JP3739179B2 - シリンダ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、3段位置決め用または4段位置決め用のシリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両の簡易な変速操作を実現するため、トランスミッションのギヤシフト機構を駆動するシフトアクチュエータおよびセレクトアクチュエータとしてシリンダ装置が利用される(特開平5ー17243号公報)。シフト用およびセレクト用のシリンダ装置は、マイクロコンピュータにより電磁弁を介して制御され、車両の変速要求が発生すると、その要求位置へギヤシフト機構を駆動するようになっている。
【0003】
従来の3段位置決め可能なシリンダ装置は図13のように構成される。シリンダ206の内部に2つのフリーピストン211,212と、これらの間にピストン210が収装され、シリンダ206を貫通するロッド201上にピストン210が固定される。シリンダ206の内部にフリーピストン211に面する圧力室202と、フリーピストン212に面する圧力室203が設けられ、これらの圧力室202,203はそれぞれ電磁弁204,205を介して高圧空気源に配管される。
【0004】
図示状態において、電磁弁204を介して圧力室202へ高圧空気を供給する一方、電磁弁205を介して圧力室203を大気開放すると、フリーピストン211およびピストン210の受圧面に作用する圧力により、フリーピストン211は図示位置に停止し、ピストン210は図中右方向へ移動し、シリンダ206の右端部に突き当たる。電磁弁205を介して圧力室203へ高圧空気を供給する一方、電磁弁204を介して圧力室202を大気開放すると、フリーピストン212およびピストン210の受圧面に作用する圧力により、フリーピストン212とピストン210はシリンダ206の右端部より左方向へ一体に移動する。図示位置(中立位置)に達した後は、フリーピストン212は図示位置に停止し、ピストン210はフリーピストン211と一体的にさらに左方向へ移動し、シリンダ206の左端部に突き当たる。電磁弁204と電磁弁205を介して同時に圧力室202と圧力室203へ高圧空気を供給すると、いずれかのフリーピストン211,212と一体的にピストン210は静止位置つまり図示位置(中立位置)へ移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
トランスミッションが後退1段前進7段の場合、シフトアクチュエータとして3段位置決め可能なシリンダ装置が、セレクトアクチュエータとして4段位置決め可能なシリンダ装置が必要となる。これらシリンダ装置は構成が異なるため、2種類の部品を製造しなければならず、製造や検査などの設備費や管理費などの面で大幅なコスト高を招くという問題があった。
【0006】
図13の従来例の場合、既述のように電磁弁204,205の開閉を制御することにより、ロッド201は突出量の最大位置と最小位置とこれらの中立位置との3段位置決めが可能になるが、電磁弁204,205をとくに中立位置で停止後に圧力室202,203を大気開放すると、電磁弁204,205の応答性の違いや通路の圧力損失および圧力室202,203の容積などの違いから、ピストン210を挟む両側の圧力降下に差を生じることにより、ピストン210に働く作用力のバランスがくずれ、ロッド201の先端が若干変位する、いわゆるドリフトを生じやすい。
【0007】
このドリフト対策として、高速応答の電磁弁を採用したり、圧力降下のアンバランスを調整する絞りを通路に付けたり、出力軸に結合している負荷の抵抗をアンバランスに対抗できるように付加したりしている。電磁弁の応答速度は個々のばらつきのほか、供給電圧や供給圧力によっても変化するため、多くは高圧空気の排出通路を工夫したり、ピストンの摺動抵抗を大きくしてその問題を解決するか、ドリフトを前提とする制御システムを実施するようにしている。
【0008】
しかしながら、車両の電源電圧の変動は避けられない問題であり、通路抵抗や圧力室容積の左右違いを少なくすることは、設計時のこれらの配置に対称性を持たせることを意味し、設計の自由度に制限を加えることになり、シリンダ装置の大型化や大重量化を招いてしまう。ドリフト前提の制御システムにおいては、中立位置(ニュートラル)におけるセレクト操作時は、その前にシフト用のシリンダ装置により,中立位置の保持動作を行う必要があり、そのようにすると制御に遅れが発生し、圧縮空気の消費量も増加するという問題があった。
【0009】
この発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、3位置決め可能なシリンダ装置と4段位置決め可能なシリンダ装置とを1部品を除く共通部品により製造できるようにする。また、いずれの場合においても、ドリフトの発生しない、適確な位置決めが行えるようにする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、ハウジングに小径シリンダとこれに連続する大径シリンダを形成し、大径シリンダを摺動自由な大径部と小径シリンダを摺動自由な小径部とを備える中間段付きピストンを収装し、中間段付きピストンを介して小径シリンダ側の第1圧力室と大径シリンダ側の第3圧力室を形成し、中間段付きピストンの小径部外周と中間段付きピストンの大径部の第3圧力室と反対側との間に環状の第2圧力室を形成し、小径部を第1圧力室に開口する中間シリンダを形成し、中間シリンダの内側を第4圧力室として第1圧力室側と分割するようにピストンを摺動自由に収装し、第2圧力室と第4圧力室を常に連通する通路を設け、小径シリンダの軸方向へ延びるロッドにピストンを連結し、小径シリンダ側の端部から外部へ突出するロッドの先端部を負荷に結合し、ピストンの最大ストロークL1を制限するエンドストッパを設け、ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2に設定し、ロッドのストロークが0,L1,L2,L1+L2の4位置で停止可能とし、第1圧力室の作動圧力を給排する第1電磁弁と、第2圧力室および第4圧力室の作動圧力を給排する第2電磁弁と、第3圧力室の作動圧力を給排する第3電磁弁とを備える。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2をL1=L2に設定する。
【0012】
第3の発明では、第1の発明または第2の発明における負荷として、トランスミッションのギヤシフト機構のシフトレバーをロッドに結合する。
【0013】
第4の発明では、第1の発明において、ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2との関係をL1=L2/2に変更するスペーサを設ける。
【0014】
第5の発明では、第1の発明または第4の発明における負荷として、トランスミッションのギヤシフト機構のセレクトレバーをロッドに結合する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1はトランスミッションの変速操作装置を表すものであり、この発明におけるシリンダ装置の適用例を明らかにする上から、この変速操作装置の構成について説明する。トランスミッションは後退1段前進7段のギヤ列を備えるものとする。102はシフトアクチュエータとして3段位置決め可能なシリンダ装置、101はセレクトアクチュエータとして4段位置決め可能なシリンダ装置を表す。シフト用のシリンダ装置102の出力軸109は、反転レバー105の一端にリンクロッド104を介して連結され、さらに反転レバー105の他端からリンクロッド106を介してパワーシフト装置116の入力軸107に連結される。セレクト用のシリンダ装置101の出力軸108は、トランスミッションのセレクトレバー120にリンクロッド103を介して連結される。パワーシフト装置116の出力軸(図示せず)はトランスミッションのシフトレバーに連結される。
【0016】
運転室から手動変速のセレクト動作とシフト動作をトランスミッションのセレクトレバー120とシフトレバーに伝達するためのメカニカルな手動変速機構として、各伝達経路毎に運転室側のリンケージ119,123とトランスミッション側のリンクロッド117,121とが設けられ、これらの間にそれぞれレバー装置118,122が介装される。パワーシフト装置116の入力軸107はリンクロッド117を介してレバー装置118の一端に連結され、さらにレバー装置118の他端にリンケージ119が連結される。トランスミッションのセレクトレバー120はリンクロッド121を介してレバー装置122の一端に連結され、さらにレバー装置122の他端にリンケージ123が連結される。
【0017】
各シリンダ装置101、102にそれぞれ出力軸108,109のストローク位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられ、これらの検出信号113,111はコントローラ110に入力される。コントローラ110は車両の走行状態に基づく変速要求または人為操作に基づく変速要求が発生すると、トランスミッションをその要求位置へギヤシフトすべく、各シリンダ装置101,102へ制御信号112,114を出力する。メカニカルな変速操作への切り替え要求を発生する手段(図示せず)が設けられ、その切り替え要求を受けると、コントローラ110はトランスミッションのギヤシフト制御を停止し、これらシリンダ装置101,102をフリーな状態に解放する。
【0018】
メカニカルな変速操作への切り替え要求の発生中は、運転室から変速操作を行うと、そのシフト動作はリンケージ119からレバー装置118を介してリンクロッド117へ伝達され、パワーシフト装置116の出力によりトランスミッションのシフトレバーを駆動する。また、セレクト動作はリンケージ123からレバー装置122を介してリンクロッド121へ伝達され、トランスミッションのセレクトレバー120を駆動する。つまり、メカニカルな変速操作が必要なときは、その切り替え要求を発生させると、各シリンダ装置101,102がフリーな状態になるため、運転室からメカニカルな変速操作機構を利用することにより、車両の変速(前進7段後退1段)を行えるようになる。
【0019】
図2,図3はシフト用の3段位置決め可能なシリンダ装置102の構成を表すものである。ハウジング1に大径シリンダ1bが形成され、その奥に小径シリンダ1aが同軸上に形成される。ハウジング1の小径シリンダ1a側の前部にシリンダ1a,1bと同軸上の軸受2aが設けられる。ハウジング1に大径シリンダ1bは開口され、その開口部を塞ぐエンドキャップ3が取り付けられる。エンドキャップ3にシリンダ1a,1bと同軸上の軸受2bが形成され、これら軸受2a,2bを摺動自由に貫通するロッド4が設けられる。
【0020】
シリンダ1a,1bに中間段付きピストン8が収装される。この中間段付きピストン8は小径シリンダ1aに摺動自由な小径部8aと、大径シリンダ1bに摺動自由な大径部8bとを備えるものであり、ロッド4上に軸受2cを介して摺動自由に支持される。小径部8aの外周とシリンダ1a,1bの内周との間で環状の圧力室14b(第2圧力室)が形成される。小径部8aは筒状に形成され、その内部に中間シリンダ10が設けられる。
【0021】
中間シリンダ10に摺動自由なピストン5が設けられ、ピストン5はロッド4上の所定位置にストッパ6a,6bを介して固定される。ロッド4上にはピストン5と軸受2cを挟む反対側の所定位置にエンドストッパ11がストッパ6c,6dを介して固定される。ピストン5で中間シリンダ10の内部に圧力室14d(第4圧力室)が仕切られ、環状の圧力室14bとの間を常に連通する通路16dが形成される。ピストン5を内蔵する中間段付きピストン8により、小径側の圧力室14a(第1圧力室)と大径側の圧力室14c(第3圧力室)が形成される。
【0022】
これら圧力室14a〜14cはそれぞれ通路16a〜16cを介して電磁弁15a〜15cに接続される。電磁弁15a〜15cは圧力室14a〜14cの圧縮空気を給排するものであり、高圧空気源100に配管接続される。高圧空気源100はコンプレッサ(図示せず)からの圧縮空気を蓄えるエアリザーバ51と、エアリザーバ51から電磁弁15a〜15bへの供給圧力を所定値に調圧する減圧弁50を備える。
【0023】
ピストン5およびエンドストッパ11との衝突を緩和するため、中間段付きピストン8の軸受2cを挟む両側に衝撃吸収部材12c,12dが取り付けられる。中間段付きピストン8の大径部8bとの衝突を緩和するため、大径シリンダの両端に衝撃吸収部材12a,12bが取り付けられる。この場合、3段位置決め可能なシリンダ装置を構成するため、ピストン5の最大ストロークL1と中間段付きピストン8の最大ストロークL2との関係は、L1=L2に設定される。
【0024】
9aはピストン5と中間シリンダ10との摺動面を密封するシール、7aは中間段付きピストン8の小径部8aと小径シリンダ1aとの摺動面を密封するシール、7bは同じく大径部8bと大径シリンダ1bとの摺動面を密封するシール、9bは軸受2とロッド4との摺動面を密封するシール、13a,13bはシリンダ1a,1bの両側の軸受2a,2bとロッドとの摺動面を密封するシールである。
【0025】
電磁弁15a〜15cがオフのときは、圧力室14a〜14dは大気開放される。この状態において、ロッド5は外部力で操作すると、ピストン5の最大ストロークL1と中間段付きピストン8の最大ストロークL2との和(L1+L2)の範囲を任意に移動できる。そして、電磁弁15a〜15cを選択的にオンすることにより、ロッド4の3段位置決めが行われるのであり、その動作を図3,図4に基づいて説明する。図9は電磁弁15a〜15cの動作パターンを表すものである。
【0026】
ロッド4の先端をF位置からN位置へ移動させるときは、電磁弁15bをオンして圧力室14bへ圧縮空気を供給する一方、電磁弁15a,15cをオフして圧力室14a,14cを大気開放する。電磁弁15bのオンにより、圧力室14bの圧力が上昇し、圧力室14bに通路16dを介して連通する圧力室14dの圧力も上昇する。圧力室14dの圧力により、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ付勢されるが、エンドストッパ11がその動きを制限しているため、ピストン5は中間シリンダ10の内部において、圧力室14dを最大に拡大した状態を維持しつづける。
【0027】
圧力室14bの圧力(圧力室14dの圧力に基づく中間段付きピストン8への作用力は、これと対抗するピストン5への作用力と相殺される)により、中間段付きピストン8は圧力室14cを縮小する方向へ距離L2だけ移動し、大径シリンダ1bの基端部(衝撃吸収部材12b)に突き当たる。そのため、中間段付きピストン8の動きに追従し、ロッド4の先端はF位置から、1ー(1)のように距離L2を後退し、N位置に停止する。
【0028】
N位置に停止後は、電磁弁15bをオフする。圧力室14b,14dの高圧空気は通路16b,16dを介して排出される。高圧空気の排気中は、圧力室14b,14dは大気圧よりも高く、圧力室14a,14cは大気圧のため、圧力室14b,14dは容積を拡大しよとするが、ピストン5はエンドストッパ11により制限され、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に突き当たり、両者とも圧力室14b,14dを拡大する方向へ動けない。つまり、エンドストッパ11を中間段付きピストン8の受圧面(衝撃吸収部材12d)に、中間段付きピストン8を大径シリンダ1bの基端部に押し付けながら、圧力室14bおよび圧力室14dの圧力は大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じるようなことはない。
【0029】
N位置からR位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15aをオンして圧力室14aへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15b,15cをオフして圧力室14b,14cを大気開放する。圧力室14aの圧力により、ピストン5は中間シリンダ10の奥方へ距離L1だけ移動し、中間シリンダ10の底部(衝撃吸収部材12c)に突き当たる。圧力室14aの圧力は中間段付きピストン8を圧力室14cを縮小する方向へ付勢するが、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に接触しているため、その方向へ動けない。そのため、ロッド4の先端はN位置から、1ー(2)のように距離L1を後退し、R位置に停止する。
【0030】
R位置に停止後は、電磁弁15aをオフする。圧力室14aの高圧空気は通路16aを介して排出される。高圧空気の排気中は、ピストン5および中間段付きピストン8を動けない状態に保持しながら、圧力室14aの圧力は大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じるようなことはない。
【0031】
R位置からN位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15bをオンして圧力室14b,14dへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15a,15cをオフして圧力室14a,14cを大気開放する。圧力室14bに面する中間段付きピストン8の受圧面に圧力が作用し、圧力室14cを縮小する方向へ中間段付きピストン8を付勢するが、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に接触しているため、それ以上に動けない。圧力室14dの圧力により、ピストン5は中間シリンダ10の底部から圧力室14dを拡大する方向へ距離L1だけ移動し、エンドストッパ11が中間段付きピストン8の受圧面に突き当ると停止される。そのため、ロッド4の先端はR位置から、1ー(3)のように距離L1を前進し、N位置に停止する。
【0032】
N位置に停止後は、電磁弁15bをオフする。圧力室14b,14dの高圧空気は通路16b,16dを介して排出される。高圧空気の排出中は、中間段付きピストン8およびピストン5をそれぞれ停止状態に保持しながら、圧力室14b,14dの圧力は大気圧に低下するため、ロッド4の位置ずれを生じるようなことはない。
【0033】
N位置からF位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15b,15cをオンして圧力室14b,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15aをオフして圧力室14aを大気開放する。電磁弁15bと電磁弁15cの動作順序については、▲1▼電磁弁15bのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。▲1▼〜▲3▼のいずれでも良いが、▲1▼の場合を説明すると、電磁弁15bのオンにより通路16bを介して高圧空気が供給され、圧力室14bおよび圧力室14dの圧力が上昇する。この圧力は圧力室14b,14dを拡大する方向へ作用し、中間段付きピストン8を大径シリンダ1bの基端部に押し付けながら、ピストン5をエンドストッパ11の制限が働く方向へ付勢する。
【0034】
電磁弁15bのオン後に電磁弁15cをオンすると、通路16cを介して高圧空気が圧力室14cへも供給される。圧力室14cの圧力は上昇し、圧力室14cを拡大させる方向へ中間段付きピストン8を移動させようとする。その圧力の上昇初期においては、圧力室14bの圧力に基づく作用力の方が優勢のため、中間段付きピストン8は移動しない。圧力室14cの圧力がさらに上昇し、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14bの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14bに面する受圧面積]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(1)式の条件を満たすと、中間段付きピストン8は圧力室14cの容積を拡大する方向への移動を開始し、大径シリンダ1bの段部(衝撃吸収部材12a)に制限される距離L2を移動する。その間もピストン5はエンドストッパ11の制限を受けつつ、圧力室14dの圧力によりその容積を拡大する方向へ付勢されるため、ロッド4の先端はN位置から、1ー(4)のように距離L2を前進し、F位置に停止する。
【0035】
F位置に停止後は、電磁弁15b,15cをオフする。その際の電磁弁15bと電磁弁15cの動作順序については、▲1▼電磁弁15bのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15bをオフする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオフする、ということが考えられる。圧力室14cの圧力と圧力室14bの圧力との関係が、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14bの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14bに面する受圧面積]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(1)式の条件を満たせない状態を発生すると、中間段付きピストン8が動いてしまう。
【0036】
▲1▼の場合は、(1)式の条件を最も確実に満たせる。▲2▼の場合は、(1)式の条件が満たせない状態を発生しやすい。▲3▼の場合は、圧力室14bの圧力が低下するのと同時に圧力室14cの圧力も低下するが、圧力降下の割合は、圧力室14bの方が速いため、(1)式の条件を満たせる。
【0037】
図5はロッド4の3段位置決めについて、別の動作方法を説明するものである。
【0038】
ロッド4の先端をF位置からN位置へ移動させるときは、電磁弁15a,15cをオンして圧力室14a,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15bをオフして圧力室14bを大気開放する。電磁弁15aと電磁弁15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。最終的な位置決めだけを目的にすると、▲1▼〜▲3▼のいずれでも同じ結果が得られるが、動作過程での行き過ぎを防止する目的からは、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(2)式の条件を満たす必要があり、その意味から▲2▼または▲3▼が良く、確実には▲2▼の方が良い。
【0039】
▲2▼の場合を説明すると、電磁弁15cのオンにより、高圧空気が通路16cを介して圧力室14cに供給され、圧力室14cの圧力が上昇する。この圧力は圧力室14cに面する中間段付きピストン8の受圧面に作用し、圧力室14cの容積を拡大する方向へ中間段付きピストン8を移動させようとするが、その移動は大径シリンダ1bの段部で制限されている。電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンすると、高圧空気が通路16aを介して圧力室14aに供給される。圧力室14aの圧力は上昇し、圧力室14aの容積を拡大する方向へ中間段付きピストン8およびピストン5を移動させようとするが、中間段付きピストン8は圧力室14c側の作用力の方が優勢のため、停止状態に維持される。ピストン5は中間シリンダ10の奥方へ距離L1だけ移動し、中間シリンダ10の底部に突き当たる。その後、圧力室14aの圧力と圧力室14cの圧力との関係が、(2)式の条件を満すから、中間段付きピストン8およびピストン5が移動することはない。そのため、ロッド4の先端はF位置から、2ー(1)のように距離L1を後退し、N位置に停止する。
【0040】
N位置に停止後は、電磁弁15a、15cをオフする。その際の動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15aをオフする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオフする、ということが考えられる。電磁弁15a,15cのオフ動作に伴うロッド4の位置ずれを防止するためには、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(3)式の条件を満たす必要があり、その意味から▲1▼または▲3▼が良く、確実には▲1▼の方が良い。
【0041】
▲1▼の場合を説明すると、電磁弁15aのオフにより、圧力室14aの圧力は低下する。圧力室14aの圧力が十分に低下した時点で電磁弁15cをオフすると、(3)式の条件を確実に満たしながら、圧力室14a,14cの圧力を大気圧に低下させることができる。
【0042】
N位置からR位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15aをオンして圧力室14aへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15b,15cをオフして圧力室14b,14cを大気開放する。高圧空気が通路16aを介して圧力室14aへ供給され、圧力室14aの圧力が上昇する。圧力室14aに面する中間段付きピストン8の受圧面およびピストン5の受圧面に圧力が作用し、中間段付きピストン8はピストン5と一体に圧力室14aの容積を拡大する方向へ距離L2だけ移動し、大径シリンダ1bの基端部に突き当たる。そのため、ロッド4の先端はN位置から、2ー(2)のように距離L2を後退し、R位置に停止する。
【0043】
R位置に停止後は、電磁弁15aをオフする。圧力室14aの高圧空気が通路16aを介して排気される。高圧空気の排気中は、圧力室14b〜14dよりも圧力室14aの方が圧力が高いため、ピストン5および中間段付きピストン8は、圧力室14aを拡大する方向へ付勢される。つまり、中間段付きピストン8およびピストン5の動きを抑えながら、圧力室14aの圧力は大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じることはない。
【0044】
R位置からN位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15a,15cをオンして圧力室14a,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15bをオフして圧力室14bを大気開放する。その際、電磁弁15a,15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。電磁弁15aがオフのままでも、電磁弁15cのオンにより、中間段付きピストン8をピストン5と一体に小径シリンダ1a側へ距離L2だけ移動させることはできるが、ロッド4がN位置に到達すると同時に中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの段部に突き当たり、急激に停止するのに対し、ピストン5はそれまでの移動速度を維持しようとする、いわゆる慣性力のために行き過ぎを生じる可能性がある。この行き過ぎを防止するためには、圧力室14aの圧力でピストン5を中間シリンダ10の底部に押し付けながら、中間段付きピストン8を移動させる必要がある。
【0045】
▲1▼の場合は最も確実にピストン5(すなわち、ロッド4)の行き過ぎを防止できるが、中間段付きピストン8が動き始める条件、前記(2)式の成立が遅れてしまう。▲2▼の場合は逆に中間段付きピストン8の動き始めが早いが、ピストン5の行き過ぎを起こしやすい。▲3▼の場合は圧力室14a,14cへ高圧空気が同時に供給されるが、これら圧力室14a,14cの容積を考えると、圧力室14aの圧力の方が立ち上がりが速いため、ピストン5の行き過ぎを確実に防止しつつ、N位置への移動もある程度早く開始できるようになる。
【0046】
N位置に停止後は、電磁弁15a,15cをオフする。その際、ロッド4の位置ずれを防止するため、電磁弁15aのオフ後に前記(2)式を満たせるよう、電磁弁15cをオフする。
【0047】
N位置からF位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15b,15cをオンして圧力室14b,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15aをオフして圧力室14aを大気開放する。電磁弁15bと電磁弁15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15bのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。動作過程の不規則な動きを防止する目的から最も望ましい、▲2▼の場合を説明する。電磁弁15cのオンにより、圧力室14cの圧力が上昇する。圧力室14cに面する中間段付きピストン8の受圧面に圧力が作用し、圧力室14cを拡大する方向へ中間段付きピストン8を移動させようとするが、大径シリンダ1bの段部に制限され、中間段付きピストン8は停止状態に維持される。
【0048】
電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンすると、圧力室14bおよび圧力室14dの圧力が上昇する。中間段付きピストン8の圧力室14bに面する受圧面にその圧力は作用するが、圧力室14cに面する受圧面に働く圧力の作用力の方が優勢のため、中間段付きピストン8は停止状態に保持される。ピストン5の圧力室14dに面する受圧面にも圧力が作用し、ピストン5を圧力室14dを拡大する方向へ移動させる。ピストン5は距離L1だけ移動し、エンドストッパ11が中間段付きピストン8に突き当たると、それ以上の移動を制限される。そのため、ロッド4の先端はN位置から、2ー(4)のように距離L1を前進し、F位置に停止する。
【0049】
F位置に停止後は、電磁弁15b,15cをオフする。その動作順序として、▲1▼電磁弁15bのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15bをオフする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオフする、ということが考えられる。ロッド4の位置ずれを防止する目的からは、前記(1)式の条件を満たしながら、圧力室14b,14cの高圧空気を排出させることが必要になる。
【0050】
▲1▼の場合は、(1)式の条件を最も確実に満たせる。▲2▼の場合は、(1)式の条件が満たせない状態を発生しやすい。▲3▼の場合は、圧力室14b,14cの圧力は同時に低下するが、圧力降下の割合は、圧力室14bの方が速く、(1)式の条件を満たせる。
【0051】
図6,図7はセレクト用の4段位置決め可能なシリンダ装置101(図1参照)の構成を表すものであり、図2のシリンダ装置102における衝撃吸収部材12cに代えて、ピストン5の最大ストロークL1と中間段付きピストン8の最大ストロークL2との関係をL1=L2/2に変更するため、衝撃吸収部材12e(スペーサ)が中間シリンダ10の底部に取り付けられる。なお、図2と同じ部品に同じ符号を付け、重複説明は省略する。
【0052】
衝撃吸収部材12e以外は、3段位置決め可能なシリンダ装置102と共通部品が用いられる。つまり、衝撃吸収部材12c,12eのいずれを組み付けるかにより、シフト用のシリンダ装置102にも、セレクト用のシリンダ装置101にも構成できる。また、部品の共通化が最大限に図れ、これら2種のシリンダ装置101,102の生産性は飛躍的な向上する。
【0053】
図8に4段位置決め可能なシリンダ装置101の動作方法を説明する。図10は電磁弁15a〜15cの動作パターンを表すものである。
【0054】
ロッド4の先端を1位置から2位置へ移動させるときは、電磁弁15a,15cをオンして圧力室14a,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15bをオフして圧力室14bを大気開放する。電磁弁15aと電磁弁15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15cをオンする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。最終的な位置決めだけを目的にすると、▲1▼〜▲3▼のいずれでも同じ結果が得られるが、その動作過程における行き過ぎを防止する目的からは、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(2)式の条件を満たす必要があり、その意味から▲2▼または▲3▼が良く、確実には▲2▼の方が優れている。
【0055】
▲2▼の場合を説明すると、電磁弁15cのオンにより、圧力室14cの圧力が上昇する。圧力室14cに面する中間段付きピストン8の受圧面に圧力が作用し、圧力室14cを拡大する方向へ中間段付きピストン8を移動させようとするが、その移動は大径シリンダ1bの段部(衝撃吸収部材12a)に制限されている。電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンすると、高圧空気が通路16aを介して圧力室14aに供給される。圧力室14aの圧力は上昇し、圧力室14aを拡大する方向へ中間段付きピストン8およびピストン5を移動させようとするが、中間段付きピストン8は圧力室14c側の作用力の方が優勢のため、停止状態に維持される。ピストン5は、中間シリンダ10の奥方へ距離L1だけ移動し、その底部(衝撃吸収部材12e)に突き当たる。その後は圧力室14aの圧力と圧力室14cの圧力との関係が、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(2)式の条件を満たすから、中間段付きピストン8およびピストン5が移動することはない。そのため、ロッド4の先端は1位置から、3ー(1)のように距離L1を後退し、2位置に停止する。
【0056】
2位置に停止後は、電磁弁15a、15cをオフする。その動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15aをオフする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオフする、ということが考えられる。ロッド4の位置ずれを防止するためには、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(2)式の条件を満たす必要があり、その意味から▲1▼または▲3▼が良く、確実には▲1▼の方が優れている。
【0057】
▲1▼の場合を説明すると、電磁弁15aのオフにより、圧力室14aの圧力は低下する。圧力室14aの圧力が十分に低下した時点で電磁弁15cをオフすると、(2)式の条件を確実に満たしながら、圧力室14a,14cの圧力を大気圧に低下させることができる。
【0058】
2位置から3位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15bをオンして圧力室14bへ圧縮空気を供給する一方、電磁弁15a,15cをオフして圧力室14a,14cを大気開放する。圧力室14dの圧力により、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ距離L1だけ移動し、エンドストッパ11によりそれ以上の移動を制限される。中間段付きピストン8は圧力室14bの圧力により、圧力室14cを縮小する方向へ距離L2だけ移動し、大径シリンダの基端部(衝撃吸収部材12b)に突き当たる。そのため、ロッド4の先端は2位置から、3ー(2)のように距離L2−L1を後退し、3位置に停止する。
【0059】
3位置に停止後は、電磁弁15bをオフする。圧力室14bおよび圧力室14dの高圧空気は通路16bを介して排出される。その排気中は、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ付勢され、中間段付きピストン8は圧力室14bを拡大する方向へ付勢される。つまり、ピストン5の動きをエンドストッパ11で制限しつつ、中間段付きピストン8を大径シリンダ1bの基端部に押し付けながら、圧力室14bおよび圧力室14dの圧力は大気圧に低下するため、ロッド4の位置ずれを生じるようなことはない。
【0060】
3位置から4位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15aをオンして圧力室14aへ圧縮空気を供給する一方、電磁弁15b,15cをオフして圧力室14b,14cを大気開放する。圧力室14aの圧力により、ピストン5は圧力室14dを縮小する方向へ距離L1だけ移動し、中間シリンダ10の底部に突き当たる。圧力室14aの圧力は中間段付きピストン8にも作用し、圧力室14cを縮小する方向へ付勢するが、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に接触しているため、停止状態に維持される。そのため、ロッド4の先端は3位置から、3ー(3)のように距離L1を移動し、4位置に停止する。
【0061】
4位置に停止後は、電磁弁15aをオフする。圧力室14b,14dおよび圧力室14cは大気圧のため、ピストン5および中間シリンダ10をそれぞれ動けない状態(圧力室14aを最大に拡大した状態)に保持しながら、圧力室14aの圧力は大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じることはない。
【0062】
4位置から3位置へ移動させるときは、電磁弁15bをオンして圧力室14bへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15a,15cをオフして圧力室14a,14cを大気開放する。圧力室15bの圧力により、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に押し付けられる。圧力室14dの圧力により、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ距離L1だけ移動し、エンドストッパ11が中間段付きピストン8に突き当たると、それ以上の移動を制限される。そのため、ロッド4の先端は4位置から、3ー(4)のように距離L1を移動し、3位置に停止する。
【0063】
3位置に停止後は、電磁弁15bをオフする。圧力室14b,14dの高圧空気は通路16b,16dを介して排気される。圧力室14b,14dの圧力は、これらの容積を拡大する方向へピストン5および中間段付きピストン8を付勢しながら、大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じることはない。
【0064】
3位置から2位置へ移動させるときは、電磁弁15a,15cをオンして圧力室14a,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15bをオフして圧力室14bを大気開放する。圧力室14aの圧力により、ピストン5は圧力室14dを縮小する方向へ距離L1だけ移動し、中間シリンダ10の底部に突き当たる。中間段付きピストン8は圧力室14cの圧力により、圧力室14bを縮小する方向へ距離L2だけ移動し、大径シリンダ1bの段部に突き当たる。そのため、ロッド4の先端は2位置から、3ー(5)のように距離L2−L1を移動し、2位置に停止する。
【0065】
電磁弁15a,15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオンする、ことが考えられるが、中間段付きピストン8が大径シリンダ1bの段部に突き当たる際の慣性力により、ピストン5が行き過ぎないよう、圧力室14aの圧力でピストン5の動きを抑える必要がある。▲1▼の場合はピストン5の行き過ぎを最も確実に防止できるが、ロッド4の移動に時間が長くかかる。▲2▼または▲3▼でもピストン5の行き過ぎを抑えられるため、ロッド4の移動時間を短縮する目的から、▲3▼の動作順序を採用することが望まれる。
【0066】
2位置に停止後は、電磁弁15a,15cをオフする。その際の動作順序は、ロッド4の位置ずれを生じさせないよう、前記(2)式の条件を満たしながら、圧力室14aおよび圧力室14cの圧力を大気圧に低下させる必要があり、電磁弁15aのオフ後に電磁弁15cをオフすると良い。
【0067】
2位置から1位置へ移動させるときは、電磁弁15b,15cをオンして圧力室14b、14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15aオフして圧力室14aを大気開放する。電磁弁15b,15cの動作順序については、ロッド4の位置ずれを最も確実に防止する目的から、電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンすることが望ましい。その場合を説明すると、電磁弁15cのオンにより、圧力室14cの圧力が上昇する。中間段付きピストン8はこの圧力により、圧力室14bを縮小する方向へ付勢されるが、大径シリンダ1bの段部にその方向への移動を制限されている。電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンすると、圧力室14dの圧力により、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ距離L1だけ移動し、それ以上の移動をエンドストッパ11により制限される。この圧力は圧力室14bに面する中間段付きピストン8の受圧面にも作用するが、圧力室14cの圧力に基づく作用力の方が優勢のため、中間段付きピストン8は停止状態を維持しつづける。このため、ロッド4の先端は2位置から、3ー(6)のように距離L1を移動し、1位置に停止する。
【0068】
1位置に停止後は、電磁弁15b,15cをオフする。その際の動作順序は、▲1▼電磁弁15bのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15bをオフする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオフする、ことが考えられるが、ロッド4の位置ずれを防止する目的からは、▲1▼または▲3▼が望ましく、確実には▲1▼がよい。▲2▼では[圧力室14cの圧力]>[圧力室14bの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14bに面する受圧面積]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(1)式の条件を満足できない状態が発生しやすく、動作順序として好ましくない。
【0069】
▲1▼の場合について説明すると、電磁弁15bのオフにより、圧力室14bおよび圧力室14dの高圧空気は、通路16bを介して排出される。この排気中は、圧力室14aよりも圧力室14dの方が圧力は高いため、ピストンは圧力室14dの圧力により、エンドストッパ11を中間段付きピストン8の受圧面に押し付けつづける。電磁弁15bのオフ後に電磁弁15cをオフすると、圧力室14cの圧力が低下する。圧力室14bの圧力と圧力室14cの圧力との関係は、(1)式の条件を満たすから、圧力室14cを縮小する方向へ中間段付きピストン8が動くようなことはない。
【0070】
図11,図12はそれぞれ別の実施形態を説明するものであり、各図の(a)は3位置決め可能なシリンダ装置102を、(b)は4段位置決め可能なシリンダ装置101を表す。図11においては、図2のシフト用のシリンダ装置102および図6のセレクト用のシリンダ装置101に対し、大径シリンダ1b側の軸受(図1,図6の2b)が廃止される。ロッド4はエンドストッパ11から先の部分が短縮され、小径シリンダ1a側の軸受2aからのみ、外部へ突出するように構成される。図12においては、同じく図2,図6のシリンダ装置102,101に対し、ロッド4はピストン5から先の部分が短縮され、大径シリンダ1b側の軸受(図1,図6の2b)および中間段付きピストン8の軸受(図2,図6の2c)が廃止される。ピストン5の最大ストロークL1を制限を制限するエンドストッパ11は、中間シリンダ10の開口部に取り付けられる。なお、図11,図12において、図2,図6と同じ機能の部品は同じ符号を付ける。これらの構成に基づく作用についても、図4、図5、図8と同様のため、重複説明は省略する。
【0071】
【発明の効果】
第1の発明では、第1電磁弁〜第3電磁弁を選択的に開閉操作することにより、ロッドのストロークは0,L1,L2,L1+L2の4位置に停止可能になる。このロッドの位置決め動作に2つの電磁弁を作動させることが必要なケースもあるが、2つの電磁弁の動作順序と受圧面積差とで対応することにより、動作過程の行き過ぎや位置決め後の作動圧力の排出に伴う位置ずれの発生を防止することが可能になる。
【0072】
第2の発明では、L1=L2のため、第1電磁弁〜第3電磁弁を選択的に開閉操作することにより、ロッドのストロークは0,L1(L1=L2),L1+L2の等間隔な3位置に停止可能になる。中立位置(ストロークL1の位置)への動作時は、第1電磁弁と第3電磁弁との2つを作動させる方法のほか、第2電磁弁のみを作動させる方法があり、この方法を採用すると、作動圧力の排出に伴う位置ずれも生じさせることがない。したがって、3段置決め動作の制御性は格段に向上するという効果が得られる。
【0073】
第3の発明では、シリンダ装置の3段階の位置決め制御を行うことにより、トランスミッションの前後への選択的なギヤ入れおよびこれらギヤ間のニュートラル位置へのギヤ抜きを適確に行うることができる。
【0074】
第4の発明では、L1=L2/2のため、第1電磁弁〜第3電磁弁を選択的に開閉操作することにより、ロッドのストロークは0,L1,L2,L1+L2の等間隔な4位置に停止可能になる。スペーサ以外の部品は、3段位置決め可能なシリンダ装置に共通なため、スペーサの組み付けを選択することにより、用途に応じて4段位置決め可能なシリンダ装置にも、3段位置決め可能なシリンダ装置にも容易に構成できる。つまり、部品の共通化により、これら2種のシリンダ装置の生産性を飛躍的に向上できる。
【0075】
第5の発明では、シリンダ装置の4段位置決め制御を行うことにより、トランスミッションにおいて、4段階のセレクト動作を適確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トランスミッションの変速操作装置を説明する構成図である
【図2】3段位置決め可能なシリンダ装置の一部裁断構成図である。
【図3】3段位置決め可能なシリンダ装置の概略構成図である。
【図4】3段位置決め動作の説明図である。
【図5】3段位置決め動作の説明図である。
【図6】4段位置決め可能なシリンダ装置の一部裁断構成図である。
【図7】4段位置決め可能なシリンダ装置の概略構成図である。
【図8】4段位置決め動作の説明図である。
【図9】電磁弁の動作パターンを表す説明図である。
【図10】電磁弁の動作パターンを表す説明図である。
【図11】シリンダ装置(a),(b)の概略構成図である。
【図12】シリンダ装置(a),(b)の概略構成図である。
【図13】従来装置の説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 小径シリンダ
1b 大径シリンダ
4 ロッド
5 ピストン
8 中間段付きピストン
10 中間シリンダ
11 エンドストッパ
12a〜12d,12e 衝撃吸収部材
14a〜14d 圧力室
15a〜15c 電磁弁
16a〜16d 通路
【発明の属する技術分野】
この発明は、3段位置決め用または4段位置決め用のシリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、車両の簡易な変速操作を実現するため、トランスミッションのギヤシフト機構を駆動するシフトアクチュエータおよびセレクトアクチュエータとしてシリンダ装置が利用される(特開平5ー17243号公報)。シフト用およびセレクト用のシリンダ装置は、マイクロコンピュータにより電磁弁を介して制御され、車両の変速要求が発生すると、その要求位置へギヤシフト機構を駆動するようになっている。
【0003】
従来の3段位置決め可能なシリンダ装置は図13のように構成される。シリンダ206の内部に2つのフリーピストン211,212と、これらの間にピストン210が収装され、シリンダ206を貫通するロッド201上にピストン210が固定される。シリンダ206の内部にフリーピストン211に面する圧力室202と、フリーピストン212に面する圧力室203が設けられ、これらの圧力室202,203はそれぞれ電磁弁204,205を介して高圧空気源に配管される。
【0004】
図示状態において、電磁弁204を介して圧力室202へ高圧空気を供給する一方、電磁弁205を介して圧力室203を大気開放すると、フリーピストン211およびピストン210の受圧面に作用する圧力により、フリーピストン211は図示位置に停止し、ピストン210は図中右方向へ移動し、シリンダ206の右端部に突き当たる。電磁弁205を介して圧力室203へ高圧空気を供給する一方、電磁弁204を介して圧力室202を大気開放すると、フリーピストン212およびピストン210の受圧面に作用する圧力により、フリーピストン212とピストン210はシリンダ206の右端部より左方向へ一体に移動する。図示位置(中立位置)に達した後は、フリーピストン212は図示位置に停止し、ピストン210はフリーピストン211と一体的にさらに左方向へ移動し、シリンダ206の左端部に突き当たる。電磁弁204と電磁弁205を介して同時に圧力室202と圧力室203へ高圧空気を供給すると、いずれかのフリーピストン211,212と一体的にピストン210は静止位置つまり図示位置(中立位置)へ移動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
トランスミッションが後退1段前進7段の場合、シフトアクチュエータとして3段位置決め可能なシリンダ装置が、セレクトアクチュエータとして4段位置決め可能なシリンダ装置が必要となる。これらシリンダ装置は構成が異なるため、2種類の部品を製造しなければならず、製造や検査などの設備費や管理費などの面で大幅なコスト高を招くという問題があった。
【0006】
図13の従来例の場合、既述のように電磁弁204,205の開閉を制御することにより、ロッド201は突出量の最大位置と最小位置とこれらの中立位置との3段位置決めが可能になるが、電磁弁204,205をとくに中立位置で停止後に圧力室202,203を大気開放すると、電磁弁204,205の応答性の違いや通路の圧力損失および圧力室202,203の容積などの違いから、ピストン210を挟む両側の圧力降下に差を生じることにより、ピストン210に働く作用力のバランスがくずれ、ロッド201の先端が若干変位する、いわゆるドリフトを生じやすい。
【0007】
このドリフト対策として、高速応答の電磁弁を採用したり、圧力降下のアンバランスを調整する絞りを通路に付けたり、出力軸に結合している負荷の抵抗をアンバランスに対抗できるように付加したりしている。電磁弁の応答速度は個々のばらつきのほか、供給電圧や供給圧力によっても変化するため、多くは高圧空気の排出通路を工夫したり、ピストンの摺動抵抗を大きくしてその問題を解決するか、ドリフトを前提とする制御システムを実施するようにしている。
【0008】
しかしながら、車両の電源電圧の変動は避けられない問題であり、通路抵抗や圧力室容積の左右違いを少なくすることは、設計時のこれらの配置に対称性を持たせることを意味し、設計の自由度に制限を加えることになり、シリンダ装置の大型化や大重量化を招いてしまう。ドリフト前提の制御システムにおいては、中立位置(ニュートラル)におけるセレクト操作時は、その前にシフト用のシリンダ装置により,中立位置の保持動作を行う必要があり、そのようにすると制御に遅れが発生し、圧縮空気の消費量も増加するという問題があった。
【0009】
この発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、3位置決め可能なシリンダ装置と4段位置決め可能なシリンダ装置とを1部品を除く共通部品により製造できるようにする。また、いずれの場合においても、ドリフトの発生しない、適確な位置決めが行えるようにする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、ハウジングに小径シリンダとこれに連続する大径シリンダを形成し、大径シリンダを摺動自由な大径部と小径シリンダを摺動自由な小径部とを備える中間段付きピストンを収装し、中間段付きピストンを介して小径シリンダ側の第1圧力室と大径シリンダ側の第3圧力室を形成し、中間段付きピストンの小径部外周と中間段付きピストンの大径部の第3圧力室と反対側との間に環状の第2圧力室を形成し、小径部を第1圧力室に開口する中間シリンダを形成し、中間シリンダの内側を第4圧力室として第1圧力室側と分割するようにピストンを摺動自由に収装し、第2圧力室と第4圧力室を常に連通する通路を設け、小径シリンダの軸方向へ延びるロッドにピストンを連結し、小径シリンダ側の端部から外部へ突出するロッドの先端部を負荷に結合し、ピストンの最大ストロークL1を制限するエンドストッパを設け、ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2に設定し、ロッドのストロークが0,L1,L2,L1+L2の4位置で停止可能とし、第1圧力室の作動圧力を給排する第1電磁弁と、第2圧力室および第4圧力室の作動圧力を給排する第2電磁弁と、第3圧力室の作動圧力を給排する第3電磁弁とを備える。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2をL1=L2に設定する。
【0012】
第3の発明では、第1の発明または第2の発明における負荷として、トランスミッションのギヤシフト機構のシフトレバーをロッドに結合する。
【0013】
第4の発明では、第1の発明において、ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2との関係をL1=L2/2に変更するスペーサを設ける。
【0014】
第5の発明では、第1の発明または第4の発明における負荷として、トランスミッションのギヤシフト機構のセレクトレバーをロッドに結合する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1はトランスミッションの変速操作装置を表すものであり、この発明におけるシリンダ装置の適用例を明らかにする上から、この変速操作装置の構成について説明する。トランスミッションは後退1段前進7段のギヤ列を備えるものとする。102はシフトアクチュエータとして3段位置決め可能なシリンダ装置、101はセレクトアクチュエータとして4段位置決め可能なシリンダ装置を表す。シフト用のシリンダ装置102の出力軸109は、反転レバー105の一端にリンクロッド104を介して連結され、さらに反転レバー105の他端からリンクロッド106を介してパワーシフト装置116の入力軸107に連結される。セレクト用のシリンダ装置101の出力軸108は、トランスミッションのセレクトレバー120にリンクロッド103を介して連結される。パワーシフト装置116の出力軸(図示せず)はトランスミッションのシフトレバーに連結される。
【0016】
運転室から手動変速のセレクト動作とシフト動作をトランスミッションのセレクトレバー120とシフトレバーに伝達するためのメカニカルな手動変速機構として、各伝達経路毎に運転室側のリンケージ119,123とトランスミッション側のリンクロッド117,121とが設けられ、これらの間にそれぞれレバー装置118,122が介装される。パワーシフト装置116の入力軸107はリンクロッド117を介してレバー装置118の一端に連結され、さらにレバー装置118の他端にリンケージ119が連結される。トランスミッションのセレクトレバー120はリンクロッド121を介してレバー装置122の一端に連結され、さらにレバー装置122の他端にリンケージ123が連結される。
【0017】
各シリンダ装置101、102にそれぞれ出力軸108,109のストローク位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられ、これらの検出信号113,111はコントローラ110に入力される。コントローラ110は車両の走行状態に基づく変速要求または人為操作に基づく変速要求が発生すると、トランスミッションをその要求位置へギヤシフトすべく、各シリンダ装置101,102へ制御信号112,114を出力する。メカニカルな変速操作への切り替え要求を発生する手段(図示せず)が設けられ、その切り替え要求を受けると、コントローラ110はトランスミッションのギヤシフト制御を停止し、これらシリンダ装置101,102をフリーな状態に解放する。
【0018】
メカニカルな変速操作への切り替え要求の発生中は、運転室から変速操作を行うと、そのシフト動作はリンケージ119からレバー装置118を介してリンクロッド117へ伝達され、パワーシフト装置116の出力によりトランスミッションのシフトレバーを駆動する。また、セレクト動作はリンケージ123からレバー装置122を介してリンクロッド121へ伝達され、トランスミッションのセレクトレバー120を駆動する。つまり、メカニカルな変速操作が必要なときは、その切り替え要求を発生させると、各シリンダ装置101,102がフリーな状態になるため、運転室からメカニカルな変速操作機構を利用することにより、車両の変速(前進7段後退1段)を行えるようになる。
【0019】
図2,図3はシフト用の3段位置決め可能なシリンダ装置102の構成を表すものである。ハウジング1に大径シリンダ1bが形成され、その奥に小径シリンダ1aが同軸上に形成される。ハウジング1の小径シリンダ1a側の前部にシリンダ1a,1bと同軸上の軸受2aが設けられる。ハウジング1に大径シリンダ1bは開口され、その開口部を塞ぐエンドキャップ3が取り付けられる。エンドキャップ3にシリンダ1a,1bと同軸上の軸受2bが形成され、これら軸受2a,2bを摺動自由に貫通するロッド4が設けられる。
【0020】
シリンダ1a,1bに中間段付きピストン8が収装される。この中間段付きピストン8は小径シリンダ1aに摺動自由な小径部8aと、大径シリンダ1bに摺動自由な大径部8bとを備えるものであり、ロッド4上に軸受2cを介して摺動自由に支持される。小径部8aの外周とシリンダ1a,1bの内周との間で環状の圧力室14b(第2圧力室)が形成される。小径部8aは筒状に形成され、その内部に中間シリンダ10が設けられる。
【0021】
中間シリンダ10に摺動自由なピストン5が設けられ、ピストン5はロッド4上の所定位置にストッパ6a,6bを介して固定される。ロッド4上にはピストン5と軸受2cを挟む反対側の所定位置にエンドストッパ11がストッパ6c,6dを介して固定される。ピストン5で中間シリンダ10の内部に圧力室14d(第4圧力室)が仕切られ、環状の圧力室14bとの間を常に連通する通路16dが形成される。ピストン5を内蔵する中間段付きピストン8により、小径側の圧力室14a(第1圧力室)と大径側の圧力室14c(第3圧力室)が形成される。
【0022】
これら圧力室14a〜14cはそれぞれ通路16a〜16cを介して電磁弁15a〜15cに接続される。電磁弁15a〜15cは圧力室14a〜14cの圧縮空気を給排するものであり、高圧空気源100に配管接続される。高圧空気源100はコンプレッサ(図示せず)からの圧縮空気を蓄えるエアリザーバ51と、エアリザーバ51から電磁弁15a〜15bへの供給圧力を所定値に調圧する減圧弁50を備える。
【0023】
ピストン5およびエンドストッパ11との衝突を緩和するため、中間段付きピストン8の軸受2cを挟む両側に衝撃吸収部材12c,12dが取り付けられる。中間段付きピストン8の大径部8bとの衝突を緩和するため、大径シリンダの両端に衝撃吸収部材12a,12bが取り付けられる。この場合、3段位置決め可能なシリンダ装置を構成するため、ピストン5の最大ストロークL1と中間段付きピストン8の最大ストロークL2との関係は、L1=L2に設定される。
【0024】
9aはピストン5と中間シリンダ10との摺動面を密封するシール、7aは中間段付きピストン8の小径部8aと小径シリンダ1aとの摺動面を密封するシール、7bは同じく大径部8bと大径シリンダ1bとの摺動面を密封するシール、9bは軸受2とロッド4との摺動面を密封するシール、13a,13bはシリンダ1a,1bの両側の軸受2a,2bとロッドとの摺動面を密封するシールである。
【0025】
電磁弁15a〜15cがオフのときは、圧力室14a〜14dは大気開放される。この状態において、ロッド5は外部力で操作すると、ピストン5の最大ストロークL1と中間段付きピストン8の最大ストロークL2との和(L1+L2)の範囲を任意に移動できる。そして、電磁弁15a〜15cを選択的にオンすることにより、ロッド4の3段位置決めが行われるのであり、その動作を図3,図4に基づいて説明する。図9は電磁弁15a〜15cの動作パターンを表すものである。
【0026】
ロッド4の先端をF位置からN位置へ移動させるときは、電磁弁15bをオンして圧力室14bへ圧縮空気を供給する一方、電磁弁15a,15cをオフして圧力室14a,14cを大気開放する。電磁弁15bのオンにより、圧力室14bの圧力が上昇し、圧力室14bに通路16dを介して連通する圧力室14dの圧力も上昇する。圧力室14dの圧力により、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ付勢されるが、エンドストッパ11がその動きを制限しているため、ピストン5は中間シリンダ10の内部において、圧力室14dを最大に拡大した状態を維持しつづける。
【0027】
圧力室14bの圧力(圧力室14dの圧力に基づく中間段付きピストン8への作用力は、これと対抗するピストン5への作用力と相殺される)により、中間段付きピストン8は圧力室14cを縮小する方向へ距離L2だけ移動し、大径シリンダ1bの基端部(衝撃吸収部材12b)に突き当たる。そのため、中間段付きピストン8の動きに追従し、ロッド4の先端はF位置から、1ー(1)のように距離L2を後退し、N位置に停止する。
【0028】
N位置に停止後は、電磁弁15bをオフする。圧力室14b,14dの高圧空気は通路16b,16dを介して排出される。高圧空気の排気中は、圧力室14b,14dは大気圧よりも高く、圧力室14a,14cは大気圧のため、圧力室14b,14dは容積を拡大しよとするが、ピストン5はエンドストッパ11により制限され、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に突き当たり、両者とも圧力室14b,14dを拡大する方向へ動けない。つまり、エンドストッパ11を中間段付きピストン8の受圧面(衝撃吸収部材12d)に、中間段付きピストン8を大径シリンダ1bの基端部に押し付けながら、圧力室14bおよび圧力室14dの圧力は大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じるようなことはない。
【0029】
N位置からR位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15aをオンして圧力室14aへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15b,15cをオフして圧力室14b,14cを大気開放する。圧力室14aの圧力により、ピストン5は中間シリンダ10の奥方へ距離L1だけ移動し、中間シリンダ10の底部(衝撃吸収部材12c)に突き当たる。圧力室14aの圧力は中間段付きピストン8を圧力室14cを縮小する方向へ付勢するが、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に接触しているため、その方向へ動けない。そのため、ロッド4の先端はN位置から、1ー(2)のように距離L1を後退し、R位置に停止する。
【0030】
R位置に停止後は、電磁弁15aをオフする。圧力室14aの高圧空気は通路16aを介して排出される。高圧空気の排気中は、ピストン5および中間段付きピストン8を動けない状態に保持しながら、圧力室14aの圧力は大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じるようなことはない。
【0031】
R位置からN位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15bをオンして圧力室14b,14dへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15a,15cをオフして圧力室14a,14cを大気開放する。圧力室14bに面する中間段付きピストン8の受圧面に圧力が作用し、圧力室14cを縮小する方向へ中間段付きピストン8を付勢するが、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に接触しているため、それ以上に動けない。圧力室14dの圧力により、ピストン5は中間シリンダ10の底部から圧力室14dを拡大する方向へ距離L1だけ移動し、エンドストッパ11が中間段付きピストン8の受圧面に突き当ると停止される。そのため、ロッド4の先端はR位置から、1ー(3)のように距離L1を前進し、N位置に停止する。
【0032】
N位置に停止後は、電磁弁15bをオフする。圧力室14b,14dの高圧空気は通路16b,16dを介して排出される。高圧空気の排出中は、中間段付きピストン8およびピストン5をそれぞれ停止状態に保持しながら、圧力室14b,14dの圧力は大気圧に低下するため、ロッド4の位置ずれを生じるようなことはない。
【0033】
N位置からF位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15b,15cをオンして圧力室14b,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15aをオフして圧力室14aを大気開放する。電磁弁15bと電磁弁15cの動作順序については、▲1▼電磁弁15bのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。▲1▼〜▲3▼のいずれでも良いが、▲1▼の場合を説明すると、電磁弁15bのオンにより通路16bを介して高圧空気が供給され、圧力室14bおよび圧力室14dの圧力が上昇する。この圧力は圧力室14b,14dを拡大する方向へ作用し、中間段付きピストン8を大径シリンダ1bの基端部に押し付けながら、ピストン5をエンドストッパ11の制限が働く方向へ付勢する。
【0034】
電磁弁15bのオン後に電磁弁15cをオンすると、通路16cを介して高圧空気が圧力室14cへも供給される。圧力室14cの圧力は上昇し、圧力室14cを拡大させる方向へ中間段付きピストン8を移動させようとする。その圧力の上昇初期においては、圧力室14bの圧力に基づく作用力の方が優勢のため、中間段付きピストン8は移動しない。圧力室14cの圧力がさらに上昇し、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14bの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14bに面する受圧面積]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(1)式の条件を満たすと、中間段付きピストン8は圧力室14cの容積を拡大する方向への移動を開始し、大径シリンダ1bの段部(衝撃吸収部材12a)に制限される距離L2を移動する。その間もピストン5はエンドストッパ11の制限を受けつつ、圧力室14dの圧力によりその容積を拡大する方向へ付勢されるため、ロッド4の先端はN位置から、1ー(4)のように距離L2を前進し、F位置に停止する。
【0035】
F位置に停止後は、電磁弁15b,15cをオフする。その際の電磁弁15bと電磁弁15cの動作順序については、▲1▼電磁弁15bのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15bをオフする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオフする、ということが考えられる。圧力室14cの圧力と圧力室14bの圧力との関係が、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14bの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14bに面する受圧面積]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(1)式の条件を満たせない状態を発生すると、中間段付きピストン8が動いてしまう。
【0036】
▲1▼の場合は、(1)式の条件を最も確実に満たせる。▲2▼の場合は、(1)式の条件が満たせない状態を発生しやすい。▲3▼の場合は、圧力室14bの圧力が低下するのと同時に圧力室14cの圧力も低下するが、圧力降下の割合は、圧力室14bの方が速いため、(1)式の条件を満たせる。
【0037】
図5はロッド4の3段位置決めについて、別の動作方法を説明するものである。
【0038】
ロッド4の先端をF位置からN位置へ移動させるときは、電磁弁15a,15cをオンして圧力室14a,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15bをオフして圧力室14bを大気開放する。電磁弁15aと電磁弁15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。最終的な位置決めだけを目的にすると、▲1▼〜▲3▼のいずれでも同じ結果が得られるが、動作過程での行き過ぎを防止する目的からは、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(2)式の条件を満たす必要があり、その意味から▲2▼または▲3▼が良く、確実には▲2▼の方が良い。
【0039】
▲2▼の場合を説明すると、電磁弁15cのオンにより、高圧空気が通路16cを介して圧力室14cに供給され、圧力室14cの圧力が上昇する。この圧力は圧力室14cに面する中間段付きピストン8の受圧面に作用し、圧力室14cの容積を拡大する方向へ中間段付きピストン8を移動させようとするが、その移動は大径シリンダ1bの段部で制限されている。電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンすると、高圧空気が通路16aを介して圧力室14aに供給される。圧力室14aの圧力は上昇し、圧力室14aの容積を拡大する方向へ中間段付きピストン8およびピストン5を移動させようとするが、中間段付きピストン8は圧力室14c側の作用力の方が優勢のため、停止状態に維持される。ピストン5は中間シリンダ10の奥方へ距離L1だけ移動し、中間シリンダ10の底部に突き当たる。その後、圧力室14aの圧力と圧力室14cの圧力との関係が、(2)式の条件を満すから、中間段付きピストン8およびピストン5が移動することはない。そのため、ロッド4の先端はF位置から、2ー(1)のように距離L1を後退し、N位置に停止する。
【0040】
N位置に停止後は、電磁弁15a、15cをオフする。その際の動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15aをオフする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオフする、ということが考えられる。電磁弁15a,15cのオフ動作に伴うロッド4の位置ずれを防止するためには、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(3)式の条件を満たす必要があり、その意味から▲1▼または▲3▼が良く、確実には▲1▼の方が良い。
【0041】
▲1▼の場合を説明すると、電磁弁15aのオフにより、圧力室14aの圧力は低下する。圧力室14aの圧力が十分に低下した時点で電磁弁15cをオフすると、(3)式の条件を確実に満たしながら、圧力室14a,14cの圧力を大気圧に低下させることができる。
【0042】
N位置からR位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15aをオンして圧力室14aへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15b,15cをオフして圧力室14b,14cを大気開放する。高圧空気が通路16aを介して圧力室14aへ供給され、圧力室14aの圧力が上昇する。圧力室14aに面する中間段付きピストン8の受圧面およびピストン5の受圧面に圧力が作用し、中間段付きピストン8はピストン5と一体に圧力室14aの容積を拡大する方向へ距離L2だけ移動し、大径シリンダ1bの基端部に突き当たる。そのため、ロッド4の先端はN位置から、2ー(2)のように距離L2を後退し、R位置に停止する。
【0043】
R位置に停止後は、電磁弁15aをオフする。圧力室14aの高圧空気が通路16aを介して排気される。高圧空気の排気中は、圧力室14b〜14dよりも圧力室14aの方が圧力が高いため、ピストン5および中間段付きピストン8は、圧力室14aを拡大する方向へ付勢される。つまり、中間段付きピストン8およびピストン5の動きを抑えながら、圧力室14aの圧力は大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じることはない。
【0044】
R位置からN位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15a,15cをオンして圧力室14a,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15bをオフして圧力室14bを大気開放する。その際、電磁弁15a,15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。電磁弁15aがオフのままでも、電磁弁15cのオンにより、中間段付きピストン8をピストン5と一体に小径シリンダ1a側へ距離L2だけ移動させることはできるが、ロッド4がN位置に到達すると同時に中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの段部に突き当たり、急激に停止するのに対し、ピストン5はそれまでの移動速度を維持しようとする、いわゆる慣性力のために行き過ぎを生じる可能性がある。この行き過ぎを防止するためには、圧力室14aの圧力でピストン5を中間シリンダ10の底部に押し付けながら、中間段付きピストン8を移動させる必要がある。
【0045】
▲1▼の場合は最も確実にピストン5(すなわち、ロッド4)の行き過ぎを防止できるが、中間段付きピストン8が動き始める条件、前記(2)式の成立が遅れてしまう。▲2▼の場合は逆に中間段付きピストン8の動き始めが早いが、ピストン5の行き過ぎを起こしやすい。▲3▼の場合は圧力室14a,14cへ高圧空気が同時に供給されるが、これら圧力室14a,14cの容積を考えると、圧力室14aの圧力の方が立ち上がりが速いため、ピストン5の行き過ぎを確実に防止しつつ、N位置への移動もある程度早く開始できるようになる。
【0046】
N位置に停止後は、電磁弁15a,15cをオフする。その際、ロッド4の位置ずれを防止するため、電磁弁15aのオフ後に前記(2)式を満たせるよう、電磁弁15cをオフする。
【0047】
N位置からF位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15b,15cをオンして圧力室14b,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15aをオフして圧力室14aを大気開放する。電磁弁15bと電磁弁15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15bのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。動作過程の不規則な動きを防止する目的から最も望ましい、▲2▼の場合を説明する。電磁弁15cのオンにより、圧力室14cの圧力が上昇する。圧力室14cに面する中間段付きピストン8の受圧面に圧力が作用し、圧力室14cを拡大する方向へ中間段付きピストン8を移動させようとするが、大径シリンダ1bの段部に制限され、中間段付きピストン8は停止状態に維持される。
【0048】
電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンすると、圧力室14bおよび圧力室14dの圧力が上昇する。中間段付きピストン8の圧力室14bに面する受圧面にその圧力は作用するが、圧力室14cに面する受圧面に働く圧力の作用力の方が優勢のため、中間段付きピストン8は停止状態に保持される。ピストン5の圧力室14dに面する受圧面にも圧力が作用し、ピストン5を圧力室14dを拡大する方向へ移動させる。ピストン5は距離L1だけ移動し、エンドストッパ11が中間段付きピストン8に突き当たると、それ以上の移動を制限される。そのため、ロッド4の先端はN位置から、2ー(4)のように距離L1を前進し、F位置に停止する。
【0049】
F位置に停止後は、電磁弁15b,15cをオフする。その動作順序として、▲1▼電磁弁15bのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15bをオフする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオフする、ということが考えられる。ロッド4の位置ずれを防止する目的からは、前記(1)式の条件を満たしながら、圧力室14b,14cの高圧空気を排出させることが必要になる。
【0050】
▲1▼の場合は、(1)式の条件を最も確実に満たせる。▲2▼の場合は、(1)式の条件が満たせない状態を発生しやすい。▲3▼の場合は、圧力室14b,14cの圧力は同時に低下するが、圧力降下の割合は、圧力室14bの方が速く、(1)式の条件を満たせる。
【0051】
図6,図7はセレクト用の4段位置決め可能なシリンダ装置101(図1参照)の構成を表すものであり、図2のシリンダ装置102における衝撃吸収部材12cに代えて、ピストン5の最大ストロークL1と中間段付きピストン8の最大ストロークL2との関係をL1=L2/2に変更するため、衝撃吸収部材12e(スペーサ)が中間シリンダ10の底部に取り付けられる。なお、図2と同じ部品に同じ符号を付け、重複説明は省略する。
【0052】
衝撃吸収部材12e以外は、3段位置決め可能なシリンダ装置102と共通部品が用いられる。つまり、衝撃吸収部材12c,12eのいずれを組み付けるかにより、シフト用のシリンダ装置102にも、セレクト用のシリンダ装置101にも構成できる。また、部品の共通化が最大限に図れ、これら2種のシリンダ装置101,102の生産性は飛躍的な向上する。
【0053】
図8に4段位置決め可能なシリンダ装置101の動作方法を説明する。図10は電磁弁15a〜15cの動作パターンを表すものである。
【0054】
ロッド4の先端を1位置から2位置へ移動させるときは、電磁弁15a,15cをオンして圧力室14a,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15bをオフして圧力室14bを大気開放する。電磁弁15aと電磁弁15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15cをオンする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオンする、ということが考えられる。最終的な位置決めだけを目的にすると、▲1▼〜▲3▼のいずれでも同じ結果が得られるが、その動作過程における行き過ぎを防止する目的からは、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(2)式の条件を満たす必要があり、その意味から▲2▼または▲3▼が良く、確実には▲2▼の方が優れている。
【0055】
▲2▼の場合を説明すると、電磁弁15cのオンにより、圧力室14cの圧力が上昇する。圧力室14cに面する中間段付きピストン8の受圧面に圧力が作用し、圧力室14cを拡大する方向へ中間段付きピストン8を移動させようとするが、その移動は大径シリンダ1bの段部(衝撃吸収部材12a)に制限されている。電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンすると、高圧空気が通路16aを介して圧力室14aに供給される。圧力室14aの圧力は上昇し、圧力室14aを拡大する方向へ中間段付きピストン8およびピストン5を移動させようとするが、中間段付きピストン8は圧力室14c側の作用力の方が優勢のため、停止状態に維持される。ピストン5は、中間シリンダ10の奥方へ距離L1だけ移動し、その底部(衝撃吸収部材12e)に突き当たる。その後は圧力室14aの圧力と圧力室14cの圧力との関係が、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(2)式の条件を満たすから、中間段付きピストン8およびピストン5が移動することはない。そのため、ロッド4の先端は1位置から、3ー(1)のように距離L1を後退し、2位置に停止する。
【0056】
2位置に停止後は、電磁弁15a、15cをオフする。その動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15aをオフする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオフする、ということが考えられる。ロッド4の位置ずれを防止するためには、[圧力室14cの圧力]>[圧力室14aの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14aに面する受圧面積とピストン5の圧力室14aに面する受圧面積との和]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(2)式の条件を満たす必要があり、その意味から▲1▼または▲3▼が良く、確実には▲1▼の方が優れている。
【0057】
▲1▼の場合を説明すると、電磁弁15aのオフにより、圧力室14aの圧力は低下する。圧力室14aの圧力が十分に低下した時点で電磁弁15cをオフすると、(2)式の条件を確実に満たしながら、圧力室14a,14cの圧力を大気圧に低下させることができる。
【0058】
2位置から3位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15bをオンして圧力室14bへ圧縮空気を供給する一方、電磁弁15a,15cをオフして圧力室14a,14cを大気開放する。圧力室14dの圧力により、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ距離L1だけ移動し、エンドストッパ11によりそれ以上の移動を制限される。中間段付きピストン8は圧力室14bの圧力により、圧力室14cを縮小する方向へ距離L2だけ移動し、大径シリンダの基端部(衝撃吸収部材12b)に突き当たる。そのため、ロッド4の先端は2位置から、3ー(2)のように距離L2−L1を後退し、3位置に停止する。
【0059】
3位置に停止後は、電磁弁15bをオフする。圧力室14bおよび圧力室14dの高圧空気は通路16bを介して排出される。その排気中は、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ付勢され、中間段付きピストン8は圧力室14bを拡大する方向へ付勢される。つまり、ピストン5の動きをエンドストッパ11で制限しつつ、中間段付きピストン8を大径シリンダ1bの基端部に押し付けながら、圧力室14bおよび圧力室14dの圧力は大気圧に低下するため、ロッド4の位置ずれを生じるようなことはない。
【0060】
3位置から4位置へロッド4の先端を移動させるときは、電磁弁15aをオンして圧力室14aへ圧縮空気を供給する一方、電磁弁15b,15cをオフして圧力室14b,14cを大気開放する。圧力室14aの圧力により、ピストン5は圧力室14dを縮小する方向へ距離L1だけ移動し、中間シリンダ10の底部に突き当たる。圧力室14aの圧力は中間段付きピストン8にも作用し、圧力室14cを縮小する方向へ付勢するが、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に接触しているため、停止状態に維持される。そのため、ロッド4の先端は3位置から、3ー(3)のように距離L1を移動し、4位置に停止する。
【0061】
4位置に停止後は、電磁弁15aをオフする。圧力室14b,14dおよび圧力室14cは大気圧のため、ピストン5および中間シリンダ10をそれぞれ動けない状態(圧力室14aを最大に拡大した状態)に保持しながら、圧力室14aの圧力は大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じることはない。
【0062】
4位置から3位置へ移動させるときは、電磁弁15bをオンして圧力室14bへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15a,15cをオフして圧力室14a,14cを大気開放する。圧力室15bの圧力により、中間段付きピストン8は大径シリンダ1bの基端部に押し付けられる。圧力室14dの圧力により、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ距離L1だけ移動し、エンドストッパ11が中間段付きピストン8に突き当たると、それ以上の移動を制限される。そのため、ロッド4の先端は4位置から、3ー(4)のように距離L1を移動し、3位置に停止する。
【0063】
3位置に停止後は、電磁弁15bをオフする。圧力室14b,14dの高圧空気は通路16b,16dを介して排気される。圧力室14b,14dの圧力は、これらの容積を拡大する方向へピストン5および中間段付きピストン8を付勢しながら、大気圧に低下する。そのため、ロッド4の位置ずれを生じることはない。
【0064】
3位置から2位置へ移動させるときは、電磁弁15a,15cをオンして圧力室14a,14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15bをオフして圧力室14bを大気開放する。圧力室14aの圧力により、ピストン5は圧力室14dを縮小する方向へ距離L1だけ移動し、中間シリンダ10の底部に突き当たる。中間段付きピストン8は圧力室14cの圧力により、圧力室14bを縮小する方向へ距離L2だけ移動し、大径シリンダ1bの段部に突き当たる。そのため、ロッド4の先端は2位置から、3ー(5)のように距離L2−L1を移動し、2位置に停止する。
【0065】
電磁弁15a,15cの動作順序は、▲1▼電磁弁15aのオン後に電磁弁15cをオンする、▲2▼電磁弁15cのオン後に電磁弁15aをオンする、▲3▼電磁弁15aと電磁弁15cを同時にオンする、ことが考えられるが、中間段付きピストン8が大径シリンダ1bの段部に突き当たる際の慣性力により、ピストン5が行き過ぎないよう、圧力室14aの圧力でピストン5の動きを抑える必要がある。▲1▼の場合はピストン5の行き過ぎを最も確実に防止できるが、ロッド4の移動に時間が長くかかる。▲2▼または▲3▼でもピストン5の行き過ぎを抑えられるため、ロッド4の移動時間を短縮する目的から、▲3▼の動作順序を採用することが望まれる。
【0066】
2位置に停止後は、電磁弁15a,15cをオフする。その際の動作順序は、ロッド4の位置ずれを生じさせないよう、前記(2)式の条件を満たしながら、圧力室14aおよび圧力室14cの圧力を大気圧に低下させる必要があり、電磁弁15aのオフ後に電磁弁15cをオフすると良い。
【0067】
2位置から1位置へ移動させるときは、電磁弁15b,15cをオンして圧力室14b、14cへ高圧空気を供給する一方、電磁弁15aオフして圧力室14aを大気開放する。電磁弁15b,15cの動作順序については、ロッド4の位置ずれを最も確実に防止する目的から、電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンすることが望ましい。その場合を説明すると、電磁弁15cのオンにより、圧力室14cの圧力が上昇する。中間段付きピストン8はこの圧力により、圧力室14bを縮小する方向へ付勢されるが、大径シリンダ1bの段部にその方向への移動を制限されている。電磁弁15cのオン後に電磁弁15bをオンすると、圧力室14dの圧力により、ピストン5は圧力室14dを拡大する方向へ距離L1だけ移動し、それ以上の移動をエンドストッパ11により制限される。この圧力は圧力室14bに面する中間段付きピストン8の受圧面にも作用するが、圧力室14cの圧力に基づく作用力の方が優勢のため、中間段付きピストン8は停止状態を維持しつづける。このため、ロッド4の先端は2位置から、3ー(6)のように距離L1を移動し、1位置に停止する。
【0068】
1位置に停止後は、電磁弁15b,15cをオフする。その際の動作順序は、▲1▼電磁弁15bのオフ後に電磁弁15cをオフする、▲2▼電磁弁15cのオフ後に電磁弁15bをオフする、▲3▼電磁弁15bと電磁弁15cを同時にオフする、ことが考えられるが、ロッド4の位置ずれを防止する目的からは、▲1▼または▲3▼が望ましく、確実には▲1▼がよい。▲2▼では[圧力室14cの圧力]>[圧力室14bの圧力]×[中間段付きピストン8の圧力室14bに面する受圧面積]/[中間段付きピストン8の圧力室14cに面する受圧面積]…(1)式の条件を満足できない状態が発生しやすく、動作順序として好ましくない。
【0069】
▲1▼の場合について説明すると、電磁弁15bのオフにより、圧力室14bおよび圧力室14dの高圧空気は、通路16bを介して排出される。この排気中は、圧力室14aよりも圧力室14dの方が圧力は高いため、ピストンは圧力室14dの圧力により、エンドストッパ11を中間段付きピストン8の受圧面に押し付けつづける。電磁弁15bのオフ後に電磁弁15cをオフすると、圧力室14cの圧力が低下する。圧力室14bの圧力と圧力室14cの圧力との関係は、(1)式の条件を満たすから、圧力室14cを縮小する方向へ中間段付きピストン8が動くようなことはない。
【0070】
図11,図12はそれぞれ別の実施形態を説明するものであり、各図の(a)は3位置決め可能なシリンダ装置102を、(b)は4段位置決め可能なシリンダ装置101を表す。図11においては、図2のシフト用のシリンダ装置102および図6のセレクト用のシリンダ装置101に対し、大径シリンダ1b側の軸受(図1,図6の2b)が廃止される。ロッド4はエンドストッパ11から先の部分が短縮され、小径シリンダ1a側の軸受2aからのみ、外部へ突出するように構成される。図12においては、同じく図2,図6のシリンダ装置102,101に対し、ロッド4はピストン5から先の部分が短縮され、大径シリンダ1b側の軸受(図1,図6の2b)および中間段付きピストン8の軸受(図2,図6の2c)が廃止される。ピストン5の最大ストロークL1を制限を制限するエンドストッパ11は、中間シリンダ10の開口部に取り付けられる。なお、図11,図12において、図2,図6と同じ機能の部品は同じ符号を付ける。これらの構成に基づく作用についても、図4、図5、図8と同様のため、重複説明は省略する。
【0071】
【発明の効果】
第1の発明では、第1電磁弁〜第3電磁弁を選択的に開閉操作することにより、ロッドのストロークは0,L1,L2,L1+L2の4位置に停止可能になる。このロッドの位置決め動作に2つの電磁弁を作動させることが必要なケースもあるが、2つの電磁弁の動作順序と受圧面積差とで対応することにより、動作過程の行き過ぎや位置決め後の作動圧力の排出に伴う位置ずれの発生を防止することが可能になる。
【0072】
第2の発明では、L1=L2のため、第1電磁弁〜第3電磁弁を選択的に開閉操作することにより、ロッドのストロークは0,L1(L1=L2),L1+L2の等間隔な3位置に停止可能になる。中立位置(ストロークL1の位置)への動作時は、第1電磁弁と第3電磁弁との2つを作動させる方法のほか、第2電磁弁のみを作動させる方法があり、この方法を採用すると、作動圧力の排出に伴う位置ずれも生じさせることがない。したがって、3段置決め動作の制御性は格段に向上するという効果が得られる。
【0073】
第3の発明では、シリンダ装置の3段階の位置決め制御を行うことにより、トランスミッションの前後への選択的なギヤ入れおよびこれらギヤ間のニュートラル位置へのギヤ抜きを適確に行うることができる。
【0074】
第4の発明では、L1=L2/2のため、第1電磁弁〜第3電磁弁を選択的に開閉操作することにより、ロッドのストロークは0,L1,L2,L1+L2の等間隔な4位置に停止可能になる。スペーサ以外の部品は、3段位置決め可能なシリンダ装置に共通なため、スペーサの組み付けを選択することにより、用途に応じて4段位置決め可能なシリンダ装置にも、3段位置決め可能なシリンダ装置にも容易に構成できる。つまり、部品の共通化により、これら2種のシリンダ装置の生産性を飛躍的に向上できる。
【0075】
第5の発明では、シリンダ装置の4段位置決め制御を行うことにより、トランスミッションにおいて、4段階のセレクト動作を適確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トランスミッションの変速操作装置を説明する構成図である
【図2】3段位置決め可能なシリンダ装置の一部裁断構成図である。
【図3】3段位置決め可能なシリンダ装置の概略構成図である。
【図4】3段位置決め動作の説明図である。
【図5】3段位置決め動作の説明図である。
【図6】4段位置決め可能なシリンダ装置の一部裁断構成図である。
【図7】4段位置決め可能なシリンダ装置の概略構成図である。
【図8】4段位置決め動作の説明図である。
【図9】電磁弁の動作パターンを表す説明図である。
【図10】電磁弁の動作パターンを表す説明図である。
【図11】シリンダ装置(a),(b)の概略構成図である。
【図12】シリンダ装置(a),(b)の概略構成図である。
【図13】従来装置の説明図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 小径シリンダ
1b 大径シリンダ
4 ロッド
5 ピストン
8 中間段付きピストン
10 中間シリンダ
11 エンドストッパ
12a〜12d,12e 衝撃吸収部材
14a〜14d 圧力室
15a〜15c 電磁弁
16a〜16d 通路
Claims (5)
- ハウジングに小径シリンダとこれに連続する大径シリンダを形成し、大径シリンダを摺動自由な大径部と小径シリンダを摺動自由な小径部とを備える中間段付きピストンを収装し、中間段付きピストンを介して小径シリンダ側の第1圧力室と大径シリンダ側の第3圧力室を形成し、中間段付きピストンの小径部外周と中間段付きピストンの大径部の第3圧力室と反対側との間に環状の第2圧力室を形成し、小径部を第1圧力室に開口する中間シリンダを形成し、中間シリンダの内側を第4圧力室として第1圧力室側と分割するようにピストンを摺動自由に収装し、第2圧力室と第4圧力室を常に連通する通路を設け、小径シリンダの軸方向へ延びるロッドにピストンを連結し、小径シリンダ側の端部から外部へ突出するロッドの先端部を負荷に結合し、ピストンの最大ストロークL1を制限するエンドストッパを設け、ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2に設定し、ロッドのストロークが0,L1,L2,L1+L2の4位置で停止可能とし、第1圧力室の作動圧力を給排する第1電磁弁と、第2圧力室および第4圧力室の作動圧力を給排する第2電磁弁と、第3圧力室の作動圧力を給排する第3電磁弁とを備えたことを特徴とするシリンダ装置。
- ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2をL1=L2に設定したことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
- 負荷としてトランスミッションのギヤシフト機構のシフトレバーをロッドに結合したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリンダ装置。
- ピストンの最大ストロークL1と中間段付きピストンの最大ストロークL2との関係をL1=L2/2に変更するスペーサを設けたことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
- 負荷としてトランスミッションのギヤシフト機構のセレクトレバーをロッドに結合したことを特徴とする請求項1または請求項4に記載のシリンダ装置。
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