JP3738694B2 - 可動型ケース - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は可動型ケースの利便性の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
人間が帯同していく比較的大型のケース類として、長期の旅行用のスーツケース、フィールドエンジニア等が使う工具類を収納する工具ケース、演奏家が使う楽器を収納する楽器ケース等がある。これらは、収容物が多かったり、嵩張るものであったりすると、高さが人間の腰上当たりまでになる。また、頑丈につくられていることからケース自体に重量もある。このため、手提げ状態で持ち続けるのが困難であり、ケース本体を支持する車輪を取り付けて、非手提げ状態で帯同可能な可動型ケースがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、可動型ケースであっても大きな体積を占め、取り扱いにくいものであることに変わりはなく、可動型ケースを帯同していると、飛行場や駅等の雑踏の中で身軽に行動することができない。
【0004】
本発明は前記実情に鑑みなされたもので、帯同者が身軽に行動することのできる可動型ケースを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、ケース本体を支持する車輪を具備し、非手提げ状態で帯同する可動型ケースにおいて、
駆動力自在に構成されて前記車輪の少なくともひとつを駆動する駆動手段と、
舵取り手段と、
帯同者の前後方向および左右方向の位置からその歩行状態を検出する歩行状態検出手段と、
検出された歩行状態に基づいて駆動手段および舵取り手段を制御して、帯同者に並走可能な駆動力および舵切り量に調整する制御手段とを具備せしめる。
さらに、制御手段には、
複数の予め設定した運動モードの判定条件が設定されており、検出された歩行状態が前記判定条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
駆動力および舵切り量を、肯定判断された運動モードに応じた駆動力および舵切り量に設定する設定手段とを具備せしめてある。
【0006】
帯同者が可動型ケースに触れることなく、可動型ケースが帯同者の動きに追随するので、帯同者は通常の歩行とさ程変わらない身軽さで可動型ケースを伴うことができる。
さらに、予め運動モードを用意しておくことで、簡単な制御で応答性よく、可動型ケースを帯同者に追随せしめることができる。
【0007】
請求項2記載の発明では、請求項1の発明の構成において、前記歩行状態検出手段には、
ケース本体の側面に設けられて、前記歩行状態として、前後方向および左右方向の帯同者の位置を胴体部で検出する胴体部位置検出手段を具備せしめる。
【0008】
帯同者の代表的な位置に基づいて追随制御をするので、帯同者と可動型ケースとの相対位置を常時、適正に保ことができる。
【0009】
請求項3記載の発明では、請求項2の発明の構成において、前記胴体部位置検出手段を、
ケース本体の側面に前後方向に複数配置する。
【0010】
帯同者の胴体部位置の確度が高められ、より、帯同者と可動型ケースとの相対位置を適正に保つことができる。
【0011】
請求項4記載の発明では、請求項2または3の発明の構成において、前記歩行状態検出手段には、
前記ケース本体の側面に設けられて、前記歩行状態として、帯同者の両足の前後方向の位置を検出する足位置検出手段を具備せしめる。
【0012】
両足の位置から帯同者の位置および挙動がより正確に知られるので、より、帯同者と可動型ケースとの相対位置を適正に保つことができる。
【0015】
請求項記載の発明では、請求項の発明の構成において、
前記運動モードには、停止状態からの歩きはじめに対応するモードを含み、
前記判定手段を、両足が検出されている状態において、一方の足の位置が略他方の足の方に移動すると、歩きはじめのモードが肯定判断されるように設定する。
【0016】
胴体部が移動する前に足の方が先に動きはじめるから、歩きはじめを応答性よく検出することができ、起動応答性を向上せしめることができる。
【0017】
請求項記載の発明では、請求項またはの発明の構成において、
前記運動モードには、可動型ケースから遠ざかる方向の斜め移動に対応するモードを含み、
前記判定手段を、胴体部位置が離れ、かつ、歩幅が減少すると、前記モードが肯定判断されるように設定する。
【0018】
帯同者が可動型ケースの進行方向に対して斜めに向くと、みかけ上歩幅が減少する。帯同者が可動型ケースから大きく離れなくとも、歩幅の減少から帯同者が斜めに向かったことを応答性よく検出することができ、帯同者の歩行方向の変更に対する応答性を向上することができる。
【0019】
請求項記載の発明では、請求項ないしの発明の構成において、
前記運動モードには、可動型ケースから近づく方向の斜め移動に対応するモードを含み、
前記判定手段を、胴体部位置が近づき、かつ、歩幅が減少すると、前記モードが肯定判断されるように設定する。
【0020】
帯同者が可動型ケースの進行方向に対して斜めに向くと、みかけ上歩幅が減少する。帯同者が可動型ケースにきわめて接近しなくとも、歩幅の減少から帯同者が斜めに向かったことを応答性よく検出することができ、帯同者の歩行方向の変更に対する応答性を向上することができる。
【0027】
請求項記載の発明では、請求項2ないしの発明の構成において、
ケース本体の左右の側面のそれぞれに、前記胴体部位置検出手段または足位置検出手段を1系統ずつ設け、
かつ、帯同者が所持するカードICからの電波の送信方向を可動型ケースの左と右とに特定自在に構成されて、前記電波を受信して復調信号からカードICを照合するカードIC照合手段を具備せしめ、
かつ、前記制御手段を、カードICの照合結果が肯定されると、電波の送信方向に対応した側面に設けられた前記胴体部位置検出手段または足位置検出手段の検出結果を有効とするように設定する。
【0028】
帯同者が可動型ケースの左右いずれを歩いていても、前記胴体部位置検出手段または位置検出手段が有効な方に自動で切り換わることになるので、帯同者は可動型ケースの左右いずれをも意識することなく歩くことができる。
【0029】
請求項記載の発明では、請求項1ないしの発明の構成において、可動型ケースの前方の障害物との距離および接近方向の相対速度を検出する障害物検出手段を設け、
前記制御手段を、検出された距離が所定の上限距離を下回ると車輪を制動せしめるように設定し、
かつ、前記上限距離を、検出された相対速度が小さいほど短い距離とする。
【0030】
前方を行く第三者の動きに応じて上限距離が変わるので、第三者が前方を歩いていても頻繁に停止してしまうことを回避することができる。
【0031】
請求項10記載の発明では、請求項1ないしの発明の構成において、前輪となる車輪よりも前方の路面との距離を検出する路面検出手段を設け、
前記制御手段を、検出された距離が所定の上限距離を上回ると車輪を制動せしめるように設定する。
【0032】
前輪が脱輪する前に確実に停止せしめることができる。
【0033】
請求項11記載の発明では、請求項1ないし10の発明の構成において、前記車輪とケース本体の間に、車輪が受ける荷重を検出する荷重検出手段を介設し、
前記制御手段を、検出された荷重が大きいほど起動時の初期駆動力が大きくなるように設定する。
【0034】
荷物の量によらず十分な起動応答性を得ることができる。
【0035】
請求項12記載の発明では、請求項1ないし11の発明の構成において、前記車輪は、前記駆動手段により駆動される駆動輪と、自由に回転可能な従動輪との2種類からなる構成とする。
【0036】
一部を従動輪とすることで、構成を簡単にすることができる。
【0037】
請求項13記載の発明では、請求項12の発明の構成において、前記車輪を、左右方向に配置された2つの前輪と、左右方向に配置された2つの後輪とからなる構成とする。
【0038】
前後2輪ずつの4輪構成とすることで、簡単かつ安定である。
【0039】
請求項14記載の発明では、請求項13の発明の構成において、前記後輪を駆動輪とする。
【0040】
進路を変えるときには、可動型ケースが前部を振ることになるので、帯同者が遠ざかる方向に進路を変えれば可動型ケースが帯同者に近づき、帯同者が接近する方向に進路を変えれば可動型ケースが帯同者との間をとる。帯同者に違和感のない動きとなる。
【0041】
請求項15記載の発明では、請求項13の発明の構成において、前記前輪を駆動輪とする。
【0042】
加速時にも各輪が受ける荷重が均等で安定性が向上する。
【0043】
請求項16記載の発明では、請求項13の発明の構成において、一方の対角上に配置される前輪および後輪を駆動輪とし、他方の対角上に配置される前輪および後輪を従動輪とする。
【0044】
前後方向に駆動力が分散し、安定性が向上する。
【0045】
請求項17記載の発明では、請求項1ないし11の発明の構成において、前記車輪は、前記駆動手段により駆動される駆動輪と、自由に回転可能な従動輪との2種類からなり、
前記従動輪を保持するステーを水平面内で回動自在に構成し、
前記駆動手段を、前記駆動輪と1対1に対応した2つのモータにより構成し、
前記舵取り手段を、両モータにそれぞれ独立に給電する2つの給電手段により構成し、
両給電手段にはそれぞれ前記制御手段から個々の駆動力指令が入力する構成とする。
【0046】
駆動力の配分だけで進路を変えることができるので、機械的な操舵手段が不要である。
【0047】
請求項18記載の発明では、請求項1ないし17の発明の構成において、前記駆動手段から前記駆動輪への動力伝達とその解除とを切り換え自在に構成された動力伝達手段を具備せしめる。
【0048】
駆動手段から前記駆動輪への動力伝達を解除可能とすることで、バッテリ切れ等で従来通り手で押して行く際に、モータ等の駆動手段に基因した、車輪の回転に対する抵抗をなくすことができる。
【0049】
請求項19記載の発明では、請求項18の発明の構成において、駆動手段をケース本体内に配置したモータにより構成し、
前記動力伝達手段を、モータの軸端に設けられたローラにより構成し、
前記駆動輪の円周面と対向する位置で、ケース本体底壁に開口部を形成して該開口部にてローラと駆動輪とを密着せしめる。
【0050】
動力伝達状態とその解除状態とのいずれにおいても電力を消費しない構成とすることが可能であり、消費電力を軽減することができる。
【0051】
請求項20記載の発明では、請求項18の発明の構成において、前記動力伝達手段を、電磁クラッチにより構成する。
【0052】
駆動輪および駆動手段に直結すればよいので、動力伝達手段を小型化することができる。
【0053】
請求項21記載の発明では、請求項1ないし20の発明の構成において、駆動輪と駆動手段との間に、前方への可動型ケースの移動のみを許容するワンウェイベアリングを介設する。
【0054】
ワンウェイベアリングを駆動輪および駆動手段に直結すればよいので、動力伝達手段を小型化することができる。しかも、電力消費を伴わないので、消費電力を軽減することができる。
【0055】
請求項22記載の発明では、ケース本体を支持する車輪を具備し、非手提げ状態で帯同可能な可動型ケースにおいて、
ケース本体の底部に上下動自在に設けられて、相手方と密着する吸着面を下方に向けた吸盤と、
吸盤を昇降せしめる昇降手段と、
前記吸盤の吸着面と路面との間の空間の空気を排出する負圧ポンプとを具備せしめる。
【0056】
可動型ケースから離れる際は吸盤を相手方としての路面に吸着せしめて可動型ケースを路面に固定しておけば、可動型ケースの盗難を防止することができ、帯同者が身軽に行動することができる。可動型ケースを伴っていけない場所等で所用を済ませることができる。
【0057】
また、前記負圧ポンプをバイパスして前記空間と外部雰囲気とを連通する連通路を設け、
かつ、該連通路の途中に二方弁を設ける。
【0058】
二方弁を開いて吸着を解除することができるので、負圧ポンプへの異物の混入を低減することができる。
【0059】
さらに、帯同者が所持するカードICからの電波を常時、受信して復調信号からカードICを照合するカード照合手段と
かつ、カードICの照合結果に基づいて前記昇降手段とを制御する制御手段を具備せしめ、
前記制御手段を、カードICの照合結果が肯定されたときにのみ前記吸盤を上方に待機せしめるように設定する。
【0060】
帯同者が切り換え操作を行うことなく、所用で可動型ケースを離れることが必要な時に自動で可動型ケースを吸盤により路面に固定することができる。
【0061】
請求項23記載の発明では、請求項1ないし22の発明の構成において、ケース本体を支持する車輪を具備し、非手提げ状態で帯同可能な可動型ケースにおいて、
ケース本体をつり下げる取っ手を、脱着自在に構成する。
【0062】
取っ手のない可動型ケースは持ち運びが困難であるから、可動型ケースを離れる際には取っ手を取り外して携帯すれば、可動型ケースの盗難を防止することができる。これにより、帯同者が身軽に行動することができる。可動型ケースを伴っていけない場所等で所用を済ませることができる。
【0063】
請求項24記載の発明では、請求項23の発明の構成において、握り部の両端部にそれぞれ連なる前記取っ手の2つの脚部の側面に、凹部を形成し、
ケース本体には、前記凹部での取っ手との係合状態とその解除とが切り換え自在に構成されたロック手段を設ける。
【0064】
取っ手には凹部を形成するだけでよいので、取り外して携帯する際にも嵩張らない。
【0065】
請求項25記載の発明では、請求項24の発明の構成において、前記ロック手段を、
前記握り部の長さ方向に変位可能に構成された平板状部材であって、その板厚方向に貫通して前記取っ手の脚部が挿通する切り欠きを形成したロックプレートにより構成し、
前記取っ手の脚部に形成する凹部を、
前記ロックプレートと平行に形成した溝により構成して、
ロックプレートが切り欠きの外周で前記取っ手と係合するようにする。
【0066】
脚部同志を橋渡しするようにロックプレートを配置すればよいから、場所をとらない。
【0067】
請求項1ないし25の発明は、請求項26の発明のように、ケース本体を、扁平な1対の箱体からなり、両箱体を互いに当接する1辺に設けた蝶番により結合する構造の可動型ケースに用いて、特に好適である。
【0068】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1、図2、図3、図4に本発明の可動型ケースを示す。図1は前記可動型ケースの全体斜視図であり、図2は図1におけるX1矢視図であり、図3は図1におけるX2矢視図である。図4は前記可動型ケースの電気構成を示す図である。本可動型ケースはスーツケースであり、基本的な構成は従来のものと同じである。スーツケース101のケース本体201は、2つの対向する浅底の箱体202,203が、互いに当接する縦辺で3つの蝶番204によりつながっており、図5に示すように、開閉自在である。そして蝶番204が設けられた側とは反対側の縦辺にはロックレバー205,206が設けられて、閉状態が保持される。一方の箱体202には、縦辺側と横辺側とにそれぞれ取っ手301,302が取り付けてある。取っ手301,302が取り付けられない箱体203はスーツケース101をねかせた状態において蓋となる。また、横辺側の取っ手301が取り付けられた側とは反対側の横辺に連なる面(以下、ケース本体の底面という)201B側には、2つの前輪401,402と2つの後輪501,502とが設けてあり、ケース本体201を支持している。前輪401,402と後輪501,502とは、いずれも箱体202と箱体203とに1つずつ配置される。
【0069】
後輪501,502は駆動輪であり、それぞれが1対1に対応して設けられた駆動手段であるモータ503,504により回転駆動されるようになっている。モータ503,504は、図6に示すように、モータ本体505にギアボックス506を直結させたギアモータであり、ケース本体の底面201Bに取り付けられたステー508,509に固定されている。
【0070】
前輪401,402は従動輪であり、そのステー403,404が図示しない鉛直方向の支軸に回動自在に保持され、水平方向の方位が自由である。
【0071】
本スーツケース101のメイン電源のオンオフは取っ手301を用いてなされるようになっている。図7は取っ手301とケース本体201との結合構造を示すもので、取っ手301は、帯同者が握る握り部303に1対の脚部304,305が連なる一般的なコ字状の形状をしている。取っ手301は握り部303の長さ方向にケース本体201に取り付けられる。ケース本体201には取っ手301よりもやや大きめのコ字状の溝207が形成されて、図8(A)のように溝207に取っ手301を収容可能である。
【0072】
取っ手301の脚部304,305のそれぞれには、下端部に前後方向にピン306,307が挿通しており、溝207の対向側面に形成された保持孔208,209,210,211で回動自在に保持されている。取っ手301と一方のピン306とは一体的に結合しており、取っ手301をねかせて前記図8(A)のように溝207に収容した状態としたり、取っ手301を図8(B)のように立てた状態とすると、それに応じてピン306も取っ手301と同様に回動する。また、図示はしないが、ばねの作動で取っ手301は、ねた状態と立った状態のいずれかのみが許容される。
【0073】
一方のピン306と同軸にメイン電源をオンオフするメインスイッチ612が設けてある。メインスイッチ612はロータリスイッチであり、ピン306の回動位置によりオンオフする。メインスイッチ612は、電源の投入の切り換え用であり、図8(A)の状態がオフで図8(B)の状態がオンとなる。
【0074】
また取っ手301の握り部303の下部には、図9に示すように、送信部6131と受信部6132とからなる反射型の光センサ613が下方に向けて埋設されており、人間が取っ手握り部303を握ったか否かを検知するようになっている。これは、本発明の特徴部分である後述する帯同者への追従機能をスタートさせるスタートスイッチであり、さらに、後述する非常停止スイッチ619の作動によって後輪501,502が強制停止した時には前記追従機能をリスタートさせることができる。
【0075】
前記追従機能はケース本体201に設けられた各種のセンサに基づいてなされる。帯同者と対向するケース本体201の側面201Lには、上面201Tに近い位置に4つのセンサ614がスーツケース101の前後方向に配置してある。ケース本体側面201Lは、通常、帯同者がスーツケース101の左側につくことから、左側である。センサ614はPSD等の光を用いたものや超音波、電波を用いた非接触のものが用いられる。図10に示すように、センサ614からは変調した送信波が放射されて、これと、対象物である帯同者で反射する受信波とに基づいて対象物との距離が計測可能である。センサ614の高さは直立した人間すなわち帯同者の胴体部が検出可能に設定する(以下、このセンサを胴体部センサという)。身長の分布等を考慮して設定するのがよい。
【0076】
帯同者と対向するケース本体201の側面201Lにはまた、底面201Bに近い同じ高さに多数のセンサ615が前後方向に略2cm間隔で配置してある。センサ615はセンサ614と同様のものが用いられ得、図示しないコーンによって指向性が高められるようになっており、図11に示すように、各センサ615において、スーツケース本体側面201Lから略垂直方向で所定の近接範囲に人間すなわち帯同者の膝下付近が存在しているか否かを検出するようになっている(以下、このセンサを足センサという)。膝下付近が存在しているか否かは、対象物との検出距離が予め設定した範囲にあるか否かの二値判定により行う。
【0077】
また、ロックレバー205,206が設けられたケース本体201の前面201Fには上部と下部とにそれぞれセンサ616,617が設けてある。いずれも障害物検知用のもので、上側のものが対人用であり、図12に示すように、スーツケース101の前方に居る人間を検知する。下のものが、段差用で、図13に示すように、上り階段の側面等を検出することができる。対象物が予め設定した所定値以下か否かを二値判定する(以下、前者を対人センサといい、後者を段差センサという)。
【0078】
ケース本体201の底面201Bには、前輪401,402よりも前側に下方に向けてセンサ618が設けてあり、図14に示すように、路面の凹みや下り階段のステップ面を検出することができる。対象物が予め設定した所定値以下か否かを二値判定する(以下、このセンサを路面センサという)。
【0079】
また、箱体202側でケース本体201の上面201Tには、取っ手301よりも前方位置に、上方に向けてセンサ619が設けてある。センサ619は例えば前記反射型の光センサが用いられ、その上方に人間が手をかざすと、これを検知するようになっている。センサ619は、後輪501,502の駆動を強制的に停止せしめる非常停止スイッチ619となっている。
【0080】
箱体202側でケース本体上面201Tにはまた、バッテリの残量等を表示する液晶モニタ611とファンクションの切り換え等で帯同者が操作するキーボード623が設けてある。
【0081】
ケース本体201の底部には盗難防止装置7が設けてあり、この詳細な構造については後述する。
【0082】
また、ケース本体201内の底部にはコントロールユニット600が設けてあり、前記のモータ503,504用のモータドライバ602,603、センサ613〜619の検出信号を受けるインターフェース624、CPU601等が格納されている。前記盗難防止装置7の一部の機構もこの中に収容される。コントロールユニット600は、ハウジングがケース本体内の底面形状に合わせて成形され、例えば、メインスイッチ612、センサ614〜619が集中して配置される一方の箱体202側に固定する。これにより、信号線に可動部を設けないように、箱体202の内側の隅部に沿って信号線を配線することが可能となる。
【0083】
また、コントロールユニット600は、給電源としてバッテリ625が搭載されており、電源回路626により所定の電圧に変換してCPU601等の各部に供給する。バッテリ625はニッケル系等の二次電池が用いられ、バッテリ625と充電機628とをコネクタにより接続して商用電源629から充電が可能である。また、バッテリ615の容量を検出する電池容量検出回路627が搭載されており、バッテリ615の残量やバッテリ625の充電完了時期を検出する。
【0084】
ケース本体201にはまた、LED608、圧電ブザー609、スピーカ610が設けられ、インターフェース619を介してCPU601から通電制御されて充電を促す等の所定の警告を帯同者に発するようになっている。
【0085】
スーツケース101を帯同者に追従して移動せしめる追従制御時にCPU601で実行される制御プログラムについて説明する。CPU601は、メインスイッチ612がオンして所定の初期化処理を実行した後は、取っ手301の握り部303に設けられたスタートスイッチ613のオン待ちとなる。帯同者が一度、握り部303を握るとスタートスイッチ613がオンとなって、帯同者への追従機能が起動する。
【0086】
追従機能は、前記各種センサ614〜615の出力結果に基づいて各モータドライバ602,603のPWMデューティを増減して、加減速および舵取りを行うことで実現している。
【0087】
CPU601は、各種センサ614〜615の出力結果に基づき次の演算を行う。胴体部センサ614の出力結果に基づいて、帯同者の胴体部の重心位置を演算する。
【0088】
また、足センサ615の出力結果に基づいて、足センサ615設置高さにおける帯同者の足の重心位置を演算する。足の重心演算は、対象物が一定距離内にあるか否かの二値判定において肯定判断されたセンサ615が複数連続して並んでいる部分を抽出することにより行う。この部分は、図15に示すように、帯同者の足を検出した部分である可能性があり、足の重心演算は前後方向の足センサ615の位置の平均から算出される。そして、人間の足の太さとして妥当と考えうる長さに相当するセンサ数の範囲内にあるか否かを判定する。ここで、人間の足の幅は、体型の他、ブーツを履いた状態やズボンを履いた状態等を考慮する。また、両足の一部が重なった状態にもこれを足として認識し得ることを考慮する。なお、かかる判定条件を満たすものが3つ以上ある場合には、センサ数の大きいものから2つを足とし、残りをノイズとみなす。
【0089】
また、足重心位置は、時間軸に対して移動平均をとったものがPWMデューティの設定に供され、ノイズに対する耐性を高めている。
【0090】
かかる足重心位置から、帯同者の歩行状態について種々の情報を得ることができる。図16、図17はかかる情報を示すもので、歩行中は両足が交互に前に出るため、図のように、歩行中は、BがAに対して近づいていき、重なる。このときは足重心位置はひとつのみ検出される。次いで、BがAよりも前に出て停止すると、今度は反対にAがBに対して近づいていき、これが繰り返されることになる。すなわち2つの足重心位置のうち、略一定位置にある一方の足重心位置に対して他方の足重心位置が近づく方向、あるいは遠ざかる方向に基づいて歩行方向を検出する。図例では歩行方向は図中左向きである。
【0091】
また、帯同者が歩行中は、基本的に両足が検出されるので、2つの足重心位置の間隔から歩幅を算出する。また、2つの足重心位置の間隔が拡縮する周期を歩行のピッチとして算出する。
【0092】
また、足重心位置の平均位置を算出する。この足重心平均位置も、時間軸に対して移動平均をとったものがPWMデューティの設定に供され、さらにノイズに対する耐性を高めている。これは胴体部とともに帯同者の位置を代表する位置である。
【0093】
また、図17は歩きはじめの検出について説明するもので、3つのパターンから歩きはじめの可能性ありと判断することができる。なお、歩行方向は図中左向きである。(1)停止状態からAが略一定位置でBがAよりも前に出てA,B位置がクロスする場合。(2)停止状態からBが略一定位置でAがBよりもさらに遠ざかるように移動した場合。(3)停止状態からAが略一定位置でBが消失した場合。
【0094】
左右の後輪501,502にトルクを与えるモータ503,504への給電は独立の給電手段であるモータドライバ602,603によりそれぞれなされるようになっており、機械的な操舵手段を用いずに、左右の後輪501,502へのトルクの配分により舵切り量を変えるようになっている。また、モータドライバ602,603はPWM方式の駆動回路であり、駆動力指令および舵切り指令としてのPWMデューティの設定信号がCPU601からモータドライバ602,603のそれぞれに出力される。
【0095】
帯同者への追従制御は例えば帯同者に対する相対位置を所定の目標位置に制御するPID制御により行われ、各モータドライバ602,603のPWMデューティが設定される。PID制御におけるゲインは、以下に説明するように、設定手段としてのCPU601において帯同者の歩行状態に応じて調整される。
【0096】
また、これはCPU601からモータドライバ602,603にPWMデューティの設定指令を出力することでなされる。
【0097】
追従制御はイベント起動型で実行される。すなわち、判定手段としてのCPU601において、帯同者の歩行状態に基づいて運動モードがいくつか設定してあり、運動モードを実行する条件に適合しているか否かを前記胴体部重心位置等、各センサ614,615の検出信号から得られたデータに基づいて所定周期で立ち上がるメインループにおいて判断する。前記条件を満たしていると肯定判断されると、当該運動モードのフラグを立てる。このフラグの最終処理はメインループ内の判断タスクにおいて実行する。運動モードは条件に応じて優先順位が変更される。
【0098】
運動モードには、〈停止からの初期起動〉、〈急停止〉、〈加速〉、〈減速〉、〈等速直線運動〉、〈左に斜め移動〉、〈右に斜め移動〉、〈その場で足を動かしているだけ〉、〈片足が宙に浮いているだけ〉、〈バック〉等がある。
【0099】
〈停止からの初期起動〉
スーツケース101が停止状態から移動を開始する初期起動は、次の条件のときである。起動時に足を1本しか検出できないときは、最大優先順位のイベントとして、足を揃えて停止している旨のフラグが立てられる。そして、次いで、この状態から例えば、新たに足がさらに検出されて歩きはじめと判断されると、モータ502、503の駆動が開始され、新たに現れた足の方に向かって僅かに移動を開始する。
【0100】
このように、足重心位置の検出結果に基づいて歩きはじめを判断することで、次の効果がある。すなわち、人間は、歩きはじめにおいて、足が前に出ても胴体部は殆ど前には出ない。したがって、スーツケース101の移動開始を、両足の挙動をトリガーとして行うようにすることで、帯同者の歩きはじめにおける追従応答性を高めることができる。
【0101】
また、起動時に足を1本しか検出できない状態で胴体部重心位置が移動した場合は新たに足が検出されたか否かを判断しないで、即座にスーツケース101の移動を開始する。
【0102】
起動初速を規定する前記PWMデューティは、歩幅と、足重心平均位置と胴体部重心位置とのずれとに応じて決定する。
【0103】
なお、スーツケース101の移動開始後に胴体部重心位置に変化がない、すなわち帯同者が最初の位置に止まっている場合は、足を動かしただけと判断する。この場合は、後述する、足を開いて停止している旨のフラグが立てられ、これを最大優先順位とする。
【0104】
なお、前記起動時に足を1本しか検出できないときは、最大優先順位に次ぐ第2位のイベントとして、片足が宙に浮いている旨のフラグを立てる。そして、胴体部重心位置が移動している旨のイベントの順位を上げ、反対に足を動かしているだけという旨のイベントの順位を下げる。この場合は、胴体部重心位置の移動が検出されるとともに、さらに足が新たに検出されたら、スーツケース101の移動を開始する。胴体部重心位置が移動している旨のイベントの順位を上げるのは、帯同者が歩きだそうとして片足をあげているのであれば、当該片足が着地する前に胴体部重心位置が、帯同者が歩きだそうとしている方向に移動する場合が多いからである。
【0105】
起動時に足を2本検出することができる場合は、この状態から一方の足が他方の足の方向に移動すると、すなわち後ろ側にある足が前に出るとスーツケース101の移動を開始する。この場合も、片方の足だけが検出されている状態で両足が検出されたときと同様に、良好な追従応答性を発揮し、また、その後、胴体部重心位置に移動が認められなければ、足を動かしただけと判断する。
【0106】
なお、足が2本検出されている状態で片方の足が消失した場合、すなわち、片方の足が移動したことが明確に認められない場合は、前記起動時に足を1本しか検出できないときと同様となる。
【0107】
また、前側にある足が後ろ側にある足から遠ざかる方向に移動すると、この場合は、胴体部重心位置の移動を条件としてスーツケース101の移動を開始する。通常、歩きはじめる方向に前側の足をさらに前に出すことはないし、仮に歩きはじめがこのようなものであっても大して移動できず、帯同者への追従がそれほど遅れることはないからである。
【0108】
〈急停止〉
両足が一定時間以上、停止した場合、急停止した旨のフラグが立てられる。このイベントの優先順位を最上位とする。実際のモータ503,504の停止は、胴体部重心位置が停止したことを条件とする。
【0109】
〈加速〉
歩幅またはピッチのいずれかが増加でかつ両方が非減少のときは、加速と判断する。この場合は、PWMデューティの演算において、胴体部重心位置の関数として与えられるゲインを増加する。
【0110】
また、歩幅とピッチとの両方が増加したときは、急加速(ダッシュ)と判断する。この場合は、モータ503,504を最大回転とする旨のフラグを立てる。
【0111】
〈減速〉
歩幅またはピッチのいずれかが減少でかつ両方が非増加のときは、減速と判断する。この場合は、PWMデューティの演算において、胴体部重心位置の関数として与えられるゲインを減少する。
【0112】
なお、歩幅だけが小さくなった場合は後述する〈左に斜め移動〉、〈右に斜め移動〉の可能性がある。
【0113】
〈等速直線運動〉
歩幅およびピッチが所定の時間内で所定の範囲内に入っているときは、等速直線運動と判断する。この場合は、PWMデューティの演算において、胴体部重心位置の関数として与えられるゲインを下げる。
【0114】
〈左に斜め移動〉
歩幅だけが小さくなった場合は、帯同者がスーツケース101の進行方向に対して斜めに移動している旨のフラグを立てる。そして、胴体部重心位置がスーツケース101から遠ざかる方向であれば、帯同者が左斜め方向に移動していると判断する。
【0115】
ここで、PWMデューティの演算において、ゲインは下げる。これにより、スーツケース101が帯同者に急接近するように急激に舵が切られるのを回避することができる。
【0116】
〈右に斜め移動〉
歩幅だけが小さくなった場合に、左に斜め移動の場合と同様に、斜めに移動している旨のフラグが立てられ、さらに、胴体部重心位置がスーツケース101に近づく方向であれば、帯同者が右斜め方向に移動していると判断する。
【0117】
ここで、PWMデューティの演算において、ゲインは上げる。速やかに舵を切らないと、帯同者の右斜め移動で帯同者にぶつかるおそれがあるからである。
【0118】
〈その場で足を動かしているだけ〉
前記のごとく、胴体部重心位置に変化がない状態で足の重心位置だけが変化している場合であり、最上位にある初期起動に次ぐ2番目の順位で実行される。初期起動イベントのフラグが立っていないことが条件となる。
【0119】
〈片足が宙に浮いている状態〉
足が1本しか検出されない場合は、帯同者が大きく足を上げて歩行していることが考えられるので、片足が宙に浮いている旨のフラグを立てる。この場合は、初期起動において説明した、片足が宙に浮いている状態の場合と基本的に同じである。
【0120】
また、消失した足が略元の位置で再度検出された場合は、帯同者はその場で足を動かしているだけと判断する。
【0121】
また、後ろ側の足が消失して前側の足よりも前に現れた場合は、歩幅やピッチの判定によらずに強制的に加速である旨のフラグを立てる。帯同者が大きく足を上げて歩行している蓋然性が高いからである。
【0122】
〈バック〉
前側の足が後ろ側に移動した場合は、バックである旨のフラグを立てる。また、モータ503,504の回転方向を逆方向に切り換える。
【0123】
このように、本スーツケース101によれば、スーツケース101を押すことなく帯同することができるので、帯同者はきわめて身軽に行動することができる。また、胴体部重心位置とともに足の検出を行うことで、より適正なモータ503,504の制御を行うことができ、スーツケース101が帯同者にスムーズに追従する。なお、簡単には帯同者の胴体部位置にのみ基いてモータ503,504のPWMデューティをPID制御してもよい。
【0124】
CPU601で実行される制御プログラムのその他の部分について説明する。CPU601は対人センサ616、段差センサ617および路面センサ618の検出距離をそれぞれ予め設定した所定距離と比較して、対象物との距離が所定距離内にあるか否かを判定している。
【0125】
対人センサ616が対象物を所定距離内に捉えると、モータ503,504に制動方向の駆動力を発生せしめてスーツケース101を停止せしめる。ここで、所定距離は、対象物との距離の減少速度が小さいほど、短くなるように設定される。対象物との距離の減少速度が0若しくは負であれば、所定距離は十分に小さな値に設定され、実際にスーツケース101が停止することはない。したがって、スーツケース101が前方を行く第三者に対してゆっくりと近づいている場合には、ある程度、第三者に接近しないと、スーツケース101は停止しない。これにより、雑踏の中で頻繁にスーツケース101が停止することが回避される。また、このため、起動と停止とを繰り返すことによるバッテリ625の残存容量の急減を回避することができる。
【0126】
また、段差センサ617が上り階段や壁を所定距離内に捉えると、モータ503,504に制動方向の駆動力を発生せしめて、スーツケース101を上り階段や壁の手前で停止せしめ、衝突を回避する。
【0127】
また、路面センサ618が路面の凹みや下り階段にさしかかり、所定距離以上の路面との距離を検出すると、上り階段や壁を所定距離内に捉えた場合と同様に、スーツケース101を、凹みや下り階段の手前で停止せしめ、脱輪を回避する。
【0128】
また、この追従機能を解除したければ、帯同者は非常停止スイッチ619の上に掌をかざせば、非常停止スイッチ619がオンして、CPU601が、スタートスイッチ613がオンする前の状態に復する。なお、取っ手301の握り部303を握ってスタートスイッチ613をオンすれば追従機能はリスタートする。
【0129】
非常停止スイッチ619は掌をかざすことで簡単に追従機能を解除することができるが、その設置位置を取っ手301よりも前方としたので、不用意に非常停止スイッチ619がオンするのを回避することができる。
【0130】
また、本実施形態では後輪501,502を駆動輪とするとともに左右に回転差を設けることで、舵取りを行うので、左右の舵を切るときにはスーツケース101の後部を中心に前部が左右に振れることになる。したがって、スーツケース101の左側の側方を行く帯同者が左斜めに進路を変えれば、すなわちスーツケース101から遠ざかる方向に進めば、スーツケース101はその前部を左に向けて帯同者に接近する動きとなる。また、逆に、帯同者が右斜めに進路を変えれば、すなわちスーツケース101に近づく方向に進めば、スーツケース101はその前部を右に向けて帯同者から遠ざかる動きとなる。このように、スーツケース101の動きが帯同者との適正な間を保ちながら追従する動きとなり、帯同者はスーツケース101を気分よく伴っていくことができる。
【0131】
次に、盗難防止装置7について説明する。図18は盗難防止装置7の概要図であり、図19はその要部の詳細図である。コントロールユニット600が固定される側の箱体202側でスーツケース本体201の底面201Bには、凹所212が設けてあり、その下方に、凹所212よりもやや小振りの平面形状で、盗難防止装置7を構成するゴム製の吸盤701が設けてある。吸盤701は凹面状の吸着面701aを下にしている。吸着面701aとは反対側の吸盤701の面には、金属製の平板でなる吸盤台702が貼り付けてある。
【0132】
吸盤701を昇降する昇降手段である昇降機構703が設けてあり、吸着面701aを路面Rと当接せしめることができる。
【0133】
昇降機構703は、ケース本体201の底板部に形成した貫通孔213,214,215を挿通する3本のロッド704,705,706が吸盤台702とネジ止めにより一体化しており、3本のロッド704〜706のうち、両側の2本(以下、メインロッドという)704,705は、貫通孔213,214と同軸でケース本体201内に突出するカラー711,712に遊嵌されている。カラー711,712はケース本体201を構成する箱体202とネジ止めされており、吸盤701が上下方向に直線動可能である。
【0134】
両メインロッド704,705の上端には円板状のストッパ707,708がネジ止めされている。ストッパ707,708の下面とカラー711,712上端面との間には、メインロッド704,705と同軸にコイルバネ709,710が介設してあり、常時メインロッド704,705を上方に付勢している。
【0135】
真ん中のロッド(以下、サブロッドという)706は上端面が、水平方向を回転軸とするモータ716の軸端に固定されたカム713の側面とコイルバネ709,710のばね力で弾接するようになっている。モータ716は、図20に示すように、L字断面のステー717によりケース本体201と一体化している。
【0136】
直線状にカットされたカム713の側面がサブロッド706の上端面と対向する図19の状態では、サブロッド706は最も上方位置にあり、吸盤701はケース本体凹部212内に収容されるとともに、吸盤台702が凹部212の底面に押しつけられている。この状態からカム713が回転してサブロッド706がカム713の円弧状側面と当接すると、サブロッド706がコイルバネ709,710に抗して押し下げられて、吸盤701は下方に変位して吸着面701aの周縁部が路面Rと当接する。
【0137】
カム713は、図21に示すように回転中心に対して対称な2か所に、モータ716側に立ち上がる矩形の切り出し部714,715が形成されている。切り出し部714,715は、カム713の径方向に主面が向けてあり、図22に示すように、ステー717の縦板部7171に設けられたフォトインタラプタ620の発光部と受光部との間を通るようになっている。
【0138】
図23はカム713とフォトインタラプタ620との位置関係を示すもので、(A)が吸盤701が上方位置にあるときのもので、(B)が吸盤701が下方位置にあるときのものである。フォトインタラプタ620の取り付け位置は、吸盤701が上方位置にある時、すなわちカム713の直線状面とサブロッド706の上端面とが対向する時に第1の切り出し部714によりオフするように設定されている。
【0139】
また、モータ716は、これを駆動するモータドライバ604にCPU601が通電指令を出力することで作動し、フォトインタラプタ620の検出信号はCPU601に入力するようになっている。
【0140】
また、前掲図18において、吸盤701および吸盤台702を貫通して吸引用のホース717が設けてあり、負圧ポンプ718に通じている。負圧ポンプ718はポンプドライバ605による駆動で、吸盤701が下方変位した状態で吸着面701aと路面Rとの間に形成される空間から空気を吸引する。負圧ポンプ718からの空気は、ケース本体201の底板を貫通する排気用のホース719により、ケース本体201の外の雰囲気へ排出されるようになっている。
【0141】
また、負圧ポンプ718をバイパスして前記空間とケース本体201外の雰囲気とを連通する連通路である別のホース720が設けてある。ホース720の途中には二方弁であるリーク弁721が設けられている。リーク弁721は電磁バルブであり、電磁弁ドライバ606により駆動される。
【0142】
また、吸引用ホース717と接続されたサンプリング用のホース722の先端が圧力センサ621により閉鎖されて、前記空間の圧力を検出するようになっている。圧力センサ621の検出信号は検出回路622を介してCPU601に入力する。
【0143】
負圧ポンプ718は、これを駆動するポンプドライバ605にCPU601が通電指令を出力することで作動し、リーク弁721は、電磁弁ドライバ606にCPU601が通電指令を出力することで作動し、例えば、通電時に開く。
【0144】
また、CPU601は、キーボード623からの入力によってフェールセーフモードに設定されると、図19の状態からカム713を回転し、第2の切り出し部715により再びオフした時点でカム713を停止するようになっている。次いで、負圧ポンプ718を作動せしめる。この時、リーク弁721は「閉」である。排気はケース本体201の外へなされるので、ケース本体201内が路上から吸引したゴミ等でケース本体201内を汚すことを防止することができる。
【0145】
そして、圧力センサ621により検出された気圧を予め設定した目標圧力と比較して、目標圧力に達すると、負圧ポンプ718の作動を停止せしめる。目標圧力は例えば450〜500mmHgに設定する。液晶モニタ611にはフェールセーフの準備が完了した旨を表示する。これにより、スーツケース101が路面Rに固定されて盗難を防止することができ、帯同者はスーツケース101を離れて身軽に行動できる。
【0146】
圧力センサ621が前記目標圧力よりもやや高い上限値を上回ると、負圧ポンプ718を再作動せしめて前記空間の圧力を一定の範囲内に保持し、スーツケース101の固定状態を維持する。
【0147】
負圧ポンプ718を全開で作動せしめている状態等で、検出圧力が急激に低下した場合は、異常発生と判断してブザー609を鳴らす。これにより盗難しようとする不審者が居ても、この者に警告を発するとともに周囲に注意を喚起することができる。圧力の急激な低下の判断は前記上限値よりも高いしきい値を越えたか否か等により行うことができる。
【0148】
なお、最初の吸引時に吸引が所定時間内に目標圧力に達しない場合は表示とともにアラームスピーカ610により報知する。
【0149】
キーボード623からの入力でフェールセーフモードが解除されると、リーク弁721を「開」にしてバイパスホース720により、前記空間の気圧を常圧に戻し、吸引状態を解除する。この時の気圧回復が負圧ポンプ718を経由しないでなされるので、負圧ポンプ718内への異物の混入を極力防止することができる。
【0150】
次いで、CPU601はカム713が反対方向に回転するようにモータ716を制御する。そして、フォトインタラプタ620が第2の切り出し部715によりオフした状態からオン状態になり、再び第1の切り出し部714によりオフした時点でカム713を停止するようになっている。
【0151】
これによりフェールセーフモードから、前記追従機能をスタートせしめるスタートスイッチ613のオン待ちの状態に復する。
【0152】
なお、本実施形態では、2つのフォトインタラプタと2つの切り出し部の組み合わせにより、カムの停止位置を検出しているが、別の構成でもよい。図24はかかる別の構成の例を示すもので、(A)が吸盤701が上方位置にあるときのもので、(B)が吸盤701が下方位置にあるときのものである。この構成では、1個の切り出し部714と2つのフォトインタラプタ631,632との組み合わでカム731の停止位置を検出するようになっており、第1のフォトインタラプタ631が、吸盤701が上方位置にあるときの検出用で、第2のフォトインタラプタ632が、吸盤701が下方位置にあるときの検出用となる。
【0153】
また、帯同者に対してスーツケース101がとるべき目標位置はPID制御におけるパラメータとして設定されるが、目標位置が帯同者の側方やや前寄りになるようにするのが最も違和感がなく、望ましい。勿論、目標位置を可変として、ユーザの嗜好や気分に応じてよりきめ細かに対応可能としてもよい。例えば、キーボード623入力により、帯同者の真横位置に対して前後方向にシフトさせる量を設定する。
【0154】
なお、スタートスイッチは、図例のものに限定されるものではなく、図25に示すように、取っ手301の握り部303の下面にプッシュスイッチ633を埋設し、握り部303の下に上下に変位可能に設けたカバー部材634を握り部303と一緒に握ると、カバー部材634がプッシュスイッチ633に押しつけられてオンするようにしてもよい。
【0155】
また、図26に示すように、取っ手301の握り部303の下面に、圧力センサ635を上下面からゴム層636で挟んだものを取り付けてもよく、握り部303を握ると、圧力センサ635の検出圧力が上昇してオンする。
【0156】
(第2実施形態)
前記実施形態ではフェールセーフモードは帯同者の入力によりオンするが、次のように自動で行うこともできる。図27に本実施形態のスーツケースを示し、図28に電気構成を示す。スーツケース101は、帯同者と対向するスーツケース本体201の左側側面201Lにはアンテナ641が設けられており、コントロールユニット600には、アンテナ641と接続された送受信回路642が設けられている。一方、図29(A)に示すように、帯同者MはカードICであるIDカード643を所持している。IDカード643は、アンテナと送受信部とが形成されており、送受信回路642から送信された電波を受信すると、IDカード643個々に設定されたIDコードに対応する変調信号により受信信号を変調して送信する。送受信回路642は受信電波を復調してIDが一致すると、その旨の信号をCPU601に出力し、CPU601は前記追従機能が可能な通常の制御モードとする。
【0157】
さて、送受信回路642の送信電力により、このIDの確認が適正になされる範囲(有効範囲)が規定され、図29(B)に示すように、この有効範囲から帯同者Mが外に出ると、IDの確認ができないことになる。この有効範囲を例えばスーツケース102から数m内に設定する。送受信回路642は復調不能等でIDの確認ができないときには、帯同者Mがスーツケース102から離れたと判断し、その旨の信号をCPU601に出力する。CPU601はこの信号を受け取るとフェールセーフモードに移行し、前記のごとく、盗難防止装置7を作動せしめる。IDの確認ができれば、前記のごとく、その旨の信号がCPU601に出力されてフェールセーフモードが解除される。
【0158】
なお、IDカード643によるID確認を利用して次のようなスーツケースとするのもよい。前記胴体部センサ、足センサをスーツケース本体の右側の側面にも設け、帯同者がスーツケースの右側に居る場合にも、CPUが帯同者の歩行状態を知ることができるようにする。そして、左右いずれかのセンサの組を帯同者の歩行状態の検出用として選択し得るようにしておく。
【0159】
さらにスーツケース本体の右側の側面にはアンテナも設ける。左右の両アンテナは、図30に示すように、左側側面のアンテナ644が前記有効範囲がスーツケース103の左側になるように、右側側面のアンテナ645が前記有効範囲がスーツケース103の右側になるように、背後への輻射が抑制されるようにしておく。これは電磁シールドを設けたり、アンテナ644,645を指向性アンテナとすること等で容易に実現できる。
【0160】
また、送受信回路を、例えば、アンテナ644,645と1対1に対応して2系統設け、両送受信回路のID確認の可否信号がそれぞれCPUに入力するように構成する。CPUは、左側のアンテナ644によりID確認がなされたときは、帯同者がスーツケース103の左側に居るものと判断して左側のセンサからの入力を有効とし、右側のアンテナ645によりID確認がなされたときは、帯同者がスーツケース103の右側に居るものと判断して右側のセンサからの入力を有効とする。これにより、帯同者がいずれの側に立ってもスーツケース103を伴っていくことができる。
【0161】
なお、この場合、追従制御において、帯同者が斜めに進んだときの舵の切り方を、帯同者が左側に居るときと右側に居るととで、反対とする。
【0162】
(第3実施形態)
図31に本発明の第3実施形態になる可動型ケースを示す。図32に電気構成を示す。なお、図中、第1実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付して第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0163】
図33に示すように、2つの後輪501,502は、単一のモータ510により駆動される駆動輪である。モータ510は、そのモータドライバ631等が格納されたコントロールユニット600が固定される箱体202に取り付けられる。モータ510は両端からモータ軸511が突出する構造のもので、一方の軸端には左側の後輪501が取り付けられ、他方の軸端は右側の後輪502と結合するドライブ軸512と、箱体202,203の当接位置上で連結するようになっている。モータ510およびモータ軸511はステー515,516により保持されている。ドライブ軸512は他方の箱体203側でスーツケース104の左右方向の2箇所に配置されたステー517,518で回転自在に保持されている。
【0164】
モータ510およびドライブ軸512とは、モータ軸511とドライブ軸512とが、スーツケース104を閉じた状態のときに、同一直線上に沿うように配置される。
【0165】
図34(A)、図34(B)はモータ軸511の他方の軸端部513およびドライブ軸512のモータ510側の軸端部514を拡大したもので、説明の便宜のため軸方向に離して図示している。また、図34(C)はモータ軸511の端面を示し、図34(D)はドライブ軸512の端面を示している。ドライブ軸512の端面には径方向に軸端部514の側面に達する溝514aが形成され、一方、モータ軸511の軸端部513はマイナスドライバの先端部と同様の形状を有し、ドライブ軸512と、その溝514aで係合するようになっている。
【0166】
ここで、ドライブ軸512の溝514aを側面に達する形状としたから、スーツケース104を開いた状態では図35のごとく非連結状態のモータ軸511とドライブ軸512とが、スーツケース104を閉じることによって、モータ軸軸端部513が、ドライブ軸軸端部514の側面から溝514aに入り、モータ軸軸端部513とドライブ軸軸端部514とが係合状態となる。これにより、左右の両輪501,502に単一のモータ510から駆動力が伝達される。
【0167】
なお、溝514aの対向側面には浅い部分をテーパ状として、モータ軸軸端部513とドライブ軸軸端部514との係合がスムーズに行われるようになっているが、よりスムーズに行うには、図36に示すように、対向するテーパ状側面のそれぞれの半分ほど521,522をカットして溝514bをスクリュ状とするのもよい。この場合、面521,522にモータ軸軸端部513の先端が当たると、モータ軸511とドライブ軸512とがスムーズに相対回転し、連結が容易である。
【0168】
また、係合するモータ軸軸端部513およびドライブ軸軸端部514の形状は図示のものに限定されるものではなく、プラス状等、種々の形状が用いられ得る。
【0169】
また、スーツケース本体201の側面201Lには、第1実施形態と同様に、4つのセンサ614が設けてあり、胴体部重心位置を検出するようになっている。
【0170】
また、本スーツケース104のメイン電源は第1実施形態と同様に取っ手301の回動でなされるようになっており、取っ手301が立ち上がると、電源が投入されるとともに、CPU601で、後述するパワーアシスト制御が実行される。
【0171】
パワーアシスト制御は、第1実施形態の制御を簡略化したもので、モータ510のPID制御を胴体部重心位置をパラメータとして含み行うものである。
【0172】
本実施形態では、胴体部重心位置は前後方向位置だけであり、これが目標位置になるようにPWMデューティを設定する。これにより、帯同者がスーツケース104の進行方向さえ決めてやれば、帯同者がさほどスーツケース104の動きに集中しなくとも、帯同者の歩行速度に合わせてついてくることになる。
【0173】
また、対人センサ616、段差センサ617、路面センサ618の作動で、危険等を回避することができる。
【0174】
したがって、帯同者は、進行方向を変える時等にスーツケースに手を添える以外に、スーツケースを押す等の力を使う必要がなく、身軽に行動することができる。
【0175】
なお、取っ手301をメイン電源のオンオフ切り換え用として用いているが、かかる取っ手の構造は図例のものに限らない。図37に示す取っ手311は曲げ可能なバンド状で、一端がスーツケース本体201に固定されており、他端に近い部分には図示しない溝に沿ってスライドする留め金312が設けられている。取っ手311を山なりになるように引き出せば(図例では左向き)、これを握ることができる。
【0176】
そして、取っ手311の前記他端をスライドスイッチ651のつまみ部642と係合させておけば、取っ手311を引き出した時に、スライドスイッチ651がオンすることになる。
【0177】
(第4実施形態)
図38に本発明の第4実施形態になる可動型ケースを示す。図39に電気構成を示す。なお、図中、前記各実施形態と実質的に同じ作動をする部分には同じ番号を付して前記各実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態のスーツケースは第2実施形態のスーツケースにおいて、胴体部重心位置によらずにモータの制御を行うようにしたものである。
【0178】
図40は取っ手301とケース本体201との結合構造を示すもので、第1実施形態と同様に、取っ手301の脚部304,305のそれぞれの下端部に前後方向にピン321,322が挿通しており、溝221の対向側面に形成された保持孔222,223,224,225で回動自在に保持されている。取っ手301は第1実施形態と異なり、ピン321,322に対して回動自在で、かつ、ピン321,322の軸方向(前後方向)に変位自在である。
【0179】
各ピン321,322と同軸に押圧力検出手段である圧力センサ661,663が設けてある。第1の圧力センサ661は、取っ手301の前側の脚部304の前面と溝221の側面の間に設けてあり、第2の圧力センサ663は、取っ手301の後ろ側の脚部305の後面と溝221の側面の間に設けてある。圧力センサ661,663はスーツケース本体201に固定されていてもよい。
【0180】
圧力センサ661,663は例えば歪みゲージ等が内蔵されてなり、ピン321,322の軸方向における押圧力を検出するようになっている。第1の圧力センサ661は取っ手301が前方に変位して圧力センサ661に押しつけられると、その押圧力を検出し、第2の圧力センサ663は取っ手301が後方に変位して圧力センサ663に押しつけられると、その押圧力を検出する。
【0181】
両圧力センサ661,663の検出信号は検出回路662,664を介してCPU601に入力しており、CPU601では検出圧力に応じてモータ510の制御をする。すなわち、第1の圧力センサ661の検出圧力が大きいほど、加速するように設定され、第2の圧力センサ663の検出圧力が大きいほど、減速するように設定され、両圧力センサ661,663の検出圧力がニュートラル値になるようにPID制御する。ここで、ニュートラル値は、帯同者が取っ手301に対して実質的に触れていないときの初期荷重であり、各圧力センサ661,663の前後に隙間があれば0である。
【0182】
なお、本実施形態ではメインスイッチ667は押し釦式のスイッチであり、取っ手301とは別の場所(図例では取っ手301の近傍)に設けられる。この場合、スーツケース105の搬送中にメインスイッチ667に誤作動するのを防止すべく、メインスイッチ667を覆うカバーを設けてもよい。
【0183】
また、図41に示すように、後輪501のステー519とケース本体201との間には荷重センサ665が設けてあり、スーツケース105内の荷物を含めたスーツケース105の重量に応じた検出信号を出力するようになっている。荷重センサ665の検出信号は検出回路666を介してCPU601に入力する。
【0184】
CPU601は、荷重と初期PWMデューティとのマップがROMの所定領域に格納されており、検出荷重に応じて、起動する時の初期PWMデューティを設定するようになっている。ここで、マップは検出荷重が大きいほど大きな初期PWMデューティが与えられるようになっている。
【0185】
本スーツケース105は、メインスイッチ667を押下すると、パワーアシスト制御がスタートする。本スーツケース105では帯同者は取っ手301を握るか、あるいは取っ手301に手を添えて、歩いていくことになる。
【0186】
スーツケース105が停止した状態で歩きはじめると、帯同者は取っ手301に前方に向けて力を加えることになる。すると、第1の圧力センサ661の検出圧力が上昇して、スーツケース105も進みはじめる。そして、第1、第2の圧力センサ661,663の検出圧力に応じて、スーツケース105の加減速が制御される。
【0187】
ここで、帯同者が早足で進もうとすれば第1の圧力センサ661の検出圧力も大きくなって、さらに加速され、逆に、帯同者がゆっくりと進もうとすれば第2の圧力センサ663の検出圧力も大きくなって、減速されることになる。そして、帯同者が等速で進めば、略圧力センサ661,663の検出圧力がニュートラル値となる。この状態では、帯同者はスーツケース105に対して殆ど力を加える必要がない。
【0188】
本実施形態によっても、帯同者は身軽に行動することができる。
【0189】
また、検出荷重に基づいて初期PWMデューティを設定するので、次の効果が得られる。通常、起動時にはPWMデューティを0から漸増させて、荷重や帯同者の歩行速度に応じたPWMデューティに収束していくことになるが、荷物が多いほど、起動に必要なトルクが得られるまでのタイムラグが大きくなる。これはモータ510のトルク特性によって大きく現れる。
【0190】
本スーツケース105では、荷物が多ければ初期PWMデューティが大きくなって、起動時に十分なトルクが得られ、帯同者に対するスーツケース105の追従性をさらに向上させることができる。また、マップによってモータ510の特性を考慮したものにできるから、よりスムーズな起動特性が得られる。
【0191】
なお、荷重センサは1か所だけではなく、4つの車輪401,402,501,502のうち、複数の車輪に設けて荷物の多さをより高精度に得るのもよい。あるいは、荷物の多少を入力するためのスイッチや表示器(例えばキーボード623,液晶モニタ611)を設けて、荷重を自己申告により設定してもよい。
【0192】
本実施形態の、荷重検出により初期PWMデューティを設定する構成は、前記各実施形態のスーツケースにも適用することができる。
【0193】
また、荷重検出により初期PWMデューティを設定する構成は、要求される起動応答性によっては、省略して構成を簡略化することができるのは勿論である。
【0194】
なお、前記各実施形態では、バッテリ切れやCPU601等の故障によって後輪501,502のモータ駆動が不能となると、従来のスーツケースと同じく帯同者が手で押していくことになる。この場合、後輪501,502に接続されたモータは抵抗となって、その分、帯同者に余計な労力を強いることになる。そこで、次のようにモータから駆動輪への動力伝達とその解除とが切り換え自在な動力伝達手段である動力伝達切り換え機構を設けるのもよい。
【0195】
図42はかかる動力伝達切り換え機構520を示すもので、前記各実施形態に共通に適用することができる。駆動輪となる後輪521は、ステー522に回転自在に保持されている。ステー522が取りつけられたケース本体201底壁には、後輪の円周面と対向する位置に開口部231が形成されている。後輪521の動力を発生するモータ526はモータ軸5261が後輪521の支軸5221と平行となるように配置され、モータ軸5261には、前記開口部231の上方位置にローラ528が取り付けられている。ローラ528と後輪521とはその円周面同志が対向している。
【0196】
モータ526はステー527によって保持プレート529上に取り付けてあり、保持プレート529は、その前端縁から前輪側に伸びる板ばね531を介してケース本体201底壁と結合している。板ばね531のばね力により、ローラ528と後輪521とが弾接可能である。
【0197】
保持プレート529の後端部には、ピン532が突設され、ピン532には、レバー533がその基端部にて水平方向に回動自在に保持されている。レバー533の先端部は、ケース本体201の後端壁に形成された切り欠き232からスーツケース本体201外へ突出している。レバー533の先端部には丸いグリップ534が設けてある。
【0198】
図43(A)、図43(B)に示すように、切り欠き232はコ字状のもので、その2つの横線部233,234が水平方向に形成してある。レバー533が切り欠き232の下側の横線部234にあれば、ローラ528と後輪521とは弾接状態となり、モータ526で発生した動力が後輪521へと伝達される。一方、レバー533が切り欠き232の上側の横線部233にあれば、板ばね531が撓んで保持プレート529が持ち上げられ、ローラ528が後輪521から離間し、後輪521は従動輪と同様に自由に回転する。
【0199】
なお、レバー533の上下間の移動は、グリップ534の操作で、レバー533をピン532を中心に左側に回動し、切り欠き232の縦線部235まできたら、グリップ534を上方または下方に動かす。これにより、保持プレート529が上方変位または下方変位し、ローラ528と後輪521とが弾接状態またはその解除状態に切り換わる。しかる後、グリップ534の操作で、レバー533をピン532を中心に右側に回動し、切り欠き横線部233,234までもってくれば、その状態が保持されることになる。
【0200】
このように、モータ526から駆動輪521への動力伝達とその解除とを切り換えることができる。
【0201】
したがって、モータ駆動の不能状態が出来したり、周囲の混雑状況等によって、メインスイッチを切るとともに、レバー533を上側にもってくれば、後輪521がモータ526と非接続状態となり、帯同者がスーツケースを移動させるときに過度な力をかけずに済む。
【0202】
また、動力伝達切り換え機構としては、図44に示すように、モータ軸543の軸端と後輪のドライブ軸545の軸端とをソレノイド544が発生する電磁力により結合する電磁クラッチ542をモータ541に直結することより構成することもできる。
【0203】
この場合は、メインスイッチがオンした状態で前記各追従機能が作動するときにのみ電磁クラッチ542がオンするようにしておけばよい。
【0204】
また、動力伝達切り換え機構としては、簡単には、図45に示すように、ワンウェイベアリング556,562により構成してもよい。ワンウェイベアリング556,562は、その外周部が後輪553,559のホイール部555,561と結合せしめてあり、内周部がモータ軸552,558と結合せしめてある。そして、ワンウェイベアリング556,562を、スーツケースが前方へ進行するときに、後輪553,559と一体的に回転する外周部がモータ軸552,558と一体的に回転する内周部に対して自由に回転するように設定すればよい。
【0205】
かかる構成でも、モータ551,557が作動不能であると否とにかかわらず、スーツケースを前方に進める分には、抵抗を受けないようにすることができる。また、この例では、ワンウェイベアリング556,562がディファレンシャルギアのように左右の回転差を相殺する機能を発揮する。
【0206】
(第5実施形態)
図46に本発明の第5実施形態になるスーツケースを示し、図47に取っ手とケース本体との結合状態を示す。基本的な構成は、第1実施形態と同じで、第1実施形態と同じ作動をする部分には第1実施形態と同じ番号を付し、第1実施形態との相違点を中心に説明する。第1実施形態では、取っ手の操作で、メインスイッチおよび追従機能スタートスイッチが作動するようになっているが、本実施形態では、メインスイッチ671およびスタートスイッチ672はスーツケース本体201の上面201Tに設けた押し釦式のスイッチにより構成してある。
【0207】
取っ手331は断面が略正方形で、全体形状がコ字状のもので、スーツケース本体上面201Tに取っ手331の脚部334,335が嵌められる凹部231,232が2か所設けられている。該凹部231をスーツケース106の前後方向に横切るように、水平方向に幅広の孔233,234が形成してあり、これに細長で平板状のロックプレート801が挿通せしめてある。孔233,234はロックプレート801の幅に対してやや余裕をもった大きさとしてある。
【0208】
ロックプレート801は、後ろ側の端部でキーシリンダ805の下端に回動自在に設けられたカム806と係合ピン804を介して係合せしめてあり、鍵穴807から挿入されたキー808の操作でロックプレート801が前後方向にスライド可能である。キー808をロック側に回動すると前側(図中左側)にスライドする。
【0209】
ロックプレート801は板厚方向に貫通する略正方形の切り欠きである穴802,803が前記凹部231,232の間隔と同じ間隔で2か所に形成されている。穴802,803は取っ手331の脚部334,335よりもやや大きく開口している。また、穴802と脚部334とが、穴803と脚部335とが、キー808をアンロック側に回動した状態のとき、一致するようになっている。この状態のとき、取っ手脚部334,335がそれぞれ穴802,803を挿通する。
【0210】
一方、取っ手331の脚部334,335には、それぞれ、図48に示すように、後ろ側の側面に、前記802,803と同じ高さに水平方向に、前記側面に連なる別の側面に達する一文字の凹部である溝336,337が形成されている。
【0211】
図49は、取っ手脚部334,335とロックプレート801の位置関係を示すもので、(A)が、キー808がアンロック側にあるときのもので、(B)が、キー808がロック側にあるときのものである。キー808がアンロック側にあるときは前記のごとく、溝336,337と穴802,803とが重なる位置になるので、取っ手331を自由に凹部231,232から外すことができる。一方、キー808がロック側にあるときには、ロックプレート801が図中左側にスライドするので、ロックプレート801は穴802,803よりも右側の部分が取っ手脚部334,335の溝336,337内に進入し、取っ手脚部334,335とロックプレート801とが係合する。この状態では取っ手331は外すことができず、ケース本体201と一体化する。スーツケース106を帯同するときは通常ロック状態で用いる。
【0212】
なお、取っ手332も同様の構造を有している。
【0213】
本スーツケース106はかかる構成を有しているので、フェールセーフモードに切り換えるとともに、キー808をアンロックにして、取っ手331,332を外し、これを所持したまま、スーツケース106から離れて、所用を済ませることができる。取っ手331,332を外すことでスーツケース106の移動がさらに困難になり、優れた盗難防止効果を発揮する。
【0214】
なお、本実施形態の特徴部分は、第2〜第4実施形態に適用することができる。また、車輪がモータ駆動とはなっていない従来のスーツケースにも適用することができる。
【0215】
また、取っ手脚部が挿通するロックプレートの切り欠きは、穴である必要はなく、図50に示すロックプレート811のように、その側縁に開く切り欠き812,813でもよい。
【0216】
また、取っ手脚部の溝は、図51に示すように、取っ手脚部334,335の、スーツケースの左右方向の側面に形成してもよく、この溝341,342と組合わせるロックプレート821は、ロック状態のときに溝341,342と対向する位置で、切り欠き822,824の周縁がせり出す形状とし、切り欠き822,824の外周の一部823,825が溝内に進入するようにする。
【0217】
また、前記の例では取っ手の向きを逆にすると、脚部の溝位置が逆転するので、取っ手をスーツケース本体に取り付ける時に、向きに配慮する必要があるが、図52に示すように、取っ手脚部334,335のスーツケースの左右方向の側面の両方ともに、溝351,352、溝353,354を形成し、ロックプレート831には、各溝351〜354に対応して、ロック状態のときに溝351〜354と対向する位置で、切り欠き832,835の周縁がせり出す形状とし、切り欠き832,835の外周の一部833,834,836,837が溝351〜354内に進入するようにする。かかる構成とすることで、取っ手の向きに配慮する必要がなくなり、利便性がよい。
【0218】
また、かかる取っ手の向きの配慮を不要とするには、向きが変わっても、図49視における取っ手の断面形状が変わらなければよいから、図53に示すように、溝361,362を、取っ手脚部334,335のスーツケースの左右方向の側面のうち、一方361をスーツケース左側にくるように、他方362をスーツケース右側にくるように形成すればよい。ロックプレート841は、ロック状態のときに溝361,362と対向する位置で、切り欠き842,844の周縁がせり出す形状とし、切り欠き842,844の外周の一部843,845が溝361,362内に進入するようにする。
【0219】
また、ロックプレートはキーで作動させているが、スーツケース本体に内蔵のモータにより作動せしめてもよい。
【0220】
モータにより作動せしめる場合、必ずしもカムはロックプレートの端部で係合する必要はなく、図54、図55に示す構成とするのもよい。図例では取っ手脚部およびロックプレートの穴は図53と同じ形状のものを用いている。モータ855を取っ手331の取り付け用の凹部231,232の中間位置に配置し、ロックプレート861は、穴842,844で挟まれたロックプレート861の中央部に、カム853から突出する係合ピン854が挿通する孔862を形成する。この場合、両凹部231,232で挟まれたデッドスペースを有効利用することになるので、場所をとらない。
【0221】
また、取っ手と係合するロック手段の構成によっては、取っ手の脚部の側面にはロック手段に対応した凹部を形成する。図56に示すものでは、取っ手371の各脚部334,335に形成された凹部372,373が1/4円形に形成されており、これにかぎの手状の先端部を有するロック手段であるラッチ鉤871,873が凹部372,373内に進入する。ラッチ鉤871,873は、左右水平方向の支軸872,874に対して回転自在に保持されており、ラッチ鉤871,873の先端部が取っ手脚部334,335側に傾斜して、取っ手371とラッチ鉤871,873とが係合する。ラッチ鉤871,873の作動は、両ラッチ鉤871,873の中間位置に設けられたモータ879によって回動するカム878とラッチ鉤871,873とをロッド876,877により連動させることで行われる。
【0222】
なお、これらの、モータにより取っ手とロックプレートとを係合状態としたり解除したりするものでは、取っ手とロックプレートとの係合解除を前記フェールセーフモードの一部として行うように設定するのもよい。
【0223】
また、図57に示すように、取っ手381の脚部334,335が、握り部333側と一体の第1部分383,385と、第1部分383,385と係合ピン387,388によって係合し脚部334,335の先端部である第2部分384,386とからなり、係合ピン387,388で取っ手381をねかせる構造のものにも適用することができ、第2部分384,386にロックプレート801と係合するための溝を形成すればよい。
【0224】
なお、前記各実施形態において、駆動輪および従動輪の配置は前記各実施形態のものに限られるものではなく、図58に示すように、前輪501,502が駆動輪で後輪401,402が従動輪でもよく、この場合、急な発進時でも各輪401,402,501,502の荷重が均等化し、安定性がよい。また、図59に示すように一方の対角位置の車輪501,502を駆動輪とし、他方の対角位置の車輪401,402を従動輪としてもよく、この場合、駆動力が前輪402,501と後輪401,502とでバランスする。あるいは、4輪構成ではなく、図60に示すように、6輪構成でもよい。この構成では図例のように前輪401,402と後輪405,406とで挟まれた中央の2輪501,502を駆動輪とするのがよい。荷重がさらに分散するので、各輪401,402,405,406,501,502の負担を抑制することができる。
【0225】
なお、胴体部センサを用いて追従機能を実現する場合、胴体部センサの高さは、身長の分布等を考慮して設定することになるが、その際、車イスを使う帯同者の胴体部の高さを考慮するのがよい。図61に示すように、車イスVの手すりV1の高さよりも少し高い位置であれば、良好に車イスVに乗った帯同者Mを捉え得る。なお、車イスVに乗った帯同者Mの胴体部位置は全体に低いので、胴体部センサ614を高さの異なる位置に2列に配置してもよい。
【0226】
また、胴体部位置の検出や足位置の検出は、撮像手段を用いてスーツケースの側方の画像を取り込みこの画像に対して画像処理を行うことで、帯同者を抽出するのもよい。
【0227】
また、本発明はスーツケースに適用したものを示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、工具ケースや楽器ケースにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可動型ケースを適用した第1のスーツケースの全体斜視図である。
【図2】図1におけるX1矢視図である。
【図3】図1におけるX2矢視図である。
【図4】前記スーツケースの電気構成を示すブロック図である。
【図5】図3と同一視における前記スーツケースの別の状態の図である。
【図6】前記スーツケースの後輪の拡大図である。
【図7】取っ手取り付け位置における前記スーツケースの拡大断面図である。
【図8】(A)は前記スーツケースの上部の拡大斜視図であり、(B)は別の状態の前記スーツケースの上部の拡大斜視図である。
【図9】前記取っ手の拡大図である。
【図10】前記スーツケースの作動を説明する第1の図である。
【図11】前記スーツケースの作動を説明する第2の図である。
【図12】前記スーツケースの作動を説明する第3の図である。
【図13】前記スーツケースの作動を説明する第4の図である。
【図14】前記スーツケースの作動を説明する第5の図である。
【図15】前記スーツケースの作動を説明する第6の図である。
【図16】前記スーツケースの作動を説明する第7の図である。
【図17】前記スーツケースの作動を説明する第8の図である。
【図18】前記スーツケースを構成する盗難防止装置の図である。
【図19】前記盗難防止装置の第1の拡大図である。
【図20】前記盗難防止装置の第2の拡大図である。
【図21】前記盗難防止装置を構成する部品の図である。
【図22】前記盗難防止装置の第3の拡大図である。
【図23】(A),(B)は前記盗難防止装置の作動を説明する第1、第2の図である。
【図24】(A),(B)は前記盗難防止装置の変形例の作動を説明する第1、第2の図である。
【図25】前記スーツケースの第1の変形例を説明する取っ手の図である。
【図26】前記スーツケースの第2の変形例を説明する取っ手の図である。
【図27】本発明の可動型ケースを適用した第2のスーツケースの全体斜視図である。
【図28】前記スーツケースの電気構成を示すブロック図である。
【図29】(A),(B)は前記スーツケースの作動を説明する第1、第2の図である。
【図30】前記スーツケースの変形例を説明する図である。
【図31】本発明の可動型ケースを適用した第3のスーツケースの全体斜視図である。
【図32】前記スーツケースの電気構成を示すブロック図である。
【図33】図32におけるX3矢視図である。
【図34】(A),(B),(C),(D)は前記スーツケースの車輪における動力伝達機構を示す第1、第2、第3、第4の図である。
【図35】図33と同一視における前記スーツケースの別の状態の図である。
【図36】前記スーツケースの変形例を説明する図である。
【図37】前記スーツケースの別の変形例を説明する図である。
【図38】本発明の可動型ケースを適用した第4のスーツケースの全体斜視図である。
【図39】前記スーツケースの電気構成を示すブロック図である。
【図40】取っ手取り付け位置における前記スーツケースの拡大断面図である。
【図41】前記スーツケースの下部の拡大図である。
【図42】前記スーツケースの変形例を説明する図である。
【図43】(A),(B)は前記スーツケースの変形例の動力伝達機構を示す第1、第2の図である。
【図44】前記スーツケースの別の変形例を説明する図である。
【図45】前記スーツケースのさらに別の変形例を説明する図である。
【図46】本発明の可動型ケースを適用した第5のスーツケースの全体斜視図である。
【図47】取っ手取り付け位置における前記スーツケースの拡大断面図である。
【図48】前記取っ手の一部の拡大図である。
【図49】(A),(B)は前記取っ手の脱着機構を示す第1、第2の図である。
【図50】前記スーツケースの第1の変形例を説明する図である。
【図51】前記スーツケースの第2の変形例を説明する図である。
【図52】前記スーツケースの第3の変形例を説明する図である。
【図53】前記スーツケースの第4の変形例を説明する図である。
【図54】前記スーツケースの第5の変形例を説明する図である。
【図55】前記変形例を説明する別の図である。
【図56】前記スーツケースの第6の変形例を説明する図である。
【図57】前記スーツケースの第7の変形例を説明する図である。
【図58】前記各スーツケースの第1の変形例を説明する図である。
【図59】前記各スーツケースの第2の変形例を説明する図である。
【図60】前記各スーツケースの第3の変形例を説明する図である。
【図61】前記各スーツケースの第4の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
101.102,103,104.105,106 スーツケース(可動型ケース)
201 ケース本体
201L 側面
202,203 箱体
204 蝶番
205,206 ロックレバー
231 開口部
301,331,371,381 取っ手
334,335 脚部
336,337,341,342,351,352,353,354,361,362 溝(凹部)
371,372 凹部
401,402 前輪(車輪)
403,404 ステー
501,502 後輪(車輪)
503,504,510 モータ(駆動手段)
520 動力伝達機構(動力伝達手段)
528 ローラ
542 電磁クラッチ(動力伝達手段)
556,562 ワンウェイベアリング(動力伝達手段)
601 CPU(制御手段、判定手段、設定手段)
616 対人センサ(障害物検出手段)
618 路面センサ(路面検出手段)
642 送受信回路(カード照合手段)
643 IDカード(カードIC)
661,663 圧力センサ(押圧力検出手段)
665 荷重センサ(荷重検出手段)
614 センサ(歩行状態検出手段、胴体部位置検出手段)
702 吸盤
703 昇降手段
718 負圧ポンプ
720 バイパスホース(連通路)
721 リーク弁(二方弁)
801,811,821,831,841,861 ロックプレート(ロック手段)
802,803,832,834,842,844, 穴(切り欠き)
812,813,822,824 切り欠き
871,873 ラッチ鉤(ロック手段)

Claims (26)

  1. ケース本体を支持する車輪を具備し、非手提げ状態で帯同する可動型ケースにおいて、
    駆動力自在に構成されて前記車輪の少なくともひとつを駆動する駆動手段と、
    舵取り手段と、
    帯同者の前後方向および左右方向の位置からその歩行状態を検出する歩行状態検出手段と、
    検出された歩行状態に基づいて駆動手段および舵取り手段を制御して、帯同者に並走可能な駆動力および舵切り量に調整する制御手段とを備え、
    前記制御手段には、
    複数の予め設定した運動モードの判定条件が設定されており、検出された歩行状態が前記判定条件を満たすか否かを判定する判定手段と、
    駆動力および舵切り量を、肯定判断された運動モードに応じた駆動力および舵切り量に設定する設定手段とを具備せしめたことを特徴とする可動型ケース。
  2. 請求項1記載の可動型ケースにおいて、前記歩行状態検出手段には、
    ケース本体の側面に設けられて、前記歩行状態として、前後方向および左右方向の帯同者の位置を胴体部で検出する胴体部位置検出手段を具備せしめた可動型ケース。
  3. 請求項2記載の可動型ケースにおいて、前記胴体部位置検出手段を、
    ケース本体の側面に前後方向に複数配置した可動型ケース。
  4. 請求項2または3いずれか記載の可動型ケースにおいて、前記歩行状態検出手段には、
    前記ケース本体の側面に設けられて、前記歩行状態として、帯同者の両足の前後方向の位置を検出する足位置検出手段を具備せしめた可動型ケース。
  5. 請求項4記載の可動型ケースにおいて、
    前記運動モードには、停止状態からの歩きはじめに対応するモードを含み、
    前記判定手段を、両足が検出されている状態において、一方の足の位置が略他方の足の方に移動すると、歩きはじめのモードが肯定判断されるように設定した可動型ケース。
  6. 請求項4または5いずれか記載の可動型ケースにおいて、
    前記運動モードには、可動型ケースから遠ざかる方向の斜め移動に対応するモードを含み、
    前記判定手段を、胴体部位置が離れ、かつ、歩幅が減少すると、前記モードが肯定判断されるように設定した可動型ケース。
  7. 請求項4ないし6いずれか記載の可動型ケースにおいて、
    前記運動モードには、可動型ケースから近づく方向の斜め移動に対応するモードを含み、
    前記判定手段を、胴体部位置が近づき、かつ、歩幅が減少すると、前記モードが肯定判断されるように設定した可動型ケース。
  8. 請求項2ないし7いずれか記載の可動型ケースにおいて、
    ケース本体の左右の側面のそれぞれに、前記胴体部位置検出手段または足位置検出手段を1系統ずつ設け、
    かつ、帯同者が所持するカードICからの電波の送信方向を可動型ケースの左と右とに特定自在に構成されて、前記電波を受信して復調信号からカードICを照合するカードIC照合手段を具備せしめ、
    かつ、前記制御手段を、カードICの照合結果が肯定されると、電波の送信方向に対応した側面に設けられた前記胴体部位置検出手段または足位置検出手段の検出結果を有効とするように設定した可動型ケース。
  9. 請求項1ないし8いずれか記載の可動型ケースにおいて、可動型ケースの前方の障害物との距離および接近方向の相対速度を検出する障害物検出手段を設け、
    前記制御手段を、検出された距離が所定の上限距離を下回ると車輪を制動せしめるように設定し、
    かつ、前記上限距離を、検出された相対速度が小さいほど短い距離とした可動型ケース。
  10. 請求項1ないし9いずれか記載の可動型ケースにおいて、前輪となる車輪よりも前方の路面との距離を検出する路面検出手段を設け、
    前記制御手段を、検出された距離が所定の上限距離を上回ると車輪を制動せしめるように設定した可動型ケース。
  11. 請求項1ないし10いずれか記載の可動型ケースにおいて、前記車輪とケース本体の間に、車輪が受ける荷重を検出する荷重検出手段を介設し、
    前記制御手段を、検出された荷重が大きいほど起動時の初期駆動力が大きくなるように設定した可動型ケース。
  12. 請求項1ないし11いずれか記載の可動型ケースにおいて、前記車輪は、前記駆動手段により駆動される駆動輪と、自由に回転可能な従動輪との2種類からなる可動型ケース。
  13. 請求項12記載の可動型ケースにおいて、前記車輪を、左右方向に配置された2つの前輪と、左右方向に配置された2つの後輪とからなる構成とした可動型ケース。
  14. 請求項13記載の可動型ケースにおいて、前記後輪を駆動輪とした可動型ケース。
  15. 請求項13記載の可動型ケースにおいて、前記前輪を駆動輪とした可動型ケース。
  16. 請求項13記載の可動型ケースにおいて、一方の対角上に配置される前輪および後輪を駆動輪とし、他方の対角上に配置される前輪および後輪を従動輪とした可動型ケース。
  17. 請求項1ないし11いずれか記載の可動型ケースにおいて、前記車輪は、前記駆動手段により駆動される駆動輪と、自由に回転可能な従動輪との2種類からなり、
    前記従動輪を保持するステーを水平面内で回動自在に構成し、
    前記駆動手段を、前記駆動輪と1対1に対応した2つのモータにより構成し、
    前記舵取り手段を、両モータにそれぞれ独立に給電する2つの給電手段により構成し、
    両給電手段にはそれぞれ前記制御手段から個々の駆動力指令が入力する可動型ケース。
  18. 請求項1ないし17いずれか記載の可動型ケースにおいて、前記駆動手段から前記駆動輪への動力伝達とその解除とを切り換え自在に構成された動力伝達手段を具備せしめた可動型ケース。
  19. 請求項18記載の可動型ケースにおいて、駆動手段をケース本体内に配置したモータにより構成し、
    前記動力伝達手段を、モータの軸端に設けられたローラにより構成し、
    前記駆動輪の円周面と対向する位置で、ケース本体底壁に開口部を形成して該開口部にてローラと駆動輪とを密着せしめた可動型ケース。
  20. 請求項18記載の可動型ケースにおいて、前記動力伝達手段を、電磁クラッチにより構成した可動型ケース。
  21. 請求項1ないし20いずれか記載の可動型ケースにおいて、駆動輪と駆動手段との間に、前方への可動型ケースの移動のみを許容するワンウェイベアリングを介設した可動型ケース。
  22. ケース本体を支持する車輪を具備し、非手提げ状態で帯同可能な可動型ケースにおいて、
    ケース本体の底部に上下動自在に設けられて、相手方と密着する吸着面を下方に向けた吸盤と、
    吸盤を昇降せしめる昇降手段と、
    前記吸盤の吸着面と路面との間の空間の空気を排出する負圧ポンプと、
    前記負圧ポンプをバイパスして前記空間と外部雰囲気とを連通する連通路とを設けて、 該連通路の途中に二方弁を設け、
    かつ、帯同者が所持するカードICからの電波を常時、受信して復調信号からカードICを照合するカード照合手段と、
    カードICの照合結果に基づいて前記昇降手段を制御する制御手段とを設けて、
    前記制御手段を、カードICの照合結果が肯定されたときにのみ前記吸盤を上方に待機せしめるように設定した可動型ケース。
  23. 請求項1ないし22いずれか記載の可動型ケースにおいて、ケース本体をつり下げる取っ手を、脱着自在に構成した可動型ケース。
  24. 請求項23記載の可動型ケースにおいて、握り部の両端部にそれぞれ連なる前記取っ手の2つの脚部の側面に、凹部を形成し、
    ケース本体には、前記凹部での取っ手との係合状態とその解除とが切り換え自在に構成されたロック手段を設けた可動型ケース。
  25. 請求項24記載の可動型ケースにおいて、前記ロック手段を、
    前記握り部の長さ方向に変位可能に構成された平板状部材であって、その板厚方向に貫通して前記取っ手の脚部が挿通する切り欠きを形成したロックプレートにより構成し、
    前記取っ手の脚部に形成する凹部を、
    前記ロックプレートと平行に形成した溝により構成して、
    ロックプレートが切り欠きの外周で前記取っ手と係合するようにした可動型ケース。
  26. 請求項1ないし25いずれか記載の可動型ケースにおいて、ケース本体を、扁平な1対の箱体からなり、両箱体を互いに当接する1辺に設けた蝶番により結合する構造とした可動型ケース。
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