JP3735176B2 - 射出成形用金型およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形用金型およびその製造方法に係り、より詳細には成形品の表層に微細な凹凸形状を形成する際に用いる射出成形用金型およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、成形品の表層に微細な凹凸形状を形成する射出成形用金型およびその製造方法に関する技術としては、例えば特公平4―53690号公報に記載されているように、金型の基部を鉄系金属とし、この鉄系金属の表面に無電解ニッケル−リンメッキ層を形成し、そのメッキ層にダイヤモンド工具を用いて精密旋盤によって微細な凹凸形状の加工を行った金型が知られている。
【0003】
そして、この金型およびその製造方法の特徴として、鉄系金属では切削加工性が悪く、直接鉄系金属の表面に凹凸形状を切削加工しようとしても所望する精度の形状が得られないため、切削性の良いメッキ層を数々の実験によって見つけ出し、そのメッキ層に精密な切削加工をすることによって所望する微細な凹凸形状を得る点である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来技術の金型によっては、ある程度所望する微細な凹凸形状を得ることができるが、まだ以下のような問題があった。
【0005】
従来技術では、金型の製造工程の仕上げ段階では精密旋盤のダイヤモンドバイトによる切削加工によって微細な凹凸形状を得るものであり、凹凸形状の精度は、使用する精密旋盤やダイヤモンドバイトの精度に頼らざるを得ない。すなわち、精密旋盤の送り精度やダイヤモンドバイトの先端のRの大きさによって、切削加工して得られる凹凸形状の底部に未加工部としてR部が形成されたり、細かい表面粗さが残ってしまい、この金型を用いて成形した成形品の凹凸形状にもそれらが転写して最終的に成形品としての精度を劣化させる等の問題点があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、精密旋盤の送り精度やダイヤモンドバイトの先端のRの大きさによる凹凸形状の底部のR部や細かい表面粗さが残ってしまうことのない微細な凹凸形状を得ることができる射出成形用金型およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の射出成形用金型は、微細な凹凸形状を有する成形品を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、微細凹凸面を有するマスター型を作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型を得る射出成形用金型の製造方法において、射出成形用金型に要求される凸部の高さに相当する凹部をマスター型に加工する際、所望の深さより少なくとも凹部の底辺に残ることが推測される未加工部の高さ分以上に深くなるように凹部を加工し、この凹部を反転させた電鋳型の凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで、電鋳型の凸部端面を除去加工することを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の請求項2の射出成形用金型の製造方法は、微細な凹凸形状を有する成形品を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、微細凹凸面を有するマスター型を作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型とする射出成形用金型の製造方法において、射出成形用金型に要求される凸部の高さに相当する凹部をマスター型に加工する際、所望の深さより少なくとも凹部の底部に残ることが推測される未加工部の高さ分以上に深く凹部を加工し、この凹部を反転させた電鋳型の凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで、電鋳型の凸部端面を除去加工することを特徴とする。
さらに、本発明の射出成形用金型の製造方法は、微細な凹凸形状を有する成型品を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、微細凹凸面を有するマスター型を切削バイトにて切削加工して作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工を施して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型を得る射出成形用金型の製造方法において、マスター型に凹部を切削加工する際、その凹部を射出成形用金型に要求される凸形状の高さに相当する所望の深さより少なくとも切削バイトのノーズR寸法以上深く切削加工し、前記凹部を反転させて電鋳型に形成された凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで前記凸部を切削加工することを特徴とする。
さらに、本発明の射出成形用金型の製造方法は、微細な凹凸形状を有する成型品を成型するための射出成形用金型の製造方法であって、微細凹凸面を有するマスター型をエッチングにより作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工を施して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型を得る射出成形用金型の製造方法において、マスター型に凹部を形成する際、その凹部を射出成形用金型に要求される凸形状の高さに相当する所望の深さより少なくとも凹部底面に形成されるR形状の高さ分だけ深く形成し、前記凹部を反転させて電鋳型に形成された凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで前記凸部を切削加工することを特徴とする。
【0011】
請求項1の発明によれば、マスター型に微細な凹凸形状を形成する際、凹部の底面に形成されるR部が、マスター型を電鋳加工して前記凹凸形状を反転した電鋳型の表面に転写される。転写された凸部のR部は切削加工で除去されるとともに表面粗さも取り除かれ、精度および表面粗さが向上させた凹凸形状を有する射出成形用金型が得られる。
従って、請求項1の発明によれば、射出成形用金型は、成型品の微細凹凸形状を形成するための前記金型の転写部における微細凹凸面の凸部端面が切削加工あるいは研削加工が施された加工面であり、前記微細凹凸面の凹部が前記マスター型の表面を転写した転写面であることを特徴とする射出成形用金型となる。
【0012】
請求項2、請求項4及び請求項5の発明によれば、微細な凹凸形状を加工されたマスター型の凹凸面に電鋳加工を施して前記凹凸形状を転写させた電鋳型を得る。この電鋳型の凹凸形状はマスター型の凹凸形状がそのまま反転されたものであり、マスター型の凹凸形状を加工した時の表面粗さや凹部底辺のR形状未加工部は、電鋳型の凹凸形状の表面粗さや凸部先端角部のR形状として形成される。そして、電鋳型の凹凸形状のうち凸部のみを切削加工して凸部端面を除去することでR形状未加工部や表面粗さを取り除き、シャープな凹凸形状に仕上げる。
【0013】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本発明に係る実施の形態1を図1〜図4に基づいて説明する。本実施の形態は、凹凸のピッチが数μm〜数10μmの微細な櫛歯形状(断面)を有する成形品を成形するための射出成形用金型とその金型の製造方法であり、図1は射出成形用金型の製造方法を示す工程図、図2は図1のA部を示す拡大詳細図、図3は図1のB部を示す拡大詳細図、図4は図1のC部を示す拡大詳細図、図5は本実施の形態の変形例を示す図1のA部拡大詳細図である。
【0014】
本実施の形態の製造方法を説明する。
まず、図1に示すマスターとなる型2(以下、マスター型2という)の加工面2aに微細な凹凸形状をバイトにより切削加工する。この微細な凹凸形状は図2のA部拡大詳細図に示すように、凹凸のピッチpおよび深さDが数μm〜数10μmで、凹部の底隅には切削に使用したバイトの先端のR(以下、ノーズRという)が残った形状に切削加工される。この時、凹部の深さDは、凹部の底隅に残るノーズRのR部の高さである未加工部の高さrと所望する深さ寸法、即ち、射出成形用金型に形成する微細凹凸形状の深さ(高さ)寸法tとを加えた深さにする。
【0015】
次に、マスター型2の加工面2aに電鋳加工を行って電鋳型1を形成し、その後、形成した電鋳型1をマスター型2から離型する。このとき得られた電鋳型1の表面1aには、マスター型1の加工面2aに形成した微細な凹凸形状が反転した微細な凹凸形状が形成される。この凹凸形状には、図3のB部拡大詳細図に示すように、凹部の底隅にはRが形成されず、電鋳型1の表面1aの凸部端面1bの角隅にR部が形成されている。
【0016】
その後、電鋳型1の外周および凸部端面1bを切削加工し、所望する微細な凹凸形状を有する射出成形用金型3を製造する。このとき、図4のC部拡大詳細図に示すように、電鋳型1の凸部端面1bに形成されているR部が無くなるまで凸部端面1bを除去加工(本実施の形態では、切削加工)し、射出成形用金型3に形成する微細な凹凸形状の深さ(高さ)寸法tが所望する深さ(高さ)となるまで行う。
【0017】
本実施の形態によれば、マスター型2の加工面2aにバイトにより切削加工した凹凸形状を反転した電鋳型1を作ることにより、マスター型2の加工面2aの切削加工に用いたバイトのノーズRで出来た凹部底隅のR部が、電鋳型1に形成された凹凸形状の凸部角隅に形成されることになる。そして、電鋳型1の凸部角隅に形成されたR部が無くなるまで凸部端面1bを除去加工して凹凸形状の所望の深さ寸法tまで研削することにより、凹凸の稜部である隅Rの極めて小さい微細な凹凸形状を有する射出成形用型3を製造することができる。
【0018】
なお、上記実施の形態では、バイトを用いた切削加工によりマスター型2の加工面2aに微細な凹凸形状を作成した場合を説明したが、これに限られず、以下に示すエッチングにより作成することが出来る。
【0019】
すなわち、マスター型2の加工面2aにレジストを塗布し、所定のパターンを転写したマスクを用いてレジスト露光し、現像処理して加工面2aにレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンをエッチングマスクとして加工面2aをエッチングしたのち、レジストパターンを除去し、微細な凹凸形状を有するマスター型2としてもよい。このとき、エッチングにより凹凸形状を作成すると、図5に示すように、形成された凹部の底部は全体的にR形状となる。この時、凹部の深さは、底部の最底部からR形状の上端までが未加工部となり、凹部の深さは未加工部の高さrと所望する深さ寸法tとを加えた深さにする。以下、上記実施の形態と同様に上記凹凸形状を反転した凹凸形状を有する電鋳型1を作成し、電鋳型1のR形状の凸部端面を切削加工して未加工部を除去し、凹部が所望の深さ寸法tにして射出成形用型を製造する。
【0020】
[実施の形態2]
本発明に係る実施の形態2を図6〜図8に基づいて説明する。本実施の形態は、フレネルレンズのように数μm〜数10μmの微細なノコバ形状を有する成形品を成形するための射出成形用金型とその金型の製造方法である。図6〜図8は、図1のA部〜C部の拡大詳細図である図2〜図4に対応しており、図6はマスター型の加工面のA部拡大詳細図、図7は電鋳型のB部拡大詳細図、図8は金型のC部拡大詳細図である。
【0021】
本実施の形態の製造方法を説明する。なお、以下においては、上記実施の形態1と異なる構成、作用のみを説明する。
まず、マスター型2の加工面2aに微細なノコバ形状をバイトにより切削加工する。この微細なノコバ形状は、図6のA部拡大詳細図に示すように、ノコバ状のピッチpおよび深さDが数μm〜数10μmで、立ち上げ部2bと斜面部2cとの交点となる凹部底隅には切削に使用したバイトのノーズRが残った形状となる。この時、凹部の深さDは、凹部底隅に残るノーズRのR部の高さである未加工部の高さrと所望する深さ寸法、即ち、射出成形用金型に形成する微細凹凸形状の深さ(高さ)寸法tとを加えた深さにする。なお、二点鎖線は製造する金型の凹凸形状の外形線を示している。
【0022】
次に、マスター型2の加工面2aに電鋳加工を行って電鋳型1を形成する。得られた電鋳型1の表面1aには、図7に示すように、マスター型1の加工面2aに形成した微細なノコバ形状が反転した微細なノコバ形状が形成され、電鋳型1の表面1aの凸部端面1bの角隅にR部が形成されている。なお、二点鎖線は凸部端面1bの切削部分を示している。
【0023】
その後、電鋳型1の外周および凸部端面1bを切削加工し、所望する微細なノコバ形状を有する射出成形用金型3を製造する。このとき、図8のC部拡大詳細図に示すように、電鋳型1の凸部端面1bに形成されているR部が無くなるまで凸部端面1bを切削加工し、射出成形用金型3に形成する微細なノコバ形状の深さ寸法tが所望する深さとなるまで行う。このとき、斜面角度があまり変化することのない角度で研削する。なお、二点鎖線は研削加工する前の電鋳型1の表面1aを示している。
【0024】
本実施の形態によれば、マスター型2の加工面2aにバイトにより切削加工したノコバ形状を反転した電鋳型1を作ることにより、マスター型2の加工面2aの切削加工に用いたバイトのノーズRで出来た凹部底隅のR部が、電鋳型1に形成されたノコバ形状の凸部角隅に形成されることになる。そして、電鋳型1の凸部角隅に形成されたR部が無くなるまで凸部端面1bを除去加工して凹凸形状の所望の深さ寸法tまで研削することにより、凹凸の稜部である隅Rの極めて小さい微細な凹凸形状を有する射出成形用型3を製造することができる。
【0025】
[実施の形態3]
本発明に係る実施の形態3を図9〜図11に基づいて説明する。本実施の形態は、フレネルレンズのように数μm〜数10μmの微細なノコバ形状を有する成形品を成形するための射出成形用金型とその金型の製造方法である。図9〜図10は、図1のA部〜C部の拡大詳細図である図2〜図4に対応しており、図9はマスター型の加工面のA部拡大詳細図、図10は電鋳型のB部拡大詳細図、図11は金型のC部拡大詳細図である。
【0026】
本実施の形態の製造方法を説明する。なお、以下においては、上記実施の形態1,2と異なる構成、作用のみを説明する。
まず、マスター型2の加工面2aに微細なノコバ形状をバイトにより切削加工する。この微細なノコバ形状は、図9のA部拡大詳細図に示すように、ノコバ状のピッチpおよび深さDが数μm〜数10μmで、立ち上げ部6に対して角度の異なる緩斜面部5aと急斜面部5bからなる斜面部5と、立ち上げ部6と急斜面部5bとの交点となる凹部底隅には切削に使用したバイトのノーズRが残った形状で、このノコバ形状の作成には緩斜面部5aから延長線(二点鎖線)を引くと凹部底隅のR形状にかからないようになる先端形状のバイトを使用する。凹部の深さDは、凹部底隅に残るノーズRのR部の高さである未加工部の高さrと所望する深さ寸法tとを加えた深さにする。
【0027】
次に、マスター型2の加工面2aに電鋳加工を行って電鋳型1を形成する。得られた電鋳型1の表面1aには、図10に示すように、マスター型2の加工面2aに形成した微細なノコバ形状が反転した微細なノコバ形状が形成され、電鋳型1の表面1aには、マスター型2の急斜面部5bにより形成された凸部端面1bの角隅にR部が形成されている。なお、二点鎖線は凸部端面1bの切削部分を示している。
【0028】
その後、電鋳型1の外周および凸部端面1bを切削加工し、所望する微細なノコバ形状を有する射出成形用金型3を製造する。このとき、図11のC部拡大詳細図に示すように、電鋳型1の凸部端面1bに形成されているR部が無くなるまで凸部端面1bを切削加工し、射出成形用金型3に形成する微細なノコバ形状の深さ寸法tが所望する深さとなるまで行う。このとき、切削加工して得られる斜面の角度が緩斜面の角度と変わらず、R部である未加工部のR部が無くなる高さまで行う。なお、二点鎖線は研削加工する凸部端面1bを示している。
【0029】
本実施の形態によれば、マスター型2の加工面2aにバイトにより切削加工したノコバ形状を反転した電鋳型1を作ることにより、マスター型2の加工面2aの切削加工に用いたバイトのノーズRで出来た凹部底隅のR部が、電鋳型1に形成されたノコバ形状の凸部角隅に形成されることになる。そして、電鋳型1の凸部角隅に形成されたR部が無くなるまで、緩斜面部と同じ角度で凸部端面1bを除去加工してノコバ形状の所望の深さ寸法tまで研削することにより、ノコバ状の隅Rの極めて小さく、かつ斜面部の平面度が良好な微細な凹凸形状を有する射出成形用型3を製造することができる。
【0030】
なお、上記詳細な説明には、以下の発明が含まれている。
(1)微細な凹凸形状を有する成形品を成形するための射出成形用金型の製造方法において、基準となる微細凹凸面を形成したマスター型を作製し、次にマスター型から微細凹凸形状を反転させた電鋳型を作り、その後前記電鋳型に切削加工を施して所望の微細凹凸形状を仕上げて前記射出成形用金型を得ることを特徴とする射出成形用金型の製造方法。
【0031】
(2)微細な凹凸形状を有する成形品を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、成形品に要求される微細凹凸面を反転した微細凹凸面を有するマスター型を切削バイトにて切削加工して作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工を施して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型を得る射出成形用金型の製造方法において、マスター型に凹部を切削加工する際、その凹部を射出成形用金型に要求される凸形状の高さに相当する所望の深さより少なくとも切削バイトのノーズR寸法以上深く切削加工し、前記凹部を反転させて電鋳型に形成された凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで前記凸部を切削加工することを特徴とする射出成形用金型の製造方法。
【0032】
(3)前記微細凹凸形状は、櫛歯形状あるいはノコバ形状であることを特徴とする前記構成(2)記載の射出成形用金型の製造方法。
【0033】
(4)微細な凹凸形状を有する成形品を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、斜面部と立ち上げ部を有するノコバ状の微細凹凸形状を切削バイトにより切削加工してマスター型を作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工を施して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型を得る射出成形用金型の製造方法において、マスター型に凹部を切削加工する際、緩斜面を表面側に形成しこの緩斜面に連続して急斜面を形成するとともに、緩斜面の延長線と立ち上げ部との交点より下に、急斜面と立ち上げ部の間に形成される切削バイトのノーズRが位置するようにし、前記凹部を反転させて電鋳型に形成された凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで、前記緩斜面と同じ平面となるように前記凸部を切削加工することを特徴とする射出成形用金型の製造方法。
【0034】
(4)前記マスター型に微細凹凸面をエッチングにより形成する射出成形用金型の製造法にあって、マスター型に凹部を形成する際、その凹部を射出成形用金型に要求される凸形状の高さに相当する所望の深さより少なくとも凹部底面に形成されるR形状を深く形成することを特徴とする前記構成(2)の射出成形用金型の製造方法。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、初期加工でマスター型に形成された微細な凹凸形状を電鋳加工により電鋳型に転写することで、凹部底部の未加工部を反転して電鋳型の表面に未加工部を移動し、電鋳型の表面を切削加工することによって未加工部を取り除き、微細な凹凸形状の稜部を極めて小さくした射出成形用金型を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の製造方法を示す工程図である。
【図2】図1のA部拡大詳細図である。
【図3】図1のB部拡大詳細図である。
【図4】図1のC部拡大詳細図である。
【図5】実施の形態1の変形例を示す図1のA部拡大詳細図である。
【図6】本発明の実施の形態2における図1のA部拡大詳細図である。
【図7】本発明の実施の形態2における図1のB部拡大詳細図である。
【図8】本発明の実施の形態2における図1のC部拡大詳細図である。
【図9】本発明の実施の形態3における図1のA部拡大詳細図である。
【図10】本発明の実施の形態3における図1のB部拡大詳細図である。
【図11】本発明の実施の形態3における図1のC部拡大詳細図である。
【符号の説明】
1 電鋳型
1a 表面
1b 凸部端面
2 マスター型
2a 加工面
3 射出成形用金型
Claims (6)
- 微細凹凸面を有するマスター型を作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して得られる射出成形用金型において、
射出成形用金型に要求される凸部の高さに相当する凹部をマスター型に加工する際、所望の深さより少なくとも凹部の底部に残ることが推測される未加工部の高さ分以上に深く凹部を加工し、この凹部を反転させた電鋳型の凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで、電鋳型の凸部端面を除去加工して成ることを特徴とする射出成形用金型。 - 微細な凹凸形状を有する成形品を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、微細凹凸面を有するマスター型を作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型とする射出成形用金型の製造方法において、
射出成形用金型に要求される凸部の高さに相当する凹部をマスター型に加工する際、所望の深さより少なくとも凹部の底部に残ることが推測される未加工部の高さ分以上に深く凹部を加工し、この凹部を反転させた電鋳型の凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで、電鋳型の凸部端面を除去加工することを特徴とする射出成形用金型の製造方法。 - 微細凹凸面を有するマスター型を作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工して電鋳型を作製した後、マスター型から離型した電鋳型を微細凹凸形状を有する成型品を成形するための射出成形用金型とする射出成形用金型において、
前記成型品の微細凹凸形状を形成するための前記金型の転写部における微細凹凸面の凸部端面が切削加工あるいは研削加工が施された加工面であり、前記微細凹凸面の凹部が前記マスター型の表面を転写した転写面であることを特徴とする射出成形用金型。 - 微細な凹凸形状を有する成型品を成形するための射出成形用金型の製造方法であって、微細凹凸面を有するマスター型を切削バイトにて切削加工して作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工を施して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型を得る射出成形用金型の製造方法において、
マスター型に凹部を切削加工する際、その凹部を射出成形用金型に要求される凸形状の高さに相当する所望の深さより少なくとも切削バイトのノーズR寸法以上深く切削加工し、前記凹部を反転させて電鋳型に形成された凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで前記凸部を切削加工することを特徴とする射出成形用金型の製造方法。 - 微細な凹凸形状を有する成型品を成型するための射出成形用金型の製造方法であって、微細凹凸面を有するマスター型をエッチングにより作製し、マスター型の微細凹凸面に電鋳加工を施して電鋳型を作製した後、電鋳型をマスター型から離型して射出成形用金型を得る射出成形用金型の製造方法において、
マスター型に凹部を形成する際、その凹部を射出成形用金型に要求される凸形状の高さに相当する所望の深さより少なくとも凹部底面に形成されるR形状の高さ分だけ深く形成し、前記凹部を反転させて電鋳型に形成された凸部が射出成形用金型に要求される凸形状の高さとなるまで前記凸部を切削加工することを特徴とする射出成形用金型の製造方法。 - 前記微細凹凸形状は、櫛歯形状あるいはノコバ形状であることを特徴とする請求項4または請求項5記載の射出成形用金型の製造方法。
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JPH10244560A (ja) | 1998-09-14 |
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