JP3287163B2 - アーク式蒸発源 - Google Patents
アーク式蒸発源Info
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Description
(カソード)物質を被着して薄膜を形成する真空アーク
蒸着装置や、基材に対する陰極物質の被着とイオン照射
とを併用して薄膜を形成する薄膜形成装置等に用いられ
るものであって、陰極におけるアーク放電を利用して陰
極物質を蒸発させるアーク式蒸発源に関する。
アス電圧を印加した基材の表面に薄膜を形成する方法
は、アーク式イオンプレーティング法とも呼ばれ、膜の
密着性、膜の生産性等に優れた方法であるが、形成され
る膜の面粗度が他の方式に比べて悪い(即ち、膜表面の
凹凸が大きくて平滑性が悪い)という欠点がある。
ク放電によって陰極表面が局所的に高温になり、それに
よって陰極表面が溶融して陰極物質が蒸発するのである
が、このとき、陰極からは細かい陰極物質と共に大きな
塊の陰極物質も同時に蒸発し、これが基材表面に付着し
て膜の面粗度を悪化させるからである。
ーク式蒸発源が、特開昭63−18056号公報に開示
されている。
ように、パイプ状のトリガ電極30を用い、そのガス吹
出し口32から反応性ガス36を陰極12の表面12a
に供給しながら、陰極12と陽極を兼ねる真空容器22
との間でアーク放電を生じさせて、陰極物質14を蒸発
させるようにしたものである。反応性ガス36は、陰極
12を構成する物質と反応して化合物を作るガスであ
る。
に、フィードスルー34を介して矢印Aのように機械的
に駆動される。陰極12はフランジ16に取り付けられ
ており、それと真空容器22との間にアーク電源24が
接続されている。陰極12の周囲に、アークを広げるシ
ールド板26が設けられている。18は磁石、20は絶
縁物、28および38は抵抗器である。
極12の前面12aに反応性ガス36を供給しながら陰
極12においてアーク放電を生じさせると、反応性ガス
36と陰極12を構成する物質とが化合して陰極12の
前面12aに融点の高い化合物が形成されること等によ
って、陰極12の前面12aにアーク放電の陰極点が多
数できてアーク電流が多くの陰極点に分散される。その
結果、個々の陰極点から蒸発する陰極物質14は細かな
ものとなり、大きな塊の発生が防止される。
0においては、トリガ電極30がガス供給パイプを兼ね
ていて、トリガ電極30の先端部のガス吹出し口32が
常に陰極12の前方に位置しているため、当該アーク式
蒸発源10を使用するにつれて、ガス吹出し口32に陰
極物質14が付着してガス吹出し口32が塞がり、陰極
12への安定した反応性ガス36の供給が困難になるの
で、頻繁にトリガ電極30を交換しなければならないと
いう問題がある。
を要し、その間はこのアーク式蒸発源10は使用できな
いので、薄膜形成等の生産性が低下する。また、ガス吹
出し口32の塞がったトリガ電極30を交換せずにおく
と、陰極12の前面12aへの反応性ガス36の供給が
十分に行えなくなるので、大きな塊の陰極物質14が発
生し、面粗度の良好な(即ち、膜表面がきめ細かくて平
滑性の良好な)薄膜が得られなくなる。
交換を要することなく安定して、大きな塊の陰極物質が
蒸発するのを防止することができるようにしたアーク式
蒸発源を提供することを主たる目的とする。
め、この発明のアーク式蒸発源は、陰極を構成する物質
と反応して化合物を作る反応性ガスを陰極に向けて供給
するガス供給パイプであって、そのガス吹出し口が陰極
に向けて配置されているものを備えていて、このガス吹
出し口から、陰極の前面を含む領域に前記反応性ガスを
供給するようにしており、しかも陰極の直径をD、陰極
の前面とその反対側の面との間の長さをLとした場合、
ガス供給パイプのガス吹出し口の位置を、陰極の側面か
ら外側に2Dの範囲内、かつ陰極の前面から後方に2L
の範囲内に配置していることを特徴とする。
し口から、陰極の前面を含む領域に反応性ガスを供給す
ることができ、それによって陰極の前面にアーク放電の
多数の陰極点が分散して生じるようになるので、大きな
塊の陰極物質が蒸発するのを防止することができる。そ
の結果、トリガ電極をパイプ状にしてそこから反応性ガ
スを供給する必要がなくなるので、その先端部が陰極物
質によって塞がるという問題は生じない。
を、陰極の前方を避けて、陰極の側面から外側に2Dの
範囲内、かつ陰極の前面から後方に2Lの範囲内に配置
しているので、アーク放電によって陰極の前面から蒸発
する陰極物質が当該ガス吹出し口に付着してそこを塞ぐ
可能性も少ない。
の交換を要することなく安定して、大きな塊の陰極物質
が蒸発するのを防止することができる。
例を示す断面図である。図10の従来例と同一または相
当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従
来例との相違点を主に説明する。
のアーク式蒸発源10と違って、トリガ電極46はガス
供給パイプを兼ねておらずトリガ電極のみの作用をする
ものであり、その代わりに、前述したような反応性ガス
36を陰極12に向けて供給するガス供給パイプ54を
備えている。このガス供給パイプ54の先端部のガス吹
出し口56は、陰極12の側方近傍または後部側方近傍
に、陰極12に向けて配置されている。そして、このガ
ス吹出し口56から、陰極12の前面12aを含む領域
に反応性ガス36を供給するようにしている。
には、チタン(Ti )等の金属から成る。
質と反応して化合物、より具体的には陰極物質よりも融
点の高い化合物を作るものであれば良く、例えば窒素ガ
ス、炭化水素系ガス、酸素ガス等である。より具体例を
示せば、陰極12がチタンで反応性ガス36が窒素ガス
であり、この場合は両者が化合して窒化チタン(Ti
N)が形成される。
供給は、この例では、図示しないガス源から、流量調節
器(マスフローコントローラ)58を介して行われる。
成るフランジ16に取り付けられており、このフランジ
16は絶縁物20を介して取付板42に取り付けられて
いる。この取付板42も非磁性の金属から成る。
面付近におけるアークの状態を制御するための磁界を生
じさせる磁石(より具体的には永久磁石)18が取り付
けられている。
を兼ねる真空容器22に取り付けられている。真空容器
22はこの例では接地されている。
22との間には、陰極12側を負側にして、直流のアー
ク電源24が接続されている。
介して取付板42を貫通する軸48の先端部に取り付け
られており、駆動装置52によって、矢印Aのように陰
極12の前後方向に駆動される。軸48ひいてはトリガ
電極46と真空容器22との間には、アーク点弧時の電
流制限用の抵抗器38が接続されている。
ために、即ち陰極12とそれからある程度離れたところ
の真空容器22との間でアーク放電させるために、リン
グ状のシールド板26で覆われており、このシールド板
26は支柱27および抵抗器28を介して真空容器22
に接続されている。このシールド板26もこの例では非
磁性の金属から成る。
取付板42に接続されて、シールド板26と同電位にさ
れている。このようにすると、陰極12とガス供給パイ
プ54との間で異常な放電が起こるのを防止することが
できる。これは、アーク電源24の正側(即ち陽極兼用
の真空容器22側)とガス供給パイプ54との間には抵
抗器28が介在することになるので、陰極12からガス
供給パイプ54へ放電が起ころうとしても、それが抵抗
器28によって阻止されるからである。
ガ電極46を陰極12の前面12aに接触させて最初の
火花を発生させた後、トリガ電極46を陰極12より引
き離すと、陰極12の前面12aと陽極を兼ねる真空容
器22との間にアーク放電が発生してそれが持続され、
それによって陰極12の前面12aが溶融されてそこか
ら陰極物質14が蒸発する。
口56から、陰極12の前面12aを含む領域に反応性
ガス36を供給しながら陰極12においてアーク放電を
生じさせると、反応性ガス36と陰極12を構成する物
質とが化合して陰極12の前面12aに融点の高い化合
物が形成され、このような理由等によって、陰極12の
前面12aにアーク放電の陰極点が多数できてアーク電
流が多くの陰極点に分散される。その結果、個々の陰極
点から蒸発する陰極物質14は細かなものとなり、大き
な塊の発生が防止される。
いては、従来例のアーク式蒸発源10と違って、トリガ
電極46をパイプ状にしてそこから反応性ガスを供給す
る必要はないので、その先端部が陰極物質14によって
塞がるという問題は生じない。
口56を、陰極12の前方を避けて、陰極12の側方近
傍または後部側方近傍に配置しているので、アーク放電
によって陰極12の前面12aから蒸発する陰極物質1
4が当該ガス吹出し口56に付着してガス吹出し口56
を塞ぐ可能性も少ない。
イプ54の交換を要することなく安定して、大きな塊の
陰極物質14が蒸発するのを防止することができる。
等の作業が減るので、メンテナンスに要する時間が短縮
されると共に、交換部品の低減を図ることができる。
膜形成に用いれば、従来のアーク式蒸発源10と同程度
に面粗度の良好な薄膜を、トリガ電極46やガス供給パ
イプ54といった部品の交換を要することなく安定して
形成することができるので、部品交換に伴う停止頻度が
少なくて済み、膜形成の生産性が向上する。
56の位置は、陰極12の直径をD、長さをLとした場
合、陰極12の側面12bから側方に2Dの範囲内(0
は含まない)、かつ陰極12の前面12aから後方に2
Lの範囲内(この場合は0を含む)に配置するのが好ま
しい。そのようにすると、陰極12の前方を避けたとこ
ろから、陰極12の前面12aへ反応性ガス36を効率
良く供給することができるので、ガス供給パイプ54か
らの反応性ガス36を効率良く使用することができる。
56の数は、図1の例のように一つでも良いし、複数で
も良い。複数にすれば、陰極12の前面12aに反応性
ガス36をより均一に供給することができ、それによっ
て、陰極表面において多数の陰極点をより均一に分散さ
せて、大きな塊の陰極物質14が蒸発するのをより確実
に防止することができる。
4の先端部に、陰極12の側方の周囲を取り囲むリング
状部60を設け、このリング状部60に、複数のガス吹
出し口56を分散配置、より好ましくはほぼ均等に分散
配置しても良く、そのようにすれば陰極12の前面12
aに反応性ガス36をより均一に供給することができ
る。その結果、陰極表面において多数の陰極点をより均
一に分散させて、大きな塊の陰極物質14が蒸発するの
をより確実に防止することができる。
うに、前述したシールド板26の内周部に、例えば溶
接、ロウ付け等によって取り付けておいても良い。その
ようにすれば、リング状部60を独自に取付板42から
支持する場合に比べて、部品点数が減って構造が簡素化
され、かつ組立が容易になる。
例のように、流量調節器58を設けて、ガス供給パイプ
54のガス吹出し口56から吹き出す反応性ガス36の
全流量を、0.01リットル/分〜1リットル/分の範
囲内になるように調節するのが好ましい。反応性ガス3
6の全流量が0.01リットル/分未満だと、陰極12
の前面12aに反応性ガス36を十分に供給することが
できないので、大きな塊の陰極物質14が発生するのを
防止する効果は弱い。反応性ガス36の全流量が1リッ
トル/分を超えると、反応性ガス36が過剰になって雰
囲気の真空度を悪化させるという弊害が大きくなる。
ら成る場合は、図1に示す例のように、ガス供給パイプ
54と陽極を兼ねる真空容器22との間を、抵抗器28
を介して電気的に接続しておくのが好ましい。このよう
にすれば、ガス供給パイプ54が電気的に浮いた状態に
なるのを防止することができると共に、前述したような
理由によって、陰極12とガス供給パイプ54との間で
異常な放電が起こるのを防止することができる。その場
合、導線59自体を高抵抗のものとしても良く、要は陽
極兼用の真空容器22とガス供給パイプ54との間が抵
抗体を介在して接続されていれば良い。
成する代わりに、絶縁物で形成しても良い。そのように
すれば、当該ガス供給パイプ54と陰極12との間で異
常な放電が起こる恐れは全くないので、異常放電防止の
ために、ガス供給パイプ54を導線59等を用いて他の
ものに電気的に配線する必要はなくなる。
おく場合は、ガス供給パイプ54は非磁性体で形成する
のが好ましい。そのようにすれば、ガス供給パイプ54
を陰極12の近傍に配置していても、磁石18の磁界を
乱すことはないので、当該磁界によってアークの制御が
容易かつ正確になる。
ことと併せて、図4に示す例のように、陰極12の側面
部を絶縁物62で覆っても良い。絶縁物62はこの例で
は筒状のものである。そのようにすれば、陰極12の側
面部で異常な放電が起こるのをより確実に防止すること
ができる。絶縁物62は、陰極12の前面12aよりも
前方まで伸ばしておいても良い。
を備える薄膜形成装置の一例を示す概略図である。図示
しない真空ポンプによって真空排気口64を経由して真
空排気される真空容器22内に、基材68を保持するホ
ルダ66が設けられており、このホルダ66上の基材6
8に向くように、真空容器22の側面部に前述したアー
ク式蒸発源40が取り付けられている。真空容器22が
陽極を兼ねるのは前述のとおりである。
負側が接続されており、これによって、ホルダ66上の
基材68に例えば数百V程度の負のバイアス電圧を印加
することができる。70は絶縁物である。
たガス導入口74を経由して、図示しないガス源から反
応性ガス76が導入されるよう構成されている。この反
応性ガス76は、アーク式蒸発源40に供給する反応性
ガス36と同じ種類のものである。
分に(例えば10-5Torr台程度に)真空排気した後
に、真空容器22内にガス導入口74から反応性ガス7
6を導入すると共に、アーク式蒸発源40に反応性ガス
36を供給して、真空容器22内を所定の圧力(例えば
10-2〜10-1Torr台)に保つ。そのような状態
で、基材68にバイアス電源72から前述したような負
のバイアス電圧を印加しながら、アーク式蒸発源40を
働かせて陰極物質14を蒸発させる。
4の一部はイオン化しており、このイオン化した陰極物
質14は、負のバイアス電圧が印加された基材68に引
き付けられて衝突すると共に、周りの反応性ガスと化合
し、それによって、基材68の表面に化合物薄膜が形成
される。例えば、陰極12がチタン、反応性ガス36お
よび76が窒素ガスの場合は、窒化チタンの薄膜が形成
される。
たようにアーク式イオンプレーティング法とも呼ばれて
おり、イオン化した陰極物質14をバイアス電圧によっ
て基材68に向けて加速することができるので、密着性
の高い薄膜を高い成膜速度で(即ち生産性良く)形成す
ることができる。
膜形成を行ったより具体的な実施例を説明する。
い、反応性ガス36および76に窒素(N2 )ガスを用
い、ホルダ66に基材68としてステンレス製平板を取
り付けた。そして、真空容器22内を1×10-5Tor
r以下まで十分に排気した後、ガス導入口74から真空
容器22内に導入する窒素ガスの流量を250ccm、
ガス供給パイプ54から陰極12近傍に供給する窒素ガ
スの流量を20ccmにそれぞれ調節し、更に真空容器
22内の圧力が約30mTorrになるように、真空排
気口64の先に設けた可変バルブ(図示省略)を調節し
た。このとき、ガス供給パイプ54のガス吹出し口56
は、陰極12の側面から1cm離れた所に配置し、それ
から吹き出す窒素ガスの流量調節は流量調節器58によ
って行った。
ク電流(即ちアーク放電中にアーク電源24に流れる電
流)を70A、基材68に印加するバイアス電圧を−2
00Vとして、1時間アーク放電を行い、ステンレス製
平板の表面に窒化チタン(TiN)薄膜を形成した。
ーク式蒸発源40を用いて10回行った。また、比較の
ために、このアーク式蒸発源40の代わりに図10に示
した従来のアーク式蒸発源10を用いて、アーク式蒸発
源40を用いた場合と同じ条件で10回成膜を行った。
鏡写真を図6ないし図9に示す。倍率はいずれも400
倍である。
用いて第1回目に形成した膜の表面状態を示し、図7は
従来のアーク式蒸発源10を用いて第1回目に形成した
膜の表面状態を示す。写真中の粒状のものがドロップレ
ットと呼ばれるものであり、これが陰極物質の塊であ
る。どちらもドロップレットは同じ位に小さく、このこ
とから、上記実施例のアーク式蒸発源40を用いても、
従来のアーク式蒸発源10を用いたのと同等の面粗度が
得られることが分かる。
用いて第10回目に形成した膜の表面状態を示し、図9
は従来のアーク式蒸発源10を用いて第10回目に形成
した膜の表面状態を示す。上記実施例のアーク式蒸発源
40を用いた場合は、ドロップレットの大きさは第1回
目と大差ないのに対して(図8)、従来のアーク式蒸発
源10を用いた場合はドロップレットは第1回目よりも
遙かに大きくなっている(図9)。このことから、上記
実施例のアーク式蒸発源40を用いれば、使用時間が長
くなっても、面粗度を劣化させることなく薄膜形成を行
えることが分かる。即ち、面粗度の良好な薄膜を、トリ
ガ電極やガス供給パイプ等の部品の交換を要することな
く安定して形成することができることが分かる。
るので、次のような効果を奏する。
供給パイプのガス吹出し口から、陰極の前面を含む領域
に反応性ガスを供給するようにしたので、大きな塊の陰
極物質が蒸発するのを防止することができる。その結
果、トリガ電極をパイプ状にしてそこから反応性ガスを
供給する必要がなくなるので、その先端部が陰極物質に
よって塞がるという問題は生じない。しかも、ガス供給
パイプのガス吹出し口を、陰極の前方を避けて、陰極の
側面から外側に2Dの範囲内、かつ陰極の前面から後方
に2Lの範囲内に配置しているので、アーク放電によっ
て陰極の前面から蒸発する陰極物質が当該ガス吹出し口
に付着してそこを塞ぐ可能性も少ない。
の交換を要することなく安定して、大きな塊の陰極物質
が蒸発するのを防止することができる。また、メンテナ
ンスに要する時間の短縮および交換部品の低減を図るこ
とができる。更に、このようなアーク式蒸発源を薄膜形
成に用いれば、面粗度の良好な薄膜をトリガ電極やガス
供給パイプといった部品の交換を要することなく安定し
て形成することができるので、薄膜形成の生産性が向上
する。
置を上記のような範囲内に配置しているので、陰極の前
方を避けた所から、陰極の前面へ反応性ガスを効率良く
供給することができ、それによってガス供給パイプから
の反応性ガスを効率良く使用することができる、という
更なる効果を奏する。
の側方の周囲を取り囲むリング状部に複数のガス吹出し
口を分散配置しているので、陰極の前面に反応性ガスを
より均一に供給することができ、それによって大きな塊
の陰極物質が蒸発するのをより確実に防止することがで
きる、という更なる効果を奏する。
リング状部をシールド板の内周部に取り付けているの
で、部品点数が減って構造が簡素化され、かつ組立が容
易になる、という更なる効果を奏する。
吹出し口から吹き出す反応性ガスの全流量を0.01リ
ットル/分〜1リットル/分の範囲内に調節する流量調
節器を備えているので、雰囲気の真空度を悪化させるこ
となく、大きな塊の陰極物質が蒸発するのを効果的に防
止することができる、という更なる効果を奏する。
から成るガス供給パイプと陽極との間を抵抗体を介して
電気的に接続しているので、ガス供給パイプが電気的に
浮いた状態になるのを防止すると共に、陰極とガス供給
パイプとの間で異常な放電が起こるのを防止することが
できる、という更なる効果を奏する。
供給パイプが絶縁物から成るので、ガス供給パイプと陰
極との間で異常な放電が起こる恐れは全くなく、従って
異常放電防止のためにガス供給パイプを他のものに電気
的に配線する必要がなくなる、という更なる効果を奏す
る。
供給パイプが非磁性体から成るので、ガス供給パイプを
陰極の近傍に配置していても、陰極の背面近傍に配置さ
れた磁石の磁界を乱さない、という更なる効果を奏す
る。
の側面部を絶縁物で覆っているので、陰極の側面部で異
常な放電が起こるのをより確実に防止することができ
る、という更なる効果を奏する。
面図である。
正面図である。
的に断面図である。
部分的に断面図である。
装置の一例を示す概略図である。
に形成した膜表面の光学顕微鏡写真であり、倍率は40
0倍である。
成した膜表面の光学顕微鏡写真であり、倍率は400倍
である。
目に形成した膜表面の光学顕微鏡写真であり、倍率は4
00倍である。
形成した膜表面の光学顕微鏡写真であり、倍率は400
倍である。
ある。
Claims (8)
- 【請求項1】 陰極におけるアーク放電を利用して陰極
物質を蒸発させるアーク式蒸発源において、前記陰極を
構成する物質と反応して化合物を作る反応性ガスを陰極
に向けて供給するガス供給パイプであって、そのガス吹
出し口が陰極に向けて配置されているものを備えてい
て、このガス吹出し口から、陰極の前面を含む領域に前
記反応性ガスを供給するようにしており、しかも陰極の
直径をD、陰極の前面とその反対側の面との間の長さを
Lとした場合、ガス供給パイプのガス吹出し口の位置
を、陰極の側面から外側に2Dの範囲内、かつ陰極の前
面から後方に2Lの範囲内に配置していることを特徴と
するアーク式蒸発源。 - 【請求項2】 前記ガス供給パイプが、陰極の側方の周
囲を取り囲むリング状部を有しており、このリング状部
に複数の前記ガス吹出し口を分散配置している請求項1
記載のアーク式蒸発源。 - 【請求項3】 前記ガス供給パイプのリング状部を、陰
極の側方の周囲を覆うシールド板の内周部に取り付けて
いる請求項2記載のアーク式蒸発源。 - 【請求項4】 前記ガス供給パイプのガス吹出し口から
吹き出す反応性ガスの全流量を、0.01リットル/分
〜1リットル/分の範囲内に調節する流量調節器を更に
備える請求項1、2または3記載のアーク式蒸発源。 - 【請求項5】 前記ガス供給パイプが導体から成り、そ
れと当該アーク式蒸発源の陽極との間を抵抗体を介して
電気的に接続している請求項1、2、3または4記載の
アーク式蒸発源。 - 【請求項6】 前記ガス供給パイプが絶縁物から成る請
求項1、2、3または4記載のアーク式蒸発源。 - 【請求項7】 陰極の背面近傍に磁石が配置されてお
り、かつ前記ガス供給パイプが非磁性体から成る請求項
1、2、3または4記載のアーク式蒸発源。 - 【請求項8】 前記陰極の側面部を絶縁物で覆っている
請求項1ないし7のいずれかに記載のアーク式蒸発源。
Priority Applications (4)
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