図1は、本発明の通信端末装置の実施の一形態を含むシステムの一例を示す構成図である。図中、1は送信側装置、2は受信側装置、3は回線、11,21は主制御部、12,22は情報格納部、13,23は通信部、14は読取部、24は記録部である。送信側装置1は、少なくとも両面送信機能を有しており、回線3を介して受信側装置2へ画像を両面送信することができる。また受信側装置2は、少なくとも両面受信機能を有しており、回線3を介して送信側装置1から画像を両面受信することができる。両面通信時には、送信側装置1は通信を特定する情報、例えば通信番号を送出する。受信側装置2では、送信側装置1から送られてくる送信側装置1の電話番号等の相手先を特定する情報と、同じく送信側装置1から送られてくる通信を特定する情報とを受け取って登録し、通信エラー時に備えておく。通信エラーにより回線3が切断された場合、送信側装置1は通信を特定する情報を送信し、これを受けた受信側装置2では中断された通信を特定する。そして、中断前に受信した画像が残っているか否かを送信側装置1に対して応答する。送信側装置1は、この受信側装置2からの応答に応じて再送する画像のページを決定する。そして、両面が完結していない画像を受信側装置2に対して送信する。
このような機能を実現するため、送信側装置1は、少なくとも主制御部11,情報格納部12,通信部13を有し、この例ではさらに読取部14を有している。もちろん、その他にも記録部や操作部、各種インタフェースなど、種々の構成を有していてよい。主制御部11は、送信側装置1全体の動作を制御する。ここでは少なくとも両面送信機能を実現するための制御を行う。例えば読取部14や外部から、送信すべき画像を取得して情報格納部12に格納した後、通信部13から受信側装置2に対して発呼し、回線3が接続されたら両面送信のための通信手順に従って通信を行う。この手順中で通常は送信側装置1の電話番号を送信するが、そのほかに、当該通信を特定する情報を送信する。また、受信側装置2から両面通信に関する能力を受け取って連続モードあるいは交互モードの選択を行う。そして、選択したモードに従って情報格納部12に格納されている画像を順次送信する。
さらに主制御部11は、通信エラーが生じて回線3が切断されたときには、設定に応じて自動的に再送信を行うことができる。再送信の際には、エラー発生前の通信で受信側装置2に送った通信を特定する情報を送信する。このとき、再送信を開始するページの情報も送信してもよい。これに対して受信側装置2は応答を返してくるので、その応答に従い送信開始ページを決定する。例えば連続モードで表面送信中にエラーが発生した場合には、受信側装置2から肯定応答が返された時にはエラーが発生したページの画像から送信を開始する。また否定応答が返されたときには最初のページから送信をやり直す。連続モードで裏面送信中にエラーが発生した場合には、受信側装置2から肯定応答が返された時にはエラーが発生したページの画像から送信を開始する。また否定応答が返されたときには対応する表面のページから表面の画像の送信をやり直し、その後に対応する裏面の画像を送信する。なお受信側装置2から再送ページが指定される場合には、その再送ページに従って送信すればよい。あるいは、再送の際には常に最初のページから再送するモードも設けておき、設定によって切替可能に構成されていてもよい。
情報格納部12は、半導体メモリやディスク装置などの記憶装置で構成され、送信すべき画像を保持する。もちろん、即時送信などにより読取部14で読み取った画像を逐次送信する場合には、この情報格納部12に画像が格納されない場合もある。情報格納部12は、画像のほかにも送信側装置1における各種の情報を格納しておくことが可能である。
通信部13は、回線3を介して受信側装置2などの相手先との通信を行う。特に自動ダイヤル機能を有しており、再送信時には主制御部11からの指示に従って受信側装置2に対して発呼することができる。
読取部14は、送信する画像を読み取ることができる。両面送信する場合であっても、原稿は片面でもよく、この読取部14についても両面読取機構を有していても、また有していなくてもよい。さらに、送信すべき画像が例えば外部から与えられる構成などでは、この読取部14を設けずに構成することも可能である。
受信側装置2は、少なくとも主制御部21,情報格納部22,通信部23、記録部24を有している。もちろん、その他にも読取部や操作部、各種インタフェースなど、種々の構成を有していてよい。主制御部21は、受信側装置2全体の動作を制御する。ここでは少なくとも両面受信機能を実現するための制御を行う。例えば回線3を介して通信部23で着呼を検出すると回線3を接続し、通信手順を開始する。この手順の中で、受信側装置2の両面受信能力を送信側装置1に伝え、送信側装置1から通信モードや送信側装置1の電話番号、この通信を特定する情報などを受け取る。このとき、電話番号と通信を特定する情報の組がそれまでに送られてきているか否かを判定し、それまでに送られてきていなければ新たな通信と判断し、肯定応答を行った後、画像を両面受信する。両面受信した画像は、情報格納部22に一旦格納する。そして表面と裏面の画像を受け取って表裏が完結したら、それらの画像を記録部24に両面記録させ、記録した画像を情報格納部22から削除する。
また主制御部21は、通信エラーが生じて回線3が切断されたときには、それまで受信して未記録の画像をそのまま情報格納部22に格納させておくとともに、電話番号と通信を特定する情報の組についても保持しておく。情報格納部22に保持している受信画像は、例えば所定の期間が過ぎたり、情報格納部22の空き容量が所定の容量以下となった場合には削除してもよい。
さらに主制御部21は、送信側装置1から着呼して受け取った電話番号及び通信を特定する情報が、それまでに送られてきて保持しているものであった場合には、その通信は通信エラー後の再通信であるものと判断する。そして、エラー発生前に送られてきた画像のうち記録済を除く画像が情報格納部22に格納されているか否かを、送信側装置1に対する応答として返す。あるいは、再送を受けるページを送信側装置1に返してもよい。このような応答によって送信側装置1が再送するページを決定するので、以後は送信側装置1から送られてくる画像を受信して行けばよい。
情報格納部22は、半導体メモリやディスク装置などの記憶装置で構成され、受信した画像を一時保持するほか、受信時の手順の中で受け取った電話番号と通信を特定する情報の組を保持する。もちろん、受信した画像をそのまま記録する場合には、この情報格納部22に画像が格納されない場合もある。情報格納部22は、受信した画像や、電話番号と通信を特定する情報の組のほか、受信側装置2における各種の情報を格納しておくことが可能である。
通信部23は、回線3を介して送信側装置1などの相手先との通信を行う。
なお、上述の送信側装置1及び受信側装置2の構成は一例であって、例えば送信側装置1と受信側装置2はともに両面送信機能及び両面受信機能を有する装置であってよい。
次に、本発明の通信端末装置の実施の一形態における動作について、送信側装置1と受信側装置2とに分けて説明する。図2は、送信側装置における送信動作の一例を示すフローチャートである。まずS31において、読取部14で送信すべき原稿上の画像を読み取り、読み取った画像をS32において情報格納部12に格納する。原稿が両面であれば表裏とも読み取る。もちろん片面原稿でもよい。
1ページ以上の画像を読み取ったら、あるいは読取が終了したら、S33において、通信部13は指定された電話番号に対して発呼する。受信側装置2と回線が接続されると受信側装置2からDISが送られてくるので、これを受信する。DIS中には受信側装置2の能力に関する情報が含まれており、両面受信能力についての情報も含まれている。ここでは受信側装置2は連続モードによる両面受信機能を有しているものとし、連続モードによる両面送信を行うとする。
DISを受信したら、S35において、独自モードの機能設定信号であるNSSによって、この通信を特定する情報、ここでは通信番号を送信する。なお、この通信番号が他の標準の信号(例えばDCSやSUBなど)において送信可能であれば、その標準の信号の送出時に送ってもよい。それとともにTSIにより、送信側装置1の電話番号を送る。受信側装置2では、これらの通信番号及び電話番号によって、この通信を特定することが可能になる。さらにS36において、DCSにより通信時の機能設定を行う。このDCSの中で、両面通信時のモード設定も行う。ここでは連続モードに設定する。
これらの信号を送出すると、受信側装置2はCFRを返してくるので、S37においてこれを受信し、画像の送信が可能になる。S38において送信ページを示す変数Pを1に初期化し、S39において、情報格納部12に格納されている送信ページの画像を読み出し、通信部13から送信する。これをここではPIXとして示しており、第1パラメータPはページを示し、第2パラメータは表か裏かを示している。画像の送信が終了したら、S40において、MPSを送信する。両面送信時には、MPSに送信したページ番号と表か裏かを示す情報を付加する。
MPSまで送信したら、正常に受信側装置2が画像を受信していればMCFが返される。S41においてMCFを受信したか否かを判定する。MCFを受信していれば画像は正常に送信できている。その場合にはS42において表面の画像が終了したか否かを判定し、まだ表面の画像が残っていればS43においてページを示す変数Pに2を加えてS39へ戻り、次の表面の画像の送信を行う。これを繰り返し、表面の画像をすべて送信し終えたら、S44以降の裏面の画像の送信処理に移る。
裏面の画像を送信する際には、まずS44において、送信ページを示す変数Pを2に初期化し、S45においてPページの画像が情報格納部12に格納されていることを確認後、S46においてPページの画像(PIX)を受信側装置2に送信する。さらにS47において、MPSを送信する。このとき、送信ページ番号Pとともに、裏面であることを明示する。
正常に受信側装置2が画像を受信していればMCFが返されるので、S48において、MCFを受信したか否かを判断する。MCFを受信していれば正常に画像を送信することができたことを示す。これによって、送信した裏面の画像と、その裏面の画像に対応する表面の画像についても送信が完了したことになる。従って受信側装置2では両面の画像を記録可能であり、再び送る必要がない画像であるので、S49において表裏の画像を情報格納部12から削除する。
S50において裏面の画像をすべて送信し終えたか否かを判定し、未送信の裏面の画像が残っている場合には、S51において送信ページを示す変数Pに2を加えてS45へ戻り、次の裏面の画像の送信を行う。このような裏面画像の送信を繰り返し、すべての裏面画像の送信を終えたら、S52において送信し終えた画像を情報格納部12からすべて削除し、送信処理を終える。
S41またはS48でMCFが受信側装置2から受け取れない場合には、タイムアウトなどによってこの通信はエラー終了となる。この場合、一旦回線3を切断後、次の再送処理を行う。
図3は、送信側装置における再送動作の一例を示すフローチャートである。上述のように通信エラーとなり回線が切断された後、図3に示す再送処理が行われる。回線切断後、S61において所定時間(例えば1分以上)ウェイトした後、S62において受信側装置2を再び発呼する。回線が接続されると受信側装置2からDISが送られてくるのでこれをS63で受信する。
S64において、再送時の動作の設定を参照し、全ページを再送する設定か、あるいは必要なページのみを送信する設定かを判断する。全ページを再送する設定の場合には、S65において、両面を送信した画像を除き、片面のみを送信完了したページを含め、情報格納部12に格納されている画像をすべて送信する。
必要なページのみを送信する設定の場合には、まずS66において、再送開始ページを示す変数RetxPを変数Pの値に設定する。すなわち、通信エラーとなったときのページから再送するように設定する。そして図2のS35,S36と同様に、S67においてNSS、TSI、DCSを送信する。この時のNSSには、エラー発生前に送出した通信番号を含め、さらにこの例では再送開始ページRetxPを含めて送信する。
これらの信号を送出後、受信側装置2から返される信号をS68で調べる。受信側装置2は、後述のように再送信時に通信エラー前の画像が残っていればCFRを、残っていなければFNVを返すので、S68ではこれを判定する。受信側装置2からCFRが返された場合には、続きのページの画像を送信すればよい。S69において再送開始ページRetxPを送信ページPとした後、S70において送信開始ページRetxP(あるいは送信ページP)が奇数か偶数かを判断し、奇数であれば表面の画像の送信を続行すべく図2のS39へ戻る。また、送信開始ページRetxPが偶数であれば、裏面の画像の送信を続行すべく、図2のS45へ戻る。これによって、通信エラー前に送信した画像は送信しなくてよく、通信時間を短縮して通信コストを低減することができる。
通信エラー前に送信した画像が受信側装置2に残っておらず、FNVが返された場合には、片面しか送信していないページについては、送信が完了していても再送する必要がある。S71において送信ページPが奇数か偶数かを判定する。送信ページPが奇数の場合、通信エラー発生時に表面の画像を送信中であったことを示す。連続モードでは表面送信中には裏面の画像は送っていないため、表裏が完結した画像はなく、表面の画像のみが送信済になっていると考えられる。しかし受信側装置2には、送信済の画像が残っていないことから、すべての画像について送信し直す必要がある。そのためS72において、送信開始ページRetxPを1にセットし、S67に戻って再びNSS、TSI、DCSを送信する。2回目のこれらの信号の送信に対しては受信側装置2はCFRを返してくるので、S69において送信ページPを送信開始ページRetxP(=1)に設定し、S70からS39に戻って1ページ目から送信し直すことになる。
S71で送信ページPが偶数であると判定された場合には、通信エラー発生時に裏面の画像を送信中であったことを示す。連続モードでは表面の画像をすべて送信した後に裏面の画像を送信するため、表面の画像は送信済である。しかし、受信側装置2からFNVにより送信済の画像が残っていないことが通知されているので、これから送信しようとしている裏面の画像に対応する表面の画像についても送信する必要がある。送信開始ページRetxP(裏面)に対応する表面の画像は(RetxP−1)ページであるから、S73において、送信開始ページRetxPを(RetxP−1)とし、S67に戻って再びNSS、TSI、DCSを送信する。2回目のこれらの信号の送信に対しては受信側装置2はCFRを返してくるので、S69において送信ページPを送信開始ページRetxP(=P−1)に設定する。送信開始ページRetxPは奇数であるので、S70からS39に戻って、通信エラーとなった裏面ページに対応する表面ページから表面の画像を連続して送信し直すことになる。
なお、裏面ページで通信エラーとなった場合、既に送信済の裏面ページの画像については表裏が完結しているため情報格納部12から削除されている。従って、表面の画像の送信終了後、裏面の画像を送信する際には、削除されているページはS45からS51に進むことによってスキップされ、通信エラーとなったページから送信されることになる。
このように、両面が完結していない送信済の画像が受信側装置2において削除されている場合でも、正しく再送信することができる。またこの場合でも、両面とも送信済である画像については送信しないので、通信時間を短縮し、通信コストを低減することができる。
図4は、受信側装置における受信動作の一例を示すフローチャートである。受信側装置2は、回線3から通信部23に着呼すると、通信手順を開始する。まずS81においてDISを送信側装置1に対して送信し、受信側装置2の受信能力を通知する。この中で両面受信能力についても通知する。ここでは連続モードによる両面受信が可能であるものとする。また初期設定として、S82において再送を受ける時のためのフラグをOFFにしておく。
S83において、送信側装置1から送られてくるNSS、TSI、DCSを受信する。NSSから、この通信を特定する通信番号を受け取る。またTSIには送信側装置1の電話番号が含まれている。さらにDCSには、通信時の機能設定の情報が含まれており、両面通信を連続モードで行うか交互モードで行うかの設定情報も含まれている。
S84において、DCSに含まれている両面通信時のモードを判定し、交互モードであればS85において交互モードによる受信処理を行い、記録部24で両面記録して受信処理を終了する。
連続モードの場合には、さらにS86において、TSIにより送られてきた送信側装置1の電話番号とNSSで送られてきた通信番号との対が記憶されているか否かを判定する。電話番号と通信番号の対が記憶されていなければ新規の通信であるので、S87において、受け取った電話番号と通信番号を対応付けて、例えば情報格納部22などに記憶しておく。そしてS90においてCFRを送出し、S91において、送信側装置1から送られてくる画像を受信して情報格納部22に格納する。このとき、S92において受信時刻を更新しておく。この受信時刻は、後述するように通信エラーで情報格納部22に格納されたままとなっている画像を削除する際の判定に用いる。
画像受信後、送信側装置1から送られてくる信号を判定し、MPSであれば次のページの画像が続けて送信されるので、S94においてMCFを送出した後、S91へ戻って次のページの画像を受信する。また、EOPが送られてきた場合には、後続のページの画像がないことを示すので、S95において両面が揃っている表裏の画像を記録部24で両面記録する。そしてS96において、S95で記録した画像を情報格納部22から削除して受信処理を終了する。
画像受信後、送信側装置1から何も送られて来ない場合には、S97において通信エラーとして通信を中断する。この場合も、S95において両面が揃っている表裏の画像を記録部24で両面記録する。そしてS96において、S95で記録した画像を情報格納部22から削除して受信処理を終了する。しかし、通信エラーとなった場合には、両面の画像が揃っていない場合が発生する。この場合には、両面が揃っていない画像については情報格納部22から削除せず、そのまま格納しておく。また、それらの画像とともに、S83で受信したNSS、TSI中の通信番号および電話番号を対にしてそのまま情報格納部22に残して画像と対応づけておく。なお、情報格納部22に残しておいた画像は、後述の削除処理によって削除されることがある。しかし通信番号および電話番号の対は、通信が完了するまではそのまま残される。
通信エラーが発生して回線が切断され、通信が中断した後、送信側装置1は再送信を行う。この場合も、受信側装置2における着信時の処理は、通常の通信と同様にして行われる。すなわち、S81でDISを送出した後、S82でフラグをOFFにしておき、S83でNSS、TSI、DCSを受信する。DCSが連続モードを示していれば、S84からS85へと進む。
S85において、電話番号と通信番号の対が記憶されているか否かを判定する。このとき、送信側装置1は再送信の際には、通信エラーとなった通信において受信側装置2に送出した通信番号をNSSに含めて送出している。従って、送信側装置1からの再送信を受けた場合には、送られてきた電話番号と通信番号の対はすでに受信済みであり、記憶されている。そのためS88に進んで再送を受けたときの処理を行う。S88においてフラグがONかOFFかを判定する。再送信を受けた直後ではフラグはOFFであるので、S89へ進むことになる。
S89において、電話番号と通信番号の対で特定される通信に対応する受信済みの画像が情報格納部22に残っているか否かを判定する。受信済みの画像が情報格納部22に残っていれば、それらの画像については再送信を受ける必要はない。この場合、S90においてCFRを送信し、続きのページから画像を送信するように送信側装置1に指示する。これによって送信側装置1から続きのページの画像が送られてくるので、S91〜S94により画像を順次受信してゆくことになる。画像の受信およびその後の処理は上述したとおりである。
S89において、電話番号と通信番号の対で特定される通信に対応する受信済みの画像が情報格納部22に残っていないと判定された場合には、送信済みの画像でも表裏の両面が完結していない画像については再送信してもらうように、S98において送信側装置1に対してFNVを送出し、否定応答を行う。この否定応答によって、送信側装置1は例えば上述の図3に示したように送信済みの画像も再送信するように送信開始ページを更新して再びNSS、TSI、DCSの送信を行うので、S83に戻ってこれらを受信する。また、FNVの送出と前後して、S99においてフラグをONにしておく。なお、S98とS99はいずれが先でもよい。
送信側装置1からの再送信を受け、再びNSS、TSI、DCSを受信した場合には、この場合も電話番号と通信番号の対は記憶されているのでS88に進み、フラグがONであるのでS90においてCFRを送信することになる。このようにして送信側装置1で送信開始ページを再設定したときには、フラグによってFNVを送出せずにCFRを送出する。送信側装置1では、再設定した送信開始ページの画像から順次送信してくるので、S91〜S94により順次受信してゆくことになる。画像の受信およびその後の処理は上述したとおりである。
このようにして、通信エラーなどによって通信が中断した後、送信側装置1から再送を行う場合には、受信側装置2に表裏が完結していない受信済みの画像が残っているか否かを応答信号によって通知し、これによって送信側装置1から送信するページを決定することができるようになる。従って、受信側装置2に送信済みの画像が残されていれば、それらの画像については送信しなくてよく、通信時間の短縮および通信コストの削減を図ることができる。
なお、図4に示す受信動作の一例では、再送信を受ける際に先の通信で受信した画像が残っているか否かのみを判断しているが、例えば送信側装置1から送信開始ページの情報が送られてきている場合、その送信開始ページでよいか否かも含めて判断してもよい。このとき、送信側装置1に対して受信を開始すべきページを送信するように構成してもよい。
図5は、受信側装置における画像削除動作の一例を示すフローチャートである。上述のように、受信側装置2では、通信エラーが発生した場合にはそれまで受信して表裏が完結していない画像をそのまま情報格納部22に残している。しかし、送信側装置1から再送信されない可能性もあり、そのような場合には表裏が完結していない画像が情報格納部22にいつまでも滞留し、他の処理に支障を来す場合もある。そのため、ここでは所定時間経過したら、このような画像を削除するようにしている。
すなわち、S101において、現在時刻から受信時刻を減算し、経過時間を取得する。受信時刻は図4のS92において更新しており、最終の受信時刻からの経過時間を取得できる。この経過時間と所定の時間とを比較し、経過時間が所定時間内であれば、情報格納部12に格納されている画像はそのまま格納しておく。また、経過時間が所定時間以上となった場合には、S102において、受信して情報格納部12に格納してある画像を削除し、情報格納部12の空き容量を増加させる。なお、画像を削除しても、電話番号と通信番号の対などの管理データはそのまま保存しておく。このように電話番号と通信番号の対を保存しておくことによって、送信側装置1から再送信を受けた場合に、画像が保存されていなくても再送信であることを認識することができるとともに、画像の保存の有無を送信側装置1に報知することができる。
ここでは所定時間の経過により情報格納部12に格納されている受信画像の削除を行う例を示したが、これに限らず、例えば情報格納部12の空き容量が所定値以下となった場合に受信画像の削除を行うように構成してもよい。もちろん、両方の条件を用いたり、そのほかの条件を用いるなど、受信画像を削除する条件としては任意に設定可能である。
図6は、本発明の通信端末装置の実施の一形態を含むシステムの一例における動作の具体例の説明図である。上述のような動作を行う送信側装置1および受信側装置2の間で、総ページ数10ページの画像を連続モードで両面送信する場合について、具体例として説明する。10ページの画像を連続モードで両面送信する場合の送信順序は、図6(A)に示すように1,3,5,7,9,2,4,6,8,10ページの順である。
図6(B)では、1,3,5ページまで送受信が完了し、7ページの画像を送信しているときにエラーが発生した例を示している。この場合、受信側装置2には1,3,5ページの画像が正常に受信されており、これらのページの画像が情報格納部22に格納されて保持される。また、このときの送信側装置1の電話番号と通信番号も記憶されている。これらのページの画像が情報格納部22に残っている状態で送信側装置1から再送信を行う場合には、受信側装置2の処理は図4においてS89からS90へ進み、受信側装置2から肯定応答(CFR)が送信側装置1に送信される。従って、送信側装置1では続きの7ページの画像から送信を再開することになる。これによって1,3,5ページの画像は再送されないため、通信時間を短縮して通信コストを削減することができる。
一方、送信側装置1からの再送信が遅れ、あるいは受信側装置2の情報格納部22に空き容量がなくなり、受信済みの画像が削除されている場合には、受信側装置2は図4のS98で否定応答(FNV)を送出する。送信側装置1では、図3のS68からS71に進み、送信ページが7ページであることからS72において送信開始ページが1に設定される。従って、1ページ目の画像から再送信されることになる。
図6(C)では、表面の画像の送受信が終了し、裏面についても2,4,6ページまで送受信が完了し、8ページの画像を送信しているときにエラーが発生した例を示している。この場合、受信側装置2では、1ページ目と2ページ目、3ページ目と4ページ目、5ページ目と6ページ目の画像は、表裏が完結しているので記録部24により両面記録され、情報格納部22からも削除される。そして、表裏が完結していない7,9ページの画像が情報格納部22に残される。また、このときの送信側装置1の電話番号と通信番号も記憶されている。これらのページの画像が情報格納部22に残っている状態で送信側装置1から再送信を行う場合には、受信側装置2の処理は図4においてS89からS90へ進み、受信側装置2から肯定応答(CFR)が送信側装置1に送信される。従って、送信側装置1では続きの8ページの画像から送信を再開することになる。これによって再送時には8,10ページの画像のみを送受信すればよく、通信時間は大幅に短縮され、通信コストも大幅に低減される。
一方、送信側装置1からの再送信が遅れ、あるいは受信側装置2の情報格納部22に空き容量がなくなり、受信済みの画像が削除されている場合には、受信側装置2は図4のS98で否定応答(FNV)を送出する。送信側装置1では、図3のS68からS71に進み、送信ページが8ページであることからS73において送信開始ページが8−1=7ページに設定される。従って、表面の7ページ目の画像から再送信されることになる。この場合、表面の7,9ページの画像が送信される。その後、裏面の画像は2,4,6ページについては両面が完結して削除されているため、両面が完結していない8,10ページの画像が送信される。従ってこの場合にも、再送時の通信時間を短縮でき、通信コストを削減することができる。
上述の動作の説明では、受信側装置2は受信済の画像が削除されていなければCFR、受信済の画像が削除されていればFNVを返すものとして説明した。しかしこれに限らず、送信側装置1において全ページを送信することを前提として送信開始ページを設定している場合には、それに応じて受信側装置2においても逆の応答を行うように構成することもできる。