JP3734082B2 - 画像処理装置及び画像処理装置の画像データの格納方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ装置、コピー機、プリンタ、スキャナ、又はこれらの複合機等の画像処理装置であって、メモリに画像データを格納する際にメモリの容量を効率的に使用することができる装置、及びそのような画像処理装置の画像データの格納方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像データをメモリに効率的に格納するための技術として従来より様々な画像データの圧縮技術が提案されている。その中には、例えばJPEG等のように画像データの圧縮率を変化させて調節することができる圧縮方式が存在する。そして、このような画像データの圧縮技術を利用して、メモリ内に画像データを効率良く格納するために画像データの圧縮率を調節する技術が提案されている。このような技術として、例えば、特開平05-91345号公報に開示された画像形成装置に関する技術がある。この画像形成装置は、原稿から画像データを読み取った後、この画像データを圧縮してメモリに格納する際に、圧縮後の画像データのデータ量とメモリの記憶容量とを比較し、圧縮後の画像データのデータ量がメモリの記憶容量を超える場合には、この圧縮後の画像データを一旦消去し、再度原稿の画像データの読み取り動作を行なった後、前回よりも高い圧縮率でその画像データを圧縮する。そして、圧縮後の画像データのデータ量とメモリの記憶容量とを比較し、圧縮後の画像データのデータ量がメモリの記憶容量よりも少ない場合には、その圧縮率により圧縮後の画像データをメモリに格納する。一方、この再度の圧縮後の画像データのデータ量がメモリの記憶容量を超える場合には、同様の処理を繰り返して更に高い圧縮率でその画像データを圧縮し、メモリに記憶可能なデータ量にする処理を行なう。
【0003】
このような画像形成装置では、画像データのデータ量とメモリの記憶容量とを比較し、メモリの記憶容量を最大限利用できるように画像データの圧縮率を決定することから、圧縮率を高めることによる画像データの画質の低下を出きる限り少なく抑えつつ、効率的にメモリを利用して画像データの格納を行なうことができるという利点がある。したがって、コピー機等のように、メモリに格納した画像データが短時間のうちに出力されメモリから消去されるような装置においては有効な技術である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術は、メモリの記憶容量を最大限利用して画像データの格納を行なうことから、画像データの画像を読み取って印字出力するというジョブを1つずつ順番に処理していくコピー機のような装置に適用するには好適であるが、例えば、ファクシミリ装置やコピー・ファクシミリ・プリンタ複合機のように、複数のジョブが様々な順序で処理される装置について適用することは困難である。すなわち、このような装置においては、ファクシミリ送信ジョブやファクシミリ受信ジョブ、或いはプリントジョブ等の各種のジョブが様々な順序で発生するとともに、それらのジョブが処理される順序は、例えば、ファクシミリ送信ジョブでは時刻を指定して後から送信する場合や、ファクシミリ受信ジョブでは使用者が受信した画像データの内容を確認してからプリントアウトする場合等のように様々に前後する場合があり、中には長期間処理されないまま残されるジョブもある。そのため、このような複合機等においては、ジョブの発生及び消滅によりメモリの記憶容量は逐次変化することとなり、このような変化する記憶容量に合わせてできるだけ多くのジョブに関する画像データを効率的にメモリに格納できるようにすることが要請されている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数のジョブが様々な順序で処理される装置において、ジョブの発生及び消滅によりメモリの記憶容量が逐次変化する場合であっても、このような変化する記憶容量に合わせてできるだけ多くのジョブに関する画像データを効率的にメモリに格納できるようにすることを技術課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記技術課題を解決するための具体的手段は、次のようなものである。すなわち、請求項1に記載する画像処理装置は、1又は2以上のジョブに関する画像データを格納するメモリ手段と、このメモリ手段に格納する画像データを複数の異なる圧縮率の中から選択した1の圧縮率により圧縮する画像データ圧縮手段と、前記メモリ手段の空き容量を検出するメモリ空き容量検出手段と、このメモリ空き容量検出手段により検出された前記メモリ手段の空き容量の最大記憶容量に対して占める割合が少なくなるに従って前記画像データ圧縮手段による画像データの圧縮率が段階的に高くなるように、前記割合が予め設定された複数の数値範囲の内、どの数値範囲に含まれるかを判定して、前記数値範囲毎に予め設定された圧縮率の中から、前記割合が含まれる数値範囲に対応する圧縮率を選択する圧縮率選択手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に記載する画像処理装置は、請求項1に記載する構成において、前記メモリ手段に画像データを格納する処理を伴うジョブの発生及びそのジョブの消滅を管理するとともに、それらの各ジョブと前記メモリ手段に格納された画像データとの対応関係を記憶するメモリ管理手段を備え、前記メモリ空き容量検出手段が、前記メモリ管理手段が有する情報に基づいて前記メモリ手段の空き容量を検出することを特徴とするものである。
【0008】
請求項3に記載する画像処理装置の画像データの格納方法は、メモリ手段に画像データを格納する処理を伴うジョブが発生した際、前記メモリ手段の空き容量を検出し、その検出された空き容量の前記メモリ手段の最大記憶容量に対して占める割合が少なくなるに従って画像データの圧縮率が段階的に高くなるように、前記割合が予め設定された複数の数値範囲の内、どの数値範囲に含まれるかを判定して、前記数値範囲毎に予め設定された圧縮率の中から、前記割合が含まれる数値範囲に対応する圧縮率を選択し、その選択された圧縮率により前記ジョブに対応する画像データを圧縮して前記メモリ手段に格納することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像処理装置1をコピー、ファクシミリ、プリンタ、及びスキャナの複合機に適用した実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置1の電気的構成を示すブロック図である。この図に示すように、本発明の実施形態に係る画像処理装置1は、原稿の画像を走査してそれを画像データとして読み取るための原稿読取部2と、画像データのファクシミリ送受信やLAN(Local Area Network)3に接続してのコンピュータ端末4等との通信を行なうための通信部5と、原稿読取部2において読み取った原稿の画像データや、通信部5において受信した画像データを一時的に格納しておくための画像メモリ6と、この画像メモリ6に格納された画像データの画像をプリントアウトするためのプリンタ部7と、使用者が画像処理装置1に対する動作指示や設定等の入力を行なうためのスタートキーやテンキー等の各種操作キーを有して構成される操作部8と、画像処理装置1の設定状態や動作状態等を表示する液晶表示画面やLEDランプ等を有して構成される表示部9と、これら画像処理装置1の各部の動作制御を行なうための制御部10とを有して構成されている。
【0010】
原稿読取部2は、ファクシミリ送信しようとする原稿の画像を走査して画像データとして読み取るための部分であって、カラー画像読取用のCCD(Charge Coupled Device)11と、画像処理回路12と、読取バッファ13と、読取用コーデック(CODEC:Coder and Decoder)14とを有して構成されている。また、図示しないが、原稿読取部2は、CCD11による読み取りを行なうために原稿を1枚ずつ自動的に供給する原稿自動供給機構(ADF:Automatic Document Feeder)や原稿を1枚ずつ手動で載置して読み取るためのフラットベッド機構等を有している。ここで、CCD11は、原稿の表面の画像を読み取り、それを電気信号からなる画像データに変換して出力する素子である。画像処理回路12は、CCD11から出力された画像データを、アナログ信号からデジタル信号に変換する回路である。読取バッファ13は、画像処理回路12における画像処理を効率的に行なうために、一定量の画像データを一時的に格納するバッファである。
【0011】
読取用コーデック14は、画像処理回路において処理された画像データを所定の方式により符号化し、そのデータ量を圧縮する処理を行なう回路である。そして、この読取用コーデック14は、後述する通信用コーデック15とともに、画像データ圧縮手段を構成する。すなわち、この読取用コーデック14において、原稿読取部2で読み取り、画像メモリ6に格納する画像データを複数の異なる圧縮率の中から選択した1の圧縮率により圧縮する処理が行なわれる。そのため、ここでは、複数の異なる圧縮率の中から1の圧縮率を選択することが可能な符号化方式を用いることとする。このような符号化方式の例として、本実施形態においては、圧縮率を任意に調節することが可能なJPEG方式を使用する。そこで、以下ではこのような圧縮率を選択することが可能な符号化方式をJPEG方式として説明するが、このような符号化方式としては、JPEG方式のみに限定されることはなく、圧縮率を複数の段階で、あるいは任意に調節することが可能な方式であれば使用することが可能である。この読取用コーデック14における符号化の際の圧縮率の選択は、圧縮率選択プログラム16に従って動作するMPU17により構成される圧縮率選択手段により行なわれるが、この点については後述する。そして、この読取用コーデック14においてJPEG方式で符号化された画像データが画像メモリ6に格納される。
【0012】
通信部5は、他のファクシミリ装置との間でファクシミリ送受信を行ない、あるいは、LAN3に接続してコンピュータ端末4等との間で通信を行なうための部分であって、モデム18と、網制御装置(NCU)19と、通信用コーデック15と、LANインターフェース20とを有して構成されている。ここで、モデム18は、ファクシミリ送受信される画像データの変調及び復調を行なう装置であり、網制御装置(NCU)19は、公衆電話回線に対する接続制御を行なう装置である。
【0013】
通信用コーデック15は、ファクシミリ受信の際に受信した画像データを所定の方式により符号化し、そのデータ量を圧縮する処理を行なうとともに、ファクシミリ送信の際に画像メモリ6に格納された画像データをファクシミリ送信に適した符号化方式により符号化する処理を行なう回路である。そして、この通信用コーデック15は、前述した読取用コーデック14とともに、画像データ圧縮手段を構成する。すなわち、ファクシミリ受信の際には、通信用コーデック15において、通信部5で受信し、画像メモリ6に格納する画像データを複数の異なる圧縮率の中から選択した1の圧縮率により圧縮する処理が行なわれる。そのため、この通信用コーデック15における符号化方式としては、読取用コーデック14と同様に、複数の異なる圧縮率の中から1の圧縮率を選択することが可能な符号化方式であるJPEG方式を使用することとしている。この通信用コーデック15における符号化の際の圧縮率の選択は、圧縮率選択プログラム16に従って動作するMPU17により構成される圧縮率選択手段により行なわれるが、この点については後述する。そして、この通信用コーデック15においてJPEG方式で符号化された画像データは画像メモリ6に格納される。
【0014】
一方、ファクシミリ送信の際には、送信する画像データはJPEG方式により符号化されて画像メモリ6に格納されているので、通信用コーデック15は、その画像データを読み出して復号するとともに、ファクシミリ通信に適した符号化方式、、例えば、MMR(モディファイド・モディファイド・リード)方式、MR(モディファイド・リード)方式、あるいはMH(モディファイド・ハフマン)方式等に符号化する処理を行なう。そして、このようなファクシミリ通信に適した符号化方式により符号化された画像データはモデム18及び網制御装置(NCU)19によりファクシミリ送信される。なお、カラーファクシミリ送信の場合には、JPEG方式で符号化した画像データを送信する場合がある。したがって、この場合には、前述のような復号及び符号化の処理を行なう必要がなく、画像メモリ6に格納された状態、すなわちJPEG方式で符号化された状態のまま送信することが可能である。
【0015】
また、LANインターフェース20は、画像処理装置1をLAN3に接続してコンピュータ端末4との通信やインターネットを介した通信を行なうための装置である。すなわち、画像処理装置1は、LANインターフェース20及びLAN3を介してサーバやクライアント等の各コンピュータ端末4と通信可能に接続されており、プリンタやスキャナとして動作する際に、これらの各コンピュータ端末4との間で画像データの送受信を行なう。また、LAN3は、ルータ21にも接続されており、画像処理装置1は、これを介してインターネットに接続して通信を行なうことも可能となっている。なお、このLANインターフェース20を介してコンピュータ端末4等との間で送受信される画像データについても、通信用コーデック15においてJPEG方式に符号化し、あるいは復号する処理が行なわれる場合がある。
【0016】
画像メモリ6は、原稿読取部2において読み取った原稿の画像データや、通信部5において受信した画像データを一時的に格納するためのメモリである。そして、この画像メモリ6が、1又は2以上のジョブに関する画像データを格納するメモリ手段を構成している。ここで、ジョブとは、画像処理装置1が処理すべき仕事の単位であって、具体的には、原稿読取部2において原稿の画像データを読み取って通信部5を介してファクシミリ送信するファクシミリ送信ジョブ、通信部5において画像データをファクシミリ受信してプリンタ部7においてプリントアウトするファクシミリ受信ジョブ、原稿読取部2において原稿の画像データを読み取ってプリンタ部7においてプリントアウトするコピージョブ、コンピュータ端末4から画像データを受信してプリンタ部7においてプリントアウトするプリントジョブ、あるいは、原稿読取部2において原稿の画像データを読み取ってコンピュータ端末4に送信するスキャンジョブ等が含まれる。そして、これらのジョブの実行に伴って原稿読取部2において読み取られた画像データや、通信部5により受信された画像データが、画像メモリ6に格納される。この画像メモリ6には、読取用コーデック14や通信用コーデック15において、圧縮率を選択することが可能な符号化方式、すなわちJPEG方式により符号化された後の画像データが格納される。
【0017】
プリンタ部7は、画像メモリ6に格納された画像データの画像をカラー又は白黒でプリントアウトするための部分であって、プリンタ機構部22と、プリンタ制御部23と、プリンタ用コーデック24と、プリンタバッファ25とを有して構成されている。ここで、プリンタ機構部22は、画像データから記録紙上に画像を形成するための各種機構を備えた装置であって、その記録方式としては、例えば電子写真方式や感熱記録方式等の従来より公知の全ての記録方式を用いることができる。プリンタ制御部23は、制御部10のMPU17からの命令信号に従ってプリンタ機構部22の動作制御を行う回路である。プリンタ用コーデック24は、JPEG方式により符号化された状態で画像メモリ6に記憶されている画像データを、プリンタ機構部22において記録紙上に画像を形成するために復号する処理を行なう回路である。プリンタバッファ25は、プリンタ機構部22において画像データの画像を形成する処理を効率的に行なうために、一定量の画像データを一時的に格納するバッファである。
【0018】
制御部10は、画像処理装置1の全体の動作を制御する部分であって、MPU(Microprocessing Unit)17と、RAM(Random Access Memory)26と、ROM(Read Only Memory)27とを有して構成されている。ここで、MPU17は、バス28を介して画像処理装置1を構成する上記の各部と接続されており、これらの各部の動作制御を行なう演算処理回路である。
【0019】
RAM26は、画像処理装置1の動作の実行に伴って取得された各種データ等を一時的に記憶するメモリである。そして、RAM26は、メモリ管理テーブル29を有している。このメモリ管理テーブル29は、画像メモリ6に画像データを格納する処理を伴うジョブの発生及びそのジョブの消滅を管理するとともに、それらの各ジョブと画像メモリ6に格納された画像データとの対応関係を記憶するテーブルであって、メモリ管理手段を構成する。すなわち、メモリ管理テーブル29には、ファクシミリ送信ジョブ、ファクシミリ受信ジョブ、コピージョブ、プリントジョブ、あるいはスキャンジョブ等の画像処理装置1により処理される各ジョブと、これらの各ジョブに対応する画像データの画像メモリ6内における記憶場所と、各ジョブに対応する画像データのデータ量とがテーブル形式で記憶されている。ここで、各ジョブに対応する画像データとは、各ジョブの実行に伴って原稿読取部2において読み取られ、あるいは通信部5により受信されて画像メモリ6に格納された画像データである。
【0020】
そして、画像メモリ6に画像データを格納する処理を伴うジョブが発生した場合には、そのジョブと、そのジョブに対応する画像データの記憶場所及びデータ量がメモリ管理テーブル29に新たに登録される。一方、メモリ管理テーブル29に登録されているジョブの処理が終了し、当該ジョブが消滅した場合には、当該ジョブと、そのジョブに関連するデータはメモリ管理テーブル29から削除される。したがって、このメモリ管理テーブル29に記憶された全てのジョブに対応する画像データのデータ量の合計と、画像メモリ6の最大記憶容量とを比較することにより、画像メモリ6の空き容量を検出することができる。この画像メモリ6の空き容量を検出するための手段については後述する。
【0021】
ROM27は、MPU17の動作に必要な各種の動作プログラム等を記憶するメモリである。そして、本実施形態においては、ROM27に記憶されている動作プログラムとしては、メモリ空き容量検出プログラム30と、圧縮率選択プログラム16とが含まれている。ここで、メモリ空き容量検出プログラム30は、画像メモリ6の空き容量を検出する処理をMPU17に実行させるための動作プログラムであって、このメモリ空き容量検出プログラム30に従ってMPU17が処理を行なうことによりメモリ空き容量検出手段が構成される。このメモリ空き容量検出手段は、前述のメモリ管理テーブル29が有する情報に基づいて画像メモリ6の空き容量を検出する。すなわち、メモリ空き容量検出プログラム30は、ジョブの実行により画像メモリ6に画像データを格納する際に動作し、予め定まっている画像メモリ6の最大記憶容量と、前述のメモリ管理テーブル29に記憶された全てのジョブに対応する画像データのデータ量の合計とを比較し、それらの差を算出することにより、画像メモリ6の空き容量を検出する処理をMPU17に実行させる。なお、画像メモリ6の空き容量については、ここでは、画像メモリ6に画像データが全く格納されていないときを100%とし、画像メモリ6にその最大記憶容量と同量の画像データが格納されているときを0%として表すこととして説明する。
【0022】
圧縮率選択プログラム16は、メモリ空き容量検出プログラム30の実行により検出された画像メモリ6の空き容量に応じて、前述の画像データ圧縮手段を構成する通信用コーデック15又は読取用コーデック14による画像データの符号化に際しての圧縮率を選択するプログラムであって、この圧縮率選択プログラム16に従ってMPU17が処理を行なうことにより圧縮率選択手段が構成される。図2及び図3は、画像メモリ6の内部に各ジョブに対応する画像データが格納される際の状態を示す説明図であって、画像メモリ6に格納される各ジョブ毎の画像データの圧縮率及びデータ量と、それらの画像データのデータ量が画像メモリ6の最大記憶容量に対して占める割合を、様々な状態毎に模式的に表したものである。これらの図にも示すように、本実施形態においては、画像データの圧縮率として、グレード1からグレード5までの5段階を設定し、画像メモリ6の空き容量に応じて、これらの圧縮率の中からいずれかの圧縮率を選択することとしている。
【0023】
そこで、本実施形態においては、グレード1を最も圧縮率が低く画質が高い設定とし、グレード2、グレード3、グレード4の順に圧縮率が高くなり、グレード5が最も圧縮率が高く画質が低い設定としている。そして、圧縮率選択プログラム16は、画像メモリ6の空き容量が大きいときにはグレード1の圧縮率を選択し、画像メモリ6の空き容量が少なくなるに従ってグレード2からグレード5の圧縮率を適宜選択する動作処理をMPU17に実行させる。すなわち、本実施形態においては、画像メモリ6の空き容量が100〜80%の場合にはグレード1の圧縮率を選択し、画像メモリ6の空き容量が79〜65%の場合にはグレード2の圧縮率を選択し、画像メモリ6の空き容量が64〜50%の場合にはグレード3の圧縮率を選択し、画像メモリ6の空き容量が49〜35%の場合にはグレード4の圧縮率を選択し、画像メモリ6の空き容量が34%以下の場合にはグレード5の圧縮率を選択することとしている。
【0024】
次に、このような圧縮率選択プログラム16に従って圧縮率を選択し、画像データを画像メモリ6に格納する処理の具体的な事例について、図2及び図3に基づいて説明する。図2(a)は、画像メモリ6に画像データが全く格納されていない状態を示している。したがって、画像メモリ6の空き容量は100%であり、次に格納されるジョブAに関する画像データは、図2(b)に示すように、グレード1の圧縮率により圧縮されて格納される。この状態において画像データの空き容量は70%とする。その場合、次に格納されるジョブBに関する画像データは、図2(c)に示すように、グレード2の圧縮率により圧縮されて格納される。この状態において画像データの空き容量は55%とする。その場合、次に格納されるジョブCに関する画像データは、図2(d)に示すように、グレード3の圧縮率により圧縮されて格納される。この状態において画像データの空き容量は40%とする。その場合、次に格納されるジョブDに関する画像データは、図3(e)に示すように、グレード4の圧縮率により圧縮されて格納される。この状態において画像データの空き容量は30%とする。その場合、次に格納されるジョブEに関する画像データは、図3(f)に示すように、グレード5の圧縮率により圧縮されて格納される。この状態において画像データの空き容量は20%とする。その後、図3(g)に示すように、ジョブAの処理が終了してそれに対応する画像データが画像メモリ6から削除されたとする。その場合、画像データの空き容量は50%であり、次に格納されるジョブFに関する画像データは、図3(h)に示すように、グレード3の圧縮率により圧縮されて格納される。
【0025】
以上に説明してきた通り、本実施形態に係る画像処理装置1は、メモリ手段を構成する画像メモリ6に画像データを格納する処理を伴うジョブが発生した際、メモリ空き容量検出プログラム30に従って画像メモリ6の空き容量を検出し、次に、圧縮率選択プログラム16に従って検出された画像メモリ6の空き容量に応じて画像データの圧縮率を選択し、その選択された圧縮率により当該ジョブに対応する画像データを圧縮して画像メモリ6に格納する処理を行なう。そこで、このような画像処理装置1の動作処理について、図4及び図5に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。なお、これらの図において、丸で囲まれた「A」及び「B」の記号は、それぞれ図における同じ記号と連続するものとする。また、このフローチャートに示す画像処理装置1の各部の動作処理は、ROM27に記憶されているメモリ空き容量検出プログラム30及び圧縮率選択プログラム16を含む動作プログラムに従ってMPU17の制御の下に実行される。
【0026】
まず、画像メモリ6に画像データを格納する処理を伴うジョブが発生したか否かについて判断する(S1)。このようなジョブとしては、上述の通り、ファクシミリ送信ジョブ、ファクシミリ受信ジョブ、コピージョブ、プリントジョブ、あるいはスキャンジョブ等の各種のジョブが含まれる。そして、画像メモリ6に画像データを格納する処理を伴うジョブが発生していない場合には(S1:NO)、そのまま待機する。一方、画像メモリ6に画像データを格納する処理を伴うジョブが発生した場合には(S1:YES)、次に、メモリ空き容量検出プログラム30に従い、メモリ管理テーブル29が有する情報に基づいて画像メモリ6の空き容量を検出する(S2)。この画像メモリ6の空き容量の検出は、上述の通り、画像メモリ6の最大記憶容量と、メモリ管理テーブル29に記憶された全てのジョブに対応する画像データのデータ量の合計とを比較し、それらの差を算出することにより行なう。
【0027】
そして、処理S2において検出された画像メモリ6の空き容量に応じて、圧縮率選択プログラム16に従い、画像データの圧縮率を選択する。そのために、まず画像メモリ6の空き容量が80%以上であるか否かについて判断する(S3)。画像メモリ6の空き容量が80%以上である場合には(S3:YES)、画像データの圧縮率としてグレード1を選択し(S4)、処理はS12へ進む。一方、画像メモリ6の空き容量が80%以上でない場合には(S3:NO)、次に、画像メモリ6の空き容量が65%以上であるか否かについて判断する(S5)。画像メモリ6の空き容量が65%以上である場合には(S5:YES)、画像データの圧縮率としてグレード2を選択し(S6)、処理はS12へ進む。一方、画像メモリ6の空き容量が65%以上でない場合には(S5:NO)、次に、画像メモリ6の空き容量が50%以上であるか否かについて判断する(S7)。画像メモリ6の空き容量が50%以上である場合には(S7:YES)、画像データの圧縮率としてグレード3を選択し(S8)、処理はS12へ進む。一方、画像メモリ6の空き容量が50%以上でない場合には(S7:NO)、次に、画像メモリ6の空き容量が35%以上であるか否かについて判断する(S9)。画像メモリ6の空き容量が35%以上である場合には(S9:YES)、画像データの圧縮率としてグレード4を選択し(S10)、処理はS12へ進む。一方、画像メモリ6の空き容量が35%以上でない場合には(S9:NO)、画像データの圧縮率としてグレード5を選択する(S11)。
【0028】
そして、以上のS4、S6、S8、S10又はS11の処理により選択された圧縮率に従って前記ジョブに対応する画像データを符号化して圧縮する処理を行なう(S12)。この画像データを符号化して圧縮する処理は、上述の通り、画像データ圧縮手段を構成する読取用コーデック14又は通信用コーデック15において行なわれる。その後、圧縮された画像データを画像メモリ6に格納する(S13)。これにより処理は終了する。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像処理装置又は画像処理装置の画像データの格納方法によれば、複数の異なる圧縮率の中からメモリ手段の空き容量の最大記憶容量に対して占める割合が少なくなるに従って画像データの圧縮率が段階的に高くなるように、前記割合が予め設定された複数の数値範囲の内、どの数値範囲に含まれるかを判定して、前記数値範囲毎に予め設定された圧縮率の中から、前記割合が含まれる数値範囲に対応する圧縮率を選択して画像データを圧縮し、メモリ手段に格納することから、メモリ手段に画像データを格納する処理を伴う複数のジョブが様々な順序及び時間間隔で処理されることに伴って、そのようなジョブの発生及び消滅によりメモリ手段の記憶容量が逐次変化する場合であっても、このような変化する記憶容量に応じてメモリ手段の記憶容量を効率的に使用し、多くのジョブに関する画像データを格納することができるとともに、メモリ手段の記憶容量に余裕がある場合には、圧縮率を低くして画質の劣化を抑制しつつ画像データを格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理装置における画像メモリの内部に各ジョブに対応する画像データが格納される際の状態を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置における画像メモリの内部に各ジョブに対応する画像データが格納される際の状態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像処理装置において、画像メモリの空き容量に応じて画像データの圧縮率を選択し、その圧縮率により画像データを圧縮して画像メモリに格納する際の動作処理を示すフローチャートの前半部分である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像処理装置において、画像メモリの空き容量に応じて画像データの圧縮率を選択し、その圧縮率により画像データを圧縮して画像メモリに格納する際の動作処理を示すフローチャートの後半部分である。
【符号の説明】
1 画像処理装置
2 原稿読取部
5 通信部
6 画像メモリ
7 プリンタ部
10 制御部
11 CCD
14 読取用コーデック
15 通信用コーデック
16 圧縮率選択プログラム
17 MPU
24 プリンタ用コーデック
26 RAM
27 ROM
29 メモリ管理テーブル
30 メモリ空き容量検出プログラム
Claims (3)
- 1又は2以上のジョブに関する画像データを格納するメモリ手段と、このメモリ手段に格納する画像データを複数の異なる圧縮率の中から選択した1の圧縮率により圧縮する画像データ圧縮手段と、前記メモリ手段の空き容量を検出するメモリ空き容量検出手段と、このメモリ空き容量検出手段により検出された前記メモリ手段の空き容量の最大記憶容量に対して占める割合が少なくなるに従って前記画像データ圧縮手段による画像データの圧縮率が段階的に高くなるように、前記割合が予め設定された複数の数値範囲の内、どの数値範囲に含まれるかを判定して、前記数値範囲毎に予め設定された圧縮率の中から、前記割合が含まれる数値範囲に対応する圧縮率を選択する圧縮率選択手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
- 前記メモリ手段に画像データを格納する処理を伴うジョブの発生及びそのジョブの消滅を管理するとともに、それらの各ジョブと前記メモリ手段に格納された画像データとの対応関係を記憶するメモリ管理手段を備え、
前記メモリ空き容量検出手段は、前記メモリ管理手段が有する情報に基づいて前記メモリ手段の空き容量を検出することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - メモリ手段に画像データを格納する処理を伴うジョブが発生した際、前記メモリ手段の空き容量を検出し、その検出された空き容量の前記メモリ手段の最大記憶容量に対して占める割合が少なくなるに従って画像データの圧縮率が段階的に高くなるように、前記割合が予め設定された複数の数値範囲の内、どの数値範囲に含まれるかを判定して、前記数値範囲毎に予め設定された圧縮率の中から、前記割合が含まれる数値範囲に対応する圧縮率を選択し、その選択された圧縮率により前記ジョブに対応する画像データを圧縮して前記メモリ手段に格納することを特徴とする画像処理装置の画像データの格納方法。
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