JP5973787B2 - 光学素子加工用工具、砥石保持工具、光学素子加工用工具の製造方法及び使用方法、並びに、光学部材の製造方法 - Google Patents

光学素子加工用工具、砥石保持工具、光学素子加工用工具の製造方法及び使用方法、並びに、光学部材の製造方法 Download PDF

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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

本発明は、レンズ等の光学素子の研削又は研磨に用いられる光学素子加工用工具、該光学素子加工用工具において砥石を保持する砥石保持工具、光学素子加工用工具の製造方法及び使用方法、並びに、光学部材の製造方法に関する。
従来、レンズ等の光学素子に球面状の被加工面を形成する場合、被加工面と当接する加工面に溝を設けた固定砥粒研磨砥石(以下、単に砥石ともいう)を用いて、研削又は研磨加工が行われる(例えば、特許文献1参照)。
図12Aは、従来の砥石を示す上面図であり、図12Bは、図12Aに示す砥石の正面図であり、図12Cは、図12Aに示す砥石の側面図である。また、図13は、従来の砥石の製造方法を示す模式図である。図12A〜図12Cに示すように、砥石50の加工面51に溝52を設けておくと、加工面51を光学素子の被加工面に当接させて相対的な回転及び揺動運動をさせる際に、研削液又は研磨液(以下、加工液ともいう)の供給が円滑になり、加工時に発生する熱の除去や加工屑の排出が促進される。それにより、光学素子の面精度を高精度に維持しながら加工を行うことができる。なお、溝52のパターンは図12Aに示すような一文字状に限らず、十文字状や放射状のパターンが形成される場合もある。
このような溝52は、通常、一般的な切断機で使用されるダイヤモンドブレードを用いた機械加工により形成される。即ち、図13に示すように、回転するダイヤモンドブレード55に加工面51を押し当て、掘削位置をずらしながら砥石50を回転軸Rの方向に押圧することにより、所望の深さの溝52を形成する。
この際、図12B及び図12Cに示すように、凸状の加工面51に対し、溝を直線的に形成すると、中心部における溝の深さが過大になってしまう。それにより、砥石50の強度が低下し、研削又は研磨による加工抵抗に負けて、砥石50にたわみや折損が生じ易くなる。その結果、被加工面の面精度が低下したり、加工そのものが継続できなくなってしまうこともある。そのため、一般には、ほぼ均一の深さの溝52が、加工面51に沿って形成される。
ところで、溝52の幅や深さは、通常、砥石50のサイズに応じて決定される。ここで、砥石50のサイズが小さくなるほど、加工面51に対する溝52の領域が相対的に大きくなり易い。即ち、光学素子の被加工面に当接可能な砥石50の領域が少なくなってしまう。それにより、砥石50の強度が低下し、やはり砥石50にたわみや折損が生じてしまうおそれがある。
そのため、例えば、外径1mm、曲率半径1mm程度の微小な砥石50に対しては、加工面に対する溝52の大きさを相対的に小さくするため、例えば幅が0.1mm程度、深さが0.2mm程度の、ごく細く、且つごく浅い溝52が形成される。
特開2001−38594号公報
上述した従来の砥石50は、光学素子に対する研削又は研磨加工により徐々に磨耗するため、それに従って溝52が次第に浅くなり、消滅していく。このような状態で加工を続けると、加工液の排出が滞り、加工効率が低下してしまう。このため、光学素子の製造現場において、溝52を頻繁に形成し直す必要があった。
しかしながら、溝52が浅いとはいえ、微小な砥石50に対してダイヤモンドブレード55により溝52を繰り返し形成すると、砥石50が破損してしまう場合があり、作業が困難であった。また、溝52を繰り返し形成することにより砥石50の剛性が低下し、研削又は研磨加工中に砥石50が破損し易くなっていた。さらに、ダイヤモンドブレード55を用いる従来の溝52の形成方法では、切削装置を用意する必要があり、設備が煩雑になると共にコストを要していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光学素子加工用工具の製造中や使用中においても砥石が破損し難く、また、加工液の流路をなす溝を容易且つ安価に形成することができる光学素子加工用工具、該光学素子加工用工具において砥石を保持する砥石保持工具、光学素子加工用工具の製造方法及び使用方法、並びに、光学部材の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光学素子加工用工具は、光学素子の研削又は研磨に用いられる光学素子加工用工具において、柱状をなし、高さ方向の一方の端部に、前記光学素子と当接する加工面であって、1つの球面の一部をなす加工面がそれぞれ形成された複数の砥石と、端部が前記加工面よりも内周側に位置し、前記複数の砥石に挟持されて前記複数の砥石の間に溝を形成可能な間隔部材と、前記複数の砥石に前記間隔部材を挟持させた状態で前記複数の砥石を保持する保持工具と、を備えることを特徴とする。
上記光学素子加工用工具において、前記保持工具は、前記間隔部材を前記複数の砥石の軸に沿って位置調整可能に支持する調整機構を有することを特徴とする。
上記光学素子加工用工具において、前記間隔部材は、前記溝の幅に対応する厚さを有する板状部材からなることを特徴とする。
光学素子加工用工具において、前記間隔部材は、前記板状部材を複数交差させた形状を有することを特徴とする。
上記光学素子加工用工具において、前記複数の砥石によって挟持される前記間隔部材の面における前記加工面側の端部は、前記球面と同一の曲率の円弧形状をなすことを特徴とする。
上記光学素子加工用工具は、前記複数の砥石を外周側から保持するリング部材をさらに備えることを特徴とする。
本発明に係る砥石保持工具は、光学素子の研削又は研磨に用いられる光学素子加工用工具において砥石を保持する砥石保持工具であって、柱状をなし、高さ方向の一方の端部に前記光学素子と当接する加工面であって、1つの球面の一部をなす加工面がそれぞれ形成された複数の砥石に、端部が前記加工面よりも内周側に位置するように挟持されて前記複数の砥石の間に溝を形成可能な間隔部材と、前記複数の砥石に前記間隔部材を挟持させた状態で前記複数の砥石を保持する保持工具と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る光学素子加工用工具の製造方法は、光学素子の研削又は研磨に用いられる光学素子加工用工具の製造方法において、柱状をなす複数の砥石に間隔部材を挟持させる間隔部材挟持工程と、前記複数の砥石に前記間隔部材を挟持させた状態で前記複数の砥石を保持工具に保持させる砥石保持工程と、前記複数の砥石の高さ方向の一方の端部に、前記光学素子と当接する加工面を形成する加工面形成工程と、を含み、前記間隔部材の端部を前記加工面よりも内周側に配置することにより、前記複数の砥石の間に溝が形成されることを特徴とする。
本発明に係る光学素子加工用工具の使用方法は、前記光学素子加工用工具の使用方法において、前記光学素子加工用工具に対し、前記間隔部材を前記複数の砥石の軸に沿って移動させることにより、前記溝の深さを変化させることを特徴とする。
本発明に係る光学部材の製造方法は、前記光学素子加工用工具を用いて研削又は研磨を行う工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、複数の砥石で間隔部材を挟持することにより砥石間に溝を形成するので、光学素子加工用工具の製造中や使用中に砥石が破損し難くなると共に、加工液の流路をなす溝を容易且つ安価に形成することが可能となる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る光学素子加工用工具を示す一部断面正面図である。 図2は、図1に示す光学素子加工用工具を示す上面図である。 図3Aは、図1に示す間隔部材を示す一部断面正面図である。 図3Bは、図3Aに示すA−Aにおける一部断面側面図である。 図4Aは、図1に示す砥石保持工具を示す断面図である。 図4Bは、図4Aに示す砥石保持工具に調整ナット及び調整ハンドルを取り付けた状態を示す断面図である。 図5は、図1に示す光学素子加工用工具の使用状態を示す一部断面正面図である。 図6Aは、加工面を形成する前の複数の砥石に間隙部材を挟持させた状態を示す一部断面正面図である。 図6Bは、図6Aに示す複数の砥石及び間隙部材の一部断面側面図である。 図7は、砥石に間隔部材を挟持させて砥石保持工具に取り付けた状態を示す一部断面正面図である。 図8は、図7に示す砥石に加工面を形成した状態を示す一部断面正面図である。 図9Aは、本発明の一実施の形態の変形例1における間隙部材を示す上面図である。 図9Bは、図9Aに示すB−Bにおける一部断面正面図である。 図10Aは、図9Aに示す間隙部材を複数の砥石によって挟持した状態を示す上面図である。 図10Bは、図10Aに示すC−Cにおける一部断面正面図である。 図11Aは、本発明の一実施の形態の変形例2に係る光学素子加工用工具を示す一部断面正面図である。 図11Bは、本発明の一実施の形態の変形例2に係る光学素子加工用工具を示す一部断面正面図である。 図11Cは、本発明の一実施の形態の変形例2に係る光学素子加工用工具を示す一部断面正面図である。 図12Aは、従来の砥石を示す上面図である。 図12Bは、図12Aに示す砥石の正面図である。 図12Cは、図12Aに示す砥石の側面図である。 図13は、従来の砥石の製造方法を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、これら実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。図面は模式的なものであり、各部の寸法の関係や比率は、現実と異なることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態に係る光学素子加工用工具を示す断面図である。図2は、同光学素子加工用工具を示す上面図である。図1及び図2に示すように、本実施の形態に係る光学素子加工用工具1は、複数の砥石10a、10bと、これらの砥石10a、10bに挟持された間隔部材11と、砥石10a、10bに間隔部材11を挟持させた状態で該砥石10a、10bを保持する保持工具20とを備える。
各砥石10a、10bは、柱状をなす固定砥粒研磨砥石であり、円柱を軸と平行な方向に分割した形状を有している。即ち、各砥石10a、10bの外周面は、1つの円柱の外周側面の一部をなしている。また、各砥石10a、10bの高さ方向の一端部(上端部)には、加工対象である光学素子(例えばガラスレンズ)の被加工面と当接する加工面が形成されている。各加工面は、同じ凸球面の一部をなす形状に整形されており、砥石10a、10bが間隔部材11を挟持した状態で、これらの加工面により1つの凸球面状の加工面10cが形成される。なお、加工面10cの曲率は、光学素子の加工目標形状である凹球面に応じて決定される。
間隔部材11を挟持した状態での砥石10a、10bの底部の径は、保持工具20に設けられた凹部21a(後述)に合わせて決定されている。それに対して、砥石10a、10bの上部(加工面10cの外周)の径は、加工対象の光学素子の形状や大きさに合わせて、光学素子に対する加工中に干渉等が生じることのないように決定される。このため、砥石10a、10bの外周側面10eには、径が変化する段差が設けられることもある。
図3Aは、間隔部材11を示す一部断面正面図であり、図3Bは、図3Aに示すA−Aにおける一部断面側面図である。間隔部材11は、厚さt、幅wの板状部材からなり、間隔部材11の両面は、砥石10a、10bに挟持された際に、砥石10a、10bとそれぞれ当接する当接面11a、11bとなっている。これらの当接面11a、11bの先端部(加工面10c側の端部)11cは、好ましくは加工面10cと同一の曲率の円弧形状をなしている。また、間隔部材11には、ボールジョイント12を介して、外周に雄ネジが形成された軸部13が接続されている。
このような間隔部材11は、例えば、金属板にテフロン(登録商標)コーティングを施した材料、又はデルリン(登録商標)やベーク材等の樹脂材料のように、当接面11a、11bを押圧しても変形し難い剛性を有し、且つ、好ましくは滑りの良い材料によって形成されている。
図1に示すように、間隔部材11は、先端部11cが加工面10cよりも内周側となるように配置されている。それにより、砥石10aと砥石10bとの間に、加工液(研削液又は研磨液)の流路をなす溝10dが形成される。溝10dの深さδは、間隔部材11の先端部11cと加工面10cとの間隔によって決定される。この深さδは、加工面10cの径Dに応じて決定することが好ましく、例えば、径Dが5mm程度である場合、溝10dの深さδを3mm程度にすると良い。
図2に示すように、間隔部材11の厚さtは溝10dの幅に対応する。また、間隔部材11の幅wは加工面10cの径Dよりも小さくなっており、これにより、砥石10a、10bの側面領域にも溝10dが形成される。
図4A及び図4Bは、保持工具20の構造を説明する正面図である。
図4Aに示すように、保持工具20は、砥石10a、10bを嵌合させる凹部21aが形成された保持部21と、該保持部21を支持する支持部22とを有する。保持部21及び支持部22の外形は共に、軸R1を中心軸とする円柱形状をなす。
凹部21aの内周の径は、砥石10a、10b底部の外径よりも若干大きくなっている。砥石10a、10bは、この凹部21aの内周側面21b及び底面21cに塗布された接着剤により保持工具20に固定される。なお、本明細書においては、接着剤の記載を省略している。
支持部22の内部は空洞になっており、凹部21aの底面21cの中央部には、支持部22の内部空間22aと連通する貫通孔21dが形成されている。また、支持部22の内底面の中央部には、外部空間と連通する貫通孔22bが設けられている。なお、本実施の形態においては、保持部21と支持部22とを一体的に形成している。
図4Bに示すように、貫通孔22bには、内部空間22a側から調整ナット23が挿入されている。調整ナット23は、雄ネジが形成されたネジ部23aを有している。また、調整ナット23には、軸に沿って貫通するネジ穴23bが設けられている。
支持部22の外底面側には、貫通孔22bから突出するネジ部23aと螺合する雌ネジ部24aが設けられた調整ハンドル24が配置されている。
図1に示すように、間隔部材11を挟持した砥石10a、10bが凹部21aに嵌合されると、間隔部材11と接続された軸部13は、貫通孔21dを通って内部空間22aに挿入され、調整ナット23のネジ穴23bと螺合する。この状態で、調整ハンドル24を操作して調整ナット23を回転させると、軸部13が上下に移動し、それに伴い、間隔部材11が砥石10a、10bの間で上下動する。
次に、光学素子加工用工具1の使用方法を説明する。
図5は、光学素子加工用工具1の使用状態を示す図である。光学素子加工用工具1は、次のようにして使用される。即ち、砥石10a、10bの加工面10cに、光学素子ホルダ3に保持された光学素子2の被加工面2aを当接させる。そして、光学素子加工用工具1を軸R1回りに回転させると共に、光学素子ホルダ3を軸R2回りに回転させる。或いは、光学素子加工用工具1と光学素子ホルダ3とのいずれか一方を、回転させる代わりに揺動させても良い。また、この際、加工面10cと被加工面2aとの界面に、加工液を適宜供給する。それにより、被加工面2aが加工面10cに倣う形状に研削又は研磨される。このように光学素子2を加工(研削又は研磨)することにより、レンズなどの光学部材を製造することができる。
光学素子加工用工具1を用いて繰り返し加工を行うと、砥石10a、10bが次第に磨耗し、溝10dが浅くなってくる(例えば、破線で示す加工面10c’参照)。そのような場合には、加工面10c’の変位量に応じて調整ハンドル24を回転させ、軸部13を介して間隔部材11を図の下方に移動させる。それにより、加工面10c’と移動後の間隔部材11の先端部11c’との間に、元の深さ(例えば、3mm)の溝10dが再形成される。このような光学素子加工用工具1のメンテナンスを随時行うことにより、同じ光学素子加工用工具1を用いて光学素子2に対する加工を繰り返し行うことができる。なお、図5は、図1に対して、既にある程度砥石10a、10bが磨耗し、間隔部材11が下方に移動した状態を示している。
また、このような調整ハンドル24の操作は、溝10dを再形成する場合だけでなく、溝10dの深さを微調節したい場合に行っても良い。
次に、光学素子加工用工具1の製造方法を、図6A〜図8を参照しながら説明する。図6Aは、加工面を形成する前の砥石10a、10bで間隙部材11を挟持した状態を示す一部断面正面図である。図6Bは、図6Aに示す砥石10a、10b及び間隙部材11の一部断面側面図である。
まず、円柱状の砥石を軸方向に分割した形状をなす2つの砥石10a、10bを用意する。この際、各砥石10a、10bの直径を含む側面(断面)を、間隔部材11の厚さtに対応する分だけ研削しておく。そして、これらの砥石10a、10bによって間隔部材11を挟持する。なお、円柱状の砥石10a、10bとしては、必要な溝10dの深さδを確保すると共に、砥石10a、10bの外周側面側にも溝を形成するため、間隔部材11の幅w及び高さhよりも高さH及び径Dがそれぞれ大きい砥石を用意する。
続いて、調整ナット23及び調整ハンドル24を支持部22に組み付けた状態で、保持部21の凹部21aをヒータ等により加熱し、例えば熱可塑性の接着剤(図示せず)を溶融させて内周側面21b及び底面21cに塗布する(図5B参照)。
続いて、図7に示すように、砥石10a、10bで間隔部材11を挟持した状態で、軸部13及びボールジョイント12を貫通孔21dに挿入し、調整ハンドル24を回転させて、軸部13の先端を調整ナット23のネジ穴23bと螺合させる。さらに、調整ハンドル24を回転させながら、砥石10a、10bを凹部21aに挿入し、内周側面21b及び底面21cに当接させる。その状態をしばらく維持して接着剤を硬化させ、砥石10a、10bを凹部21aに固定する。
続いて、図8に示すように、砥石10a、10bの上端部を、光学素子2(図1参照)の加工目標形状に対応する凸球面形状に整形する。さらに、砥石10a、10bの外周側面10eを、光学素子に対する加工中の光学素子2と干渉しないように適宜研削する。それにより、光学素子加工用工具1が完成する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、複数の砥石で間隔部材を挟持することにより砥石間の溝を形成するので、光学素子加工用工具1の製造過程やメンテナンス時において、溝を形成するための切削加工が不要となる。従って、溝を形成する際の砥石の折損を防ぐことが可能となる。また、切削に起因する砥石の剛性低下が生じないので、光学素子に対する加工中においても、砥石の折損を抑制することも可能となる。
また、本実施の形態によれば、調整ハンドル24を回転させて、砥石10a、10bに対する間隔部材11の位置を調整するだけで、溝の深さを容易に再生することが可能となる。即ち、砥石の溝を再形成するための切削加工が不要となるので、切削装置を用意して切削加工を行う手間や時間やコストを省略することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、調整ハンドル24を回転させて、砥石10a、10bに対する間隔部材11の位置を調整することにより、溝の深さを容易に調節することができる。従って、例えば微小な加工面の光学素子加工用工具1に対しては、溝の深さをごく浅くするといった調節を行うことにより、光学素子に対する加工中における砥石のたわみや折損を抑制し、面精度の高い光学素子を製造することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、砥石10a、10bの磨耗量が多くなり、光学素子に対する加工が困難になった際には、砥石10a、10bを凹部21aから取り外して新たな砥石10a、10bと交換し、間隔部材11及び保持工具20を繰り返し使用することができる。
なお、以上の説明においては、被加工面2aが凹球面形状をなす光学素子2を製造するために、加工面10cを凸球面形状としたが、光学素子2の被加工面2aが凸球面形状である場合には、加工面10cを凹球面形状として、上記実施の形態と同様の光学素子加工用工具を作製することができる。
(変形例1)
次に、本実施の形態の変形例1について、図9A〜図10Bを参照しながら、説明する。上記実施の形態においては、複数の板状部材からなる間隔部材を用いて、砥石に放射状の溝を形成しても良い。図9Aは、変形例1における間隔部材を示す上面図であり、図9Bは、図9Aに示すB−Bにおける一部断面正面図である。また、図10Aは、変形例1における間隔部材を複数の砥石によって挟持した状態を示す上面図であり、図10Bは、図10Aに示すC−Cにおける一部断面正面図である。
図9A及び図9Bに示すように、本変形例1における間隔部材30は、2枚の板状部材31、32を互いに直交するように交差させたものであり、上方から見て十字形状をなしている。本変形例1においては、各板状部材31、32に切り込みを入れ、切り込み同士を嵌合させることにより十字形状を形成している。なお、上方から見て十字形状となる間隔部材30の構造としては、この他、1枚の板状部材に2分割した板状部材を両面に貼り付けた構造であっても良いし、中心軸となる部材に4枚の板状部材を羽根状に貼り付けた構造であっても良い。また、間隔部材30には、実施の形態1と同様に、外周に雄ネジが形成された軸部34が、ボールジョイント33を介して接続されている。
このような間隔部材30を用いる場合、図10A及び図10Bに示すように、円柱状の砥石を軸に沿って4分割した砥石35a〜35dによって板状部材31、32を挟持する。そして、この状態で軸部34及びボールジョイント33を保持部21の貫通孔21dに挿入し、軸部34を調整ナット23に螺合させると共に、砥石35a〜35dを凹部21aに嵌合させ、接着剤により固定する。さらに、砥石35a〜35dの上端部を所望の加工面35eの形状に成形すれば良い。
(変形例2)
次に、本実施の形態の変形例2について、図11A〜図11Cを参照しながら説明する。図11A〜図11Cは、変形例2に係る光学素子加工用工具を示す一部断面正面図である。
本変形例2に係る光学素子加工用工具1は、図11A〜図11Bに示すように、光学素子加工用工具1に対して、砥石10a、10bを外周側から抑えるリング部材41をさらに設けたものである。特に、保持部21の上端から突出する砥石10a、10bの部分が長い場合には、光学素子2に対する加工中に砥石10a、10bのたわみを防止する観点から、リング部材41を設けることが好ましい。リング部材41は、例えば金属や合金からなる硬質部材により作製しても良いし、ゴムバンドのような軟質部材により作製しても良い。
また、砥石10a、10bが磨耗して、高さが低くなってきた場合には、光学素子2に対する加工中に、光学素子2とリング部材41との干渉を避けるため、図11Bに示すように、リング部材41よりも高さが低いリング部材42と交換すると良い。
或いは、図11Cに示すように、砥石10a、10bの高さや、光学素子2の形状や大きさに応じて、加工中に干渉が生じないように、リング部材43の取り付け位置を変更しても良い。この場合、リング部材43の位置ずれを防止するため、リング部材43の内径にゴム等の滑り止め防止部材を配置しても良い。或いは、ゴムや樹脂材料等によりリング部材43を形成しても良い。
以上説明した実施の形態は、本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明は、実施の形態及びその変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成できる。本発明は、仕様等に応じて種々変形することが可能であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能である。
1 光学素子加工用工具
2 光学素子
2a 被加工面
3 光学素子ホルダ
10a、10b、35a〜35d、50 砥石
10c、35e、51 加工面
10d、52 溝
10e 外周側面
11、30 間隔部材
11a、11b 当接面
11c 先端部
12、33 ボールジョイント
13、34 軸部
20 保持工具
21 保持部
21a 凹部
21b 内周側面
21c 底面
21d 貫通孔
22 支持部
22a 内部空間
22b 貫通孔
23 調整ナット
23a ネジ部
23b ネジ穴
24 調整ハンドル
24a 雌ネジ部
24b 貫通孔
31 板状部材
41、42、43 リング部材

Claims (9)

  1. 光学素子の研削又は研磨に用いられる光学素子加工用工具において、
    柱状をなし、高さ方向の一方の端部に、前記光学素子と当接する加工面であって、1つの球面の一部をなす加工面がそれぞれ形成された複数の砥石と、
    端部が前記加工面よりも内周側に位置し、前記複数の砥石に挟持されて前記複数の砥石の間に溝を形成可能な間隔部材と、
    前記複数の砥石に前記間隔部材を挟持させた状態で前記複数の砥石を保持する保持工具であって、前記間隔部材を前記複数の砥石の軸に沿って位置調整可能に支持する調整機構を有する保持工具と、
    を備えることを特徴とする光学素子加工用工具。
  2. 前記間隔部材は、前記溝の幅に対応する厚さを有する板状部材からなることを特徴とする請求項1に記載の光学素子加工用工具。
  3. 前記間隔部材は、前記板状部材を複数交差させた形状を有することを特徴とする請求項に記載の光学素子加工用工具。
  4. 前記複数の砥石によって挟持される前記間隔部材の面における前記加工面側の端部は、前記球面と同一の曲率の円弧形状をなすことを特徴とする請求項又はに記載の光学素子加工用工具。
  5. 前記複数の砥石を外周側から保持するリング部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の光学素子加工用工具。
  6. 光学素子の研削又は研磨に用いられる光学素子加工用工具において砥石を保持する砥石保持工具であって、
    柱状をなし、高さ方向の一方の端部に前記光学素子と当接する加工面であって、1つの球面の一部をなす加工面がそれぞれ形成された複数の砥石に、端部が前記加工面よりも内周側に位置するように挟持されて前記複数の砥石の間に溝を形成可能な間隔部材と、
    前記複数の砥石に前記間隔部材を挟持させた状態で前記複数の砥石を保持する保持工具であって、前記間隔部材を前記複数の砥石の軸に沿って位置調整可能に支持する調整機構を有する保持工具と、
    を備えることを特徴とする砥石保持工具。
  7. 光学素子の研削又は研磨に用いられる光学素子加工用工具の製造方法において、
    柱状をなす複数の砥石に間隔部材を挟持させる間隔部材挟持工程と、
    前記複数の砥石に前記間隔部材を挟持させた状態で前記複数の砥石を保持工具に保持させる砥石保持工程と、
    前記複数の砥石の高さ方向の一方の端部に、前記光学素子と当接する加工面を形成する加工面形成工程と、
    を含み、
    前記間隔部材の端部を前記加工面よりも内周側に配置することにより、前記複数の砥石の間に溝が形成されることを特徴とする光学素子加工用工具の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学素子加工用工具の使用方法において、
    前記光学素子加工用工具に対し、前記間隔部材を前記複数の砥石の軸に沿って移動させることにより、前記溝の深さを変化させることを特徴とする光学素子加工用工具の使用方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学素子加工用工具を用いて研削又は研磨を行う工程を含むことを特徴とする光学部材の製造方法。
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