JP4074370B2 - 真空成膜装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気的絶縁性物質からなる薄膜を基板上に形成する真空成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、導電性物質あるいは絶縁性物質の薄膜を基板上に形成する真空成膜装置は公知であり、図12は、その内のイオンプレーティング装置、図13はプラズマCVD装置を示している。
このイオンプレーティング装置は、圧力勾配型プラズマガン11により真空チャンバー12内にプラズマを発生させて真空チャンバー12内に配置した基板13上に蒸着により薄膜を形成するものである。
【0003】
さらに詳説すれば、プラズマガン11は、放電電源14のマイナス側に接続された環状の陰極15と、放電電源14のプラス側に抵抗を介して接続された環状の第1中間電極16、第2中間電極17を備え、陰極15側から放電ガスの供給を受け、前記放電ガスをプラズマ状態にして第2中間電極17から真空チャンバー12内に向けて流出させるように配置されている。真空チャンバー12は、図示しない真空ポンプに接続され、その内部は所定の減圧状態に保たれている。また、真空チャンバー12の第2中間電極17に向けて突出した短管部12Aの外側には、この短管部12Aを包囲するように収束コイル18が設けられている。真空チャンバー12内の下部には、放電電源14のプラス側に接続された導電性材料からなるハース19が載置されており、このハース19上の凹所に薄膜の材料となる導電性あるいは絶縁性の蒸着材料20が収められている。さらに、ハース19の内部にはハース用磁石21が設けられている。
【0004】
そして、第2中間電極17から蒸着材料20に向けてプラズマビーム22が形成され、蒸着材料20が蒸発させられ、基板13の下面に付着し、薄膜が形成される。なお、このプラズマビーム22に対して、収束コイル18は横断面を収縮させる作用を、また磁石21は焦点合わせおよびプラズマビーム22を曲げさせる作用をしている。
【0005】
一方、図13に示すプラズマCVD装置は、上述した装置のハース19、蒸着材料20、磁石21に代えて、放電電源14のプラス側に接続されたアノード31、このアノード31の背後、即ちプラズマガン11とは反対の側に配設したアノード用磁石32および原料ガス供給管33を設けたもので、他は図面上、実質的に同一である。
そして、原料ガス供給管33から真空チャンバー12内に原料ガスと反応ガスを供給し、これらをプラズマにより分離結合させることにより基板13に蒸着させて基板13上に薄膜を形成するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図12、図13に示す従来の装置により電気的絶縁性物質からなる薄膜を形成する場合、ハース(アノード部)19の表面、真空チャンバー12の内面等に絶縁性物質が付着し、特に、ハース19の表面が電気的に絶縁された状態となり、真空チャンバー12内で通電不能となる結果、電極各部がチャージアップする現象が時間経過とともに進行する。このため、プラズマビーム22に対する連続的な安定制御ができなくなり、成膜の安定性が損なわれるという問題が生じる。なお、このような現象が生じた場合、通電不能となった部分に入射しようとした電子は反射され、イオンとの結合により電気的に中和されるか、最終的に電気的帰還が可能な場所に到達するまで電子の反射は繰り返されることとなる。
【0007】
また、真空チャンバー12内には、プラズマビーム22を制御するための磁場が存在しており、上述した反射された電子、即ち反射電子の動きはこの磁場により制約を受ける。したがって、プラズマガン11を使用して絶縁性物質からなる薄膜を連続的、かつ安定して形成するためには、磁場分布状態が最適で、絶縁性の膜が付着しにくい位置に適正な反射電子帰還電極を設ける必要がある。
ところで、前記反射電子の大部分は、強制的に反射帰還経路を変更させない限り、照射ビームを制御している磁場の影響を受けて、この磁場に沿って照射ビームの経路を逆流しようとする。換言すれば、照射ビームと反射電子ビームとは、ほぼ同じ経路を往復する状態になるが、照射ビーム中の電子に比して、反射電子の方が反射、散乱により収束度は悪く、加速電圧も小さくなる。
【0008】
このため、反射電子帰還電極に入射する電子ビームは、プラズマガン11からの照射ビームであるプラズマビーム22とは分離される必要がある。この分離がなされなければ、反射電子帰還電極に直接流れ込む照射ビームが発生し、蒸着材料側,或いはアノード側に至る照射ビーム量が減少して、薄膜形成効率が低下するだけでなく、陰極15と反射電子帰還電極との間に直接放電が生じることにより、放電自体が異常なものとなる。また反射電子帰還電極は、絶縁性物質の付着防止の観点からすれば、真空チャンバー12内の薄膜材料を発生させる部分(図12:蒸着材料20の位置、図13:原料ガス供給管からのガス流出口)からできるだけ離れた位置に設けるのが好ましく、小型化という観点からすれば、できるだけ収束コイル18に近い位置に設けるのが好ましい。
本発明は、斯る従来の問題点をなくすことを課題として、また上述した考察に基づいてなされたもので、プラズマ放電の連続安定維持時間を長くすること、成膜速度の向上を可能とした真空成膜装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1発明は、真空チャンバー内に向けてプラズマビームを生成する圧力勾配型プラズマガンと、このプラズマガンの出口部に向けて突出させた前記真空チャンバーの短管部を包囲するように設けられ、前記プラズマビームの横断面を収縮させる収束コイルとを備え、前記プラズマビームにより前記真空チャンバー内に配置した基板上に薄膜を形成する真空成膜装置において、前記出口部にこのプラズマビームの周囲を取囲み、電気的に浮遊状態として突出させた絶縁管と、前記短管部内にて前記絶縁管の外周側を取巻くとともに、前記出口部よりも高い電位状態とした電子帰還電極とを設け、前記絶縁管を前記プラズマビームと前記電子帰還電極に入射する電子ビームとを遮る位置に設けた構成とした。
【0010】
また、第2発明は、前記電子帰還電極に、この電子帰還電極の前記プラズマガンとは反対の側の面に沿って摺動して、前記面への付着物を除去するワイパーを設けた構成とした。
【0011】
さらに、第3発明は、前記電子帰還電極の前記プラズマガンとは反対の側の面を凹凸形状に形成した。
【0012】
さらに、第4発明は、前記短管部の開口部に、多数の貫通部を全面にわたって万遍なく散在させ、かつ、中央部にプラズマビームの通過口を有するバッフルプレートを、前記プラズマビームを横切るように配置した構成とした。
【0013】
さらに、第5発明は、前記電子帰還電極を水冷構造とした。
【0014】
さらに、第6発明は、前記バッフルプレートを水冷構造とした。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るイオンプレーティング方式を採用した真空成膜装置を示し、図12に示す装置と実質的に同一の部分については、同一番号を付して説明を省略する。
この真空成膜装置では、プラズマガン11の出口部にプラズマビーム22の周囲を取囲み、電気的に浮遊状態として突設した絶縁管1と、真空チャンバー12の前記短管部12A内にて絶縁管1の外周側を取巻くとともに、放電電源14のプラス側に接続され、プラズマガン11の出口部よりも高い電位状態とした電子帰還電極2とが設けられている。また、ハース19内の蒸着材料20は、絶縁性物質である。なお、前記絶縁管1として、たとえば、セラミック製短管が採用される。
【0016】
このように、この真空成膜装置では、電子帰還電極2を蒸着材料20から離れた位置に設けて、絶縁性の蒸着材料20から蒸発した絶縁性物質が電子帰還電極2に付着しにくくなっている。また、プラズマガン11から出たプラズマビーム22と電子帰還電極2との間に両者を遮る絶縁管1を設けることにより、このプラズマビーム22が電子帰還電極2に入射して、陰極15と電子帰還電極2との間で異常放電が発生するのを防止するようになっている。このため、プラズマビーム22の外側の、プラズマビーム22とは分離した経路に沿って電子帰還電極2に至る反射電子流3が形成され、プラズマビーム22が連続的かつ安定して持続され、この持続時間は絶縁管1、電子帰還電極2を設けない場合に比して倍以上となり、飛躍的に向上することが確認されている。また、絶縁管1を設けて、異常放電の発生を防止して、プラズマビーム22の電子帰還電極2への流れ込みによる電力ロスを減少させるようした結果、プラズマガン11から照射するプラズマビーム22が同じとして、約20%の成膜速度(材料蒸発量)の向上も確認された。さらに、電子帰還電極2を収束コイル18に近い位置に設けてあり、小型化し易いようになっている。
【0017】
図2は、本発明の第2実施形態に係るプラズマCVD方式を採用した真空成膜装置を示し、図1並びに図13に示す装置と実質的に同一の部分については、同一番号を付して説明を省略する。
この真空成膜装置は、前述した図1に示す真空成膜装置と同様に、絶縁管1と、電子帰還電極2とを設けたものである。
そして、斯る構成により、第1実施形態の場合と同様に、プラズマビーム22の外側の、プラズマビーム22とは分離した経路に沿って電子帰還電極2に至る反射電子流3が形成され、プラズマビーム22が連続的かつ安定して持続され、成膜速度も向上されるようになっている。また、電子帰還電極2を収束コイル18に近い位置に設けてあるため、小型化し易いようになっている。
【0018】
図3および4は、本発明の第3実施形態に係るイオンプレーティング方式を採用した真空成膜装置を示し、図1に示す装置と実質的に同一の部分については、同一番号を付して説明を省略する。
この真空成膜装置では、絶縁管1と電子帰還電極2の前方、即ちプラズマガン11とは反対の側に、プラズマビーム22の横断面を両側から収縮させる一対の、同極性同志(N極同志、或いはS極同志)を対向させたシート状磁石4,4を配置してある。
そして、斯る構成により、蒸着材料20に入射するプラズマビーム22をシート状にし、広巾の蒸発源を形成することで、広巾基板に対して適用するようになっている。
なお、図2に示すプラズマCVD方式を採用した真空成膜装置についても、このシート状磁石4,4を適用してもよく、これを適用することにより前記同様の作用を生じさせることができる。
【0019】
図5〜図11は、本発明の他の実施形態に係る真空成膜装置のプラズマガン11、真空チャンバー12の短管部12A、およびその近傍のみを示したもので、前述した真空成膜装置と共通する部分については、同一番号を付して説明を省略する。
また、この図5〜図11に示す構成は、、イオンプレーティング方式、プラズマCVD方式のいずれにも適用でき、図示していない他の部分の構成は図1或いは 図2に示す真空成膜装置と実質的に同一である。
図5および6は、電子帰還電極2にその表面の付着物、特に絶縁物質を払拭して、除去する旋回式ワイパー5を設け、電子帰還電極2の表面を反射電子帰還のために良好な状態を長期間保てるようにしたものである。
【0020】
図7は、電子帰還電極2のプラズマガン11とは反対の側の面6を凹凸形状に形成して、反射電子帰還のための表面積を増大させたものである。
図8は、真空チャンバー12の短管部12Aの真空チャンバー12内側開口部に、例えば格子状に、多数の貫通部7aを全面にわたって万遍なく散在させ、かつ、中央部にプラズマビーム22の通過口7bを有するバッフルプレート7を配置し、電子帰還電極2の表面に達するガス状態の絶縁性物質の量を減少させるようにしたものである。なお、このバッフルプレート7は、前述したワイパー5とともに、或いは凹凸の面6を有する真空成膜装置にも適用できるものである。
そして、これら図5〜図8に示す構成により、より一層、連続安定放電ができるようになる。
【0021】
なお、本発明は、電子帰還電極2或は絶縁管1の配設位置と断面形状について、前述した各実施形態に示すものに限定するものではない。これらの配位置については、プラズマビーム22を取り巻く位置で、短管部12A内であればよく、例えば、図9に示すように、電子帰還電極2および絶縁管1を短管部12A内の真空チャンバー12内側に限度一杯まで片寄らせて配置してもよい。また断面形状についても、この図9に示す例では、電子帰還電極2の断面形状を矩形とし、絶縁管1をプラズマガン11側にフランジを有する筒体形状とするのが好ましい。
そして、斯る構成により、さらに一層反射電子を効率よく捕捉できるようになる。
【0022】
図10は、電子帰還電極2内に水冷用ジャケット23を形成し、この水冷用ジャケット23の入口部に冷却水流入管24を接続するとともに、その出口部に冷却水流出管25を接続して、電子帰還電極2を水冷構造としたものである。
また、図11は、バッフルプレート7内に水冷用ジャケット26を形成し、この水冷用ジャケット26の入口部に冷却水流入管27を接続するとともに、その出口部に冷却水流出管28を接続して、バッフルプレート7を水冷構造としたものである。
そして、斯る構成により、電子帰還電極2およびバッフルプレート7のそれぞれの温度上昇を抑制することができ、投入可能放電電力を増大させ、成膜速度を向上させ得るようになっている。
【0023】
なお、前述した各実施形態において、絶縁管1は電気的に浮遊状態に保たれていれば、その材料は、導電性物質か否かは問わない。
また、前記説明では蒸着材料20を絶縁性物質であるとしてあるが、蒸着材料20が反応ガスと化合して絶縁性物質に変化するものである場合は、この蒸着材料20は導電性物質であってもよい。ただし、この場合には、図1,2および3において、二点鎖線Aで示すように真空チャンバー12内に反応ガスを供給する反応ガス供給ラインを設けることと、ハース19或いはアノード31を放電電源14と電気的に遮断する必要がある。ちなみに、蒸着材料20が絶縁性物質である場合には、ハース19或いはアノード31と放電電源14との電気的遮断は必ずしも必要ではない。さらに、前記説明では、基板13を平板とし、静止状態で成膜するとしてあるが、基板13はフィルム状基板を巻出・巻取りながら、また、平板状基板にあっては、回転あるいは水平移動させながら成膜するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、第1発明によれば、真空チャンバー内に向けてプラズマビームを生成する圧力勾配型プラズマガンと、このプラズマガンの出口部に向けて突出させた前記真空チャンバーの短管部を包囲するように設けられ、前記プラズマビームの横断面を収縮させる収束コイルとを備え、前記プラズマビームにより前記真空チャンバー内に配置した基板上に薄膜を形成する真空成膜装置において、前記出口部にこのプラズマビームの周囲を取囲み、電気的に浮遊状態として突出させた絶縁管と、前記短管部内にて前記絶縁管の外周側を取巻くとともに、前記出口部よりも高い電位状態とした電子帰還電極とを設け、前記絶縁管を前記プラズマビームと前記電子帰還電極に入射する電子ビームとを遮る位置に設けた構成としてある。
【0025】
このため、絶縁性物質が電子帰還電極に付着しにくく、陰極と電子帰還電極との間で異常放電が発生するのを防止するようになり、プラズマビームの外側の、プラズマビームとは分離した経路に沿って電子帰還電極に至る反射電子流が形成され、プラズマビームが連続的かつ安定して持続され、この持続時間を絶縁管と電子帰還電極を設けない場合に比して倍以上となり、飛躍的に向上させることが可能となる。また、絶縁管を設けて、異常放電の発生を防止して、プラズマビームの電子帰還電極への流れ込みによる電力ロスを減少させるようした結果、プラズマガンから照射するプラズマビームが同じとして、成膜速度の向上も可能となる。さらに、電子帰還電極を収束コイルに近い位置に設けてあり、小型化し易い等種々の効果を奏する。
【0026】
また、第2発明によれば、前記電子帰還電極に、この電子帰還電極の前記プラズマガンとは反対の側の面に沿って摺動して、前記面への付着物を除去するワイパーを設けた構成としてある。
さらに、第3発明によれば、前記電子帰還電極の前記プラズマガンとは反対の側の面を凹凸形状に形成してある。
さらに、第4発明によれば、、前記短管部の開口部に、多数の貫通部を全面にわたって万遍なく散在させたバッフルプレートを、前記プラズマビームを横切るように配置した構成としてある。
このため、第1発明による効果に加えて、より一層、連続安定放電ができるようになるという効果を奏する。
【0027】
さらに、第5発明によれば、前記電子帰還電極を水冷構造としてある。
さらに、第6発明によれば、前記バッフルプレートを水冷構造とてある。
このため、前述した各効果に加えて、電子帰還電極およびバッフルプレートのそれぞれの温度上昇を抑制することができ、投入可能放電電力を増大させ、成膜速度を向上させることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るイオンプレーティング方式を採用した真空成膜装置を示す図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係るプラズマCVD方式を採用した真空成膜装置を示す図である。
【図3】 本発明の第3実施形態に係るイオンプレーティング方式を採用した真空成膜装置を示す図である。
【図4】 図3に示す装置におけるシート状磁石の前後のプラズマビームの状態を示す図である。
【図5】 本発明の他の実施形態に係る真空成膜装置のプラズマガン、真空チャンバーの短管部、およびその近傍のみを示す図である。
【図6】 図5に示す電子帰還電極を前方側から見た図である。
【図7】 本発明の他の実施形態に係る別の真空成膜装置のプラズマガン、真空チャンバーの短管部、およびその近傍のみを示す図である。
【図8】 本発明の他の実施形態に係るさらに別の真空成膜装置のプラズマガン、真空チャンバーの短管部、およびその近傍のみを示す図である。
【図9】 本発明の他の実施形態に係るさらに別の真空成膜装置のプラズマガン、真空チャンバーの短管部、およびその近傍のみを示す図である。
【図10】 本発明の他の実施形態に係るさらに別の真空成膜装置の電子帰還電極を示す図である。
【図11】 本発明の他の実施形態に係るさらに別の真空成膜装置のバッフルプレートを示す図である。
【図12】 従来のイオンプレーティング方式を採用した真空成膜装置を示す図である。
【図13】 従来のプラズマCVD方式を採用した真空成膜装置を示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁管 2 電子帰還電極
3 反射電子流 4 シート状磁石
5 ワイパー 6 面
7 バッフルプレート 7a 貫通部
7b 通過口 11 プラズマガン
12 真空チャンバー 12A 短管部
13 基板 14 放電電源
15 陰極 16 第1中間電極
17 第2中間電極 18 収束コイル
19 ハース 20 蒸着材料
21 ハース用磁石 22 プラズマビーム
23、26 水冷用ジャケット 31 アノード
32 アノード用磁石 33 原料ガス供給管

Claims (6)

  1. 真空チャンバー内に向けてプラズマビームを生成する圧力勾配型プラズマガンと、このプラズマガンの出口部に向けて突出させた前記真空チャンバーの短管部を包囲するように設けられ、前記プラズマビームの横断面を収縮させる収束コイルとを備え、前記プラズマビームにより前記真空チャンバー内に配置した基板上に薄膜を形成する真空成膜装置において、前記短管部内に、このプラズマビームの周囲を取囲み、電気的に浮遊状態として突出させた絶縁管と、前記短管部内にて前記絶縁管を介して前記プラズマビームの外周側を取巻くとともに、前記出口部よりも高い電位状態とした電子帰還電極とを設け、前記絶縁管を前記プラズマビームと前記電子帰還電極に入射する電子ビームとを遮る位置に設けたことを特徴とする真空成膜装置。
  2. 前記電子帰還電極に、この電子帰還電極の前記プラズマガンとは反対の側の面に沿って摺動して、前記面への付着物を除去するワイパーを設けたことを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
  3. 前記電子帰還電極の前記プラズマガンとは反対の側の面を凹凸形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
  4. 前記短管部の開口部に、多数の貫通部を全面にわたって万遍なく散在させ、かつ、中央部にプラズマビームの通過口を有するバッフルプレートを、前記プラズマビームを横切るように配置したことを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
  5. 前記電子帰還電極を水冷構造としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の真空成膜装置。
  6. 前記バッフルプレートを水冷構造としたことを特徴とする請求項4に記載の真空成膜装置。
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