり、多様な物質がこれまで知られている。それらの化学構造は多様であり、生体に対する有害作用も様々である。中には人体に入ると強い急性毒性を示すもの、また、発癌性、腎臓や肝臓に対する催腫瘍性が認められるものなど、人体にとって有害なものが少なくない。マイコトキシンは低分子物質であるがゆえに通常の食品加工、調理条件下では分解や除去が困難である。また、マイコトキシンは安定性が高く、飼料等を経て食用家畜に摂取された場合、その食肉中や乳製品などに残留し、最終的に人体に摂取され、毒性を示す。
マイコトキシン汚染は様々なルートで発生するが、農作物栽培から収穫、貯蔵、加工の過程で真菌の侵入によって起こる農作物の一次汚染と、汚染飼料の給餌に伴って起る畜水産物(肉、乳、卵など)への二次汚染に大別される。一次汚染は農作物種(真菌の基質)、その栽培環境に棲息する真菌の種類、環境条件(気温、湿度、降水量等)などの諸要因によって地域的特性が認められる。
麦類やトウモロコシなどの主要穀物を汚染する代表的なマイコトキシンとしてトリコテセン系マイコトキシンがあげられる。代表的なトリコテセン系マイコトキシンとしてはデオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)、T−2トキシン(T−2)がある。それらの主たる生産菌であるFusarium graminearumF. culmorumF. sporotrichioidesは土壌中に常在し、気温、湿度、降水量などの自然条件が満たされれば容易に作物に感染し、作物のマイコトキシン汚染が広がる。
食品汚染、飼料汚染を防止する目的でトリコテセン系マイコトキシンについては世界各国で食品や飼料中の残留濃度等に規制が設けられている。従って、食品や飼料中のトリコテセン系マイコトキシンを迅速かつ正確に定量することは重要である。
従来のトリコテセン系マイコトキシン定量は、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、マススペクトロメトリー、動物を用いたバイオアッセイなどを単独であるいはこれらの組み合わせで行われていた。さらに近年になって免疫学的定量法が考案され、使用されるに至っている。免疫学的定量法は、迅速、簡便でかつ特異性が高く、また感度の面でも優れた方法で、ホルモンや生体内物質の定量を始め様々な分野で広く応用されている。特にモノクローナル抗体取得技術が応用されるようになり、免疫学的定量法は飛躍的に進歩した。
トリコテセン系マイコトキシンには多くの誘導体が存在し、かつそれら誘導体も毒性を有していることから、トリコテセン系マイコトキシンによる汚染状態を知るには、個々の誘導体を分別定量するのではなく、ある程度包括的に定量できることが望ましい。また、定量の対象となるものは麦、トウモロコシを中心とするトリコテセン系マイコトキシンに汚染された穀物、この穀物を食した家畜の肉や乳、さらこの肉や乳を加工した加工食品、汚染穀物を原料とした加工食品等多岐に亘る。しかも加工されるに従って、マイコトキシン汚染は希釈されるので、低濃度のトリコテセン系マイコトキシンを定量する必要がある。従って、感度の高い定量方法が望まれている。
一方、主要なトリコテセン系マイコトキシンはDON、NIVおよびT−2であり、この3種をそれぞれ分別定量することは、汚染された場所や状況を知る上で重要なことである。このような要求に合ったトリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量法を構築する場合には、目的とするトリコテセン系マイコトキシンに対し親和性が高く、かつ特異性の高い抗体、特にモノクローナル抗体が望ましい。
トリコテセン系マイコトキシンに対するモノクローナル抗体を開示した文献は種々知られている。特公平5−43358にはT−2とキャリアー蛋白質とを結合させた免疫原を用いてマウスを免疫して得られるT−2に特異的に反応するモノクローナル抗体およびこの抗体を用いたT−2類の測定法が開示されている。Dietrichらは、T−2に対するモノクローナル抗体や3位がアセチル化したDONに対するモノクローナル抗体を取得している(Natural Toxins 3:288-293 1995)。また、USP4879248には8位の置換基を架橋基に利用したキャリアータンパク質を結合させて抗体を取得することが開示されている。しかし親和性が高く、かつ本発明の目的にあった特異性を持ったモノクローナル抗体は開示されていない。
3位の炭素にキャリアータンパク質を結合させた物質を免疫原とした4,15−diacetyl NIVに対するポリクローナル抗体は、Applied and Environmental Microbiology,May 1933,59:1264-1268に開示されているが、同様な免疫原を用いるモノクローナル抗体の製造については開示されていない。さらにFood Addit.Contam.,5:629(1988)やJ.Agric.Food Chem.,36:663(1988)にもT−2やDONに対するモノクローナル抗体が開示されている。
本願発明によるモノクローナル抗体は下記の特徴を持ち、上記公知のモノクロナール抗体より優れている。
KTM−249はDietrichら(Natural Toxins,3:288(1995))の抗体(3E2)に比較し、親和性が顕著に高く、T−2の検出限界が0.0001ng/mL程度と高感度である。またKTM−249はacetylT−2やHT−2にもT−2と同程度の反応性を示し、本発明の目的にかなった抗体である。
さらに、KTM−249はHT−2およびT−2に対し同程度の反応性を有し(T−2=HT−2=100%)、acetylT−2に対しては、78%の反応性を示す。一方、USP4772551の抗T−2モノクローナル抗体IVI−10092では、50%阻害値がT−2で0.023、acetylT−2で0.094(T−2に対する50%阻害値を100%とすると、0.023/0.094≒約25%の反応性)、HT−2で1(0.023/1=2.3%の反応性)である。従って、KTM−249は広くT−2誘導体を検出できる(T−2誘導体には選択性が強いが、他のDONやNIV誘導体とは反応しない)のに対し、IVI−10092はT−2のみに選択性が強い抗体である。
KTM−240はDietrichら(Natural Toxins,3:288(1995))の抗体(5B2)とは反応性が明らかに異なり、例えば5B2はdiacetyl-DONに対する反応性は3-acetyl-DONの6倍程度、またtriacetyl-DONに対する反応性は3-acetyl-DONより弱いのに対し、KTM−240はdiacetyl-DONに対する反応性は15-acetyl-DONの約50倍、またtriacetyl-DONに対する反応性も15-acetyl-DONの2倍ある。またKTM−240はNIVのアセチル体とも強い反応性を示すのに対し、5B2にはこれら化合物との反応性はなく、従ってDONとNIVとを同時に検出する目的には使用できない。
特公平5-43358記載の抗T−2トキシンモノクローナル抗体はHT-2との交差反応性が約3%なのに対し、KTM−249はHT−2、T−2さらにはacetyl-T−2とも同程度の反応性を示し、T−2関連トキシンを一括して測定するという本発明の目的にかなった抗体である。
Chibaら[Food Addit.Contam.,5:629(1988)]の抗体は、HT−2との反応性はT−2の0.5%以下だが、本発明のKTM−249はHT−2とも強く反応する。
Casaleら[J.Agric.Food Chem.,36:663(1988)]の抗体DON-1と本発明のKTM−240とは明らかに反応性が異なる。抗体DON-1は3-acetyl-DONと強く反応し、DONとも良く反応し、NIVとも弱いが反応し、一方15-acetyl-DONとは反応しない。本発明のKTM−240はDONやNIVとは反応しないが、diacetyl-DONやtriacetyl-NIVと強く反応する。15-acetyl-DONに対する反応性もあり、しかも3-acetyl-DONに対する反応性よりも強い。
発明の開示
トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量のためには、多くの誘導体が存在するトリコテセン系マイコトキシンを包括的に定量でき、かつDON類、NIV類、T−2類という3種に大別して定量できる特異性を持ち、しかも低濃度の抗原を定量する必要から親和性の高い抗体が要求される。さらに本発明の目的とする抗体は、生産性や再現性の高さ、特異性の均一さが求められるためにモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片であることが望ましい。
抗体断片としては、Fab、Fab′、F(ab)2などがあげられる。
本発明の抗体断片の製造法としては、ハイブリドーマが産生した抗体をペプシン等の酵素処理あるいは還元処理する方法、ハイブリドーマからmRNAを抽出し、cDNAを調製したのちに原核生物用発現ベクターあるいは真核生物用発現ベクターに挿入し、該ベクターを原核生物あるいは真核生物へ導入することにより発現させることにより得る方法などがあげられる。
トリコテセン系マイコトキシンはいわゆるハプテンと呼ばれる低分子物質で、それ単独では免疫原性が低い。従って、トリコテセン系マイコトキシンに対する抗体を作製する場合は、該マイコトキシンをキャリアー物質に結合させるなど生体にとって抗原と認識される形にしてから免疫する必要がある。本発明者は、このキャリアー物質とトリコテセン系マイコトキシンとの結合部位の違いにより、得られる抗体の親和性や特異性が影響を受けることに注目した。トリコテセン系マイコトキシンは水に対し難溶性の為、溶解する際、一般的に有機溶媒が用いられてきた。本発明者は有機溶媒を含まない水溶液を用いてトリコテセン系マイコトキシンを溶解し、キャリアー物質と結合させ、式(I)
(式中、R1はOHまたはアシルオキシを表し、R2、R3およびR4は同一または異なって、H、OHまたはアシルオキシを表し、Z1はOCOCH2CH(CH32を表し、Z2はHを表すか、Z1とZ2が一緒になって=Oを表す)で表される化合物(以下、上述の式(I)で表される化合物を化合物(I)という)の3位の置換基を架橋基に利用してキャリアー物質を結合させ、この結合物を免疫原として用いることにより、親和性の非常に高い抗体を取得できることを見出した。
さらにアシル化されたトリコテセン系マイコトキシンを免疫原に利用することで、特異性、親和性の高いモノクローナル抗体が取得できることも見いだした。
またさらに試料中のトリコテセン系マイコトキシンを式(II)
(式中、R1a、R3aおよびR4aは、同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物(以下、上述の式(II)で表される化合物を化合物(II)という)、式(III)
(式中、R1b、R3bおよびR4bは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表し、R2bはH、OHまたはアシルオキシを表し、かつR2bがHまたはOHのときにはR1b、R3bおよびR4bのうち少なくとも1つの基がアシルオキシで表される)で表される化合物(以下、上述の式(III)で表される化合物を化合物(III)という)および式(IV)
(式中、R1c、R2cおよびR3cは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表し、かつR1c、R2cおよびR3cのうち少なくとも1つの基がアシルオキシで表される)で表される化合物に変換した後に、本発明のモノクローナル抗体を利用して、試料中のトリコテセン系マイコトキシンを一括定量することができ、また、DON類、NIV類、T−2類という3類に大別して定量することも可能になることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
なお、上述の各式中の定義において、アシルオキシにおけるアシルは、置換もしくは非置換の低級アシル基、または置換もしくは非置換の芳香族アシル基を表す。低級アシル基は、直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜12のアルカノイル基を表す。具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイルなどがあげられる。芳香族アシル基はベンゾイル、ナフトイルなどがあげられる。置換低級アシル基における置換基としては、ヒドロキシ、カルボキシなどがあげられる。置換芳香族アシル基における置換基としては、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲン、カルボキシなどがあげられる。低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分は、直鎖もしくは分枝状の炭素数1〜6の低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどを表し、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の各原子を意味する。
本発明におけるNIV類としては、ニバレノール(NIV)、4−アセチルニバレノール、3,4−ジアセチルニバレノール、4,15−ジアセチルニバレノール、3,4,15−トリアセチルニバレノール、4,7,15−トリアセチルニバレノール、3,4,7,15−テトラアセチルニバレノールなどがあげられ、DON類としては、デオキシニバレノール(DON)、3−アセチルデオキシニバレノール、3−アセチルデオキシニバレノール、15−アセチルデオキシニバレノール、3,15−ジアセチルデオキシニバレノール、3,7,15−トリアセチルデオキシニバレノールなどがあげられ、T−2類としては、HT−2、T−2、アセチルT−2などがあげられる。
本発明は以下の(1)〜(40)に関するものである。
(1) 式(II)
(式中、R1a、R3aおよびR4aは、同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度がR1aおよびR3aがOCOCH3でR4aがOHである上記式(II)で表される化合物1−1、R1aおよびR4aがOHでR3aがOCOCH3である上記式(II)で表される化合物1−2、R1a、R3aおよびR4aがOCOCH3である上記式(II)で表される化合物1−3において、化合物1−1>化合物1−2>化合物1−3の順で高く、かつ式(A)
(式中、R1A、R3AおよびR4Aは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物および式(B)
(式中、R1B、R2BおよびR3Bは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物とは実質的に反応しないモノクローナル抗体またはその抗体断片。
(2) ハイブリドーマ細胞株KTM−205が生産する上記(1)記載のモノクローナル抗体KTM−205またはその抗体断片。
(3) 式(III)
(式中、R1b、R3bおよびR4bは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表し、R2bはH、OHまたはアシルオキシを表し、かつR2bがHまたはOHのときにはR1b、R3bおよびR4bのうち少なくとも1つの基がアシルオキシで表される)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度がR1bおよびR3bがOCOCH3でR2bがHでR4bがOHである上記式(III)で表される化合物2−1、R1b、R3bおよびR4bがOCOCH3でR2bがHである上記式(III)で表される化合物2−2、R1bおよびR4bがOHでR2bおよびR3bがOCOCH3である上記式(III)で表される化合物2−3において、化合物2−1>化合物2−2>化合物2−3の順で高く、かつ式(C)
(式中、R1C、R2CおよびR3cは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物とは実質的に反応しないモノクローナル抗体またはその抗体断片。
(4) ハイブリドーマ細胞株KTM−240が生産する上記(3)記載のモノクローナル抗体KTM−240またはその抗体断片。
(5) 式(IV)
(式中、R1c、R2cおよびR3cは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表し、かつR1c、R2cおよびR3cのうち少なくとも1つの基がアシルオキシで表される)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度がR1cがOHでR2cおよびR3cがOCOCH3である上記式(IV)で表される化合物3−1、R1c、R2cおよびR3cがOCOCH3である上記式(IV)で表される化合物3−2において、化合物3−1>化合物3−2であり、かつ式(D)
(式中、R1D、R3DおよびR4Dは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表し、R2DはH、OHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物とは実質的に反応しないモノクローナル抗体またはその抗体断片。
(6) ハイブリドーマ細胞株KTM−249が生産する上記(5)記載のモノクローナル抗体KTM−249またはその抗体断片。
(7) 上記(1)または(2)記載のモノクローナル抗体を生産する能力を有するハイブリドーマ細胞。
(8) 上記(3)または(4)記載のモノクローナル抗体を生産する能力を有するハイブリドーマ細胞。
(9) 上記(5)または(6)記載のモノクローナル抗体を生産する能力を有するハイブリドーマ細胞。
(10) FERM BP−6835として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている上記(7)記載のハイブリドーマ細胞。
(11) FERM BP−6836として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている上記(8)記載のハイブリドーマ細胞。
(12) FERM BP−6837として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている上記(9)記載のハイブリドーマ細胞。
(13) 式(I)
(式中、R1はHまたはアシルオキシを表し、R2、R3およびR4は同一または異なってH、OHまたはアシルオキシを表し、Z1はOCOCH2CH(CH32を表し、Z2はHを表すか、Z1とZ2が一緒になって=Oを表す。ただし、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つはOHである。)で表される化合物において、少なくとも1つの水酸基をアシルオキシに変換し、かつ3位の炭素にキャリアー物質を結合させた物質を動物に投与して免疫させ、該免疫動物から採取される抗体産生細胞と永久増殖細胞とを融合させ、上記(1)〜(6)項のいずれかに記載のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞を得ることを特徴とするハイブリドーマ細胞の製造方法。
(14) 式(I)のR2がアシルオキシである上記(13)記載の製造方法。
(15) 式(I)で表される化合物において、少なくとも1つの水酸基をアシルオキシに変換した化合物の3位の炭素とキャリアー物質との結合が3位の置換基を架橋基とする結合である上記(13)記載の製造方法。
(16) 式(I)で表される化合物において、少なくとも1つの水酸基をOR(式中、Rは置換もしくは非置換の低級アシル基、または置換もしくは非置換の芳香族アシル基を表す)で表される基に変換した化合物を有機溶媒以外の溶媒または有機溶媒を含んだ溶媒以外の溶媒に溶解したものをキャリアー物質と結合させる上記(13)記載の製造方法。
(17) 有機溶媒以外の溶媒または有機溶媒を含んだ溶媒以外の溶媒が水である上記(16)記載の製造方法。
(18) トリコテセン系マイコトキシンを含有する試料に上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片の1つ以上を作用させることを含む免疫学的方法により、試料中トリコテセン系マイコトキシンの定量を行う方法。
(19) 少なくとも1つの水酸基を有する式(I)で表される化合物において、少なくとも1つの水酸基をOR(式中、Rは置換もしくは非置換の低級アシル基、または置換もしくは非置換の芳香族アシル基を表す)で表される基に変換し、これに上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片の1つ以上を作用させることを含む免疫学的方法により、試料中トリコテセン系マイコトキシンの定量を行う方法。
(20) トリコテセン系マイコトキシンがデオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)およびT−2トキシン(T−2)ならびにそれらの誘導体からなる群から選ばれるものである上記(18)または(19)記載の方法。
(21) 上記(3)または(4)記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片を用いて上記(18)または(19)記載の方法により得られる定量値と上記(5)または(6)記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて上記(18)または(19)記載の方法により得られる定量値とを計算することによる、試料中のDON、NIVおよびT−2ならびにそれらの誘導体の総量を定量する方法。
(22) 上記(1)または(2)記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて上記(18)または(19)記載の方法により、試料中のNIVおよびその誘導体を定量する方法。
(23) 上記(3)または(4)記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて上記(18)または(19)記載の方法により得られる定量値からDON、NIVおよびそれらの誘導体を定量する方法。
(24) 上記(3)または(4)記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて上記(18)または(19)記載の方法により得られる定量値と上記(1)または(2)記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片を用いて上記(18)または(19)記載の方法により得られる定量値とを計算することによる、試料中のDONおよびその誘導体を定量する方法。
(25) 上記(5)または(6)記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて上記(18)または(19)記載の方法により試料中のT−2およびその誘導体を定量する方法。
(26) 免疫学的方法が、ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイおよび発光イムノアッセイから選ばれる上記(18)または(19)記載の方法。
(27) 免疫学的方法が、競合法およびサンドイッチ法から選ばれる上記(18)または(19)記載の方法。
(28) 上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片の1種以上を有効成分として含有する、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用試薬。
(29) 上記(28)記載の試薬および抗原を固相化したプレートを含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
(30) 上記(28)記載の試薬、抗原を固相化したプレート、標識された上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片に反応する抗体あるいは抗体断片、および該抗体あるいは該抗体断片の標識を検出する試薬を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
(31) 抗原を固相化したプレート、標識された上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片,および該抗体あるいは該抗体断片の標識を検出する試薬を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
(32) 上記(28)記載の試薬および式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
(33) 上記(28)記載の試薬、抗原を固相化したプレートおよび式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
(34) 上記(28)記載の試薬、抗原を固相化したプレート、標識された上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片に反応する抗体あるいは抗体断片、該抗体あるいは該抗体断片の標識を検出する試薬および式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
(35) 抗原を固相化したプレート、標識された上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片、該抗体あるいは該抗体断片の標識を検出する試薬および式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
(36) トリコテセン系マイコトキシンを含有する試料を有機溶媒を含有する液で処理して、該試料からトリコテセン系マイコトキシンを抽出し、上記(18)または(19)記載の方法により、試料中のトリコテセン系マイコトキシンの定量を行う方法。
(37) 有機溶媒が、水溶性の有機溶媒であることを特徴とする、上記(36)記載の方法。
(38) 水溶性の有機溶媒が、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシドおよびジメチルフォルムアミドからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする上記(36)または(37)記載の方法。
(39) トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を含有する試料を培地に接種して培養し、培養物中に生産されるトリコテセン系マイコトキシンに上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片の1つ以上を作用させることを含む免疫学的方法により、試料中のトリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を検出する方法。
(40) トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を含有する試料を培地に接種して培養し、培養物中に生産されるトリコテセン系マイコトキシンに上記(1)〜(6)のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはその抗体断片の1つ以上を作用させることを含む免疫学的方法により、試料中のトリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を判別する方法。
1.トリコテセン系マイコトキシンに対するモノクローナル抗体の製造法
本発明のトリコテセン系マイコトキシンに対するモノクローナル抗体の製造法について説明する。
モノクローナル抗体は、免疫原を投与した動物から得られる抗体産生細胞と永久増殖細胞たとえば骨髄腫細胞とを融合させてハイブリドーマ細胞を製造し、該ハイブリドーマ細胞を培養するか、動物に投与して該動物を腹水癌化させ、該培養液または腹水を分離、精製することにより調製することができる。
本発明の抗トリコテセン系マイコトキシンモノクローナル抗体を取得するためには、免疫用抗原を高分子担体(キャリアー物質ともいう)に結合して得た複合体を免疫原とすることが必要である。免疫用抗原は、試料から精製によって取得いてもよいし、化学合成方法によって取得しても構わない。この際のトリコテセン系マイコトキシンはアシル化したものを用いる。このアシル化トリコテセン系マイコトキシンの3位の置換基を架橋基に利用して高分子担体を結合させ免疫原として用いると本発明の目的とするモノクローナル抗体が効率良く取得できる。
免疫用抗原としては、上記式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換した化合物、好ましくは式(b−1)
または式(b−2)
で表される化合物が用いられる。
試料としては、Fusarium graminearumF.culmorumF.sporotrichioidesなどの菌株を、適当な培地に接種後、室温付近で20日間程度培養し、この培養物から適当な方法で精製して得たものが使用できる。適当な培地とは、例えばポテトデキストロース培地のような市販の培地を用いてもよいし、精白米を蒸留水を加えて放置浸潤後、オートクレーブ滅菌して作製した培地を用いてもよい。また、精製方法としては、例えば培養物をアセトニトリル/水(3:1v/v)などで抽出し、抽出物をフロリジル・無水硫酸ナトリウム重層カラムや、シリカゲル・無水硫酸ナトリウム重層カラムに通して精製する方法や、再結晶法による精製法が用いられる。また、実際にカビに汚染された穀物を出発材料として精製し採取しても構わない。精製法もTLCプレートを用いる方法、HPLCを用いる方法等、色々な手段が取り得るが、目的物質が精製できれば特に限定するものではない。もちろん、試料として市販品を購入して用いてもよい。
高分子担体は免疫用抗原のカルボキシル基、アミノ基、水酸基等と縮合反応を起こす反応基を有し、かつ免疫用抗原に連結されることにより該化合物に免疫原性を付与し得るか、該化合物が持つ免疫原性を高める高分子物質であればよい。
具体的高分子物質としては、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、グロブリン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、サイログロブリンなどの蛋白質、デキストラン、セファロース等の多糖類、ポリスチレン、アクリルゴムなどからなるラテックス粒子、ポリウリジル酸、ポリアデニル酸等のポリ核酸、MAP(multiple antigen peptide)などの合成高分子などがあげられる。トリコテセン系マイコトキシンにこれら高分子物質を結合させる方法としては、坂戸信夫、免疫実験操作、p.151、右田俊介ら編、南江堂(1995)に記載のアミノ基を用いる方法(カルボジイミド法、グルタルアルデヒド法、ジイソシアネート法)、カルボキシル基を用いる方法(活性エステル法、混合酸無水物法、アシルアジド法)、SH基を用いる方法(MBS法、SPDP法)、水酸基を用いる方法(ブロムシアン法、過ヨウ素酸酸化法)などが使用できる。これらの方法においては、有機溶媒もしくは有機溶媒を含む溶液でトリコテセン系マイコトキシンを溶解せず水性媒体で溶解することが動物中で十分な抗原性を発揮させる上で重要である。
免疫原を投与する動物としてはマウス、ラット、ハムスター、ウサギ、モルモット、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ニワトリなどがあげられ、マウス、ラット、ハムスター等を用いるのが好ましい。
免疫方法としては、西道、豊島、新生化学実験講座1:389(1990)、東京化学同人等に記載の方法を用いて行うことができる。例えば免疫原をフロイントの完全または不完全アジュバントにエマルジョン化し、腹腔内、皮下、筋肉内等に投与することにより行われる。例えば、1回あたり1.0μg〜300μgの免疫原を7ないし30日、好ましくは12日ないし16日の一定間隔を置いて2回上好ましくは2回〜4回投与し、免疫を完成させることができる。
抗体産生細胞の採取源としては免疫した動物の脾臓、リンパ節、末梢血液などが挙げられる。また免疫を行っていない動物の脾臓、リンパ節、末梢血液等により抗体産生担当細胞を取り出し、こらら細胞に対し直接免疫を行って抗体産生細胞とする所謂in vitro免疫(新井、太田、実験医学、6:43(1988)を行った細胞を用いても構わない。
抗体産生細胞と骨髄腫細胞との細胞融合を行う際使用する骨髄腫細胞に特に限定はないが、抗体産生細胞と同種の動物由来の細胞株を使用するのが好ましい。
また適切に細胞融合が行われた細胞のみを効率よく選択するために、特定の薬物マーカーを有する骨髄腫細胞が好ましい。例えば8−アザグアニン耐性の骨髄腫細胞はヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含有した培地(HAT培地)中では生育できないが、この細胞と正常細胞とが融合した細胞はHAT培地中で生育できるようになり、未融合の骨髄腫細胞と区別できることから好んで使用される。具体的にはP3×63−Ag、P3×−Ag8−U1、SP2/O−Ag14などが挙げられる。これら骨髄腫細胞は理化学研究所細胞開発銀行から入手できる。
細胞融合はKohlerとMilstein(Nature,256:495(1975))によって開発され、急速に発展し、様々に改良されてきた方法が応用できる。良く用いられる方法としては抗体産生細胞と骨髄腫細胞を10〜3:1の割合で混合し、30〜50%のポリエチレングリコール(平均分子量1500〜6000)を融合剤に用いて処理する方法がある。また電気パルスによる融合も行われることがある(大河内ら、実験医学、6:50(1988))。
細胞融合を終えた細胞は選択培地に浮遊させ、96ウェル培養プレートのような目的細胞選択に有利な培養容器を用いて融合細胞のみを生育させる。
選択培地とは、ある特定の薬物マーカー等を有する細胞のみが選択的に生育できる培地をいう。例えば前述の抗体産生細胞とP3×63−Ag骨髄腫細胞を融合し、細胞融合が行われた細胞のみを効率良く選択する場合には、骨髄腫細胞が8−アザグアニン耐性であることを利用して、HAT選択培地(1×10-4mol/Lヒポキサンチン、4×10-7mol/Lアミノプテリン、2×10-5mol/Lチミジンを含む10%FCS加RPMI−1640培地)などが用いられる。
融合細胞のみが選択的に生育した段階で、目的物質に対する抗体を産生している細胞のみを選択する。この選択は融合細胞の培養上清中の目的抗体の有無を、例えばエンザイムイムノアッセイやラジオイムノアッセイなどの方法を用いて調べて行う。選択された細胞をたとえば限界希釈法や軟寒天培地法などを用いて単クローン化し、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ細胞株を得る。
モノクローナル抗体はハイブリドーマ細胞株を適当な培地で培養してその培養液を回収し、あるいは細胞株を動物の腹腔内に移植して腹水中で増殖させて腹水を回収し、それら培養液または腹水から得ることができる。培養液あるいは腹水中の抗体は必要に応じて精製して使用することができる。精製方法としては例えば硫酸アンモニウムを用いた塩析分画法、イオン交換クロマトグラフィー法、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー法、プロテインAやプロテインGを用いたアフィニティカラムクロマトグラフィー法、抗原を固相化したゲルを用いるアフィニティカラムクロマトグラフィー法などの方法が単独または組み合わせて用いられる。
上記方法により、抗トリコテセン系マイコトキシンモノクローナル抗体を得ることができる。得られる具体的モノクローナル抗体としては、KTM−205、KTM−240およびKTM−249と名づけたモノクローナル抗体があげられる。
モノクローナル抗体KTM−205は、式(II)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度が化合物1−1、化合物1−2および化合物1−3において、化合物1−1>化合物1−2>化合物1−3の順で高く、かつ式(A)または(B)で表される化合物とは実質的に反応しないモノクローナル抗体である。
モノクローナル抗体KTM−240は、式(III)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度が化合物2−1、化合物2−2および化合物2−3において化合物2−1>化合物2−2>化合物2−3の順で高く、かつ式(C)で表される化合物とは実質的に反応しないモノクローナル抗体である。
モノクローナル抗体KTM−249は、式(IV)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度が化合物3−1および化合物3−2において、化合物3−1>化合物3−2の順で高く、かつ式(D)で表される化合物とは実質的に反応しないモノクローナル抗体である。
2.トリコテセン系マイコトキシンの定量方法
トリコテセン系マイコトキシンを含有する試料中に含まれるトリコテセン系マイコトキシンの定量方法としては、トリコテセン系マイコトキシンを免疫学的方法により測定できればいかなるものでもよいが、本発明のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いた免疫学的方法により、トリコテセン系マイコトキシンを定量する方法が好ましい。
マイコトキシンを含有する試料としては、作物、該作物の加工品、該作物を圃場する環境要因など、マイコトキシンが含有している可能性を有する物質すべてを包含する。
作物としては、農作物であればいかなるものも包含するが、米、麦類、豆類、トウモロコシ、芋類などがあげられる。作物は、該作物が田畑などの圃場に植生するものであっても、市場に存在するものであってもよく、その存在場所は問わない。
作物の加工品としては、上記作物を原料として加工された飲食品であればいかなるものも包含する。
また、家畜のための食用品であるいわゆる飼料、飼料を摂取するブタ、ウシ、鶏などの家畜の肉、乳、卵、またはそれらの加工品もマイコトキシンを含有する試料に包含される。
作物を圃場する環境要因としては、作物の環境を構成する諸要素があげられる。具体的には、水分、土壌、などの無機的要因、無機的要因に付着して生息する微生物、および空気中に浮遊する微生物の胞子、植物の切り株などの有機的残渣などがあげられる。
上述したマイコトキシンを含有する試料のほとんどは固形物である。したがって、試料からマイコトキシンを抽出する必要の無い場合を除いては、試料からマイコトキシンを回収し、通常免疫学的定量法において扱いやすい液体試料とする前処理工程を含んでもよい。前処理工程について以下に述べる。
マイコトキシンの回収は、トリコテセン系マイコトキシンを含有する試料をそのまま、または細分化したのちに、試料に有機溶媒を作用させて、マイコトキシンを抽出させ、抽出液を回収することにより行うことができる。
試料を細分化する方法としては、マイコトキシンが分解されたり、消失しなければ、いかなる方法を用いてもよいが、乳鉢と乳棒などを用いてすりつぶす方法、超音波、ミル、ハンマーなどを用いて摩砕する方法、刃を用いて細かく剪断する方法などがあげられる。
上記方法により細分化された試料、またはそのままの形態の試料を有機溶媒を作用させる方法としては、直接、有機溶媒に試料を浸漬する方法があげられ、また抽出効率をあげるための操作として、攪拌操作、超音波処理などがあげられる。
有機溶媒としては、有機溶媒であればいかなるものでもよいが、好ましくは水溶性の有機溶媒、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシドおよびジメチルフォルムアミドなどがあげられる。有機溶媒の含量としては、全抽出溶液量の25%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは75%以上である。
有機溶媒で抽出されたトリコテセン系マイコトキシンは、有機溶媒を揮発させて抽出させたり、抽出液をカラムに通塔させることにより、回収することができる。
さらに本発明の前処理工程には、トリコテセン系マイコトキシンの一部を別の誘導体に変換する工程を含んでいてもよい。トリコテセン系マイコトキシンの一部を別の誘導体に変換する工程としては、部分アシル化、好ましくは部分アセチル化があげられる。以下、アセチル化について説明する。
アセチル化は、化合物に適当な溶媒を加えて溶解し、無水酢酸および塩基を加えて反応させることにより行われる。溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系有機溶媒、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、ジクロロメタンなどの無水酢酸とは反応しない一般的な溶媒などを用いることができる。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基、重曹、炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができる。このうち、ピリジンは塩基と溶媒とを兼ねることができるので好適である。
部分アセチル化において目的の部位のみをアセチル化するためには、無水酢酸の濃度、反応温度および反応時間を調節することが必要となる。また、その際には、アセチル化の前に試料を十分に乾固させ、反応温度は高温にならないこと、さらには一定温度に保って反応させ、かつ反応時間も一定にするのが望ましい。
さらに、反応を規定の時間以上に反応させないためには反応を適当な時間後強制的に終了させる必要がある。
無水酢酸の濃度は、試料乾固物の重量に対し、0.1倍から10000倍、好ましくは0.5から10倍程度であるが、加える有機溶媒量に応じて調節が必要である。
反応温度は氷冷下から用いた溶媒の沸点まで用いることができるが、望ましくは30℃から50℃程度、さらに好ましくは45℃である。ただし、これらアセチル化条件は目的を達し得るのであれば、特に限定する必要はない。代表的な例は乾固した試料が20mgである場合にピリジン50μLと無水酢酸25μLを加え、反応温度45℃のとき、反応時間45分間程度が好ましい。
反応は反応開始後直ちに終了させても構わないし、場合によっては1週間程度かけても構わないが、操作性を考慮すれば1時間以内が好ましい。強制的な反応終了の手段としては、塩基と無水酢酸を除去する方法、またはアルカリを添加する方法のいずれでもよい。塩基と無水酢酸は揮発させることにより、直ちに除去することができる。添加するアルカリとしては、好ましくは重曹水があげられる。
しかし、これらアセチル化条件は目的を達し得るのであれば、特に限定する必要はない。
上述したトリコテセン系マイコトキシンを含有する試料のうち、作物を圃場する環境要因などトリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物が含有されている可能性のある試料については、有機溶媒による抽出工程や部分アセチル工程のどちらか、または両方を行わなくても、直接培養用培地に接種して微生物を増殖させることにより、培地中に生産される式(II)、式(III)および式(IV)で表される化合物を免疫学的方法を用いて定量することができる。また、試料を一旦駒田培地(K2HPO4 1g,KCl 0.5g,MgSO4・7H2O 0.5g,Fe-EDTA 0.01g,L−アスパラギン 2g、D−ガラクトース 20g、ペンタクロロニトロベンゼン75%水和剤 1g、コール酸ナトリウム 0.5g、NaB4O7・10H2O 1g、硫酸ストレプトマイシン 0.3g、寒天 15g、蒸留水 1000mL、pH3.8-4.0)などの選択培地に接種後、培地上で増殖した微生物の選択を行った後に培養用培地に接種して、培地中に生産される式(II)、式(III)および式(IV)で表される化合物を免疫学的方法を用いて定量することもできる。
また、空中に浮遊する微生物を捕獲する場合には、駒田培地を入れたシャーレを地上約90cmの位置に設置し、一定時間シャーレを解放して胞子を捕獲し、このシャーレを室温(20〜25℃)で一週間程度培養し、出現したコロニーを検体とすることもできる。
培養用培地は、微生物が増殖するのであればいかなるものでもよいが、具体的には精白米をオートクレーブ可能な容器に入れ、これに一定量の蒸留水で一定時間放置して浸潤させてから、オートクレーブにかけて滅菌したものが好適に使用できる。蒸留水は、精白米量の1倍〜10倍の量が好ましく、放置時間は、15分〜半日程度が好ましい。
本発明の免疫学的方法としては、任意の公知の免疫学的方法があげられる。
具体的には、標識物に放射性同位体を用いるラジオイムノアッセイ、酵素を用いるエンザイムイムノアッセイ、蛍光体を用いる蛍光イムノアッセイ、発光体を用いる発光イムノアッセイなど各種高感度免疫定量法があげられる。
免疫学的方法とは、上述した各種標識を施した抗原または抗体を用いて、抗体量または抗原量を測定する方法である。本発明の免疫学的方法としては、抗原の検出または測定を行う公知の方法であればいかなる方法でもよいが、競合法やサンドイッチ法がもっとも適合する方法である。
これら方法には種々の変法があるが、例えば競合法としては、(1)抗体または抗体断片との結合を、標識された抗原と試料中あるいは標準物質中の抗原との間で競合させる方法、(2)標識された抗体または抗体断片との結合を、液相試料中あるいは標準物質中の抗原と固相化された抗原との間で競合させる方法、(3)固相化された抗体または抗体断片との結合を、標識された抗原と試料あるいは標準物質中の抗原との間で競合させる方法などがあげられる。
サンドイッチ法には、ビーズ、チューブ、プレートなどの適当な固相に抗体または抗体断片を結合させた1次固相抗体と標準物質や試料中の抗原とを反応させ、次に固相抗体(または抗体断片)と結合した抗原と2次抗体(または抗体断片)とを反応させ、得られる固相抗体(または抗体断片)−抗原−2次抗体(または抗体断片)の3者複合体の形成をなんらかの方法で検出するのが一般的である。検出方法は2次抗体(または抗体断片)を種々物質で標識しておき、この標識物質を検出する方法が一般的で、標識物質として放射性同位体、酵素、蛍光体、発光体、金属などさまざまなものが用いられる。これらの方法は溶液内に存在する抗原を測定するのに主に用いられている方法であるが、さらに組織中、細胞内、ニトロセルロース膜やナイロン膜などの検査用濾過膜上に存在するトリコテセン系マイコトキシンを定性的あるいは定量的に検出することも可能である。
本発明はトリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用試薬またはキットを提供する。キットとは、機器または試薬の組み合わせにより構成されるが、以下に述べる各構成要素と本質的に同一、またはその一部と本質的に同一な物質が含まれていれば、構成または形態が異なっていてもよい。
本発明の免疫学的定量用試薬には、本発明のモノクローナル抗体またはその抗体断片を有効成分として含有する。また、アシル化工程を必要とする試料を測定する場合、本発明のキットには、式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液と本発明のモノクローナル抗体またはその抗体断片とを含む。
また、必要に応じて、試料の希釈液、定量用プレート、2次用標識体抗マウス抗体、標識体の検出用試薬、標準物質なども上記の本発明の免疫学的定量用キットに含まれる。
試料の希釈液としては、界面活性剤、緩衝剤などにBSAやカゼインなどのタンパク質を含む検体液を用いることができる。定量用プレートとしては、ポリスチレンなどの材質でできた96ウェルのマイクロタイタープレートに抗原等を固相化したものが用いられる。2次用標識抗体マウス抗体としては、ウサギ抗マウスイムノグロブリンズ抗体等の、本発明の抗トリコテセン系マイコトキシンモノクローナル抗体または抗体断片に親和性を有する抗体に西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)やウシ小腸アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼなどの標識用酵素をラベルしたものに、緩衝剤、BSAやカゼインなどのタンパク質、防腐剤などを混合したものが用いられる。標識体の検出用試薬としては前記の標識用酵素に応じて、例えば西洋ワサビペルオキシダーゼであれば、テトラメチルベンジジンやオルトフェニレンジアミンなどが主な構成要素となる。また本発明の試薬において、本発明の抗トリコテセン系マイコトキシンモノクローナル抗体またはその抗体断片には直接標識酵素でラベルされたものを用いてもよい。さらに、本発明の免疫学的定量用キットを構成する場合には、列記した各構成要素を全て含む必要はなく、また新たな構成要素を付加しても構わない。
3.トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物の判別方法
トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を含有する試料としては、作物を圃場する環境要因、すなわち、水分、土壌、空気、空気中に浮遊する胞子、植物の切り株などの有機的残渣などがあげられる。
トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物は、圃場に残存する植物、例えばイネ切り株などの有機物残渣に子のう殻を形成する。降雨、多湿などの環境条件が満たされると、子のう胞子が空中に飛散し、開花、登熟中の穀類に伝染する。
したがって、圃場のトリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物による汚染状態と、該微生物のマイコトキシン生産能を明らかにすることは、マイコトキシン被害の発生を予測し、その対策を講じる上で極めて重要である。
トリコテセン系マイコトキシン生産株は、その微生物株を培地内で培養すると、培地内に式(II)、式(III)または式(IV)で表される化合物を含むトリコテセン系マイコトキシンを特異的に生産する。トリコテセン系マイコトキシンの種類および産生量は、トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物株により異なる。
したがって、試料を培養した培地内にこれらの化合物が存在することを前記2記載の免疫学的方法を用いて検出することにより、試料中にトリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物が存在することが確認することができる。さらに、前記2記載の免疫学的方法を用いて、微生物株が産生するトリコテセン系マイコトキシンの種類を検出し、またトリコテセン系マイコトキシンの定量をすることにより、生産されるトリコテセン系マイコトキシンの種類により微生物株を判別することができる。
さらに、圃場に存在するトリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物の種類を前記2記載の免疫学的方法で判別することにより、圃場の環境汚染の状態も知ることができる。
上述の試料は、直接培養用培地に接種して微生物を増殖させ、培地内の式(II)、式(III)または式(IV)で表される化合物を測定して、トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物による汚染を検出する。さらに、一旦駒田培地(K2HPO4 1g,KCl 0.5g,MgSO4・7H2O 0.5g,Fe-EDTA 0.01g,L−アスパラギン 2g、D−ガラクトース 20g、ペンタクロロニトロベンゼン75%水和剤 1g、コール酸ナトリウム 0.5g、NaB4O7・10H2O 1g、硫酸ストレプトマイシン 0.3g、寒天 15g、蒸留水 1000mL、pH3.8-4.0)などの選択培地に接種し、培養を行った後、これを培養用培地に接種して、培地中に産生される式(II)、式(III)または式(IV)で表される化合物を測定し、微生物の汚染を検知してもかまわない。また、空中に浮遊する菌を捕獲する場合には、駒田培地を入れたシャーレを地上約90cmの位置に設置し、一定時間シャーレを解放して胞子を捕獲し、このシャーレを室温(20〜25℃)で一週間程度培養し、出現したコロニーを利用すると便利で良い。
培養用の培地は、様々なものが利用できるが、たとえば精白米をオートクレーブ可能な容器にいれ、一定量の蒸留水で一定時間放置して浸潤させてから、オートクレーブにかけて滅菌したものが好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、KTM−205を用いたトリコテセン系マイコトキシン定量系の検量線を示す。
第2図は、KTM−240を用いたトリコテセン系マイコトキシン定量系の検量線を示す。
第3図は、KTM−249を用いたトリコテセン系マイコトキシン定量系の検量線を示す。
第4図は、KTM−240とKTM−249を用いたトリコテセン系マイコトキシン定量系の検量線を示す。
第5図は、本発明のELISA法によるトリコテセン系マイコトキシンの定量値と同一試料をGC−MSで定量したときの定量値との相関を示す。
第6図は、米培地にF.graminearumを接種し培養した培地中のトリコテセン系マイコトキシンを、KTM−240を用いて測定した結果を示す。
第7図は、各圃場の稲株より分離した菌株を培養した培地中のトリコテセン系マイコトキシンの測定結果を示す。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を実施例を用いて説明する。
実施例1(モノクローナル抗体の製造)
a)各種化合物
式(a−1)
の化合物はシグマ社製のN7769を、
式(a−2)
の化合物はシグマ社製のT4887を用いた。
b)免疫用抗原の調製
式(a−1):4,15-diacetylnivalenolおよび式(a−2):T−2の化合物50mgをそれぞれ7mL容のねじ栓付試験管にとり、乾燥ピリジン1mLと酸無水物35mgを加えた後、Metal Block Bath(ヤマト科学(株)、YH−121)で100℃、3時間反応させた。反応物を濃縮乾固してピリジンを除去し、クロロホルム4mLを加えて水洗(1mL×4回)した後、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで脱水した。得られる溶液をシリカゲル薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)にかけ、式(b−1):4,15-diacetylnivalenol 3-hemisuccinateおよび式(b−2):T−2 3-hemisuccinateの化合物の存在を確認した後、この溶液を減圧下濃縮乾固した。
式(b−1)および(b−2)の化合物を含む上記濃縮乾固物0.5mgを、それぞれ140mMNaClを含む50μLの10mMリン酸緩衝液pH7.4(以下PBSと略記する)に溶解した。溶解を助けるため、上記緩衝液にTritonX−100を0.01%加え、さらにプローブ型の超音波発生装置(モデルUR−200P、トミー精工社)で溶解を補助した。溶解液をキーホールリンペットヘモシアニン(以下KLHと略記する)水溶液(20mg/mL)0.5mLと混合した。混合液のpHを7.5に合わせた後、20mgのEDC[1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド]を加え、室温で6時間反応させた。反応終了後PBSに対し透析をおこない、透析物をトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−1)]−KLH水溶液およびトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−2)]−KLH水溶液とした。水溶液中のタンパク質濃度をウシ血清アルブミン(以下BSAと略記する)をスタンダードとしてLowry法タンパク質定量試薬キット(Bio−Rad社)で定量した。KLHに代えてBSAを用いる以外は、上記と同様の方法でトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−1)]−BSAコンジュゲート溶液およびトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−2)]−BSAコンジュゲート溶液も調製した。
c)モノクローナル抗体の調製
6週令の雄Balb/cマウスの背中皮下にフロインドの完全アジュバントと等量混合したトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−1)または式(b−2)]−KLHを0.1mg/匹投与した。以後該等量混合物0.1mg/匹を背中皮下に3週間毎に2回投与し、その3週間後、尾静脈よりPBSに溶解したトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−1)または式(b−2)]−KLHを0.1mg/匹投与し、3日後に抗体産生細胞を下記のとおり脾臓より採取した。
免疫動物から脾臓を無菌的に摘出し、血清を含まないRPMI−1640培地(日水製薬)中にて解し、100メッシュの網を通過させて単独細胞化し、低張液中に懸濁し赤血球を溶解した後、血清を含まないRPMI−1640培地で3回遠心洗浄し抗体産生細胞を得た。
一方マウスミエローマ細胞P3X−Ag8−U1を10%牛胎児血清(FCS)加RPMI−1640培地で培養して対数増殖期で細胞を回収し、血清を含まないRPMI−1640培地で3回遠心洗浄した。
上記のとおり得られた抗体産生細胞懸濁液とマウスミエローマ細胞P3X−Ag8−U1懸濁液を10:1の比率で混合し、1200rpmで5分間遠心分離し、培養液を取り除いた。残った細胞に50%ポリエチレングリコール1500液(ベーリンガー・マンハイム社)1mLをゆっくり加え、さらに血清を含まないRPMI−1640培地50mLを徐々に加えてから1200rpmで5分間遠心分離して培地を取り除き、残った細胞をHAT培地(1×10-4Mヒポキサンチン、4×10-7Mアミノプリテン、2×10-5Mチミジンを含む10%FCS加RPMI−1640培地)に1×106細胞/mLとなるよう懸濁し、懸濁液を96ウェルマイクロタイタープレートに各ウェル200μLずつ分注した。細胞はこのままの状態で炭酸ガスインキュベーターにて5%炭酸ガスを含む空気中、37℃で培養した。10日後全ウェルにハイブリドーマのコロニーが観察された。
目的抗体を産生している細胞を含むウェルを選択する目的で、下記のとおり培養上清中の抗体価をELISA法で定量した。96ウェルマイクロタイタープレートに50μLのトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−1)または式(b−2)]−BSAコンジュゲート溶液(20μg/mL 0.1M炭酸緩衝液pH9.5)を分注し、4℃で一夜静置した。プレートをPBSで3回洗浄した後、1%BSA/PBS溶液250μLを分注して室温で1時間静置し、PBSで各ウェルを3回洗浄して反応用プレートとした。反応用プレートに0.1%のBSAを含むPBSで11倍に希釈した培養上清50μLを入れ、室温で3時間静置反応させた。反応終了後プレートを0.05%Tween20を含むPBSで5回洗浄した後、50μLのペルオキシダーゼ(POD)標識−抗マウスイムノグロブリンズ−ウサギIgG(ダコ社)を加え、室温で1時間反応させた。反応後プレートを0.05%Tween20を含むPBSで5回洗浄した後、50μLのTMB発色試薬溶液(インタージェン社)を加え、30分間室温で反応させ、最後に50μLの1mol/L硫酸水溶液を加え、マイクロプレートリーダー(MTP−120、コロナ電気)で450nmの吸光度を測定した。1.0以上の吸光度を示したウェルの細胞を選択した。
クローニングは限界希釈法でおこなった。上記で得られたウェル内の細胞を1×107個/mLの胸腺細胞を含む10%FCS加RPMI−1640培地にて0.5個/mLになるよう希釈し、96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに200μL分注し、5%炭酸ガスインキュベーターにて37℃で培養を行った。培養開始10〜14日後に各ウェルを観察し、生育コロニーが1個/ウェルのウェルを選び出し、その培養上清中抗体価を上記ELISA法にて定量し、目的抗体を産生している細胞株を含むウェルを選択した。さらに同様の操作を2回繰り返し、安定して目的抗体を産生するモノクローナル抗体産生細胞株を得た。得られた株が産生する抗体の免疫グロブリンクラスをモノクローナル抗体タイピングキット(ザイメット社)を用い、培養上清中の抗体について同定し、産生抗体がIgG3またはIgMのものは除き、IgG1タイプのものを採取した。
8週令以上の雄Balb/cマウスの腹腔内に0.5mL/匹のプリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)を注入し、2週間飼育した。
このマウスに1×106/匹のモノクローナル抗体産生細胞を腹腔内接種した。
7〜14日後、マウス腹腔に十分腹水が貯留した時点で、腹腔から18Gの注射針を用いて腹水を回収し、3000rpmで10分間遠心分離して上清を回収した。この上清を結合緩衝液(3M NaCl、1.5MグリシンpH8.9)で3倍に希釈し、結合緩衝液で平衡化したプロテインAカラムに通液した。カラムをPBSで洗浄した後、50mMグリシン/HCl緩衝液(pH2.5)で抗体を溶出した。溶出液は1Mリン酸緩衝液(pH7.5)で直ちに中性化した。回収した抗体液をPBSに対して十分透析を行い、精製モノクローナル抗体を含む液を得た。
実施例2(抗体の特異性検討)
96ウェルマイクロタイタープレート(ヌンク社)に50μLの実施例1で作製したトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−1)または式(b−2)]−BSAコンジュゲート溶液(20μg/mL 0.1M炭酸緩衝液pH9.5)を分注し、4℃で一夜静置した。プレートをPBSで3回洗浄した後、1%BSA/PBS溶液250μLを分注して室温で1時間静置し、PBSで各ウェルを3回洗浄して反応用プレートとした。該反応用プレートに、種々濃度の各種トリコテセン系マイコトキシン誘導体を加えた0.1%BSA加0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)または0.1%BSA加0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)のみ(コントロール:阻害0%)を50μL加え、これに、実施例1で取得した抗体を0.1%BSA加0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)で100ng/mLに希釈したものをプレートを撹拌しながら50μL分注、混合して4℃で一夜静置反応させた。反応終了後プレートを0.05%Tween20を含むPBSで5回洗浄した後、POD標識−抗マウスイムノグロブリンズ−ウサギIgGを50μL加え、室温で1時間反応させた。反応後プレートを0.05%Tween20を含むPBSで5回洗浄した後、50μLのTMB発色溶液(インタージェン社)を加え、30分間室温で反応させ、最後に50μLの反応停止液を加え、マイクロプレートリーダーで450nmの吸光度を測定した。各抗体の各種トリコテセン系マイコトキシンに対する反応性は、反応に用いた各種トリコテセン系マイコトキシンの濃度/吸光度曲線を作成し、コントロールの吸光度を100%としたときの、各種トリコテセン系マイコトキシン誘導体の反応阻害率から相対決定した。この結果をもとに、実施例1で確立したモノクローナル抗体産生株から目的に適ったものを選択し、それぞれの産生株および産生モノクローナル抗体をKTM−205、KTM−240、KTM-249と命名した。選択の基準は、実施例1で示した抗体産生株の内、KTM−205は式(II)で示す化合物による阻害が最も低濃度で得られ、かつ式(A)または(B)に示す化合物には実質阻害されないものとし、KTM−240は式(III)で示す化合物による阻害が最も低濃度で得られ、かつ式(C)で示す化合物には実質阻害されないものとし、またKTM−249は式(IV)で示す化合物による阻害が最も低濃度で得られ、かつ式(D)で示す化合物には実質阻害されないものとした。各抗体の特異性を第1表に示した。
これら抗体を生産するハイブリドーマ細胞はそれぞれKTM−205(FERM BP−6835)、KTM−240(FERM BP−6836)、KTM−249(FERM BP−6837)として、平成11年8月11日付けで工業技術院生命工学工業技術研究所、日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号(郵便番号305−0046)に寄託されている。
実施例3(試料中のトリコテセン系マイコトキシンの定量)
a)反応用プレート
96ウェルマイクロタイタープレートに50μLの実施例1で作製したトリコテセン系マイコトキシン誘導体[式(b−1)または式(b−2)]−BSAコンジュゲート溶液(20μg/mL 0.1M炭酸緩衝液pH9.5)を分注し、4℃で一夜静置した。プレートをPBSで3回洗浄した。1%BSA/PBS溶液または1%スキムミルク/PBS 300μLを分注して室温で1時間静置し、PBSで各ウェルを3回洗浄して反応用プレートとした。
b)定量用試料調製
収穫産地の異なる粉末ムギ(各々10g)にメタノール/水(3:1)40mLを加え、90分間時々攪拌しながら室温で静置して抽出した。抽出液を濾紙にて濾過し、濾液を回収した。濾液2mLに等量のメタノールを加え、4℃で4時間静置し、その後4℃、3000rpm、15分間遠心分離して上清を回収し、4℃に保存した。
保存溶液160μLを1mL容キャップ付きチューブに取り、気流下で濃縮、乾固し、さらに真空デシケータ内に一昼夜置き、完全に乾固させた。チューブに乾燥ピリジン50μLを添加し、乾固物を完全に溶解させさらに無水酢酸25μLを加えた後、チューブを密栓し、45℃で45分間静置した。気流下でピリジンと酢酸を完全に揮発させた後、エタノール100μL及びTween−PBS溶液(0.05%Tween−20、140mM NaClを含む10mMリン酸緩衝液pH7.4)900μLを加え、これを定量用試料とした。同様の操作で、NIV、DON、T−2の標品を上記同様処理し、さらに適当濃度となるようTween−PBS溶液で希釈して希釈系列を作製し、スタンダード溶液とした。
c)測定操作
反応用プレートの各ウェルに定量用試料、各スタンダード溶液またはコントロールとしてTween−PBS溶液(0.05%Tween−20および140mMNaClを含む10mMリン酸緩衝液pH7.4)を50μL/ウェル加え、さらに各ウェルに▲1▼KTM−205溶液(300ng/mL、0.1%BSA加Tween−PBS溶液)、または▲2▼KTM−240溶液(300ng/mL、0.1%BSA加Tween−PBS溶液)、または▲3▼KTM−249溶液(300ng/mL、0.1%BSA加Tween−PBS溶液)、または▲2▼と▲3▼の等量混合液を50μL/ウェル加え、十分攪拌した後、振とう攪拌しながら室温で45分間反応させた。プレートをTween−PBS溶液で5回洗浄した後、各ウェルに100μL/ウェルのHRP標識−抗マウスイムノグロブリンズ−ウサギ抗体溶液(300ng/mL 0.1%BSA加Tween−PBS溶液)を加え、振とう攪拌しながら室温で30分間反応させた。プレートを5回Tween−PBS溶液で洗浄した後、100μLのTMB溶液(インタージェン社)を加え、振とう攪拌しながら室温で30分間暗所反応させ、反応終了後1mol/L硫酸水溶液をウェル当たり50μL加えて反応を停止し、プレートリーダー(コロナ電気社、MTP−120)で波長450nmの吸光度を測定した。
d)濃度算出
測定結果を以下の式に当てはめ各反応ウェルの阻害率を算出した。コントロール吸光度とは、試料溶液やスタンダード溶液の代わりにTween−PBS溶液(0.05%Tween−20、140mM NaClを含む10mMリン酸緩衝液pH7.4)のみを用いたウエルの吸光度を示す。
スタンダードの濃度を対数でX軸に、それに該当する上記阻害率結果をY軸にとり、検量線を作成した。それぞれの検量線を図1、2、3および4に示す。この検量線を用い、各試料の阻害率結果を検量線に適用し、各試料のそれぞれのトリコテセン系マイコトキシンの濃度を以下の方法で算出した。
NIVおよびその誘導体の濃度はKTM−205反応ウェルから算出し、NIV、DONおよびそれらの誘導体濃度はKTM−240反応ウェル結果から算出し、DONおよびその誘導体濃度はKTM−240反応ウェル結果からKTM−205反応ウェル結果を減ずることで算出した。T−2およびその誘導体濃度はKTM−249反応ウェル結果より算出した。NIV、DON、T−2およびそれらの誘導体の総濃度はKTM−240反応ウェル結果とKTM−249反応ウエル結果との合計より算出した。
実施例4(比較例:GC−MSによる測定)
実施例3で用いた試料と同じサンプル(粉末ムギ)を用いて、GC−MSによるトリコテセン系マイコトキシンの定量を行った。
a)サンプル調製
実施例3で調製した各種粉末ムギサンプル保存溶液160μLを1mL容キャップ付きチューブに取り、気流下で濃縮・乾固し、さらに真空デシケータ内に一昼夜置き、完全に乾固させた。これにトリメチルシリル化剤(N−トリメチルシリルイミダゾール:N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド:トリメチルクロロシラン、3:3:2、V/V/V)25μlを加えて密栓し、50℃で20分間反応した。ついでn−ヘキサン500μlで希釈し、水200μlで水洗後、n−ヘキサン層400μlを等量のn−ヘキサンで希釈した。
b)GC−MSによる測定
得られた希釈液をガスクロマトグラフィー質量分析計(GC−MS、島津GCMS−QP2000)にかけ各種トリコテセン系マイコトキシンを定量した。測定条件は以下のとおりであった。
キャピラリーカラム(Shimadzu HiCap-CBP1)、カラム温度は120℃5分間保持、280℃まで8℃/分昇温、注入口およびインターフェース温度は280℃、イオン源温度は270℃、イオン化電圧は70eV、スキャン速度(35〜700m/z)は1.5scan/sec、サンプリング速度は5points/sec。
c)実施例3との比較
図5に示すように、それぞれの定量値は実施例3で行った本発明利用結果と大変良く一致した。図5は、KTM−240を用いてDONとNIVとを同時に定量した結果とGC−MSでDONとNIVとを別々に定量し、これを合計した結果との相関を示す。
実施例5(トリコテセン系マイコトキシン産生微生物の増殖確認)
a)測定用サンプルの調製
精白米50gを500mL三角フラスコに採り、蒸留水150mLを加えて室温で1時間放置浸潤させてから120℃、25分間オートクレーブにかけ、培養用培地(米培地)を作製した。培養用培地に保存株Fusarium graminearum,(ATCC-15624)を接種し、室温(20〜25℃)で培養し、培養上清を5日毎に500μLづつ回収した。培養用培地に何も接種せず、室温(20〜25℃)で培養し、培養上清を5日毎に500μLづつ回収したものを対照とした。回収した各サンプルにアセトニトリル/水(3:1 v/v)2.5mLを加え、ホモゲナイザー(ヒストコンNS−50:日音医理科機器)で摩砕してから3000rpmで10分間遠心分離し、得られた上清を直ちに−80℃で凍結保存し、測定用サンプルとした。
b)微生物増殖の確認
96ウェルマイクロタイタープレートに50μLの実施例1で作製したトリコテセン系マイコトキシン(式b−1)−BSAコンジュゲート溶液(20μg/mL 0.1M炭酸緩衝液pH9.5)を分注し、4℃で一夜静置した。プレートをPBSで3回洗浄した後、1%BSA/PBS溶液または1%スキムミルク/PBS 300μLを分注して室温で1時間静置し、PBSで各ウェルを3回洗浄して反応用プレートとした。
凍結保存してあった測定用サンプルを室温で融解した後、良く攪拌して160μLを1mL容キャップ付きチューブに取り、気流下で濃縮・乾固した。これにエタノール100μL及びTween−PBS溶液(0.05%Tween−20、140mM NaClを含む10mMリン酸緩衝液pH7.4)900μLを加え、これを以下の測定用試料とした。
反応用プレートの各ウェルに各測定用試料またはコントロールとしてTween−PBS溶液(0.05%Tween−20、140mM NaClを含む10mMリン酸緩衝液pH7.4)を50μL/ウェル加え、さらに各ウェルにKTM−240溶液(300ng/mL、0.1%BSA加Tween−PBS溶液)50μLを加えて十分攪拌した後、振とう攪拌しながら室温で45分間反応させた。プレートをTween−PBS溶液で5回洗浄した後、各ウェルに100μL/ウェルのHRP標識−抗マウスイムノグロブリンズ−ウサギ抗体溶液(300ng/mL 0.1%BSA加Tween−PBS溶液)を加え、振とう攪拌しながら室温で30分間反応させた。プレートを5回Tween−PBS溶液で洗浄した後、100μLのTMB溶液(インタージェン社)を加え、振とう攪拌しながら室温で30分間暗所反応させ、反応終了後1mol/Lの硫酸水溶液をウェル当たり50μL加えて反応を停止し、プレートリーダー(コロナ電気社、MTP−120)で波長450nmの吸光度を測定した。
結果を第6図に示す。微生物の増殖とともに、吸光度は減少し、微生物が増殖していること、並びに、増殖している微生物がトリコテセン系マイコトキシン産生微生物であることが確認できた。
実施例6(トリコテセン系マイコトキシン産生菌の存在確認)
a)測定用サンプルの調製
精白米50gを500mL三角フラスコに採り、蒸留水150mLを加えて室温で1時間放置浸潤させてから120℃、25分間オートクレーブにかけ、培養用培地を作製した。培養用培地をオートクレーブ滅菌した培養用試験管(10mL)に1mLずつ分注し、滅菌綿栓にて栓をして培養用試験管を作製した。
各圃場より回収した稲株(地上より5cm以内の茎部分を2cmほど刈り取ったもの)に形成されている子嚢殻を鋭利な刃物で切り取り、駒田培地を入れたシャーレに接種して室温で2日間ほど培養した後、形成されたコロニーを培養用試験管に接種し、室温(20〜25℃)で5日間培養した。培養終了後、培養上清を500μLづつ回収し、各サンプルにエタノール/水(3:1 v/v)2.5mLを加え、ホモゲナイザー(ヒストコンNS-50:日音医理科機器)で摩砕してから3000rpmで10分間遠心分離し、得られた上清を測定用サンプルとした。
b)微生物増殖の確認
96ウェルマイクロタイタープレートに50μLの実施例1で作製したトリコテセン系マイコトキシン(式b−1)−BSAコンジュゲート溶液(20μg/mL 0.1M炭酸緩衝液pH9.5)を分注し、4℃で一夜静置した。プレートをPBSで3回洗浄した後、1%BSA/PBS溶液または1%スキムミルク/PBS 300μLを分注して室温で1時間静置し、PBSで各ウェルを3回洗浄して反応用プレートとした。
測定用サンプルを良く攪拌してその500μLを1mL容キャップ付きチューブに取り、気流下で濃縮・乾固した。これにエタノール50μL及びTween−PBS溶液(0.05%Tween−20、140mM NaClを含む10mMリン酸緩衝液pH7.4)450μLを加え、これを以下の測定用試料とした。
反応用プレートの各ウェルに各測定用試料またはコントロールとしてTween−PBS溶液(0.05%Tween−20、140mM NaClを含む10mMリン酸緩衝液pH7.4)を50μL/ウェル加え、さらに各ウェルに▲1▼KTM−205溶液(300ng/mL、0.1%BSA加Tween−PBS溶液)50μL、または▲2▼KTM−240溶液(300ng/mL、0.1%BSA加Tween−PBS溶液)50μLを加えて十分攪拌した後、振とう攪拌しながら室温で45分間反応させた。プレートをTween−PBS溶液で5回洗浄した後、各ウェルに100μL/ウェルのHRP標識−抗マウスイムノグロブリンズ−ウサギ抗体溶液(300ng/mL 0.1%BSA加Tween−PBS溶液)を加え、振とう攪拌しながら室温で30分間反応させた。プレートを5回Tween−PBS溶液で洗浄した後、100μLのTMB溶液(インタージェン社)を加え、振とう攪拌しながら室温で30分間暗所反応させ、反応終了後1mol/Lの硫酸水溶液をウェル当たり50μL加えて反応を停止し、プレートリーダー(コロナ電気社、MTP−120)で波長450nmの吸光度を測定した。
結果を第7図に示す。圃場A、B、Dから採取した稲株からの分離菌株を培養した培地中にトリコテセン系マイコトキシンが検出され、圃場Cから採取した稲株からの分離菌株を培養した培地中にはトリコテセン系マイコトキシンは検出されなかった。従って圃場A,B,Dはトリコテセン系マイコトキシン産生菌によってすでに汚染されている可能性が示されたが、圃場Cでは、その可能性が否定された。さらに、A,B,Dの結果から、圃場AはDONを主に産生する菌株に、圃場B、DはNIVを産生する菌株に汚染されていることが示された。
産業上の利用可能性
本発明のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて、農作物、飲食品、飼料等に存在するトリコテセン系マイコトキシンを簡便かつ正確に定量および検出することができる。

Claims (40)

  1. 式(II)
    (式中、R1a、R3aおよびR4aは、同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度がR1aおよびR3aがOCOCH3でR4aがOHである上記式(II)で表される化合物1−1、R1aおよびR4aがOHでR3aがOCOCH3である上記式(II)で表される化合物1−2、R1a、R3aおよびR4aがOCOCH3である上記式(II)で表される化合物1−3において、化合物1−1>化合物1−2>化合物1−3の順で高く、かつ式(A)
    (式中、R1A、R3AおよびR4Aは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物および式(B)
    (式中、R1BR 2B およびR 3B は同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物とは反応しないモノクローナル抗体またはその抗体断片。
  2. FERM BP−6835として、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されているハイブリドーマ細胞株KTM−205が生産する請求項1記載のモノクローナル抗体KTM−205またはその抗体断片。
  3. 式(III)
    (式中、R1b、R3bおよびR4bは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表し、R2bはH、OHまたはアシルオキシを表し、かつR2bがHまたはOHのときにはR1b、R3bおよびR4bのうち少なくとも1つの基がアシルオキシで表される)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度がR1bおよびR3bがOCOCH3でR2bがH でR4bがOHである上記式(III)で表される化合物2−1、R1b、R3bおよびR4bがOCOCH3でR2bがHである上記式(III)で表される化合物2−2、R1bおよびR4bがOHでR2bおよびR 3b がOCOCH3である上記式(III)で表される化合物2−3において、化合物2−1>化合物2−2>化合物2−3の順で高く、かつ式(C)
    (式中、R1C、R2CおよびR3Cは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物とは反応しないモノクローナル抗体。
  4. FERM BP−6836として、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されているハイブリドーマ細胞株KTM−240が生産する請求項3記載のモノクローナル抗体KTM−240。
  5. 式(IV)
    (式中、R1c、R2cおよびR3cは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表し、かつR1c、R2cおよびR3cのうち少なくとも1つの基がアシルオキシで表される)で表される化合物に対し親和性を有し、その親和性の程度がR1cがOHでR2cおよびR3cがOCOCH3である上記式(IV)で表される化合物3−1、R1c、R2cおよびR3cがOCOCH3である上記式(IV)で表される化合物3−2において、化合物3−1>化合物3−2であり、かつ式(D)
    (式中、R1D、R3DおよびR4Dは同一または異なってOHまたはアシルオキシを表し、R2Dは、H OHまたはアシルオキシを表す)で表される化合物とは反応しないモノクローナル抗体。
  6. FERM BP−6837として、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されているハイブリドーマ細胞株KTM−249が生産する請求項5記載のモノクローナル抗体KTM−249。
  7. 請求項1または2記載のモノクローナル抗体を生産する能力を有するハイブリドーマ細胞。
  8. 請求項3または4記載のモノクローナル抗体を生産する能力を有するハイブリドーマ細胞。
  9. 請求項5または6記載のモノクローナル抗体を生産する能力を有するハイブリドーマ細胞。
  10. FERM BP−6835として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている請求項7記載のハイブリドーマ細胞。
  11. FERM BP−6836として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている請求項8記載のハイブリドーマ細胞。
  12. FERM BP−6837として工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている請求項9記載のハイブリドーマ細胞。
  13. 式(I)
    (式中、R1はOHまたはアシルオキシを表し、R2、R3およびR4は同一または異なってH、OHまたはアシルオキシを表し、Z1はOCOCH2CH(CH3)2を表し、Z2はHを表すか、Z1とZ2が一緒になって=Oを表す。ただしR1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つはOHである)で表される化合物において、少なくとも1つの水酸基をアシルオキシに変換し、かつ3位の炭素にキャリアー物質を結合させた物質を動物に投与して免疫させ、該免疫動物から採取される抗体産生細胞と永久増殖細胞とを融合させ、請求項1〜6項のいずれかに記載のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞を得ることを特徴とするハイブリドーマ細胞の製造方法。
  14. 式(I)のR2がアシルオキシである請求項13に記載の製造方法。
  15. 式(I)で表される化合物において、少なくとも1つの水酸基をアシルオキシに変換した化合物の3位の炭素とキャリアー物質との結合が3位の置換基を架橋基とする結合である請求項13記載の製造方法。
  16. 式(I) で表される化合物において、少なくとも1つの水酸基をOR(式中、Rは置換もしくは非置換の低級アシル基、または置換もしくは非置換の芳香族アシル基を表す)で表される基に変換した化合物を有機溶媒以外の溶媒または有機溶媒を含んだ溶媒以外の溶媒に溶解したものをキャリアー物質と結合させる請求項13記載の製造方法。
  17. 有機溶媒以外の溶液または有機溶媒を含んだ溶媒以外の溶液が水である請求項16記載の製造方法。
  18. トリコテセン系マイコトキシンを含有する試料に請求項1〜6項のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片の1つ以上を作用させることを含む免疫学的方法により、試料中トリコテセン系マイコトキシンの定量を行う方法。
  19. 少なくとも1つの水酸基を有する式(I) で表される化合物において、少なくとも1つの水酸基をOR(式中、Rは置換もしくは非置換の低級アシル基、または置換もしくは非置換の芳香族アシル基を表す)で表される基に変換し、これに請求項1〜6項のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片の1つ以上を作用させることを含む免疫学的方法により、試料中トリコテセン系マイコトキシンの定量を行う方法。
  20. トリコテセン系マイコトキシンがデオキシニバレノール(DON)、ニバレノール(NIV)およびT-2トキシン(T-2)ならびにそれらの誘導体からなる群から選ばれるものである請求項18または19記載の方法。
  21. 請求項3または4記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて請求項18または19記載の方法により得られる定量値と請求項5または6記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて請求項18または19記載の方法により得られる定量値とを計算することによる、試料中のDON、NIVおよびT-2ならびにそれらの誘導体の総量を定量する方法。
  22. 請求項1または2記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて請求項18または19記載の方法により、試料中のNIVおよびその誘導体を定量する方法。
  23. 請求項3または4記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて請求項18または19記載の方法により得られる定量値からDON、NIVおよびそれらの誘導体を定量する方法。
  24. 請求項3または4記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて請求項18または19記載の方法により得られる定量値と請求項1または2記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて請求項18または19記載の方法により得られる定量値とを計算することによる、試料中のDONおよびその誘導体を定量する方法。
  25. 請求項5または6記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片を用いて請求項18または19記載の方法により試料中のT−2およびその誘導体を定量する方法。
  26. 免疫学的方法が、ラジオイムノアッセイ、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイおよび発光イムノアッセイから選ばれる請求項18または19記載の方法。
  27. 免疫学的方法が、競合法およびサンドイッチ法から選ばれる請求項18または19記載の方法。
  28. 請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体またはそれらの抗体断片の1種以上を有効成分として含有する、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用試薬。
  29. 請求項28記載の試薬および抗原を固相化したプレートを含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
  30. 請求項28記載の試薬、抗原を固相化したプレート、標識化された請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片に反応する抗体または抗体断片、および該抗体あるいは該抗体断片の標識を検出する試薬を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
  31. 抗原を固相化したプレート、標識化された請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片、および該抗体あるいは該抗体断片の標識を検出する試薬を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
  32. 請求項28記載の試薬および式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
  33. 請求項28記載の試薬および抗原を固相化したプレートおよび式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
  34. 請求項28記載の試薬、抗原を固相化したプレート、標識化された請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片に反応する抗体または抗体断片、該抗体あるいは該抗体断片の標識を検出する試薬、および式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
  35. 抗原を固相化したプレート、標識化された請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片、該抗体あるいは該抗体断片の標識を検出する試薬、および式(I)で表される化合物中の水酸基をOR(式中、Rは前記と同義である)で表される基に変換するための検体前処理液を含んでなる、トリコテセン系マイコトキシンの免疫学的定量用キット。
  36. トリコテセン系マイコトキシンを含有する試料を有機溶媒を含有する液で処理して、該試料からトリコテセン系マイコトキシンを抽出し、請求項18または19記載の方法により、試料中のトリコテセン系マイコトキシンの定量を行う方法。
  37. 有機溶媒が、水溶性の有機溶媒であることを特徴とする請求項36記載の方法。
  38. 水溶性の有機溶媒が、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシドおよびジメチルフォルムアミドからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項37記載の方法。
  39. トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を含有する試料を培地に接種して培養し、培養物中に生産されるトリコテセン系マイコトキシンに請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片の1つ以上を作用させることを含む免疫学的方法により、試料中のトリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を検出する方法。
  40. トリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を含有する試料を培地に接種して培養し、培養物中に生産されるトリコテセン系マイコトキシンに請求項1〜6のいずれかに記載のモノクローナル抗体あるいはそれらの抗体断片の1つ以上を作用させることを含む免疫学的方法により、試料中のトリコテセン系マイコトキシンを生産する微生物を判別する方法。
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