JP4006593B2 - 給紙カセット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の給紙装置に用いられ、紙等のシート状の記録媒体を収容しかつこの記録媒体を給紙ローラに押し上げるリフト板を有する給紙カセットの技術分野に属し、特に、リフト板が給紙ローラに当接可能になっている給紙カセットの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置の給紙装置においては、自動的に紙を転写ユニットに供給するために給紙カセットが用いられている。そして、この従来の給紙カセットには、収容されている紙をゴム等からなる給紙ローラにより捕獲して1枚ずつ給紙可能にするために、紙を押し上げるリフト板を備えた給紙カセットが知られている。
【0003】
ところで、例えば給紙カセット内に紙が少なくなる等に複数枚の紙が重ねて給送されるという、いわゆる紙の重送が生じる場合がある。このため、リフト板の給紙ローラとの当接部位にパッドが取り付けられ、このパッドにより紙の重送を防止している。そして、給紙ローラにより紙が確実に捕獲されるためには、パッドが給紙ローラに接触して弾性変形したとき、給紙ローラとパッドとの接触面積が大きくなるようにすることが望ましい。
【0004】
そこで、リフト板の途中にパッドをその上面がリフト板の表面と平行にとなるようにして設けてこのパッドがその中心で給紙ローラに当たるようにした給紙カセットが開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に開示されている給紙カセットでは、給紙ローラとパッドとの接触面積が比較的大きなものとなる。
【特許文献1】
特許第3032426号公報(段落番号[0002]、[図1]、[図6]等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、給紙カセット内にできるだけ多くの紙を収容するためには、紙のリフト量を大きくしなければならないが、そのために、給紙ローラと当接したときのリフト板の傾斜角を大きく必要がある。また、前述の特許文献1に開示の給紙カセットのようにリフト板の途中にパッドを設けたのでは、リフト板の傾斜角を大きくしても、紙のリフト量はそれほど大きくならない。このような場合、紙のリフト量を大きくしようとすると、給紙カセット全体が大型化してしまう。
【0006】
そこで、パッドをリフト板の回転軸からできるだけ遠い部位、つまりリフト板の先端部位に設けることが考えられる。しかし、パッドをその上面がリフト板の表面と平行にとなるようにしてリフト板の先端部位に設けた場合には、リフト板の傾斜角を大きくすると、パッドのエッジ部が給紙ローラに当接してしまう。このため、パッドは給紙ローラに線接触するようになり、給紙ローラとパッドとの接触面積を大きくすることができないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、給紙ローラと当接したときのリフト板の傾斜角をできるだけ大きくしつつ、給紙ローラとパッドとの接触面積を大きくすることのできる給紙カセットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、請求項1の発明の給紙カセットは、カセット本体に起伏回動可能に設けられるとともに弾性付勢手段により起き上がり方向に付勢されて記録媒体を押し上げるリフト板と、このリフト板の先端部に設けられて給紙ローラに当接可能なパッドとを少なくとも有する給紙カセットにおいて、前記パッドの前記給紙ローラへの当接時、前記パッドの上面がリフト板の上面に対して、この上面より水平となる側に傾斜しているとともに、先端が前記パッドの先端より突出するようにして設けられかつ前記記録媒体を前記給紙ローラへ圧接させるガイドを有することを特徴としている。
【0009】
【発明の作用および効果】
このように構成された本発明の給紙カセットにおいては、パッドの上面をリフト板の上面に対して平行ではなく、この上面より水平となる側に傾斜させているので、パッドと給紙ローラとの接触面積を大きくすることができる。したがって、リフト板の傾斜角をより一層大きく設定することができる。これにより、記録媒体のリフト量を大きくすることができ、その分、給紙カセットを深くすることができるので、より多くの記録媒体を収容することができるようになる。
また、パッドをリフト板の先端部に設けることで、記録媒体のリフト量をより大きくすることができるとともに、リフト板の傾斜角を大きく設定しても、給紙カセット全体の大型化を抑制することができる。
更に、記録媒体を給紙ローラへ圧接させるガイドを有しているので、このガイドでリフト板およびパッドの上にある記録媒体の先端部を給紙ローラに圧接させることにより、記録媒体と給紙ローラとの接触面積を大きくし、記録媒体の先端部を給紙ローラに確実に捕獲できるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明にかかる給紙カセットの実施の形態の一例を備えている画像形成装置を概略的に示す図である。
【0011】
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、概略的には、露光ユニット2、ロータリ式現像装置等の現像ユニット3、露光ユニット2によって露光されて静電潜像が形成されるとともにこの静電潜像が現像ユニット3からのトナーによって現像されてトナー像が形成される像担持体4、無端状の転写ベルトからなる中間転写媒体5、像担持体4上のトナー像を中間転写媒体5に一次転写する一次転写ユニット6、中間転写媒体5上に一次転写されたトナー像を紙等の記録媒体(以下、説明の便宜上紙を例に説明する)7に二次転写する二次転写ユニット8、収容された紙7を二次転写ユニット8に給送する給紙装置9、紙7に二次転写されたトナー像を定着する定着ユニット10、および定着ユニット10で定着されて所定の画像が形成された紙7を収容する排紙トレイ11からなっている。
その場合、画像形成装置1には、紙7が給紙装置9から二次転写ユニット8および定着ユニット10を介して排紙トレイ11に搬送する第1搬送路12と、両面画像形成のために、定着ユニット10から排出されかつ片面に定着画像が形成された紙7を他面に二次転写可能に反転して再び二次転写ユニット8に搬送する第2搬送路13とが設定されている。
【0012】
給紙装置9は、紙7をそれぞれ収容する2個の第1および第2カセット14,15を備えており、これらの第1および第2カセット14,15は上下2段に配置されている。そして、第1および第2カセット14,15は、いずれも図1において画像形成装置本体1aに右方から挿入されて装着されるとともに、画像形成装置本体1aから右方へ引き出されて取り外されるようになっている。また、第1および第2カセット14,15は、いずれも図1に実線で示す短縮した状態と図1に二点差線で示す伸張した状態との間で伸縮可能な伸縮カセットとして形成されている。
【0013】
なお、本発明では、カセットはこれらの2つに限定されるものではなく、1つ以上任意の数だけ設けることができる。複数個のカセットを設ける場合は、それらのカセットは上下複数段に配置される。その場合、画像形成装置本体1aに所望の複数個のカセットを最初からその所望の個数に固定して設けることもできるし、また、画像形成装置本体1aに所定数のカセットを配設し、その後に更に1個以上の所望の数だけ増設することもできる。この説明では、説明の便宜上、画像形成装置1が2個の第1および第2カセット14,15を備えているものとする。第1カセット14は画像形成装置本体1aに最初から設けられる本体カセットであり,また、第2カセット15は第1カセット14の下に増設した増設カセットである。その場合、本発明では、第2カセット15が装着される本体増設部も画像形成装置本体1aとする。
【0014】
第1および第2カセット14,15は、それらの深さが異なるだけで、基本的な構成は実質的に互いに同じである。したがって、増設カセットである第2カセット15について説明し、第1カセット14の説明は省略する。
図2は伸張した状態の第2カセット15を示し、(a)は上面図、(b)は下面図であり、また、図3は短縮した状態の第2カセット15を示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【0015】
図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように、第2カセット15は、カセット本体16と、カセット延長部17とから構成されている。カセット本体16は、底部16aと、この底部16aの左右両サイドにそれぞれ立設された左右側壁16b,16cと、底部16aの前側(図1において画像形成装置1の右側;図2において下側)に立設された前壁16dとを有している。左側壁16bは所定の間隙をおいて配置される二重側壁からなっている。図示しないが、右側壁16cも左側壁16bと同形状に形成されており、この右側壁16cの場合は左側壁16bの形状と左右対称にされている。
また、カセット延長部17は、底部17aと、この底部17aの左右両サイドにそれぞれ立設された左右側壁17b,17cと、底部17aの後側(画像形成装置1の奥側;図2において上側)に立設された後壁17dとを有している。
そして、カセット延長部17の左右側壁17b,17cがそれぞれカセット本体16の対応する左右側壁16b,16cの間隙内に摺動可能に挿入されあるいはこの間隙から引き出されることにより、カセット延長部17がカセット本体16に対して相対移動することで縮小あるいは伸張可能に設けられる。
【0016】
更に、図2(a)および図3(a)に示すようにカセット本体16の後端部には、左右一対のロックレバー18,19がそれぞれ左右方向に移動可能に設けられている。これらのロックレバー18,19は、カセット本体16とカセット延長部17とを伸張状態および短縮状態で互いに相対移動不能にロックするものである。
【0017】
図2(a)に示すように、左側のロックレバー18のロック用突起21が、カセット延長部17に設けられた左側のロック用溝17g,17gに選択的に嵌合可能となっており、また、右側のロックレバー19のロック用突起21が、カセット延長部17に設けられた右側のロック用溝17h,17iに選択的に嵌合可能となっている。
【0018】
図1、図2(a)および図3(a)に示すように、カセット本体16には、紙7の前端を上方に押し上げる金属製のリフト板26が設けられている。リフト板26の後端側の左右側縁には、左右の回動アーム27,28が上方に突出して設けられている。図2(a)に示すように、各回動アーム27,28は、それぞれカセット本体16の左右側壁16b,16cに左右の回転軸29a,29bを中心に回動可能に支持されている。そして、図示しない板ばね(本発明の弾性付勢手段に相当)により、リフト板26は常時起き上がり方向に付勢されている。
【0019】
一方、図2(a)に示すようにカセット延長部17には、その左右中心位置に金属製のスライド板30がカセット延長部17の長手方向(前後方向)に延びる左右のガイド31,32に沿ってスライド可能に設けられている。その場合、図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すようにカセット延長部17とスライド板30との間に圧縮ばね33が縮設されており、この圧縮ばね33のばね力により、スライド板30が常時後方に付勢されている。
【0020】
このスライド板30の左右中心位置には、紙7の後端を支持する後端ガイド34がカセット延長部17の長手方向に沿って移動可能に立設されている。この後端ガイド34はセット延長部17の長手方向(前後方向)の任意の位置に調整され可能に位置決めされている。その場合、その位置決め機構は従来の給紙カセットに設けられている後端ガイドの位置決め機構と同じ機構を用いることができるので、その説明は省略する。
【0021】
図2(a)および図3(a)に示すように、リフト板26とスライド板30とは左右の連結部材39,40で連結されている。
そして、図4(a)ないし(d)に示すようにリフト板26の繋合用フック43がそれぞれ対応する左右の連結部材39,40のリフト板繋合部41に常時繋合されている。その場合、繋合用フック43とリフト板繋合部41は、連結部材39,40がリフト板26に対して左右方向に相対的に移動可能に繋合される。また、図2(a)および図3(a)に示すように、左右の連結部材39,40のスライド板繋合部42は、スライド板30のアーム30a,30b,30c,30dにそれぞれ設けられた、対応する繋合用溝37,38(図にはアーム30a,30bの繋合用溝は示されていない)に選択的に嵌脱可能になっている(この嵌脱動作については後述する)。その場合、各スライド板繋合部42が対応する繋合用溝内に嵌合することにより、スライド板30と連結部材39,40とが互いに繋合するようになる。
【0022】
このように、スライド板30と連結部材39,40とが互いに繋合することで、リフト板26とスライド板30とが連結部材39,40を介して互いに連結される。これにより、リフト板26の起伏回動に連動して、スライド板30が前後移動するようになっている。
【0023】
したがって、図4(a)ないし(d)に示すように、第2カセット15が伸張状態および短縮状態のいずれであっても、各連結部材39,40の各スライド板繋合部42が対応する繋合用溝37,38内に嵌合した状態で、リフト板26が伏せ方向に回動してカセット本体16の底部16aとほぼ平行な実線で示す伏せ位置にあるときは、スライド板30はこのリフト板26の伏せ方向の回動に連動して後方へ移動して、カセット延長部17の後壁17dに当接する最も後方位置に保持される。
【0024】
また、リフト板26とスライド板30とが連結部材39,40を介して互いに連結されたとき、前述のように圧縮ばね33のばね力でスライド板30が常時後方へ付勢されているので、リフト板26は圧縮ばね33のばね力により伏せ方向に付勢される。しかし、前述したリフト板26を起き上がり方向に付勢する付勢力がこの圧縮ばね33のばね力によるリフト板26の付勢力より大きいので、リフト板26は起き上がり方向に付勢されるようになっている。
【0025】
図4(b)および(d)に示すように、リフト板26が伏せ位置から、リフト板26の起き上がり方向の回動により二点差線で示すように起き上がったとき、リフト板26の後端が前方(これらの図において、右方)に移動すると、繋合用フック43がリフト板繋合部41に繋合していることから、連結部材39,40も、このリフト板26の後端の前方移動に連動して前方へ移動する。そして、図1に示すようにリフト板26の前端部に設けられたパッド44が画像形成装置本体1aに設けられた給紙ローラ45に当接することで、リフト板26の起き上がり方向の回動が停止する。なお、紙7が第2カセット15内にセットされてリフト板26の上にあるときは、最上位置の紙7の前端部が給紙ローラ45に当接することで、リフト板26の起き上がり方向の回動が停止することは言うまでもない。図4(a)ないし(d)には、右側の連結部材40のみが示されている。
【0026】
この連結部材39,40の前方移動により、スライド板30および後端ガイド34が、ともに実線で示す位置から二点差線で示す位置の方へカセット本体16およびカセット延長部17に対して相対的に前方へ移動するようになる。このように、リフト板26の起き上がり方向への回動に連動して、後端ガイド34が前方へ移動することにより、第2カセット15内に収容されている紙7で最上位置の紙7の前端部が後ずさりして位置ずれすることなく給紙ローラ45に確実に捕獲されて、この給紙ローラ45により最上位置の紙7から順に二次転写ユニット8の方へ給送されるようにしている。
【0027】
図2(a)および(b)に示すように、左側の連結部材39は左側のロックレバー18に前後方向に相対的に摺動可能に一体に設けられている。その場合、ロックレバー18はロック動作方向(カセット本体16の左右方向)に移動するようになるが、このロックレバー18の移動時には、連結部材39もロックレバー18と一体に同方向に移動するようになる。また、連結部材39は前述のようにリフト板26の起伏運動に連動してスライド動作方向に移動するが、この連結部材39のスライド動作方向の移動時にはロックレバー18は移動しなく、連結部材39のみが移動するようになる。
【0028】
また、右側の連結部材40も左側の連結部材39の場合と同様に右側のロックレバー19に設けられるとともに、これらのロックレバー19の動作および連結部材40も左側のロックレバー18および連結部材39の動作の場合と同様に動作するようになる。その場合、右側のロックレバー19および連結部材40のロック動作方向は左側のロックレバー18および連結部材39のロック動作方向と左右対称となる。
【0029】
次に、ロックレバー18,19によるカセット本体16とカセット延長部17のロック動作およびロック解除動作と、連結部材39,40によるリフト板26とスライド板30の連結動作および連結解除動作について説明する。
図3(a)および(b)に示すように、第2カセット15が最小に短縮された状態では、カセット延長部17の底部17aの大部分およびスライド板30の大部分がカセット本体16の底部26の下に位置する。このとき、左側のロック用溝17fが左側のロックレバー18のロック用突起21に対向するとともに、右側のロック用溝17hが右側のロックレバー19のロック用突起21に対向する。そして、左側のロックレバー18がロック解除位置から右方向に移動されて、そのロック用突起21が左側のロック用溝17fに嵌合するとともに、右側のロックレバー19が左方向に移動されてそのロック用突起21が右側のロック用溝17hに嵌合することにより、カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされ、第2カセット15の短縮状態が保持される。
【0030】
このようにカセット延長部17がカセット本体16に対してロックされた状態では、左側の連結部材39のスライド板繋合部42がスライド板30の溝38に嵌合するとともに、右側の連結部材40のスライド板繋合部42がスライド板30の溝37に嵌合する。したがって、左右の連結部材39,40がスライド板30に連結し、その結果、リフト板26とスライド板30とがスライド板30を介して連結されている。これにより、図4(d)に示すように第2カセット15が短縮された状態で、スライド板30がリフト板26の起伏回動に連動して前後方向に移動可能となる。また、このようにして、ロックレバー18,19によるロック動作と連結部材39,40による連結動作とが互いに連動して行われる。
【0031】
第2カセット15を伸張させるために、左側のロックレバー18がロック状態から左方向に移動されるとともに右側のロックレバー19が右方向に移動される。これにより、左側のロック用突起21が左側のロック用溝17fから離脱するとともに、右側のロック用突起が右側のロック用溝17hから離脱すると、カセット延長部17がカセット本体16に対してロック解除され、第2カセット15の伸張可能な状態となる。
【0032】
このように左右のロックレバー18,19が移動されて各ロック用突起が各ロック用溝から離脱した状態では、左右の連結部材39,40も左右のロックレバー18,19と一体に移動するので、左右の連結部材39,40のスライド板繋合部42がスライド板30の溝38,37から離脱する。したがって、スライド板30は左右の連結部材39,40から連結解除されて連結部材39,40およびリフト板26に対して前後方向に相対移動可能となる。この状態で、カセット延長部17がカセット本体16から引き出されることで、第2カセット15が伸張される。また、このようにして、ロックレバー18,19によるロック解除動作と連結部材39,40による連結解除動作とが互いに連動して行われる。
【0033】
図2(a)および(b)に示すように、第2カセット15が最大に伸張された状態では、カセット延長部17の底部17aの大部分およびスライド板30の大部分がカセット本体16の底部26から突出する。このとき、左側のロック用溝17gが左側のロックレバー18のロック用突起21に対向するとともに、右側のロック用溝17iが右側のロックレバー19のロック用突起21に対向する。そして、左側のロックレバー18が右方向に移動されて、そのロック用突起21が左側のロック用溝17gに嵌合するとともに、右側のロックレバー19が左方向に移動されてそのロック用突起21が右側のロック用溝17iに嵌合することにより、カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされ、第2カセット15の伸張状態が保持される。
【0034】
カセット延長部17がカセット本体16に対してロックされた状態では、左側の連結部材39のスライド板繋合部42がスライド板30のアーム30bの溝に嵌合するとともに、右側の連結部材40のスライド板繋合部42がスライド板30のアーム30aの溝に嵌合する。したがって、左右の連結部材39,40がスライド板30に連結され、その結果、リフト板26とスライド板30とがスライド板30を介して連結される。これにより、図4(b)に示すように第2カセット15が伸張された状態で、スライド板30がリフト板26の起伏回動に連動して前後方向に移動可能となる。
【0035】
図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように、カセット本体16には、紙7の左右側縁をその左右幅の大きさに応じてガイドする紙幅調整機構57が設けられている。この紙幅調整機構57は、左右のL字状のサイドガイド58,59とサイドレジ調整板60とを備えている。
【0036】
図5はリフト板のパッドと給紙ローラとの当接状態を示す図、図6は図5におけるVI部分の部分拡大図である。
図5および図6に示すように、パッド44はリフト板26の回転軸29bから最も離れた先端部位に取り付けられている。給紙ローラ45が当接可能なパッド44の上面44aは平面とされている。そして、パッド44の給紙ローラ45への当接時、この上面44aはリフト板26の上面26aに対して平行ではなく、この上面26aより水平となる側に傾斜している。つまり、パッド44の上面44aの水平に対する傾斜角θ1は、リフト板26の上面26aの水平に対する傾斜角θ2より小さくなるように設定されている(θ1<θ2)。
【0037】
また、パッド44には、その左右方向中心を中心としてガイド46が設けられている。このガイド46の先端はパッド44の先端より若干突出して設けられている。したがって、リフト板26およびパッド44の上にある紙7の先端部は給紙ローラ45に圧接されて、給紙ローラ45によって捕獲される。このとき、紙7の先端部の給紙ローラ45への圧接により給紙ローラ45が弾性変形し、紙7と給紙ローラ45との接触面積が大きくなるので、紙7の先端部は給紙ローラ45に確実に捕獲されるようになる。特に、パッド44の上面44aの傾斜角θ1がリフト板26の上面26aの傾斜角θ2より小さいので、パッド44の上面44aは給紙ローラ45にその接線方向により近い状態で当接するようになる。このため、紙7と給紙ローラ45との接触面積がより一層大きくなり、給紙ローラ45による紙7の捕獲がより確実なものとなる。
【0038】
一方、従来と同様にパッド44の上面44aをリフト板26の上面26aと平行に設けた場合は、図7に示すようにパッド44のエッジ部が給紙ローラ45に当接するようになる。したがって、パッド44と給紙ローラ45とが線接触するようになり、接触面積をそれほど大きくすることはできず、紙7の捕獲が確実ではない。しかも、リフト板26の傾斜角を大きくできないので、紙7のリフト量を大きくすることにも限度がある。
そして、給紙ローラ45が図6において曲線矢印で示すように反時計方向に回動することで、給紙ローラ45に捕獲された紙7はガイド46により、分離パッド47の方へ移動する。更に、分離パッド47で紙7は1枚に確実に分離されて直線矢印で示すように給送される。
【0039】
このように、パッド44の上面44aをリフト板26の上面26aに対して平行ではなく、この上面26aより水平となる側に傾斜させているので、パッド44と給紙ローラとの接触面積を大きくすることができる。したがって、リフト板26の傾斜角をより一層大きく設定することができる。これにより、紙7のリフト量を大きくすることができ、その分、第2カセット15を深くすることができるので、より多くの紙7を収容することができるようになる。
【0040】
また、パッド44をリフト板26の先端部に設けることで、紙7のリフト量をより大きくすることができるとともに、リフト板26の傾斜角を大きく設定しても、給紙カセット全体の大型化を抑制することができる。
なお、前述の例では、本発明の給紙カセットを伸縮カセットに適用しているが、本発明の給紙カセットは従来一般的な伸縮しない給紙カセットにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の給紙カセットの実施の形態の一例が用いられている画像形成装置を概略的に示す図である。
【図2】 伸張状態のカセットを示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【図3】 短縮状態のカセットを示し、(a)は上面図、(b)は下面図である。
【図4】 リフト板とスライド板との連結および連動動作を説明し、(a)は伸張状態での連結を説明する図、(b)は伸張状態での連動動作を説明する図、(c)は短縮状態での連結を説明する図、(d)は短縮状態での連動動作を説明する図である。
【図5】 リフト板のパッドと給紙ローラとの当接状態を示す図である。
【図6】 図5におけるVI部分の部分拡大図である。
【図7】 本発明と従来と同様のものとの比較を説明するための図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、1a…画像形成装置本体、1b…内壁面、1c…カセット挿入引出口、2…露光ユニット、3…現像ユニット、4…像担持体、5…中間転写媒体、6…一次転写ユニット、7…記録媒体(紙)、8…二次転写ユニット、9…給紙装置、10…定着ユニット、11…排紙トレイ、12…第1搬送路、13…第2搬送路、14…第1カセット、15…第2カセット、16…カセット本体、17…カセット延長部、26…リフト板、44…パッド、45…給紙ローラ、46…ガイド、47…分離パッド、57…紙幅調整機構
Claims (1)
- カセット本体に起伏回動可能に設けられるとともに弾性付勢手段により起き上がり方向に付勢されて記録媒体を押し上げるリフト板と、このリフト板の先端部に設けられて給紙ローラに当接可能なパッドとを少なくとも有する給紙カセットにおいて、
前記パッドの前記給紙ローラへの当接時、前記パッドの上面がリフト板の上面に対して、この上面より水平となる側に傾斜しているとともに、
先端が前記パッドの先端より突出するようにして設けられかつ前記記録媒体を前記給紙ローラへ圧接させるガイドを有することを特徴とする給紙カセット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003115854A JP4006593B2 (ja) | 2003-04-21 | 2003-04-21 | 給紙カセット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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