JP2002256429A - スパッタリング装置 - Google Patents
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Abstract
造で制御が容易で、安価であるとともに、高速、かつ、
安定な高品質な成膜を可能とし、金属薄膜から酸化物膜
や窒化物等を生成する化成機能を有する新しいスパッタ
装置を提供する。 【解決手段】 金属薄膜を成膜する金属薄膜スパッタ成
膜部(2)(3)とともに、金属薄膜の成膜直後に活性
ガスのプラズマ照射による反応で金属化合物膜を形成す
る金属化合物膜生成部(4)とを備えたスパッタリング
装置であって、回転機構を備えたドラムを備え、このド
ラム周面には、表面に金属化合物薄膜を生成するための
基板(1)群が配置されており、ドラム周面に対向して
金属薄膜スパッタ成膜部(2)(3)および金属化合物
膜生成部(4)が配置されている。
Description
リング装置に関するものである。さらに詳しくは、この
出願の発明は、光学薄膜の成膜等に有用な、構造が簡単
で安価であって、しかも高速、かつ、安定な高品質成膜
を可能とする、新しいスパッタリング装置に関するもの
である。
る場合に、従来一般的には真空蒸着装置が用いられてお
り、非常に高度な光学薄膜形成用の制御機器を用いて成
膜している。一方、最近になって制御性の良いスパッタ
リング装置が光学薄膜形成用に用いられるようになり、
いくつかの装置が提案されている。
この装置は、小さな蒸発源から蒸発源を取り囲む大きな
面積の基板に対して均一な成膜を行うことに特徴があ
り、蒸発源と基板は通常500mm以上の距離を保って
いる。基板は公転ドームやプラネタリー治具等を用いて
基板への成膜の均一化を図っている。
ム照射による加熱が行われており、蒸発材料はその蒸発
源に必要量投入して加熱蒸発をさせる方法が取られてい
る。したがって蒸着作業の度に蒸発源は整備して毎回同
じ量の蒸発材料を投入したり、同じ蒸発量が確保できる
ように蒸発源の整備が必要であった。
めに基板ホルダー、すなわち治具近辺にはモニターを設
け、直接そのモニターに入る蒸発量を読み取り蒸着の終
了時期を判断したり、成膜速度を感知して蒸発源の蒸発
量の制御に行ったりしている。しかし蒸発速度の制御が
非常に困難を極めていた。なぜなら、蒸発源は抵抗加熱
や電子ビーム照射により加熱が行われ、蒸発はその加熱
のエネルギーにより成されるものであるから、その応答
性は決して迅速とはいえないものである。そのため蒸発
源の加熱入力と蒸着膜量の観測を電子計算機等により計
算し制御することにより精密な制御を行っていた。蒸着
モニターとしては、膜の質量を水晶振動子の周波数変動
を電気的に読み取ることにより膜の厚さを観測する方法
や、膜に対して特定の波長の光を投入せしめて、その透
過率変化を電気的に読み取ることにより蒸着量を読み取
る方法が知られている。また、酸化物や窒化物のように
透明膜の膜厚を読み取る方法としては、透明な基板に透
明な膜を蒸着させ、膜に単色光を通過させるその透過率
又は反射率を読み取り光学的膜厚を計算により求めて蒸
着膜厚を制御する方法などが採用されている。
装置とは異なり、蒸発源は非常に広い面積を持ったター
ゲットと呼ばれる板状で供給され、そのターゲットに照
射されるイオンの衝撃で蒸発材料である板を熱的に溶解
することなく蒸発させることができる。多くの場合蒸発
量はイオンの電流に比例しているため、蒸着量を制御す
ることが比較的容易である。このために安定した蒸発量
の制御、蒸発源のメンテナンス性の良さ、などから大量
生産用の装置として使用されてきている。蒸着装置のよ
うに毎回蒸発源を整備する必要がなく、ターゲットの寿
命まで殆どメンテナンスを必要としないことも大きなメ
リットである。
10-4Pa程度の圧力であるが、スパッタリングの場合
は10-1Pa程度の圧力となる。この圧力の違いは蒸発
源から基板までの距離に大きな影響をもたらしている。
小さな面積の蒸発源から大きな面積へ均一な蒸着を行う
ためには蒸着距離を大きくとることにより実現できる。
そのために蒸着圧力は低いほうが好都合である。しかし
スパッタリングは放電現象を用いるため蒸着装置より高
い圧力中で行わなければならない。したがって、蒸発量
を確保するためには蒸発源から蒸発した粒子が散乱しな
い程度の短い蒸着距離で蒸着しなければならない。その
ため、蒸発源を大きな面積にして大きな面積に対して蒸
着できるような工夫がなされている。
はイオン電流と所要時間を正確に制御することでほぼ所
定の膜厚を得ることができる。したがって、蒸着装置に
使用されるような高度な蒸着制御装置は用いられていな
い。また大きな面積の蒸発源からほぼ蒸発源と同じ程度
の基板に対して蒸着しているためにモニターを挿入する
場所がなく、基板と膜厚をモニターで捕らえることがで
きないため、イオン電流の電力制御と時間制御の方法が
確立されてきた。
蒸着装置による製法が確立されており、スパッタリング
は適さないとしてあまり試みられていなかった。それは
光学膜の膜質が非常に緻密な膜であることから、多くの
場合、高真空中で基板を加熱しながら真空蒸着によって
成膜することで緻密な膜を得ていた。スパッタリングは
スパッタガスの雰囲気中で行われるためにガスを膜中に
取り込み緻密な膜は得られにくいとされていた。また酸
化物等の膜は高周波の反応スパッタリングで行わねばな
らず、高速で行うためには不向きであった。通常直流の
電源を用いた金属のスパッタリングに比べて高周波を用
いた金属化合物のスパッタリングは成膜速度が半分以下
になるほど小さいのである。
タリングで光学薄膜用の金属酸化物や金属窒化物の薄膜
を成膜することはあまり行われていなかった。しかしス
パッタリングの制御性の良さ、蒸発源のメンテナンスの
良さ等から、スパッタリング装置を金属酸化物の薄膜に
用いることが行われ始めてきた。1987年に、真空器
械工業(株)により、減圧雰囲気下で基板上に超薄膜を
堆積する工程と、この薄膜にイオンビーム照射する工程
とを繰り返し、所望の膜厚の薄膜とする薄膜形成方法の
特許が公開(特開昭62−284076:特許2116
322)され、また、1988年には、Optical Coatin
g Laboratory, Inc., USAによって、金属膜を形成した
後に膜をイオン源により酸化させる方法が発表された
(USP#2,851,095)。金属膜を成膜した後
に膜を酸化する方法は、その後いくつか発表されてい
る。C−MAG,Twin−MAG,Plasmaguide法、
ラジカルソース法などの手法である。
あったり、制御が非常に複雑などの問題があった。光学
薄膜を成膜するための方法、装置として提案されている
スパッタ装置では、スパッタした金属膜に酸素や窒素の
活性種を照射することにより酸化や窒化の化成を行って
いる。そして、この活性種を得る手段としてイオンソー
スやプラズマソースを用いている。イオンソースやプラ
ズマソースやその他の機構はガスをイオン化する方法で
各々の方法によりイオンや活性種のエネルギーの大きさ
が異なっている。しかしながら、イオンソースはイオン
の持つエネルギーを制御しやすいが、広い面積に均一に
照射しようとするとその制御機構に複雑なイオンビーム
スキャン機構を設けなければならず非常に高価となる。
また、プラズマソースはプラズマを発生させるための電
界や磁場を用いたり熱電子を発生させるためのフィラメ
ントが用いられたりしている。このための装置も高価と
なり、制御は複雑で容易ではない。
の活性種を照射する方法として、簡単で制御性が容易で
安価な化成機能を持った新しい手段が求められていた。
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの従来技術の
問題点を解消し、光学薄膜の成膜等に有用であって、簡
単な構造で制御が容易で、安価であるとともに、高速、
かつ、安定な高品質な成膜を可能とし、金属薄膜から酸
化物膜や窒化物等を生成する化成機能を有する新しいス
パッタ装置を提供することを課題としている。
の課題を解決するものとして、第1には、金属薄膜を成
膜する金属薄膜スパッタ成膜部とともに、金属薄膜の成
膜直後に活性ガスのプラズマ照射による反応で金属化合
物膜を形成する金属化合物膜生成部とを備えたスパッタ
リング装置であって、回転機構を備えたドラムを備え、
このドラム周面には、表面に金属化合物薄膜が生成され
る基板もしくは基板群が配置されており、ドラム周面に
対向して金属薄膜スパッタ成膜部および金属化合物膜生
成部が配置されていることを特徴とするスパッタリング
装置を提供する。
て、第2には、金属化合物膜生成部には逆スパッタ電極
部が備えられており、この逆スパッタ電極部でのスパッ
タリングで金属化合物膜が生成されることを特徴とする
スパッタリング装置を提供し、第3には、逆スパッタ電
極部には活性ガスの導入部が配設されているとともに、
金属薄膜スパッタ成膜部との間にはガス排気部または隔
壁が設けられていることを特徴とするスパッタリング装
置を提供し、第4には、異なる金属薄膜を成膜する複数
の金属薄膜スパッタ成膜部を備えていることを特徴とす
るスパッタリング装置を、第5には、異なる金属化合物
膜を生成させる複数の金属化合物膜生成部を備えている
ことを特徴とするスパッタリング装置を提供する。
ッタリング装置であって、光学薄膜を成膜する装置であ
ることを特徴とするスパッタリング装置を提供する。以
上のとおりのこの出願の発明については、次のとおりの
ことが考慮されるべきである。
成のための化成機能については、従来の知見によれば、
最も簡単な方法としては基板に負のバイアス電圧を印加
し発生したプラズマからイオンを引き出し基板に照射す
る方法がある。ところがこの方法は陰極となる基板ホル
ダの面積と陽極となるチャンバー全体の面積の比で基板
に印可される電位が決まってしまう。このため、一般の
場合基板ホルダーに高周波の電位をかけるために基板ホ
ルダーの面積が大きすぎたり小さすぎたりして希望する
バイアス電圧をかけることができないという問題があ
る。また、広い基板内の必要な部分だけに高周波電位を
印加する為に、ホルダーの構造を工夫する必要があっ
た。この電極の構造を工夫する為には、放電させる面の
みを露出させ、他の部分はシールドで覆う必要があっ
た。シールド部の面積が多くなると、ホルダーの固有静
電容量が大きくなり、高周波の電力整合を取ることが、
困難になるなどの問題があった。
いる逆スパッタ技術として、希望するバイアス電圧を印
可するために、カップガンと呼ばれる逆スパッタガンを
開発して特許を取得している。特許番号は日本1135
314、米国4351714、英国2077030、西
独3116731である。
可した電極の面積とこの電極を取り囲む他の電極の面積
比に依存するという事実を見出したことから発明された
技術である。
高周波を印可するために基板ホルダーに特殊な電極構造
をとらなければならなかったが、この方法を用いれば基
板ホルダーには高周波を印可しなくとも基板ホルダーの
一部を囲う他の電極を形成すればよく、基板を固定する
関係から複雑な構造をとらざるを得ない基板ホルダーは
アース電位のまま、このホルダーの一部を覆うような構
造で高周波電極を配置することを特徴としたバイアス機
構である。
圧の最適値を得るためにその電極の表面積や大きさを自
由に選ぶことができるのである。
の特徴をもつものであるが、以下に、その実施の形態に
ついて説明する。
いては、真空槽内部に基板を設置し、同じく真空槽内部
に設置された金属ターゲットをスパッタ源とし、基板上
に金属薄膜を成膜する。真空槽には、スパッタガスを導
入するための導入口、活性ガスを導入するための導入
口、また、それぞれを排出するための排出口が配設され
ている。
マ照射による反応で金属化合物膜を形成する。金属化合
物膜を形成するための金属化合物膜生成部には逆スパッ
タ電極が備えられている。逆スパッタ電極には高周波電
位が印加できるようになっており、逆スパッタ電極部近
傍に活性ガスを導入することで、活性ガスのプラズマを
発生せしめ、金属薄膜と数秒間反応させることで金属化
合物膜とする。特に大面積の基板に対してこの方法を使
用する場合には、金属化合物膜の均一性を高めるため
に、基板ホルダを逆スパッタ電極に対面させつつ連続的
に通過移動させる手段をとっている。
表面に金属化合物膜を生成するための基板もしくは基板
群が周面に配置されたドラムを備えており、このドラム
は回転機構が備えられている。そして、このドラムを回
転させつつ、ドラム周面に対向して配置された金属薄膜
スパッタ成膜部および金属化合物膜生成部により金属薄
膜および金属化合物膜を基板表面に生成させる。スパッ
タ源と金属薄膜スパッタ成膜部との間には、ガス排気部
または隔壁が設けられている。
のスパッタリング装置は、均一な厚さをもつ金属化合膜
を、短時間で大量に成膜することが可能である。この出
願の発明のスパッタリング装置においては、スパッタ源
や活性ガスの設定を適宜に設定することで、光学薄膜を
成膜することも可能である。
この出願の発明によれば、成膜後の金属膜の酸化の方法
として逆スパッタ源を用いており、従来よりも安価で制
御性の良い酸化膜形成を可能とする。
施例を説明する。
域を交互に設けたドラム回転式スパッタ装置を図2のよ
うに構成する。一例として直径700mmφ、長さ70
0mmの円筒形の外壁に50mm角の基板(1)を多数
貼り付け、この表面に異なる材質の2種類の酸化物を形
成する装置において、ドラムに面して相対した例えば1
80度離れた領域にそれぞれの材質の金属ターゲットを
各1枚をドラムの軸方向に長い長方形のターゲットを、
スパッタ源(2)(3)として、配置する。この2枚の
ターゲットのそれぞれと90度離れた位置に酸化膜形成
用の逆スパッタ源(4)を配置する。スパッタ源(2)
(3)と逆スパッタ源(4)の間にはスパッタガスの行
き来を防ぐために排気口(5)または隔壁(6)を設け
て、逆スパッタ源(4)に投入した酸素等の活性ガスが
スパッタ源(2)(3)の方に流れ込まないようにして
いる。
ターゲットを装着し、スパッタガス導入口(7)よりア
ルゴンガスを導入してSiスパッタを行う。膜厚はドラ
ムがスパッタ源(2)の面を1回通過する間にたとえば
0.2〜1.0nmの膜を形成する。同時に逆スパッタ
源(4)では、活性ガス導入口(8)より酸素ガスを投
入してSi膜の酸化を行う。これも1回通過する間にタ
ーゲットが形成した、たとえば0.2〜1.0nmの膜
を酸化させるに必要なイオンを照射出来る条件の高周波
プラズマ(5)を形成する。この方法で所定の膜厚例え
ば100nmになるまで連続してスパッタと逆スパッタ
を連続して行うことにより、所定の金属酸化物を得るこ
とができる。反射防止膜のような異なった屈折率の膜を
交互に形成するような場合は、それぞれ必要な膜厚だけ
形成して積層することで所定の膜構造にすることができ
る。
タ装置はプラズマ源が簡単であることから安価で制御性
の良い、金属酸化物等の形成が行える装置として最適な
ものである。
置により行う方法がいくつか提案されているが、いずれ
も高価なイオンソースやプラズマソースを用いたもので
ある。これに対して、この出願の発明によれば、装置が
簡単で安価で制御性の良い逆スパッタ電極を用いて、高
速、かつ、安定なスパッタリングを行うことのできる光
学薄膜成膜用スパッタリング装置等が提供されることに
なる。
ム回転式のスパッタ装置に限定されることはない。各種
の形態、態様が採用されてよいことは言うまでもない。
明したとおり、光学薄膜の成膜等に有用であって、簡単
な構造で制御が容易で、安価であるとともに、高速、か
つ、安定な高品質な成膜を可能とし、金属薄膜から酸化
物膜、窒化物膜等を生成する化成機能を有する新しいス
パッタ装置が提供される。
構成を例示した図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属薄膜を成膜する金属薄膜スパッタ成
膜部とともに、金属薄膜の成膜直後に活性ガスのプラズ
マ照射による反応で金属化合物膜を形成する金属化合物
膜生成部とを備えたスパッタリング装置であって、回転
機構を備えたドラムを備え、このドラム周面には、表面
に金属化合物薄膜を生成するための基板もしくは基板群
が配置されており、ドラム周面に対向して金属薄膜スパ
ッタ成膜部および金属化合物膜生成部が配置されている
ことを特徴とするスパッタリング装置。 - 【請求項2】 金属化合物膜生成部には逆スパッタ電極
部が備えられており、この逆スパッタ電極部でのスパッ
タリングで金属化合物膜が生成されることを特徴とする
請求項1のスパッタリング装置。 - 【請求項3】 逆スパッタ電極部には活性ガスの導入部
が配設されているとともに、金属薄膜スパッタ成膜部と
の間にはガス排気部または隔壁が設けられていることを
特徴とする請求項1または2のスパッタリング装置。 - 【請求項4】 異なる金属薄膜を成膜する複数の金属薄
膜スパッタ成膜部を備えていることを特徴とする請求項
1または3のいずれかのスパッタリング装置。 - 【請求項5】 異なる金属化合物膜を生成させる複数の
金属化合物膜生成部を備えていることを特徴とする請求
項1ないし4のいずれかのスパッタリング装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかのスパッタ
リング装置であって、光学薄膜を成膜する装置であるこ
とを特徴とするスパッタリング装置。
Priority Applications (1)
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JP2001055816A JP4573450B2 (ja) | 2001-02-28 | 2001-02-28 | スパッタリング装置 |
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ID=18915941
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