JPH11279758A - 金属化合物薄膜の形成方法および成膜装置 - Google Patents

金属化合物薄膜の形成方法および成膜装置

Info

Publication number
JPH11279758A
JPH11279758A JP10101976A JP10197698A JPH11279758A JP H11279758 A JPH11279758 A JP H11279758A JP 10101976 A JP10101976 A JP 10101976A JP 10197698 A JP10197698 A JP 10197698A JP H11279758 A JPH11279758 A JP H11279758A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactive gas
thin film
substrate
film
active species
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10101976A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3735462B2 (ja
Inventor
Kazuo Kikuchi
和夫 菊池
Shigeji Matsumoto
繁治 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shincron Co Ltd
Original Assignee
Shincron Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shincron Co Ltd filed Critical Shincron Co Ltd
Priority to JP10197698A priority Critical patent/JP3735462B2/ja
Priority to US09/092,644 priority patent/US6103320A/en
Priority to DE1998625138 priority patent/DE69825138T2/de
Priority to EP98115624A priority patent/EP0940481B1/en
Publication of JPH11279758A publication Critical patent/JPH11279758A/ja
Priority to US09/517,340 priority patent/US6274014B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3735462B2 publication Critical patent/JP3735462B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性の安定した金属化合物薄膜を、薄膜にダ
メージを与えることを防止して、低温基板温度で高速に
形成する。 【解決手段】 接地電位から電気的に絶縁された一対の
同種または異種のマグネトロンスパッタリングターゲッ
トを用い、それぞれのターゲットに接地電位からプラス
とマイナスに交互に交流電圧を印加することにより、常
にいずれか一方のターゲットがカソードとなり他方のタ
ーゲットがアノードとなるようにし、真空槽内で基板上
に金属ないし金属の不完全反応物からなる金属超薄膜を
形成する工程と;この金属超薄膜に電気的に中性な反応
性ガスの活性種を接触せしめ、金属超薄膜と反応性ガス
の活性種とを反応せしめて金属化合物超薄膜に変換せし
める工程とを順次繰り返し;金属化合物超薄膜を複数層
形成して堆積することにより、目的とする膜厚の金属化
合物薄膜を基板上に形成して金属化合物薄膜を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネトロンスパ
ッタリング法により、基板に安定して、かつ高速に金属
化合物薄膜を形成する方法、およびそれに使用する成膜
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタリングで、金属あるいは酸化物
・窒化物・弗化物等の金属化合物の薄膜を形成すること
が広く行われている。金属薄膜を形成する場合と比較し
て、酸化物・窒化物・弗化物のような金属化合物の薄膜
を形成するには、以下の代表的な方法がある。 高周波(RF)電源を用いて、金属化合物ターゲッ
ト(絶縁性)、または金属ターゲット(導電性)に反応
性ガス(例えば酸素、窒素、弗素ガス)を導入して反応
性スパッタリングにより薄膜形成する方法。 直流(DC)電源を用いて、金属ターゲットに反応
性ガスを導入して成膜するDC反応性マグネトロンスパ
ッタリングにより薄膜形成する方法。
【0003】しかし両方法とも以下の問題点がある。 薄膜の堆積速度が遅い(特にRFスパッタリングは
顕著である。) プラズマにより基板の温度上昇が生じ100℃以下
で行うことが困難である。(特にRFスパッタリングは
顕著である。) DC反応マグネトロンスパッタリングの場合、ター
ゲット特に非エロージョン部分のアーク放電によりター
ゲット材料が基板に飛散し、この飛散は形成されつつあ
る薄膜に欠陥が発生する原因になると考えられる。 RFマグネトロンスパッタリングの場合、接地電位
になっている装置構成部品等、あるいは、基板、基板の
保持治具等に形成された絶縁性の薄膜に電荷が蓄積さ
れ、それが異常放電の原因となり、アーク放電をおこし
た材料が基板に飛散し、あるいは基板にアーク痕が残
り、形成されつつある薄膜に欠陥が発生する原因になる
と考えられる。この現象は大型基板ほど多くなる。
【0004】スパッタリングなどで得られる化合物薄膜
は、その構成元素である酸素・窒素・弗素が欠乏し不完
全な金属化合物を生成しやすい。たとえば、酸化物薄膜
の代表であり、光学膜、絶縁膜、保護膜などに使用され
るSiO2 薄膜を作成するとき、一般的には、SiO2
ターゲット(絶縁性)を高周波電源を使用しRFマグネ
トロンスパッタリングによりSiO2 薄膜を形成した
り、Siターゲット(導電性)をDC電源を使用してD
Cマグネトロン・スパッタリングによりSiO2薄膜を
形成する。この時、スパッタリングの動作ガスであるA
rと同時に導入される反応性ガスである酸素が不十分で
あると形成される薄膜の組成はSiOx(X<2)とな
ってしまう。この現象を防止するために、反応するに十
分な量の酸素をスパッタリング雰囲気中に導入すること
により酸素の欠乏は防止しうるが、この場合には薄膜の
付着速度は金属薄膜の付着速度を比べで1/5〜1/1
0に低下してしまう。
【0005】またこの時導入した反応性ガスが、ターゲ
ットの表面で反応しSiO2 を形成する。このSiO2
にプラズマのアルゴンプラスイオン、酸素プラスイオン
の電荷の蓄積が生じる。このプラスに帯電した電荷が大
量に蓄積し、SiO2 膜の絶縁限界を越えると絶縁破壊
が起きる。あるいはターゲットの導電性の部分、アース
シールド(アノード)に対してアーク放電をおこし、蓄
積された電荷が逃げる。これがターゲットの異常放電の
過程であり原因である。このアーク放電により以下の問
題点が生じる。 ターゲット材料が基板に飛散し、形成されつつある
薄膜に欠陥が生じる原因になる。 ターゲット表面にアーク痕が残り、アーク痕周辺で
絶縁部であるSiO2の蓄積が進み、さらなる異常放電
の原因になる。
【0006】成膜速度の点でも、一般的にスパッタリン
グによる成膜は蒸着材料をイオンビーム加熱方式、抵抗
加熱方式で行う真空蒸着と比較し1/2〜1/10程度
の成膜速度しか実現できないため、大量生産を行うには
問題がある。また一般的にスパッタリングは、プラズマ
を利用し成膜するため、電荷を持った粒子(イオン、電
子)の衝突により装置の構成部品、基板ホルダー、基板
等の加熱の原因となり、プラズマチック等の耐熱性の悪
い材料への成膜が困難である。これは特に高周波電源を
用いるRFマグネトロンスパッタリングにおいて顕著で
ある。以上の点が問題となり化合物薄膜をスパッタリン
グで形成する場合大きな障害となっている。
【0007】本出願人は先に、以下の提案を行なった。 スパッタリングによりチタン等の金属からなる超薄
膜を基板上に堆積する工程と、この超薄膜に酸素等の反
応性ガスのイオンビームを照射して酸化チタン等の金属
化合物の超薄膜に変換する工程とを繰り返し、所望の薄
膜の金属化合物薄膜を形成する。(特公昭8−1951
8号公報) スパッタリングにより金属からなる超薄膜を基板上
に堆積する工程と、この超薄膜に誘導型プラズマ源によ
り発生した反応性ガスのプラズマを照射して、金属化合
物の超薄膜に変換する工程とを繰り返し、所望の薄膜の
金属化合物薄膜を形成する。(特開平8−176821
号公報)
【0008】しかしながら、上記の方法に関しては、
イオン銃は消耗によるフィラメントの交換が必要であ
り、また、フィラメント、スクリーン電極、サプレッサ
ー電極と構成部材が多く必要であり、さらにこれらに伴
い、真空室の汚染、スクリーン電極電流の増大による電
源電流容量問題、ニュートラライザによる温度上昇など
の問題点があることが判明した。またの方法は荷電粒
子(Arイオン、反応ガスイオン、電子)をプラズマと
して基板に照射するため、荷電粒子によって基板と基板
に形成されつつある薄膜にダメージを生じさせたり、基
板の温度上昇を生じさせたりすることが判明した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属超薄膜
に対して酸化・窒化・弗化等の反応を行ないながら所定
膜厚の薄膜を成膜するに際し、薄膜に対するダメージを
防止し、特性の安定した金属化合物薄膜を低温下に安定
して製造することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の金属化合物薄膜
の形成方法は、接地電位から電気的に絶縁された一対の
同種または異種のマグネトロンスパッタリングターゲッ
トを用い、それぞれのターゲットに接地電位からプラス
とマイナスに交互に交流電圧を印加することにより、常
にいずれか一方のターゲットがカソードとなり他方のタ
ーゲットがアノードとなるようにし、真空槽内で基板上
に金属ないし金属の不完全反応物からなる金属超薄膜を
形成する工程と、この金属超薄膜に電気的に中性な反応
性ガスの活性種を接触せしめ、金属超薄膜と反応性ガス
の活性種とを反応せしめて金属化合物超薄膜に変換せし
める工程とを順次繰り返し、金属化合物超薄膜を複数層
形成して堆積することにより、目的とする膜厚の金属化
合物薄膜を基板上に形成することを特徴とする。
【0011】本発明の成膜装置は、マグネトロンスパッ
タリング装置において;接地電位から電気的に絶縁され
た一対の同様または異種のマグネトロンスパッタリング
ターゲットを用い、それぞれのターゲットに接地電位か
らプラスとマイナスに交互に交流電圧を印加することに
より、常にいずれか一方のターゲットがカソードとなり
他方のターゲットがアノードとなるようにして基板上
に、金属ないし金属の不完全反応物からなる金属超薄膜
を形成する工程を行なう成膜プロセスゾーンと;この金
属超薄膜に電気的に中性な反応性ガスの活性種を接触せ
しめ、金属超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応せしめ
て金属化合物超薄膜に変換せしめる工程を行なう反応プ
ロセスゾーンと;成膜プロセスゾーンと反応プロセスゾ
ーンとの間で基板を搬送する搬送手段と;成膜プロセス
ゾーンと反応プロセスゾーンとを空間的、圧力的に分離
して成膜プロセスゾーンに反応性ガスが混入することを
防止する遮蔽手段とを具え;安定な成膜プロセスゾーン
と反応プロセスゾーンとの間で基板を複数回繰り返して
搬送、処理し、金属化合物超薄膜を複数層形成して堆積
することにより、目的とする膜厚の金属化合物薄膜を基
板上に形成することを特徴とする。
【0012】本発明においては、接地電位から電気的に
絶縁された一対の同種または異種のターゲットに接地電
位からプラスとマイナスに交互に交流電圧を印加するこ
とにより、常の一方のターゲットがカソード(マイナス
極)となり必ず他方のターゲットがアノード(プラス
極)となるようにしてマグネトロンスパッタリングが行
なわれる。これにより、従来のDC反応マグネトロンス
パッタリング法ではアノードとなるターゲットシール
ド、装置部品、装置本体が非導電性あるいは導電性の低
い不完全金属に被われてアノード電位が低化していた現
象を防止できる。すなわち、一対(2個)のスパッタリ
ングターゲットを用いてそれぞれをカソードおよびアノ
ードとして利用し、交番電界により、両ターゲットをア
ノードとカソードとに交互にそれぞれ変化させてスパッ
タリングを行なうことにより、ターゲッドがアノード時
に付着した非導電性ないしは導電性の低い不完全金属
を、ターゲッドがカソード状態になった時にスパッタリ
ングすることにより除去でき、アノード時に安定したア
ノード電位状態が常に得られ、プラズマ電位(通常はア
ノード電位とほぼ等しい)の変化を防止し、安定して金
属超薄膜の形成を行うことができる。本発明で採用され
るこのスパッタリング方式は一般にデュアル・マグネト
ロンスパッタリングとも呼ばれ、例えば、特開平4−3
25680号公報、特開平5−222531号公報、特
開平5−311433号公報、特許第2574636号
公報などにも報告されている。金属あるいは金属の不完
全化合物からなる金属超薄膜を、反応性ガスとの反応に
より金属化合物超薄膜に変換せしめる工程において、ラ
ジカル、励起状態にあるラジカル、原子、分子等の電気
的に中性な活性種の利用が有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の薄膜
形成方法および装置について示す説明図であり、図1が
上面図(わかりやすいように一部断面を取ってある)、
図2が図1の線A−B−Cに沿った側面図である。真空
槽11内の略円筒の基板ホルダ13の回りには、2組の
一対のマグネトロンスパッタリング電極21a,b,4
1a,bと活性種発生装置61およびグリッド81とが
配設されている。マグネトロンスパッタリング電極21
a,b,41a,bの前面がそれぞれ成膜プロセスゾー
ン20,40を構成している。図1では、異なる2種類
の物質をスパッタリングすることを想定して一対のマグ
ネトロンスパッタリング電極を2つ設ける場合(21
a,bと41a,b)を示している。一方、活性種発生
装置61およびグリッド81の前面が反応プロセスゾー
ン60を構成する。
【0014】基板ホルダ13に搭載された基板(図示せ
ず)は、モータ17による基板ホルダ13の回転に伴な
い、成膜プロセスゾーン20,40の前面でSi等の金
属超薄膜が形成され、反応プロセスゾーンの前面でSi
2 等に変換されて金属酸化物超薄膜が形成される。こ
の操作を繰り返すことにより、金属酸化物超薄膜層が複
数層積層して堆積されて、最終的な目的とする膜厚のS
iO2 等の薄膜が形成される。本発明でいう超薄膜と
は、超薄膜が複数回堆積されて最終的な薄膜となること
から、この最終的な薄膜との混同を防止するために用い
た用語であり、最終的な薄膜よりも十分に薄いという意
味である。超薄膜の厚さは任意であるが、0.1〜20
オングストローム程度、あるいは0.5〜10オングス
トローム程度が好ましい。
【0015】Si等の金属は、デュアル・マグネトロン
スパッタリングにより高速で成膜することができ、これ
を反応プロセスゾーンによりSiO2 等の金属化合物に
変換することによって、金属ターゲットを用いたマグネ
トロンスパッタリング法により高速でSiO2 、TiO
2 等の金属化合物薄膜が得られることになる。成膜プロ
セスゾーン20(40も同様)は、一対のマグネトロン
スパッタ電極21a,b、スパッタ電源23、金属製の
一対のターゲット29a,b、スパッタガスボンベ2
7、マスフローコントローラ25、遮蔽板(遮蔽手段)
12から構成される。真空ポンプ15により真空度を調
整された真空槽11の遮蔽板12内に、スパッタ用の動
作ガスであるアルゴンガスなどが導かれ、成膜プロセス
ゾーン20の真空ガス雰囲気が調整されて、デュアル・
マグネトロンスパッタリングが行なわれる。
【0016】図1,2に示した本発明の実施例では、少
なくとも1組の一対の(マグネトロン)スパッタリング
電極21a,21bと、金属製ないし導電性の一対のス
パッタリングターゲット29a,29bを用いて、デュ
アル・マグネトロンスパッタリングにより金属超薄膜を
形成する。デュアル・マグネトロンスパッタリングにお
いては、接地電位から電気的に絶縁された一対のスパッ
タリング電極21a,21bと、ターゲット29a,2
9bとが用いられる。したがって図示されていないが、
接地されている装置本体(真空槽11)に対してスパッ
タリング電極21a,21b、ターゲッド29a,29
bは絶縁材を介して取り付けられている。また、スパッ
タリング電極21a,ターゲット29aと、スパッタリ
ング電極21b、ターゲット29bとも互いに電気的に
分離されている。このような状態で、アルゴン等の動作
ガスを成膜プロセスゾーン20に導入してスパッタ雰囲
気を調整し、交流電源23からトランス24を介してス
パッタリング電極21a,21bに電圧を印加すると、
ターゲット29a,29bには常に交番電界が掛かるこ
とになる。すなわち、ある時点においてはターゲット2
9aがカソード(マイナス極)となり、その時ターゲッ
ト29bは必らずアノード(プラス極)となる。次の時
点において交流の向きが変化すると、今度はターゲット
29bがカソード(マイナス極)となり、ターゲット2
9aがアノード(プラス極)となる。このように一対の
2つのターゲット29a,29bとが交互にアノードと
カソードとの役割を担うことによりプラズマが形成さ
れ、カソード上のターゲットがスパッタされて金属超薄
膜が基板上に形成される。この時、アノード上には非導
電性あるいは導電性の低い不完全金属が付着する場合も
あるが、このアノードが交番電界によりカソードに変換
された時に、これら不完全金属がスパッタされ、ターゲ
ット表面は元の清浄な状態となる。そして、これを繰り
返すことにより、常に安定なアノード電位状態が得ら
れ、プラズマ電位(通常アノード電位とほぼ等しい)の
変化を防止し、安定して金属、超薄膜を形成することが
できる。
【0017】また、後述するように遮蔽板12により成
膜プロセスゾーン20を独立化し、同様に遮蔽板16を
設けた反応プロセスゾーン60からの酸素等の反応性が
成膜プロセスゾーン20に混入し、ターゲット29a,
29bに酸化物等が一時的に生成した場合でも、交番電
界によるデュアルスパッタリングにより安定なアノード
部が確保され、再現性の良い成膜を行なうことができ
る。ターゲット29aと29bとは同一の金属ターゲッ
トでも異種の金属ターゲットでもよい。同一の金属ター
ゲットを用いた場合は、単一金属(例えばSi)からな
る金属超薄膜が形成され、異種の金属ターゲットを用い
た場合は合金からなる金属超薄膜が形成される。ターゲ
ット29a,29bに印加する交流電圧の周波数は1〜
100KHzが好適である。
【0018】また、ターゲットシールド(図示を省
略)、遮蔽板12等の成膜プロセスゾーン20の周辺部
材は水冷して、基板の温度上昇等、発熱による悪影響を
防止することが望ましい。ターゲット29a,bとして
は、Al,Ti,Zr,Sn,Cr,Ta,Si,T
e,Ni−Cr,In−Snなどの金属ターゲットが用
いられ、反応プロセスゾーン60における反応性ガスの
活性種の曝露により、Al23,TiO2 ,ZrO2
Ta25,SiO2 等の光学膜ないし絶縁膜、ITO等
の導電膜、Fe23などの磁性膜、TiN,CrN,T
iCなどの超硬膜とされる。TiO2,ZrO2 ,Si
2 のような絶縁性の金属化合物は、金属(Ti,Z
r,Si)に比べスパッタリング速度が極端に遅く生産
性が悪いので、特に本発明の方法が有用である。
【0019】ついで、金属超薄膜は、反応プロセスゾー
ン60においてSiO2 等の金属酸化物超薄膜に変換さ
れる。反応プロセスゾーンは、主として活性種発生装置
61、グリッド81、遮蔽板(遮蔽手段)14からな
る。活性種発生装置61の反応性ガスプラズマ発生室6
3で放電により生じたプラズマは、プラズマイオン、電
子、ラジカル、励起状態のラジカル、原子、分子等を構
成要素とする。本発明ではグリッド81により、反応性
ガスプラズマ中の活性種であるラジカル、励起状態のラ
ジカル、原子、分子などが選択的ないし優先的に反応プ
ロセスゾーン60に導かれ、一方、荷電粒子である電
子、イオンはグリッド81の通過を阻止され反応プロセ
スゾーン60に漏出しない。したがって、反応プロセス
ゾーン60において、金属超薄膜は荷電粒子に曝露され
ることなく、電気的に中性な反応性ガスの活性種に曝露
されて(接触して)反応し、Si等の金属からSiO2
等の金属化合物に変換される。なお、ラジカルとは、遊
離基(ratical)であり、一個以上の不対電子を
有する原子または分子である。また、励起状態(exc
ite state)とは、エネルギーの最も低い安定
な基底状態に対して、それよりもエネルギーの高い状態
のことをいう。
【0020】金属あるいは金属の不完全化合物から金属
化合物を得る反応性の成膜行程において、イオン、電子
等の荷電粒子よりも、活性種たとえばラジカル、励起種
等の化学的に活性であり、かつ電気的に中性な粒子が化
学反応において、決定的に重要な働きをする。また、荷
電粒子のように薄膜にダメージを与えず、基板温度の上
昇が抑えられ、薄膜のさまざまな性質、光学的、機械
的、電気的な性質のコントロールの制御を複合して行う
とき、化学反応プロセスと、成膜プロセスを明確に分離
し、かつ化学反応にもっとも寄与する粒子のみを使用す
ることにより、目的とする特性の薄膜を容易に得ること
ができる。
【0021】活性種発生装置61は、ラジカル源とも呼
ばれ、反応ガスプラズマ発生室63、プラズマを発生さ
せるための電極65、高周波電源69とを具えた反応ガ
スプラズマ発生部とグリット81とからなっている。反
応ガスボンベ73からマスフローコントローラ71を介
して酸素ガスなどの反応性ガスが、反応ガスプラズマ発
生室63に供給され、マッチングボックス67を介して
高周波電源69からの高周波電力が、石英管からなる反
応性ガスプラズマ室63の外周面に巻回されたコイル状
の電極65に印加されると、反応性ガスのプラズマが反
応性ガスプラズマ室63内に発生する。
【0022】反応性ガスとしては、酸素、オゾン等の酸
化性ガス、窒素等の窒化性ガス、メタン等の炭化性ガ
ス、CF4 等の弗化性ガスなどが用いられる。反応性ガ
スプラズマ部としては、反応性ガスプラスマ発生室の外
部または内部に電極を設けた誘導結合型プラズマ源、容
量結合型プラズマ源、誘導結合・容量結合混在型プラズ
マ源などを用いることができる。これらの具体例として
は、以下のものが挙げられる。
【0023】(1)図1、図2に図示したプラズマ源:
円筒状の石英ガラス等の誘電体からなる反応性ガスプラ
ズマガス発生室63の大気側周面にコイル状の電極65
を配置し、このコイル状電極に100KHz〜50MH
zの高周波電力を印加してプラズマを発生させる誘導結
合型プラズマ発生源。 (2)図3に示したプラズマ源:円盤状の石英ガラス等
の誘電体からなる反応性ガスプラズマ発生室63の大気
側に渦巻き状(蚊取り線香状)のコイル電極91を配置
し、この渦巻き状コイル電極91に100KHz〜50
MHzの高周波電力を印加してプラズマを発生させる誘
導結合型プラズマ発生源。図3(B)は渦巻状コイル電
極91の平面図を示す。 (3)図4に示したプラズマ源:反応性ガスプラズマ発
生室63の内部に平板状の電極93を配置し、この平板
状電極93に100KHz〜50MHzの高周波電力を
印加してプラズマを発生させる容量結合型プラズマ発生
源。 (4)図5に示したプラズマ源:反応性ガス発生室63
の内部にコイル状電極95または渦巻き状コイル電極を
配置し、これら電極に100KHz〜50MHzの高周
波電力を印加して誘導結合型プラズマと容量結合型プラ
ズマとが混存するプラズマを発生されるプラズマ発生
源。
【0024】また、コイルの形状等を調整することによ
り、ヘリコン波プラズマ源とし、プラズマ中における活
性種の発生効率を高めることもできる。さらに、図1、
図2に示したように、外部磁石71および/または内部
磁石73を配置し、プラズマ発生部に20〜300ガウ
スの磁場を形成することにより高密度プラズマが得ら
れ、活性種発生効率を高めることができる。反応性ガス
プラズマ発生室63内のプラズマ中には、荷電粒子であ
る反応性ガスイオン・電子と、電気的に中性な反応性ガ
スの活性種であるラジカル・励起状態のラジカル・原
子、分子とが存在するが、本発明では後者の電気的に中
性な粒子を選択的ないし優先的に反応プロセスゾーン6
0に導き、金属超薄膜から金属酸化物超薄膜への変換反
応(例えば、Si→SiO2 )に利用する。
【0025】そこで、反応性ガスプラズマ発生室63と
反応プロセスゾーン60との間に、電気的に中性な活性
種粒子のみを選択的に通過せしめ、一方、荷電粒子は通
過させないグリッドを設ける。グリッドの表面でプラズ
マ中のイオンと電子との間に電荷交換が行なわれて中和
される。このようなグリッドとしては、例えば、マルチ
・アパーチャ・グリッド、マリチ・スリット・グリッド
がある。図6は、マルチ・アパーチャ・グリッド101
を示す平面図である。マルチ・アパーチャ・グリッド1
01は、金属あるいは絶縁物からなる平板に直径0.1
〜3mmの穴103が無数に穿設されている。
【0026】図7は、マルチ・スリット・グリッドを示
す平面図である。マルチ・スリット・グリッド111
は、金属あるいは絶縁物からなる平板に幅0.1〜1m
mのスリットが無数に設けられている。グリッド10
1,111は、冷却管105,115等により水冷等の
冷却をすることが望ましい。グリッド101,111
は、プラズマ中のイオンと電子をその表面で電荷交換
し、電荷を持たない電気的に中性な反応性に富む活性種
を、反応プロセスゾーンに導く。
【0027】次に遮蔽手段(遮蔽板)について説明す
る。図1および図2に示されたような、各成膜プロセス
ゾーン20,40、反応プロセスゾーン60は遮蔽板1
2,14,16(遮蔽手段)によって囲繞され、それぞ
れ真空槽11内で真空雰囲的に別個の空間を形成するこ
とができる。すなわち、大きな真空槽11の中に完全に
は仕切られていないものはほぼ独立し、独立して制御可
能な2つの真空室、すなわち成膜プロセスゾーン(2
0,40)と反応プロセスゾーン60が存在する。この
結果、各ゾーン(室)は、個別に他のゾーンからの影響
が抑えられた真空雰囲気を有することができ、それぞれ
最適の条件を設定することができる。例えば、スパッタ
リングによる放電と、反応性ガスの活性種発生による放
電とは個別に制御でき互いに影響を与えることがないの
で、安定した放電をすることができ、不慮の事故を招く
ことがなく信頼性が高い。特に成膜プロセスゾーン2
0,40の圧力を、反応プロセスゾーン60より高くす
ることが望ましい。これにより、反応プロセスゾーン6
0に導入された反応性ガスが、成膜プロセスゾーン2
0,40に流入されることが防止され、成膜プロセスゾ
ーン20,40のターゲット表面で、金属化合物が形成
されることによる異常放電を防止することができる。ま
た、前述の通り、仮りに反応性ガスの流入により成膜プ
ロセスゾーン20,40のターゲット表面に金属化合物
が形成された場合でも、デュアル・マグネトロンスパッ
タリングシステムを採用することにより、ターゲットが
カソードとして機能する際に、金属化合物がスパッタリ
ングされ、安定なアノード部を確保して、安定なプラズ
マ放電を維持できる。
【0028】遮蔽板を設けることは、特に、複数のター
ゲットが隣接して設けられた場合に好適である。成膜プ
ロセスゾーン20,40の圧力(真空度)は、0.8〜
10×10-3Torrが好適である。反応プロセスゾー
ン60の圧力(真空度)は、0.5〜8×10-3Tor
rが好適である。代表的な作動条件を以下に示す。
【0029】(1)スパッタリング条件(Si) 投入電力:2.8kW 基板温度:室温 成膜プロセスゾーン内圧力:5.0×10-3Torr 印加交流電圧周波数 40KHz 基板ホルダ回転数:100rpm 超金属薄膜の厚さ:2〜6オングストローム (2)スパッタリング条件(Ta) 投入電力:1.5kW 基板温度:室温 成膜プロセスゾーン内圧力:5.0×10-3Torr 印加交流電圧周波数 40KHz 基板ホルダ回転数:100rpm 超金属薄膜の厚さ:1〜4オングストローム (3)活性種発生装置の駆動条件(O2) 装置:図1,2に示した誘導結型プラズマ発生源 投入電力:2.0kW 圧力:1.4×10-3Torr
【0030】この時、スパッタリング・プロセスによる
発生したプラズマによる成膜プロセスゾーンを構成して
いる部品、たとえば、成膜プロセスゾーンを囲っている
遮蔽板、ターゲットシールド等は基板の温度上昇を防止
するために水冷等の冷却手段を施すことが望ましい。
【0031】図1に示して装置を用いて多層反射防止膜
を形成する場合の一例を挙げると以下の通りである。タ
ーゲット29a,bにSi等の酸化物が低屈折である金
属ターゲットを固定し、一方、ターゲット49a,bに
はTi,Zr等の酸化物が高屈折率である金属ターゲッ
トを固定する。ターゲット29a,bをデュアル・マグ
ネトロンスパッタリングしてSi超薄膜を形成し、これ
を反応プロセスゾーン60でSiO2超薄膜に変換す
る。基板ホルダー13を所定回数回転してSiO2 超薄
膜を堆積して目的とする膜厚のSiO2 薄膜を形成す
る。ついで、ターゲット49a,bをデュアル・マグネ
トロンスパッタリングしてTiまたはZr超薄膜を形成
し、同様にTiO2 またはZrO2 超薄膜への変換を繰
り返して目的とする膜厚のTiO2 またはZrO2 薄膜
を形成する。以上の操作を繰り返すことにより低屈折率
層(SiO2 )/高屈折率層(TiO2 ,ZrO2 )の
交互積層膜からなる多層反射防止膜が得られる。
【0032】図8は本発明の他の実施例を示す平面図で
ある。装置構成は全体として成膜室121、その前後の
基板ロード室123、および基板アンロード室125か
ら構成される。各室はそれぞれ個別の排気系を有し、R
Pはロータリーポンプを、TMPはターボモリキュラー
ポンプを示す。各室間はゲートバルブ131,133を
介して連結されている。基板ロード室123はゲートバ
ルブ135ないしは開閉扉により大気に開放可能であ
り、基板アンロード室125はゲートバルブ137ない
しは開閉扉によりより大気に開閉可能である。すなわ
ち、各室は圧力的に隔離され各々独自の排気系を有し、
また、ゲートバルブ131,133を通して基板ホルダ
ー143を搬送することができる。
【0033】基板141を搭載した基板ホルダー143
がゲートバルブ135を介して基板ロード室123に搬
入され、基板ロード室123がRPにより真空に引かれ
て、加熱等の必要による前処理を受ける。この処理が終
了後に基板ホルダー143は成膜室121に搬送され
る。すなわち、基板ロード室123は、基板ホルダーの
脱着・排気・必要による前処理の機能を有する。成膜室
121で、基板141に薄膜が形成される。なお、煩雑
を避けるべく図面上では基板ホルダー143のみを一点
鎖線で示し基板141の図示を省略した。
【0034】成膜処理が終了した基板ホルダー143は
基板アンロード室125に搬送され、必要に応じて後処
理を受けた後、ゲートバルブ137を介して外部に取り
出される。すなわち、基板アンロード室125は、基板
ホルダーの脱着・排気・必要による後処理の機能を有す
る。成膜室121における成膜処理は、基板ホルダーが
水平板状である点を除いて図1、図2に示した実施例と
基本的に替わるところがない。すなわち、遮蔽板15
1,161によって形成される成膜プロセスゾーン15
3,163にターゲット155a,b、165a,bが
配置され、デュアルマグネトロンスパッタリング法によ
り金属超薄膜が形成される。MFCはマスフローコント
ローラを示す。基板ホルダー143の回転により、金属
超薄膜は例えばSi→SiO2 のように金属酸化物超薄
膜に変換される。これは、遮蔽板171により囲繞され
た反応プロセスゾーン173により行なわれ、活性種発
生装置175から供給される電気的に中性なラジカル等
の活性種に対する曝露による。
【0035】本発明は前述の通りであるが、本発明の実
施の形態例、実施例も含めて本発明の特徴的な部分の一
例を例記すると以下の通りである。 (1)金属超薄膜の形成とその金属化合物超薄膜への変
換を繰り返して行い、金属化合物超薄膜を複数回堆積し
て行なうことにより、目的とする膜厚の薄膜を、低基板
温度で高速に形成できる。 (2)その際、金属超薄膜の形成方法としてデュアル・
マグロトロンスパッタリング法を採用することにより、
安定したアノード部を確保して、アノード電位の変化を
防止して再現性の良い良質の薄膜が形成できる。 (3)金属超薄膜を金属化合物超薄膜に変換するに際
し、ラジカル、励起状態にあるラジカル、原子あるいは
分子等の活性種を利用することにより、薄膜にダメージ
を与えることを防止し、基板温度の上昇を抑え、効率的
に良好な特性の薄膜を得ることができる。 (4)遮蔽手段により成膜プロセスゾーンと反応プロセ
スソーンとを区切ることにより、両者の条件を個別に最
適の条件で制御して安定した薄膜形成を行うことができ
る。また、成膜プロセスゾーンの圧力を反応プロセスゾ
ーンの圧力よりも高くして、反応性ガスが成膜プロセス
ゾーンに流入することを防止する事も好ましいことであ
る。 (5)仮りに反応性ガスが成膜プロセスゾーンに流入し
てターゲット上に反応生成物が生じても、デュアル・ス
パッタリングにより除去され、再現性が良く安定性の高
い高速スパッタリングが行える。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、特性の安定した金属化
合物薄膜を、薄膜にダメージを与えることを防止して、
低温基板温度で高速に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる装置の実施例を示す説明上
面図である。
【図2】本発明で用いられる装置の実施例を示す、図1
の線A−B−Cに沿った断面図である。
【図3】プラズマ源の構成例を示す説明図である。
【図4】プラズマ源の構成例を示す説明図である。
【図5】プラズマ源の構成例を示す説明図である。
【図6】マルチ・アパーチャ・グリッドを示す平面図で
ある。
【図7】マルチ・スリット・グリッドを示す平面図であ
る。
【図8】本発明で用いる装置の実施例を示す説明平面図
である。
【符号の説明】
11 真空槽 12,14,16 遮蔽板 13 基板ホルダー 15 真空ポンプ 17 モータ 20,40 成膜プロセスゾーン 21a,21b、41a,41b スパッタ電極 23、43 スパッタ用交流電源 24 トランス 25,45 マスフローコントローラ 27,47 スパッタガスボンベ 29a,29b、49a,49b ターゲット 60 反応プロセスゾーン 61 活性種発生装置 63 反応性ガスプラズマ発生室 65 電極 67 マッチングボックス 69 高周波電源 71 外部コイル 73 内部コイル 77 マスフローコントローラ 79 反応性ガスボンベ 81 グリッド 91 渦巻き状電極 93 平板電極 95 コイル状電極 101 マルチ・アパーチャ・グリッド 103 穴 105 冷却管 111 マルチ・スリット・グリッド 113 スリット 115 冷却管 121 成膜室 123 基板ロード室 125 基板アンロード室 131,133,135,137 ゲートバルブ 141 基板 143 基板ホルダ 151,161,171 遮蔽板 153,163 成膜プロセスゾーン 155a,155b、165a,165b ターゲット 173 反応プロセスゾーン 175 活性種発生装置

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接地電位から電気的に絶縁された一対の
    同種または異種のマグネトロンスパッタリングターゲッ
    トを用い、それぞれのターゲットに接地電位からプラス
    とマイナスに交互に交流電圧を印加することにより、常
    にいずれか一方のターゲットがカソードとなり他方のタ
    ーゲットがアノードとなるようにし、真空槽内で基板上
    に金属ないし金属の不完全反応物からなる金属超薄膜を
    形成する工程と、 この金属超薄膜に電気的に中性な反応性ガスの活性種を
    接触せしめ、金属超薄膜と反応性ガスの活性種とを反応
    せしめて金属化合物超薄膜に変換せしめる工程とを順次
    繰り返し、 金属化合物超薄膜を複数層形成して堆積することによ
    り、目的とする膜厚の金属化合物薄膜を基板上に形成す
    ることを特徴とする金属化合物薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 1〜100KHzの範囲の交流電圧を印
    加する請求項1に記載の金属化合物薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記反応性ガスの活性種が、ラジカルま
    たは励起状態にあるラジカル、原子あるいは分子である
    請求項1または2に記載の金属化合物薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 反応性ガスを導入して高周波電力を印加
    し、放電することより、反応性ガスイオン、電子および
    電気的に中性の活性種とを構成要素とする反応性ガスプ
    ラズマを反応性ガスプラズマ発生室内に発生せしめ;こ
    の反応性ガスプラズマから荷電粒子である電子およびイ
    オンを選択的にトラップし、一方、電気的に中性の活性
    種を選択的に通過せしめるグリッドを用いて電気的に中
    性の活性種を反応性ガスプラズマ発生室から真空槽内に
    取り出して金属超薄膜と接触せしめ反応さる請求項1〜
    3のいずれか一項に記載の金属化合物薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記グリッドがマルチ・アパッチャ・グ
    リッドまたはマルチ・スリット・グリッドである請求項
    4に記載の金属化合物薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 マグネトロンスパッタリング装置におい
    て;接地電位から電気的に絶縁された一対の同種または
    異種のマグネトロンスパッタリングターゲットを用い、
    それぞれのターゲットに接地電位からプラスとマイナス
    に交互に交流電圧を印加することにより、常にいずれか
    一方のターゲットがカソードとなり他方のターゲットが
    アノードとなるようにして基板上に、金属ないし金属の
    不完全反応物からなる金属超薄膜を形成する工程を行な
    う成膜プロセスゾーンと;この金属超薄膜に電気的に中
    性な反応性ガスの活性種を接触せしめ、金属超薄膜と反
    応性ガスの活性種とを反応せしめて金属化合物超薄膜に
    変換せしめる工程を行なう反応プロセスゾーンと;成膜
    プロセスゾーンと反応プロセスゾーンとの間で基板を搬
    送する搬送手段と;成膜プロセスゾーンと反応プロセス
    ゾーンとを空間的、圧力的に分離して成膜プロセスゾー
    ンに反応性ガスが混入することを防止する遮蔽手段とを
    具え;安定な成膜プロセスゾーンと反応プロセスゾーン
    との間で基板を複数回繰り返して搬送、処理し、金属化
    合物超薄膜を複数層形成して堆積することにより、目的
    とする膜厚の金属化合物薄膜を基板上に形成することを
    特徴とする成膜装置。
  7. 【請求項7】 1〜100KHzの範囲の交流電圧を印
    加する請求項6に記載の成膜装置。
  8. 【請求項8】 前記反応性ガスの活性種がラジカルまた
    は励起状態にあるラジカル、原子あるいは分子である請
    求項6に記載の成膜装置。
  9. 【請求項9】 前記活性種を発生する活性種発生装置
    が、反応性ガスを導入し高周波電力を印加することによ
    り、反応性ガスイオン、電子および電気的に中性の活性
    種とを構成要素とする反応性ガスプラズマを発生させる
    反応性ガスプラズマ発生部と、この反応性ガスプラズマ
    から荷電粒子である電子およびイオンを選択的にトラッ
    プし、一方、電気的に中性の活性種を選択的に通過せし
    めるグリッドとを具え、電気的に中性の活性種を反応プ
    ロセスゾーンに供給する請求項6〜8のいずれか一項に
    記載の成膜装置。
  10. 【請求項10】 前記グリッドが、マルチ・アパッチャ
    ・グリッドまたはマルチ・スリット・グリッドである請
    求項9に記載の成膜装置。
  11. 【請求項11】 前記活性種発生装置の反応性ガスプラ
    ズマ発生部として、円筒状の誘電体の大気側周面にコイ
    ル状の電極を配置し、このコイル状電極に100KHz
    〜50MHzの高周波電力を印加してプラズマを発生さ
    せる誘導結合型プラズマ発生源を用いる請求項9に記載
    の成膜装置。
  12. 【請求項12】 前記活性種発生装置の反応性ガスプラ
    ズマ発生部として、円盤状の誘電体の大気側に渦巻き状
    コイルの電極を配置し、この渦巻き状コイル電極に10
    0KHz〜50MHzの高周波電力を印加してプラズマ
    を発生させる誘導結合型プラズマ発生源を用いる請求項
    9に記載の成膜装置。
  13. 【請求項13】 前記活性種発生装置の反応性ガスプラ
    ズマ発生部として、反応ガスプラズマ発生部内部に平板
    状の電極を配置し、この平板状電極に100KHz〜5
    0MHzの高周波電力を印加してプラズマを発生させる
    容量結合型プラズマ発生源を用いる請求項9に記載の成
    膜装置。
  14. 【請求項14】 前記活性種発生装置の反応性ガスプラ
    ズマ発生部として、反応ガス発生部内部にコイル状の電
    極または渦巻き状のコイル電極を配置し、これら電極に
    100KHz〜50MHzの高周波電力を印加して誘導
    結合型プラズマと容量結合型プラズマとが混存するプラ
    ズマ発生源を用いる請求項9に記載の成膜装置。
  15. 【請求項15】 前記活性種発生装置の活性種の発生効
    率を高めるために、反応性ガスプラズマ発生部でヘリコ
    ン波プラズマを発生させる請求項9〜14のいずれか一
    項に記載の成膜装置。
  16. 【請求項16】 前記活性種発生装置の活性種の発生効
    率を高めるために、反応性ガスプラズマ発生部に、20
    〜300ガウスの磁場を形成する外部コイルあるいは内
    部コイルを具えている請求項9〜15のいずれか一項に
    記載の成膜装置。
  17. 【請求項17】 基板における異常放電を防止するため
    に、基板を支持する基板ホルダーを装置電位から電気的
    に絶縁する請求項6に記載の成膜装置。
  18. 【請求項18】 請求項6に記載の成膜装置であって、
    成膜プロセスゾーンと反応プロセスゾーンを備えた成膜
    室の前後に更に、基板ホルダーの脱着・排気・必要によ
    る前処理の行える基板ロード室と、基板ホルダーの脱着
    ・排気・必要による後処理が行なえる基板アンロード室
    の2つの室を有し、各室は圧力的に隔離され各々独自の
    排気系を有し、基板ロード室−成膜室−基板アンロード
    室間に基板を搬送することにより、薄膜形成の逐時処理
    を行うことを特徴とする成膜装置。
JP10197698A 1998-03-05 1998-03-30 金属酸化物光学薄膜の形成方法および成膜装置 Expired - Lifetime JP3735462B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10197698A JP3735462B2 (ja) 1998-03-30 1998-03-30 金属酸化物光学薄膜の形成方法および成膜装置
US09/092,644 US6103320A (en) 1998-03-05 1998-06-09 Method for forming a thin film of a metal compound by vacuum deposition
DE1998625138 DE69825138T2 (de) 1998-03-05 1998-08-19 Verfahren und Vorrichtung zum Herstellen von dünnen Schichten einer Metallverbindung
EP98115624A EP0940481B1 (en) 1998-03-05 1998-08-19 Method and apparatus for forming a thin film of a metal compound
US09/517,340 US6274014B1 (en) 1998-03-05 2000-03-02 Method for forming a thin film of a metal compound by vacuum deposition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10197698A JP3735462B2 (ja) 1998-03-30 1998-03-30 金属酸化物光学薄膜の形成方法および成膜装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11279758A true JPH11279758A (ja) 1999-10-12
JP3735462B2 JP3735462B2 (ja) 2006-01-18

Family

ID=14314907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10197698A Expired - Lifetime JP3735462B2 (ja) 1998-03-05 1998-03-30 金属酸化物光学薄膜の形成方法および成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3735462B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256429A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Tomonobu Hata スパッタリング装置
JP2006509102A (ja) * 2002-12-04 2006-03-16 ライボルト オプティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 多層膜を製造する方法および前記方法を実施するための装置
JP2007092095A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Shincron:Kk 薄膜形成方法及び薄膜形成装置
JP2007308795A (ja) * 2006-04-17 2007-11-29 Shincron:Kk 有色基材の製造方法および有色基材
JP2010168665A (ja) * 2002-12-04 2010-08-05 Leybold Optics Gmbh 多層膜を製造する方法および前記方法を実施するための装置
JP2010212234A (ja) * 2009-02-13 2010-09-24 Y S Denshi Kogyo Kk プラズマ発生装置
WO2010124271A2 (en) * 2009-04-24 2010-10-28 Ovshinsky Innovation, Llc Thin film deposition via charged particle-depleted plasma achieved by magnetic confinement
JP4919367B1 (ja) * 2011-08-02 2012-04-18 株式会社シンクロン 炭化珪素薄膜の成膜方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6191377A (ja) * 1984-10-12 1986-05-09 Anelva Corp 表面処理装置
JPS61222534A (ja) * 1985-03-28 1986-10-03 Anelva Corp 表面処理方法および装置
JPS62227089A (ja) * 1986-03-27 1987-10-06 Anelva Corp 表面処理方法および装置
JPH03223458A (ja) * 1990-01-26 1991-10-02 Anelva Corp 酸化物超電導体薄膜作製用スパッタリング装置
JPH05148644A (ja) * 1991-11-26 1993-06-15 Asahi Glass Co Ltd スパツタリング装置
JPH05222530A (ja) * 1991-11-26 1993-08-31 Leybold Ag 基板の被覆方法および被覆装置
JPH0715731B2 (ja) * 1987-09-28 1995-02-22 富士通株式会社 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JPH07150348A (ja) * 1993-11-26 1995-06-13 Shindengen Electric Mfg Co Ltd スパッタ装置用電源
JPH09263937A (ja) * 1996-03-26 1997-10-07 Shincron:Kk 薄膜形成方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6191377A (ja) * 1984-10-12 1986-05-09 Anelva Corp 表面処理装置
JPS61222534A (ja) * 1985-03-28 1986-10-03 Anelva Corp 表面処理方法および装置
JPS62227089A (ja) * 1986-03-27 1987-10-06 Anelva Corp 表面処理方法および装置
JPH0715731B2 (ja) * 1987-09-28 1995-02-22 富士通株式会社 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JPH03223458A (ja) * 1990-01-26 1991-10-02 Anelva Corp 酸化物超電導体薄膜作製用スパッタリング装置
JPH05148644A (ja) * 1991-11-26 1993-06-15 Asahi Glass Co Ltd スパツタリング装置
JPH05222530A (ja) * 1991-11-26 1993-08-31 Leybold Ag 基板の被覆方法および被覆装置
JPH07150348A (ja) * 1993-11-26 1995-06-13 Shindengen Electric Mfg Co Ltd スパッタ装置用電源
JPH09263937A (ja) * 1996-03-26 1997-10-07 Shincron:Kk 薄膜形成方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256429A (ja) * 2001-02-28 2002-09-11 Tomonobu Hata スパッタリング装置
JP4573450B2 (ja) * 2001-02-28 2010-11-04 朋延 畑 スパッタリング装置
JP2006509102A (ja) * 2002-12-04 2006-03-16 ライボルト オプティクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 多層膜を製造する方法および前記方法を実施するための装置
JP2010168665A (ja) * 2002-12-04 2010-08-05 Leybold Optics Gmbh 多層膜を製造する方法および前記方法を実施するための装置
JP2007092095A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Shincron:Kk 薄膜形成方法及び薄膜形成装置
JP2007308795A (ja) * 2006-04-17 2007-11-29 Shincron:Kk 有色基材の製造方法および有色基材
JP2010212234A (ja) * 2009-02-13 2010-09-24 Y S Denshi Kogyo Kk プラズマ発生装置
WO2010124271A2 (en) * 2009-04-24 2010-10-28 Ovshinsky Innovation, Llc Thin film deposition via charged particle-depleted plasma achieved by magnetic confinement
WO2010124271A3 (en) * 2009-04-24 2011-01-20 Ovshinsky Innovation, Llc Thin film deposition via charged particle-depleted plasma achieved by magnetic confinement
JP4919367B1 (ja) * 2011-08-02 2012-04-18 株式会社シンクロン 炭化珪素薄膜の成膜方法
WO2013018192A1 (ja) * 2011-08-02 2013-02-07 株式会社シンクロン 炭化珪素薄膜の成膜方法
US9157146B2 (en) 2011-08-02 2015-10-13 Shincron Co., Ltd. Method for depositing silicon carbide film

Also Published As

Publication number Publication date
JP3735462B2 (ja) 2006-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6103320A (en) Method for forming a thin film of a metal compound by vacuum deposition
JP3774353B2 (ja) 金属化合物薄膜の形成方法およびその形成装置
EP1640474B1 (en) Thin film forming device
JP3735461B2 (ja) 複合金属の化合物薄膜形成方法及びその薄膜形成装置
TWI485279B (zh) 同軸型微波輔助之沉積與蝕刻系統
JPH11256327A (ja) 金属化合物薄膜の形成方法および成膜装置
EP2354268A1 (en) Method of manufacturing optical filter
WO2006013968A1 (ja) 薄膜形成装置
EP0719874A1 (en) Process of and apparatus for forming thin films of metallic compounds
JP3735462B2 (ja) 金属酸化物光学薄膜の形成方法および成膜装置
JP2004204304A (ja) 薄膜の製造方法およびスパッタリング装置
JP3779317B2 (ja) 薄膜の形成方法
JPH08188873A (ja) 多層光学フィルムを形成するための方法及び装置
JP2002256428A (ja) スパッタリング装置
JPH11269643A (ja) 成膜装置およびそれを用いた成膜方法
JP3738154B2 (ja) 複合金属化合物の薄膜形成方法及びその薄膜形成装置
JP5312138B2 (ja) スパッタリング方法
JP4480336B2 (ja) 誘電体薄膜の製造方法及び製造装置
JPH02133564A (ja) 密着性および耐食性に優れたセラミック被覆鋼板の製造方法
JPH11172428A (ja) 化合物膜の相制御成膜法
JP2001279440A (ja) Co含有酸化物膜の成膜方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040224

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051024

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081028

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091028

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101028

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101028

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111028

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121028

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131028

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term