JP3735461B2 - 複合金属の化合物薄膜形成方法及びその薄膜形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合金属の化合物薄膜形成方法及びその薄膜形成装置に係り、特にスパッタリングで基板に安定しかつ高速で金属化合物薄膜を形成する複合金属の化合物薄膜形成方法及びそれに使用される複合金属化合物の薄膜形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光学薄膜を利用する様々な製品群において、既存の蒸着材料を使用するだけでは、その製品群の要求する性能を十分満足することは非常に困難であった。つまりある製品群に対して要求された光学分光特性を設計するために、自然界の中の限られた物質で光学薄膜を設計するのが非常に難しいという問題があった。
【0003】
例えば、ワイドバンド反射防止膜を構成するためには、自然界の中にほとんど存在しない中間屈折率(1.46〜2.20の間)を有する材料が必要である。
【0004】
つまり、ガラスを例にすると、ガラスの反射率を可視光領域全般で低い反射率にするためには、一般的に、1.46〜2.20の範囲の中間屈折率と称される屈折率を有する蒸着材料が必要とされる。この中間屈折率を有する材料は種類が限られており、また任意に屈折率を選択することはできないという問題がある。そのため代替技術として、上記中間屈折率を得るために、以下の技術が知られている。
【0005】
すなわち、(1)低屈折材料{例えばSiO2(屈折率:1.46)}と高屈折材料{例えばTiO2(屈折率2.35)}を、それぞれ別の蒸発源から同時に蒸発させ、その混合比によって中間屈折率(1.46〜2.40)を得る技術、(2)低屈折材料と高屈折材料を混合し1つの蒸発源から同時に蒸発させ、その混合比によって中間屈折率を得る技術、(3)低屈折材料と高屈折材料の組み合わせにより等価的に中間屈折率を得る等価膜技術、(4)スパッタリングにおいて複合ターゲット材料を用いる技術、等である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記の各技術を実現するには、次で述べるような不都合がある。すなわち、前記した低屈折材料{例えばSiO2(屈折率:1.46)}と高屈折材料{例えばTiO2(屈折率2.35)}を、それぞれ別の蒸発源から同時に蒸発させ、その混合比によって中間屈折率(1.46〜2.40)を得る技術では、2つの蒸発源の成膜速度を同時に制御し、安定的に成膜することが困難であり、再現性を良くして任意の屈折率を得ることが困難という不都合がある。
【0007】
また、低屈折材料と高屈折材料を混合し1つの蒸発源から同時に蒸発させ、その混合比によって中間屈折率を得る技術においては、一般的に低屈折材料と高屈折材料の融点・蒸気圧の違いにより長い間蒸発させると屈折率が変化してしまい所望の屈折率を安定して得ることが困難という不都合がある。
【0008】
さらに、低屈折材料と高屈折材料の組み合わせによる等価膜により中間屈折率を得る技術は、屈折率によりごく薄い層が必要となり、膜厚制御が困難であり、その上、制御が複雑になるという不都合がある。
【0009】
以上のように、従来技術では、高く且つ安定性のある蒸着レート、広い屈折率変化範囲、簡単な制御システムを同時に満足することができないという不都合があった。
【0010】
本発明は、上記従来技術の不都合を解決するためになされたもので、本発明の目的は、光学薄膜を形成するとき、屈折率を任意に制御可能で超薄膜に対して酸化・窒化・弗化等の反応を行いながら成膜することが可能であり、光学特性や力学特性等が安定した金属化合物薄膜を、基板温度を高くすることなく、かつ高速に形成することのできる複合金属の化合物薄膜形成方法及びその装置の提供にある。
【0011】
本発明の他の目的は、広い屈折率変化範囲を簡単な制御システムで得ることが可能な複合金属の化合物薄膜形成方法及びその装置の提供にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題は特許請求の範囲に記載された技術的手段において解決される。なお、本明細書において、「超薄膜」とは、超薄膜が複数回堆積されて最終的な薄膜となることから、この最終的な薄膜との混同を防止するために用いた用語であり、最終的な薄膜よりも十分に薄いという意味である。また「活性種」とはラジカル、励起状態のラジカル、原子、分子などをいい、「ラジカル」とは、遊離基(ratical)であり、一個以上の不対電子を有する原子又は分子であり、「励起状態(excite state)」とは、エネルギーの最も低い安定な基底状態に対して、それよりもエネルギーの高い状態をいうものである。
【0013】
上記課題は、請求項1の発明である複合金属化合物の薄膜形成方法によれば、それぞれに独立した少なくとも二種以上の異種金属からなる各ターゲットをスパッタリングして、基板上へ、複合金属ないし複合金属の不完全反応物からなる超薄膜を形成する工程と、プラズマを形成し、該プラズマ中から選択的に得た電気的に中性な反応性ガスの活性種を、前記形成された超薄膜に照射し、上記超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応させて複合金属の化合物に変換する工程と、これら超薄膜を形成する工程と複合金属の化合物に変換する工程を順次繰返し、所望の膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成し、前記複合金属の化合物薄膜を構成するそれぞれの金属の単独の化合物が本来有する光学的な屈折率の範囲内で、任意の屈折率を得ること、によって解決される。
【0014】
また上記課題は、請求項5の発明である複合金属化合物の薄膜形成装置によれば、動作ガスを導入し、それぞれに独立した少なくとも二種以上の異種金属からなる各ターゲットをスパッタリングして、基板上に、金属ないし金属の不完全反応物からなる超薄膜を形成する工程を行う成膜プロセス室と、プラズマを発生させるプラズマ発生手段と、該プラズマ発生手段と前記超薄膜を金属化合物に変換させる反応プロセス室との間に配設されたマルチ・アパーチャ・グリッド或いはマルチ・スリット・グリッドと、前記成膜プロセス室で形成された超薄膜に、前記グリッドを通過して選択的に導入された反応性ガスの活性種を照射し、前記超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応せしめ金属化合物に変換する工程を行う反応プロセス室と、該反応プロセス室と前記成膜プロセス室とを遮蔽板によって空間的、圧力的に分離する分離手段と、を備え、前記分離手段により前記成膜プロセス室の動作ガスに前記反応性ガスが混合されることを防止して、安定なスパッタリング成膜プロセスと反応プロセスを逐次的に繰返し、所望膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成し、前記複合金属の化合物薄膜を構成するそれぞれの金属の単独の化合物が本来有する光学的な屈折率の範囲内で、任意の屈折率を得ること、によって解決される。
【0015】
前記した各発明の構成において、前記電気的に中性な反応性ガスの活性種は、ラジカル(遊離基:一個以上の不対電子を有する原子または分子、あるいは励起状態にある原子あるいは分子)であることが好ましい。
【0016】
また同様に、前記各発明の構成において、前記化合物薄膜は、550nmの波長において、屈折率1.463から2.00までのときに、減衰係数が5×10 −4 より小さいよ うに構成すると好適である。
また、前記化合物薄膜は、550nmの波長において、屈折率2.00から2.182までのときに、減衰係数が1×10 −3 より小さいように構成すると好適である。
【0017】
前記したマルチ・アパーチャ・グリッドは、金属あるいは絶縁物に約Φ0.1〜3mmの穴が多数明けて構成し、さらに冷却がなされていると好適である。
【0018】
前記したマルチ・スリット・グリッドは、金属あるいは絶縁物に幅0.1〜1mmのスリットが多数明けて構成し、さらに冷却がなされていると好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本形態の複合金属化合物の薄膜形成方法は、化合物薄膜を基板上に形成するときに、先ず、それぞれに独立した少なくとも二種以上の異種金属からなる各ターゲット29,49をスパッタリングして、基板上へ、複合金属ないし複合金属の不完全反応物からなる超薄膜を形成する。本例では2つの金属(SiとTa)を用いて、別個のターゲット29,49としている。
【0020】
次に、上記のようにスパッタリングして基板上に形成された超薄膜に電気的に中性な反応性ガスの活性種、例えば酸素ガスの活性種を照射し、超薄膜(本例ではSi+Ta)と反応性ガスの活性種(酸素)とを反応させて複合金属の化合物(SiO2とTa2O5)に変換する。そして、上記超薄膜の形成と、この超薄膜を複合金属の化合物に変換することを順次繰返し、基板上に所望膜厚の複合金属の化合物薄膜を形成するものである。
【0021】
上記のように活性種を用いるのは、複合金属あるいは複合金属の不完全化合物から複合金属の化合物を得る反応性の成膜工程において、イオン、電子等の荷電粒子よりも、活性種たとえばラジカル、励起種等の化学的に活性であり、かつ電気的に中性な粒子が、化学反応において、決定的に重要であるためである。
【0022】
活性種の発生源としては、高密度のプラズマを高周波電源69に接続された外部あるいは内部コイルを具えた誘導結合型、あるいは容量結合型プラズマ源、あるいはヘリコン波プラズマ源を用いることにより発生させる。この時高密度プラズマを得るために、プラズマ発生部に20〜300ガウスの磁場を形成する。
【0023】
このとき、各ターゲット29,49の電位(通常負電位)をそれぞれ1〜200kHzの間隔で、+50〜+200Vの範囲で正電位に反転させ、前記各ターゲット29,49の表面部分、特に非エロージョン部分に形成された化合物に蓄積するプラスに帯電した電荷をプラズマ中の電子で中和する。これにより、ターゲット29,49の表面にある負電位にプラスに帯電している状態を、一時的に正電位にすることで中和させて、ターゲット29,49の電位を正常に保つことが可能となる。
【0024】
また、TaxSiyOz膜の屈折率、収吸、不均質性の光学特性と電力の関係については、図4乃至図6で示されるような関係が明らかである。なお、図において、光学定数の計算は、単局膜の分光特性のデーターによって計算したものである。そして、図4で示すように、両ガイドに印加する電力比例によってTaxSiyOz膜の屈折率が変化する。
【0025】
この図から、SiカソードとTaカソードの印加電力比例の上昇に伴い、屈折率が減少することが判明する。蒸着のレートは40nm/minで固定されたため、屈折率と印加電力比例の関係が成立する。この結果から550nm波長上の最小及び最大屈折率は1.463と2.182である。印加電力の比例を増加すると膜の550nm波長上の屈折率は1.463から2.182に変化できる。この屈折率は2.182から1.463にも変化可能である。
【0026】
このようにして、所望膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成するが、スパッタリングのときに、例えばマグネトロン・スパッタリングで2個の金属をそれぞれスパッタリングする場合、マグネトロン・スパッタリング・ターゲットの電力制御を適切に制御することにより、各金属の化合物の本来持つ屈折率{例えばSiの場合、SiO2(屈折率:1.46)、Taの場合、Ta2O5(屈折率:2.25)}の範囲内(1.46〜2.25)で任意の屈折率を得ることができる。
【0027】
これを図3に基づいて説明する。図3は基板上に複合金属の化合物の薄膜を形成するときの説明図である。成膜のプロセスは、基板を第1の金属ターゲットの位置におく。そして第1の金属ターゲットで、非常に薄い金属膜(超薄膜)を形成する。次に、基板を第2の金属ターゲットの位置におく。この位置で第2の金属ターゲットにより薄い膜(超薄膜)が形成される。このとき図3で示すように、第1の金属と第2の金属は基板上に均質に成膜される。つまり基板上に、複合金属ないし複合金属の不完全反応物からなる超薄膜を形成する。
【0028】
そして基板上に形成された超薄膜は、最後に、電気的に中性な反応性ガスの活性種を照射し、上記超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応させて複合金属の化合物に変換する。具体的にはラジカル源のところで酸化される。上記のような、超薄膜を形成する工程と複合金属の化合物に変換する工程を順次繰返し、所望の膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成する。なお本実施の形態では、超薄膜を形成する工程と複合金属の化合物に変換する工程を順次繰返し、所望膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成すればよく、基板を搬送してもよいし、基板を固定してもよい。
【0029】
(実施の形態2)
本形態の複合金属化合物の薄膜形成装置Sは、真空槽11と、成膜プロセス室20,40と、反応プロセス室60と、分離手段(遮蔽板31,51,75)と、を特徴的要件としている。つまり、成膜プロセス室20,40では、動作ガス(例えばアルゴンガス)を導入し、それぞれに独立した少なくとも二種以上の異種金属(例えば二種であればSiとTa)からなる各ターゲット29,49をスパッタリングして、基板上に、金属ないし金属の不完全反応物からなる超薄膜を形成する工程を行う。
【0030】
また反応プロセス室60では、成膜プロセス室20,40で形成された超薄膜(SiとTa)に電気的に中性な反応性ガスの活性種(例えば酸素の活性種)を照射し、前記超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応せしめ金属化合物(例えばSiO2とTa2O5)に変換する工程を行う。そして分離手段では、反応プロセス室60と成膜プロセス室20,40とを、それぞれ遮蔽板31,51,75によって空間的、圧力的に分離するものである。
【0031】
分離手段としての遮蔽板31,51,75により、真空槽11内の反応プロセス室60と各成膜プロセス室20,40は、真空雰囲気の中で、別個の空間を形成する。つまり、真空槽11内は完全に分離されていないものの、ほぼ独立状態となり、独立して制御可能な反応プロセス室60と、成膜プロセス室20,40を形成する。したがって、これらの反応プロセス室60と各成膜プロセス室20,40は、互いに影響を極力抑えた状態となり、各室に最適な条件設定が可能となる。
【0032】
このように、分離手段により前記成膜プロセス室20,40の動作ガス(例えばアルゴンガス)に前記反応性ガス(酸素の活性種)が混合されることを防止して、安定な成膜プロセスと反応プロセスを逐次的に繰返し、所望膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成することが可能となる。
【0033】
本実施の形態においても、前記実施の形態と同様に、反応プロセス室60で用いられる反応性ガスの活性種は、電気的に中性なラジカル(遊離基:一個以上の不対電子を有する原子または分子、あるいは励起状態にある原子あるいは分子)である。そして、この場合も薄膜形成装置としては、マグネトロンスパッタリング装置を用いることが可能である。
【0034】
活性種は、高周波コイル65を巻回した石英管からなる高周波放電室63と、マッチングボックス67を介して高周波コイル65に印加される高周波電源69と、高周波放電室63に、ガスボンベ73からマスフローを介して反応性ガスを導入させる反応ガス供給手段(本例では71,73)と、高周波放電室63内に20〜300ガウス(Gauss)の磁場を形成するために配置される外部コイル80或いは内部コイル81と、高周波放電室63と反応プロセス室60の間に配設されたマルチ・アパーチャ・グリッド或いはマルチ・スリット・グリッド等のグリッド62により、生成する。
【0035】
そして、グリッド62として、マルチ・アパーチャ・グリッドの場合は、金属あるいは絶縁物に約Φ0.1〜3mmの穴が多数明けてあり、冷却がなされている。またマルチ・スリット・グリッドの場合は、金属あるいは絶縁物に幅0.1〜1mmのスリットが多数明けてあり、冷却がなされている。
【0036】
つまり、マルチ・アパーチャ・グリッド或いはマルチ・スリット・グリッドには、望ましくは水冷等による冷却措置が施されている。この冷却措置は公知の技術を使用することが可能である。これらのグリッドはプラズマ中のイオンと電子を、グリッドの表面で電荷交換して、電荷を持たない電気的に中性な反応性に富む活性種のみを反応プロセス室60に導くものである。
【0037】
なお各ターゲット29,49の電位(通常負電位)をそれぞれ1〜200kHzの間隔で、+50〜+200Vの範囲で正電位に反転させ、前記各ターゲット29,49の表面部分、特に非エロージョン部分に形成された化合物に蓄積するプラスに帯電した電荷をプラズマ中の電子で中和する構成は、前記実施の形態と同様である。
【0038】
(実施の形態3)
本形態の複合金属化合物の薄膜形成方法は、前記した実施の形態1と同様に、所望の膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成し、前記複合金属の化合物薄膜を構成するそれぞれの金属の単独の化合物が本来有する光学的な屈折率の範囲内で、任意の屈折率を得ること、により構成したものである。
【0039】
つまり、本実施の形態は、「複合金属の化合物薄膜を構成するそれぞれの金属の単独の化合物が本来有する光学的な屈折率の範囲内で、任意の屈折率を得る」点が、特徴である。
【0040】
そして、前記実施の形態で図3を参照して説明したように、例えば第1の金属としてのSiと、第2の金属としてのTaと、をスパッタリングして、さらに上記のような成膜プロセスを繰り返して、複合酸化膜を形成する。
【0041】
そして第1の金属ターゲット29と第2の金属ターゲット49に印加する電力の大きさによって異なった屈折率の膜を形成することが可能となる。つまり、例えば第1の金属としてSiを、第2の金属としてTaを用いた場合、それぞれに印加する電力にしたがって、図4で示すような屈折率となる。このため、両ターゲット29,49を印加する電力を、所定の規則で連続的に変化させることにより、傾斜屈折率膜を形成することが可能となる。
【0042】
なお、この実施の形態においても、前記で説明したように、前記電気的に中性な反応性ガスの活性種は、ラジカル(遊離基:一個以上の不対電子を有する原子または分子、あるいは励起状態にある原子あるいは分子)である。また前記スパッタリングはマグネトロンスパッタリングとすることができる。さらに通常負電位である各ターゲット29,49の負電位をそれぞれ1〜200kHzの間隔で、+50〜+200Vの範囲で正電位に反転させ、前記各ターゲット29,49の表面部分、特に非エロージョン部分に形成された化合物に蓄積するプラスに帯電した電荷をプラズマ中の電子で中和する構成は、前記実施の形態と同様である。
【0043】
(実施の形態4)
本形態の複合金属化合物の薄膜形成装置では、前記実施の形態2に付加して、成膜プロセス室20,40に対応したスパッタリング薄膜を形成する薄膜形成部及び前記反応プロセス室60に対応したラジカル源による反応性ガスのラジカル曝露部との間に、基板を順次繰返して搬送する搬送手段、を、備え、基板に所望膜厚の複合金属の化合物薄膜を形成し、複合金属の化合物薄膜を構成するそれぞれの金属の単独の化合物が本来有する光学的な屈折率の範囲内で、任意の屈折率を得る構成としたものである。
【0044】
本実施の形態では、基板は電気的に絶縁された基板ホルダ13で保持されて、基板上での異常放電を防止するように構成されている。
また反応プロセス室60で用いられる反応性ガスの活性種は、電気的に中性なラジカル(遊離基:一個以上の不対電子を有する原子または分子、あるいは励起状態にある原子あるいは分子)である点、成膜装置がマグネトロンスパッタリング装置とする点、各ターゲット29,49の負電位をそれぞれ1〜200kHzの間隔で、+50〜+200Vの範囲で正電位に反転させ、前記各ターゲット29,49の表面部分、特に非エロージョン部分に形成された化合物に蓄積するプラスに帯電した電荷をプラズマ中の電子で中和する点、等については、前述した実施の形態と同様である。また、活性種の発生、グリッド、遮蔽手段等についても、前記した実施の形態と同様である。
【0045】
(実施の形態5)
本形態は前記した実施の形態1と同様に、所望の膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成し、前記複合金属の化合物薄膜を構成するそれぞれの金属の単独の化合物が本来有する光学的な屈折率の範囲内で、薄膜の厚み方向に連続的に屈折率を変化させることにより、任意の光学特性を得るように構成したものである。
【0046】
ここでは、中間屈折率を包む3層反射防止膜と傾斜屈折率膜を包む2層反射防止膜を設計し、作製することを例にする。例えば膜構成を、(1)基板/M(λ/4)/2H(λ/2)/L(λ/4)/Airと、(2)基板/G/L(λ/4)/Air(Gは傾斜膜である)とする。
【0047】
この場合、中間屈折率層Mの屈折率はnm=nl√nsが決められており、式の中に,nmは中間屈折率層の屈折率、nlは低屈折率層の屈折率,nsは基板の屈折率である。2層の反射防止膜の設計はwコートいわゆる基板/2H(λ/2)/L(λ/4)/Air,とよばれる伝統の2層反射防止設計から作製しており、それらの計算と測定した分光曲線は、図7に示されており、図7から明らかなように、計算値と測定値とよく一致している。2層反射防止膜の場合に、伝統のwコートの高屈折率層は傾斜屈折率層に変わるによって、反射防止の範囲を広げることが可能となる。以上のように、薄膜の厚み方向に連続的に屈折率を変化させることにより、任意の光学特性を得ることが可能となる。
【0048】
上記各実施の形態においては、2個のスパッタで金属を二種類用いた例を示しているが、スパッタを3個以上用いることも可能である。これは遮蔽手段により、それぞれの成膜プロセス室と反応プロセス室が仕切られており、それぞれが独自に制御可能であることからも、当然のことである。
【0049】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0050】
[実施例]
図1および図2は、本発明の薄膜形成方法および装置について示す説明図であり、図1が上面図(わかりやすいように一部断面としてある)、図2が図1の線A−B−Cに沿った側面図である。
【0051】
本例の薄膜形成装置Sは、真空槽11と、成膜プロセス室20,40と、反応プロセス室60と、遮蔽手段(本例では遮蔽板)と、搬送手段(本例では基板ホルダ13とその駆動手段)と、活性種の発生手段と、を主要構成要素としている。
【0052】
本例の真空槽11は、密閉された中空容器から構成されており、その形状は問わない。また真空槽11の中央には、搬送手段として、概略円筒状の基板ホルダ13が所定速度で回動可能に配設されている。そして真空槽11内で、基板ホルダ13の外周囲には、成膜プロセス室20,40と反応プロセス室60が配設されている。
【0053】
成膜プロセス室20,40は、それぞれが独立に遮蔽板31,51により囲まれており、少なくとも2個のスパッタリングを備えて構成されている。
【0054】
本例の成膜プロセス室20,40は、2つ形成されており、上記基板ホルダ13を挟んで対向した位置に配設されている。この成膜プロセス室20,40は遮蔽手段(分離手段)により所定範囲で遮蔽されている。遮蔽手段としては遮蔽板31,51により、それぞれ囲繞されている。
【0055】
上記分離手段としての遮蔽板31,51により、真空槽11内の後述する反応プロセス室60と各成膜プロセス室20,40は、真空雰囲気の中で、別個の空間を形成する。つまり、真空槽11内は完全に分離されていないものの、ほぼ独立状態となり、独立して制御可能な反応プロセス室60と、成膜プロセス室20,40を形成している。
【0056】
したがって、これらの反応プロセス室60と各成膜プロセス室20,40は、互いに影響を極力抑えた状態となり、各室20,40,60に最適な条件設定が可能となる。なお各成膜プロセス室20,40の圧力は、反応プロセス室60の圧力より高く設定すると好適である。
【0057】
このようにすることによって、反応プロセス室60内の反応性ガス(例えば酸素ガス)が成膜プロセス室20,40へ流入するのを抑えることが可能となり、ターゲット29,49の表面で金属化合物が形成されることによる異常放電を防止することができる。例えば、各成膜プロセス室20,40の圧力(真空度)は、0.8〜10×10−3Torrが好適であり、後述する反応プロセス室60の圧力(真空度)は0.5〜8×10−3Torrが好適であり、これらの条件の中で、各成膜プロセス室20,40の圧力>反応プロセス室60の圧力という条件とするものである。
【0058】
また成膜プロセス室20,40はそれぞれスパッタリング電極21,41が設けられており、このスパッタリング電極21,41の前面がそれぞれスパッタリング薄膜形成部を構成している。
【0059】
そして、成膜プロセス室20,40には、スパッタリング・ガス・ボンベ27,47からそれぞれマスフロー25,45を経て、アルゴンなどのスパッタリング用ガスが導入されてスパッタリング雰囲気が調節され、スパッタリング電源23,43により電力を印加することによりスパッタリングされる。本例ではターゲット29として、低屈折率材料を用いており、その例としてSiが挙げられる。またターゲット49として、高屈折率材料を用いており、その例として、Ti,Zr,Ta,Nb等が挙げられる。
【0060】
本例の反応プロセス室60は、反応性ガスの活性種を発生させるラジカル源と、グリッド62を備えている。ラジカル源は、本例では活性種発生装置61であり、グリッド62としては、マルチ・アパーチャ・グリッド、或いはマルチ・スリット・グリッドが使用される。
【0061】
本例のラジカル源としては、ラジカル発生室(活性種発生装置61)の外部又は内部に電極を設けた誘導結合型、容量結合型、誘導結合・容量結合混在型等を用いることができる。
【0062】
本例の活性種発生装置61は、石英管からなるRF(高周波)放電室63にRF(高周波)コイル65が巻回されて形成され、マッチングボックス67を介して高周波電源69から電力(100KHz〜40MHzの高周波電力)がRFコイル65に投入される。このとき、マスフロー71を介して反応ガスボンベ73から酸素などの反応性ガスが導入され、反応性ガスのプラズマが形成される。反応性ガスとしては、酸素、オゾン等の酸化性ガス、窒素等の窒化性ガス、メタン等の炭化性ガス、CF4等のフッ化性ガスなどが挙げられる。
【0063】
この時、高密度のプラズマを得るために外部コイル80あるいは内部コイル81により20〜300Gaussの磁場を石英管内に作る。そして真空槽11との接合部に多数の小径の穴を具えるマルチ・アパーチャ・グリッド或いはマルチ・スリット・グリッドを設置し活性種のみを反応プロセス室60に照射できるようにする。
【0064】
上記マルチ・アパーチャ・グリッドの場合には、金属あるいは絶縁物に約Φ0.1〜3mmの穴が多数明けてあり、冷却がなされている。またマルチ・スリット・グリッドの場合には、金属あるいは絶縁物に幅0.1〜1mmのスリットが多数明けてあり、冷却がなされている。
【0065】
上記グリッド62により、反応ガス中の活性種であるラジカル、励起状態のラジカル、原子、分子などを選択的に反応プロセス室60へ導入できると共に、荷電粒子である電子、イオンは、上記各グリッド62を通過させず、反応プロセス室60へ進入しないようにしている。これにより、反応プロセス室60では、金属の超薄膜は、上述のような荷電粒子に曝されることがなく、電気的に中性な反応性ガスの活性種のみに曝され、反応し、基板上のSi+Ta等の金属から複合化合物(SiO2とTa2O5)に変換される。
【0066】
本例の搬送手段は、成膜プロセス室20,40に対応したスパッタリング薄膜を形成する薄膜形成部と、反応プロセス室60に対応したラジカル源による反応性ガスのラジカル曝露部との間に、基板(図示せず)を順次繰返して搬送するものである。
【0067】
本例の搬送手段を具体的に説明すると、図1及び図2で示すように、真空槽11の中央に概略円筒状の基板ホルダ13が所定速度で回動可能に配設されるものである。つまり基板ホルダ13は、不図示の軸受部により軸支されて、真空槽11内で回動可能に保持されている。軸支部は真空槽11に形成してもよいが、真空槽11の外部に形成してもよい。そして基板ホルダ13には、回転駆動装置17(モータ)の出力軸と連結されており、この出力軸の回転により回動する。
【0068】
この回転駆動装置17は、その回転速度を制御できるように構成されている。そして、この基板ホルダ13に基板(図示せず)を搭載して、基板ホルダ13を回転することにより、成膜プロセス室20,40に対応したスパッタリング薄膜を形成する薄膜形成部と、反応プロセス室60に対応したラジカル源による反応性ガスのラジカル曝露部との間に、基板を順次繰返して搬送するものである。
【0069】
(具体例)
スパッタリング条件および反応ガスの活性種の発生条件を挙げれば以下の通りである。
(1)スパッタリング条件(Si)
投入電力:0〜2.8kW
基板温度:室温
Ar 導入量:300sccm
基板ホルダ回転数:100rpm
超薄膜の厚さ:2〜6オングストローム
(2)スパッタリング条件(Ta)
投入電力:0〜1.5kW
基板温度:室温
Ar導入量:200sccm
基板ホルダ回転数:100rpm
超薄膜の厚さ:1〜4オングストローム
(3)反応ガスのラジカル条件(O2)
投入電力:2.0kW
O2導入量:60sccm
【0070】
以下、上記スパッタリング条件および反応ガスの活性種の発生条件に基づいて、SiO2とTa2O5の複合金属の化合物薄膜を形成する場合を例に挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0071】
ターゲット29としてシリコン(Si)を固定し、スパッタリング・ガス・ボンベ27からアルゴンガスを導入し、スパッタリング電源23から電力を投入し、Siをスパッタリングさせる。同時にターゲット49としてタンタル(Ta)を固定し、スパッタリング・ガス・ボンベ47からアルゴンガスを導入し、スパッタリング電源43から電力を投入し、Taをスパッタリングさせる。
【0072】
この時、要求する屈折率は図3の2個のマグネトロン・スパッタリング・ターゲットに供給する電力比によって決められる。一方、反応ガスボンベ13から酸素ガスを導入し、活性種発生装置61を駆動することにより、酸素ガスの活性種(酸素原子)を発生させる。
【0073】
基板を搭載した基板ホルダ13を回転駆動装置17(モータ)により回転すると、成膜プロセス室20,40においてスパッタリング電極21の前面(スパッタリング薄膜形成部)で基板上にSi超薄膜が形成される。次の成膜プロセス室20,40において、スパッタリング電極41の前面(スパッタリング薄膜形成部)で基板上にTa超薄膜が形成される。この複合金極の超薄膜は反応プロセス室60の前面(ラジカル曝露部)で酸素ガスの活性種により酸化されてSiO2とTa2O5の複合金属の化合物薄膜に変換される。
【0074】
このように、基板を搭載した基板ホルダ13を回転させ、Si+Ta超薄膜と、SiO2+Ta2O5の変換を繰り返すことにより、所望膜厚のSiO2+Ta2O5薄膜を形成できる。
【0075】
また、スパッタリング電極21,41の前面は、遮蔽板31,51で囲われ、一方、反応プロセス室60の前面は遮蔽板75で囲われており、この囲いの中でスパッタリング・ガスが27,47から、あるいは反応性ガスが反応ガスボンベ73から導入され、真空ポンプ15により排気系に導かれる。よって、スパッタリング・ガスが遮蔽板75内に進入することや、反応性ガスが遮蔽板31,51内に進入することがない。
【0076】
また、マグネトロン・スパッタリングによる放電と、反応性ガスの活性種発生の放電とは個別に制御でき互いに影響を与えることがないので、安定して放電することができ、不慮の事故を招くことがなく信頼性が高い。さらに、活性種発生装置61では、プラズマに基板が曝露されないので、荷電粒子によるさまざまなダメージをなくすることができる。また上記例の場合には基板の温度は100℃以下に制御することができ、上記に起因する温度上昇の問題も解決できる。このように基板温度を100℃以下とすることで、基板としてプラスチックを用いて、スパッタリングをするときに、ガラス転移点を越えることがなく行うことが可能となる。このためプラスチックの変形等の心配がなくなる。
【0077】
以上の状態を図4乃至図7に基づいて説明する。例えば、TaxSiyOz膜の屈折率、減衰係数、不均質性の光学特性と電力の関係については、図4乃至図6で示される。なお光学定数の計算は単局膜の分光特性のデーターによって計算したものである。両ガイドに印加する電力比例によってTaxSiyOz膜の屈折率が変化するが、これを図4に示す。この図から、SiカソードとTaカソードの印加電力比例の上昇に伴い、屈折率が減少することが判明する。
【0078】
蒸着のレートは40nm/minで固定されたため、屈折率と印加電力比例の関係が成立する。この結果から550nm波長上の最小及び最大屈折率は1.463と2.182である。印加電力の比例を増加すると膜の550nm波長上の屈折率は1.463から2.182に変化できる。この屈折率は2.182から1.463にも変化可能である。
【0079】
図5は減衰係数と屈折率と関係を示すグラフ図で、図6は複数の薄膜層の均一性と屈折率との関係を示すグラフ図である。図5で示すように、屈折率1.463から2.00まででは、波長550nmにおける膜の減衰係数は5×10−4より小さい。屈折率2.00から2.182の膜の減衰係数は1×10−3より小さい。図6では、非常に小さい不均質性を示している。屈折率2.00以下の膜は負の不均質である。膜の屈折率は2.00より高い場合に、正の不均質である。
【0080】
以上の結果から、中間屈折率を包む3層反射防止膜と傾斜屈折率膜を包む2層反射防止膜を設計し、作製することが可能である。作製した膜構成は、(1)基板/M(λ/4)/2H(λ/2)/L(λ/4)/Airと、(2)基板/G/L(λ/4)/Air(Gは傾斜膜である)である。
【0081】
中間屈折率層Mの屈折率はnm=nl√nsが決められており、式の中に,nmは中間屈折率層の屈折率、nlは低屈折率層の屈折率,nsは基板の屈折率である。2層の反射防止膜の設計はwコートいわゆる基板/2H(λ/2)/L(λ/4)/Air,とよばれる一般的な2層反射防止設計から作製した。それらの計算と測定した分光曲線を図7に示した。図7から明らかなように、計算値と測定値とよく一致している。2層反射防止膜の場合に、一般的なwコートの高屈折率層は傾斜屈折率層にすることによって、反射防止の範囲を広げることが可能となった。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、光学薄膜を形成するとき、複数のスパッタする金属の各単独金属固有の屈折率の範囲内で、屈折率を任意に制御可能となり、超薄膜に対して酸化・窒化・弗化等の反応を行いながら成膜することが可能であり、光学特性や力学特性等が安定した金属化合物薄膜を、基板温度を高くすることなく、かつ高速に形成することができる。また広い屈折率変化範囲を簡単な制御システムで得ることが可能である。
【0083】
また、本発明の複合金属化合物の薄膜形成方法では、超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応させて複合金属の化合物に変換する工程では、プラズマを形成し、該プラズマ中から選択的に得た電気的に中性な反応性ガスの活性種を、前記形成された超薄膜に照射して、荷電粒子である電子、イオンは、反応プロセス室へ進入させないようにしている。これにより、反応プロセス室では、金属の超薄膜は、荷電粒子に曝されることがなく、電気的に中性な反応性ガスの活性種に曝され、反応し、基板上のSi+Ta等の金属から複合化合物(SiO2とTa2O5)に変換されることとなり、光学特性や力学特性等が安定した金属化合物薄膜を、基板温度を高くすることなく、かつ高速に形成することができる。
【0084】
さらに、本発明の複合金属化合物の薄膜形成装置では、プラズマを発生させるプラズマ発生手段と、該プラズマ発生手段と前記超薄膜を金属化合物に変換させる反応プロセス室との間に配設されたマルチ・アパーチャ・グリッド或いはマルチ・スリット・グリッドと、前記成膜プロセス室で形成された超薄膜に、前記グリッドを通過して選択的に導入された反応性ガスの活性種を照射し、前記超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応せしめ金属化合物に変換する工程を行う反応プロセス室を備えており、荷電粒子である電子、イオンが各グリッドを通過しないようにし、反応プロセス室へ進入しないようにしている。これにより、反応プロセス室では、金属の超薄膜は、荷電粒子に曝されることがなく、電気的に中性な反応性ガスの活性種に曝され、反応し、基板上のSi+Ta等の金属から複合化合物(SiO2とTa2O5)に変換されることとなり、光学特性や力学特性等が安定した金属化合物薄膜を、基板温度を高くすることなく、かつ高速に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄膜形成装置の説明図である。
【図2】 図1の線A−B−Cに沿った側面図である。
【図3】 基板上に複合金属の化合物の薄膜を形成するときの説明図である。
【図4】 電力比と屈折率とを示すグラフ図である。
【図5】 減衰係数と屈折率と関係を示すグラフ図である。
【図6】 複数の薄膜層の均一性と屈折率との関係を示すグラフ図である。
【図7】 反射率と波長との計算値と実験値との比較を示すグラフ図である。
【符号の説明】
11 真空槽
13 基板ホルダ
20,40 成膜プロセス室
21,41 スパッタリング電極
23,43 スパッタリング電源
25,45 マスフロー
27,47 スパッタリング・ガス・ボンベ
29,49 ターゲット
31,51 遮蔽板
60 反応プロセス室
61 ラジカル源(ラジカル発生室、活性種発生装置)
62 グリッド(マルチ・アパーチャ・グリッド、マルチ・スリット・グリッド)
63 高周波放電室
65 高周波コイル
67 マッチングボックス
69 高周波電源
71 マスフロー
73 反応ガスボンベ
80 外部コイル
81 内部コイル
S 薄膜形成装置
Claims (10)
- それぞれに独立した少なくとも二種以上の異種金属からなる各ターゲットをスパッタリングして、基板上へ、複合金属ないし複合金属の不完全反応物からなる超薄膜を形成する工程と、プラズマを形成し、該プラズマ中から選択的に得た電気的に中性な反応性ガスの活性種を、前記形成された超薄膜に照射し、上記超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応させて複合金属の化合物に変換する工程と、これら超薄膜を形成する工程と複合金属の化合物に変換する工程を順次繰返し、所望の膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成し、前記複合金属の化合物薄膜を構成するそれぞれの金属の単独の化合物が本来有する光学的な屈折率の範囲内で、任意の屈折率を得ることを特徴とする複合金属化合物の薄膜形成方法。
- 前記電気的に中性な反応性ガスの活性種は、ラジカル(遊離基:一個以上の不対電子を有する原子または分子、あるいは励起状態にある原子あるいは分子)であることを特徴とする請求項1記載の複合金属化合物の薄膜形成方法。
- 前記化合物薄膜は、550nmの波長において、屈折率1.463から2.00までのときに、減衰係数が5×10 −4 より小さいことを特徴とする請求項1記載の複合金属化合物の薄膜形成方法。
- 前記化合物薄膜は、550nmの波長において、屈折率2.00から2.182までのときに、減衰係数が1×10 −3 より小さいことを特徴とする請求項1記載の複合金属化合物の薄膜形成方法。
- 動作ガスを導入し、それぞれに独立した少なくとも二種以上の異種金属からなる各ターゲットをスパッタリングして、基板上に、金属ないし金属の不完全反応物からなる超薄膜を形成する工程を行う成膜プロセス室と、プラズマを発生させるプラズマ発生手段と、該プラズマ発生手段と前記超薄膜を金属化合物に変換させる反応プロセス室との間に配設されたマルチ・アパーチャ・グリッド或いはマルチ・スリット・グリッドと、前記成膜プロセス室で形成された超薄膜に、前記グリッドを通過して選択的に導入された反応性ガスの活性種を照射し、前記超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応せしめ金属化合物に変換する工程を行う反応プロセス室と、該反応プロセス室と前記成膜プロセス室とを遮蔽板によって空間的、圧力的に分離する分離手段と、を備え、前記分離手段により前記成膜プロセス室の動作ガスに前記反応性ガスが混合されることを防止して、安定なスパッタリング成膜プロセスと反応プロセスを逐次的に繰返し、所望膜厚の複合金属の化合物薄膜を基板に形成し、前記複合金属の化合物薄膜を構成するそれぞれの金属の単独の化合物が本来有する光学的な屈折率の範囲内で、任意の屈折率を得ることを特徴とする複合金属化合物の薄膜形成装置。
- 前記反応プロセス室で用いられる反応性ガスの活性種は、電気的に中性なラジカル(遊離基:一個以上の不対電子を有する原子または分子、あるいは励起状態にある原子あるいは分子)であることを特徴とする請求項5記載の複合金属化合物の薄膜形成装置。
- 前記化合物薄膜は、550nmの波長において、屈折率1.463から2.00までのときに、減衰係数が5×10 −4 より小さいことを特徴とする請求項5記載の複合金属化合物の薄膜形成装置。
- 前記化合物薄膜は、550nmの波長において、屈折率2.00から2.182までのときに、減衰係数が1×10 −3 より小さいことを特徴とする請求項5記載の複合金属化合物の薄膜形成装置。
- 前記マルチ・アパーチャ・グリッドは、金属あるいは絶縁物に約Φ0.1〜3mmの穴が多数明けてあり、冷却がなされていることを特徴とする請求項5記載の複合金属化合物の薄膜形成装置。
- 前記マルチ・スリット・グリッドは、金属あるいは絶縁物に幅0.1〜1mmのスリットが多数明けてあり、冷却がなされていることを特徴とする請求項5記載の複合金属化合物の薄膜形成装置。
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