JP3739052B2 - ハンガー吊持式キャリア - Google Patents
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このように、ハンガー51には大きなねじりモーメント及び曲げモーメントが同時に作用するため、これらモーメントに耐えるハンガー51が必要とされ、その結果、ハンガーアームの太さが増大すると共に、質量が増大する、という問題があった。
このため、隣接するワーク同士が干渉しないようにハンガー傾動式キャリア同士のピッチを大きくする必要があり、その結果、電着塗装工程における搬送ラインが長くなる、という問題があった。
また、搬出時においては、ワーク内部の処理液を処理槽へ流下させ、ワークの内部に残留しないようにすることができる。
この前部ローラ23及び後部ローラ24は、後記する前部押上用サブレール12、後部押上用サブレール13に対向してそれぞれ配置されているもので、各々の前部押上用サブレール12と後部押上用サブレール13により走行案内される。
この連結リンク16が、前述のように、受けフレーム14に固定された軸受部15に枢軸15aで軸支されると共に、連結リンク16と傾動フレーム21とがピボット17で連結されていることにより、受けフレーム14と傾動フレーム21とは、完全に分離することは無く、傾動フレーム21が受けフレーム14から脱落することが防止されている。
このようにすると、傾動フレーム21がピボット17を支点として上方に回動するとき、傾動フレーム21のみが回動し、受けフレーム14に固定された軸受部15に軸支されている連結リンク16は動かない。
この場合、ピン19は、連結リンク16の後方端を軸支している枢軸15aと同一軸心状にあり、傾動フレーム21と連結リンク16とはピン19及び枢軸15aを支点として、一緒に回動する。
また、傾動フレーム21の側枠21aの後方外側に突出するピン19と、受けフレーム14に固定されているピン支持板20とにより、本発明における後方の連結支持部が構成される。
このワーク保持フレーム28に自動車のボディなどのワークWが保持されて、処理槽内に進入してゆくとき、前記傾動フレーム21が傾動すると、ワークWの自重で、傾動フレーム21、2つのハンガー26,26及びワーク保持フレーム28が平行四辺形状に変形するようになっている。
図2あるいは図4に示すように、キャリアレール4の下方両側には、それぞれ、一対の前部押上用サブレール12と後部押上用サブレール13とが配置されている。
そして、前部押上用サブレール12は、前部ローラ23に対向する位置に配置され、また、後部押上用サブレール13は、後部ローラ24に対向する位置に配置されている。
図5は、処理槽にワークWが進入する状態を示す図であって、パワーレール3とキャリアレール4とは平行して下方に傾斜し、ハンガー吊持式キャリア1は傾斜して処理槽内に進入する。
処理槽内に進入するとき、後部押上用サブレール13が後部ローラ24を押し上げて、キャリアレール4の前方への傾斜によって前傾している受けフレーム14に対して、傾動フレーム21をピボット17を支点としてさらに前方へ傾斜させ、ハンガー26に支持されているワークWを急角度(例えば、キャリアレール4の傾斜角度が30°である場合、傾動フレーム21は45°の急角度)で処理槽内に進入させる。この場合、傾動フレーム21が回動するとき、連結リンク16は回動しない。
それと共に、ワークWが急角度で前方に傾いて処理槽内に進入するので、ワークWの浮き上がりが防止される。
図6には図示されていないが、前記処理槽の中央位置を超えた、キャリアレール4が上昇する位置から前方に向けて、前部押上用サブレール12が設けられている。
処理槽からワークWが搬出される場合、前部押上用サブレール12が前部ローラ23を押し上げると、傾動フレーム21は、受けフレーム14に対して後方の連結部のピン19を支点として、軸受部15の枢支軸15aを支点として回動する連結リンク16と一緒に回動し、ワークWは後方に傾斜して後傾する。
傾動フレーム21が傾動した場合、ハンガー26は、傾動フレーム21にヒンジ機構25を介して揺動自在に吊持され、2つのハンガー26の下方水平アーム26cにヒンジ機構27を介して回動自在にワーク保持フレーム28が掛け渡されて設けられているので、ハンガー26に、大きなねじりモーメント及び曲げモーメントが作用しないようにすることができる。その結果、ハンガーのアームの太さや重量が増大しないようにすることができる。
2 ・・・搬送チェーン
3 ・・・パワーレール
4 ・・・キャリアレール
5,6 ・・・キャリアトロリー
7 ・・・ドグトロリー
8 ・・・ドグ
9 ・・・プッシャ
10 ・・・ドグ解除レバー
11 ・・・ストッパ
12 ・・・前部押上用サブレール
13 ・・・後部押上用サブレール
14 ・・・受けフレーム
14a、14b ・・・側方バー
15 ・・・軸受部
15a ・・・枢軸
16 ・・・連結リンク
17 ・・・ピボット
18 ・・・ピボット先端支持板
19 ・・・ピン
20 ・・・ピン支持板
21 ・・・傾動フレーム
21a ・・・傾動フレーム21の側枠
21b ・・・貫通孔
22a、22b ・・・垂直バー
23 ・・・前部ローラ
24 ・・・後部ローラ
25 ・・・ヒンジ機構
26 ・・・ハンガー
26a ・・・上方水平アーム
26b ・・・垂直アーム
26c ・・・下方水平アーム
27 ・・・ヒンジ機構
28 ・・・ワーク保持フレーム
Claims (2)
- キャリアレールに吊下されて走行するキャリアトロリーに吊持された受けフレームと、該受けフレームに傾動可能に支持された傾動フレームと、該傾動フレームに吊持された2つのハンガーと、該ハンガーに支持されたワーク保持フレームとを備えてなるハンガー吊持式キャリアにおいて、
前記受けフレームの前端部付近と後端部付近に、傾動フレームの前端部付近と後端部付近をそれぞれ回動自在、且つ、上方へのみ離脱自在に支持する前後2組の連結支持部が設けられ、該連結支持部を介して傾動フレームが受けフレームに傾動可能に支持され、
前記2つのハンガーが、傾動フレームの前端部と後端部に設けられたヒンジ機構を介して揺動自在にそれぞれ吊持されると共に、該ハンガーの下端部に設けられたヒンジ機構を介して、2つのハンガー間にワーク保持フレームが掛け渡して支持され、
前記傾動フレーム、2つのハンガー及びワーク保持フレームが平行四辺形状に変形可能であることを特徴とするハンガー吊持式キャリア。 - 前記傾動フレームを後傾させて前部押上用サブレールを走行案内する前部ローラが、前記傾動フレームの前端部に回転自在に取り付けられているとともに、前記傾動フレームを前傾させて後部押上用サブレールを走行案内する後部ローラが、前記傾動フレームの後端部に回転自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のハンガー吊持式キャリア。
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