JP3733780B2 - ワイヤハーネスの電線接続構造 - Google Patents

ワイヤハーネスの電線接続構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はワイヤハーネスの電線接続構造に関し、詳しくは、自動車に配索されるワイヤハーネスにおいて、該ワイヤハーネスの電線群を端末集中スプライスする場合に、電線本数の減少を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車に配索するワイヤハーネスのうち、所要の電線同士を接続する場合、図3(A)に示す端末集中スプライス方法と図3(B)に示す中間スプライス方法とが採用されている。
【0003】
図3(A)に示す端末集中スプライスは、接続する電線w1〜w4の端末を揃え、これら電線w1〜w4の端末を皮剥ぎして芯線c1〜c4を露出させ、これら芯線c1〜c4を束ねた状態で抵抗溶接して集中溶接部1を設けている。この集中溶接部1に絶縁樹脂製のキャップ2を被せ、キャップ2の舌片2aを電線w1〜w4にテープ3で巻き付けて固定している。このように一端に集中溶接部1を設けることにより、他端に接続した端子T1〜T4でコネクタ接続される回路は接続されることとなる。
【0004】
図3(B)に示す中間スプライスは、両端に端子T5−1、T5−2が接続された幹線w5の中間部分を皮剥ぎして芯線c5を露出させる一方 他の電線w6、w7の端末を皮剥ぎして芯線c6、c7を露出させ、これら端末の芯線c6、c7を上記幹線w5の中間皮剥ぎした芯線c5に重ね合わせ、この重ね合わせ部分に中間圧着端子4をかしめ圧着し、その外周にテープ3’を巻き付けている。このように中間スプライスした場合にも、幹線w5の両端の端子T5−1、T5−2および電線w6、w7の他端の端子T6、T7でコネクタ接続される回路は互いに接続されることとなる。
【0005】
また、従来、開平7−282945号公報において、図4に示すごとく、幹線w5の中間皮剥ぎした芯線c5を折り曲げ、この折り曲げ部分に電線w6の端末の芯線c6を巻き付け、この部分にレーザー光を照射して溶融させる手法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図3(A)(B)に示すように4つの回路を接続する場合、図3(A)に示す端末集中スプライスでは4本の電線w1〜w4を必要とし、これら電線w1〜w4の端末を全て皮剥ぎして芯線c1〜c4を露出させなければならず、皮剥ぎ箇所が4カ所となる。このように、必要とする電線本数が多いと共に皮剥ぎ作業箇所も多く、作業手数がかかる問題がある。図3(B)に示す中間スプライスでは、端末集中スプライスよりも、電線本数が3本(電線w5〜w7)で、皮剥ぎ箇所も3カ所(c5〜c7)と端末集中スプライスよりも1カ所少ないが、圧着端子4によるかしめ圧着作業を必要とする等、作業手数がかかる問題がある。
【0007】
また、図4に示す中間接続方法においても、図3(B)と同様の電線本数および皮剥ぎ箇所が必要であり、中間端子をかしめ圧着する代わりに、芯線c5を折り曲げ、その外周に芯線c6を巻き付け、さらに、レーザー照射する作業が必要となり、作業手数の軽減は図られていない。
【0008】
本発明は、特に、従来の端末集中スプライスより回路を接続する場合よりも、電線本数の減少、芯線を露出させるための皮剥ぎ箇所を減少して、作業手数の軽減、コストの低下等を図ることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、両端末に端子を接続した複数の電線の絶縁被覆を、夫々、中間皮剥ぎして芯線を露出させ、この露出された芯線を支点として電線を2つ折りし、
上記複数の電線の芯線折り曲げ部を重ねわせて抵抗溶接することにより端末集中溶接部を形成し、該端末集中溶接部に絶縁樹脂製のキャップを被せ、該キャップより突設した舌片を電線にテープ巻きしていることを特徴とするワイヤハーネスの電線接続構造を提供している。
【0010】
上記端末集中溶接部には、従来と同様に、樹脂製のキャップを被せ、該キャップに設けた舌片を電線群にテープ巻き固定して、端末集中溶接部の絶縁保護を図っている。
【0011】
上記構成とすると、例えば、4つの回路を接続する場合、2本の電線を用い、これら2本の電線の中間皮剥ぎで露出させて芯線部分を折り曲げて重ね合わせ、抵抗溶接すればよい。よって、従来の図3(A)に示す端末集中スプライスでは4本の電線が必要で、4カ所の端末皮剥ぎが必要であったのに対して、本発明では、電線本数は2本で、皮剥ぎ箇所も2カ所となり、電線本数および皮剥ぎ箇所を半減することができる。
【0012】
なお、中間スプライスの場合も、両端末に端子を接続した複数の電線を、夫々、中間皮剥ぎして芯線を露出させ、幹線となる電線は折り曲げず、支線となる電線は上記露出させた芯線を折り曲げ、
上記幹線の中間皮剥ぎされた芯線の部分に上記支線の芯線折り曲げ部を重ね合わせ、この重ね合わせ部分を抵抗溶接して中間集中溶接部を形成することが好ましい。
【0013】
上記幹線の中間部分に設けた集中溶接部にはテープ巻きを施して、絶縁保護を図っている。
【0014】
上記構成とすると、例えば、4つの回路を接続する場合、2本の電線を用い、これら2本の電線のうち、支線となる電線では中間皮剥ぎで露出させて芯線部分を折り曲げ、幹線となる電線の中間皮剥ぎ部の芯線に重ね合わせ、抵抗溶接すればよい。よって、従来の図3(B)に示す中間スプライスでは3本の電線が必要で、3カ所の端末皮剥ぎが必要であったのに対して、本発明では、電線本数は2本で、皮剥ぎ箇所も2カ所となり、電線本数および皮剥ぎ箇所を半減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は端末集中部を形成する実施形態であり、4つの回路を接続するものである。2本の電線w10、w11を用い、電線w10の両端末には端子T10−1とT10−2を接続しており、また、電線11の両端末にも端子T11−1、T11−2を接続している。
【0017】
上記電線w10,w11は、図1(A)に示すように中間部分の絶縁被覆を皮剥ぎして、芯線c10,c11を露出させている。このように皮剥ぎして芯線c10、c11を露出させた後、図1(B)に示すように、芯線c10、c11の中央部を支点として電線w10,w11を2つ折りしている。このように2つ折りすることにより電線w10は芯線c10を先端とする2本の電線部分w10−1とw10−2と分かれ、同様に電線w11も芯線c11を先端とする2本の電線部分w11−1、w11−2に分かれる。
【0018】
上記のように折り曲げた芯線c10、c11を図1(C)に示すように重ね合わせて抵抗溶接し、端末集中溶接部20を形成している。この端末集中溶接部20に従来と同様に絶縁樹脂製のキャップ2を被せ、図1(D)に示すように、キャップ2の開口より突設した舌片2aを、上記4本の電線にテープ3を巻き付けて固定している。
【0019】
上記構成とすると、2本の電線w10、w11で、端末集中溶接部20を介して4つの回路に分けることが出来る。このように、従来の端末集中スプライスで4回路を接続する場合、4本の電線が必要であったのに、2本の電線でよくなり、電線本数を半減できる。また、皮剥ぎ箇所も2カ所となり、従来の4本の電線の各端末を皮剥ぎしていた場合と比較して、皮剥ぎ箇所も半減できる。
【0020】
図2は幹線に中間接続部を形成する参考実施形態を示し、4つの回路を接続するものである。この場合も上記実施形態と同様に、2本の電線w10、w11を用い、電線w10の両端末には端子T10−1とT10−2を接続しており、また、電線11の両端末にも端子T11−1、T11−2を接続している。
【0021】
上記電線w10,w11は、図2(A)に示すように中間部分の絶縁被覆を皮剥ぎして、芯線c10,c11を露出させている。このように皮剥ぎして芯線c10、c11を露出させた後、図2(B)に示すように、幹線となる電線w10はそのままの直線状態とし、支線となる電線w11は芯線c11の中央部を支点として2つ折りしている。このように2つ折りすることにより電線w11は芯線c11を先端とする2本の電線部分w11−1、w11−2に分かれる。
【0022】
上記のように折り曲げた芯線c11を、幹線w10の芯線c10を図2(C)に示すように重ね合わせて抵抗溶接し、中間集中溶接部21を形成している。この集中溶接部21に従来と同様にテープ3を巻き付けて絶縁保護を図っている。
【0023】
上記構成とすると、2本の電線w10、w11で、集中溶接部21を介して4つの回路に分けることが出来る。このように、従来の中間スプライスで4回路を接続する場合、3本の電線が必要であったのに、2本の電線でよくなり、電線本数を半減できる。また、皮剥ぎ箇所も2カ所となり、従来の3本の電線で3カ所の皮剥ぎしていた場合と比較して、皮剥ぎ箇所も半減できる。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、電線の中間部分を皮剥ぎして芯線を露出させ、この芯線露出部分で電線を折り曲げることにより、1本の電線で、2本の電線の端末を皮剥ぎして芯線を露出させた場合と同様とすることができ、端末集中溶接部の電線本数を半減することができる。また、電線の皮剥ぎ箇所も半減でき、大幅のコストダウンと作業手数の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)〜(D)は本発明の実施形態を示す図面である。
【図2】 (A)〜(D)は本発明の参考実施形態を示す図面である。
【図3】 (A)は従来の端末集中スプライスを示す図面、(B)は従来の中間スプライスを示す図面である。
【図4】 他の従来例を示す図面である。
【符号の説明】
2 キャップ
3 テープ
w1〜w11 電線
T1〜T11 端子
c1〜c11 芯線
20 端末集中溶接部
21 中間集中溶接部

Claims (1)

  1. 両端末に端子を接続した複数の電線の絶縁被覆を、夫々、中間皮剥ぎして芯線を露出させ、この露出された芯線を支点として電線を2つ折りし、
    上記複数の電線の芯線折り曲げ部を重ねわせて抵抗溶接することにより端末集中溶接部を形成し、該端末集中溶接部に絶縁樹脂製のキャップを被せ、該キャップより突設した舌片を電線にテープ巻きしていることを特徴とするワイヤハーネスの電線接続構造。
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