JP3737793B2 - Il−13受容体ポリペプチド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターロイキン-13(IL-13)に対して特異的な受容体活性を有する精製ポリペプチド、その生物学的に活性なフラグメント、および相当する核酸配列、ならびにそれらの適用に関する。
【0002】
【従来の技術】
IL-13は、最近同定された(1、2)、活性化Tリンパ球、活性化後のBリンパ球および肥満細胞によって分泌される112アミノ酸のサイトカインである。
IL-4と共有するその膨大な生物特性により、IL-13はIL-4様サイトカインとして説明されている。その活性は、B-細胞(3-5)、単球(6-10)および他の非-造血細胞(11-12)に対するIL-4の活性に実際に類似している。一方、IL-4とは反対に、休止または活性化T細胞に対しては特異的な効果を何ら及ぼさないようである(13)。
【0003】
単球/マクロファージ、Bリンパ球およびある種の造血前駆体に対するIL-13の種々の生物活性はA.J.Mintyによって、ならびにIL-13の概説論文に詳記されている(例えば14を参照されたし)。加えて、幾つかのデータは、このサイトカインが他の細胞型に対して多面的な効果を有することを示している。IL-13によって直接的に影響を受けるこれらの非-造血細胞は、内皮細胞および小膠細胞、表皮ケラチン細胞、ならびに腎臓および小腸のガン腫である。
IL-13の抗-炎症および免疫調節活性は、例えば、自己免疫疾患、腫瘍およびウイルス病理の治療に有用となり得る。
【0004】
しかしながら、臨床レベルにおけるこれらの生物特性の利用には、関連する病理において生物特性を制御および変調させることができるように、それを介してこの効果が発揮されるシグナルおよびメカニズムの完全な認識が要求される。
細胞内の生物分子によって伝達されるシグナルの分析におけるステージの1つは、その膜受容体を同定することにある。IL-13受容体のこの側面に対して行った研究実験により、IL-13およびIL-4が共通の受容体、または非常に少なく見積もっても共通受容体複合体の幾つかのコンポーネント、ならびに共通のシグナル伝達エレメントを有することが示されている(15-18)。この受容体は、考えられる細胞型によって変動し得る数で、種々の細胞型の表面に存在する。IL-13およびIL-14受容体の比較分布が、A.J.Minty(14)によって示されている。
【0005】
Kondoら(19)は、IL-4に対して高親和性を有する受容体の構造を記載している。この受容体は、140kDaの糖蛋白質(IL-4R)とIL-2受容体のγ鎖(γc)との会合によって形成されるダイマーである。IL-4は高親和性(50〜100pMのKd)で140kDaの糖蛋白質サブユニット(IL-4Rまたはgp140)に結合することができる(15)。しかしながら、この親和性は、γc鎖がgp140と会合した場合には、2〜3倍だけ上昇する。加えて、この会合はIL-4により媒介されるある種のシグナルの伝達にも必要である(19、20)。
【0006】
IL-13またはIL-4のいずれかの結合性に関する交差-競合実験により、IL-4はIL-13の結合性を通常妨害し得るが、IL-13は一般的にIL-4のその受容体に対する結合性を部分的にしか妨害できず(17、21)、IL-4受容体の2個のサブユニットのいずれにも、またはそれらの会合によって形成された複合体にも結合しないことが立証されている。これらの知見に基づいて、本発明者らは、IL-13に対して特異的な受容体が、もう1個のIL-13結合性コンポーネント(IL-13Rβ)と会合した受容体複合体IL-4よりなると予想した。
【0007】
IL-13およびIL-4に応答して増殖することができる赤白血球細胞系統(TF-1系統)で行った研究実験により、これらの2種のサイトカインがそれらの受容体に結合した後に同様の細胞内事象を生成することが示された(18)。平行して、交差-連結(cross-linking)実験により、gp140が、γ鎖または新たなサブユニットのいずれかと分子量55〜70kDaのヘテロダイマーを形成し得ることが示された(17、21)。
【0008】
さらに、マウス胚幹細胞系統で最近行われた研究実験により、424アミノ酸残基のポリペプチド(IL−13Rα)をコードするゲノムDNAおよびcDNAを単離することが可能となったが、これは、高親和性、すなわちその定数Kdが約10pM〜100pMの値にある親和性を有する受容体(低親和性受容体は、2nM〜10nMの値にある定数Kdを有している)(22、23)を構成するように、IL-13受容体がIL-4受容体と共通の鎖を分有していることを示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
医療レベルにおける、IL-4およびIL-13の調節の現象の、および特にこれらの2種のサイトカインのいずれかによって創製される効果を分離し、別々に制御することができる可能性の明確な理解の重要性に鑑み、本発明者らは、一方では、高親和性を有するポリペプチド特異的結合性IL-13の特徴付けに、他方では、低親和性でIL-13に単独で特異的に結合し、IL-4受容体と会合するとIL-13に対する高親和性受容体を構成するもう1種のポリペプチドの特徴付けに関心を持った。
【0010】
【課題を解決するための手段】
今回、本発明者らは、他の公知のヒト腎臓ガン腫系統(21)よりもより多量にIL-13特異的受容体を発現しているヒトガン腫細胞系統を同定し、今回、IL-4/IL-13受容体に対するIL-13の結合に寄与する、IL-13Rβと称する一次サブユニットのクローニング、ならびに2種のサイトカイン間の交差-競合を許容する高親和性受容体を構成するためにIL-13受容体とIL-4受容体によって分有されている、IL-13Rαと称する共通鎖のクローニングを行った。しかるに、本発明はIL-13に特異的に結合する精製ポリペプチドに関する。
【0011】
さらに特に、本発明の対象は、そのアミノ酸配列がIL-13に対して特異的な受容体(IL-13RβおよびIL-13Rα)の配列に対応する精製ポリペプチド、またはその生物学的に活性なフラグメントである。
また、本発明の対象は、該ポリペプチドまたはその生物学的に活性なフラグメントをコードする単離DNA配列でもある。
加えて、本発明は、前記定義のヌクレオチド配列の少なくとも1種を含有する発現ベクター、および該ヌクレオチド配列のうちの1種の複製および/または発現を許容する条件下にてこれらの発現ベクターでトランスフェクトした宿主細胞に関する。
トランスフェクトした宿主細胞による組換えIL-13RβおよびIL-13Rαまたはそれらの生物学的に活性なフラグメントの産生方法も本発明の一部である。
【0012】
また、本発明は、IL-13によって創製される免疫および炎症メカニズムを調節するための、IL-13Rβおよび/またはIL-13Rαまたはそれらの生物学的に活性なフラグメントを含む医薬組成物をも含む。加えて、本発明は、IL-13Rβおよび/またはIL-13Rαの活性を変調させることができる剤を同定するための方法、およびこれらの剤をスクリーニングするためのIL-13Rβおよび/またはIL-13Rαまたはそれらのフラグメントの使用、ならびにIL-13受容体の活性を変調させることができる新規な生成物の製造方法に関する。
【0013】
また、本発明は、IL-13Rβおよび/またはIL-13Rαに対して特異的な抗体または抗体の誘導体をも含む。
【0014】
最後に、本発明は、IL-13Rβおよび/またはIL-13Rα、それらの生物学的に活性なフラグメントのうちの1種、またはこの受容体の活性を特異的に変調させることができる化合物を、医薬上許容されるビヒクルと組合せて患者に投与することを含む、IL-13によって媒介される免疫反応を変調させるための治療処理方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以降の本発明の記載においては、以下の定義を使用する:
‐高親和性でIL-13に特異的に結合するポリペプチド(IL-13Rβ):配列番号2のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはそのいずれかの生物学的に活性なフラグメントもしくは誘導体;
【0016】
-低親和性でIL-13に単独で特異的に結合し、IL-4受容体と会合すると高親和性受容体を構成するポリペプチド(IL-13Rα):配列番号4のアミノ酸配列を含むポリペプチド、またはそのいずれかの生物学的に活性なフラグメントもしくは誘導体;
【0017】
-生物学的に活性な:IL-13に特異的に結合することができ、かつ/または細胞膜のレベルでIL-13によって特異的に生成されるシグナルの伝達に関与することができ、かつ/またはIL-4およびIL-13に結合することができる複合体を形成するように、IL-4に対して特異的な受容体(IL-4R/gp140)と相互作用することができ、かつ/または配列番号2の配列および/または配列番号4の配列のポリペプチドに対して特異的な抗体によって認識され、ならびに/あるいは配列番号2の配列および/または配列番号4の配列のポリペプチドを認識する抗体を誘導することができること;
【0018】
-誘導体:配列番号2の配列および/または配列番号4の配列のポリペプチドの変異型であるいずれかのポリペプチド、または配列番号2の配列または配列番号4の配列の遺伝的および/または化学的性質の改変から得た、すなわち1個または限定数のアミノ酸の突然変異、欠失、付加、置換および/または化学修飾によって得たいずれかの分子、ならびにいずれかのイソ型配列、すなわち、配列番号2の配列または配列番号4の配列、それらを生物学的に活性とする少なくとも1種の保存された特性を有するD エナンチオマー形、該変異型、修飾またはイソ型配列中に1または2以上のアミノ酸を含有する、それらのフラグメントのうちの1種もしくはそれらの修飾配列のうちの1種に等しい配列。
【0019】
本発明の対象は、
a)配列番号2の配列または配列番号4の配列、および
b)前記定義による、配列番号2および配列番号4由来のいずれかの生物学的に活性な配列;から選択されるアミノ酸配列を含む精製ポリペプチドである。
誘導体の製造は種々の対象物を有することができ、これには特にIL-13に対する受容体の親和性を上昇させるもの、IL-13とIL-4との間の交差-競合を変調させるもの、それらの産生レベルを向上するもの、プロテアーゼに対するそれらの耐性を上昇させるもの、それらの生物活性を改善するもの、あるいは新規な医薬的および/または生物学的特性をそれらに付与するものが含まれる。前記定義のポリペプチドの生物学的に活性な変異型の中では、前記のアミノ酸配列のうちの1種をコードする遺伝子の転写物(メッセンジャーRNA)の可変スプライシング(alternate splicing)によって生成されたフラグメントが好ましい。
【0020】
有利な変異型においては、配列番号2の配列のポリペプチドの8個のC-末端アミノ酸が以下の6個のアミノ酸:VRCVTLによって置換されている。
もう1つの有利な態様により、本発明は、残基343、好ましくは残基337まで伸長する配列番号2の配列のポリペプチドの細胞外ドメインを特に含む、IL-13Rβsと称するIL-13Rβの可溶性形態、ならびに、残基343、好ましくは残基336と342との間の残基まで伸長する配列番号4の配列のポリペプチドの細胞外ドメインを特に含む、IL-13Rαsと称するIL-13Rαの可溶性形態に関する。
【0021】
配列番号2の配列または配列番号4の配列を含むポリペプチドは、本発明の特定の具体例を表す。実施例から明らかとなるように、このポリペプチドは、機能性IL-13受容体を形成するようにヒト細胞の表面に発現させることができ、かつ/または、IL-2受容体のγ鎖と共に、IL-4およびIL-13に共通の受容体複合体を形成するようにIL-4受容体と結合させることができる。
【0022】
また、本発明の対象は、
a)配列番号1の配列、
b)配列番号3の配列、
c)配列番号1の配列もしくは配列番号3の配列、またはそれらの相補的配列にハイブリダイズすることができ、かつIL-13受容体活性を有するポリペプチドをコードし、またはIL-13およびIL-4に対して高親和性を有する受容体を再構成することができる核酸配列、ならびに
d)遺伝コードの縮重のために、配列a)、b)およびc)由来となる核酸配列;から選択される単離核酸配列でもある。
【0023】
より特には、本発明の対象は、記載した生物特性の少なくとも1つを保存している、IL-13RβまたはIL-13Rαの可溶性部分をコードする配列、およびIL-13RβまたはIL-13Rαの転写物の可変スプライシングによって生成されるいずれかの変異型である。
【0024】
好ましい具体例は、配列番号1の配列のヌクレオチド番号1からヌクレオチド1081まで、好ましくはヌクレオチド1063まで伸長するヌクレオチドのストレッチを含むか、またはそれからなる核酸配列によって表される。
【0025】
もう1つの好ましい具体例は、配列番号3の配列のヌクレオチド番号1からヌクレオチド番号1059まで、好ましくは番号1041と1056との間のヌクレオチドまで伸長するヌクレオチドのストレッチを含むか、またはそれからなる核酸配列によって表される。
【0026】
有利には、本発明による核酸配列は、IL-13RβまたはIL-13Rαの成熟形態に相当する蛋白質をコードする配列であり、この成熟蛋白質はシグナルペプチドの放出の結果物である。
【0027】
本発明の種々のヌクレオチド配列は、人工的な起源または他のものとし得る。それらは、配列番号1の配列または配列番号3の配列に基づいて作製したプローブにより配列ライブラリーをスクリーニングすることによって得られるDNAまたはRNA配列とし得る。かかるライブラリーは、当業者に知られている慣用的な分子生物学的技術によって調製し得る。
【0028】
本発明によるヌクレオチド配列は、化学合成、または別法としてライブラリーのスクリーニングによって得た配列の化学的または酵素的修飾を含む方法の組合せによっても調製し得る。
【0029】
これらのヌクレオチド配列により、本発明によるポリペプチドまたはその生物学的に活性なフラグメントをコードするヌクレオチド・プローブを調製することができる。適当なハイブリダイゼーション条件は、当業者によって日常的に使用されている温度およびイオン強度条件、好ましくはTm-5℃とTm-30℃との間の温度条件、なおより好ましくはTm-5℃とTm-10℃との間の温度条件(高ストリンジェンシー)であり、Tmとは50%の塩基対形成鎖が分離する温度として定義される溶融温度である。これらは、生物試料中の本発明のポリペプチドに特異的な転写物をハイブリダイゼーション実験によって検出するための、あるいは多形性、突然変異、または不完全な(poor)スプライシングから生じる異常な合成または遺伝的異常を検出するためのイン・ビトロ(in vitro)診断ツールとして用いることができる。
【0030】
本発明のプローブは、少なくとも10個のヌクレオチドを含み、最大限、配列番号1の全体のヌクレオチド配列もしくは配列番号3の全体のヌクレオチド配列、またはそれらの相補鎖を含む。
最も短いプローブ、すなわち約10〜15ヌクレオチドのものの中では、適当なハイブリダイゼーション条件は当業者により日常的に使用されている温度およびイオン強度条件に相当する。
【0031】
好ましくは、本発明のプローブはその使用前に標識する。それに関しては、例えば蛍光、放射能、化学発光、または酵素標識のごとき幾つかの技術が、当業者の能力の範囲内に存在する。
【0032】
IL-13受容体ポリペプチドまたは生物学的に活性なフラグメントをコードする核酸配列のレベルの異型接合性および遺伝子転移の欠失のごとき異常な合成または遺伝的異常の検出にこれらのヌクレオチドプローブを用いるイン・ビトロ診断方法が本発明に包含される。かかるタイプの方法は:
-所望により、後記のヌクレオチド配列を増幅させる予備工程の後であってもよいが、本発明のヌクレオチドプローブと前記のヌクレオチド配列との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を許容する条件下にて、該プローブを生物試料とを接触させ;
-形成され得るハイブリダイゼーション複合体を検出し;ついで
-所望により、本発明のプローブとハイブリダイゼーション複合体を形成するヌクレオチド配列を配列決定してもよい;
ことを含む。
【0033】
加えて、本発明のcDNAプローブは染色体異常の検出にも有利に用いることができる。
本発明のヌクレオチド配列は、いわゆるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)技術またはそのいずれか他の変形により、配列決定反応または特異的な増幅反応用のセンスおよび/またはアンチセンス・オリゴヌクレオチドプライマーの製造および使用にも有用である。
【0034】
さらに、本発明によるヌクレオチド配列は、メッセンジャーRNAを包含する核酸配列と特異的にハイブリダイズすることができるアンチセンス配列を調製する治療分野においても用途を有し、遺伝子治療にも使用することができる。かくして、本発明の対象は、前記定義のIL-13受容体ポリペプチドの生成を、少なくとも部分的に阻害することができるアンチセンス配列である。かかる配列は、有利には、転写レベルのIL-13RβまたはIL-13Rαをコードするリーディングフレームを構成するものからなる。
それらは、より特に、アレルギーまたは炎症の治療に使用することができる。
【0035】
さらに、本発明によるヌクレオチド配列は、IL-13受容体活性を有する前記定義の組換えポリペプチドの生成にも使用することができる。
これらのポリペプチドは、当業者に知られている組換え産物を作製するための技術により、前記定義のヌクレオチド配列から作製することができる。この場合においては、使用するヌクレオチド配列を、細胞性宿主中のその発現を許容するシグナルの制御下に置く。使用する細胞性宿主は、細菌のごとき原核生物系、または酵母、昆虫細胞、CHO細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)または有利に商業的に入手可能ないずれかの他の系のごとき真核生物系から選択することができる。本発明のポリペプチドの発現に好ましい細胞性宿主は、繊維芽細胞系統COS-7またはCOS-3からなる。
【0036】
プロモーター、アクチベーターまたは末端配列のごときポリペプチドの発現を制御するシグナルは、使用する細胞性宿主に従って選択する。この終了までに、本発明によるヌクレオチド配列を、選択した宿主内の自己複製性ベクター、または選択した宿主の組込み性ベクターに挿入することができる。かかるベクターは、当業者によって日常的に使用されている方法に従って調製され、得られたクローンは、例えばエレクトロポレーションのごとき標準的な方法によって適当な宿主に導入することができるであろう。
【0037】
前記定義のヌクレオチド配列の少なくとも1種を含む発現ベクターも、本発明の一部である。
COS-7またはCOS-3細胞の場合においては、(17)に記載されているのと同様に、ベクターpSE-1を使用してトランスフェクションを行うことができる。
【0038】
加えて、本発明は、これらの発現ベクターによってトランスフェクトした宿主細胞にも関する。これらの細胞は、前記定義のベクターに挿入したヌクレオチド配列を宿主細胞に導入し、つづいてトランスフェクトしたヌクレオチド配列の複製および/または発現を許容する条件下にて該細胞を培養することによって得ることができる。
これらの細胞は、配列番号2の配列または配列番号4の配列の組換えポリペプチドあるいはその誘導体の産生方法に使用することができ、該方法はそれ自体が本発明に含まれ、配列番号2の配列もしくは配列番号4の配列の組換えポリペプチドまたは誘導体の発現を許容する条件下にて該トランスフェクトした細胞を培養し、該組換えポリペプチドペプチドを回収することを特徴とする。
【0039】
使用する精製工程は当業者に知られている。組換えポリペプチドペプチドは、分画、クロマトグラフィー法、特異的なモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体を用いるイムノアフィニティー技術のごときを独立で、または組合せて用いる方法によって、細胞溶解物および抽出物から、培養上清から精製することができる。
【0040】
前記定義によるIL-13Rβおよび/またはIL-13Rαを特異的に認識することができるモノ-またはポリクローナル抗体も本発明の一部である。ポリクローナル抗体は、通常の手法により、IL-13Rβおよび/またはIL-13Rαに対して免疫化した動物の血清から得ることができる。
モノクローナル抗体は、KoehlerおよびMilstein(Nature,1975,256,495-497)によって記載されている慣用的なハイブリドーマ培養法に従って得ることができる。
【0041】
有利な抗体は、IL-13Rβおよび/またはIL-13Rαの細胞外ドメインに対して指向された抗体である。
本発明による抗体は、例えば、キメラ抗体、ヒト化(humanized)抗体、FabおよびF(ab’)2フラグメントである。それらは、標識化抗体または免疫コンジュゲートの形態としても存在し得る。例えば、それらは、ジフテリア毒のごとき毒素と、または放射性物と会合していてもよい。この場合においては、これらのイムノトキシンは、IL-13Rβおよび/またはIL-13Rαの過剰発現に関与するある種の病理の治療に使用することができる治療剤を構成し得る。本発明の抗体、特にモノクローナル抗体は、例えば、免疫蛍光によってか、または金もしくはペルオキシダーゼ標識によって、特定の組織切片上のIL-13受容体の免疫組織化学分析にも使用することができる。
【0042】
それらは、例えば異常な過剰発現のごときIL-13Rβおよび/またはIL-13Rαの発現を観察することが要求されたり、または膜発現の調節をモニターするいずれの状況においても有利に使用することができる。
しかるに、本発明は、異常なレベルで発現されたIL−13Rβおよび/またはIL−13Rαを含有し得る生物試料中の、IL−13Rβおよび/またはIL−13Rαの異常な発現と関連付けられる病理のイン・ビトロ診断方法にも関し、該方法は、本発明の少なくとも1種の抗体を、IL−13Rβおよび/またはIL−13Rαと該抗体(群)との間の特異的な免疫複合体の可能な形成を許容する条件下にて、該生物試料と接触させ、形成され得る該特異的な免疫複合体を検出することを特徴とする。
【0043】
また、本発明は、生物試料中のIL−13Rβおよび/またはIL−13Rαの異常な発現のイン・ビトロ診断用の、ならびに/あるいは該試料中のIL-13受容体の発現レベルを測定するためのキットにも関し、該キットは、
-所望により支持体に結合されていてもよい、IL−13Rβおよび/またはIL−13Rαに対して特異的な少なくとも1種の抗体、
-IL−13Rβおよび/またはIL−13Rαと該抗体(群)との間の特異的な抗原/抗体複合体の形成を明らかにするための手段、および/またはこれらの複合体を定量化するための手段を含む。
【0044】
本発明のもう1つの対象は、IL−13Rβおよび/またはIL−13Rαに特異的なリガンドまたはその活性を変調させることができる剤を同定および/または単離するための方法に関し、該方法は、所望により未同定であってもよい、当該化合物が受容体に対する親和性を有するであろう場合には、化合物または種々の化合物を含有する混合物を、IL-13受容体と該化合物との間の相互作用を許容する条件下にて、その表面にIL−13Rβおよび/またはIL−13Rαを発現している細胞と接触させ、IL−13Rβおよび/またはIL−13Rαに結合した化合物、またはその生物活性を変調させることができるものを検出および/または単離することを特徴とする。
【0045】
特定の具体例において、本発明のこの方法は、そのIL-13Rβおよび/またはIL-13Rα受容体についてのIL-13のアゴニストおよびアンタゴニストの同定および/または単離に適用される。
また、本発明は、医薬上許容される担体と結合した、有効成分として、好ましくは可溶性形態の、前記定義に相当するポリペプチドを含む医薬組成物をも含む。
かかるポリペプチドは、細胞表面に発現されたIL−13Rβおよび/またはIL−13Rαと実際に競合して作用し、それによって、IL−13のその受容体への結合性に特異的なアンタゴニストを構成することができ、病理状態においてIL-13によって媒介される反応を変調させることを意図した医薬生成物の合成に有利に使用することができる。
【0046】
最後に、本発明は、医薬上許容されるビヒクルと結合した、IL−13Rβおよび/またはIL−13Rαを(またはそれらの生物学的に活性なフラグメントの1種を)、またはその生物活性を特異的に変調させることができる化合物を、患者に投与することを含む、IL-13によって媒介される免疫学的反応にリンクした状態の治療処理方法を含む。
【0047】
本発明の他の特徴および利点は、以下に説明を表す実施例および図面と残りの説明とで明らかになるであろう。
【0048】
【実施例】
材料および方法
結合性および交差 - 連結実験:
結合性および交差-連結実験は、[125I][Phe43]−IL−13−GlyTyrGlyTyrについて記載されている(17)のと同様にして行った。
【0049】
IL−6の分泌の誘導:
Caki−1細胞(ATCC HTB46)を5×10細胞/ウェルの密度で24−ウェルプレートに入れ、培養3日後に、密集した単層を無ウシ胎児血清DMEM培地で3回洗浄した。Caki−1細胞の刺激は、Y124DIL−4または抗−gp140モノクローナル抗体の不存在または存在下にて、30ng/mlのIL−4またはIL−13を用いて行った。24時間培養した後に培養培地に放出されたIL−6の量を、ELISA技術(フランス,Innotest社製)によって測定した。
【0050】
ヒトIL−13Rβ cDNAの単離および分析
前記(25)と同様にして、合計RNAをCaki−1細胞から抽出した。ポリ(A)RNAは、オリゴ(dT)25で被覆した磁気ビーズ(Dynal社製)を用いて合計RNAから単離した。2×10クローンを含有するcDNAライブラリーは、プライマー−アダプター法(26)およびベクターpSE−1(27)を用いて構築した。用いた発現用のクローニング戦略は、以前に記載されている(17)。
【0051】
ヒトIL−13Rβ cDNAの調製:
RNA試料を逆転写酵素でコピーし、それを、配列+52〜+71に相当するセンスプライマーおよび+489〜+470に相当するアンチセンスプライマー(番号付けは図5および6に示すcDNA配列に基いて行った)を用いるPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)に付した。PCR−増幅産物は、cDNAの配列+445〜+461に相補的なプローブとハイブリダイズした。サイズマーカーを図の左に示す。
【0052】
ヒトIL−13Rα cDNAの単離および分析
1)げっ歯類IL−13Rαプローブの調製
a)B9細胞の培養(28)
B9細胞は、10%ウシ胎児血清および50μg/mlのゲンタマイシンを補充したRPMI培地(Gibco社製)中で培養した。
b)B9細胞のRNAの調製
該細胞を、PBS緩衝液(GIBCO−BRL社製、生理リン酸緩衝液、参照04104040)で2回洗浄した。1,000rpmで10分間遠心分離した後に、細胞ペレットを以下の組成の溶解緩衝液中に懸濁した:4M グアニジン−チオシアネート;25mM クエン酸ナトリウム pH7;0.5%サルコシル;0.1M β2−メルカプトエタノール。
【0053】
その懸濁液を、UltraturaxソニケーターNo.231256(JANKE and KUNDEL社製)を用い、最大出力にて1分間超音波処理した。pH4の酢酸ナトリウムを添加して0.2Mとした。その溶液を1容量のフェノール/クロロホルム混合液(v/v:5/1)で抽出した。
水性相に含まれるRNAを1容量のイソプロパノールの援助で−20℃にて沈殿させた。そのペレットを溶解緩衝液中に再懸濁した。その溶液をフェノール/クロロホルム混合液で再度抽出し、イソプロパノールでRNAを沈殿させた。そのペレットを70%ついで100%エタノールで洗浄した後に、RNAを水中に再懸濁させた。
【0054】
c)相補的DNAの調製
cDNAは、ポリT12プライマーを用いて合計RNA5μgから調製した。合計RNAを、30μl容量の緩衝液:0.5mM 各デオキシヌクレオチド三リン酸および30単位のRNアシン(Promega社製)を含有する50mM トリス−HCl pH8.3、6mM MgCl、10mM DTT、40mM KCl中、37℃にて1時間、ついで50℃にて10分間、さらに37℃にて10分間、逆転写酵素RNエースH(Gibco−BRL社製、参照8064A)200単位と共にインキュベートした。65℃にて10分間加熱することによって反応を終結させた。
【0055】
d)PCR技術によるマウスIL−13Rα cDNAフラグメントの特異的増幅
重合は、以下の組成:10mM トリス−HCl pH8.3、2.5mM MgCl、50mM KCl、0.2mM 4種のdNTP、2種の核酸プライマー各2μg/ml、および2.5U TAQ DNAポリメラーゼ(Beckman社製);の緩衝液50μl最終容量中、cDNA6μlを用いて行った。プライマーのペアは、Hilton(22)によって公開されている配列上で選択した。
【0056】
センス・プライマー:ヌクレオチド249〜268
5’AGAGGAATTACCCCTGGATG 3’
アンチセンス・プライマー:ヌクレオチド1256〜1275
5’TCAAGGAGCTGCTTTCTTCA 3'
反応は、94℃にて1分間、58℃にて1分間、72℃にて4分間の30サイクルにつづいて、72℃にて10分間の最終サイクル行った。
【0057】
e)PCR増幅産物の精製
TAE緩衝液(40mM、トリス−HCl、1mM EDTA pH7.9)中の1%アガロースゲル(Sigma社製)上、100ボルトにて1時間流した後に、同緩衝液中の1μg/ml臭化エチジウム存在下にてゲルを染色した。増幅産物(1027塩基対(bp)のIL−13RαのcDNAフラグメント)に相当するバンドをGlass Maxキット(Gibco社製)を用いて抽出した。
【0058】
f)プローブの調製
マウスIL−13Rα受容体に相当する1027bpの精製cDNAフラグメント25ngを、BRL Random Primers DNA 標識化システムキットを用いて、2.4×10dpm/μgの比活性で32Pで標識するか;別法として、100ngを4×10dpm/μgの比活性でBoeringherキットを用いたニックトランスレーションによって標識した。
【0059】
2)ヒトIL−13Rα cDNAの単離および分析
a)合計RNAの調製
合計RNAは、1b章で前記したのと同様にしてCaki−1細胞から抽出した。
【0060】
b)メッセンジャーRNA(ポリA+画分)の精製
RNAのポリA+画分の精製は、製造業者により推奨されている手法に従ってDYNAL オリゴ(dT)25 Dynabeadsキット(参照610.05)を用いて行った。原理は、それにポリ(dT)25オリゴヌクレオチドが結合している超常磁性ポリスチレンビーズの使用に基く。ポリA+画分は、磁性支持体に捕捉されたビーズに結合したオリゴ(dT)25オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした。
【0061】
c)ノザンブロット
ポリA+メッセンジャーRNA5μgを、MOPS緩衝液(10mM pH7.4、0.5mM EDTA)中の1%アガロース、8%ホルムアルデヒド変性ゲル上に負荷した。移動させ、20×SSC緩衝液中のN+Hybondメンブレン(Amersham社製)上に転移させた後に、そのRNAを真空下、80℃にてオーブン中で加熱することによって固定化させた。ついでそのメンブレンを、以下の緩衝液:1M NaCl、30%ホルムアミド;1%SDS、5×デンハート溶液;100μg/mlサケ精子DNA中、42℃にて2時間、プレハイブリダイズさせた。2時間のプレハイブリダイゼーション後に、そのメンブレンを2.5×10dpm/mlのランダム・プライマー法によって調製した一定濃度のマウスIL−13Rαプローブと同緩衝液中にて16時間ハイブリダイズさせた。ついでそのメンブレンを2×SSC緩衝液、0.1%SDS中、室温にて30分間、ついで同緩衝液中、50℃にて2時間、2回洗浄した。カセット(Molecular Dynamics社製)中で4日間感光させた後に、ノザンブロットをInstant Imager(Molecular Dynamics社製)で分析した。4200bpの優勢な転写物、および1500bpと2000bpとの二重バンド(doublet)がCaki−1細胞、U373およびU937で検出された。
【0062】
ヒトIL−13RαおよびIL−13Rβの特性の特徴付け:
COS−7またはCHO細胞を前記(17)と同様にしてペトリ皿中でトランスフェクトした。24時間後に、その細胞をトリプシン処理し、8×10細胞/ウェルの密度で24−ウェルプレート中で培養した。37℃にて48時間培養させた後に、その細胞を、前記(17)と同様のヨウ素化IL−13を用いる結合性実験(3回行ったアッセイは、10%未満の変動を示した)に用いた。トランスフェクションに関しては、COS−7またはCHO細胞を、種々のプラスミド0.6mgを用いて25−cmプレート中でトランスフェクトした。24時間後に、細胞単層をトリプシン処理し、8×10細胞/ウェルにて12−ウェルプレート中で培養した。3日後に、標識IL−13、ならびに非標識IL−13および/またはIL−4を用いて結合性および競合実験を行った。結果は、別々に行った少なくとも3回の実験の代表なものである。
【0063】
ヒトIL−13Rαおよび/またはIL−4Rを発現している細胞の核抽出物のEMSAにおける電気泳動移動度の比較:
2×10のCHO細胞を10cmペトリ皿に入れた。24時間後に、その細胞をプラスミドDNA(34)6μgでトランスフェクトした。48時間後に、その細胞を、100ng/ml濃度のIL−13またはIL−4を含むか、または含まない培地3ml中、37℃にて30分間インキュベートした。ついで、その細胞をPBS−0.5mM EDTA緩衝液で2回濯ぎ、ついでPBS1.2ml中に採取した。ついで、その細胞を遠心分離し、細胞抽出物を(35)記載と同様にして調製した。ついで、細胞抽出物10〜20μg、および32Pで放射性同位元素標識化したオリゴヌクレオチド・プローブ(50,000−100,000cpm)を用いて、(36)記載と同様にしてEMSAを行った。ここに該プローブはヒトCεプロモーターのCεエレメントに相当する(37)。合成したオリゴヌクレオチド・プローブは以下の配列を有する:
5'−GATCCACTTCCCAAGAACAGA−3’
【0064】
実施例
実施例1:
Caki−1細胞表面におけるヒトIL−13Rβの発現の分析
最近、ヒト腎臓ガン腫細胞が、IL−4およびIL−13により分有されている受容体に加えて、大過剰量の特異的なIL−13受容体を発現していることが発見された(21)。これらの結果に基づいて、ヒトガン腫細胞系統の試料を前記(17)と同様にしてIL−13の結合について実験した。IL−13に対する結合部位を特に多数発現する特定の系統Caki−1(ATCC HTB46)をより詳細に分析した。飽和実験から得たスキャッチャード曲線は、446±50pMのKdおよび7.2×10受容体/細胞の結合能力を有する結合部位が存在することを示した(図1)。競合実験においては、非標識IL−13は用量−依存的な様式で標識化IL−13を完全に置換したが、IL−4は高親和性で標識化IL−13の約10%を置換した。より高濃度のIL−4(100nMよりも高い濃度)でも、残りの90%の結合IL−13を置換しなかった(図2)。
【0065】
これらの結果は、2種の部位、すなわち2種のサイトカインによって分有されている1種と、IL−13に特異的なもう1種;が存在することと合致した。IL−13に対する親和性による交差-連結に対する実験は、約70kDaの複合体を示し、これは、種々の細胞型においてIL−13を用いた同様の交差-連結実験において認められた複合体(17、21)と一致した。標識化IL−13はIL−13によって複合体から完全に置換されたが、IL−4によっては置換されなかった。このことは競合実験と合致した(図3)。
【0066】
実施例2:
IL−4またはIL−13により誘導されるIL−6の分泌の分析
本発明者らは、Caki−1細胞でIL−4またはIL−13によって誘導される分泌を分析した。2種のサイトカインは、同様なレベルのIL−6の分泌を誘導し、該分泌はIL−4Rのα鎖に特異的な抗体によって、およびアンタゴニストY124DIL−4によって阻害された(図4)。このことは、Caki−1細胞中の2種のサイトカインによって分有されている受容体がIL−6の分泌の誘導に寄与していることを示している。IL−4およびIL−13によって誘導される蛋白質複合体IRS1/4PS(18)のリン酸化を抗−IL−4R抗体およびIL−4アンタゴニストの存在または不存在下にて分析した場合にも、同様の結果が認められた。
【0067】
これらの結果は、全体として考慮すると、Caki細胞中で発現された受容体複合体IL−4/IL−13が以前に記載されているものと同一であること、および過剰発現しているIL−13に結合する蛋白質(IL−13Rβ)がIL−4Rを含む機能性複合体中のIL−13の認識に寄与する受容体のコンポーネントであることを示している。従って、このIL−13結合基をクローニングするためのメッセンジャーRNAの供給源として、これらの細胞を使用した。
【0068】
実施例3:
IL−13受容体の一次サブユニット(IL−13Rβ)のクローニング
クローニングおよび発現のストラテジーは以前に記載されているもの(17)を用いた。2×10組換えクローンを含有するcDNAライブラリーは、Caki−1細胞を用いて構築した(26)。該ライブラリーを、各バッチのDNAがプラスミド形態であって、COS−7細胞に導入されている(29)1000のcDNAのバッチに分けた。トランスフェクトしたCOS−7細胞に対する標識化IL−13の結合性により、IL−13受容体をコードするクローンのバッチを同定することが可能となった。陽性バッチを分配し、IL−13に結合することができる細胞表面蛋白質の合成を行うことができる単一クローンが同定されるまで再スクリーニングした。2種の独立したIL−13Rβ cDNAを最後に単離した。IL−13Rβ cDNAの完全ヌクレオチド配列およびそれから予想されるアミノ酸配列を図5および6に示す。該cDNAはポリ−Aテイルを除く1298塩基長、および106塩基の短い3’非翻訳領域を有する。典型的な(canonical)AATAAAポリアデニル化シグナルは予想された部位に存在している。ヌクレオチド53と1192との間のオープンリーディングフレームは380アミノ酸のポリペプチドを規定する。該配列は、潜在的なシグナルペプチド、単一の貫膜ドメイン、および短い細胞質内テイルと共に膜蛋白質をコードする。
4箇所の潜在的なN−グリコシル化部位は細胞外領域に位置する。II型ファミリーのサイトカイン受容体の特徴として考えられている2種の共通モチーフ(30);第1のものはN−末端ジスルフィド架橋ループ構造由来であり、第2のものは細胞外領域のC−末端に位置するWSXWSタイプのモチーフである;も存在していることは重要である。非常に短い細胞質配列は、なぜ細胞内のシグナルを伝達するものがCaki細胞中のIL−4およびIL−13によって分有されている受容体複合体のみであるのかを説明しているのかも知れない。
【0069】
整列実験により、ヒトIL−5Rα鎖との相同性(51%類似および27%同一、図7)および、より低い程度で、プロラクチン受容体との相同性が立証された。IL−5R複合体が、IL−5に結合するがもう1つの蛋白質を要するα鎖と、IL−3およびGM−CSF受容体に共有されているβ鎖とからなり、シグナルを伝達することができる高親和性受容体を形成することは興味深い(31)。
【0070】
実施例4:
種々の細胞系統におけるヒトIL−13RβメッセンジャーRNAの検出
驚くべきことには、Caki−1細胞中においては、大過剰量のIL−13Rβが発現されているのだが、IL−13RβおよびIL−4Rに対する同様の量のメッセンジャーRNAがノザンブロットによって検出された。この知見は、IL−4R転写物と比較してこのmRNAのより多量の翻訳が存在することを示しており、少数のIL−13結合部位しか発現していない細胞系統におけるIL−13Rβ mRNAの検出の欠如を説明している。RT−PCR分析(図8)は、Caki−1細胞で見出された転写物が、表皮ケラチン細胞系統A431、前骨髄細胞TF−1、プレモサイティック細胞(premocytic cell)U937、および細胞系統B IM9においてもより低レベルで存在することを示した。JurkatT細胞系統またはプレ−B NALM6細胞系統においては全く転写物が検出されなかった。これらの結果は、本発明者らによって以前に記載されたこれらと同一の系統で行ったIL−13結合性実験(17)、およびIL−13の知られている生物学的標的と合致した。
【0071】
実施例5:
ヒトIL−13Rβ cDNAでトランスフェクトしたCOS−7細胞で行った結合性分析
IL−13Rβをコードする単離cDNAでトランスフェクトしたCOS−7細胞は、標識化IL−13に特異的に結合した。飽和曲線のスキャッチャード解析は、250±30pMのKd値と5.6×106受容体/細胞の最大結合能力とを有する単一のコンポーネント部位を示した(図9)。
【0072】
組換え受容体の親和性は、Caki−1細胞中のIL−13Rβについての446pMのKd値および幾つかの他の細胞において記載されているもの(17)とよく一致した。その結果、IL−5Rのα鎖との配列相同性にも拘わらず、クローン化受容体は高親和性の結合部位を再構成するために第2の鎖を必要としないため、それは異なる挙動をする。
【0073】
同様に最近記載されたIL−15に結合する蛋白質(32)が、IL−15R複合体の他の2種のコンポーネント不存在下にて、高親和性でIL−15に結合する特徴を有することは興味深い。
【0074】
競合実験においては、IL−13は、1.5±0.5nMの阻害定数(Ki)で、クローン化受容体に対する標識化IL−13の結合性を阻害することができたが、IL−4は該結合性を阻害できなかった。したがって、クローン化受容体の薬理学は、Caki−1細胞中に存在するIL−13Rβのものと同様であった。交差-連結実験により、70kDaの放射性同位体標識化バンドが示された。このバンドは、Caki細胞ならびに他の細胞(17)で認められたものと同一の移動度を有する。この複合体は、恐らくは、標識化IL−4を用いて行った交差-連結実験におけるIL−4Rの140kDaバンドに加えて認められた60−70kDaのバンドに相当する。また、このことは、機能性受容体複合体における2種の蛋白質間に強い相互作用が存在することも示している。しかるに、本発明者らは、IL−13RβとIL−4Rとが細胞膜中で相互作用し、2種のサイトカイン間の交差−競合を許容する受容体を再構成するのかをチェックした。同時発現実験の結果を図11および12に示す。
【0075】
別々か同時かのいずれかの2種の受容体の発現が、2種のサイトカインのいずれかを特異的に認識する多数の受容体を生じたことは明らかなようである。しかしながら、それらが一緒に発現した場合には、少数の受容体しか(5〜10%)2種のサイトカインを認識することができなかった。IL−4RおよびIL−13Rβとのγc鎖の同時トランスフェクションは、分有される結合部位の数の増加を引き起こさなかった。これらの結果は、IL−13RβおよびIL−4R鎖が細胞膜中で互いに相互作用して、IL−13とIL−4とが競合関係になり得る受容体を再構成し得ることを示している。再構成受容体の低い%は、IL−13およびIL−4が競合的に結合する受容体複合体の再構成に必要であるCOS細胞中に限定量でもう1つの蛋白質(IL−13Rα)が存在することに賛同する論拠である。
【0076】
γc鎖でのトランスフェクション実験で得られた結果は、この蛋白質が以前に示された(15)限定因子ではないことを立証した。この結論は、Caki−1細胞中にγcメッセンジャーRNAが存在しないこと(21)によっても支持された。
【0077】
再構成受容体の少ない数を説明するもう1つの可能な論拠は、不適当な化学量論の2種の蛋白質が細胞膜中に存在することである。しかしながら、異なる相対量のIL−4RおよびIL−13Rβを用いた同時トランスフェクションは、再構成受容体の数における大きな相違は示さなかった。IL−4Rと相互作用するより大きな結合能力を有するもう1つのIL−13Rが存在するという可能性が、IL−13Rα cDNAの単離によってマウス(22)およびヒトで確認された(実施例7を参照されたし)。γcの発現が、前記されている(19)のと同様にIL−4の結合性を向上したが、IL−13の結合性は低下させたことは注意すべきであり、このことは、異なる鎖の間の複合体相互作用を示している。
【0078】
実施例6:
可溶性形態の受容体によるIL−13のその膜受容体への結合性の阻害の実験
経時的発現(図13)または安定系統(図14)における結果を説明する。
IL−13RβおよびIL−13Rβsをコードする2種のcDNA配列を、IL−2 cDNAの代りにベクターp7055に挿入した(33)。得られたプラスミドは、各々、2036および2034と称する。
【0079】
a)経時的発現
CHO細胞を3×10細胞/ウェルで12−ウェルプレートに接種し、翌日、COS細胞についてと同様にDEAE−デキストラン法によって、プラスミド2036もしくは2034、または対照としての空プラスミドpSE−1のいずれかでトランスフェクトした。
該細胞は、プラスミド2034でトランスフェクトした細胞の上清にIL−13Rβsが蓄積され、プラスミド2036でトランスフェクトした細胞の膜中においてIL−13Rβが良好に発現されるように、3日間培養した。
ついで、IL−13Rβs(2034)または陰性対照(空pSE−1)でトランスフェクトした細胞の上清を回収し、IL−13Rβでトランスフェクトした細胞を用いてIL−13の結合性の阻害を実験した。
IL−13Rβを発現しているCHO細胞(2036)の表面に対するIL−13の結合性は、放射性リガンドで1.5倍に希釈したこれらの粗製上清の存在下または不存在下で測定し、あるいは過剰量の非-放射性同位元素標識化IL−13(NSB)存在下にて測定した。結合性は、300pMの放射性リガンドを含む最終容量500ml中の全細胞に対して3回行った。
【0080】
b)安定系統
2種の安定な形質転換CHO系統は、完全IL−13Rβ(380残基のポリペプチド)または可溶性形態のIL−13Rβ(IL−13Rβs、IL−13Rβの残基1〜337に相当する切頭ポリペプチド)のコード配列でのトランスフェクションによって得た。これらの配列をベクターp7055に挿入した。
CHO−DHFR細胞をプラスミド2036(IL−13Rβ)および2034(IL−13Rβs)でトランスフェクトし、組換えクローンを以前に記載されている(33)のと同様にして選抜した。
【0081】
細胞当たり2〜5×10部位を有する、得られたクローンのうちの1種CHO−IL−13Rβ(CHO2036)をウェル当たり10細胞の密度にて12−ウェルプレートに接種し、2日後に、その細胞をIL−13Rβs存在または不存在下の結合性実験に用いた。
それに関しては、CHO−IL−13Rβs(CHO2034)クローンを皿当たり5×10細胞にて6cm皿に3回接種した。培養培地中に3日間蓄積させた後に、CHO2036クローンのIL−13Rβに対するIL−13結合阻害実験用に培地(皿当たり5ml)を収集した。同様にして、可溶性IL−13Rβを発現していないCHO細胞の上清を収集した。
【0082】
CHO2036−22クローンの表面のIL−13の結合性は、放射性リガンドで1.5倍に希釈したこれらの粗製上清の存在下または不存在下にて、あるいは過剰量の非-放射性同位元素標識化IL−13(NSB)の存在下にて測定した。結合性は、300pMの放射性リガンドを含む500ml容量中、全細胞に対して3回行った。
【0083】
図13および14の柱状グラフは、IL−13Rβに対するIL−13の結合性のIL−13Rβsによる阻害を表す。IL−13のその受容体に対する結合性の阻害は、幾つかのクローンで認めることができた。
【0084】
実施例7
ヒトIL−13Rα受容体のクローニング
a)Caki−1細胞のポリA+メッセンジャーRNAからのcDNAライブラリーの調製
32P]dCTPで標識した一本鎖相補的DNA(得られた相補的DNAは3000dpm/ngの比活性を有する)は、ポリA+メッセンジャーRNA0.5μgで出発し、30μl容量の以下の緩衝液:
0.5mMの各種デオキシヌクレオチド三リン酸、[α32P]dCTP 30μCi、およびRNアシン(Promega社製) 30Uを含有する50mM トリス−HCl pH8.3、6mM MgCl、10mM DTT、40mM KCl中にて、以下の配列(BamHI部位を含む):
5’<GATCCGGGCCCTTTTTTTTTTTT<3’
を有する合成プライマーを用いて調製した。逆転写酵素RNエースH(Giboco−BRL社製)200単位と共に37℃にて1時間、ついで50℃にて10分間、さらに37℃にて10分間インキュベートした後に、EDTA4μlを添加した。ついで、2N NaOH溶液6μlを添加し、65℃にて5分間インキュベートすることによって、RNA鋳型を分解した。
【0085】
合成プライマーを除去するために、TE緩衝液中で平衡化したSephacryl S400カラム(Pharmacia社製)1ml上で相補的DNAを精製した。最初の2つの放射性画分を合し、クロロホルムで抽出した後に、10M酢酸アンモニウム溶液1/10容量およびエタノール2.5容量で沈殿させた。ついで、ターミナルトランスフェラーゼ酵素(Pharmacia社製 27073001)20単位と共にdGホモポリマー性テイルを添加することによってcDNAを5’において伸長させた。つぎに、以下の組成:30mMトリス−HCl pH7.6:1mM 塩化コバルト;140mM カコジル酸;0.1mM DTT;1mM dGTP;を有する緩衝液20μl中、37℃にて15分間インキュベーションを行い、ついで0.5M EDTA2μlを添加した。水酸化ナトリウムでのさらなる処理を加熱することなく行い、つづいてS400カラム上で再精製し、クロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させた。そのペレットをTE緩衝液33μl中に溶解した。つぎのステージは、PstIで切断した後にホモポリマー性dCテイルが予めそれに加えられているクローニングベクターpT7T3−18、cDNAおよびアダプターを組合わせることにあった。cDNA(33μl)を、ベクターpT7/T3−18 75ng(5μl)、以下の配列(Apa1部位を含む):
5’AAAAAAAAAAAAAGGGCCCG 3’
のアダプター120ng(1μl)、200mM NaCl溶液10μlと接触させ、その混合物を65℃にて5分間インキュベートし、ついでその反応物を室温まで放冷させた。つぎのステージは、以下の組成:50mM トリス−HClpH7.5;10mM MgCl、1mM ATP;を有する緩衝液中、酵素T4ファージDNAリガーゼ(Pharmacia社製)32.5単位を用いて、反応容量100μl中のクローニングベクターと一本鎖cDNAとを15℃にて一晩連結させることにあった。ついで、フェノールでの抽出につづいてクロロホルムで抽出することによって蛋白質を除去し、ついで10mM酢酸アンモニウム溶液1/10容量およびエタノール2.5容量を添加した。その混合物を遠心分離し、ペレットを以下の組成:33mM トリス−酢酸 pH7.9、62.5mM酢酸カリウム、1mM 酢酸マグネシウムおよび1mM DTT;を有する緩衝液中に採取し、酵素T4ファージDNAポリメラーゼ(Pharmacia社製)30単位および1mMの4種のデオキシヌクレオチド三リン酸の混合物ならびにT4ファージ遺伝子32の蛋白質(Pharmacia社製)2単位を含む30μl容量中、37℃にて1時間、第2のcDNA鎖を合成した。その混合物をフェノールで抽出し、P10カラム(Biogel P10−200−400メッシュ−参照15011050−Biorad社製)上に沈殿させることによって痕跡を除去した。
【0086】
最終ステージは、製造業者により推奨されている条件下、2.5kVで使用するBiorad Gene Pulser装置を用いた組換えDNAのエレクトロポレーションによってE.coli MC1061細胞を形質転換し、ついでその細菌を以下の組成:バクトトリプトン10g/l;酵母エキストラクト5g/l;NaCl 10g/l;を有するLB培地中で1時間培養することにあった。
【0087】
得られた独立クローンの数は、1.5%寒天(w/v)および100μg/mlアンピシリンを補充したLB培地(以後、LB寒天培地と称する)を入れた皿上で1時間インキュベーションした後の形質転換体からの1/1000希釈液を平板することによって測定した。
得られた独立クローンの数は1,000,000であった。
【0088】
b)cDNAライブラリーのスクリーニング
全体ライブラリーをBiodyne Aメンブレン(PALL社製、参照BNNG 132)で被覆した寒天培地(直径150mmのペトリ皿)上に平板した。37℃にて一晩放置した後に、新たなメンブレン上に接触させることによってクローンを転移させた。その新たなメンブレンを、下記の組成の溶液に浸漬させたWathman 3MMペーパー上にそれを置くことによって処理した:0.5N NaOH、1.5M NaCl、5分間、ついで0.5M トリス−HCl pH8、1.5M NaCl、5分間。以下の緩衝液:10mM トリス−HCl pH8、10mM EDTA、50mM NaCl、0.1% SDS、100μg/ml プロテインキナーゼK;中、37℃にて30分間、プロテインキナーゼKで処理した後に、そのメンブレンを2×SSC緩衝液(クエン酸ナトリウム−NaCl)で完全に洗浄し、ついで真空下、オーブン中、80℃にて20分間乾燥した。
【0089】
c)メンブレンのプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションついで、そのメンブレンを以下の緩衝液:1M NaCl;30%ホルムアミド;1%SDS;5×デンハート溶液;100μg/mlサケ精子DNA;中、42℃にて2時間プレハイブリダイズさせた。2時間のプレハイブリダイゼーション後に、そのメンブレンを、2.5×10dpm/mlのニックトランスレーションによって調製した一定濃度のマウスIL−13Rαプローブを含む同緩衝液中にて16時間ハイブリダイズさせた。そのメンブレンを2×SSC、0.1%SDS緩衝液中、室温にて30分間、2回洗浄し、ついで同緩衝液中、50℃にて2時間洗浄した。Kodak X−OMATフィルム存在下、−80℃にて一晩感光させた後に、数個の陽性クローンが検出された。
【0090】
d)ヒトIL−13Rαクローンの配列決定および該配列の分析
配列は、Applied Biosystem社製キット(参照401628)を用いて得た。IL−13Rα cDNAの完全核酸配列およびそれから予想されるアミノ酸配列を図15および16に示す。cDNAはポリ−Aテイルを除く3999塩基長であり、2145塩基の長い非翻訳3’領域を有している。
【0091】
典型的なポリアデニル化シグナルが予想された部位に存在している。ヌクレオチド34と1851との間のオープンリーディングフレームは、427アミノ酸のポリペプチドを規定する。該配列は、潜在的なシグナルペプチドならびに単一の貫膜ドメインおよび短い細胞質外領域と共に膜蛋白質をコードしている。
【0092】
10箇所の潜在的なグリコシル化部位は、細胞外領域に位置する。サイトカイン受容体のII型ファミリーの特徴と考えられる2種の共通モチーフ:1番目のものはN−末端ジスルフィド架橋ループ構造由来のもので、2番目のものは細胞外領域のC−末端に位置するWSXWS型のモチーフである;も存在することは重要である。
【0093】
実施例8
ヒトIL−13Rα cDNAでトランスフェクトしたCOS−3またはCHO細胞に対して行った結合性分析
IL−13Rαをコードする単離したcDNAでトランスフェクトしたCHO細胞は、標識化IL−13に特異的に結合した。飽和曲線のスキャッチャード解析は、4.5±0.4nMのKd値と26000受容体/細胞の最大結合能力とを有する単一のコンポーネント部位を示した(図19Cおよび19G)。
同時発現実験の結果を図19Dおよび19Hに示す。
【0094】
図19Cの結果の分析により、CHO細胞のクローン2036においてIL−13Rαが良好に発現されていることが示された。IL−4Rは、IL−4RおよびIL−13Rα cDNAで同時トランスフェクトしたCHO細胞におけるIL−13の結合性の60%を置換した(図19H)が、IL−13Rαに対する7.5nMのKdを考慮すると、IL−4R部位よりもIL−13Rα部位が10倍も多く存在するようであることは注意し得る。
【0095】
hIL−13RαをコードするcDNAでトランスフェクトしたhIL−4Rを発現しているCHO−hIL4R細胞(ヒトIL−4R)は、標識化IL−13に特異的に結合した。
【0096】
飽和曲線のスキャッチャード解析は、2種のコンポーネント部位;23±8.9pMのKd値と28000部位/細胞の最大結合能力とを有する高親和性の1種、および4.2±1.4nMのKd値と150000部位/細胞の最大結合能力とを有する低親和性のもう1種;を明らかに示した(図19D)。
【0097】
特徴付けした2番目の部位は、単独で発現させたhIL−13Rα(ヒトIL−13Rα)と同一の親和性を有し、非会合IL−13Rα鎖に相当した。なぜならば、それらはhIL−4Rよりも多量に発現されていたからである。
【0098】
2種のhIL−13RαおよびhIL−4R鎖存在下にて再構成したこれらの高親和性受容体は、2種のサイトカインを認識することができた(図19Dおよび19H)。このことは、IL−4が全ての結合性IL−13を置換する匹敵量で2種のhIL−13RαおよびhIL−4R鎖を同時発現しているCOS/pSE1細胞でさえより明らかであった。
【0099】
組換えヒトIL−13Rαの親和性は、マウスIL−13Rα受容体について記載されているもの(2−10nM)(参照22)に匹敵した。
以前に記載されたhIL−13Rβ鎖とは反対に、ヒトIL−13Rαはそれ自体の上に高親和性結合部位を構成しなかった。
したがって、IL−13RαおよびIL−4Rは、細胞膜中で相互作用して高親和性受容体を再構成する。
【0100】
実施例9
hIL−13RαおよびhIL−4Rを同時発現しているCHO細胞におけるIL−13およびIL−4によるSTAT蛋白質の活性化
ヒトPBMC細胞において、hIL−4およびIL−13は、後期転写因子であるSTAT6をリン酸化するJAK(janus)ファミリーの2種のチロシンキナーゼ、Jak1およびJak2を活性化した。この活性化された因子は核に入り、IL−4によって調節された遺伝子のプロモーター中の特異的エレメントに結合した。
【0101】
本発明者らは、電気泳動移動度スイッチアッセイ(EMSA)におけるプローブとしてヒトCεプロモーターのCεエレメントを選択して、STAT6と同様な結合因子のIL−13による活性化を立証した。
【0102】
100ng/ml IL−13またはIL−4で、37℃にて10分間刺激した、IL−13R単独、IL−4R単独、または2種の鎖を一緒に発現しているCHO細胞の核抽出物を、放射性同位元素標識化Cεエレメントと共にインキュベートした。
【0103】
hIL−13RαおよびhIL−4Rを同時発現している細胞の核抽出物は、当該細胞がIL−4またはIL−13のいずれで誘導されていようが、EMSAにおいて同一の移動度を有する複合体を形成した(図20を参照されたし)。一方、いずれかの鎖を単独で発現している細胞を用いると、複合体は全く検出されなかった。
【0104】
したがって、hIL−13RαおよびhIL−4Rαを発現しているCHO細胞においては、IL−13およびIL−4が同一のシグナリング経路を始動させる。
【0105】
【発明の効果】
本明細書に記載したIL−13RβおよびIL−13Rαのクローニングにより、IL−4によって誘導される応答に匹敵する、IL−13によって特異的に誘導される応答に関与する因子の知識を改善することができる。加えて、IL−13がキーとなる役割を演ずる正常および病理状態下の受容体の発現の調節を研究するためのツールを有することができた。
さらに、cDNAの入手可能性により、IL-4/IL-13受容体複合体の再構成に必要な他の蛋白質を容易にクローニングすることができ、また、IL-13の活性の特異的なアンタゴニストとなり得る新規な医薬生成物の製造または合理的なモデリングにも有用である。
【0106】
参照:
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【0107】
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【0108】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 Caki-1細胞中に存在するヒトIL-13Rβ受容体の特徴付けを示す。[125I]で標識したIL-13の飽和曲線のスキャッチャード解析(挿入図)。
【図2】 Caki-1細胞中に存在するヒトIL-13Rβ受容体の特徴付けを示す。上昇してゆく濃度の非標識IL-13(・)およびIL-4(○)存在下における[125I][Phe43]-IL-13-GlyTyrGlyTyrの結合性。
【図3】 Caki-1細胞中に存在するヒトIL-13Rβ受容体の特徴付けを示す。非標識IL−13不存在下(レーンa)、および100倍過剰量の非IL−13(レーンb)またはIL-4(レーンc)存在下にて放射性IL-13を用いた交差-連結実験。
【図4】 Caki-1細胞中に存在するヒトIL-13Rβ受容体の特徴付けを示す。IL−4R鎖に対して特異的なモノクローナル抗体およびIL−4アンタゴニストY124DIL−4存在下における、IL−13およびIL−4によって誘導されるIL−6の分泌の阻害。
【図5】 IL-13RβのcDNAのヌクレオチド配列を示す。IL-13RβのcDNAのヌクレオチド配列。核酸配列の予想シグナルペプチドに相当するアミノ酸はイタリックで示し、貫膜ドメインに相当するアミノ酸は太字で示す。潜在的なN−グリコシル化部位(Asn-X-Ser/Thr)には下線を引いている。
【図6】 IL-13RβのcDNAのヌクレオチド配列を示す。IL-13RβのcDNAのヌクレオチド配列。核酸配列の予想シグナルペプチドに相当するアミノ酸はイタリックで示し、貫膜ドメインに相当するアミノ酸は太字で示す。潜在的なN−グリコシル化部位(Asn-X-Ser/Thr)には下線を引いている。
【図7】 IL-5RおよびIL-13Rβの蛋白質配列の比較を示す。IL−13RβおよびIL−5R配列のアミノ酸の整列を示す。IL−13RおよびIL−5Rの蛋白質配列を前記(24)と同様に整列させている。受容体のこのファミリーに特徴的なシステイン残基およびWSXWSモチーフは四角で囲んでいる。
【図8】 IL−13Rβ mRNAの発現パターンを示す。RNAは以下の細胞から調製した:Caki−1(レーンa)、A431(レーンb)、TF−1(レーンc)、U937(レーンd)、Jurkat(レーンe)およびIM9(レーンf)。
【図9】 IL−13についての組換えIL−13Rβ受容体の特徴付けを示す。COS−7細胞をIL−13Rβ cDNAでトランスフェクトし、飽和曲線のスキャッチャード解析による放射性同位元素標識化IL−13の結合性に関する実験(挿入図)。
【図10】 IL−13についての組換えIL−13Rβ受容体の特徴付けを示す。COS−7細胞をIL−13Rβ cDNAでトランスフェクトし、不存在(レーンa)、および100倍過剰量の非標識IL−13存在(レーンb)下にて放射性同位元素標識化IL−13を用いた交差-連結実験。
【図11】 クローン化IL−13Rβ、IL−4R(gp140)およびγc鎖を用いた同時トランスフェクション実験につづく放射性同位元素標識化IL−13の結合性を示す。斜線棒グラフおよび白抜き棒グラフは、IL−13の特異的結合性を表す。
【図12】 クローン化IL−13Rβ、IL−4R(gp140)およびγc鎖を用いた同時トランスフェクション実験につづく放射性同位元素標識化IL−4の結合性を示す。斜線棒グラフおよび白抜き棒グラフは、IL−4の特異的結合性を表す。
【図13】 経時発現の可溶性形態の受容体(IL−13Rβs)によるIL−13のIL−13Rβへの結合性の阻害。2034でトランスフェクトした細胞上清中のIL−13Rβsの発現を、IL−13Rβ(2036)でトランスフェクトした細胞に対するIL−13の結合性の阻害によって試験したグラフを示す。該上清は、ヨウ素化リガンド中でそれを1.5倍に希釈することによって粗製状態で試験した。
2036NSB:過剰量の非標識IL−13存在下における非特異的結合性。
2036BT:2036でトランスフェクトした細胞に対する合計結合性。
2036+sgt2034:2034でトランスフェクトした細胞の上清存在下における、2036でトランスフェクトした細胞に対する結合性。
2036+sgt pSE1:対照
【図14】 安定系統上の可溶性形態の受容体(IL−13Rβs)によるIL−13のIL−13Rβへの結合性の阻害を示す。T2036−22:IL−13Rβsを分泌するクローン上清不存在下における、IL−13Rβ(2036−22)に対する合計結合性(参照 100%)
2034−4
2034−6
2034−19 4種のクローン IL−13Rβs
2034−21
1274−20:IL−13Rβsを発現していないCHO細胞の上清存在下(対照)。
【図15】 IL-13Rα cDNAのヌクレオチド配列を示す。IL-13Rα cDNAのヌクレオチド配列。核酸配列から予想されるシグナルペプチドに相当するアミノ酸には点線の下線が引かれており、貫膜ドメインに相当するアミノ酸には二重線の下線が引かれている。潜在的なN−グリコシル化部位(Asn-X-Ser/Thr)は四角で囲んでいる。
【図16】 IL-13Rα cDNAのヌクレオチド配列を示す。IL-13Rα cDNAのヌクレオチド配列。核酸配列から予想されるシグナルペプチドに相当するアミノ酸には点線の下線が引かれており、貫膜ドメインに相当するアミノ酸には二重線の下線が引かれている。潜在的なN−グリコシル化部位(Asn-X-Ser/Thr)は四角で囲んでいる。
【図17】 ヒトIL−13Rαおよびげっ歯類IL−13Rαのアミノ酸の整列を示す。ヒトIL−13Rαおよびげっ歯類IL−13Rαの蛋白質配列を前記(24)と同様に整列している。受容体のこのファミリーに特徴的なシステイン残基およびモチーフWSXWSは四角で囲んでいる。
【図18】 IL−13についての組換えIL−13Rα受容体の特徴付けを示す。CHOまたはCOS−3細胞をIL−13Rαおよび/またはIL−4R cDNAでトランスフェクトし:IL−13Rβ cDNAでトランスフェクトした(図AおよびE)、IL−13Rβ cDNAおよびIL−4R cDNAでトランスフェクトした(図BおよびF)CHO細胞を用いた飽和曲線のスキャッチャード解析および該CHO細胞に対する[125I]−IL−13の結合性の競合実験。白抜きおよび横線棒グラフは、各々、過剰量(1,000倍多い)のIL−13またはIL−4存在下の放射性同位元素標識化IL−13の特異的結合性を表し、黒塗り棒グラフは合計結合性を表している。
【図19】 IL−13についての組換えIL−13Rα受容体の特徴付けを示す。CHOまたはCOS−3細胞をIL−13Rαおよび/またはIL−4R cDNAでトランスフェクトし:IL−13Rα cDNAでトランスフェクトした(図CおよびG)、およびIL−13Rα cDNAおよびIL−4RcDNAでトランスフェクトした(図DおよびH)CHO細胞を用いた飽和曲線のスキャッチャード解析および該CHO細胞に対する[125I]−IL−13の結合性の競合実験。白抜きおよび横線棒グラフは、各々、過剰量(1,000倍多い)のIL−13またはIL−4存在下の放射性同位元素標識化IL−13の特異的結合性を表し、黒塗り棒グラフは合計結合性を表している。
【図20】 IL−4RまたはIL−13存在下にてCHO細胞を活性化した後の(4または13)IL−4単独に対する受容体を(CHO−4)、IL−13Rα単独に対する受容体を(CHO−13)、または結合受容体IL−13RαおよびIL−4Rを(CHO−4−13)発現している細胞抽出物のEMSAにおける電気泳動移動度の比較。cは非活性化対照を表している。

Claims (13)

  1. 配列番号:2のアミノ酸配列のC−末端の8個のアミノ酸残基が以下の6個のアミノ酸残基:VRCVTLによって置換されているアミノ酸配列からなる精製されたポリペプチド。
  2. 配列番号:2のアミノ酸配列のアミノ酸残基1からアミノ酸残基343までのアミノ酸配列からなる精製されたポリペプチド。
  3. 配列番号:2のアミノ酸配列のアミノ酸残基1からアミノ酸残基337までのアミノ酸配列からなる精製されたポリペプチド。
  4. 請求項1記載のポリペプチドをコードする単離された核酸。
  5. 請求項2記載のポリペプチドをコードする単離された核酸。
  6. 請求項3記載のポリペプチドをコードする単離された核酸。
  7. 配列番号1のヌクレオチド配列のヌクレオチド番号1からヌクレオチド番号1081までヌクレオチド配列からなる請求項5記載の単離された核酸。
  8. 配列番号1のヌクレオチド配列のヌクレオチド番号1からヌクレオチド番号1063までヌクレオチド配列からなる請求項6記載の単離された核酸。
  9. 請求項4ないし8いずれか1項記載の核酸を含むクローニングおよび/または発現ベクター。
  10. プラスミドpSE−1であることを特徴とする請求項9記載のベクター。
  11. 請求項9または10記載のベクターでトランスフェクトした宿主細胞。
  12. COS−7、COS−3またはCHO系統の細胞であることを特徴とする請求項11記載の宿主細胞。
  13. 請求項1記載のポリペプチドを有効成分として含む医薬組成物。
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