JP2006289566A - マイクロレンズアレイの成形型の研削加工方法及び研削加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形面に所定の曲率半径、面精度等を有する球形状の凹部を高精度かつ均一に研削加工する。
【解決手段】ワークを取り付ける主軸7と、主軸7に対して傾斜配置可能な研削スピンドル9と、研削スピンドル9に取り付けた研削砥石13と、研削砥石13をワークに押し当て、主軸7とワークの加工中心との距離を略一定にした状態で、研削砥石13をワークと略一体的に旋回移動させる研削スピンドルホルダー12と、加工された球形状の凹部の寸法精度を測定するセンサ35とを備え、センサ35による測定結果を、制御部36を介して回転テーブル10にフィードバックし、研削スピンドル9の傾きを補正する。
【選択図】図3
【解決手段】ワークを取り付ける主軸7と、主軸7に対して傾斜配置可能な研削スピンドル9と、研削スピンドル9に取り付けた研削砥石13と、研削砥石13をワークに押し当て、主軸7とワークの加工中心との距離を略一定にした状態で、研削砥石13をワークと略一体的に旋回移動させる研削スピンドルホルダー12と、加工された球形状の凹部の寸法精度を測定するセンサ35とを備え、センサ35による測定結果を、制御部36を介して回転テーブル10にフィードバックし、研削スピンドル9の傾きを補正する。
【選択図】図3
Description
本発明は、マイクロレンズ用の球形状の凹部又は凸部を形成したマイクロレンズアレイの成形型の研削加工方法及び研削加工装置に関する。
マイクロレンズアレイの成形型の研削加工方法として、ポンチによる圧力転写や高精度なダイヤモンドバイトを用いた工具転写などが提案されている。しかし、いずれにおいても、プラスチック成形用に用いられる金属材料への加工は可能であっても、ガラス成形型に用いられる超硬合金やセラミックス等の脆性材料には適さない加工法である。
このため、脆性材料への加工は、一般に研削加工が行われており、3次元研削加工装置を用いてフライアイレンズ形状に沿って成形面の全面を走査させる加工方法も知られているが、膨大な加工時間がかかる等の課題もある。そこで、この課題解決のため以下の加工法が提案されている。
例えば、特許文献1に記載されている研削加工方法では、回転する加工機主軸と、この加工機主軸の端部に設けられ回転軸に対して直交する2方向に移動可能でワークを保持するスライドテーブルと、ワークに対して相対的に接離方向に移動自在な切削工具とを備え、ワークの加工中心を任意に移動させて研削加工することを繰り返してマイクロレンズアレイの成形型を研削加工するものである。
また、特許文献2に記載されている研削加工方法では、ワークを加工機主軸に取り付け、その加工機主軸の回転軸に対して直角又は傾斜させて設置した研削砥石をワークに押し付け、更に加工機主軸の回転軸とワークの加工中心との距離を一定に保ちながら、回転するワークの回転と同じ方向に、かつ同じ速度で研削砥石を旋回させて凹面の球面形状を研削加工し、更にワーク上の位置を変えて一連の動作を複数回繰り返すことによりマイクロレンズアレイの成形型を研削加工するものである。
特開平11−179601号公報(第3頁、図2)
特開2004−148454号公報(第4頁、図1)
しかしながら、前述した従来技術のうち、例えば、特許文献1に記載された技術では、加工機主軸の端面に取り付けられたスライドテーブルの位置決め精度が、マイクロレンズアレイの各アレイ(球形状)のピッチ間隔の誤差となってしまう不具合がある。また、加工時には加工機主軸が回転することから、スライドテーブルの移動位置によっては、重心が移動して加工機主軸の回転バランスが崩れ、加工面精度(粗さ)に影響を与える。よって、この従来技術では、研削加工すべき球形状の曲率半径の値の変化には対応できるが、面精度(粗さ)や各アレイ間のピッチを高精度に位置決めすることは困難であった。
また、特許文献2に記載された技術では、面精度(粗さ)や各アレイ間のピッチを高精度に研削加工可能であるが、円盤状・球状・楕円状のいずれかの砥石を工作物に押付けて研削加工を行うことから、砥石形状(回転半径の大きさ)によって、得られる球形状の曲率半径の値が決定されてしまう。前記砥石形状を所望の回転半径(例えばミクロンレベル)にツルーイング・ドレス(砥石の形状を整えて切れ刃を作る作業)することは困難である。また、加工中の砥石摩耗により、得られる球形状の曲率半径の値が変化する場合には、これに対応することが難しい。すなわち、砥石の切れ刃再生のためにツルーイング・ドレスを行うことで、砥石が初期の回転半径よりも小さくなってしまい、複数個のマイクロレンズアレイの曲率半径の値を高精度かつ均一に加工することは困難であった。
本発明は、斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、成形面に所定の曲率半径、面精度等を有する球形状の凹部又は凸部を高精度かつ均一に研削加工することのできるマイクロレンズアレイの成形型の研削加工方法及び研削加工装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ワークを取り付けて回転する加工機主軸と、
該加工機主軸の回転軸に対し、機体ベース面と略平行な面内で傾斜して配置可能な研削スピンドルと、
該研削スピンドルに取り付けた研削砥石と、を備え、
該研削砥石をワークに押し当て、前記加工機主軸の回転軸とワークの加工中心との距離を略一定に保持した状態で、ワークに球形状の凹部又は凸部の研削加工を施すべく、ワークと前記研削砥石とを略一体的に前記加工機主軸の回転軸の周りに旋回移動させる、ことを特徴とする。
該加工機主軸の回転軸に対し、機体ベース面と略平行な面内で傾斜して配置可能な研削スピンドルと、
該研削スピンドルに取り付けた研削砥石と、を備え、
該研削砥石をワークに押し当て、前記加工機主軸の回転軸とワークの加工中心との距離を略一定に保持した状態で、ワークに球形状の凹部又は凸部の研削加工を施すべく、ワークと前記研削砥石とを略一体的に前記加工機主軸の回転軸の周りに旋回移動させる、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のマイクロレンズアレイの成形型の研削加工装置において、
前記研削砥石は、円柱状又はカップ状の砥石である、ことを特徴とする。
前記研削砥石は、円柱状又はカップ状の砥石である、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、回転する加工機主軸にワークを取り付け、
前記加工機主軸の回転軸に対し、機体ベース面と略平行な面内で傾斜して研削スピンドルを配置し、
該研削スピンドルに取り付けた研削砥石をワークに押し当て、前記加工機主軸の回転軸とワークの加工中心との距離を略一定に保持した状態で、
ワークと前記研削砥石とを略一体的に前記加工機主軸の回転軸の周りに旋回移動させて、ワークに球形状の凹部又は凸部の研削加工を施す、ことを特徴とする。
前記加工機主軸の回転軸に対し、機体ベース面と略平行な面内で傾斜して研削スピンドルを配置し、
該研削スピンドルに取り付けた研削砥石をワークに押し当て、前記加工機主軸の回転軸とワークの加工中心との距離を略一定に保持した状態で、
ワークと前記研削砥石とを略一体的に前記加工機主軸の回転軸の周りに旋回移動させて、ワークに球形状の凹部又は凸部の研削加工を施す、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のマイクロレンズアレイの成形型の研削加工方法において、
前記球形状の凹部又は凸部の曲率半径を、前記研削砥石径及び前記加工機主軸の回転軸と前記研削スピンドルとの傾斜角度を変えて研削加工することで変更可能とした、ことを特徴とする。
前記球形状の凹部又は凸部の曲率半径を、前記研削砥石径及び前記加工機主軸の回転軸と前記研削スピンドルとの傾斜角度を変えて研削加工することで変更可能とした、ことを特徴とする。
本発明によれば、研削砥石をワークに押し当て、加工機主軸の回転軸とワークの加工中心との距離を略一定に保持した状態で、ワークと研削砥石とを略一体的に加工機主軸の回転軸の周りに旋回移動させて、これを複数回繰り返すことで、所定の曲率半径、面精度等を有する球形状の凹部又は凸部を高精度かつ均一に研削加工することができる。
また、加工機主軸の回転軸に対し、機体ベース面と略平行な面内で傾斜して配置可能な研削スピンドルの傾斜角度を可変にしたことで、任意の曲率半径の球形状の凹部又は凸部を加工することができる。しかも、加工された球形状の凹部又は凸部の寸法精度を測定するセンサを有し、該センサからの測定信号をフィードバックして、研削スピンドルの傾斜角度を補正することで、砥石摩耗が生じたとしても球形状の凹部又は凸部を高精度かつ均一に研削加工することができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、被加工物であるマイクロレンズアレイの成形型1の仕上がり形状を示す斜視図、図2は、マイクロレンズアレイの成形型1の成形面2の正面図である。マイクロレンズアレイの成形型1は、例えば超硬合金を用いており、成形面2には、本実施形態にて対象形状とする球形状(凹面)の穴3が、X軸方向のピッチΔX、Y軸方向のピッチΔYで、X軸方向に3個×Y軸方向に3列の計9個が形成されている。そして、これら9個の穴3が夫々レンズ型となる。但し、レンズ型の穴数や配列はこれらに限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
図1は、被加工物であるマイクロレンズアレイの成形型1の仕上がり形状を示す斜視図、図2は、マイクロレンズアレイの成形型1の成形面2の正面図である。マイクロレンズアレイの成形型1は、例えば超硬合金を用いており、成形面2には、本実施形態にて対象形状とする球形状(凹面)の穴3が、X軸方向のピッチΔX、Y軸方向のピッチΔYで、X軸方向に3個×Y軸方向に3列の計9個が形成されている。そして、これら9個の穴3が夫々レンズ型となる。但し、レンズ型の穴数や配列はこれらに限定されるものではない。
図3は、マイクロレンズアレイの成形型1に、球形状(凹面)の穴3を研削加工する研削装置40である。この研削装置40は、X軸、Y軸、Z軸の3軸方向にそれぞれスライド可能なX軸テーブル4、Y軸テーブル5、Z軸テーブル6を有し、3軸方向へ移動制御しながら研削加工することができる。また、主軸7を矢印C方向に回転させるモータ8と、研削スピンドル9を矢印B方向に旋回させる回転テーブル10を有している。
このため、研削装置40は、全体として、スライド可能な前記テーブル4,5,6に加えて、5軸方向に制御可能となっている。成形型1は、ベース11上のX軸テーブル4及びZ軸テーブル6上に設置されている主軸(加工機主軸)7に固定されている。そして、Z軸方向は主軸7の回転軸7aと略平行であり、また、X軸方向は主軸7の回転軸7aに対して略直交している。
研削スピンドル9は、ベース11上において、X軸テーブル4及びZ軸テーブル6と対向するY軸テーブル5及び回転テーブル10上に設置された研削スピンドルホルダー12に固定されている。また、Y軸は、X軸とZ軸によって形成される平面に対して垂直であり、回転テーブル10の回転軸10aは前記Y軸と略平行である。更に、研削スピンドル9は、回転テーブル10の回転軸10aを中心としてB方向に旋回可能な状態に設置されている。前記研削スピンドル9には円柱状の研削砥石13が取り付けられている。
また、本実施の形態では、研削加工された球形状(凹面)の穴3の寸法精度を測定するセンサ35と、主軸7の回転軸7aに対し、機体ベース11と略平行な面内で傾斜して配置可能な研削スピンドル9と、センサ35からの測定信号に基づき、研削スピンドル9の回転軸9aの傾斜角度を演算する制御部36とを備えている。なお、この制御部36は、回転テーブル10の矢印B方向の回転以外の制御であるX軸テーブル4のX軸方向の移動、Y軸テーブル5のY軸方向の移動、Z軸テーブル6のZ軸方向の移動、主軸7の矢印C方向の回転および研削スピンドル9の回転軸9aに対する研削砥石13の回転も制御可能となっている。前記センサ35としては、例えばレーザセンサ等の非接触式センサが用いられるが、必ずしもこれに限るものではない。更に、センサ35による検出結果は、制御部36を介して回転テーブル10にフィードバックされ、研削スピンドル9の回転軸9aの傾きが補正される。
次に、本実施の形態によるマイクロレンズアレイの成形型1の研削加工方法を説明する。
この研削加工方法は、回転する被加工物(成形型1)に、研削砥石13の端面を前記回転軸7aに対して任意の角度に傾けて押し当て、球形状を研削加工するカーブジェネレータ(球面研削機)と同じ作用を用いて研削加工するものである。
この研削加工方法は、回転する被加工物(成形型1)に、研削砥石13の端面を前記回転軸7aに対して任意の角度に傾けて押し当て、球形状を研削加工するカーブジェネレータ(球面研削機)と同じ作用を用いて研削加工するものである。
図4(a)〜(d)に、成形型1の成形面2に1つの球形状(凹面)の穴3を研削加工する工程を示し、図5に、成形面2の正面図を示す。
図4(a)〜(d)及び図5において、主軸7の回転軸7aを中心にモータ8によって成形型1が回転することに同期して、回転している研削砥石13もX軸テーブル4とY軸テーブル5を同時制御して円弧状に軌跡を描いて移動する。このとき、成形型1と研削スピンドル9は、略一体的に円弧状に旋回されて、図4(a)→図4(b)→図4(c)→図4(d)のように制御され、更に、Z軸テーブル6により穴3の深さ方向に切り込みを与えて研削加工される。この動作を複数回繰り返して、所望の球形状(凹面)の穴3が形成されることになる。
図4(a)〜(d)及び図5において、主軸7の回転軸7aを中心にモータ8によって成形型1が回転することに同期して、回転している研削砥石13もX軸テーブル4とY軸テーブル5を同時制御して円弧状に軌跡を描いて移動する。このとき、成形型1と研削スピンドル9は、略一体的に円弧状に旋回されて、図4(a)→図4(b)→図4(c)→図4(d)のように制御され、更に、Z軸テーブル6により穴3の深さ方向に切り込みを与えて研削加工される。この動作を複数回繰り返して、所望の球形状(凹面)の穴3が形成されることになる。
次に、具体例を用いて研削加工工程を説明する。
図2に示す成形面2が研削対象であり、各マイクロレンズの球形状(凹面)の穴3のピッチは、ΔX=1.0mm、ΔY=1.0mmとし、球形状(凹面)の穴3は、半径=5.0mm(R5.0)としてある。使用する研削砥石13は、直径がФ5mmのダイヤモンド砥石である。この研削砥石13を用いて、R5.0mmの球形状(凹面)の穴3を研削加工するための主軸7の回転軸7aと、研削スピンドル9の回転軸9aのなす角度θは次の式によって表される(図6参照)。
図2に示す成形面2が研削対象であり、各マイクロレンズの球形状(凹面)の穴3のピッチは、ΔX=1.0mm、ΔY=1.0mmとし、球形状(凹面)の穴3は、半径=5.0mm(R5.0)としてある。使用する研削砥石13は、直径がФ5mmのダイヤモンド砥石である。この研削砥石13を用いて、R5.0mmの球形状(凹面)の穴3を研削加工するための主軸7の回転軸7aと、研削スピンドル9の回転軸9aのなす角度θは次の式によって表される(図6参照)。
Sinθ=D/2R・・・(1)
Dは砥石直径
Rは研削加工する球形状の曲率半径の値
次に、図7に示す成形面2に球形状の穴3aを1番目として研削加工する。研削スピンドル9は、(1)式より、回転テーブル10によって主軸7の回転軸7aに対してθ=30°傾け、研削砥石13の端面及び側面の交わる砥石角13aと、球形状の穴3aの加工中心3a'と、を一致するようX軸テーブル4及びY軸テーブル5にて位置決めする。この状態で、Z軸方向に切り込みを与え、回転している研削砥石13を、球形状の穴3aの加工中心3a'に押し当てる。このとき、主軸7の回転軸7aと球形状の穴3aの加工中心3a'との距離を一定に保つように、回転する主軸7と研削砥石13を同時制御する。こうして、球形状の穴3aが研削加工される。但し、形成された球形状の穴3aは、研削砥石13のツルーイング・ドレス状態、砥石径の測定誤差、研削加工状態等により、必ずしも設計の曲率半径の値にはならないのが通常である。
Dは砥石直径
Rは研削加工する球形状の曲率半径の値
次に、図7に示す成形面2に球形状の穴3aを1番目として研削加工する。研削スピンドル9は、(1)式より、回転テーブル10によって主軸7の回転軸7aに対してθ=30°傾け、研削砥石13の端面及び側面の交わる砥石角13aと、球形状の穴3aの加工中心3a'と、を一致するようX軸テーブル4及びY軸テーブル5にて位置決めする。この状態で、Z軸方向に切り込みを与え、回転している研削砥石13を、球形状の穴3aの加工中心3a'に押し当てる。このとき、主軸7の回転軸7aと球形状の穴3aの加工中心3a'との距離を一定に保つように、回転する主軸7と研削砥石13を同時制御する。こうして、球形状の穴3aが研削加工される。但し、形成された球形状の穴3aは、研削砥石13のツルーイング・ドレス状態、砥石径の測定誤差、研削加工状態等により、必ずしも設計の曲率半径の値にはならないのが通常である。
そこで、穴3aの近傍に配置されたセンサ35により、形成された球形状の穴3aの寸法精度を測定して、基準の寸法精度と比較し、その測定結果を、回転テーブル10にフィードバックする。この具体例において、例えばセンサ35にて測定された曲率半径の値が、4.9mmであったとすると、研削スピンドル9の傾きを補正し、曲率半径の値が、5.0mmとなるようにして再度研削加工を行う。
次に、2番目として球形状の穴3bの加工中心3b'に研削砥石13の砥石角13aを位置決めして、前記と同様に研削加工する。以下、同様にして、3番目、4番目、・・・と計9個の球形状を研削加工し、マイクロレンズアレイの成形型1が研削加工される。
本実施形態によれば、カーブジェネレータ(球面研削機)と同様な研削加工の作用により、形成される球形状は良好な面粗さと真球度を得ることができ、更には曲率半径の値を可変にできることから、成形面全体にわたり高精度で均一な曲率半径の値を持つ球形状の穴を得ることができる。併せて、前記加工は研削装置40の軸方向移動のみで位置決めされることから、各々の球形状のピッチ間隔についても高精度なマイクロレンズアレイの成形型1の研削が可能となる。
なお、本実施の形態では、1番目の球形状の穴を研削加工した後、穴寸法の測定結果をフィードバックして補正加工を行い、全ての球形状の穴を研削加工しているが、1番目から全ての球形状の穴を研削したのち、補正を加えて再度全てを研削するように、粗加工→仕上げ加工という形態としても良い。また、被加工物としての成形型1に超硬合金を用いているが、研削加工可能な金型材料であれば良く、更に、例えば鉄系の材料にはCBN(立方晶窒化ホウ素)砥石を用いることで研削加工を行うことができる。
[第2の実施の形態]
図8は、本実施の形態の成形型の成形面16の仕上がり形状を示す正面図である。前述した実施の形態と同様に、成形面16には、球形状(凹面)の穴14,15が、X軸方向に3個×Y軸方向に3列の計9個形成されている。但し、Y軸方向の中央の1列の球形状(凹面)の穴(14a〜14c)と、その上列及び下列の球形状(凹面)の穴(15a〜15c)は異なる曲率半径の値となっている。その他の構成は前述した実施の形態と同様である。
[第2の実施の形態]
図8は、本実施の形態の成形型の成形面16の仕上がり形状を示す正面図である。前述した実施の形態と同様に、成形面16には、球形状(凹面)の穴14,15が、X軸方向に3個×Y軸方向に3列の計9個形成されている。但し、Y軸方向の中央の1列の球形状(凹面)の穴(14a〜14c)と、その上列及び下列の球形状(凹面)の穴(15a〜15c)は異なる曲率半径の値となっている。その他の構成は前述した実施の形態と同様である。
次に、具体例を用いて説明する。研削対象は図8に示す成形面16であり、各マイクロレンズ用の穴のピッチはΔX=1.0mm、ΔY=1.0mmとし、Y軸方向の中央の1列の球形状(凹面)の穴(14a〜14c)の曲率半径は5.0mm(R5.0)とし、その上列及び下列の球形状(凹面)の穴(15a〜15c)の曲率半径は5.5mm(R5.5)としてある。用いる研削砥石13は、直径がФ5mmのダイヤモンド砥石である。
前述した研削砥石13を用いて、R5.0及びR5.5の球形状(凹面)の穴を研削加工する際、主軸7の回転軸7aと研削スピンドル9の回転軸9aとの角度θは、前述した実施の形態での式(1)より以下の角度θとなる。
R5.0の場合;θ=30°
R5.5の場合;θ=27.04°
すなわち、研削スピンドル9を、回転テーブル10により主軸7の回転軸7aに対してθ=30°傾け、成形面16に、R5.0の球形状(凹面)の穴14a〜14cを研削加工する。次いで、研削スピンドル9の角度をθ=27.04°に傾けて、上列及び下列の2列を、R5.5の球形状(凹面)の穴15a〜15cに加工する。こうして、成形面16に球形状(凹面)の穴14,15を有するマイクロレンズアレイの成形型31が研削加工される。
R5.5の場合;θ=27.04°
すなわち、研削スピンドル9を、回転テーブル10により主軸7の回転軸7aに対してθ=30°傾け、成形面16に、R5.0の球形状(凹面)の穴14a〜14cを研削加工する。次いで、研削スピンドル9の角度をθ=27.04°に傾けて、上列及び下列の2列を、R5.5の球形状(凹面)の穴15a〜15cに加工する。こうして、成形面16に球形状(凹面)の穴14,15を有するマイクロレンズアレイの成形型31が研削加工される。
本実施形態によれば、同一の成形面16内において、曲率半径が異なる球形状の穴14,15を有するマイクロレンズ用の成形型31の研削加工が可能となり、得られる光学素子の機能、性能の向上を図ることができる。
[第3の実施の形態]
図9は、本実施の形態の成形型の成形面17の仕上がり形状を示す正面図である。成形面17には、X軸方向に3個×Y軸方向に3列の計9個のマイクロレンズ用の球形状の凸部18が形成されている。図10は、研削加工時の上面図を示し、カップ状砥石19の内周面20から外周面21にテーパに形成されている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
図9は、本実施の形態の成形型の成形面17の仕上がり形状を示す正面図である。成形面17には、X軸方向に3個×Y軸方向に3列の計9個のマイクロレンズ用の球形状の凸部18が形成されている。図10は、研削加工時の上面図を示し、カップ状砥石19の内周面20から外周面21にテーパに形成されている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
次に、具体例を用いて説明する。各マイクロレンズ用の球形状の凸部18のピッチは、ΔX=5.0mm、ΔY=5.0mmとし、球形状の凸部18で、曲率半径は10.0mm(R10.0)で球状部の有効直径は、Ф4.0mmとしてある。用いるカップ状砥石19は、内周面20の直径をФ2.1mmとしてある。研削スピンドル9の角度は、第1の実施の形態での式(1)から、θ=6.03°傾ける。更に、カップ状砥石19の内周面20とテーパ面22の交わる点23と、球形状の凸部18の加工中心18aを一致するようにX軸及びY軸にて位置決めする。その後は、第1の実施の形態と同様に、各マイクロレンズ用の球形状の凸部18を順に研削加工し、多数の球形状の凸部18を有するマイクロレンズアレイの成形用型31が研削加工される。
本実施形態によれば、カップ状砥石19を用いることにより、高精度な球形状の凸部18と、このような球形状の凸部18を有するマイクロレンズアレイの成形用型31を得ることができる。なお、本実施形態では、被加工物としてマイクロレンズアレイの成形型を挙げたが、レンズアレイ形状であればこれに限らず、例えばマイクロレンズアレイそのものであっても良い。
1 成形型
2 成形面
3 球形状の穴
4 X軸テーブル
5 Y軸テーブル
6 Z軸テーブル
7 主軸
7a 回転軸
9 研削スピンドル
10 回転テーブル
10a 回転軸
11 ベース
12 研削スピンドルホルダー
13 研削砥石
16 成形面
18 球形状の凸部
19 カップ状砥石
31 成形型
35 センサ
36 制御部
40 研削加工装置
2 成形面
3 球形状の穴
4 X軸テーブル
5 Y軸テーブル
6 Z軸テーブル
7 主軸
7a 回転軸
9 研削スピンドル
10 回転テーブル
10a 回転軸
11 ベース
12 研削スピンドルホルダー
13 研削砥石
16 成形面
18 球形状の凸部
19 カップ状砥石
31 成形型
35 センサ
36 制御部
40 研削加工装置
Claims (4)
- ワークを取り付けて回転する加工機主軸と、
該加工機主軸の回転軸に対し、機体ベース面と略平行な面内で傾斜して配置可能な研削スピンドルと、
該研削スピンドルに取り付けた研削砥石と、を備え、
該研削砥石をワークに押し当て、前記加工機主軸の回転軸とワークの加工中心との距離を略一定に保持した状態で、ワークに球形状の凹部又は凸部の研削加工を施すべく、ワークと前記研削砥石とを略一体的に前記加工機主軸の回転軸の周りに旋回移動させる、
ことを特徴とするマイクロレンズアレイの成形型の研削加工装置。 - 前記研削砥石は、円柱状又はカップ状の砥石である、
ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロレンズアレイの成形型の研削加工装置。 - 回転する加工機主軸にワークを取り付け、
前記加工機主軸の回転軸に対し、機体ベース面と略平行な面内で傾斜して研削スピンドルを配置し、
該研削スピンドルに取り付けた研削砥石をワークに押し当て、前記加工機主軸の回転軸とワークの加工中心との距離を略一定に保持した状態で、
ワークと前記研削砥石とを略一体的に前記加工機主軸の回転軸の周りに旋回移動させて、ワークに球形状の凹部又は凸部の研削加工を施す、
ことを特徴とするマイクロレンズアレイの成形型の研削加工方法。 - 前記球形状の凹部又は凸部の曲率半径を、前記研削砥石径及び前記加工機主軸の回転軸と前記研削スピンドルとの傾斜角度を変えて研削加工することで変更可能とした、
ことを特徴とする請求項3に記載のマイクロレンズアレイの成形型の研削加工方法。
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