JP3732725B2 - フラックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミ又はアルミ合金にはんだ付けする際に用いるアルミはんだ付け用フラックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年アルミ及びアルミ合金に対するはんだ付けは、はんだ付けの際に、これらの表面に酸化膜が発生するため困難なものであった。
【0003】
この問題を解決するため、表面に発生する酸化膜をいかに有効に除去するかに関心が払われていた。
【0004】
しかしながら、一般的なはんだ付け用フラックスでは、活性力が弱いので、アルミの酸化膜を十分に除去することができないことから、はんだ付けが困難である一方、活性力を強くすると、酸化膜を除去するだけにとどまらず、母材を腐食し、はんだ付け後の信頼性に問題があった。
【0005】
尚、従来のアルミはんだ付け用フラックスとしては、ハロゲン化合物(塩化亜鉛、塩化スズ、塩化アンモニウム)を主成分とする無機系のフラックスとハロゲン化合物で、特に塩素を含まない有機系(トリエタノールアミンのフッ化水素酸塩)のフラックスが使用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアルミはんだ付け用フラックスは、次のような問題がある。すなわち、フラックスの活性力が強すぎると母材を腐食するので、はんだ付け後水洗が必要であり、またはんだ付け後の信頼性を著しく損ない、はんだ付け部分における短絡やマイグレーションなどの発生に繋がるという問題があった。
【0007】
逆にフラックスの活性力が弱いとはんだ付け性能が劣り、ぬれ不良(ディウエッティング現象)が発生するという問題があった。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑み、特にアルミ及びアルミ合金に対するはんだ付け性能の向上を図ると共に、母材の腐食を防止してはんだ付け後の信頼性が高いフラックスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、フラックス成分として、フッ素化金属塩類3.0〜5.0質量%、有機酸の金属塩類10.0〜30.0質量%、アミノアルコールのフッ化水素酸塩類残部を混合したSn/Pb系はんだによるアルミはんだ付け用フラックスであって、前記フッ素化金属塩類は、フッ化ナトリウム、フッ化亜鉛、フッ化鉛、フッ化スズ、およびフッ化銀のうちの2種類以上であり、前記有機酸の金属塩類は、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、およびマロン酸亜鉛のいずれかであり、前記アミノアルコールのフッ化水素酸塩類は、メチルジエタノールアミンのフッ化水素酸塩、ジブチルエタノールアミンのフッ化水素酸塩、およびアミノエチルエタノールアミンのフッ化水素酸塩のアルコール類のいずれかであることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、アルミはんだ付け用フラックスとして、その成分に前記組成のフッ素化金属塩類、有機酸の金属塩類、及びアミノアルコールのフッ化水素酸塩類を含有しているので、各成分はそれぞれ異なる温度領域で溶解し、活性温度領域が異なる。
【0011】
前記組成のフッ素化金属塩類は、高温時で溶解し、主としてぬれの最終段階で活性を示す。この成分は、他の成分と比較して強い活性力を有しており、ぬれの最終段階で酸化膜を完全に除去することができるがこの成分の単独使用では活性力が強すぎて母材を腐食してしまう。フッ素化金属塩類の含有量が3.0〜5.0質量%の場合が好適であり、この範囲未満では、アルミ表面の酸化膜を十分に除去するだけの活性力がなくぬれ性改善が不十分となり、この範囲を越えるとフラックスの融点が高くなると共に活性力が強すぎて母材を腐食してしまう。
【0012】
前記組成の有機酸の金属塩類は、中温時で溶解し、主としてぬれの中期段階で活性を示す。この成分は、アミノアルコールのフッ化水素酸塩類の活性とフッ素化金属塩類の活性との中間時において活性化するもので、経時的にいわゆる活性化の橋渡しを図るものである。この成分の含有量としては10.0〜30.0質量%の場合が好適であり、この範囲未満では、アルミ表面の酸化膜を十分に除去するだけの活性力がなくぬれ性改善が不十分であり、この範囲を越えると活性力が強くなり母材を腐食する。
【0013】
前記組成のアミノアルコールのフッ化水素酸塩類は、低温時で溶解し、主としてぬれの初期段階で活性を示す。この成分は、他の成分と比較してその活性力は弱く、この成分の単独使用では活性力が弱すぎて酸化膜を完全に除去することはできない。しかし他の成分よりいち早く溶解して母材表面に広がり、他の成分の均一化を図ることができる。この成分の含有量は他の成分を除いた残部の範囲となる。この成分の含有量が少なくなりすぎると、低温時の活性力等が劣ると共に、他の成分の含有量が増加し、他の成分による母材の腐食等の障害が発生する一方、この成分の含有量が多すぎると、他の成分の含有量が減少するに伴ってぬれ性の悪化等が生じる。
【0014】
このように本発明のフラックスは、各成分を組み合わせて構成しているため、温度領域ごとに適した成分が段階的に活性化するので、効率よく酸化膜を除去し、はんだ付け性能を向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のアルミはんだ付け用フラックスの実施例および比較例を表1〜表11に基づいて説明する。
【0016】
アルミはんだ付け用フラックスは、液状フラックス及びはんだ(Sn/Pb系)内に封入したフラックス入りはんだとして、アルミ及びアルミ合金に対してSn/Pb系はんだを用いてはんだ付けを行う場合に使用する。
【0017】
表1にアルミはんだ付け用フラックスを構成している組成、およびその配合比が異なる実施例(1〜10)を示す。
【0018】
尚、表1の各欄に示す数値は組成率を示し、単位は質量%である。
【0019】
また、本発明の実施例(1〜10)と従来のアルミはんだ付け用フラックスとを比較するため、表2に比較例(A〜C)を示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
次に、上記表1、表2に示すように構成した各フラックスをアルミに対してSn/Pb系はんだを用いてはんだ付けを行い、はんだ付け性、腐食性の評価結果を表3に示す。
【0022】
尚、各欄に示す◎は最適、○は良好、△はやや不適、×は不適であることを示し、◎は3点、○は2点、△は1点、×は0点として得点をつけ、表の下欄に各評価結果の総合得点を示す。
【0023】
【表3】
表3に示すように、総合評点が高い実施例1、5〜7の組成のものがアルミに対して、はんだ付け性能がよいと確認することができた。なおこの評価結果からフッ素化金属塩類の中で、特にフッ化亜鉛を含有したものが好適であることが判る。
【0024】
次に、表4に実施例1に対し、組成は同じであるが配合比が異なる比較例(1−A〜1−H)を示す。
【0025】
尚、表4の各欄に示す数値は組成率を示し、単位は質量%である。
【0026】
【表4】
上記表4に示した比較例(1−A〜1−H)をアルミに対してSn/Pb系はんだを用いてはんだ付けを行い、はんだ付け性、腐食性の評価結果を表5に示す。
【0027】
尚、各欄に示す◎、○、△、×及び数値は表3で説明したものと同様である。
【0028】
【表5】
このように、フッ化ナトリウムとフッ化亜鉛との混合物(フッ素化金属塩類)の含有量が2.0質量%のときは比較例1−A〜1−Bに示すように、はんだ付け性に問題があり、1−Cでは酢酸亜鉛が多量のためはんだ付け性に問題はないが腐食性の問題が伴っている。また前記含有量が6.0質量%のときは比較例1−F〜1−Hに示すように、腐食性に問題がある。また前記含有量が4.0質量%のときにおいて酢酸亜鉛(有機酸の金属塩類)の含有量が9.0質量%のときは比較例1−Dに示すように、腐食性にやや問題があり、33.0質量%のときは比較例1−Eに示すように、腐食性に問題がある。
【0029】
さらに、表6、表8、表10に実施例5〜7に対し、組成が同じで配合比が異なる比較例(2−A〜2−H、3−A〜3−H、4−A〜4−H)をそれぞれ示す。
【0030】
尚、各表の各欄に示す数値は組成率を示し、単位は質量%である。
【0031】
上記各表に示した比較例(2−A〜2−H、3−A〜3−H、4−A〜4−H)をアルミに対してSn/Pb系はんだを用いてはんだ付けを行い、はんだ付け性、腐食性の評価結果を表7、表9、表11に示す。
【0032】
尚、各欄に示す◎、○、△、×及び数値は表3、表5で説明したものと同様である。
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】
【表10】
【0038】
【表11】
このように比較例(2−A〜2−H、3−A〜3−H、4−A〜4−H)は前記比較例(1−A〜1−H)と同様の結果を得ることができた。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、アルミ及びアルミ合金に対するはんだ付け性能の向上を図ると共に、母材の腐食を防止してはんだ付け後の信頼性が高いアルミはんだ付け用フラックスを提供することができる。
Claims (1)
- フラックス成分として、フッ素化金属塩類3.0〜5.0質量%、有機酸の金属塩類10.0〜30.0質量%、アミノアルコールのフッ化水素酸塩類残部を混合したSn/Pb系はんだによるアルミはんだ付け用フラックスであって、
前記フッ素化金属塩類は、フッ化ナトリウム、フッ化亜鉛、フッ化鉛、フッ化スズ、およびフッ化銀のうちの2種類以上であり、
前記有機酸の金属塩類は、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、およびマロン酸亜鉛のいずれかであり、
前記アミノアルコールのフッ化水素酸塩類は、メチルジエタノールアミンのフッ化水素酸塩、ジブチルエタノールアミンのフッ化水素酸塩、およびアミノエチルエタノールアミンのフッ化水素酸塩のアルコール類のいずれかであることを特徴とするSn/Pb系はんだによるアルミはんだ付け用フラックス。
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