JP2007331111A - 鏡面駒、金型装置、光学素子、及び鏡面駒の加工方法 - Google Patents

鏡面駒、金型装置、光学素子、及び鏡面駒の加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】離型抵抗の少ない加工を行うことで高精度な成形品を得る。
【解決手段】柱状部材からなる第1の鏡面駒24は、一方の端面に光学転写面24aを備え、この光学転写面24aは、凹38aと凸38bが交互に形成された同心状模様の周期構造38を有している。そして、この凹38aと凸38bの差は可視光の波長よりも小さく、しかも同心状模様の中心Cが、光学転写面24aの中心Oと異なる位置にある。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラスチック等の光学素子素材を成形手段により成形する際に用いられる鏡面駒、金型装置、光学素子、及び鏡面駒の加工方法に関する。
従来、光学機器に用いられるレンズ等であって、例えば光軸を中心とする回転軸対称な光学機能面を有するレンズを形成する場合、プレス成形や射出成形などの成形手段を用いて成形することが公知である。この場合、レンズの光学機能面は、金型の構成部材としての鏡面駒に形成された光学転写面によって転写成形される。この鏡面駒は、一般的にNC工作機械等を用いて精密に加工されている。
図10には、このような鏡面駒100の従来の加工方法を示している。同図において、従来は、鏡面駒100を、光軸Oを中心として矢印A方向に回転させてダイヤモンドバイトや砥石等で加工する方法が多用されていた。すなわち、回転する鏡面駒100に対し、加工工具101を外周部から中心部へ向かって矢印B方向に移動させることにより、任意の光学転写面102に加工していた。
しかし、このような加工方法で作製された鏡面駒100には、図11に示すように、該鏡面駒100を回転させる際の回転中心に略等しい位置を基点とした略同心円状の加工溝103が形成される。そして、このような光学転写面102を用いて成形した場合、得られる光学素子の光学機能面の粗さや精度にも影響を及ぼす。
これを回避するため、例えば、特許文献1には、光軸を中心に鏡面駒を回転させた状態で、光軸と略直交する方向に加工工具を径方向位置に応じて送りピッチを変化させて移動させた点が開示されている。これにより、略均一な表面粗さの加工を行うことができるというものである。
特開2003−53602号公報(第2−3頁、図1)
しかしながら、特許文献1によっても、図11に示すように、加工された鏡面駒100には、光学転写面102の略中心位置に加工残りとしての突起部104が発生する。このような鏡面駒100を、例えば射出成形金型の構成部材に用いてレンズを成形すると、前述した突起部104が成形素材内に埋まる。このため、鏡面駒100から成形品を取り出す際の離型抵抗が大きくなる。
また、この離型抵抗により、成形品としてのレンズの光学機能面を変形させるおそれがある。この変形により、例えば、レンズに「アス」(Astigmatism)と呼ばれる形状誤差が発生する。なお、この「アス」とは、レンズのある断面とその断面と略直交する断面とで曲率半径が異なる状態をいう。
更に、前述した突起部104に起因して、レンズの光学機能面の略中心位置に発生する凹部により、画像中心でレンズ結像性能を低下させるおそれがある。また、面同士の貼り付きが最も大きい箇所(光軸中心付近)に突起部104があることも問題である。そして、この突起部104を除去するために後加工を行う必要がある。
また、特許文献1では、径方向位置に応じて送りピッチを変化させて、面精度を略均一にしようとしているが、径方向位置に応じてピッチを変える加工方法では、多くの加工時間を必要とし、更に、複雑なプログラムも必要となる。
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、離型抵抗の少ない加工を行うことで高精度な成形品を得ることのできる鏡面駒、金型装置、光学素子、及び鏡面駒の加工方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
柱状部材からなる鏡面駒であって、
前記柱状部材は、一方の端面に光学転写面を備え、
前記光学転写面は、その表面に同心状模様の周期構造を有し、
前記凹凸の差は可視波長よりも小さく、
前記周期構造の断面は凹凸形状であって、凹部は曲面で形成され、
前記同心状模様の中心が、前記光学転写面の中心と異なる位置にあることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の鏡面駒において、
前記同心状模様の中心が、光学転写面内にあることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の鏡面駒において、
前記同心状模様の中心が、光学転写面外にあることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の鏡面駒において、
前記光学転写面は、前記周期構造が形成されている第1領域と、前記周期構造とは別の周期構造が形成されている第2領域を少なくとも備えることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の鏡面駒において、
前記第1領域が前記第2領域と異なる領域に設けられていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4に記載の鏡面駒において、
前記第1領域の少なくとも一部が前記第2領域と異なることを特徴とする。
請求項7に係る発明の金型装置は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の鏡面駒と、
該鏡面駒を保持する第1の金型と、
前記鏡面駒及び前記第1の金型と対向する位置に設けられた第2の鏡面駒及び第2の金型を備えていることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の金型装置において、
前記第2の鏡面駒が、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の鏡面駒であることを特徴とする。
請求項9に係る発明の光学素子は、
請求項7又は8に記載された金型装置によって成形されたことを特徴とする。
請求項10に係る発明は、
鏡面駒を保持し、
前記鏡面駒の被加工面と対向する位置に加工工具を配置し、
前記被加工面を固定した状態で、前記加工工具を前記被加工面の面内で少なくとも2次元方向に移動させて、前記被加工面の加工を行う加工方法であって、
前記被加工面に、凹凸の差が可視波長よりも小さく、該凹凸が交互かつ同心状模様となり、該同心状模様の中心が前記被加工面の中心と異なる位置となる周期構造が形成されるように、前記移動を行うことを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の鏡面駒の加工方法において、
前記移動が、前記2次元方向以外の方向の移動、あるいは前記被加工面に対する前記加工工具の角度の変化、あるいはその両方を伴うことを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項10又は11に記載の鏡面駒の加工方法において、
前記加工が、切削加工あるいは研削加工であることを特徴とする。
本発明によれば、鏡面駒に形成された光学転写面は同心状模様の周期構造を有し、その同心状模様の中心を、光学転写面の中心と異なる位置に設けたことにより、鏡面駒の光学転写面と被成形側の光学素子面との張り付きを抑制し、「アス」の良好な高精度な光学素子を得ることができる。
また、光学転写面の加工中心である同心状模様の中心に突起部がないので、これを除去する作業に必要な時間を短縮できる。よって、製造コストの低減を図ることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(金型装置の実施の形態)
図1は、本実施の形態に用いられる金型装置の断面正面図である。また、図2(a)は、第1の鏡面駒の断面正面図、図2(b)は、第2の鏡面駒の断面正面図である。
同図において、本実施の形態の金型装置10は、射出成形用金型として用いられる。この金型装置10は、第1の金型としての固定側金型12と、第2の金型としての可動側金型14とを備えている。
固定側金型12は、中央にスプルー16とランナ17、及びゲート19が形成された固定側型板18と、この固定側型板18が取付けられる固定側取付板20とを有している。この固定側取付板20には、断面略円形の貫通孔22が形成されている。
そして、この貫通孔22には、図2(a)に示すように、柱状部材からなる第1の鏡面駒24が嵌挿されている。そして、第1の鏡面駒24は、固定側取付板20に固定されている。また、この第1の鏡面駒24は、軸方向の一方の端面が光学転写面24aに形成され、他方の端面が平坦面24bに形成されている。
可動側金型14は、可動側型板26と可動側取付板28とを有している。可動側取付板28には、不図示のスペーサブロックを介して前述した可動側型板26が配設されている。
この可動側型板26には、前述した貫通孔22と同心状でかつ断面略円形の貫通孔32が形成されている。そして、この貫通孔32には、図2(b)に示すように、柱状部材からなる第2の鏡面駒34が摺動自在に嵌挿されている。この第2の鏡面駒34は、軸方向の一方の端面が光学転写面34aとして形成され、他方の端面が平坦面34bに形成されている。
なお、本実施形態では、第1の鏡面駒24と第2の鏡面駒34とは、いずれも例えばタングステンカーバイド(WC)等の超硬合金や、スタバックス等のSUS系で作製されている。
また、第1の鏡面駒24の光学転写面24aと第2の鏡面駒34の光学転写面34aで囲まれた空間に、キャビティ36が形成されている。本実施形態では、図1に示すように、キャビティ36が2個形成された場合について説明するが、その個数については適宜選択することができる。
ここで、固定側金型12の固定側型板18と、可動側金型14の可動側型板26とを密着させた状態(図1の状態)を、位置決めした状態とする。この位置決めした状態で、貫通孔22と貫通孔32とは、夫々の中心軸線が略一致するように精密に加工されている。これにより、第1の鏡面駒24の光学転写面24aと、第2の鏡面駒34の光学転写面34aとの位置関係が適正となり、成形品におけるシフト及びチルド(位置ずれ、偏心)の発生が防止される。
以上において、不図示のスペーサブロックの内側の空間には、第2の鏡面駒34を可動側型板26から固定側金型12側に突き出すための突出機構(図示せず)が設けられている。この突出機構は、1対のエジェクタプレート30,31とエジェクタピン(図示せず)等を有している。エジェクタプレート31には、第2の鏡面駒34の他方の端面(平坦面34b)が当接している。
また、エジェクタプレート31と可動側型板26との間は空間が形成されている。そして、1対のエジェクタプレート30,31が図の右方向に移動すると、第2の鏡面駒34が固定側金型12の方向へ移動する。この結果、キャビティ36内の成形品が可動側型板26から突き出される。このとき、ランナ17まで延びているエジェクタピン(図示せず)が、ランナ17の部分で固化している樹脂を併せて突き出す。
なお、第1の鏡面駒24と第2の鏡面駒34とは、略同一の構成を有しているので、以下、「鏡面駒」として、第1の鏡面駒24を代表例として説明する。
(鏡面駒の第1の実施の形態)
図3は第1の実施の形態の鏡面駒を示す図であって、(a)は鏡面駒の表面(光学転写面)を正面から見た図、(b)は表面の断面図である。
図3(a)に示すように、第1の鏡面駒24の光学転写面24aは、その表面に、同心状模様の周期構造38を有している。この周期構造38は、凹部38aと凸部38bを有している。よって、図3(b)に示すように、周期構造38の断面は凹凸形状になっている。この凹部38aと凸部38bが交互に形成されることで、周期構造38が構成されている。また、凹部38a(加工溝51)は曲面で形成されているので、その断面は曲線状(例えば、円弧状)になっている。
また、凸部38bは線状になっているので、その断面は点状(突起)になっている。なお、凸部38bは、加工条件(加工速度、移動ピッチ)によって、平坦状や曲面状になる。
また、この凹部38aと凸部38bの高さの差(溝深さ)は、可視光の波長(略380〜770nm)よりも小さく形成されている。これは、第1の鏡面駒24を金型として用いた場合に、成形品の光学的性能に影響がないようにするためである。なお、同心状模様の周期構造38としては、例えば円弧状の溝や略平行な直線状の溝の模様を想定することができる。
本実施の形態では、第1の鏡面駒24は、同心状模様の中心Cが光学転写面24aの中心Oと異なる位置にあることを特徴としている。そして、図3では、同心状模様の中心Cが光学転写面24aの内側にある場合を示している。これにより、光学転写面24aの中心Oから外れた位置に、加工残りとしての突起部が形成される。
この場合、成形品(レンズ)側には、この突起部に対応した位置に所定の窪み部が発生する。しかし、この第1の鏡面駒24を用いてレンズを成形した場合、レンズの光学機能面の中心から外れた位置に窪み部が形成されるため、この窪み部が光軸中心にある場合と比較して離型時の張り付きが緩和される。
よって、この第1の鏡面駒24を用いてレンズを成形した場合、離型抵抗が小さいので、レンズの光学機能面の変形が小さくなり、前述した「アス」の良好なレンズを得ることができる。また、この窪み部がレンズ光学面の中心から外れているため、画像中心でのレンズ結像性能の低下を防止することができる。
あるいは、光学転写面24a内で且つレンズ光学面の有効径外に、この窪み部が形成されるように光学転写面24aの加工(突起部の形成位置の調整)を行うのがより好ましい。
なお、本実施の形態では、光学転写面24aの外形は円である。よって、光学転写面24aの中心Oは円の中心になる。しかしながら、光学転写面24aの外形は、楕円や多角形あるいはその他の形状の場合もある。外形から中心を求めることができる場合、求めた中心を光学転写面24aの中心とすればよい。あるいは、光学転写面24aを使って形成したとき、光学面には光軸が存在する。
そこで、光学転写面24aにおけるこの光軸位置に対応する位置を、光学転写面24aの中心Oとしてもよい。また、光学面が自由曲面(回転対称軸や対称面を持たない光学面)の場合、設計上の光軸位置を光学転写面24aの中心Oと考えれば良い。
(鏡面駒の第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態の鏡面駒を示す図であって、表面(光学転写面)を正面から見た図である。本実施の形態では、図4に示すように、第1の鏡面駒24の光学転写面24aは、第1の実施の形態と同様に、溝状の凹部38aと平坦状の凸部38bが交互に形成された同心状模様の周期構造38を有している。また、この凹部38aと凸部38bの高さの差(溝深さ)も、可視光の波長(略380〜770nm)よりも小さく形成されている。
本実施の形態では、第1の鏡面駒24は、同心状模様の中心Cが光学転写面24aの外側にある場合を示している。これにより、光学転写面24aに加工残りとしての突起部が形成されることはない。
よって、この第1の鏡面駒24を用いてレンズを成形した場合、レンズの光学機能面には前述した窪み部が形成されないため、この窪み部がレンズの光学機能面にある場合と比較して離型時の張り付きが一層緩和される。
本実施形態の第1の鏡面駒24によれば、より「アス」の良好なレンズを得ることができる。
(鏡面駒の第3の実施の形態)
図5は、第3の実施の形態の鏡面駒を示す図であって、表面(光学転写面)を正面から見た図である。本実施の形態では、第1の鏡面駒24の光学転写面24aは、第1の領域と第2領域を少なくとも備えている。図5に示すように、第1領域(図5の左方部)には第1の周期構造38が形成されている。また、第2領域(図5の右方部)には、第1の周期構造38とは別の第2の周期構造38’が形成されている。
なお、第1の鏡面駒24の光学転写面24aは、第1の実施の形態と同様に、溝状の凹部38aと平坦状の凸部38bが交互に形成された同心状模様の周期構造38を有している。また、この凹部38aと凸部38bの高さの差(溝深さ)も、可視光の波長(略380〜770nm)よりも小さく形成されている。
本実施形態では、第1の周期構造38と第2の周期構造38’の同心状模様の中心は異なっている。すなわち、第1の周期構造38の同心状模様の中心は光学転写面24aの左方の外側(不図示)にあり、第2の周期構造38’の同心状模様の中心は光学転写面24aの右方の外側(不図示)にある。そして、光学転写面24aにおいて、第1領域と第2領域とは異なる領域に設けられている。
更に、図5では、第1の周期構造38が形成された第1領域と、第2の周期構造38’が形成された第2領域の他に、第3の周期構造38”が形成された第3領域(図5の中央部)を備えている。また、第3の周期構造38” の同心状模様の中心も光学転写面24aの外側(不図示)にある。
これにより、光学転写面24aに加工残りとしての突起部が形成されることはない。なお、この第3の周期構造38” の凹部38aと凸部38bの高さの差(溝深さ)も、可視光の波長(略380〜770nm)よりも小さく形成されている。
なお、本実施形態では、光学転写面24aに第1領域〜第3領域を備えた場合について説明したが、これに限ることなく、例えば第4以上の複数領域を設けても良い。
本実施形態によれば、第1の鏡面駒24を用いてレンズを成形した場合、レンズ面には前述した窪み部は形成されないため、離型時の張り付きの問題は生じない。よって、「アス」の良好なレンズを得ることができる。
(鏡面駒の第4の実施の形態)
図6は、第4の実施の形態の鏡面駒を示す図であって、表面(光学転写面)を正面から見た図である。本実施の形態では、第1の鏡面駒24の光学転写面24aは、第1の領域と第2領域を備えている。本実施の形態では、第1の周期構造38が形成された第1領域と、第2の周期構造38’が形成された第2領域とが、一部(中央領域)において重複した周期構造138の領域を有する。すなわち、第1領域の少なくとも一部(図6の左方部)が、第2領域と異なっている。
なお、第1の鏡面駒24の光学転写面24aは、第1の実施の形態と同様に、溝状の凹部38aと平坦状の凸部38bが交互に形成された同心状模様の周期構造38を有している。また、この凹部38aと凸部38bの高さの差(溝深さ)も、可視光の波長(略380〜770nm)よりも小さく形成されている。
本実施形態においても、第1と第2の周期構造38、38’の同心状模様の中心は異なっている。また、この第1と第2の周期構造38、38’の同心状模様の中心も、光学転写面24aの外側(不図示)に存在している。
よって、この第1の鏡面駒24を用いてレンズを成形した場合、レンズの光学機能面には前述した窪み部が形成されないため、この窪み部がレンズの光学機能面にある場合と比較して離型時の張り付きが一層緩和される。
本実施形態によれば、「アス」の良好なレンズを得ることができる。また、2つの加工中心を用いて加工することができ、図5のような第3の周期構造38” は形成されないので、研削加工や切削加工が簡単となる。
(鏡面駒の加工方法)
次に、図7及び図8に基づき、本実施の形態における第1の鏡面駒24の加工方法について説明する。なお、第2の鏡面駒34の加工についても同様である。
図7(a)は、第1の鏡面駒の光学転写面の加工方法を示す概略斜視図、図7(b)は、図7の上面図である。
本実施の形態では、超精密NC制御加工機(又は自由曲面加工機)を用いた5軸制御により切削加工又は研削加工を行う。この場合、第1の鏡面駒24を回転させずに、この第1の鏡面駒24を固定保持する点が特徴である。
まず、光学転写面24aと対向する位置に、加工工具42を配置する。光学転写面24aは、第1の鏡面駒24における被加工面である。
次に、第1の鏡面駒24を固定した状態で、加工工具42を光学転写面24aの面内で例えば2次元方向に移動させ、光学転写面24aの加工を行う。この場合の加工は、超精密NC制御加工機側に予め設定されたプログラムに従って行われるが、これについての説明は省略する。なお、加工工具42を2次元方向以外の、例えば3次元方向に移動させながら加工を行っても良い。
なお、加工工具42の位置を固定しておき、第1の鏡面駒24を移動させても良い。あるいは、加工工具42と第1の鏡面駒24の両方を移動させても良い。
図8は切削加工を模式的に示す図であって、(a)は刃先の回転方向と同じ方向に加工工具を移動させる場合、(b)は刃先の回転方向と垂直な方向に加工工具を移動させる場合を示す図である。
切削加工を行うと、光学転写面24aの表面には挽き目G(凹部44a)ができる。挽き目Gは、断面形状が円弧状の溝(加工溝)である。この円弧の半径は、図8(a)の場合には、加工機の加工工具42の先端(バイト刃先T)の曲率半径と等しくなる。一方、図8(b)の場合には、この円弧の半径は、加工工具42の先端(バイト刃先T)の回転半径と等しくなる。このとき、光学転写面24aの表面全体の断面形状は、図3(b)に示すように、溝51(凹部44a)が規則正しく(周期的に)並んでいる形状となる。
また、本実施形態では、光学転写面24aに、凹部44aと凸部44bの高さの差(溝深さ)が可視光の波長よりも小さい加工溝(周期構造)44を形成するように加工工具42を移動させる。しかも、この加工工具42を、凹部44aと凸部44bが所定間隔で交互かつ同心状模様(図7及び図8では、略直線状の平行な模様)となるように移動させる。
本実施形態においては、前述した加工溝(周期構造)44は、回転中心を有する円弧状の凹凸の周期構造とは異なり、加工工具42の移動に伴う周期構造(加工溝)44を形成している。このようにして、光学転写面24aの中心とは異なる位置に周期構造(加工溝)44の中心を任意に形成することができる。
加工工具42の移動が非直線状動の場合、積極的に同心状模様の周期構造が得られる。なお、加工工具42の移動が直線状の場合であっても、結果として同心状模様の周期構造が得られることがある。よって、加工工具42の移動は直線状であっても、非直線状であっても良い。
なお、加工に際しては、加工工具42を、2次元〜3次元方向に移動させながら、しかも光学転写面24aに対して加工工具42の角度を任意に変化させながら加工を行っても良い。また、加工工具42としては、砥石等の研削工具やダイヤモンドバイト等の切削工具が用いられる。
ところで、周期構造(加工溝)44の周期や凹凸は、加工工具42の加工送り(送りピッチ)に影響される。そして、本実施形態では、第1の鏡面駒24を成形型として用いた場合に、成形される光学素子の光学的性能に影響のない範囲に加工送りを設定するようにしている。
以上説明した本実施の形態によれば、光学転写面24aと光学素子面の張り付きが最も大きい光学転写面24aの中心とは異なる位置に、同心状模様の中心を形成することができ、離型時の抵抗を抑制し、成形品の変形を抑制して「アス」の良好な成形品を得ることができる。
また、例えば同心状模様の中心を光学転写面24aに形成しないようにすることで、突起部のない、離型が良好な第1の鏡面駒24を得ることができる。更に、突起部を取り除くための研磨作業等を必要としないので、製造コストが低減される。
(成形された光学素子)
図9は、本実施の形態の射出成形用金型10によって成形された光学素子としての両凸レンズ50の外観を示している。
前述したように、本実施形態の射出成形用の金型装置10は、対向配置された第1の鏡面駒24と第2の鏡面駒34を有し、これら第1と第2の鏡面駒24、34によってキャビティ36が形成されている。そして、スプルー16から射出された溶融樹脂は、ゲート19からキャビティ36内に充填され、第1と第2の鏡面駒24、34の光学転写面24a,34aによって光学面が形成される。
その後、型開きが行われ、成形品としての例えば両凸レンズ50が取り出される。この両凸レンズ50には、少なくとも光軸中心には、結像性能を低下させる突起部がない。このようにして、「アス」が良好でかつ結像性能が良好な光学性能の両凸レンズ50を得ることができる。
本実施の形態における射出成形用の金型装置の断面正面図である。 (a)は、第1の鏡面駒の断面正面図、(b)は、第2の鏡面駒の断面正面図である。 第1の鏡面駒の光学転写面を示す図であって、(a)は鏡面駒の表面を正面から見た図、(b)は表面の断面図である。 第1の鏡面駒の光学転写面を示す図である。 第1の鏡面駒の光学転写面を示す図である。 第1の鏡面駒の光学転写面を示す図である。 第1の鏡面駒の光学転写面の加工方法を示す図であって、(a)概略斜視図、(b)上面図である。 切削加工を模式的に示す図であって、(a)は刃先の回転方向と同じ方向に加工工具を移動させる場合、(b)は刃先の回転方向と垂直な方向に加工工具を移動させる場合を示す図である。 両凸レンズの外観を示す図である。 従来の鏡面駒の光学転写面の加工方法を示す図である。 同上の上面図である。
符号の説明
10 金型装置
12 固定側金型
14 可動側金型
16 スプルー
17 ランナ
18 固定側型板
19 ゲート
20 固定側取付板
22 貫通孔
24 第1の鏡面駒
24a 光学転写面
24b 平坦面
26 可動側型板
28 可動側取付板
32 貫通孔
34 第2の鏡面駒
34a 光学転写面
34b 平坦面
36 キャビティ
38 周期構造
38a 凹部
38b 凸部
38' 周期構造
38” 周期構造
40 ゲート
42 加工工具
44 加工溝
50 両凸レンズ
138 周期構造

Claims (12)

  1. 柱状部材からなる鏡面駒であって、
    前記柱状部材は、一方の端面に光学転写面を備え、
    前記光学転写面は、その表面に同心状模様の周期構造を有し、
    前記周期構造の断面は凹凸形状であって、凹部は曲面で形成され、
    前記凹凸の差は可視波長よりも小さく、
    前記同心状模様の中心が、前記光学転写面の中心と異なる位置にある
    ことを特徴とする鏡面駒。
  2. 前記同心状模様の中心が、光学転写面内にある
    ことを特徴とする請求項1に記載の鏡面駒。
  3. 前記同心状模様の中心が、光学転写面外にある
    ことを特徴とする請求項1に記載の鏡面駒。
  4. 前記光学転写面は、前記周期構造が形成されている第1領域と、前記周期構造とは別の周期構造が形成されている第2領域を少なくとも備える
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鏡面駒。
  5. 前記第1領域が前記第2領域と異なる領域に設けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の鏡面駒。
  6. 前記第1領域の少なくとも一部が前記第2領域と異なる
    ことを特徴とする請求項4に記載の鏡面駒。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の鏡面駒と、
    該鏡面駒を保持する第1の金型と、
    前記鏡面駒及び前記第1の金型と対向する位置に設けられた第2の鏡面駒及び第2の金型を備えている
    ことを特徴とする金型装置。
  8. 前記第2の鏡面駒が、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の鏡面駒である
    ことを特徴とする請求項7に記載の金型装置。
  9. 請求項7又は8に記載された金型装置によって成形された
    ことを特徴とする光学素子。
  10. 鏡面駒を保持し、
    前記鏡面駒の被加工面と対向する位置に加工工具を配置し、
    前記被加工面を固定した状態で、前記加工工具を前記被加工面の面内で少なくとも2次元方向に移動させて、前記被加工面の加工を行う加工方法であって、
    前記被加工面に、凹凸の差が可視波長よりも小さく、該凹凸が交互かつ同心状模様となり、該同心状模様の中心が前記被加工面の中心と異なる位置となる周期構造が形成されるように、前記移動を行う
    ことを特徴とする鏡面駒の加工方法。
  11. 前記移動が、前記2次元方向以外の方向の移動、あるいは前記被加工面に対する前記加工工具の角度の変化、あるいはその両方を伴う
    ことを特徴とする請求項10に記載の鏡面駒の加工方法。
  12. 前記加工が、切削加工あるいは研削加工である
    ことを特徴とする請求項10又は11に記載の鏡面駒の加工方法。
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