JP3736133B2 - 抜け止め装置及び等速ジョイント - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抜け止め装置及び等速ジョイントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のアクスルシャフトに介装されて、エンジンの出力を均一な角速度で車輪に伝達する等速ジョイントは図7で示すように、アウタレース32、インナレース33、ケージ34及び複数個のボール35によって構成され、アウタレース32の一方の端部には軸部36が連設されており、この軸部36にはデファレンシャルギヤ側に連結するための取り付け部37とセレーション38が形成されている。
【0003】
アウタレース32とインナレース33の対向面にはそれぞれ軸心方向に平行なボール溝39,40がボール35の数に対応して複数本形成されており、これらのボール溝39,40にはボール35が係合され、また、各ボール35はアウタレース32とインナレース33との間に介装されたケージ34のケージ孔に保持されている。
【0004】
前記アウタレース32とインナレース33はボール35を含めて軸方向に相対移動が可能であり、アウタレース32の他方の端部の開口部の内周面にスナップリング42が係合する溝43が設けられており、これに係合したスナップリング42によってボール35を含むインナレース33がアウタレース32の開口部からの抜け止めを行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の等速ジョイントの組付けは、アウタレース32内にアクスルシャフト30の一端にボール35を含めたインナレース33を差し込んだ状態でスナップリング42をアウタレース32の開口部の内周面に設けられている溝43に係止している。
【0006】
従って、スナップリング42を溝43に装着するにはアクスルシャフト30が邪魔になっていると共に、ブーツ45がアクスルシャフト30に仮組付けされているため、これを避けながら装着する必要があり、スナップリング42の装着には手間と時間がかかっていた。
【0007】
また、スナップリング42の装着後にはブーツ45がアウタレース32の開口部に装着されているため、スナップリング42が正常に装着されていることを確認することが容易ではなかった。
【0008】
本発明の目的は、内側部材を外側部材の奥側への移動は許容し、開口側からの抜けを拘束するようにした抜け止め装置及びこの装置を適用した等速ジョイントを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、請求項1に記載の通り、少なくとも一方が開口した円筒状の外側部材と、この外側部材内を軸方向に移動可能な内側部材とからなり、前記内側部材を外側部材に対し抜け止めする装置であって、前記外側部材の開口部の内周面に設けた開口側から奥側に向かって深くなる環状溝と、前記環状溝に係合するスナップリングとからなり、前記スナップリングは、その一部を半径方向に突出した凸曲部と、この凸曲部を外側部材の開口部から奥側に向かって軸方向に屈曲させた屈曲部とを有すると共に、前記凸曲部によって半径方向に、かつ前記屈曲部によって軸方向にそれぞれ弾弾性力を付与して前記環状溝に係合しており、前記環状溝とスナップリングにより前記内側部材を外側部材の開口部から奥側への移動は許容し、開口側からの抜けを拘束するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の通り、前記の構成において、環状溝幅:A、環状溝の奥側溝径:φD、開口側溝深さ:t1、奥側溝深さ:t2、スナップリング断面の直径:dr、スナップリングの軸方向屈曲幅:B、装着前のスナップリング外径:d0、スナップリングの凸曲部高さ:t3としたとき、t2≧dr≧t1,d0>φD,B>A,t2≧t3≧t1の式が成立するようにしたものである。
【0011】
請求項3に記載の通り、前記外側部材がアウタレースであり、前記内側部材がインナレースであって、前記アウタレースの内周面及び前記インナレースの外周面に対向して設けられた複数のボール溝にケージで保持したボールを係合してなる等速ジョイントに前記請求項1または請求項2に記載の抜け止め装置を用いたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の抜け止め装置の実施形態を等速ジョイントによって図面に基づいて説明する。図1において、32はアウタレース(外側部材)、33はインナレース(内側部材)であり、前記アウタレース32の内周面及び前記インナレース33の外周面に対向して複数のボール溝39,40が設けられている。このボール溝39,40にはケージ34で保持したボール35が係合している。前記アウタレース32の開口部の内周面には環状溝50が設けられ、この環状溝50にスナップリング51が係合されている。
【0013】
前記環状溝50とスナップリング51は、従来一般的な抜け止めに用いられる単純なものではなく、本発明では、スナップリング51を予め環状溝50に係合した状態で、前記環状溝50とスナップリング51により前記インナレース33(内側部材)をアウタレース32(外側部材)の開口部から奥側への移動は許容し、開口側からの抜けを拘束するようにしたものである。
【0014】
そこで、前記環状溝50はアウタレース32の開口側から奥側に向かってテーパ状に深くなっている形状である。また、スナップリング51はその切り口部分が図2で示すようにアウタレース32の開口側から奥側に向かって軸方向に屈曲した屈曲部52を有しており、かつ図3で示すように半径方向に突出した凸曲部53を有した形状である。
【0015】
さらに詳しく説明すると、図4において、環状溝幅:A、環状溝の奥側溝径:φD、開口側溝深さ:t1、奥側溝深さ:t2、スナップリング断面の直径:dr、スナップリングの軸方向屈曲幅:B、装着前のスナップリング外径:d0、スナップリングの凸曲部高さ:t3としたとき、下記の式を成立する関係構成となっている。
t2≧dr≧t1,d0>φD,B>A,t2≧t3≧t1
【0016】
本発明は上記の通りの構造であるから、予めスナップリング51をアウタレース32(外側部材)の開口部の環状溝50に係合装着すると、スナップリング51は図5及び図6に示すように、半径方向に突出しかつ屈曲部52により屈曲した凸曲部53が環状溝50の浅い側に係合する。つまりスナップリング51は、その切り口部分(屈曲部52及び凸曲部53)のバネ作用によって、環状溝50の半径方向及び軸方向に弾性力を付与して係合している。このときスナップリング51は凸曲部53以外の部位では、その断面の一部が環状溝50の浅い側で半径方向に突出している。この状態でインナレース33をアウタレース32の開口部から挿入する。このとき、開口側から奥側に向かって移動するインナレース33はスナップリング51を奥側に押し、スナップリング51は図1で示すように環状溝50の深い側に寄せられ、かつその切り口部分(屈曲部52及び凸曲部53)のバネ作用によってスナップリング51の径が拡開されてインナレース33の奥側への移動を許容する。
【0017】
このスナップリング51を通過したインナレース33がアウタレース32(外側部材)の開口部から抜ける方向への移動では、スナップリング51は図2で示すように環状溝50に初期状態で係合しているため、ボール35はスナップリング51によって係止される。このためアウタレース32の開口部からインナレース33の抜がを拘束される。
【0018】
このような抜け止め装置を用いた等速ジョイントでは、アウタレース32にボール35、ケージ34を含めたインナレース33及びアクスルシャフト30を組付ける前にスナップリング51をアウタレース32の環状溝50に係合装着できるため、装着時の手間が省けると同時に装着時間を短縮することができる。
【0019】
また、アウタレース32の単品状態でスナップリング51を装着することができるため、装着状態の確認がし易くなり、確認時間も短縮することができる。
0020】
さらに、前記スナップリング51の確実な装着状態が確認できる上に、アウタレース32にボール35、ケージ34を含めたインナレース33を組付けた後ではボール35、ケージ34を含めたインナレース33はアウタレース32から抜けることがないため、輸送や車両への組付け作業時にボール35、ケージ34を含めたインナレース33がアウタレース32から抜け出てボール35等の部品がバラバラになる心配がない。
【0021】
尚、本発明による抜け止め装置は等速ジョイント以外の部品組付けに広く適用することができることを付言する。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、請求項1の発明によると、スナップリングによる抜け止めを、環状溝とスナップリングの形状により内側部材を外側部材の開口部から奥側への移動は許容し、開口側からの抜けを拘束するようにしたものであるから、スナップリングの装着時の手間が省けると同時に装着時間を短縮することができると共に、装着状態の確認がし易くなり、確認時間も短縮することができる。また、内側部材が外側部材から抜けることがないため、安心して取扱ができる。
【0023】
さらに、スナップリングは、その一部に半径方向に突出した凸曲部を有し、この凸曲部が外側部材の開口部から奥側に向かって軸方向に屈曲しているので、内側部材を外側部材の開口部から挿入するとき、スナップリングは奥側に押されて環状溝の深い側に寄せられると共に、スナップリングを通過した内側部材が外側部材の開口部から抜ける方向への移動では、スナップリングは環状溝の浅い側に押されて内側部材の抜けを拘束する。
【0024】
請求項2の発明によると、状溝幅:A、環状溝の奥側溝径:φD、開口側溝深さ:t1、奥側溝深さ:t2、スナップリング断面の直径:dr、スナップリングの軸方向屈曲幅:B、装着前のスナップリング外径:d0、スナップリングの凸曲部高さ:t3としたとき、t2≧dr≧t1,d0>φD,B>A,t2≧t3≧t1としたので、内側部材を外側部材の開口部から挿入するとき、屈曲部と凸曲部とのバネ作用によってスナップリングの径が拡開されて内側部材の奥側への移動を容易に許容すると共に、スナップリングを通過した内側部材が外側部材の開口部から抜ける方向への移動では、スナップリングは環状溝に初期状態で係合しているため、内側部材がスナップリングに係止されて外側部材の開口部からの抜けを拘束する。
【0025】
請求項1又は2の発明による抜け止め装置を用いた等速ジョイント(請求項3の発明)においては、上記の効果によって従来の問題点を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置を用いた等速ジョイントの要部断面図。
【図2】スナップリング装着後の断面図。
【図3】スナップリングの正面図。
【図4】本発明装置の各部の関係構成を示す断面図。
【図5】アウタレースの開口部の断面図。
【図6】図5のC−C線断面図。
【図7】従来の等速ジョイントの断面図。
【符号の説明】
32 アウタレース
33 インナレース
34 ケージ
35 ボール
50 環状溝
51 スナップリング
52 屈曲部
53 凸曲部

Claims (3)

  1. 少なくとも一方が開口した円筒状の外側部材と、この外側部材内を軸方向に移動可能な内側部材とからなり、前記内側部材を外側部材に対し抜け止めする装置であって、前記外側部材の開口部の内周面に設けた開口側から奥側に向かって深くなる環状溝と、前記環状溝に係合するスナップリングとからなり、前記スナップリングは、その一部を半径方向に突出した凸曲部と、この凸曲部を外側部材の開口部から奥側に向かって軸方向に屈曲させた屈曲部とを有すると共に、前記凸曲部によって半径方向に、かつ前記屈曲部によって軸方向にそれぞれ弾性力を付与して前記環状溝に係合しており、前記環状溝とスナップリングにより前記内側部材を外側部材の開口部から奥側への移動は許容し、開口側からの抜けを拘束するようにしたことを特徴とする抜け止め装置。
  2. 環状溝幅:A、環状溝の奥側溝径:φD、開口側溝深さ:t1、奥側溝深さ:t2、スナップリング断面の直径:dr、スナップリングの軸方向屈曲幅:B、装着前のスナップリング外径:d0、スナップリングの凸曲部高さ:t3としたとき、t2≧dr≧t1,d0>φD,B>A,t2≧t3≧t1の式が成立するようにした請求項1に記載の抜け止め装置。
  3. 前記外側部材がアウタレースであり、前記内側部材がインナレースであって、前記アウタレースの内周面及び前記インナレースの外周面に対向して設けられた複数のボール溝にケージで保持したボールを係合してなる等速ジョイントにおいて、請求項1または請求項2に記載の抜け止め装置を用いたことを特徴とする等速ジョイント。
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