JP3734552B2 - 流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、車両のスーパーチャージャのコンプレッサに用いられる流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平5ー195701号公報に「スクリューロータ及びその製造方法」が記載されている。図8はこの製造方法で作られた雄型のスクリューロータ201を示している。
【0003】
スクリュー式コンプレッサのような流体機械に用いられるロータは、起動時のレスポンスの改善や起動時と停止時のロータ同士の接触防止、あるいは、流体機械と原動機とを断続するクラッチの容量を小さくする目的などのために慣性モーメント(Ip)を小さくすることが必要である。
【0004】
スクリューロータ201は、図8のように、多数枚の薄板203、205、207を積層用容器209の内部で積層し接合して製造される。例えば、薄板205には、図9に示すように、開口部211、211と軸孔213と位置決め用の穴215、215とが設けられており、スクリューロータ201には開口部211によって中空部217が形成され、慣性モーメントを小さくしている。
【0005】
各薄板203、205、207の位置決め用の穴215は一枚ずつずらした位置に設けられており、積層用容器209の内部でそれぞれの位置決め用の穴215を位置決めピン219に通しながら薄板203、205、207を積層することにより、スクリュー状の歯すじ部が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような積層構造では、積層の際に薄板203、205、207の端部が容器209に引っ掛かることによって薄板203、205、207の間に隙間が生じたり、各薄板203、205、207の厚さのバラツキによってスクリューロータ201の表面に凹凸が生じ、表面を滑らかに加工することが必要になり、この加工によって大きなコストが掛かる。また、表面の加工に当たっては、スクリューロータ201の表面と中空部217との厚さを均一にしないと、回転時のアンバランスによって大きな振動が発生する。
【0007】
このような場合、中空部217をチャックして歯形の修正を行わなければならないが、スクリューロータ201の場合は中空部217が曲面であり、チャックする箇所に平面部がないから、正確な加工が難しい。
【0008】
これに加えて、薄板203、205、207の隙間や厚さのバラツキによって、各スクリューロータ201の軸方向長さにバラツキが生じると共に、薄板203、205、207の位置決め用穴215と積層用容器209との間に狂いが生じ、正確な長さと歯形を持ったスクリューロータ201の組み立てが困難になり、製品の信頼性が極めて低くなる。
【0009】
更に、位置決め用の穴215の位置は、上記のように、各薄板203、205、207で一枚ずつ異なるから、その加工コストが高くなると共に、部品点数と管理工数とが膨大なものになる。
【0010】
そこで、この発明は、ロータが軽量で慣性モーメントが小さいと共に、従来の積層ロータと異なって、ロータの精密な歯形加工が可能で正確な形状寸法のロータが得られ、回転時のアンバランスを極めて小さく抑えることが可能であり、更に、加工コストと部品点数と管理工数とが低減され、製品の信頼性が高い流体機械の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の流体機械は、複数の山歯を有するロータ本体と、その回転中心に形成された軸孔に固定されたロータ軸とからなる雄ロータと、雄ロータの山歯と噛み合い可能な谷歯が凸部の間に形成されたロータ本体と、その回転中心に形成された軸孔に固定されたロータ軸とからなる雌ロータと、各ロータを回転可能に内包するケーシングと、このケーシングにおいて各ロータの噛み合い開始部に設けられた流体の流入口及び各ロータの噛み合い終了部に設けられた流体の流出口とを備え、前記雄ロータの山歯と雌ロータの凸部の一方または両方に、少なくとも一側の軸方向端部に開口を有する中空部が設けられると共に、この開口の近傍に機械加工時のチャック用平面部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
このように、請求項1の流体機械は、雄ロータと雌ロータの少なくとも一方に中空部が設けられ、ロータ端部に開口するこの中空部の開口近傍に機械加工時にチャックするための平面部を形成したから、チャックする箇所が曲面で連続して平面部がない積層構造の従来例と異なって、加工機のチャック工具でロータを掴むことによって正確な位置決めができる。
【0013】
従って、ロータを精密に機械加工することが可能になり、例えば、加工機のバイトの径方向及び軸方向の送り量と加工されるロータの回転速度とを同期させて、スクリューロータの外周形状を正確に加工することができるから、ロータの表面と中空部との厚さも均一に加工される。このようにして、極めて回転バランスのよいロータが得られ、回転時のアンバランスを小さく抑えることが可能になり、回転時の振動発生が防止される。
【0014】
また、積層構造ではないから、積層板の隙間や厚さのバラツキによる軸方向長さと歯形の狂いから解放され、製品の信頼性が大幅に向上すると共に、積層板の大きな加工コストや、膨大な部品点数とその管理工数などからも解放される。
【0015】
なお、本発明の流体機械は、スクリュー式の流体機械に限らず、雄ロータと雌ロータ共に2葉の凸部をもつルーツ式の流体機械でもよいが、上記のように、外周の形状を正確に加工できる本発明の構成は、一般にロータが3葉以上の凸部をもち、外周の形状が複雑であり、かつ中空部の形状が連続した曲線形状を有し、更に、ルーツ式の流体機械より高速回転で用いられ回転バランスの崩れによる振動などの悪影響が大きく出易いスクリュー式の流体機械で、特に大きな効果が得られる。
【0016】
請求項2の流体機械は、請求項1の流体機械において、平面部を、ロータ本体の回転中心に対する法線に垂直に形成したものであり、請求項1の流体機械と同様に、機械加工時のチャック用平面部をロータ本体の中空部の開口近傍に形成したことにより、ロータ本体を正確に位置決めし、精密に機械加工することが可能になり、ロータ本体の歯面が正確に加工され、極めて回転バランスのよいロータが得られる。また、従来例と異なって、軸方向長さや歯形の狂いがなく、製品の信頼性が大幅に向上すると共に、積層板の加工コストや膨大な部品点数とその管理工数などから解放される。
【0017】
これに加えて、チャック用の平面部をロータ本体の回転中心に対する法線に垂直に形成したから、ロータの位置決め精度と加工精度とが向上し、流体機械の振動防止効果や信頼性向上効果などが更に向上する。
【0018】
請求項3の流体機械は、請求項1または2の流体機械において、平面部を、中空部の回転中心側の面(底面)に形成したものであり、請求項1または2の流体機械と同様の効果を得る。
【0019】
これに加えて、中空部の回転中心側の面(底面)には本来平面に近い面が形成されているから、平面部をこの底面側に形成したことにより、平面部を充分に広く形成することができる。従って、広い平面部を確実にチャックすることにより、それだけロータの加工精度が向上し、流体機械の振動防止効果や信頼性向上効果などが更に向上する。
【0020】
請求項4の流体機械は、請求項1ないし3のいずれかに記載の流体機械において、中空部の開口の回転中心側に直線部を有し、この直線部を基準にして平面部を軸方向に形成したものであり、請求項1ないし3のいずれかに記載の流体機械と同様の効果を得る。
【0021】
これに加えて、直線部を基準に平面部を加工することができるので、加工する際の基準が得やすく、それだけ平面部の加工が正確になり、ロータの加工精度が更に向上する。
【0022】
請求項5の流体機械は、請求項1ないし4のいずれかに記載の流体機械において、ロータを鋳造加工したものであり、請求項1ないし4の流体機械と同様の効果を得る。
【0023】
これに加えて、ロータを鋳造加工する構成では、砂型を用いる方法、ロストフォーム法、ロストワックス法などいずれの方法で鋳造しても、ロータの鋳造時に平面部が得られるから、平面部を機械加工する必要がなく、それだけ低コストで実施できる。また、このように加工基準である平面部が鋳造によって得られることは、鋳造後のロータ加工に極めて都合がよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1ないし図5によって本発明の第1実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2、3、5の特徴を備えており、図1はこの実施形態を用いたスーパーチャージャ1を示している。左右の方向は図1、3での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0025】
図1のように、スーパーチャージャ1は、入力プーリ3、増速ギヤ組5、タイミングギヤ組7、スクリュー式コンプレッサ9(実施形態の流体機械)などから構成されている。
【0026】
入力プーリ3はベアリング11によりコンプレッサケーシング13(ケーシング)に支承されていると共に、入力軸15にスプライン連結され、ボルト17とワッシャ19とで固定されている。入力プーリ3はベルトを介してクランクシャフト側のプーリに連結されており、このクランクシャフト側プーリには電磁クラッチが配置されており、エンジンとスーパーチャージャ1との断続を行う。こうして、入力プーリ3はエンジンの駆動力によりこの電磁クラッチを介して回転駆動される。
【0027】
入力軸15はボールベアリング21によりケーシング13の内部に支承されている。入力軸15に装着されたカラー23とケーシング13との間にはシール25が配置され、オイル洩れを防止している。
【0028】
増速ギヤ組5は互いに噛み合った大径と小径の増速ギヤ27、29から構成されており、タイミングギヤ組7は互いに噛み合った大径と小径のタイミングギヤ31、33から構成されている。また、エアコンプレッサ9は雄型と雌型のスクリューロータ35、37を備えている。
【0029】
大径の増速ギヤ27は入力軸15の右端部に一体形成されており、小径の増速ギヤ29は、大径のタイミングギヤ31と共に、雌型スクリューロータ37(雌ロータ)のロータ軸39にキー41で連結され、ナット43で脱落を防止されている。また、小径のタイミングギヤ33は、パワーロック機構45を介して雄型スクリューロータ35(雄ロータ)のロータ軸47に連結されている。
【0030】
このパワーロック機構45は、各スクリューロータ35、37が互いに接触しない状態で、タイミングギヤ33をタイミングギヤ31に噛み合わせた後、ナット49を締め付けてロックし、各スクリューロータ35、37の回転方向の位置決めを行う。
【0031】
各スクリューロータ35、37のロータ軸47、39は、左端部をボールベアリング51によって、右端部をカラー53とローラベアリング55とによって、それぞれケーシング13に支承されている。また、ロータ軸39、47の左端部に装着されたカラー57とケーシング13との間にはシール59が配置され、右端部のカラー53とケーシング13との間にはシール61が配置され、それぞれ潤滑剤の洩れを防止している。
【0032】
プーリ3から入力したエンジンの駆動力は、増速ギヤ組5で増速され、タイミングギヤ組7を介してスクリューロータ35、37を回転駆動する。駆動されたコンプレッサ9は吸入口63(流入口)から吸入した吸気をスクリューロータ35、37間で軸方向左方に圧送し、吐出口65(流出口)から吐き出してエンジンに供給する。
【0033】
スクリューロータ35は、ロータ本体67の軸孔69にロータ軸47を固定して構成されており、スクリューロータ37も同様にロータ本体71の軸孔にロータ軸39を固定して構成されている。
【0034】
図2、4、5に示したように、雄型スクリューロータ35のロータ本体67はスクリュー状の3本の歯すじ部73(山歯)を備えている。また、雌型スクリューロータ37のロータ本体71はスクリュー状の4本の歯すじ部(凸部)を備えている。これらのロータ本体67、71はアルミニュームの鋳物である。
【0035】
雄型スクリューロータ35の各歯すじ部73は周方向等間隔に配置されており、各歯すじ部73には中空部75が形成されている。図1、3のように中空部75の左側には壁部77が設けられ、右側には開口79が設けられている。壁部77は中空部75を閉塞し、コンプレッサ9の吐出側と吸入側間の圧洩れを防止している。
【0036】
図1、2、3のように、各開口79にはバランス取り用の凸部81が設けられており、更に、各開口79の近傍には平面部83が形成されている。凸部81は左側の壁部77との回転バランスを取り、スクリューロータ35の回転振動を防止する。
【0037】
平面部83は各中空部75の底面85(中空部75の回転中心87側の面)側に設けられ、更に、図2、5に示すように、ロータ本体67の回転中心87に対する法線89に垂直に形成されている。
【0038】
これらの中空部75、壁部77、開口79、凸部81、平面部83などは中子を用いてロータ本体67を鋳造する際に形成される。
【0039】
各平面部83は鋳造後のロータ本体67を機械加工する際のチャック用に設けられたものであり、上記のように、法線89に対して垂直に形成されているから、図5のように、3個のチャック工具91で掴むだけでロータ本体67がしっかりと確実に固定され、加工機上でバイトとロータ本体67との正確な位置合わせが行える。
【0040】
従って、加工機でロータ本体67の回転速度とバイトの径方向及び軸方向の送り量とを正確に同期させることが可能になり、スクリュー状の歯すじ部73の形状を精密に加工することができる。従って、3本の歯すじ部73の間で各部の厚さt1、t2、t3(図4に示す)も均一に加工される。
【0041】
また、軸孔69の加工は平面部83をチャックした状態で歯すじ部73の加工と共に行うことができ、歯すじ部73(歯形)と軸孔69との芯合わせを精密に行えるから、ロータ軸47を軸孔69に固定するだけで基本的にスクリューロータ35の回転バランスが整う。
【0042】
従って、ロータ本体67をこのように加工したスクリューロータ35は、極めて回転バランスがよく、回転時の振動発生が防止される。
【0043】
こうして、スーパーチャージャ1が構成されている。
【0044】
スーパーチャージャ1は、上記のように、スクリューロータ35のアンバランスがないことにより、回転時の振動が極めて小さく、各ベアリング51、55の耐久性が大きく向上し、スクリューロータ35、37同志の接触及びスクリューロータ35とケーシング13との接触が防止され、機能と性能とが正常に保たれる。
【0045】
また、中空構造のスクリューロータ35は軽量であり慣性モーメントが極めて小さいから、スーパーチャージャ1を搭載した車両は、エンジンの燃費と加速時のレスポンスなどが向上すると共に、上記のように回転バランスがよいから、急激な加減速の際(スーパーチャージャ1の起動時と停止時)のスクリューロータ35、37の接触が防止される。また、エンジンとスーパーチャージャ1とを断続する電磁クラッチを小型にできる。
【0046】
上記のように、スクリューロータ35は切削加工で基本的に回転バランスが整うから、バランスの修正は不要であるか、あるいは、必要であっても極めて僅かな修正量と修正コストですむ。なおバランス修正はバランス取り用の凸部81をロータ端面側から軸方向に3本の歯すじ73に対して必要な場合穴開け切削加工し行われる。
【0047】
また、中空部75の底面85には本来平面に近い面が形成されているから、平面部83をこの底面85に設けたことにより、平面部83を充分に広く形成することができる。従って、平面部83をそれだけしっかりとチャックすることができ、加工精度が更に向上し、スーパーチャージャ1の振動防止や信頼性向上などに大きな効果が得られる。
【0048】
これに加えて、ロータ本体67を鋳造加工する構成では、砂型を用いる方法、ロストフォーム法、ロストワックス法などいずれの方法で鋳造しても、鋳造時に平面部83が得られるから、平面部83を機械加工する必要がなく、それだけ低コストで実施することができる。また、このように鋳造時に加工基準が得られることは、鋳造後のロータ本体67の加工に極めて都合がよい。
【0049】
また、鋳造加工によれば形状の複雑な中空のスクリューロータ35でも加工が容易であり、他の加工方法に較べて安価に製造できる。
【0050】
更に、従来例と異なって積層構造ではないから、積層板の隙間や厚さのバラツキによる軸方向長さや歯形の狂いから解放されて製品の信頼性が大幅に向上すると共に、積層板の大きな加工コストや膨大な部品点数とその管理工数などからも解放される。
【0051】
また、一般に、繭型断面のロータを用いるルーツ式の流体機械より高速回転し、アンバランスによる振動などが大きく出やすいスクリュー式コンプレッサ9でも、本発明によれば、回転バランスのよいスクリューロータ35が得られて有利である。
【0052】
次に、図6、7によって本発明の第2実施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2、3、4、5の特徴を備えている。
【0053】
なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同機能の部材等には同一の符号を与えて引用し、これら同機能部材の重複説明は省く。また、左右の方向は図6での左右の方向であり、符号を与えていない部材等は図示されていない。
【0054】
第2実施形態の流体機械は、第1実施形態の流体機械と同様に、スクリュー式コンプレッサとしてスーパーチャージャに用いられており、エンジンの駆動力は、電磁クラッチを介してクランクシャフト側プーリから入力プーリに入力し、増速ギヤ組で増速され、タイミングギヤ組を介して第2実施形態のスクリュー式コンプレッサを駆動する。
【0055】
このスクリュー式コンプレッサは、雄型スクリューロータ(雄ロータ)と雌型スクリューロータ(雌ロータ)とを備えている。雄型スクリューロータは、図6に示すロータ本体93の軸孔95にロータ軸を固定して構成されており、雌型スクリューロータも、同様に、ロータ本体の軸孔にロータ軸を固定して構成されている。
【0056】
図7のように、ロータ本体93はスクリュー状の3本の歯すじ部97を備えており、各歯すじ部97は互いに等間隔に配置されている。各歯すじ部97には中空部99が形成されており、図6のように中空部99の左側には壁部101が設けられ、右側には開口103が設けられている。壁部101は中空部99を閉塞し、コンプレッサの吐出側と吸入側間の圧洩れを防止している。
【0057】
各開口103にはバランス取り用の凸部105が設けられており、左側の壁部101との回転バランスを取り、スクリューロータの回転振動を防止する。バランス修正方法は第1実施形態と同様な方法で行う。
【0058】
また、各開口103には、図7に矢印で示すように、直線部107が設けられており、各開口103の近傍にはこの直線部107を基準にして平面部109が軸方向に加工されている。
【0059】
各平面部109は、図7のように、ロータ本体93の回転中心111に対する法線113に垂直に加工されており、図6のように、各中空部99の底面115(中空部99の回転中心111側の面)側に形成されている。
【0060】
これらの平面部109は荒加工後のロータ本体93を仕上げ加工する際のチャック用に設けられたものであり、上記のように、法線113に対して垂直に形成されているから、3個のチャック工具で掴むだけで、加工機上でバイトとロータ本体93との正確な位置合わせが行える。
【0061】
従って、加工機でロータ本体93の回転速度とバイトの径方向及び軸方向の送り量とを正確に同期させることが可能になり、スクリュー状の歯すじ部97の形状を精密に加工することができると共に、3本の歯すじ部97の各部の厚さも均一に加工される。
【0062】
また、軸孔95の加工は平面部109をチャックした状態で歯すじ部97の加工と共に行われ、歯すじ部97(歯形)と軸孔95との芯合わせが精密に行われるから、ロータ軸を軸孔95に固定するだけで基本的にスクリューロータの回転バランスが整う。
【0063】
従って、ロータ本体93をこのように加工したスクリューロータは、極めて回転バランスがよく、回転時の振動発生が防止される。
【0064】
スーパーチャージャは、上記のように、スクリューロータのアンバランスがないことにより、回転時の振動が極めて小さく、スクリューロータを支承するベアリングの耐久性が大きく向上し、スクリューロータ同志の接触及びスクリューロータとコンプレッサケーシングとの接触が防止され、機能と性能とが正常に保たれる。
【0065】
また、中空構造のスクリューロータは軽量で慣性モーメントが極めて小さいから、スーパーチャージャを搭載した車両は、エンジンの燃費と加速時のレスポンスなどが向上すると共に、上記のように回転バランスがよいから、急激な加減速の際(スーパーチャージャの起動時と停止時)のスクリューロータの接触が防止される。また、エンジンとスーパーチャージャとを断続する電磁クラッチを小型にできる。
【0066】
上記のように、この雄型スクリューロータは切削加工で基本的に回転バランスが整うから、バランスの修正は不要であるか、あるいは、必要であっても極めて僅かな修正量と修正コストですむ。
【0067】
更に、平面部109を平面に近い底面115に設けたことにより、平面部109を充分に広くすることができ、確実なチャックによってそれだけ加工精度が上がり、スーパーチャージャの振動防止や信頼性向上などに大きな効果が得られる。
【0068】
これに加えて、ロータ本体93は中空部99の底面115が直線部107を持っており、この直線部107を基準直線に利用できるから、それだけ平面部109の加工が正確になり、スクリューロータの加工精度が更に向上する。
【0069】
更に、従来例と異なって積層構造ではないから、積層板の隙間や厚さのバラツキによる軸方向長さや歯形の狂いから解放され、製品の信頼性が大幅に向上すると共に、積層板の大きな加工コストや膨大な部品点数とその管理工数などからも解放される。
【0070】
なお、本発明の流体機械において、ロータ本体の中空部に形成される壁部は、端部にではなく、中央部に形成し両端に開口を設けてもよく、更に、壁部を持たず軸方向に貫通させてもよい。いずれの場合も、平面部は開口の近傍に設ければよい。
【0071】
また、雌型ロータの場合は谷歯の間に形成される凸部に中空部を設け、その開口の近傍に平面部を形成することにより本発明を実施できる。
【0072】
ロータは、鋳造加工の他に、引き抜きや押し出しのような塑性加工で製造してもよい。
【0073】
また、本発明の流体機械は、繭型断面の中空ロータを用いるルーツ式の流体機械でもよい。
【0074】
更に、本発明の流体機械は、コンプレッサやブロワーだけでなく、流体圧を与えて回転を取り出すモータとして用いてもよい。
【0075】
【発明の効果】
請求項1の流体機械は、雄ロータと雌ロータの少なくとも一方に中空部を設け、その開口近傍に機械加工時にチャックするための平面部を形成したから、チャックする箇所に平面部がない積層構造の従来例と異なって、加工機のチャック工具でロータを掴む際に正確な位置決めができる。
【0076】
こうして、精密な機械加工が可能になり、ロータの回転速度とバイトの送り量とを同期させて、スクリューロータの外周形状を正確に加工すると共に、歯すじ部の間で各部の厚さを均一に加工することが可能になり、極めて回転バランスのよいロータが得られ、回転時の振動発生を防止できる。
【0077】
また、積層構造ではないから、軸方向長さや歯形の狂いから解放され、製品の信頼性が大幅に向上すると共に、積層板の大きな加工コストや膨大な部品点数とその管理工数などからも解放される。
【0078】
また、ロータ本体の外周形状を正確に加工できる本発明の構成は、ロータ本体の外周形状が複雑なスクリュー式の流体機械で特に大きな効果が得られる。
【0079】
請求項2の流体機械は、請求項1の流体機械と同様な効果を得ると共に、チャック用の平面部をロータ本体の回転中心に対する法線に垂直に形成したことにより、ロータの位置決め精度と加工精度とが向上し、流体機械の振動防止効果や信頼性向上効果などが更に向上する。
【0080】
請求項3の流体機械は、請求項1または2の流体機械と同様の効果を得ると共に、中空部の底面には本来平面に近い面が形成されているから、平面部をこの底面に形成したことにより平面部を充分に広くすることができる。従って、平面部のチャックがより確実になり、ロータの加工精度が向上し、流体機械の振動防止効果や信頼性向上効果などが更に向上する。
【0081】
請求項4の流体機械は、請求項1ないし3のいずれかに記載の流体機械と同様の効果を得ると共に、中空部の開口の底面側に設けられている直線部を平面部を加工する際の基準に利用できるから、それだけ平面部の加工が正確になり、ロータの加工精度が更に向上する。
【0082】
請求項5の流体機械は、請求項1ないし4のいずれかに記載の流体機械と同様の効果を得ると共に、ロータの鋳造加工時に平面部も形成できるから、平面部を機械加工する必要がなく、それだけ低コストに実施できる。また、加工基準である平面部が鋳造時に得られることは、鋳造後のロータ加工に極めて都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に用いられる雄型スクリューロータの開口側端面図である。
【図3】図2のX−X断面図であり、雄型スクリューロータを歯すじ部に沿って切断した断面図である。
【図4】第1実施形態に用いられる雄型スクリューロータの壁部側端面図である。
【図5】第1実施形態に用いられる雄型スクリューロータの開口側端部とチャック工具とを示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態に用いられる雄型スクリューロータを歯すじ部に沿って切断した断面図であり、図7のY−Y断面図である。
【図7】第2実施形態に用いられる雄型スクリューロータの開口側端面図である。
【図8】従来例のスクリューロータの製造方法を示す断面図である。
【図9】図8のスクリューロータを構成する薄板の平面図である。
【符号の説明】
9 スクリュー式コンプレッサ(流体機械)
13 コンプレッサケーシング
35 雄型スクリューロータ(雄ロータ)
37 雌型スクリューロータ(雌ロータ)
39、47 ロータ軸
63 吸入口(流入口)
65 吐出口(流出口)
67、71、93 ロータ本体
69、95 軸孔
73、97 歯すじ部(山歯)
75、99 中空部
79、103 開口
83、109 平面部
85、115 底面(中空部の回転中心側の面)
89、113 法線
107 直線部

Claims (5)

  1. 複数の山歯を有するロータ本体と、その回転中心に形成された軸孔に固定されたロータ軸とからなる雄ロータと、雄ロータの山歯と噛み合い可能な谷歯が凸部の間に形成されたロータ本体と、その回転中心に形成された軸孔に固定されたロータ軸とからなる雌ロータと、各ロータを回転可能に内包するケーシングと、このケーシングにおいて各ロータの噛み合い開始部に設けられた流体の流入口及び各ロータの噛み合い終了部に設けられた流体の流出口とを備え、前記雄ロータの山歯と雌ロータの凸部の一方または両方に、少なくとも一側の軸方向端部に開口を有する中空部が設けられていると共に、この開口の近傍に機械加工時のチャック用の平面部が形成されたことを特徴とする流体機械。
  2. 平面部が、ロータ本体の回転中心に対する法線に垂直に形成された請求項1の流体機械。
  3. 平面部が、中空部の回転中心側の面に形成された請求項1または2の流体機械。
  4. 中空部の開口の回転中心側に直線部を有し、この直線部を基準にして平面部が軸方向に形成された請求項1ないし3のいずれかに記載の流体機械。
  5. ロータが鋳造加工された請求項1ないし4のいずれかに記載の流体機械。
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