JP3733865B2 - 給紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置等に用いられる給紙装置に関するものである。特に、カセットを用いずに複数枚の用紙(シート状の記録媒体)を給紙部にセットし、その用紙を画像形成装置の画像形成部等に1枚ずつ給送するための給紙装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カセットを用いずに複数枚の用紙を給紙部にセットし、その用紙を画像形成装置の画像形成部等に1枚ずつ給送するための給紙装置としては、例えば図3に示すようなものが知られている。
この給紙装置は、ケース1と、このケース1に設けられた用紙Pのセット口1aと、このセット口1aの奥部に設けられた給紙ローラ2と、押圧板3と、支持板4とを備えている。
【0003】
ケース1は、通常、画像形成装置のケースと一体的に形成されている。
セット口1aは、用紙の幅方向(図3の紙面と直交する方向)に広がっており、このセット口1aから、複数枚の用紙Pが給紙部(押圧板3と支持板4の上)にセットされる。
給紙ローラ2には、用紙Pを1枚ずつ分離して給送するための分離パッド5が圧縮コイルバネ5aで圧接されている。
【0004】
押圧板3は、軸3aでケース1に対して回動可能に取り付けられている。
押圧板3の底面とケース1との間には、圧縮コイルバネ(ホッパバネ)6が設けられており、このバネ6の作用で押圧板3は、図(b)に示すように用紙の先端部Paを給紙ローラ2に対して下方から押圧するように付勢されているが、この押圧は、図示しない操作レバーによって図(a)に示すように解除することができるようになっている。すなわち、押圧板3は、図示しない操作レバーの操作によって、押圧位置(図(b)参照)と、押圧を解除する解除位置(図(a)参照)とを採りうる。
【0005】
支持板4は、押圧板3の後方(用紙搬送方向上流側)に配置されており、用紙Pの後部Pbを下方から支持する。
支持板4は、セットされた用紙Pがその自重で支持板4の上面を滑るようにして給紙ローラ2に向かうように、傾斜した状態で固定されている。
押圧板3,支持板4には、用紙Pの側縁を案内するサイドガイド3b、4aが設けられている。
【0006】
以上のような給紙装置は、図示しない操作レバーを操作して図(a)に示すように押圧板3の押圧を解除した状態にして用紙Pをセットし、その後操作レバーを操作して図(b)に示すように押圧板3により用紙Pの先端Paを給紙ローラ2に対して押圧した状態とする。
その後、図示しないパソコン等から画像形成装置へのプリント信号があると、給紙ローラ2が回転し、最上位の用紙から順に一枚ずつ図示しない画像形成部へ給送されることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の給紙装置では、その支持板4が傾斜した状態で固定されていたため、セット口1aの開口高さh1が狭く、用紙Pをセットしにくいという問題があった。
この問題は、例えば図4(a)に示すように、支持板4を水平に配置し、セット口1aの開口高さh2を広くすることによって解決することができるようにも考えられる。
しかしながら、支持板4を水平に配置すると、図(b)に示すように押圧板3で用紙Pの先端Paを給紙ローラ2に向けて押圧した際に、押圧板3の後方への下り傾斜により用紙Pが後方(矢印(b)方向)へ移動しようとするため、これを放置すると用紙Pと給紙ローラ2との当接が不能(あるいは著しく不安定)となって給送不良が生じる。これを防止するためには、図(b)に示すように、用紙Pの後方への移動を阻止するための後端押さえ7が必要となるが、後端押さえ7を設けると、セット口1aの開口高さh3は実際にはそれほど広くはならない。しかも、用紙のセット性をよくするためには、後端押さえ7を矢印X1,X2方向へスライド可能に構成し、セットする際には矢印X1方向へ、セット後は矢印X2方向へスライドさせる(用紙の後端を押さえる)操作が必要となり、操作が煩雑になる。
【0008】
この発明の目的は、以上のような問題を解決し、用紙がセットしやすく、後端押さえを設ける必要もない給紙装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の給紙装置は、ケースと、このケースに設けられた用紙のセット口と、このセット口の奥部に設けられた給紙ローラと、この給紙ローラに対し用紙の先端部を下方から押圧する押圧位置と、押圧を解除する解除位置とを採りうる押圧板と、この押圧板の用紙搬送方向上流側に配置され、用紙の後部を下方から支持する支持板とを備え、
上記支持板が、前記セット口の開口を広げる第1の方向または狭める第2の方向に回動可能に構成されているとともに、上記支持板と前記押圧板とが、上記支持板を前記第1の方向へ回動させた際に前記押圧板を前記解除位置へ移動させ、上記支持板を前記第2の方向へ回動させた際に前記押圧板を前記押圧位置へ移動させる連動機構によって連結されていることを特徴とする。
請求項2記載の給紙装置は、請求項1記載の給紙装置において、前記押圧板の、用紙搬送方向の長さが、給紙対象である用紙のうち、最も小さな用紙搬送方向長さの用紙のその用紙搬送方向長さりも小さく構成されていることを特徴とする。
【0010】
【作用効果】
請求項1記載の給紙装置は、ケースと、このケースに設けられた用紙のセット口と、このセット口の奥部に設けられた給紙ローラと、この給紙ローラに対し用紙の先端部を下方から押圧する押圧位置と、押圧を解除する解除位置とを採りうる押圧板と、この押圧板の用紙搬送方向上流側に配置され、用紙の後部を下方から支持する支持板とを備え、上記支持板が、前記セット口の開口を広げる第1の方向または狭める第2の方向に回動可能に構成されているとともに、上記支持板と前記押圧板とが、上記支持板を前記第1の方向へ回動させた際に前記押圧板を前記解除位置へ移動させ、上記支持板を前記第2の方向へ回動させた際に前記押圧板を前記押圧位置へ移動させる連動機構によって連結されているので、上記支持板を第1の方向へ回動させると、セット口の開口が広がるとともに、押圧板が解除位置へと移動することとなる。
したがって、広がったセット口から容易に用紙をセットすることができる。
その後、支持板を第2の方向へ回動させると、押圧板が押圧位置へ移動し、用紙が給送可能な状態となる。
以上のように、この請求項1記載の給紙装置によれば、用紙がセットしやすくなり、後端押さえを設ける必要もないという効果が得られる。
請求項2記載の給紙装置によれば、請求項1記載の給紙装置において、前記押圧板の、用紙搬送方向の長さが、給紙対象である用紙のうち、最も小さな用紙搬送方向長さの用紙のその用紙搬送方向長さりも小さく構成されているので、最も小さな用紙搬送方向長さの用紙についても確実な給紙動作がなされることとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る給紙装置の一実施の形態を示す部分切断正面図で、(a)は支持板40を第1の方向へ回動させた状態を示す図、(b)は第2の方向へ回動させた状態を示す図である。図2は部分切断平面図である。これらの図において、図3に示した従来のものと同様な部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態の特徴は、図1(a)に示すように支持板40がセット口1aの開口を広げる第1の方向、または図1(b)に示すようにセット口1aの開口を狭める第2の方向に回動可能に構成されているとともに、支持板40と押圧板30とが、支持板40を図1(a)に示すように第1の方向へ回動させた際に押圧板30を解除位置へ移動させ、支持板40を図1(b)に示すように第2の方向へ回動させた際に押圧板30を押圧位置へ移動させる連動機構50によって連結されている点にある。
【0012】
図1および図2に示すように、押圧板30は、ケース1に設けられた軸13,13によって回動可能に取り付けられている。
支持板40は、ケース1に設けられた軸14,14によって回動可能に取り付けられている。
【0013】
連動機構50は、上記軸13,13と、14,14との間において構成されている。
具体的には、連動機構50は、以下に説明するように、押圧板30の後端に設けられた当接/解除部と、支持板40の先端に設けられた当接/解除部とで構成されている。
押圧板30の後端には、一対の凹所31,31が形成されており、これら凹所31,31の間の部位32の下面33が、押圧板30側の当接/解除部を形成している。
上記凹所31,31には、支持板40の先端に設けられた突片41,41が入り込んでおり、これら突片41,41で支持されたロッド42が支持板40側の当接/解除部を構成している。
【0014】
すなわち、図1(b)に示す状態から支持板40の後端44を持って矢印Y1方向へ回動させると、ロッド42が押圧板30後端の下面33に当接し、図1(a)に示すように、押圧板30がホッパバネ6の付勢力に抗して軸13回りに時計方向へ回動して解除位置へと移動し、図1(a)に示す状態から支持板40の後端44を持って矢印Y2方向へ回動させると、ロッド42による押圧板30後端の下面33に対する規制(当接)が解除され、図1(b)に示すように、押圧板30がホッパバネ6の付勢力によって軸13回りに反時計方向へ回動して押圧位置へと移動することとなる。なお、図1(b)において用紙Pは省略してある。
【0015】
支持板40の両側面には、突起45,45が設けられているとともに、ケース(画像形成装置等の本体)1のセット口1aを形成しているその内側面には、上記突起45,45と係脱する凹部15a、15a(一方のみ図示)と、15b、15b(一方のみ図示)とが設けられている。
したがって、図1(a)に示すような状態に支持板40を回動させると、その突起45,45が凹部15b、15bにクリック感を持って係合して、同図に示す位置に支持板40が仮固定され、図1(b)に示すような状態に支持板40を回動させると、その突起45,45が凹部15a、15aにクリック感を持って係合して、同図に示す位置に支持板40が仮固定されこととなる。
図1(a)に示すように支持板40を回動させた状態では、セット口1aの開口が広がって開口高さh4となり、図1(b)に示すように支持板40を回動させた状態では、セット口1aの開口が狭められることとなる。
【0016】
押圧板30には、その用紙幅方向(図2において上下方向)へスライド可能にサイドガイド36,36が設けられており、支持板40にもスライド可能にサイドガイド46,46が設けられている。押圧板30側のサイドガイド36,36の後端には、凹所37,37が形成されており、これら凹所37,37に、支持板40側のサイドガイド46,46の先端に設けられた突片47,47が入り込んでいる。したがって、支持板40側のサイドガイド46,46をスライドさせると、これと一緒に押圧板30側のサイドガイド36,36もスライドするようになっている。支持板40側サイドガイド46,46の突片47,47は、押圧板30側サイドガイド36,36の凹所37,37に入り込んでいるだけなので、押圧板30および支持板40の上述した回動は阻害されない。なお、38,38は、押圧板30側サイドガイド36,36の先端内側に形成された舌片であり、用紙先端の上方へのカールを抑えるためのものである。
【0017】
押圧板30の、用紙搬送方向(図2において左右方向)の長さWは、給紙対象である用紙Pのうち、最も小さな用紙搬送方向長さの用紙のその用紙搬送方向長さ(図2のW1参照)よりも小さく構成されている。
【0018】
以上のような給紙装置は、支持板40を操作して図1(a)に示すように押圧板30の給紙ローラ2に対する押圧を解除した状態にして、広がったセット口1aから用紙Pをセットし、その後支持板40を操作して図1(b)に示すように押圧板30により用紙(図示せず)を給紙ローラ2に対して押圧した状態とする。
その後、図示しないパソコン等から画像形成装置へのプリント信号があると、給紙ローラ2が回転し、最上位の用紙から順に一枚ずつ図示しない画像形成部へ給送されることとなる。
【0019】
以上のような給紙装置によれば、次のような作用効果が得られる。
(a)ケース1と、このケースに設けられた用紙のセット口1aと、このセット口1aの奥部に設けられた給紙ローラ2と、この給紙ローラ2に対し用紙Pの先端部Paを下方から押圧する押圧位置(図1(b)参照)と、押圧を解除する解除位置(図セット口1a参照)とを採りうる押圧板30と、この押圧板30の用紙搬送方向上流側に配置され、用紙Pの後部Pbを下方から支持する支持板40とを備え、支持板40が、セット口1aの開口を広げる(開口高さh4参照)第1の方向または狭める(図1(b)参照)第2の方向に回動可能に構成されているとともに、支持板40と押圧板30とが、支持板40を第1の方向へ回動させた際に押圧板30を解除位置へ移動させ(図1(a)参照)、支持板40を第2の方向へ回動させた際に押圧板30を押圧位置(図1(b)参照)へ移動させる連動機構50によって連結されているので、支持板40を第1の方向へ回動させると、図1(a)に示すようにセット口1aの開口が広がる(開口高さがh4となる)とともに、押圧板30が解除位置へと移動することとなる。
したがって、広がったセット口1aから容易に用紙Pをセットすることができる。
その後、支持板40を第2の方向へ回動させると、図1(b)に示すように押圧板30が押圧位置へ移動し、用紙が給送可能な状態となる。
この状態では支持板40が給紙方向へ向かって下り傾斜状に傾斜しており、セットされた用紙Pがその自重で支持板40の上面を滑るようにして給紙ローラ2へ向かうので、図4(b)に示したような後端押さえ7がなくても給紙動作は確実になされる。
以上のように、この給紙装置によれば、用紙がセットしやすくなり、後端押さえを設ける必要もないという効果が得られる。
(b)押圧板30の、用紙搬送方向の長さWが、給紙対象である用紙のうち、最も小さな用紙搬送方向長さの用紙のその用紙搬送方向長さW1よりも小さく構成されているので、最も小さな用紙搬送方向幅の用紙についても、上記支持板40による用紙の滑り作用(いわば後端抑え作用)が得られて、確実な給紙動作がなされることとなる。
【0020】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0021】
【発明の効果】
請求項1,2記載のいずれの給紙装置によっても、用紙がセットしやすくなり、後端押さえを設ける必要もないという効果が得られる。
さらに請求項2記載の給紙装置によれば、最も小さな用紙搬送方向長さの用紙についても、確実な給紙動作がなされることとなる。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給紙装置の一実施の形態を示す部分切断正面図で、(a)は支持板40を第1の方向へ回動させた状態を示す図、(b)は第2の方向へ回動させた状態を示す図。
【図2】同上実施の形態の部分切断平面図。
【図3】(a)(b)は従来技術の説明図。
【図4】(a)(b)は従来技術の説明図。
【符号の説明】
P 用紙
Pa 先端部
Pb 後部
1 ケース
1a セット口
2 給紙ローラ
30 押圧板
40 支持板
50 連動機構

Claims (2)

  1. ケースと、このケースに設けられた用紙のセット口と、このセット口の奥部に設けられた給紙ローラと、この給紙ローラに対し用紙の先端部を下方から押圧する押圧位置と、押圧を解除する解除位置とを採りうる押圧板と、この押圧板の用紙搬送方向上流側に配置され、用紙の後部を下方から支持する支持板とを備え、
    上記支持板が、前記セット口の開口を広げる第1の方向または狭める第2の方向に回動可能に構成されているとともに、上記支持板と前記押圧板とが、上記支持板を前記第1の方向へ回動させた際に前記押圧板を前記解除位置へ移動させ、上記支持板を前記第2の方向へ回動させた際に前記押圧板を前記押圧位置へ移動させる連動機構によって連結されていることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記押圧板の、用紙搬送方向の長さが、給紙対象である用紙のうち、最も小さな用紙搬送方向長さの用紙のその用紙搬送方向長さりも小さく構成されていることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
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