JP2000017431A - MgO膜形成方法およびパネル - Google Patents

MgO膜形成方法およびパネル

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JP2000017431A
JP2000017431A JP10181213A JP18121398A JP2000017431A JP 2000017431 A JP2000017431 A JP 2000017431A JP 10181213 A JP10181213 A JP 10181213A JP 18121398 A JP18121398 A JP 18121398A JP 2000017431 A JP2000017431 A JP 2000017431A
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東 良 一 大
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空成膜装置を用いてMgOの薄膜を形成す
る際プラズマ放電を連続して安定させ、ガラス基板に安
定したMgOの薄膜の形成を行なうこと。 【解決手段】 真空成膜装置10のプラズマガン11に
より真空チャンバ12内に向けてプラズマビーム22を
生成する。このプラズマガン11の出口部に向けて短管
部12Aが突出し、この短管部12Aを包囲するように
収束コイル18が設けられている。プラズマビーム22
によりるつぼ19内のMgO20が蒸発し、蒸発したM
gO20により基板13上にMgOの薄膜が形成され
る。プラズマガン11の出口部にこのプラズマビーム2
2の周囲を取囲む電子帰還電極2が設けられ、プラズマ
ビーム22から生じる反射電子流3は電子帰還電極3に
帰還する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MgOからなる薄
膜を基板上に形成するMgO膜形成方法およびパネルに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりPDPパネルとしてガラス基板
にMgO膜を形成したものが知られている。この場合、
ガラス基板にMgO膜を形成するため、基板が配置され
た真空チャンバと、プラズマビームを生成しこのプラズ
マビームを真空チャンバ内に送るプラズマガンと、プラ
ズマガンから生成されたプラズマビームを収束させる収
束コイルとを備えた真空成膜装置が用いられている。
【0003】このような真空成膜装置において、プラズ
マガンから生成されたプラズマビームは真空チャンバ内
に送られ、真空チャンバ内に設置されたるつぼ内の成膜
材料(MgO)に照射する。プラズマビームが照射した
成膜材料は蒸発した後、基板上に蒸着してMgOの薄膜
を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の真空成
膜装置により薄膜を形成する場合、成膜材料がるつぼの
表面、または真空チャンバの内面等に付着し、特に、る
つぼの表面が電気的に絶縁された状態となり、真空チャ
ンバ内で通電不能となる。この結果、電極各部がチャー
ジアップする現象が時間経過とともに進行する。このた
め、プラズマビームに対する連続的な安定制御ができな
くなり、成膜の安定性が損なわれるという問題が生じ
る。なお、このような現象が生じた場合、プラズマビー
ムから生じた反射電子流は通電不能となった部分に入射
しようとするが反射され、イオンとの結合により電気的
に中和されるか、最終的に電気的帰還が可能な場所に到
達するまで電子の反射は繰り返されることとなる。
【0005】また、真空チャンバ内には、プラズマビー
ムを制御するための磁場が存在しており、反射電子の動
きはこの磁場により制約を受ける。したがって、プラズ
マガンを使用して成膜材料からなる薄膜を連続的、かつ
安定して形成するためには、磁場分布状態が最適で、か
つ成膜材料が付着しにくい位置に適正に反射電子流を戻
す電子帰還電極を設ける必要がある。
【0006】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、プラズマビームが成膜材料に照射されて生
成した真空チャンバ内の反射電子流を適正に電子帰還電
極に戻すことにより、真空チャンバ内でプラズマビーム
を安定して形成し、これによって基板上にMgOの薄膜
を安定して形成することができるMgO膜形成方法およ
びMgO膜が形成されたパネルを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部にMgO
を収納したるつぼと基板が配置されるとともに、接地さ
れた真空チャンバと、真空チャンバに向けてプラズマビ
ームを生成する圧力勾配型プラズマガンと、プラズマガ
ンにより生成したプラズマビームを磁場により軌道およ
び/あるいは形状を制御させてるつぼ内のMgOに照射
させ、このMgOを基板に蒸着させる永久磁石および収
束コイルを用いる制御手段と、真空チャンバ内のうちプ
ラズマガン側にプラズマビーム外周を取囲んで設けら
れ、MgOに照射されたプラズマビームが生じる反射電
子流が帰還する電子帰還電極とを備えた真空成膜装置を
用いたMgO膜形成方法において、るつぼ内にMgOを
収納する工程と、プラズマガンを作動させて、プラズマ
ビームを生成し、このプラズマビームをるつぼ内のMg
Oに照射する工程と、ビームがMgOに照射した際生じ
る反射電子流を帰還電極に戻すとともに、るつぼから蒸
発するMgOをイオン化して基板に蒸着させてMgO膜
を形成する工程と、を備えたことを特徴とするMgO膜
形成方法、および基板と、基板上に蒸着されMgO膜と
からなり、上記記載のMgO膜形成によって形成された
パネルである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。図1、図2および図13は本発明の一実施の
形態を示す図である。
【0009】まず図2により、本発明によるMgO膜形
成方法を行なう真空成膜装置10が組込まれたシステム
全体の概略について説明する。まずテーブル51上に設
けられた基板13がロードロック室52内に搬送され、
このロードロック室52内で加熱装置52aにより加熱
されるようになっている。この場合、ロードロック室5
2は、真空ポンプ53により吸引される。
【0010】ロードロック室52内の基板13は、次に
真空成膜装置10の上方部分54に搬送され、この真空
成膜装置10の上方部分54内において、搬送される基
板13の下面に薄膜が形成されるようになっている。な
お、基板13の搬送速度は搬送速度計54aによって測
定される。また真空成膜装置10は真空チャンバ12
と、プラズマガン11とを備えている。さらに真空チャ
ンバ12には真空ポンプ54によって吸引され、さらに
真空チャンバ12には質量分析計55が接続されてい
る。
【0011】次に図1により真空成膜装置10について
詳述する。真空成膜装置10は、上述のように真空ポン
プ54により吸引されるとともに接地された真空チャン
バ12と、真空チャンバ12に短管部12Aを介して取
付けられるとともに、プラズマビーム22を生成し、こ
のプラズマビーム22を真空チャンバ12内に供給する
プラズマガン11とを備えている。また真空チャンバ1
0の上方部分54には、ロードロック室52から搬送さ
れた基板13が配設されている。この場合、基板13
は、例えばソーダライムガラス(AS1400×100
0×2.8t旭硝子(株))のようなガラス材からな
り、PDPパネル65(図13参照)を作製するために
用いられる。
【0012】図1に示すようにプラズマガン11は、放
電電源14のマイナス側に接続された環状の陰極15
と、放電電源14のプラス側に抵抗を介して接続された
環状の第1中間電極16および第2中間電極17とを有
し、陰極15側から放電ガス(Ar)が供給され、この
放電ガスをプラズマ状態にして第2中間電極17から真
空チャンバ12内に向けて流出させるようになってい
る。
【0013】また、真空チャンバ12と第2中間電極1
7との間の短管部12Aの外側には、この短管部12A
を包囲するように収束コイル18が設けられている。こ
の収束コイル18はプラズマビーム22を磁場により軌
道および/あるいは形状を制御するものであり、このよ
うな制御としてはプラズマビーム22の収束、平らな形
状にすること、およびるつぼ内に引っ込む等の制御が考
えられる。また真空チャンバ12内の下部には、放電電
源14のプラス側に接続された導電性材料からなるるつ
ぼ19が配置されており、このるつぼ19上に薄膜の材
料となる成膜材料(MgO)20が収納されている。さ
らに、るつぼ19の内部にはるつぼ用磁石21が設けら
れている。また、るつぼ19は真空チャンバ12および
アース60に対して電気的に浮遊状態となっている。
【0014】また図に示すように、短管部12A内にプ
ラズマガン11の出口部から絶縁管1が突設され、この
絶縁管1はプラズマビーム22の周囲を取囲み、プラズ
マガン11から電気的に浮遊状態となっている。また真
空チャンバ12に連結された短管部12A内に、絶縁管
1の外周側を取巻くとともに、放電電源14のプラス側
に接続され、プラズマガン11の出口部よりも高い電位
状態となる電子帰還電極2が設けられている。なお、前
記絶縁管1としては、たとえば、セラミック製短管が採
用される。
【0015】さらにまた、真空チャンバ12の内面に
は、真空チャンバ12から電気的に浮遊状態となる防着
板40が設けられている。この防着板40はSUS板か
らなり、後述するプラズマビーム2が成膜材料(Mg
O)20に照射した場合に生じる反射電子流3が真空チ
ャンバ12へ帰還して接地されることを防止するもので
ある。なお、防着板40を設ける代わりに、真空チャン
バ12内面に反射電子流が真空チャンバ12へ帰還する
ことを防止するための絶縁コーティング膜(図示せず)
を設けてもよい。
【0016】また真空チャンバ12内には、基板13近
傍に基板13上に形成される薄膜の形成速度を測定する
成膜速度計41が設けられ、また成膜速度計41の下方
には真空チャンバ12内の真空度および成膜真空度を各
々測定する真空計42が設けられている。さらに、真空
チャンバ12内のるつぼ19近傍には、酸素供給管43
が設けられている。
【0017】さらに放電電源14には、プラズマガン1
1の電流値および電圧値を各々測定するプラズマガン電
流計45およびプラズマガン電圧計46が接続され、ま
た電子帰還電極2には電子帰還電極電流を測定する電子
帰還電極電流計47が接続されている。さらにまた真空
チャンバ12とアース60との間には、真空チャンバ1
2からの接地電流を測定する接地電流計48が設けられ
ている。
【0018】なお、上述したプラズマガン電流計45、
プラズマガン電圧計46、電子帰還電極電流計47、接
地電流計48、成膜速度計41、真空計42および搬送
速度計54aからの測定値は、測定値収集ユニット44
内に収集され、この測定値収集ユニット44において、
上述した測定値を一括して収納し、成膜工程を適切に管
理することができるようになっている。
【0019】次にこのような構成からなる真空成膜装置
10を用いたMgO膜形成方法について説明する。
【0020】まず予め、るつぼ19内にMgOのペレッ
トからなる成膜材料20が収納される。次に放電電源1
4によってプラズマガン11が作動して、プラズマガン
11の第2中間電極17から成膜材料20に向けてプラ
ズマビーム22が形成され、プラズマビーム22が成膜
材料(MgO)20に照射される。この場合、るつぼ1
9内の成膜材料20が蒸発し、蒸発した成膜材料20は
イオン化して基板13の下面に蒸着し、基板13の下面
にMgOの薄膜66(図13)が形成される。この間、
プラズマビーム22に対して、収束コイル18はプラズ
マビーム22の横断面を収縮させる作用を行ない、また
るつぼ用磁石21はプラズマビーム22の焦点合わせお
よびプラズマビーム22を曲げさせる作用を行なう。ま
た、プラズマビーム22がるつぼ19内の成膜材料20
に照射され、成膜材料20が蒸発する際、同時に酸素供
給管43から蒸発する成膜材料(MgO)20に対して
酸素を供給し、蒸発するMgOの酸素濃度を高める。
【0021】一般に図13に示すように、基板13とな
るPDPパネル用のガラス板には、予めAg層からなる
導電層61が形成され、このAg層61を囲んでITO
層62および誘電層(PBO2 層)63が形成されてい
る。この場合、PDPパネル用のガラス板13に酸素リ
ッチのMgO膜66を形成することにより、ガラス板1
3に予め形成されたAg層66がMgO膜66側へ拡散
することを防止することができ、Ag層61の拡散によ
り生じる黄変を防止することができる。このようにして
基板13上にMgO膜66を形成することにより、PD
Pパネル65を作製することができる。
【0022】ところでプラズマビーム22がるつぼ19
内の成膜材料20に照射されると、るつぼ19は真空チ
ャンバ12およびアース60に対して電気的に浮遊状態
となっているために、プラズマビーム22が成膜材料2
0から反射して反射電子流3が生じる。この場合、真空
チャンバ12内面には真空チャンバ12から電気的に浮
遊する防着板40が設けられているので、防着板40に
より反射電子流3の真空チャンバ12側への帰還が妨げ
られる。このため大部分の反射電子流3をプラズマビー
ム22の外側を通して電子帰還電極2側へ確実に帰還さ
せることができる。
【0023】次に反射電子流3の流れについてさらに詳
述する。図11に示すように、電子帰還電極2はるつぼ
19から離れた位置に設けられているため、るつぼ19
上から蒸発した成膜材料20が電子帰還電極2に付着し
にくくなっている。また、プラズマガン11から出たプ
ラズマビーム22と電子帰還電極2との間に両者を遮る
絶縁管1が設けられているので、このプラズマビーム2
2が電子帰還電極2に入射して、陰極15と電子帰還電
極2との間で異常放電が発生するのを防止するようにな
っている。このため、反射電子流3はプラズマビーム2
2の外側の、プラズマビーム22とは分離した経路に沿
って電子帰還電極2まで延びて形成され、プラズマビー
ム22が連続的かつ安定して持続される。この持続時間
は絶縁管1および電子帰還電極2を設けない場合に比し
て倍以上となり、飛躍的に向上することが確認されてい
る。また、絶縁管1を設けて、異常放電の発生を防止し
て、プラズマビーム22の電子帰還電極2への流れ込み
による電力ロスを減少させるようにした結果、プラズマ
ガン11から照射するプラズマビーム22が同一の場
合、約20%だけ成膜速度(材料蒸発量)が向上した。
さらに、電子帰還電極2を収束コイル18に近い位置に
設けることにより装置全体が、小型化される。
【0024】なお、るつぼ19は真空チャンバ12およ
びアース60に対して電気的に浮遊状態となっている
が、蒸発材料が絶縁性のもの、例えば、MgOを用いた
場合は、成膜過程においてるつぼ自体が絶縁性となるた
め、真空チャンバ12およびアース60に対して電気的
に浮遊状態にしておかなくても結果として電気的に浮遊
状態となり得る。
【0025】次に図3および図4により、真空成膜装置
10の他の変形例について説明する。図3および図4に
おいて、図1および図2に示す装置と同一の部分につい
ては、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0026】図3および図4に示すように、真空チャン
バ12には一対のプラズマガン11が連結され、各プラ
ズマガン11から発生するプラズマビーム22の横断面
を収縮させるため、各プラズマビーム22に対して同極
性同志(N極同志、或いはS極同志)のシート状磁石
4,4が電子帰還電極2の前方に設けられている。
【0027】このようにシート状磁石4,4を設けるこ
とにより、成膜材料20に入射するプラズマビーム22
をシート状にし、成膜材料20に対する広巾の蒸発源を
形成することができる。このため広巾基板13に対して
適切に薄膜を形成することができる。
【0028】図5〜図11は、真空成膜装置10の他の
変形例を示すプラズマガン11および真空チャンバ12
の短管部12Aの図である。図5〜図11において、図
1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同
一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0029】図5および図6に示す実施の形態は、電子
帰還電極2にその表面に付着する成膜材料20を払拭し
て、除去する旋回式ワイパ5を設け、電子帰還電極2の
表面を反射電子帰還のために良好な状態を長期間保てる
ようにしたものである。
【0030】図7に示す実施の形態は、電子帰還電極2
のプラズマガン11とは反対の側の面6を凹凸形状に形
成して、反射電子帰還のための表面積を増大させたもの
である。
【0031】図8に示す実施の形態は、真空チャンバ1
2の短管部12Aの真空チャンバ12内側開口部に、バ
ッフルプレート7を設けたものである。このバッフルプ
レート7は例えば格子状に、多数の貫通部7aを全面に
わたって万遍なく散在させ、かつ、中央部にプラズマビ
ーム22の通過口7bを設けたものであり、電子帰還電
極2の表面に達するガス状態の成膜材料20の量を減少
させるようにしたものである。なお、このバッフルプレ
ート7は、前述したワイパ5とともに、或いは凹凸の面
6を有する真空成膜装置10にも適用できる。
【0032】これら図5〜図8に示す構成により、より
一層、プラズマビームを連続安定して形成することがで
きるようになる。
【0033】なお、真空成膜装置10は、電子帰還電極
2あるいは絶縁管1の配設位置と断面形状について、前
述した各実施形態に示すものに限定するものではない。
これら電子帰還電極2あるいは絶縁管1の配置位置につ
いては、プラズマビーム22を取り巻くとともに、短管
部12A内であればよく、例えば、図9に示すように、
電子帰還電極2および絶縁管1を短管部12A内の真空
チャンバ12内側に片寄らせて配置してもよい。また断
面形状についても、この図9に示す例では、電子帰還電
極2の断面形状を矩形とし、絶縁管1をプラズマガン1
1側にフランジを有する筒体形状とするのが好ましい。
【0034】このような構成により、さらに一層反射電
子を効率よく捕捉できるようになる。
【0035】図10は、電子帰還電極2内に電子帰還電
流水冷用ジャケット23を形成し、この電子帰還電流水
冷用ジャケット23の入口部に冷却水流入管24を接続
するとともに、その出口部に冷却水流出管25を接続し
て、電子帰還電極2を水冷構造としたものである。
【0036】また、図11は、図8に示すバッフルプレ
ート7内に水冷用ジャケット26を形成し、この水冷用
ジャケット26の入口部に冷却水流入管27を接続する
とともに、その出口部に冷却水流出管28を接続して、
バッフルプレート7を水冷構造としたものである。
【0037】図10および図11において、電子帰還電
極2およびバッフルプレート7のそれぞれの温度上昇を
抑制することができ、投入可能放電電力を増大させ、成
膜速度を向上させ得るようになっている。
【0038】なお、前述した各実施形態において、絶縁
管1はプラズマガン11に対して電気的に浮遊状態に保
たれていれば、その材料は、導電性物質か否かは問わな
い。
【0039】次に図12により真空成膜装置の他の変形
例について説明する。図12に示す実施の形態は、電子
帰還電極2の構成が異なるのみであり、他は図1および
図2に示す実施の形態と同一である。
【0040】図12に示すように、電子帰還電極2は内
部にコイル(又は永久磁石)2aを有し、プラズマガン
11から発生するプラズマビーム22を電子帰還電極2
2に接触させることなく通過させるようになっている。
また電子帰還電極2は、内部にヒータ2bを有し、電子
帰還電極2の表面に付着する成膜材料20を加熱除去す
るようになっている。なお、電子帰還電極2が反射電子
流3の帰還によって加熱され、一定温度が保持される場
合はヒータ2bを設ける必要はない。さらにまた、図1
2に示すように電子帰還電極2のコイル(または永久磁
石)2aの外側には、コイル(または永久磁石)2aを
保護するため、コイルまたは永久磁石水冷用ジャケット
2cおよび真空断熱層2dが設けられている。成膜材料
20の加熱除去中は、図10に示す電子帰還電極水冷用
ジャケット23用の水は抜いておく。
【0041】次に図12において、電子帰還電極2の表
面に付着する成膜材料20を加熱除去する作用について
消去する。電子基環電極2が加熱されると、表面に付着
する成膜材料20が蒸発して除去される。但し電子帰還
電極2は一般に無酸素銅からなっているが、成膜材料2
0がMgOの場合、融点が1300℃以上となるため、
無酸素銅を用いることはできず、この場合は電子帰還電
極2として高融点金属のMo又はWが用いられる。
【0042】又、付着した成膜材料20が蒸発するまで
電子帰還電極2を加熱する場合、電子帰還電極2内のコ
イル(又は永久磁石)2aが損傷または性能が低下する
が、上述のようにコイル(又は永久磁石)2aの外側に
コイルまたは永久磁石水冷用ジャケット2cおよび真空
断熱層2dを設けることにより、コイル(又は永久磁
石)2aの損傷および性能低下を防止することができ
る。
【0043】
【実施例】第1の実施例 次に本発明の実施例について説明する。第1の実施例は
図3および図4に示す実施の形態に対応するものであ
り、真空チャンバ12に一対のプラズマガン(Rガン、
Lガン)11が設けられている。
【0044】本実施例において運転条件を次のようにし
た。
【0045】
【表1】 プラズマガンのパワーアップ時間 550sec 基板搬送速度 125mm/min るつぼの移動速度 1mm/21sec 基板加熱温度 300℃ 酸素供給量 Lガン、Rガン共に12sccm。
【0046】この結果、基板13に蒸着速度23オング
ストローム/secでMgO膜66が形成され、膜厚は
5000オングストロームとなった。第2の実施例 次に第2の実施例について述べる。第2の実施例も図3
および図4に示す実施の形態に対応するものである。
【0047】第2の実施例は真空チャンバ12に一対の
プラズマガン(Rガン、Lガン)11を設け、るつぼ1
9を真空チャンバ12およびアース60に対して電気的
に浮遊状態としたものである。また、成膜プロセスにお
ける放電電圧、放電電流、電子帰還電流、接地電流、基
板搬送速度および成膜真空度の時間変化を各々図14お
よび図15に示す。
【0048】ここで図14はPDP用基板13(25イ
ンチ)にMgO膜を形成した時の実験結果を示し、図1
5はガラス基板13(60インチ)にMgO膜を形成し
た時の実験結果を示す。
【0049】図14および図15に示すように、るつぼ
19は真空チャンバ12およびアース60に対して電気
的に浮遊状態となっているので、接地電源はほとんどな
く、安定した電子帰還電流を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、プラズマ
ビームをMgOに照射することにより生成した真空チャ
ンバ内の反射電子流を確実に電子帰還電極に戻すことが
できる。このため、真空チャンバ内においてプラズマビ
ームを安定して形成することができ、これによって基板
上にMgOの薄膜を安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるMgO膜形成方法を行なう真空成
膜装置を示す図。
【図2】真空成膜装置が組込まれたシステム全体を示す
図。
【図3】真空成膜装置の変形例を示す図である。
【図4】図3に示す真空成膜装置におけるシート状磁石
の前後のプラズマビームの状態を示す図である。
【図5】真空成膜装置の他の変形例を示すプラズマガ
ン、および真空チャンバの短管部の図である。
【図6】図5に示す電子帰還電極を前方側から見た図で
ある。
【図7】真空成膜装置の他の変形例を示すプラズマガ
ン、および真空チャンバの短管部の図である。
【図8】真空成膜装置の他の変形例を示すプラズマガ
ン、および真空チャンバの短管部を示す図である。
【図9】真空成膜装置の他の変形例を示すプラズマガ
ン、および真空チャンバの短管部の図である。
【図10】真空成膜装置の電子帰還電極を示す図であ
る。
【図11】真空成膜装置のバッフルプレートを示す図で
ある。
【図12】真空成膜装置の他の変形例を示す図である。
【図13】本発明によるPDPパネルを示す図である。
【図14】本発明の具体的実施例を示す図
【図15】本発明の具体的実施例を示す図
【符号の説明】
1 絶縁管 2 電子帰還電極 2a コイル又は永久磁石 2b ヒータ 2c コイル又は永久磁石用水冷用ジャケット 2d 真空断熱層 3 反射電子流 4 シート状磁石 11 プラズマガン 12 真空チャンバ 12A 短管部 13 基板 14 放電電源 15 陰極 16 第1中間電極 17 第2中間電極 18 収束コイル 19 るつぼ 20 成膜材料 21 るつぼ用磁石 22 プラズマビーム 23 電子帰還電極水冷用ジャケット 40 防着板 41 成膜速度計 42 真空計 43 酸素供給管 44 測定値収集ユニット 45 プラズマガン電流計 46 プラズマガン電圧計 47 電子帰還電極電流計 48 接地電流計 65 PDPパネル 66 MgO膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にMgOを収納したるつぼと基板が配
    置されるとともに、接地された真空チャンバと、真空チ
    ャンバ内に向けてプラズマビームを生成する圧力勾配型
    プラズマガンと、プラズマガンにより生成したプラズマ
    ビームを磁場により軌道および/あるいは形状を制御さ
    せてるつぼ内のMgOに照射させ、このMgOを基板に
    蒸着させる永久磁石および収束コイルを用いる制御手段
    と、真空チャンバ内のうちプラズマガン側にプラズマビ
    ーム外周を取囲んで設けられ、MgOに照射されたプラ
    ズマビームが生じる反射電子流が帰還する電子帰還電極
    とを備えた真空成膜装置を用いたMgO膜形成方法にお
    いて、 るつぼ内にMgOを収納する工程と、 プラズマガンを作動させて、プラズマビームを生成し、
    このプラズマビームをるつぼ内のMgOに照射する工程
    と、 ビームがMgOに照射した際生じる反射電子流を帰還電
    極に戻すとともに、るつぼから蒸発するMgOをイオン
    化して基板に蒸着させてMgO膜を形成する工程と、 を備えたことを特徴とするMgO膜形成方法。
  2. 【請求項2】るつぼ内から蒸発するMgOを基板に蒸着
    させる際、蒸発するMgOに対して酸素を供給すること
    を特徴とする請求項1記載のMgO膜形成方法。
  3. 【請求項3】真空チャンバ内のるつぼは真空チャンバお
    よびアースに対して電気的に浮遊状態となっていること
    を特徴とする請求項1記載のMgO膜形成方法。
  4. 【請求項4】基板と、 基板上に蒸着されたMgO膜とからなり、 請求項1記載のMgO膜形成方法によって形成されたパ
    ネル。
  5. 【請求項5】基板はガラス基板からなることを特徴とす
    る請求項3記載のパネル。
  6. 【請求項6】パネルはPDPパネルであることを特徴と
    する請求項3記載のパネル。
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