JP3901532B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像メモリの残容量に応じた圧縮率で送受信を行うファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、ファクシミリ装置の普及は著しく、中にはカラー画情報の送受信が可能なカラーファクシミリ装置がある。
【0003】
このようなファクシミリ装置では、受信中に記録紙が無くなった場合、記録紙がジャムを起した場合、トナー切れが生じた場合等の事態が発生しても受信が正常に行われるように、画像メモリを備えて当該画像メモリに受信した画情報を蓄積することが行われている。
【0004】
ところが、画情報はデータサイズが大きいため、メモリ消費量も多くなると共に通信時間が長くなる問題があり、当初より画情報を圧縮してデータサイズを小さくすると共に通信時間の短縮が図られている。
【0005】
しかしながら、カラー画像の場合には、通常の圧縮率で圧縮してもそのデータサイズは大きいため、メモリの有効利用を図ることが困難であった。
【0006】
そこで、より効率的な画像メモリの利用を可能にするため特開2000−165630号公報においては、通常の圧縮率より大きい圧縮率の形式を自機が受信できる形式として送信側に通知する構成が提案されている。
【0007】
即ち、通常カラー画像はJPEG圧縮して送受信を行うが、画像メモリの効率利用を可能にするために自機の受信可能な形式をJBIG圧縮された画情報であるとして送信側に通知するようにしている。
【0008】
なお、JPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮とは、カラーまたは白黒写真のような多値(白黒なら8ビット/画素)の静止画を圧縮するためのフォーマットであり、JBIG(JointBi−lebel Image experts Group)圧縮とは、同じ静止画でも白黒2値画像や新聞紙面の写真のようなディザー処理された画像の圧縮フォーマットである。
【0009】
従って、送信側はカラー画像を2値画像として送信するため、データ量が少なくなって、画像メモリに多量の画情報を記憶することが可能になり、当該画像メモリの有効利用が図られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報による構成では、画像メモリの残容量に関係なく、固定的な方法でデータ圧縮率の高いJBIG圧縮の形式を自機の受信可能な形式として送信側に通知するため、カラー画像を受信できるメモリ残容量があっても2値画像しか受信することができなくなってしまう問題がある。
【0011】
そこで、本発明は、画像をメモリ残容量に応じた圧縮率で送受信が行えるようにして効率的な画像メモリの利用を可能にすると共に、画質の状態が判断し改善することが出来るファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、所定の圧縮率に基づき圧縮された画情報を画像メモリにメモリ受信するファクシミリ装置において、前記画像メモリのメモリ残容量を管理するメモリ残量管理手段と、前記メモリ残容量が予め設定された圧縮率変更判断基準容量より少ないか否かを判断する判断手段と、前記メモリ残容量が前記圧縮率変更判断基準容量より少ない場合には、送信側に前記圧縮率より大きい圧縮率で圧縮して画情報を送信するように変更された圧縮率パラメータを該送信側に通知する圧縮率通知手段と、圧縮率が変更されたときに、該圧縮率の変更を操作表示部に通知する変更通知手段と、前記変更通知手段による通知後に、オペレータによる所定の操作により、メモリ残容量の増加、またはメモリに蓄積されたデータの消去を行なうメモリ管理手段とを備え、画像をメモリ残容量に応じた圧縮率で送受信が行えるようにして効率的な画像メモリの利用を可能にすると共に、オペレータは圧縮率の変更を知って不要なメモリデータを消去するなどして送信側に通知し再送依頼することにより画質を改善できるようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項2にかかる発明は、圧縮率変更通知手段が、着呼時にメモリ残容量と圧縮率変更判断基準容量との比較を行い、当該比較結果に基づき圧縮率パラメータを送信側に通知するようにして、少なくとも1通信単位でカラー画像をメモリ残容量に応じた圧縮率で送受信を行うことにより効率的な画像メモリの利用を可能にしたことを特徴とする。
【0014】
請求項3にかかる発明は、圧縮率変更通知手段が、受信画像のページ間でメモリ残容量と圧縮率変更判断基準容量との比較を行い、当該比較結果に基づき圧縮率パラメータを送信側に通知するようにして、少なくともページ単位でカラー画像をメモリ残容量に応じた圧縮率で送受信を行うことにより効率的な画像メモリの利用を可能にしたことを特徴とする。
【0015】
請求項4にかかる発明は、圧縮率判断基準容量が複数設定されて、圧縮率変更通知手段が各圧縮率判断基準容量に対応した圧縮率でカラー画情報を圧縮して送信するように指示する圧縮率パラメータを送信側に通知して、メモリ残容量に応じた圧縮率で圧縮率で送受信を行うことにより効率的な画像メモリの利用を可能にしたことを特徴とする。
【0016】
請求項5にかかる発明は、圧縮率変更通知手段が、受信画像のページ間でメモリ残容量と圧縮率変更判断基準容量との比較を行った際に、メモリ残容量が該圧縮率変更判断基準容量より多くなっていると判断した場合又は該圧縮率変更判断基準容量より所定量多くなっていると判断した場合には、送信側に当該カラー画情報の圧縮率を現在の圧縮率より小さい圧縮率で圧縮して送信するように指示する圧縮率パラメータを通知して、画像メモリに記憶された画情報が記録出力等されて増えた場合には圧縮率を小さくするようにして、画質の高画質度を向上させながら画像メモリの有効利用を可能にしたことを特徴とする。
【0017】
請求項6にかかる発明は、予め設定された基本量子化テーブルを用いてカラー画情報を量子化し、当該量子化後の高周波成分をカットすることにより圧縮率を変更する際に、当該カットの度合いを示すパラメータを圧縮率パラメータとして送信側に通知し、または予め設定された基本量子化テーブルに所定乗数を乗じて得られる量子化テーブルを用いてカラー画情報を量子化し、その際に乗じる乗数を圧縮率パラメータとして送信側に通知して、簡単な構成で圧縮率を変更できるようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1は本実施の形態の説明に適用されるカラーファクシミリ装置の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
当該カラーファクシミリ装置は、システム制御部1、ROM2、RAM3、時計回路4、読取部5、記録部6、操作表示部7、モノクロ用にMH・MR・MMR・JBIG等の圧縮伸長器と、カラー用にJPEG圧縮伸長器を備える符号化復号化部8、網制御部10、モデム11、PSTN回線やISDN回線からなる公衆回線12、画像メモリ13、RGB/Lab変換部やLab/CMYK変換部からなる色変換部14、通信制御部15等を有して、これらがシステムバス9を介して接続されている。
【0020】
システム制御部1は、ROM2に書き込まれた制御プログラムにしたがってRAM3を作業領域として使用しながら、装置各部を制御するマイクロコンピュータで、後述する画像メモリ13のメモリ残容量の管理も行う。
【0021】
ROM2は、システム制御部1が装置各部を制御するための制御プログラムが記憶されているリードオンリメモリである。
【0022】
RAM3は、システム制御部1の作業領域として使用されるランダムアクセスメモリである。なお、RAM3は、図示しないバックアップ用回路によりバックアップされて装置電源遮断時にも記憶内容が保持されるようにすることが好ましい。
【0023】
読取部5は、カラー画情報や白黒画情報を読取るもので、3.85本/mm、7.7本/mm、15.4本/mm等の所定の読取線密度で原稿画像を読取り、読取った画情報を一旦図示しないラインバッファ等に逐次蓄積して必要とされる構成部分に転送するようになっている。
【0024】
記録部6は、受信したカラー画情報や白黒画情報をその線密度に応じて記録出力したり、読取部5で読取った画情報をその線密度に応じて記録出力(コピー動作)するためのものであり、また管理リポートの出力にも用いられる。
【0025】
時計回路4は、現在時刻の計時を行う一方、システム制御部1から設定された時定数をカウントダウンしてタイムアウトするとシステム制御部1にタイムアウトしたことを通知する、タイマ動作を行うものである。
【0026】
画像メモリ13は、読取部5で読取った画情報をメモリ送信するために一時的にファイルとして蓄積する圧縮データメモリー用の図示しないSAFメモリ、受信した画情報を記録部6により記録するまでファイルとして一時的に蓄積してデータを記録する際に生データを展開するバッファ用の図示しないページメモリ等を備えている。
【0027】
操作表示部7は、宛先電話番号を指定するためのテンキー、スタートキー、ワンタッチダイヤルキー及びその他各種キーを備え、また液晶表示装置等の表示器を備えて、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や各種メッセージを表示する。
【0028】
符号化復号化部8は、画情報を符号化圧縮するとともに、符号化圧縮されている画情報を元の画信号に復号化するためのものであり、MH,MR,MMR,JBIG,JPEG等の複数の符号化モードを備えている。
【0029】
モデム11は、網制御部10を介して公衆網に送信するデータを変調する一方、網制御部10を介してPSTNまたはISDNの公衆網から受信した信号を復調するものである。
【0030】
網制御部10は、回線に接続されて、回線の極性反転の検出、回線の直流ループの閉結・解放や、回線解放の検出、発信音の検出、ビジートーン等のトーン信号の検出、呼出信号の検出等の回線との接続制御、ダイヤル回線に対応したダイヤルパルスの生成を行うものである。
【0031】
通信制御部15は、ファクシミリプロトコルの制御を実行して網制御部10を制御し、エンドユーザ側の加入電話回線PSTNの公衆網と接続し、またエンドユーザ側の各ファクシミリ装置との通信の制御を行う。
【0032】
このような構成で画情報の受信手順を図2を参照して説明する。システム制御部1は、常時画像メモリ13のメモリ残容量Aを検出して管理している。
【0033】
このような状態で、発呼トーン(CNG)を検出して着呼すると(ステップS1)、システム制御部1は現在のメモリ残容量Aが予め設定された容量より少ないか否かを判断する(ステップS2)。このように予め設定された容量を圧縮率変更判断基準容量Bと記載する。
【0034】
この圧縮率変更判断基準容量Bとして、例えば画像メモリ13の30%のメモリ容量と規定することも可能であり、また例えば平均的な受信枚数が5ページであるとした場合に、通常の圧縮率で5ページ分のカラー画情報をメモリ受信するのに必要なメモリ容量として設定することも可能である。なお、通常の圧縮率については後述する。
【0035】
そして、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより多い場合は、通常の圧縮率による受信を行い(ステップS4)、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少ない場合は、圧縮率を通常の圧縮率から変更して受信を行う(ステップS3)。
【0036】
通常の圧縮率による受信は、受信側が送信側に被呼局識別信号(CED)を送信した後に送信されるディジタル識別信号(DIS)や非標準機能識別信号(NSF)等において、通常の圧縮率を示す圧縮率パラメータを送信する。
【0037】
無論、通常の圧縮率の場合には、当該圧縮率パラメータの送信を省略することにより、送信側に通常の圧縮率での受信であることを知らせるようにしてもよい。
【0038】
一方、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少ないために通常の圧縮率より大きな圧縮率での受信を行う場合には、上述したディジタル識別信号(DIS)や非標準機能識別信号(NSF)等において変更する圧縮率を示す圧縮率パラメータを送信側に通知する。
【0039】
送信側は、読取部5で読込んだ画像データをMR符号化方式等により圧縮してSAFメモリに記憶している状態で受信側からの圧縮率パラメータを受取り、当該圧縮パラメータに基づきSAFメモリに記憶していた画像データをページメモリーに展開して、指定された圧縮率のJPEG圧縮を行って送信する。
【0040】
このようにして圧縮されたカラー画情報は、受信側の画像メモリ13に蓄積される(ステップS5)。
【0041】
そして、次ページがあるか否かを判断して(ステップS6)、無い場合には回線切断して受信動作が終了し(ステップS7)、ある場合にはステップS5に戻って、メモリ受信を繰返す。
【0042】
このように、待機状態において画像メモリ13のメモリ残容量Aを管理し、当該メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少ない状態で着呼した場合には、圧縮率を通常の圧縮率より大きくしたカラー画情報の受信を行うため画像メモリ13の有効利用が可能となる。
【0043】
なお、圧縮率を大きくすると画質が落ちるため、メモリ残容量Aの関係で圧縮率が変更されたことに依る画質低下が起きている旨を受信側のオペレータに通知することは、当該オペレータが画質劣化に伴いう誤解を招かないようにするためにも好ましい。
【0044】
このようなオペレータに通知する方法として通信レポートや管理レポートに記載して記録出力等する方法が可能である。
【0045】
これにより、オペレータは記録出力された画像の画質に満足できないような場合には、画像メモリ13を空にしたりして(メモリ残容量Aを増やすことも含む)、再受信や直接送信を依頼することが可能になって利便性が向上する。
【0046】
ところで、JPEG圧縮は、非可逆圧縮(Lossy)と可逆圧縮(Lossless)の2方式があり、非可逆圧縮(Lossy)は、離散コサイン変換(DCT)を用いる方式で数十分の1の高圧縮が行え、その圧縮率はユーザーが任意に設定できるようになっている。
【0047】
Lossy圧縮は、まず画像を8×8画素の2次元ブロックに分割し、ブロックごとにDCTを施して、原画信号をブロック内の周波数成分ごとの強度を表す係数値に変換する。
【0048】
通常の写真画像をDCTすると低周波成分に電力が偏る傾向があり、情報論的にエントロピーが低い状態になり、この状態に置き換えることでデータ量の圧縮がしやすくなる。
【0049】
周波数表現された係数は量子化(制御パラメータによる丸め除算)され、ブロック内のジグザグ・スキャン変換で一列に並べ変えられた上で、エントロピー符号に置換されて一連の符号化処理を完了する。
【0050】
エントロピー符号にはハフマン符号と算術符号が用意され、ハフマン符号は量子化係数の統計的性質に基づき画像ごとに最適設計できる。
【0051】
そこで、本発明では、上述した圧縮率の変更方法として、周波数表現された係数を量子化する際には量子化テーブルを用いて行うが、この量子化テーブルを変更することで圧縮率を変更するようにしている。
【0052】
例えば、JPEG圧縮においては、ガイドラインとして輝度成分と色差成分とに対する量子化テーブルが例示されている。これを基本量子化テーブルとして、当該基本量子化テーブルに一定乗数を掛けることにより圧縮率の異なる新たな量子化テーブルを準備し、これを用いて量子化を行う。
【0053】
このような方法の場合には、乗数が「1」のとき、即ち基本量子化テーブルを用いて量子化したときが通常の圧縮率となり、乗数が「1」以外の時には圧縮率が通常の圧縮率から変更された場合に相当し、その乗数値と標準の圧縮率との積が変更された圧縮率を示すようになる。従って、圧縮率パラメータとしては、この乗数を含むパラメータとなる。
【0054】
無論、本発明は、圧縮率の変更方法として上述した方法に限定されるものではない。例えば、上述したように一次元配列をハフマン符号化するが、その際にハフマン符号化の傾向として、「0」が沢山連続するようになり、1次元配列の後の方の高周波成分をカットして「0」にしてしまった方が圧縮率が向上する。
【0055】
そこで、この1次元配列における高周波成分のカットを開始する位置を変えることにより圧縮率の変更が可能になり、送信側にこの情報を圧縮率パラメータとして通知すればよい。
【0056】
次に、本発明の第2の実施の形態を図を参照して説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成に関して同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0057】
第1の実施の形態では、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少ない場合には、圧縮率を大きくして画像メモリ13の有効利用を図った。この場合、圧縮率の変更は画情報の受信開始前のみでページ間では圧縮率の変更を行わなかった。
【0058】
これに対し本実施の形態では、ページ間でもメモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少なくなったか否かを判断して、少なくなった場合には圧縮率を変更するようにして、より効率的な画像メモリ13の利用を可能にしたものである。
【0059】
この手順を図3に示すフローチャートに従い説明する。システム制御部1は画像メモリ13のメモリ残容量Aを管理しており、このような状態で着呼すると(ステップS11)、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少ないか否かが判断される(ステップS12)。
【0060】
そして、画像メモリ13のメモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少ない場合には、送信側に圧縮率を大きくするように指示する圧縮率パラメータを通知して(ステップS13)、カラー画情報のメモリ受信を行う(ステップS17)。
【0061】
一方、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより多い場合には、受信が1ページ目か否かを判断する(ステップS14)。
【0062】
受信が1ページ目の場合には、通常の圧縮率で送受信を行う旨の圧縮率パラメータを通知し(ステップS15)、受信が1ページ以降の場合には圧縮率を小さくして送受信を行う旨の圧縮率パラメータを通知する(ステップS16)。
【0063】
なお、受信が1ページ以降の場合に、圧縮率を小さくする旨の圧縮率パラメータを通知する際には、受信側から送信側にステップS20で説明する圧縮率変更信号を送信して圧縮率の変更を通知する。
【0064】
送信側は、この圧縮率送信信号に含まれる圧縮率パラメータに基づき圧縮率を変更し、EOM信号を受信側に送信して、マルチページ送信で、次ページの送信条件が変更となることを確認の意味から知らせる。
【0065】
このようにして、圧縮率が設定されると、メモリ受信を開始し(ステップS17)、次のページがあるか否かを判断する(ステップS18)。
【0066】
この判断は、送信側から送信されてくる信号がEOP信号かMPS信号又はEOM信号かにより判断する。
【0067】
EOP信号は、送信原稿が1枚の時やマルチページ送信の時に、最終ページが送信された後に送られてくる信号で、画情報の終了を示す信号である。
【0068】
また、MPS信号はマルチページ送信で、マルチページ送信で次ページの送信条件(送信原稿幅等)が変更されないことを受信側へ知らせる信号であり、EOM信号はマルチページ送信で、次ページの送信条件(送信原稿幅等)が変更となることを受信側へ知らせる信号である。
【0069】
従って、送信側から送信されてくる信号がEOP信号かMPS信号又はEOM信号かにより、次ページがあるか否かが判断でき、次ページがない場合には回線切断を行って受信が終了する(ステップS21)。
【0070】
一方、MPS信号又はEOM信号を受信した場合には、ステップS19に進み、メモリ残量が圧縮率変更判断基準容量を跨いで変化したか否かを判断する。
【0071】
この圧縮率変更判断基準容量Bを跨いで変化するとは、前ページのメモリ受信を行う際は、メモリ残容量Aは圧縮率変更判断基準容量Bより多かったが、当該ページをメモリ受信した結果、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少なくなった場合、メモリ受信していた画情報が記録出力されたためにメモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより多くなった場合のような変化を言う。
【0072】
この結果、圧縮率変更判断基準容量Bを超える変化がなかった場合には、圧縮率の変更を行なわずにステップS17に戻り次ページの受信を行う。
【0073】
一方、圧縮率変更判断基準容量Bを跨ぐ変化があった場合には、受信側は送信側に圧縮率変更信号を送信して(ステップS20)、ステップS12に戻り、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少ないか否かの判断を行う。
【0074】
このようにして全ての画情報の受信が完了すると、回線切断を行い画情報の送受信は終了する(ステップS21)。
【0075】
以上説明したように、着呼時のみならずページ間でもメモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bを跨いで変化したか否かを判断して圧縮率を変更するようにしたので、画像メモリ13の有効利用が可能になる。
【0076】
なお、ステップS19でメモリ残容量Aが減っていくときの圧縮率変更判断基準容量Bと、増えていくときの圧縮率変更判断基準容量Bとは、同じ値であることを前提に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、異なる値に設定しても良いことは言うまでもない。
【0077】
即ち、画情報のメモリ受信と記録出力とが同時に行われるような状況下では、メモリ残容量Aはメモリ受信により減少し記録出力により増大するので、増減が繰返し起ることが想定される。
【0078】
このような場合に、メモリ残容量Aが減っていくときの圧縮率変更判断基準容量Bと、増えていくときの圧縮率変更判断基準容量Bとを同じ値に設定すると、圧縮率の変更を頻繁に行う必要が生じて通信手順が増えてしまう。
【0079】
そこで、このような不都合を抑制するために、メモリ残容量Aが減っていくときの圧縮率変更判断基準容量Bに比べ、増えていくときの圧縮率変更判断基準容量Bを大きな値に設定することで通信手順の減少による高速通信が可能となる。
【0080】
次に、本発明の第3の実施の形態を図を参照して説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同一構成に関して同一符号を用い説明を適宜省略する。
【0081】
第1や第2の実施の形態においては、メモリ残容量Aと圧縮率変更判断基準容量Bとの比較を行い、メモリ残容量Aが圧縮率変更判断基準容量Bより少なくなった場合には、圧縮率を変更して効率的な画像メモリ13の利用を可能にした。
【0082】
これに対し本実施の形態では、メモリ残容量Aの度合に応じた圧縮率を設定するようにして、より効率的に画像メモリ13の利用を図るものである。
【0083】
この手順を図4に示すフローチャートに従い説明する。システム制御部1は画像メモリ13のメモリ残容量Aを管理し、着呼すると(ステップS21)、メモリ残容量Aの度合に応じた圧縮率を判断して、送信側に通知する(ステップS22)。
【0084】
このときメモリ残容量Aの度合に応じた圧縮率とは、例えばメモリ残容量Aが画像メモリ13の全容量に対して30%になった時には圧縮率を標準の2倍、メモリ残容量Aが20%になったときには圧縮率を4倍、メモリ残容量Aが10%になったときは圧縮率を6倍にする等の方法が可能である。
【0085】
以下の説明では、このように圧縮率を設定する場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば標準的な受信ページ数として5ページが想定されるような場合に、メモリ残容量Aが30%になると、当該5枚の画情報を20%のメモリ容量で受信できるように圧縮率を演算するようにしても良い。
【0086】
この場合、10%のメモリ容量が残ることになるが、5ページは予め予定した枚数であり、実際には6ページ分送信されてくることもあるので、そのような場合に備えて全てのメモリを使いきらない条件で圧縮率を演算することが好ましい。
【0087】
このようにして圧縮率が判断されると、それを送信側に通知して、メモリ受信を開始する(ステップS23)。
【0088】
そして、次のページがあるか否かを判断する(ステップS24)。このとき次ページがあり、かつ、メモリ残容量Aが圧縮率変更範囲を超えた場合はステップS22に戻り、新たなメモリ残容量Aに対する圧縮率の設定通知を行って次ページのメモリ受信を行い、メモリ残容量Aが圧縮率変更範囲を超えていない場合は、ステップS23に戻り圧縮率を変更することなく継続してメモリ受信を行う。
【0089】
ここで圧縮率変更範囲とは、例えば圧縮率をメモリ残容量Aが30%以上、30%〜20%、20%〜10%、10%以下の容量範囲に対応して設定した際の各メモリ容量範囲を意味し、この場合メモリ受信を行った結果、メモリ残容量Aが25%から23%になったり、25%から28%になったりした場合は圧縮率変更範囲を超えず、メモリ残容量Aが25%から15%になったり、25%から35%になったりすると圧縮率変更範囲を超えたとすることができる。
【0090】
このように、メモリ残容量Aに応じた圧縮率で受信を行うようにすることで、大幅な画像メモリの有効利用が可能になる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、メモリ残容量に応じて画像を圧縮する際の圧縮率を変えるため、画像メモリの有効利用が可能になる。また、圧縮率が変更されたときに、該圧縮率の変更を操作表示部に通知し、オペレータによる所定の操作により、メモリ残容量の増加、またはメモリに蓄積されたデータの消去を可能としたため、それを送信側に通知し再送依頼することにより画質が改善できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明に適用されるカラーファクシミリ装置のブロック図である。
【図2】第1の実施の形態の説明に適用される圧縮率変更手順を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態の説明に適用される圧縮率変更手順を示すフローチャートである。
【図4】第3の実施の形態の説明に適用される圧縮率変更手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 システム制御部
2 ROM
3 RAM
6 記録部
8 符号化復号化部
10 網制御部
11 モデム
13 画像メモリ
15 通信制御部

Claims (6)

  1. 所定の圧縮率に基づき圧縮された画情報を画像メモリにメモリ受信するファクシミリ装置において、
    前記画像メモリのメモリ残容量を管理するメモリ残量管理手段と、
    前記メモリ残容量が予め設定された圧縮率変更判断基準容量より少ないか否かを判断する判断手段と、
    前記メモリ残容量が前記圧縮率変更判断基準容量より少ない場合には、送信側に前記圧縮率より大きい圧縮率で圧縮して画情報を送信するように変更された圧縮率パラメータを該送信側に通知する圧縮率通知手段と、
    圧縮率が変更されたときに、該圧縮率の変更を操作表示部に通知する変更通知手段と、
    前記変更通知手段による通知後に、オペレータによる所定の操作により、メモリ残容量の増加、またはメモリに蓄積されたデータの消去を行なうメモリ管理手段と、
    を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
  2. 前記圧縮率変更通知手段が、着呼時に前記メモリ残容量と前記圧縮率変更判断基準容量との比較を行い、当該比較結果に基づき前記圧縮率パラメータを送信側に通知することを特徴とする請求項1記載のファクシミリ装置。
  3. 前記圧縮率変更通知手段が、受信画像のページ間で前記メモリ残容量と前記圧縮率変更判断基準容量との比較を行い、当該比較結果に基づき前記圧縮率パラメータを送信側に通知することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のファクシミリ装置。
  4. 前記圧縮率判断基準容量が複数設定されて、前記圧縮率変更通知手段が各圧縮率判断基準容量に対応した圧縮率で画情報を圧縮して送信するように指示する前記圧縮率パラメータを送信側に通知することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のファクシミリ装置。
  5. 前記圧縮率変更通知手段が、受信画像のページ間で前記メモリ残容量と前記圧縮率変更判断基準容量との比較を行った際に、前記メモリ残容量が該圧縮率変更判断基準容量より多くなっていると判断した場合又は該圧縮率変更判断基準容量より所定量多くなっていると判断した場合には、送信側に当該画情報の圧縮率を現在の圧縮率より小さい圧縮率で圧縮して送信するように指示する圧縮率パラメータを通知することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のファクシミリ装置。
  6. 予め設定された基本量子化テーブルを用いて画情報を量子化し、当該量子化後の高周波成分をカットすることにより圧縮率を変更する際に、当該カットの度合いを示すパラメータを前記圧縮率パラメータとして送信側に通知し、または予め設定された基本量子化テーブルに所定乗数を乗じて得られる量子化テーブルを用いて画情報を量子化し、その際に乗じる前記乗数を前記圧縮率パラメータとして送信側に通知することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のファクシミリ装置。
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