JP3739155B2 - 結束機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結束機に関し、特に、針金あるいは針金のように捻って結束可能な紐状体(以下、針金体という。)にて棒状体等を結束する結束機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、結束機としては特開平7−187121号に開示されたものが知られている。
同公報に示す結束機は、かかる従来の結束機は、前方に配置された結束機構と後方に配置された繰出機構とを備え、同繰出機構から送出された針金体により同結束機構にて被結束部材の結束を行っている。
【0003】
上記繰出機構は、周縁の一部に凸部2aを形成した送出量調整用駆動カム2と間欠歯車3とを一体的に固着して、駆動軸1aを回転中心として回動する駆動体1と同駆動軸1aを回転中心として回動する間欠歯車3に噛合して所定タイミングで反時計回りに回動する送りローラ4と、同送りローラ4に押しつけられて針金体を挟持可能な送りローラ5と、駆動軸1a側に凹部を向けつつ円弧状に形成されて前端を回動可能に支持されるとともに後端に送りローラ5を回転可能に保持しつつ上記送りローラ4に向けて付勢される解除アーム6と、この解除アーム6に形成された円弧状のガイド溝6aに沿って所定位置で固定可能に支持されつつ、上記駆動体1側に形成した突起7aにて上記送出量調整用駆動カム2に係合して突き当て駆動されることが可能な調整板7とから構成されている。
【0004】
かかる構成からなる結束機では、送りローラ5が送りローラ4に押しつけられた状態で間に針金体を挟み込んで駆動体1を回転させると、駆動軸1aを回転中心とした間欠歯車3の回動に伴い、送りローラ4が反時計回りに回動するときに、送りローラ5は時計回りに回動して上記針金体を上記結束機構へ送出する。このとき、間欠歯車3とともに送出量調整用駆動カム2も回転し、凸部2aが調整板7の位置まで来た時、調整板7の突起を送出量調整用駆動カム2の外周方向へ押し上げる。これに伴って、解除アーム6も同方向へ押し上げられ、送りローラ5は送りローラ4から引き離される。ここで、調整板7が凸部2aに押し上げられるタイミングは、解除アーム6上に保持された調整板7を上記ガイド溝6aに沿って移動させることにより調整されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の結束機においては、次のような課題があった。
【0006】
上記調整板7は、解除アーム6上に保持させつつ、同解除アーム6に設けられたガイド溝6aに沿って移動させなければならなかった。したがって、同解除アーム6上に同調整板7やこれを保持するためのボルト等を配置しなければならず、送りローラ5を保持する同解除アーム6の構成が複雑になっていた。
本発明は、上記課題をかんがみてなされたもので、針金体を挟持する送りローラの離反駆動を行う機構の構成を簡単化した結束機の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、紐状体にて被結束部材を結束する結束機構と、同結束機構に上記紐状体を所定長さだけ供給する繰出機構とを具備する結束機であって、上記繰出機構は、第一及び第二のローラからなるとともに同第二のローラを同第一のローラに付勢せしめて上記針金体を挟持可能な繰り出しローラと、上記第一のローラを回転駆動する駆動機構と、上記第一のローラと同期して回転する回転カムと当該回転カムと同軸状態で回転移動可能に保持されつつ所定位置で保持されて同回転カムにて押し出し駆動される駆動片とからなり、同駆動片にて上記第二のローラを上記第一のローラから離反駆動可能な回転カム機構とを具備する構成としてある。
【0008】
かかる構成からなる本発明によれば、上記駆動機構により上記第一ローラを駆動させると、第二ローラとの間に挟持された上記針金体は上記結束機構へ繰り出される。ここで、上記第一ローラに同期して回転する上記回転カムにより上記駆動片は所定位置で押し出し駆動され、上記回転カム機構により上記第二のローラを上記第一のローラから離反駆動させる。このとき、同駆動片を同回転カムの回転軸と同軸状態で回転して周方向へ移動することにより、同駆動片が押し出し駆動される所定位置が変更され、上述した離反駆動のタイミングが調整可能となっている。
【0009】
上記駆動片及び上記第二ローラの構成の一例として、請求項2にかかる発明は、上記請求項1に記載の結束機において、上記駆動片は、上記回転カムと同軸状態で所定角度にて固定可能な支持板と、一端を上記回転カムの周縁部分で周方向に回動可能かつ枢動自在に支持されつつ他端を同回転カムのカム面に付勢されて当該回転カムの回転によって径方向外側に押し出し駆動される枢動片とから構成され、上記第二のローラは、一端を枢動自在に支持されつつ他端側にて上記第一のローラ側に付勢され、かつ、上記駆動片における上記回転カムに対する外周側であって同枢動片が外方向に押し出し駆動されたときに上記第一のローラと離反する方向に駆動される付勢アームを備える構成としてある。
【0010】
かかる構成からなる本発明によれば、上記支持板により上記枢動片を所定角度に固定し、上記回転カムを回転させると、所定位置で同枢動片が径方向外側に押し出し駆動され、上記付勢アームは上記第二ローラを上記第一ローラと離反する方向に駆動される。このとき、上記枢動片は上記回転カムの回転軸を支点として周方向に回転することにより、上記第二ローラが上記第一ローラと離反する方向に駆動されるタイミングを設定することができることから、上記付勢アームには少なくとも上記第二ローラと同第二ローラを上記第一ローラに付勢するための付勢部材を配置するだけで足りることとなる。
【0011】
また、上記表示器の一例として、請求項3にかかる発明は、上記請求項2に記載の結束機において、繰り出される上記針金体の長さを上記支持板の回転角度位置に応じて表示する表示器を備える構成としてある。
かかる構成からなる本発明によれば、上記表示器に表示された針金体の長さに設定すると、同長さで針金体の繰り出しができるように上記支持板の回転角度位置が調整される。ここで、上記表示器とは、少なくとも繰り出される針金体の長さが表示できれば良いが、必ずしも繰り出される針金体の長さがそのまま表示されるものである必要はない。例えば、繰り出される長さに対応した適切な被結束部材の径を表示するものであっても良く、繰り出し量に対応した数種類の被結束部材の径を目盛りで表示しても構わない。
【0012】
さらに、上記枢動片を上記回転カムのカム面に付勢する手法の一例として、請求項4にかかる発明は、上記請求項2または上記請求項3のいずれかに記載の結束機において、上記付勢アームにて上記枢動片を付勢する構成としてある。
かかる構成からなる本発明によれば、上記付勢アームは上記枢動片を上記回転カムのカム面に付勢する。上述したように同付勢アームは、一端で上記第二ローラを上記第一ローラ側に付勢していることから、上記枢動片を上記回転カムのカム面に付勢するために別に付勢部材を設けなくても、同枢動片を同時に同回転カムのカム面に付勢することが可能となる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、第二ローラを第一ローラから離反駆動する機構の構成を簡単にした結束機を提供することができる。
請求項2にかかる発明によれば、上記枢動片は上記回転カムの回転軸を支点として周方向に回転することにより、上記第二ローラが上記第一ローラと離反する方向に駆動されるタイミングを設定することができる。
請求項3にかかる発明によれば、表示器の表示に合わせて繰り出し量の調整ができることから、容易に所望の長さの針金体を繰り出すことが可能となる。
【0014】
請求項4にかかる発明によれば、駆動片の構成を簡単化することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる結束機の主要構成部品を透視概略図により示しており、図2はかかる結束機の繰出機構を右後方から見た斜視図により示している。なお、説明の便宜上、図1において紙面下方を前方と呼ぶとともに紙面手前側を上方と呼ぶことにするが、利用場所において適宜方向を変更することは可能である。
【0016】
本実施形態における結束機は、前方中央に被結束部材を挿入可能な切り込み100aを形成したフレーム100を有しており、当該フレーム100内部には前後方向に貫通する送出溝110を形成してある。そして、当該送出溝110の後方側に配置された繰出機構より前方側に針金体Hを繰り出すとともに、前方に配置された結束機構にて同送出溝110の前端開口部分から突き出された同針金体Hを被結束部材Mに結束する。
【0017】
この結束機構は、略くの字型に屈曲された屈曲部材10をL字形に形成された回転基板12にて円弧状の軌跡を描かせつつ回転させることにより、上記送出溝110の前端開口から繰り出された針金体Hを被結束物の周囲でUターンさせるとともに、同針金体Hの先端と後端とをS字形のツイストヘッド14にて捻りつつ同針金体Hの後端をカッタ16にて切断している。
ここにおいて、上記くの字型の屈曲部材10は、その凹部を上記切り込み100a側へ向けつつ屈曲点を上記切り込み100aの右方にて上記回転基板12にて回転可能に支持されている。一方、屈曲部材10の後端はフレーム100のガイド溝に係合されているので、屈曲点を前方へ後動されたとき反時計周り方向に回動される。この結果、被結束物の右方に繰り出された針金体を当該被結束物の周囲で左方に方向転換させつつ最終的にUターンさせる。一方、このように屈曲部材10を支持する回転基板12は上記切り込み100aの左方にて回転可能に支持されており、図示しない駆動機構を介して所定角度範囲内で揺動することにより、右端が円弧動して上記屈曲部材10を前後動させる。
【0018】
本実施形態においては、結束機構をこのような構成としているが、かかる構成に限られるものではなく、適宜変形可能である。
一方、上記繰出機構は、上記針金体Hを挟持して繰り出す繰り出しローラ20を備えている。繰り出しローラ20は、鉄製の第一ローラ22と同第一ローラ22に向けて付勢された樹脂製の第二ローラ24とから構成され、間に針金体Hを挟持しつつ回転して上記結束機構へ同針金体Hを繰り出す。この場合、第一ローラ22はフレーム100に対して回転可能に支持されているが、第二ローラ22は前端をフレーム100に対して回転可能に支持された付勢アーム60の後端にて円弧動可能に支持され、この付勢アーム60を介して同第一ローラ22に向けて付勢されている。すなわち、付勢アーム60は、中央部左端に円柱状の押し当て材62を配設した前後方向に長い板状部材で構成され、前端を支持ピン64によりフレームの右方上面に回転自在に支持されつつ後端で第二ローラ24を回転可能に保持している。また、同付勢アーム60は支持ピン64に巻きバネ64aを配してあり、後端にて第二ローラ24を第一ローラ22側へ付勢している。従って、同付勢アーム60を離反駆動せしめれば第二ローラ22と第一ローラ22との間が開き、ローラ21,22が回転したとしても針金体Hは繰り出されない。
【0019】
本実施形態においては、かかる形状としているが、少なくとも針金体Hを挟持して繰り出すことが可能であるとともに、必要時には互いに離反されて繰り出しを停止できるものであればよい。例えば、本実施形態にかかる繰り出しローラ20は、上述したように第一ローラ22と第二ローラ24の二つのローラから構成されているが、第一ローラ22とピン状部材との間に針金体Hを挟持しても良い。また、材質についても特に限定される必要はなく、ともに樹脂製あるいは鉄製であっても構わない。
【0020】
第一ローラ22の上方には、当該第一ローラ22と同軸状態で一体的に固着された送り歯車26が備えられており、この送り歯車26は下段に歯車26aを形成するとともに上段に周縁を滑面とした回転停止部26bを形成してある。一方、フレーム100には外部駆動機構にて回転駆動される駆動体30が支持されており、同駆動体30には上記歯車26aに噛合する間欠歯車40と上記回転停止部26bに嵌合可能な制御板41とが形成されている。そして、駆動体30の回転に同期して第一ローラ22の回転及び同回転の停止を可能にしている。すなわち、駆動体30の回転時に間欠歯車40が歯車26aと噛合する範囲で送り歯車26は回転駆動可能となるように制御板41は回転停止部26bと干渉しないように小径としてあり、送り歯車26は回転駆動される。しかし、間欠歯車40と歯車26aとが噛合しない範囲では制御板41を大径としつつ回転停止部26bには同制御板41の円周面に対応した円弧状の凹部26b1を形成してあるので、送り歯車26の停止とともに同凹部26b1に制御板41が入り込んで駆動体30は回転を続けつつ送り歯車26はその角度位置で停止している。
【0021】
本実施形態においてはこのような間欠歯車40と送り歯車26とによって第一ローラ22を回転駆動させているが、むろんかかる構成に限定されるものではなく適宜変形可能であり、駆動体30の回転によって他の揺動片を円弧動させつつ同円弧動に伴って第一ローラ22を前後回転させるなどの構成としても良い。また、適宜回転方向を反転するために中間に別の歯車を介在させるようにしても構わない。さらに、不要に送り歯車26が回転しないように停止させることにより針金体Hが抜け出ないようにしているが、爪状のストッパなどを送出溝110の途中に介在させるようにして送り歯車26の回転停止部26bなどを省略しても構わない。
【0022】
駆動体30には上記制御板41の上方に回転カム50を固着して一体的に回転駆動されるようになっており、同回転カム50は周縁の一部には径方向への凸部52を形成してある。この回転カム50の外周側には円弧状の枢動片70が配置されており、一端内側面には同回転カム50側に向けて凸部72を形成してあり、上記回転カム50の凸部52で同凸部72を押し上げるようにして当該枢動片70を押し出し駆動できるように構成されている。
【0023】
ここにおいて、この枢動片70の他端は、フレーム100に対して固定された保護板90に対して上記回転カム50と同軸状態で所望の角度位置に固定可能な支持板80に支持されている。すなわち、略扇形に形成された支持板80の一方の頂点に対して枢動片70は支持ピン74で回転自在に保持されており、この支持板80自体は駆動軸30aを中心として円弧状に形成された調整溝82aを備えるとともに当該調整溝82aを貫通する固定ピン82によって上記保護板90へ固定可能となっている。
【0024】
従って、固定ピン82をゆるめてから支持板80を回転させると、枢動片70は回転カム50の周縁部分で周方向に回動するため、枢動片70が所望の角度位置となったら上記固定ピン82を保護板90に締結すると支持板80の回転角度が固定されて枢動片70を所定位置で支持可能となる。
ところで、枢動片70の外周面には上記付勢アーム60の押し当て材62が当接する位置関係となっている。従って、枢動片70が回転カム50によって径方向外側に押し出し駆動されれば付勢アーム60を右方へ移動させることになる。むろん、付勢アーム60がこのように右方に駆動されれば上述したように第二ローラ24は第一ローラ22から離反駆動されることになる。また、枢動片70が回転カム50の周囲で移動すれば同回転カム50の凸部52と同枢動片70の凸部72とが突き当たるタイミングが変化するが、この突き当たるタイミングは上述した間欠歯車40と送り歯車26とが噛合している間に生じるようになっている。このため、第一ローラ22と第二ローラ24とが間に挟持された針金体Hを繰り出し始めてから枢動片70の位置によって決まるタイミングで付勢アーム60が押し出し駆動されるまで針金体Hは繰り出され、付勢アーム60が押し出し駆動されたときに第一ローラ22と第二ローラ24とが離反して針金体Hの繰り出しを停止することになる。
【0025】
すなわち、図3に示されるように、回転カム50の凸部52が枢動片70の凸部72より前方にあるときは、第二ローラ24が第一ローラ22に押し当てられた状態を保ち、図4に示されるように、回転カム50が時計回りに回転して、同回転カム50の凸部52が枢動片70の凸部72位置まで来たとき、同枢動片70を押し出し駆動し、付勢アーム60を支持ピン64を軸に右方へ移動させて第二ローラ24は第一ローラ22から引き離される。
【0026】
ここにおいて支持板80と枢動片70にて駆動片を構成するとともに、この駆動片と上記回転カム50とによってカム機構を構成している。本実施形態においては上述したような支持板80と枢動片70とによって駆動片を構成しているが、かかる構成に限られる必要はなく、例えば、全体をリング状に形成して駆動体30の周囲に装着されるような形状であっても構わない。また、付勢アーム60が枢動片70の外周側から当該枢動片70に当接して付勢するようにしているが、枢動片70に専用の弾性片などを備えるようにしても良いし、枢動範囲が小さければ敢えて付勢しないようにしても構わない。むろん、付勢しておけば自由動しなくなる。また、上記押し当て材62の配設は必ずしも必要なく、付勢アーム60に厚みを持たせて枢動片70を付勢可能にしても良い。
【0027】
ところで、保護板90は、回転カム50と支持板80との間に位置するとともにフレーム100の上面に固定されており、支持板80の回転角度位置が分かる目盛り92を表示している。すなわち、支持板80の回転位置によって繰り出される針金体Hの長さが変わるのは上述したとおりであるが、予めその回転位置と繰り出される針金体Hの長さとを調べておき、この支持板80における他方の頂点に付した矢印84を上記目盛り92に合わせることによってその長さが分かるようになっている。かかる構成とすることにより、上記表示によって繰り出される針金体Hの長さに対応した被結束部材Mの径が一見して把握可能となるため、針金体Hの繰り出し量の調整が容易になる。
【0028】
ここで、本実施形態における結束機は、8mm径から30mm径までの被結束部材Mを結束できることから、8mm径の場合と30mm径の場合とを例に説明する。
図4に示すように、支持板80の矢印を8mm径の表示に合わすと、枢動片70は前方位置で固定される。この状態で回転カム50が時計回りに回転すると、回転してまもなく凸部52によって枢動片70が押し出し駆動され、付勢アーム60の押し当て材62が右方へ移動し、第二ローラ24は第一ローラ22から引き離されることから、繰り出しは停止する。一方、図5に示すように、支持板80の矢印を30mm径の表示に合わすと、枢動片70は後方位置で固定される。この状態で回転カム50が時計回りに回転すると、しばらく回転した後に凸部52によって枢動片70が押し出し駆動され、付勢アーム60の押し当て片62が右方へ移動し、第二ローラ24は第一ローラ22から引き離されることから、繰り出しは停止する。
【0029】
むろん、必ずしも上述したように結束可能な被結束部材Mの径を表示する必要はなく、実際に繰り出される針金体Hの長さを表示しても良い。
次に、上記構成からなる本実施形態における繰出機構の動作を説明する。
支持板80に付された矢印84を保護板90上に表示された所望の数値を示す目盛り92に合わせると、枢動片70は所定角度で固定される。ここで、針金体Hを結束機後方に開口した送出溝110より挿入して、第一ローラ22と第二ローラ24との間に挟持させて駆動体30を回転させると、駆動軸30aで同軸状態に固着された間欠歯車40及び回転カム50が時計回りに回転し、同間欠歯車40の回転により連動する第一ローラ22が回転し、挟持された針金体Hは同送出溝110に誘導されつつ前方へ繰り出される。
【0030】
このとき、回転カム50は所定時間回転した後に、凸部52を枢動片70の凸部72に押し当てて同枢動体70を外方向へ押し出し駆動すると、付勢アーム60に配設された押し当て材62を右方へ移動する。このとき、同付勢アーム60は支持ピン64を軸に枢動し、後端に保持される第二ローラ24は第一ローラ22から引き離され、繰り出しは停止する。
このように、駆動体30等と同軸状態で回動可能な支持板80に付された矢印84を保護板90上に表示された所望の数値を示す目盛り92に合わせることにより、枢動片70は所定角度で支持され、駆動体30により回転カム50が回転すると、所定時間回転した後に凸部52を枢動片70の凸部72に押し当てて同枢動体70を外方向へ押し出し駆動し、付勢アーム60に配設された押し当て材62を右方へ移動する。従って、同付勢アーム60の後端に保持されつつ第一ローラ22側に付勢された第二ローラ24は同第一ローラ22から引き離され、繰り出しは停止する。このとき、回転カム50の周縁部分で周方向に回動可能かつ枢動自在な枢動片70の角度を変えて固定することにより、回転カム50の凸部52が枢動片70の凸部72に突き当たるまでの所要時間を変更して繰り出される針金体Hの長さを設定することを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる結束機の主要構成部品の透視概略図である。
【図2】かかる結束機の繰出機構を右後方から見た斜視図である。
【図3】針金体の繰り出し状態を示す概略図である。
【図4】針金体の繰り出し停止状態を示す概略図である。
【図5】細い径の被結束部材用に設定したときの繰出機構の概略図である。
【図6】太い径の被結束部材用に設定したときの繰出機構の概略図である。
【図7】従来の結束機にかかる繰出機構の概略図である。
【符号の説明】
10…屈曲部材
12…スライド基板
14…ツイストヘッド
16…カッタ
16a…カッタ刃
20…繰り出しローラ
22…第一ローラ
24…第二ローラ
26…繰出歯車
26a…歯車
26b…回転停止部
26b1…凹部
30…駆動体
30a…駆動軸
40…間欠歯車
41…制御板
40a…歯車
50…回転カム
52…凸部
60…付勢アーム
62…押し当て材
64…支持ピン
64a…巻きバネ
70…枢動片
72…凸部
74…支持ピン
80…支持板
82…固定ピン
82a…調整溝
84…矢印
90…保護板
92…目盛り
100…フレーム
100a…切り込み
110…送出溝
H…針金体
M…被結束部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、結束機に関し、特に、針金あるいは針金のように捻って結束可能な紐状体(以下、針金体という。)にて棒状体等を結束する結束機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、結束機としては特開平7−187121号に開示されたものが知られている。
同公報に示す結束機は、かかる従来の結束機は、前方に配置された結束機構と後方に配置された繰出機構とを備え、同繰出機構から送出された針金体により同結束機構にて被結束部材の結束を行っている。
【0003】
上記繰出機構は、周縁の一部に凸部2aを形成した送出量調整用駆動カム2と間欠歯車3とを一体的に固着して、駆動軸1aを回転中心として回動する駆動体1と同駆動軸1aを回転中心として回動する間欠歯車3に噛合して所定タイミングで反時計回りに回動する送りローラ4と、同送りローラ4に押しつけられて針金体を挟持可能な送りローラ5と、駆動軸1a側に凹部を向けつつ円弧状に形成されて前端を回動可能に支持されるとともに後端に送りローラ5を回転可能に保持しつつ上記送りローラ4に向けて付勢される解除アーム6と、この解除アーム6に形成された円弧状のガイド溝6aに沿って所定位置で固定可能に支持されつつ、上記駆動体1側に形成した突起7aにて上記送出量調整用駆動カム2に係合して突き当て駆動されることが可能な調整板7とから構成されている。
【0004】
かかる構成からなる結束機では、送りローラ5が送りローラ4に押しつけられた状態で間に針金体を挟み込んで駆動体1を回転させると、駆動軸1aを回転中心とした間欠歯車3の回動に伴い、送りローラ4が反時計回りに回動するときに、送りローラ5は時計回りに回動して上記針金体を上記結束機構へ送出する。このとき、間欠歯車3とともに送出量調整用駆動カム2も回転し、凸部2aが調整板7の位置まで来た時、調整板7の突起を送出量調整用駆動カム2の外周方向へ押し上げる。これに伴って、解除アーム6も同方向へ押し上げられ、送りローラ5は送りローラ4から引き離される。ここで、調整板7が凸部2aに押し上げられるタイミングは、解除アーム6上に保持された調整板7を上記ガイド溝6aに沿って移動させることにより調整されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の結束機においては、次のような課題があった。
【0006】
上記調整板7は、解除アーム6上に保持させつつ、同解除アーム6に設けられたガイド溝6aに沿って移動させなければならなかった。したがって、同解除アーム6上に同調整板7やこれを保持するためのボルト等を配置しなければならず、送りローラ5を保持する同解除アーム6の構成が複雑になっていた。
本発明は、上記課題をかんがみてなされたもので、針金体を挟持する送りローラの離反駆動を行う機構の構成を簡単化した結束機の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、紐状体にて被結束部材を結束する結束機構と、同結束機構に上記紐状体を所定長さだけ供給する繰出機構とを具備する結束機であって、上記繰出機構は、第一及び第二のローラからなるとともに同第二のローラを同第一のローラに付勢せしめて上記針金体を挟持可能な繰り出しローラと、上記第一のローラを回転駆動する駆動機構と、上記第一のローラと同期して回転する回転カムと当該回転カムと同軸状態で回転移動可能に保持されつつ所定位置で保持されて同回転カムにて押し出し駆動される駆動片とからなり、同駆動片にて上記第二のローラを上記第一のローラから離反駆動可能な回転カム機構とを具備する構成としてある。
【0008】
かかる構成からなる本発明によれば、上記駆動機構により上記第一ローラを駆動させると、第二ローラとの間に挟持された上記針金体は上記結束機構へ繰り出される。ここで、上記第一ローラに同期して回転する上記回転カムにより上記駆動片は所定位置で押し出し駆動され、上記回転カム機構により上記第二のローラを上記第一のローラから離反駆動させる。このとき、同駆動片を同回転カムの回転軸と同軸状態で回転して周方向へ移動することにより、同駆動片が押し出し駆動される所定位置が変更され、上述した離反駆動のタイミングが調整可能となっている。
【0009】
上記駆動片及び上記第二ローラの構成の一例として、請求項2にかかる発明は、上記請求項1に記載の結束機において、上記駆動片は、上記回転カムと同軸状態で所定角度にて固定可能な支持板と、一端を上記回転カムの周縁部分で周方向に回動可能かつ枢動自在に支持されつつ他端を同回転カムのカム面に付勢されて当該回転カムの回転によって径方向外側に押し出し駆動される枢動片とから構成され、上記第二のローラは、一端を枢動自在に支持されつつ他端側にて上記第一のローラ側に付勢され、かつ、上記駆動片における上記回転カムに対する外周側であって同枢動片が外方向に押し出し駆動されたときに上記第一のローラと離反する方向に駆動される付勢アームを備える構成としてある。
【0010】
かかる構成からなる本発明によれば、上記支持板により上記枢動片を所定角度に固定し、上記回転カムを回転させると、所定位置で同枢動片が径方向外側に押し出し駆動され、上記付勢アームは上記第二ローラを上記第一ローラと離反する方向に駆動される。このとき、上記枢動片は上記回転カムの回転軸を支点として周方向に回転することにより、上記第二ローラが上記第一ローラと離反する方向に駆動されるタイミングを設定することができることから、上記付勢アームには少なくとも上記第二ローラと同第二ローラを上記第一ローラに付勢するための付勢部材を配置するだけで足りることとなる。
【0011】
また、上記表示器の一例として、請求項3にかかる発明は、上記請求項2に記載の結束機において、繰り出される上記針金体の長さを上記支持板の回転角度位置に応じて表示する表示器を備える構成としてある。
かかる構成からなる本発明によれば、上記表示器に表示された針金体の長さに設定すると、同長さで針金体の繰り出しができるように上記支持板の回転角度位置が調整される。ここで、上記表示器とは、少なくとも繰り出される針金体の長さが表示できれば良いが、必ずしも繰り出される針金体の長さがそのまま表示されるものである必要はない。例えば、繰り出される長さに対応した適切な被結束部材の径を表示するものであっても良く、繰り出し量に対応した数種類の被結束部材の径を目盛りで表示しても構わない。
【0012】
さらに、上記枢動片を上記回転カムのカム面に付勢する手法の一例として、請求項4にかかる発明は、上記請求項2または上記請求項3のいずれかに記載の結束機において、上記付勢アームにて上記枢動片を付勢する構成としてある。
かかる構成からなる本発明によれば、上記付勢アームは上記枢動片を上記回転カムのカム面に付勢する。上述したように同付勢アームは、一端で上記第二ローラを上記第一ローラ側に付勢していることから、上記枢動片を上記回転カムのカム面に付勢するために別に付勢部材を設けなくても、同枢動片を同時に同回転カムのカム面に付勢することが可能となる。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、第二ローラを第一ローラから離反駆動する機構の構成を簡単にした結束機を提供することができる。
請求項2にかかる発明によれば、上記枢動片は上記回転カムの回転軸を支点として周方向に回転することにより、上記第二ローラが上記第一ローラと離反する方向に駆動されるタイミングを設定することができる。
請求項3にかかる発明によれば、表示器の表示に合わせて繰り出し量の調整ができることから、容易に所望の長さの針金体を繰り出すことが可能となる。
【0014】
請求項4にかかる発明によれば、駆動片の構成を簡単化することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる結束機の主要構成部品を透視概略図により示しており、図2はかかる結束機の繰出機構を右後方から見た斜視図により示している。なお、説明の便宜上、図1において紙面下方を前方と呼ぶとともに紙面手前側を上方と呼ぶことにするが、利用場所において適宜方向を変更することは可能である。
【0016】
本実施形態における結束機は、前方中央に被結束部材を挿入可能な切り込み100aを形成したフレーム100を有しており、当該フレーム100内部には前後方向に貫通する送出溝110を形成してある。そして、当該送出溝110の後方側に配置された繰出機構より前方側に針金体Hを繰り出すとともに、前方に配置された結束機構にて同送出溝110の前端開口部分から突き出された同針金体Hを被結束部材Mに結束する。
【0017】
この結束機構は、略くの字型に屈曲された屈曲部材10をL字形に形成された回転基板12にて円弧状の軌跡を描かせつつ回転させることにより、上記送出溝110の前端開口から繰り出された針金体Hを被結束物の周囲でUターンさせるとともに、同針金体Hの先端と後端とをS字形のツイストヘッド14にて捻りつつ同針金体Hの後端をカッタ16にて切断している。
ここにおいて、上記くの字型の屈曲部材10は、その凹部を上記切り込み100a側へ向けつつ屈曲点を上記切り込み100aの右方にて上記回転基板12にて回転可能に支持されている。一方、屈曲部材10の後端はフレーム100のガイド溝に係合されているので、屈曲点を前方へ後動されたとき反時計周り方向に回動される。この結果、被結束物の右方に繰り出された針金体を当該被結束物の周囲で左方に方向転換させつつ最終的にUターンさせる。一方、このように屈曲部材10を支持する回転基板12は上記切り込み100aの左方にて回転可能に支持されており、図示しない駆動機構を介して所定角度範囲内で揺動することにより、右端が円弧動して上記屈曲部材10を前後動させる。
【0018】
本実施形態においては、結束機構をこのような構成としているが、かかる構成に限られるものではなく、適宜変形可能である。
一方、上記繰出機構は、上記針金体Hを挟持して繰り出す繰り出しローラ20を備えている。繰り出しローラ20は、鉄製の第一ローラ22と同第一ローラ22に向けて付勢された樹脂製の第二ローラ24とから構成され、間に針金体Hを挟持しつつ回転して上記結束機構へ同針金体Hを繰り出す。この場合、第一ローラ22はフレーム100に対して回転可能に支持されているが、第二ローラ22は前端をフレーム100に対して回転可能に支持された付勢アーム60の後端にて円弧動可能に支持され、この付勢アーム60を介して同第一ローラ22に向けて付勢されている。すなわち、付勢アーム60は、中央部左端に円柱状の押し当て材62を配設した前後方向に長い板状部材で構成され、前端を支持ピン64によりフレームの右方上面に回転自在に支持されつつ後端で第二ローラ24を回転可能に保持している。また、同付勢アーム60は支持ピン64に巻きバネ64aを配してあり、後端にて第二ローラ24を第一ローラ22側へ付勢している。従って、同付勢アーム60を離反駆動せしめれば第二ローラ22と第一ローラ22との間が開き、ローラ21,22が回転したとしても針金体Hは繰り出されない。
【0019】
本実施形態においては、かかる形状としているが、少なくとも針金体Hを挟持して繰り出すことが可能であるとともに、必要時には互いに離反されて繰り出しを停止できるものであればよい。例えば、本実施形態にかかる繰り出しローラ20は、上述したように第一ローラ22と第二ローラ24の二つのローラから構成されているが、第一ローラ22とピン状部材との間に針金体Hを挟持しても良い。また、材質についても特に限定される必要はなく、ともに樹脂製あるいは鉄製であっても構わない。
【0020】
第一ローラ22の上方には、当該第一ローラ22と同軸状態で一体的に固着された送り歯車26が備えられており、この送り歯車26は下段に歯車26aを形成するとともに上段に周縁を滑面とした回転停止部26bを形成してある。一方、フレーム100には外部駆動機構にて回転駆動される駆動体30が支持されており、同駆動体30には上記歯車26aに噛合する間欠歯車40と上記回転停止部26bに嵌合可能な制御板41とが形成されている。そして、駆動体30の回転に同期して第一ローラ22の回転及び同回転の停止を可能にしている。すなわち、駆動体30の回転時に間欠歯車40が歯車26aと噛合する範囲で送り歯車26は回転駆動可能となるように制御板41は回転停止部26bと干渉しないように小径としてあり、送り歯車26は回転駆動される。しかし、間欠歯車40と歯車26aとが噛合しない範囲では制御板41を大径としつつ回転停止部26bには同制御板41の円周面に対応した円弧状の凹部26b1を形成してあるので、送り歯車26の停止とともに同凹部26b1に制御板41が入り込んで駆動体30は回転を続けつつ送り歯車26はその角度位置で停止している。
【0021】
本実施形態においてはこのような間欠歯車40と送り歯車26とによって第一ローラ22を回転駆動させているが、むろんかかる構成に限定されるものではなく適宜変形可能であり、駆動体30の回転によって他の揺動片を円弧動させつつ同円弧動に伴って第一ローラ22を前後回転させるなどの構成としても良い。また、適宜回転方向を反転するために中間に別の歯車を介在させるようにしても構わない。さらに、不要に送り歯車26が回転しないように停止させることにより針金体Hが抜け出ないようにしているが、爪状のストッパなどを送出溝110の途中に介在させるようにして送り歯車26の回転停止部26bなどを省略しても構わない。
【0022】
駆動体30には上記制御板41の上方に回転カム50を固着して一体的に回転駆動されるようになっており、同回転カム50は周縁の一部には径方向への凸部52を形成してある。この回転カム50の外周側には円弧状の枢動片70が配置されており、一端内側面には同回転カム50側に向けて凸部72を形成してあり、上記回転カム50の凸部52で同凸部72を押し上げるようにして当該枢動片70を押し出し駆動できるように構成されている。
【0023】
ここにおいて、この枢動片70の他端は、フレーム100に対して固定された保護板90に対して上記回転カム50と同軸状態で所望の角度位置に固定可能な支持板80に支持されている。すなわち、略扇形に形成された支持板80の一方の頂点に対して枢動片70は支持ピン74で回転自在に保持されており、この支持板80自体は駆動軸30aを中心として円弧状に形成された調整溝82aを備えるとともに当該調整溝82aを貫通する固定ピン82によって上記保護板90へ固定可能となっている。
【0024】
従って、固定ピン82をゆるめてから支持板80を回転させると、枢動片70は回転カム50の周縁部分で周方向に回動するため、枢動片70が所望の角度位置となったら上記固定ピン82を保護板90に締結すると支持板80の回転角度が固定されて枢動片70を所定位置で支持可能となる。
ところで、枢動片70の外周面には上記付勢アーム60の押し当て材62が当接する位置関係となっている。従って、枢動片70が回転カム50によって径方向外側に押し出し駆動されれば付勢アーム60を右方へ移動させることになる。むろん、付勢アーム60がこのように右方に駆動されれば上述したように第二ローラ24は第一ローラ22から離反駆動されることになる。また、枢動片70が回転カム50の周囲で移動すれば同回転カム50の凸部52と同枢動片70の凸部72とが突き当たるタイミングが変化するが、この突き当たるタイミングは上述した間欠歯車40と送り歯車26とが噛合している間に生じるようになっている。このため、第一ローラ22と第二ローラ24とが間に挟持された針金体Hを繰り出し始めてから枢動片70の位置によって決まるタイミングで付勢アーム60が押し出し駆動されるまで針金体Hは繰り出され、付勢アーム60が押し出し駆動されたときに第一ローラ22と第二ローラ24とが離反して針金体Hの繰り出しを停止することになる。
【0025】
すなわち、図3に示されるように、回転カム50の凸部52が枢動片70の凸部72より前方にあるときは、第二ローラ24が第一ローラ22に押し当てられた状態を保ち、図4に示されるように、回転カム50が時計回りに回転して、同回転カム50の凸部52が枢動片70の凸部72位置まで来たとき、同枢動片70を押し出し駆動し、付勢アーム60を支持ピン64を軸に右方へ移動させて第二ローラ24は第一ローラ22から引き離される。
【0026】
ここにおいて支持板80と枢動片70にて駆動片を構成するとともに、この駆動片と上記回転カム50とによってカム機構を構成している。本実施形態においては上述したような支持板80と枢動片70とによって駆動片を構成しているが、かかる構成に限られる必要はなく、例えば、全体をリング状に形成して駆動体30の周囲に装着されるような形状であっても構わない。また、付勢アーム60が枢動片70の外周側から当該枢動片70に当接して付勢するようにしているが、枢動片70に専用の弾性片などを備えるようにしても良いし、枢動範囲が小さければ敢えて付勢しないようにしても構わない。むろん、付勢しておけば自由動しなくなる。また、上記押し当て材62の配設は必ずしも必要なく、付勢アーム60に厚みを持たせて枢動片70を付勢可能にしても良い。
【0027】
ところで、保護板90は、回転カム50と支持板80との間に位置するとともにフレーム100の上面に固定されており、支持板80の回転角度位置が分かる目盛り92を表示している。すなわち、支持板80の回転位置によって繰り出される針金体Hの長さが変わるのは上述したとおりであるが、予めその回転位置と繰り出される針金体Hの長さとを調べておき、この支持板80における他方の頂点に付した矢印84を上記目盛り92に合わせることによってその長さが分かるようになっている。かかる構成とすることにより、上記表示によって繰り出される針金体Hの長さに対応した被結束部材Mの径が一見して把握可能となるため、針金体Hの繰り出し量の調整が容易になる。
【0028】
ここで、本実施形態における結束機は、8mm径から30mm径までの被結束部材Mを結束できることから、8mm径の場合と30mm径の場合とを例に説明する。
図4に示すように、支持板80の矢印を8mm径の表示に合わすと、枢動片70は前方位置で固定される。この状態で回転カム50が時計回りに回転すると、回転してまもなく凸部52によって枢動片70が押し出し駆動され、付勢アーム60の押し当て材62が右方へ移動し、第二ローラ24は第一ローラ22から引き離されることから、繰り出しは停止する。一方、図5に示すように、支持板80の矢印を30mm径の表示に合わすと、枢動片70は後方位置で固定される。この状態で回転カム50が時計回りに回転すると、しばらく回転した後に凸部52によって枢動片70が押し出し駆動され、付勢アーム60の押し当て片62が右方へ移動し、第二ローラ24は第一ローラ22から引き離されることから、繰り出しは停止する。
【0029】
むろん、必ずしも上述したように結束可能な被結束部材Mの径を表示する必要はなく、実際に繰り出される針金体Hの長さを表示しても良い。
次に、上記構成からなる本実施形態における繰出機構の動作を説明する。
支持板80に付された矢印84を保護板90上に表示された所望の数値を示す目盛り92に合わせると、枢動片70は所定角度で固定される。ここで、針金体Hを結束機後方に開口した送出溝110より挿入して、第一ローラ22と第二ローラ24との間に挟持させて駆動体30を回転させると、駆動軸30aで同軸状態に固着された間欠歯車40及び回転カム50が時計回りに回転し、同間欠歯車40の回転により連動する第一ローラ22が回転し、挟持された針金体Hは同送出溝110に誘導されつつ前方へ繰り出される。
【0030】
このとき、回転カム50は所定時間回転した後に、凸部52を枢動片70の凸部72に押し当てて同枢動体70を外方向へ押し出し駆動すると、付勢アーム60に配設された押し当て材62を右方へ移動する。このとき、同付勢アーム60は支持ピン64を軸に枢動し、後端に保持される第二ローラ24は第一ローラ22から引き離され、繰り出しは停止する。
このように、駆動体30等と同軸状態で回動可能な支持板80に付された矢印84を保護板90上に表示された所望の数値を示す目盛り92に合わせることにより、枢動片70は所定角度で支持され、駆動体30により回転カム50が回転すると、所定時間回転した後に凸部52を枢動片70の凸部72に押し当てて同枢動体70を外方向へ押し出し駆動し、付勢アーム60に配設された押し当て材62を右方へ移動する。従って、同付勢アーム60の後端に保持されつつ第一ローラ22側に付勢された第二ローラ24は同第一ローラ22から引き離され、繰り出しは停止する。このとき、回転カム50の周縁部分で周方向に回動可能かつ枢動自在な枢動片70の角度を変えて固定することにより、回転カム50の凸部52が枢動片70の凸部72に突き当たるまでの所要時間を変更して繰り出される針金体Hの長さを設定することを可能としている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる結束機の主要構成部品の透視概略図である。
【図2】かかる結束機の繰出機構を右後方から見た斜視図である。
【図3】針金体の繰り出し状態を示す概略図である。
【図4】針金体の繰り出し停止状態を示す概略図である。
【図5】細い径の被結束部材用に設定したときの繰出機構の概略図である。
【図6】太い径の被結束部材用に設定したときの繰出機構の概略図である。
【図7】従来の結束機にかかる繰出機構の概略図である。
【符号の説明】
10…屈曲部材
12…スライド基板
14…ツイストヘッド
16…カッタ
16a…カッタ刃
20…繰り出しローラ
22…第一ローラ
24…第二ローラ
26…繰出歯車
26a…歯車
26b…回転停止部
26b1…凹部
30…駆動体
30a…駆動軸
40…間欠歯車
41…制御板
40a…歯車
50…回転カム
52…凸部
60…付勢アーム
62…押し当て材
64…支持ピン
64a…巻きバネ
70…枢動片
72…凸部
74…支持ピン
80…支持板
82…固定ピン
82a…調整溝
84…矢印
90…保護板
92…目盛り
100…フレーム
100a…切り込み
110…送出溝
H…針金体
M…被結束部材
Claims (4)
- 紐状体にて被結束部材を結束する結束機構と、同結束機構に上記紐状体を所定長さだけ供給する繰出機構とを具備する結束機であって、
上記繰出機構は、
第一及び第二のローラからなるとともに同第二のローラを同第一のローラに付勢せしめて上記紐状体を挟持可能な繰り出しローラと、
上記第一のローラを回転駆動する駆動機構と、
上記第一のローラと同期して回転する回転カムと当該回転カムと同軸状態で回転移動可能に保持されつつ所定位置で保持されて同回転カムにて押し出し駆動される駆動片とからなり、同駆動片にて上記第二のローラを上記第一のローラから離反駆動可能な回転カム機構とを具備することを特徴とする結束機。 - 上記請求項1に記載の結束機において、
上記駆動片は、上記回転カムと同軸状態で所定角度にて固定可能な支持板と、一端を上記回転カムの周縁部分で周方向に回動可能かつ枢動自在に支持されつつ他端を上記同回転カムのカム面に付勢されて当該回転カムの回転によって径方向外側に押し出し駆動される枢動片とから構成され、
上記第二のローラは、一端を枢動自在に支持されつつ他端側にて上記第一のローラ側に付勢され、かつ、上記駆動片における上記回転カムに対する外周側であって同枢動片が外方向に押し出し駆動されたときに上記第一のローラと離反する方向に駆動される付勢アームを備えることを特徴とする結束機。 - 上記請求項2に記載の結束機において、繰り出される上記紐状体の長さを上記支持板の回転角度位置に応じて表示する表示器を備えることを特徴とする結束機。
- 上記請求項2または上記請求項3のいずれかに記載の結束機において、
上記付勢アームにて上記枢動片を付勢することを特徴とする結束機。
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