JP3734444B2 - 減速歯車機構及びこれを用いた電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は小歯車及び大歯車の回転中心間距離を調整可能とした減速歯車機構及びこれを用いた電動式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動式パワーステアリング装置が備える減速歯車機構はその一端が操舵補助用のモータの駆動軸に結合されたウォームと、該ウォームに噛合するウォームホイールとを備えている。このウォームホイールは回転軸に嵌合固定されており、該回転軸が一対の転がり軸受を介してハウジング内に支持されている。
ウォームは、前記回転軸の軸芯と交叉するように配置され、一対の転がり軸受を介して前記ハウジング内に支持されている。
【0003】
このように減速歯車機構が用いられた電動式パワーステアリング装置にあっては、ウォーム及びウォームホイールの噛合部のバックラッシュ量を少なくし、転舵時のバックラッシュによる歯打ち音をなくするため、ウォーム及びウォームホイールの回転中心間距離が許容範囲となるようにウォーム、ウォームホイール、ハウジング、転がり軸受等が選択され組み立てられているが、この組立てに多くの時間を要することになり、また、ウォーム及びウォームホイールの歯の摩耗が増大することによってバックラッシュ量が増加することになり、改善策が要望されていた。
【0004】
図5は本発明の出願人が先に提案した減速歯車機構の構成を示す断面図である。本発明の出願人はウォーム100の反モータ側の他端を支持する転がり軸受に代えて、その周面にウォーム100の他端が嵌合される嵌合孔101を有しウォーム100をウォームホイール102に向けて押付ける方向への移動が可能な円柱形の押付体103と、該押付体103を付勢するコイルバネ104と、前記押付体103の移動を案内する案内部105と、該案内部105に螺着され前記押付体103を移動操作する操作体106とを設け、前記押付体103の移動によってウォーム100をウォームホイール102に向けて押し付け、前記噛合部に予圧を加えることにより前記回転中心間距離Hを調整し、歯の摩耗が増大した場合においてもバックラッシュ量を少なくするように構成された電動式パワーステアリング装置を先に提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コイルバネ104によって噛合部に予圧が加えられるように構成された場合、ウォーム100はモータ107側に配置された転がり軸受108への支持部を中心としてウォーム100の全体が傾斜し、この傾斜した状態で前記回転中心間距離Hが長短となるように揺動するため、この揺動による振幅を小さくすることが要望されていた。つまり、減速歯車機構のウォーム歯車等は回転中心線に対しその歯すじが回転方向へ捩じれており、ウォーム100からウォームホイール102へ回転トルクが加わるとき、換言すればモータ107の回転によって操舵補助する場合、ウォーム100がウォームホイール102の歯すじに沿ってラジアル方向へ動くように分力(以下噛合反力と云う)が発生し、該噛合反力によってコイルバネ104の撓み量が多くなり、ウォーム100がモータ側転がり軸受108への支持部を中心として傾斜し、この傾斜した状態で前記噛合反力と前記コイルバネ104の弾性復元力との関係によって前記回転中心間距離Hが長短となるようにウォーム100が揺動するため、該ウォーム100の他端を支持した押付体103が前記操作体106に当接して叩き音が発生したり、前記ウォーム100がウォームホイール102の歯面に当接して歯打ち音が発生したりする。
【0006】
また、前記押付体103はその周面に嵌合孔101を有する円柱形であり、前記嵌合孔101に嵌合支持されたウォーム100の他端の軸部109及び前記嵌合孔101の間には軸部109の円滑な回転を補償する隙間が設けられているため、前記噛合反力によるウォーム100の動き、及び減速歯車機構の全体の振動によって前記押付体103が前記案内部105の中心周りで微小回転することになり、この押付体103の回転によって嵌合孔101と軸部109とが当接し、音が発生することになるし、また、嵌合孔101が偏摩耗することになり、押付体103の耐久性、及びウォーム100の回転性が低下することになり、改善策が要望されていた。
【0007】
本発明は斯る事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は、前記噛合反力等によって小歯車がラジアル方向へ動くときに発生する音を低減することができる減速歯車機構、電動式パワーステアリング装置を提供することにある。
【0008】
また、他の目的は、押付体の案内部内での回転によって発生する音を低減でき、押付体の耐久性を高めることができ、小歯車の回転性を高めることができる減速歯車機構、電動式パワーステアリング装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る減速歯車機構は、軸部を有する小歯車と、該小歯車に噛合する大歯車と、前記軸部を支持し前記小歯車を大歯車に向けて押付ける方向への移動が可能な押付体と、該押付体を前記押付け方向へ付勢する付勢手段と、前記押付体の移動を案内する案内部とを備えた減速歯車機構において、前記案内部は前記押付体に対して前記付勢手段と反対側に閉鎖部を有しており、該閉鎖部と前記押付体との間に空気留まり部を有していることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る電動式パワーステアリング装置は、請求項1又は2に記載された減速歯車機構と、前記小歯車に連結された操舵補助用のモータと、該モータの回転に伴う前記大歯車の回転力を舵取機構に伝動する伝動手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第1発明及び第3発明にあっては、小歯車に加わる噛合反力と前記付勢手段の付勢力との関係によって小歯車及び押付体が、前記回転中心間距離が長短となるように動く場合、前記回転中心間距離が短くなるときの小歯車及び押付体の動きを空気留まり部の留まり空気によって抑制でき、この抑制の繰り返しにより小歯車及び押付体の振幅速度、振幅量及び振幅回数を低減できる。この結果、前記噛合反力等によって小歯車及び押付体が動くときに発生する音を低減できる。
【0012】
第2発明に係る減速歯車機構は、前記案内部は孔からなり、前記押付体を前記案内部の中心周りで非回転にするための回転止め手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
第2発明にあっては、案内部の中心周りで押付体が回転することを回転止め手段によって防ぐことができるため、前記噛合反力によってウォームがラジアル方向へ動いたり、減速歯車機構の全体が振動したりしたとき、小歯車の軸部が支持された押付体の支持部と前記軸部との衝突をなくすることができる。この結果、音の発生を低減でき、また、押付体の支持部の偏摩耗を少なくすることができ、押付体の耐久性、及び小歯車の回転性を高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は減速歯車機構の実施の形態1の構成を示す縦断面図である。
【0015】
この減速歯車機構Aは両端に軸部1a,1bを有する金属製のウォーム1と、該ウォーム1に噛合するウォームホイール2と、該ウォーム1及びウォームホイール2を回転可能に支持したアルミニウム製のハウジング3とを備えており、ウォーム1の他方の軸部1bに連結されるモータ4の回転を減速してウォームホイール2に伝達するように構成されている。
【0016】
ウォームホイール2は、前記ウォーム1に噛合する複数の歯を有する合成樹脂製の環状部材21と、該環状部材21の内側に嵌合された金属製の芯部材22とを備え、該芯部材22の中心部に穿設された貫通孔23に伝動軸5が嵌合固定されている。ウォーム1は前記伝動軸5の軸芯と交叉するように配置されている。
【0017】
ハウジング3は、前記ウォーム1を収容し、該ウォーム1の軸部1a,1bを、嵌合孔61からなる支持部を有する円柱形の押付体6及び転がり軸受7を介して回転可能に支持した第1収容部3aと、前記ウォームホイール2を収容し、該ウォームホイール2を前記伝動軸5及び該伝動軸5に嵌合された2つの転がり軸受(後記する)を介して支持した第2収容部3bとを有する。
【0018】
第1収容部3aはウォーム1の軸長方向に長くなっており、その長手方向一端に、前記ウォーム1の一端に設けられた軸部1aが挿入される凹孔31及び該凹孔31の内面に臨み、前記軸部1aのラジアル方向に向けて穿設、換言すればウォーム1をウォームホイール2に向けて押し付ける方向に穿設された円柱形の孔からなる案内部32が設けられており、該案内部32に前記押付体6と、該押付体6を前記押し付ける方向へ付勢するコイルバネ8からなる付勢手段と、前記押付体6を移動操作するための操作体9とが収容されている。
【0019】
また、第1収容部8aの他端には前記転がり軸受7を介して前記軸部1bを支持する支持孔33及び該支持孔33に連なるねじ孔34及びモータ取付部35が設けられており、前記ねじ孔34に前記転がり軸受7を固定するためのねじ環10が螺着されている。また、前記モータ取付部35に円筒部を有する前記モータ4が取付けられている。
【0020】
案内部32は、ハウジング3の内側となる一端、換言すれば前記押付体6に対して前記コイルバネ8と反対側の端を前記第2収容部3bと連通しない閉鎖部36とし、該閉鎖部36と前記押付体6の一端との間に前記押付体6の前記コイルバネ8による移動を抑制する空気留まり部37を設けてある。案内部32の周面と押付体6の周面との間の隙間は約50μmであり、コイルバネ8によって押付体6が付勢されたとき、前記空気留まり部37に留っている空気は前記隙間から流出し難い。また、前記案内部32の周面には前記押付体6の移動性を良好にすべくグリース等の潤滑剤が塗布されており、該潤滑剤によって前記空気留まり部37の気密性はより一層高くなっている。また、案内部32の他端はハウジング3の外部に開口し、該開口部に前記操作体9が螺着されている。
【0021】
押付体6はその軸長方向の中間位置、換言すれば前記案内部32に沿って移動する移動方向の中間位置に前記移動方向と直交するように穿設された嵌合孔61からなる支持部が設けられており、該嵌合孔61に前記軸部1aが回転可能に嵌合された焼結合金製のすべり軸受11を設けてあり、該すべり軸受11を介して前記軸部1aを押付体6に支持してある。また、押付体6の他端には円形の凹部62が設けられている。
【0022】
この凹部62には前記操作体9の端面と接触して前記押付体6をウォーム1のウォームホイール2との噛合部に予圧を加えるべく前記移動方向へ付勢するための前記コイルバネ8が収容されている。
【0023】
操作体9は周面にねじを有し、該ねじ部が前記案内部32に螺合されている。また、前記コイルバネ8と反対側端に工具が嵌合される回転操作部9aを有している。
【0024】
このように構成された減速歯車機構Aは、例えば電動式パワーステアリング装置に使用される。
図2は本発明に係る電動式パワーステアリング装置の断面図である。
電動式パワーステアリング装置は、上端が舵取りのための操舵輪12に繋がり、下端に筒部を有する入力軸13と、前記筒部内に挿入されてその上端が前記入力軸13の筒部に同軸的に連結され、前記操舵輪12に加わる操舵トルクの作用によって捩れるトーションバー14と、下端が前記トーションバー14の下端に同軸的に連結される出力軸15と、前記トーションバー14の捩れに応じた入力軸13及び出力軸15の相対回転変位量によって前記操舵輪12に加わる操舵トルクを検出するトルクセンサ16と、該トルクセンサ16が検出したトルクに基づいて駆動される操舵補助用の前記モータ4と、該モータ4の回転に連動し、該回転を減速して出力軸15に伝動する前記減速歯車機構Aと、該減速歯車機構Aが収容された前記ハウジング3とを備え、このハウジング3がブラケット(不図示)を介して車体に取付けられる。
【0025】
ハウジング3には前記トルクセンサ16を収容した筒形のハウジング17が連結されており、該ハウジング17内と前記ハウジング3内とに嵌合支持された2つの転がり軸受18,19及び該転がり軸受18,19に嵌合された前記出力軸15を介して前記ウォームホイール2がハウジング3内に配置されている。尚、出力軸15が前記伝動軸5を構成している。
【0026】
減速歯車機構Aは、ウォーム1の軸部1bが前記モータ4の駆動軸4aに繋がっており、また、ウォームホイール2が前記出力軸15の途中に嵌合固定されており、これらウォーム1及びウォームホイール2の噛合により前記駆動軸4aの回転を減速して出力軸15に伝達し、該出力軸15からユニバーサルジョイントを経て例えばラックピニオン式の舵取機構(図示せず)へ伝達するようにしている。尚、出力軸15及びユニバーサルジョイントが、ウォームホイール2の回転力を舵取機構に伝達する伝動手段を構成している。
【0027】
以上のように構成された電動式パワーステアリング装置は、ウォーム1を組み込む場合、該ウォーム1の軸部1aは押付体6の軸長方向中間に設けられたすべり軸受11に嵌合されている。また、操作体9の回転操作によりコイルバネ8を介して押付体6を移動させ、さらに、すべり軸受11を介してウォーム1を移動させ、該ウォーム1をウォームホイール2の歯面に接触させ、前記回転中心間距離Hを調整する。このとき、ウォームホイール2を回してバックラッシュが生じていないのを確認することによってウォーム1及びウォームホイール2の噛合部のバックラッシュ量をなくすることができる。また、押付体6と操作体9との間に介在されたコイルバネ8がウォーム1をウォームホイール2に向けて付勢し、該ウォーム1のウォームホイール2との噛合部に予圧を加えている。
【0028】
操舵補助によってウォーム1がウォームホイール2の歯すじに沿うようにラジアル方向へ押圧され、この押圧力、換言すれば上述したラジアル方向への噛合反力が軸部1aから押付体6に加わった場合、噛合反力と前記コイルバネ8の弾性復元力との関係によってウォーム1及び押付体6が、前記回転中心間距離Hが長短となるように動くことになる。
【0029】
このとき、ウォーム1はモータ側転がり軸受7への支持部を中心として傾斜し、押付体6を付勢するコイルバネ8が前記噛合反力によって撓み、ウォーム1及び押付体6は前記回転中心間距離Hが長くなる方向へ動き、さらに、コイルバネ8の弾性復元力によって前記回転中心間距離Hが短くなる方向へ動き、この押付体6の動きが繰り返されることになるが、前記案内部32の閉鎖部36と押付体6の一端との間には空気留まり部37が設けられているため、前記回転中心間距離Hが短くなるときのウォーム1及び押付体6の動きを空気留まり部37の留まり空気によって抑制でき、この抑制の繰り返しによりウォーム1及び押付体6の振幅速度、振幅量及び振幅回数を低減できる。従って、前記噛合反力等によって前記押付体6が前記操作体9に当接したときに発生する叩き音、及び前記ウォーム1がウォームホイール2の歯面に当接したときに発生する歯打ち音を低減できる。因に、前記空気留まり部37が設けられていない減速歯車機構が発生する音と、前記空気留まり部37が設けられた減速歯車機構Aが発生する音とをウォーム側の外部で測定した結果、前者の空気留まり部の設けられていない構成では65dBであったのに対し、後者の空気留まり部37を有する構成では57dBであり、約12%低減できた。
【0030】
実施の形態2
図3は図1のIII −III 線で切断した実施の形態2の拡大断面図である。
この実施の形態2の減速歯車機構は、案内部32及び押付体6を円柱形とする代わりに、角柱形の案内部32a及び押付体6aとし、押付体6aを前記案内部32aの中心周りで非回転にしたものである。
【0031】
実施の形態2において、案内部32aはウォーム1をウォームホイール2に向けて押し付ける方向に穿設されており、その中心と直交する断面形状を方形、矩形等の多角形としてある。また、案内部32aの一端には前記閉鎖部36が設けられており、該閉鎖部36と前記押付体6aの一端との間に前記空気留まり部37を設けてある。
【0032】
押付体6aは案内部32aに沿って移動可能であるが、案内部32aの中心周りで非回転となるように案内部32aに挿入されており、移動方向と直交する断面形状を方形、矩形等の多角形としてある。また、押付体6aに穿設された前記嵌合孔61には前記すべり軸受11が設けられており、該すべり軸受11の周面と前記軸部1aの周面との間には軸部1aの円滑な回転を補償するための隙間(約100μm)が設けられている。
【0033】
実施の形態2にあっては、ウォーム1の軸部1aを支持した押付体6aは案内部32aの中心周りで非回転になっているため、前記噛合反力によるウォーム1のラジアル方向への動きによって案内部32aの中心周りで回転する方向の力が押付体6aに加わったり、ハウジング3の振動(減速歯車機構の全体の振動)によって案内部32aの中心周りで回転する方向の力が押付体6aに加わったりした場合においても、押付体6aの微小回転を防ぐことができ、該押付体6aの嵌合孔61に設けられたすべり軸受11の周面と軸部1aとの衝突を防ぐことができ、音の発生をなくすることができる。しかも、すべり軸受11の周面の偏摩耗を防ぐことができ、押付体6aの耐久性、及びウォーム1の回転性を高めることができる。
【0034】
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0035】
実施の形態3
図4は図1のIV−IV線で切断した実施の形態3の拡大断面図である。
この実施の形態3の減速歯車機構Aは、円柱形に形成された前記案内部32及び押付体6の周面に回転止め手段を設けた案内部32b及び押付体6bとしたものである。
【0036】
実施の形態3において、案内部32b及び押付体6bの周面の一方に回り止め凸部40を設け、他方に該回り止め凸部40に係合する回り止め凹部41を設け、押付体6bを前記案内部32bの中心周りで非回転にしてある。回り止め凸部40は押付体6bの移動方向に長い条形としてあるが、その形状は特に制限されない。
【0037】
実施の形態3にあっては、ウォーム1の軸部1aを支持した押付体6bは案内部32bの中心周りで非回転になっているため、前記噛合反力によるウォーム1のラジアル方向への動きによって案内部32bの中心周りで回転する方向の力が押付体6bに加わったり、ハウジング3の振動(減速歯車機構の全体の振動)によって案内部32bの中心周りで回転する方向の力が押付体6bに加わったりした場合においても、押付体6bの微小回転を防ぐことができ、該押付体6bの嵌合孔61に設けられたすべり軸受11の周面と軸部1aとの衝突を防ぐことができ、音の発生をなくすることができる。しかも、すべり軸受11の周面の偏摩耗を防ぐことができ、押付体6bの耐久性、及びウォーム1の回転性を高めることができる。
【0038】
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0039】
尚、以上説明した実施の形態では、押付体6を付勢する付勢手段として、コイルバネ8を用いたが、その他、板ばね、ゴム部材であってもよい。
【0040】
また、以上説明した実施の形態の減速歯車機構Aは、ウォーム1である小歯車及びウォームホイール2である大歯車を備えたウォーム歯車である他、ハイポイドピニオンである小歯車及びハイポイドホイールである大歯車を備えたハイポイド歯車であってもよいし、また、ベベルギヤであってもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述した如く第1発明及び第3発明によれば、空気留まり部の留まり空気によって小歯車及び押付体の振幅速度、振幅量及び振幅回数を低減でき、音を低減できる。
【0042】
第2発明にあっては、音の発生をより一層低減できるとともに、押付体の耐久性、及び小歯車の回転性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る減速歯車機構の実施の形態1の構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る電動式パワーステアリング装置の断面図である。
【図3】図1のIII −III 線で切断した実施の形態2の拡大断面図である。
【図4】図1のIV−IV線で切断した実施の形態3の拡大断面図である。
【図5】本発明の出願人が先に提案した減速歯車機構の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ウォーム(小歯車)
1a 軸部
2 ウォームホイール(大歯車)
4 モータ
6,6a,6b 押付体
8 コイルバネ(付勢手段)
15 出力軸(伝動手段)
32,32a,32b 案内部
36 閉鎖部
37 空気留まり部
40 回り止め凸部(回転止め手段)
41 回り止め凹部(回転止め手段)
Claims (3)
- 軸部を有する小歯車と、該小歯車に噛合する大歯車と、前記軸部を支持し前記小歯車を大歯車に向けて押付ける方向への移動が可能な押付体と、該押付体を前記押付け方向へ付勢する付勢手段と、前記押付体の移動を案内する案内部とを備えた減速歯車機構において、前記案内部は前記押付体に対して前記付勢手段と反対側に閉鎖部を有しており、該閉鎖部と前記押付体との間に空気留まり部を有していることを特徴とする減速歯車機構。
- 前記案内部は孔からなり、前記押付体を前記案内部の中心周りで非回転にするための回転止め手段を備えている請求項1記載の減速歯車機構。
- 請求項1又は2に記載された減速歯車機構と、前記小歯車に連結された操舵補助用のモータと、該モータの回転に伴う前記大歯車の回転力を舵取機構に伝動する伝動手段とを備えていることを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
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