JP3734867B2 - レーザ加工ヘッド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ワークにレーザ加工を行う前にレーザ加工ヘッドでティーチングを行うレーザ加工の教示操作方法およびその方法に用いるレーザ加工ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ加工ヘッドをハンド部に取り付けた5軸制御を行うロボットは今までに良く知られている。このロボットを用いてワークにレーザ加工を行う際には予めティーチング用のプログラムを作成しなければならない。このティーチングを行う方法としては、教示操作ボックスを用いてレーザ加工ヘッドへ移動指示を与えている。しかも、移動速度は速度変更ボタンである高ボタンで粗移動,中ボタンで位置合わせ、および低ボタンで微調整を行い、さらに位置を入力せしめて行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のティーチング方法では、各軸の方向を行うプラス,マイナス方向などがつかみにくく、教示時間がかかると共に誤操作し易いという問題があった。また、速度変更ボタンで速度を選択しているため、1ケ所の教示につき複数回速度切換えを行う必要があった。
【0004】
この発明の目的は、教示点までのレーザ加工ヘッドの移動操作を単純かつ感覚的に行い、教示工程を簡易にしたレーザ加工の教示操作方法およびその方法に用いるレーザ加工ヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明のレーザ加工ヘッドは、レーザ加工ヘッド本体の外周部において相対向する位置に形成した凹部に、X軸のプラス,マイナス用のタッチセンサを設け、前記レーザ加工ヘッド本体の外周部において前記凹部に直交して相対向する位置に形成した凹部に、Y軸のプラス,マイナス用のタッチセンサを設け、前記レーザ加工ヘッド本体の外周部において上下位置に形成した凹部に、Z軸のプラス,マイナス用のタッチセンサを設けたことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2によるこの発明のレーザ加工ヘッドは請求項1のレーザ加工ヘッドにおいて、前記レーザ加工ヘッド本体の上部にX軸,Y軸に対してレーザ加工ヘッド本体を回転させる傾斜指令スティックを設けたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3によるこの発明のレーザ加工ヘッドは請求項1のレーザ加工ヘッドにおいて、前記各タッチセンサが圧電スイッチからなることを特徴とするものである。
【0013】
したがって、ティーチングを行う際には、作業者がレーザ加工ヘッドを手に持って行われる。そのX軸,Y軸およびZ軸方向へレーザ加工ヘッドをそれぞれ動かす場合には、X軸,Y軸,Z軸用の圧電スイッチからなるプラス,マイナスのタッチセンサを押して行われる。しかも移動速度は各タッチセンサの押圧力で加減される。この各タッチセンサはレーザ加工ヘッドの外周における凹部内に設けられているから、障害物などと干渉する恐れがなく、誤操作がなくなる。
【0014】
レーザ加工ヘッドをX軸,Y軸方向に対して回転せしめる際に、レーザ加工ヘッドの上部に設けられた傾斜指令スティックを傾斜せしめると、レーザ加工ヘッドがそれぞれX軸,Y軸方向に対して回転される。而して、レーザ加工ヘッドが5軸の方向に制御されて動かされるから、3次元のワークのティーチングが容易に行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態の例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図6を参照するに、レーザ加工装置としての例えばYAGレーザ加工装置1は、すでに公知の例えば5軸制御可能なロボット3を備えている。このロボット3はベース5を備えており、このベース5には回転自在な第1アーム7が支承されていると共に、この第1アーム7の上部には第1アーム7に対して回転自在な第2アーム9が支承されている。この第2アーム9の先端部には第2アーム9に対して回転自在なレーザ加工ヘッドとしてのYAGレーザ加工ヘッド11が支承されている。このYAGレーザ加工ヘッド11の先端(下端)にはレーザノズル13が装着されている。
【0017】
前記ロボット3の近傍にはレーザ発振器15とロボット3を制御せしめる制御装置17がそれぞれ配置されている。前記レーザ発振器15と前記YAGレーザ加工ヘッド11とは光ファイバ19で接続されている。
【0018】
上記構成により、レーザ発振器15で発振されたレーザビームは光ファイバ19を経てYAGレーザ加工ヘッド11の上部に備えられたベンドミラーで折曲げられた後、集光レンズで集光されて、レーザノズル13から加工すべきワークへ向けて照射されてワークにレーザ加工が行われることになる。レーザ加工を行う際、ロボット3は制御装置17で5軸すなわち、X軸,Y軸およびZ軸方向並びにα軸(X軸方向に対する回転方向),β軸(Y軸方向に対する回転方向)に制御されて例えば3次元のワークにレーザ加工が行われる。なお、5軸の駆動機構はすでに公知であるから、詳細な説明を省略する。
【0019】
前記YAGレーザ加工ヘッド17は、図1に示されているように、例えば円筒形状のレーザ加工ヘッド本体21を備えており、そのレーザ加工ヘッド本体21の外周における一部には、図2も併せて参照するに、それぞれ相対向して凹部23,25と、この凹部23,25に直交して凹部27,29が形成されている。
【0020】
前記凹部23,25にはタッチセンサであるプラス,マイナスのX軸用の圧電スイッチ31A,31Bが設けられていると共に、前記凹部27,29にはタッチセンサであるプラス,マイナスのY軸用の圧電スイッチ33A,33Bが設けられている。
【0021】
前記レーザ加工ヘッド本体21の外周における一部の上下位置には凹部35,37が形成されていると共に、この凹部35,37にはタッチセンサであるプラス,マイナスのZ軸用の圧電スイッチ39A,39Bが設けられている。
【0022】
前記レーザ加工ヘッド本体21の上部には、X軸,Y軸方向に対してレーザ加工ヘッド本体21を回転させるための傾斜指令スティック41が傾斜可能に設けられている。
【0023】
前記レーザ加工ヘッド本体21の上部における一側面にはアナログ信号発生基板43が設けられており、このアナログ信号発生基板43は前記制御装置17の一部であるロボット制御部45に接続されている。
【0024】
前記圧電スイッチ31A,31B,33A,33Bおよび39A,39Bを作業者が押すと、図3に示されているように電圧が発生し、この電圧がアナログ信号発生基板43で図4に示されているようにアンプ指令(電圧など)に変換され、さらにこのアンプ指令がロボット制御部45に取り込まれることにより、図5に示されているように移動速度に変換される。
【0025】
したがって、各圧電スイッチ31A,31B;33A,33Bおよび39A,39Bを作業者が押す押圧力によってレーザ加工ヘッド本体21の移動速度を加減させることができる。しかも、移動速度は図5に示したように上限を持たせティーチング時の作業者への安全を確保させる。
【0026】
上記構成により、ワークにレーザ加工を行う前にティーチングが行われるが、このティーチングを行う際には作業者がレーザ加工ヘッド本体21を手に持ち、X軸方向の教示点へ動かす場合にはX軸用の圧電スイッチ31A,31Bを押してレーザ加工ヘッド本体21が動かされる。その際の移動速度は圧電スイッチ31A,31Bの押圧力によって任意に指定されて行われる。
【0027】
同様に、Y軸方向,Z軸方向の教示点へ動かす場合には、Y軸用,Z軸用の圧電スイッチ33A,33B;39A,39Bを押してレーザ加工ヘッド本体21が動かされる。その際の移動速度は圧電スイッチ33A,33B;39A,39Bの押圧力によって任意に指定されて行われる。
【0028】
しかも、X軸方向,Y軸方向に対してレーザ加工ヘッド本体21を回転せしめる際には、図1に矢印で示した方向へ傾斜指令スティック41を傾斜せしめることにより、レーザ加工ヘッド本体21が回転されて位置決めされる。
【0029】
このように、作業者がレーザ加工ヘッド本体21を手に持ち、圧電スイッチ31A,31B,33A,33Bおよび39A,39Bを押すと共に押圧力を加減することによってレーザ加工ヘッド本体21が任意の移動速度でもって各教示点へ移動されて位置決めされる。しかも、X軸,Y軸方向に対してレーザ加工ヘッド本体21を回転せしめる際には傾斜指令スティック41を傾斜せしめることにより、レーザ加工ヘッド本体21が回転されて、レーザ加工ヘッド本体21の先端に装着されているレーザノズル13が各教示点において法線方向に移動されて、各教示点の座標値が制御装置17で求められ加工プログラムが作成される。この作成された加工プログラムを実行することにより、ワークにレーザ加工が行われる。
【0030】
したがって、レーザ加工ヘッド本体21に設けられた各圧電スイッチ31A,1B;33A,33B;39A,39B並びに傾斜指令スティック41を作業者が操作することにより、容易にティーチングを短時間で行うことができる。すなわち、教示点までのレーザ加工ヘッド本体21の移動操作を単純かつ感覚的に行うことができると共に教示工程を簡易にすることができる。
【0031】
さらに、各圧電スイッチ31A,31B;33A,33B;39A,39Bを押す押圧力を加減することにより、移動速度を任意に指定することができる。また、各圧電スイッチ31A,31B;33A,33B;39A,39Bがそれぞれ凹部23,25,27,29,35,37に設けられているから、外部にある障害物などと干渉せず、誤操作することもない。
【0032】
なお、この発明は、前述した実施の形態の例に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、ティーチングを行う際には、作業者がレーザ加工ヘッドを手に持って行われる。そのX軸,Y軸およびZ軸方向へレーザ加工ヘッドをそれぞれ動かす場合には、X軸,Y軸,Z軸用の圧電スイッチからなるプラス,マイナスのタッチセンサを押圧する。しかも、移動速度は各タッチセンサの押圧力で加減されて任意の移動速度でレーザ加工ヘッドを移動させることができる。この各タッチセンサはレーザ加工ヘッドの外周における凹部内に設けられているから、障害物などと干渉する恐れがなく、誤操作をなくすることができる。
【0034】
而して、ティーチング時のレーザ加工ヘッドの移動操作を単純かつ感覚的に行うことができると共に、教示工程が簡易となり、また教示を短時間で行うことができる。
【0036】
レーザ加工ヘッドをX軸,Y軸方向に対して回転せしめる際に、レーザ加工ヘッドの上部に設けられた傾斜指令スティックを傾斜しせめると、レーザ加工ヘッドがそれぞれX軸,Y軸方向に対して回転させることができる。而して、レーザ加工ヘッドが5軸の方向に制御されて動かされるから、3次元のワークのティーチングを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の主要部を示し、レーザ加工ヘッドの詳細な構成図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った矢視図である。
【図3】タッチセンサを押した押圧力と圧電素子発生電圧との関係を示した図である。
【図4】タッチセンサを押した押圧力とアンプ指令信号との関係を示した図である。
【図5】入力電圧と移動速度との関係を示した図である。
【図6】この発明を実施するレーザ加工装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 YAGレーザ加工装置(レーザ加工装置)
3 ロボット
11 YAGレーザ加工ヘッド(レーザ加工ヘッド)
13 レーザノズル
17 制御装置
21 レーザ加工ヘッド本体
23,25,27,29,35,37 凹部
31A,31B,33A,33B,39A,39B 圧電スイッチ(タッチセンサ)
41 傾斜指令スティック
43 アナログ信号発生基板
45 ロボット制御部
Claims (3)
- レーザ加工ヘッド本体の外周部において相対向する位置に形成した凹部に、X軸のプラス,マイナス用のタッチセンサを設け、
前記レーザ加工ヘッド本体の外周部において前記凹部に直交して相対向する位置に形成した凹部に、Y軸のプラス,マイナス用のタッチセンサを設け、
前記レーザ加工ヘッド本体の外周部において上下位置に形成した凹部に、Z軸のプラス,マイナス用のタッチセンサを設けたことを特徴とするレーザ加工ヘッド。 - 前記レーザ加工ヘッド本体の上部にX軸,Y軸に対してレーザ加工ヘッド本体を回転させる傾斜指令スティックを設けたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工ヘッド。
- 前記各タッチセンサが圧電スイッチからなることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工ヘッド。
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