JPH11277221A - アルミニウム系めっき鋼板のはんだ付方法 - Google Patents

アルミニウム系めっき鋼板のはんだ付方法

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JPH11277221A
JPH11277221A JP8411898A JP8411898A JPH11277221A JP H11277221 A JPH11277221 A JP H11277221A JP 8411898 A JP8411898 A JP 8411898A JP 8411898 A JP8411898 A JP 8411898A JP H11277221 A JPH11277221 A JP H11277221A
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JP
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steel sheet
flux
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solder
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JP8411898A
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Hatsuhiko Oikawa
初彦 及川
Masahiro Obara
昌弘 小原
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 はんだ付部で高い継手強度が得られるAl系
めっき鋼板のはんだ付方法を提供する。 【解決手段】 塩化亜鉛あるいは塩化錫もしくはそれら
の混合物を主成分とし、1種以上のハロゲン化物をさら
に添加したフラックス、またはアミンを主成分とし、1
種以上の硼弗化物を添加したフラックスを使用し、好ま
しくはPb系、Sn系、Zn系のはんだを用いて、Al
系めっき鋼板同士あるいはAl系めっき鋼板と他のめっ
き鋼板とのはんだ付を行うAl系めっき鋼板のはんだ付
方法。本発明のフラックスは、Al系めっき鋼板表面の
緻密な酸化膜を破壊し、はんだ材のぬれ性を促進させる
ため、はんだ付部で高い継手強度が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用材料など
に用いるAl系めっき鋼板のはんだ付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料タンク用材料としては、従
来まで、Pb−Sn合金めっき鋼板が使用されてきた。
しかし、最近、環境保護の立場から、Pbに対する規制
が一段と厳しくなり、これに対応して、Pb−Sn合金
めっき鋼板の代わりに、Al−Si合金めっき鋼板を使
おうという動きが出てきている。
【0003】一方、自動車分野では、従来より、めっき
鋼板を接合する方法として、スポット溶接やシーム溶接
などの抵抗溶接が使われており、燃料タンク用材料の接
合でも主にこれらの方法が使われている。しかし、歪を
発生させたくない箇所や形状的に抵抗溶接が不可能な箇
所では、ろう付やはんだ付が使われている。ろう付と
は、母材より融点が低い金属(ろう)を用いて母材同士
を接合する方法であり、加熱によってろうのみを溶融さ
せて母材同士を接合するため、接合形態は母材/ろう/
母材となる。一方、450℃より融点が低い金属(はん
だ)を用いて接合する方法を特にはんだ付と呼んでい
る。この場合の接合形態は母材/はんだ/母材となる。
ろう付は、はんだ付に比べて高い接合強度が得られる
が、ろう付時の加熱温度が高いため、ろう付部で歪が発
生し、精密な部分の接合には不向きである。また、めっ
き鋼板のろう付では、加熱によってめっき層を損傷させ
るため、その部分の耐食性が落ちるという問題点があ
る。これに対して、はんだ付では、加熱温度が低いた
め、精密な部分の接合やめっき鋼板の接合に適している
ものと考えられる。
【0004】はんだ付は、大気中で行うものがほとんど
であり、はんだ付の際にはフラックスを使用する。フラ
ックスを使用する目的は、はんだ付作業温度で被接合材
の酸化を防ぐとともに、被接合材表面に存在する酸化膜
を除去することにある。フラックスには各種のものがあ
り、はんだ材の融点や被接合材の種類によって使い分け
られている。
【0005】はんだ付を使えば、簡便な手段で精密な接
合が可能となり、また、コスト低減にもつながる。今
後、燃料タンクなどの自動車部品にAl系めっき鋼板が
適用されるにつれて、Al系めっき鋼板のはんだ付に対
するニーズは、ますます高まるものと考えられる。一例
を上げれば、燃料タンクにパイプや口金を接合する場合
には、はんだ付が用いられるものと考えられる。
【0006】しかし、Al−Si合金めっき鋼板などに
代表されるAl系めっき鋼板のはんだ付性は非常に悪い
ことが知られている。すなわち、従来、Pb−Sn合金
めっき鋼板のはんだ付で用いられていたはんだとフラッ
クスを用いても、十分なぬれ性(広がり性)が得られな
いのである。これは、Al系めっき鋼板の表面に緻密な
Al酸化膜が存在するためであり、この酸化膜が、従来
のめっき鋼板で使用していたフラックスでは除去できな
いためであると考えられる。
【0007】Al系めっき鋼板をはんだ付するひとつの
方法として、Al系めっき鋼板のめっき層を鋼板表面か
ら除去する方法が考えられる。しかし、鋼板表面に形成
されたAl系めっき層は、鋼板の耐食性を向上させる上
で重要である。したがって、このようなめっき層を安易
に除去することは、耐食性を低下させる原因となる。ま
た、一旦形成されたAl系めっき層を除去することは、
組立行程時の工数増加および生産性の低下を招く。この
意味から、この方法を採用することはできない。
【0008】この方法とは別に、従来、AlおよびAl
系合金のろう付に用いられていたろう(Al−Si系)
とフラックスを用いてろう付を行うことも可能である。
しかし、これらの方法を用いた場合には、接合強度がか
なり低くなったり、ばらつきが大きくなるという問題点
があった。これは、ろう付加熱中にAl系めっき層が溶
融し、めっき層と鋼板との間でFe−Al−Si金属間
化合物層が成長して、Al系めっき層が剥離し易くなる
からである。ろう付では、加熱温度が高いため、歪が大
きくなったり、めっき層を損傷させて耐食性を低下させ
るという問題点がある。
【0009】また、特開平8−290293号公報に開
示されているように、アルミニウムより融点が高い金属
をろう材として使用し、弗化アルミニウムを含む塩化物
フラックスを使用してめっき層を排除し、直接Al系め
っき鋼板の鋼板にろう付する方法も考えられている。し
かし、この方法では、ろう付時にめっき層を排除するた
め、ろう付部周辺の耐食性が低下する恐れがある。ま
た、ろう付温度が非常に高いため、歪が大きくなった
り、めっき層を損傷させて耐食性を低下させるという問
題点もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、今後、自動車への適用が拡大すると考えられる、A
l系めっき鋼板のはんだ付方法を提供することである。
すなわち、Al系めっき鋼板に対して十分なぬれ性(広
がり性)を有し、かつ、強度のばらつきが小さく十分な
接合強度が得られるはんだ付方法を提案することにあ
る。また、Al系めっき鋼板だけでなく、例えば、Zn
系めっき、Sn−Zn系めっき、Niめっきなどが施さ
れた鋼板やパイプに対しても適用できるようなはんだ付
方法を提案することにある。なぜなら、燃料タンクなど
におけるはんだ付では、異種めっき鋼板同士の組み合わ
せやAl系めっき鋼板とめっきパイプとの組み合わせに
なる場合が多いからである。
【0011】このためには、Al系めっき鋼板のはんだ
付に適切なフラックスとはんだを使用することが重要で
ある。フラックスの特性としては、はんだ付後洗浄が可
能か、あるいは洗浄が不可能であっても大気中で非腐食
性であることが重要である。本発明で用いるフラックス
は、後で述べるように、洗浄が困難であるため、非腐食
性のフラックスを使用している。また、後行程で塗装を
行う場合には、フラックスの除去が必要となるため、容
易に除去可能なフラックスであることも重要である。
【0012】
【課題を解決するための手段】先にも述べたように、A
l−Si合金めっき鋼板のはんだ付では、従来、Pb−
Sn合金めっき鋼板のはんだ付で用いられているはんだ
とフラックスの組み合わせ、例えば、Pb−Snはんだ
と塩化物フラックス、あるいはSn−Znはんだと塩化
物フラックスの組み合わせでは十分なぬれ性が得られな
い。これは、Al−Si合金めっきの表面に存在する緻
密なAl酸化膜がぬれ性を阻害するからである。
【0013】そこで、本発明者らは、AlまたはAl系
合金で使用されているフラックスの中から最適な成分を
検討し、これとZn系、Sn系、Pb系のはんだを組み
合わせることを考えた。その結果、Al系めっき鋼板に
おけるぬれ性を大幅に改善することに成功し、本発明を
完成するに至った。ここに、本発明の要旨とするところ
は、下記(1),(2),(3)のとおりである。
【0014】(1)Al系めっき鋼板のはんだ付におい
て、塩化亜鉛あるいは塩化錫もしくはそれらの混合物を
主成分とし、さらに、アンモニウムもしくは金属のハロ
ゲン化物の1種以上を含有するフラックスを使用するこ
とを特徴とするAl系めっき鋼板のはんだ付方法。 (2)Al系めっき鋼板のはんだ付において、アミンを
主成分とし、さらに、1種以上の硼弗化物を含有するフ
ラックスを使用することを特徴とするAl系めっき鋼板
のはんだ付方法。
【0015】(3)Pb系、Sn系、Zn系のいずれか
のはんだを用いることを特徴とする前記(1)または
(2)に記載のAl系めっき鋼板のはんだ付方法。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づいて、本発明に
かかるはんだ付方法について、作用とともに具体的に説
明する。図1は、本発明にかかるはんだ付方法の説明図
であり、Al系めっき鋼板同士をはんだ付する場合につ
いて示してある。図中、はんだ付すべきAl系めっきが
施された鋼板1同士の間には、Al系めっき層2を介し
てフラックス3とはんだ材4が挿入されており、全体と
してはんだ付組立体を構成している。
【0017】このはんだ付組立体を、酸素アセチレンな
どのガスバーナー5や加熱炉、あるいは高周波誘導加熱
装置ではんだ付温度まで加熱する。本発明では、Al系
めっき層に比べてはんだ材の融点の方が低いため、昇温
の過程でまずはんだ材が溶融し、溶融したはんだ材とA
l系めっき層が反応する。その結果、鋼板1同士は、A
l系めっき層を介してはんだ材で接合されている。
【0018】Al系めっき鋼板をはんだ付する時の雰囲
気としては大気中で良いが、不活性雰囲気中、真空中の
いずれでも良い。不活性雰囲気を保つためのガスとして
は、窒素ガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス
があるが、コストの観点から、窒素ガスや水素ガスを使
うことが望ましい。本発明で用いるフラックスとして
は、Al系めっき鋼板に対して十分なぬれ性(広がり
性)が確保できるとともに、Al系のめっき以外のめっ
き、例えば、Zn系めっきやSn−Zn系めっき、Ni
系めっきが施された鋼板やパイプに対しても十分なぬれ
性(広がり性)が確保でき、かつ、十分な接合強度が得
られることが重要である。また、はんだ付部に残留して
も腐食が起こらないことが重要である。さらに、ワイヤ
ーブラシなどで容易に除去が可能であることも重要であ
る。
【0019】この観点から、本発明で用いるフラックス
としては、塩化亜鉛あるいは塩化錫もしくはそれらの混
合物を主成分とし、ハロゲン化物を添加した無機系のフ
ラックス、またはアミンを主成分とし、硼弗化物を添加
した有機系のフラックスのいずれかである必要がある。
前者の塩化亜鉛あるいは塩化錫もしくはそれらの混合物
を主成分とするフラックスにおいて、これに添加するハ
ロゲン化物としては、弗化アンモニウム、弗化ナトリウ
ム、弗化カリウム、弗化リチウム、弗化アルミニウム、
弗化カルシウム、弗化バリウム、弗化ストロンチウム、
弗化マグネシウム、弗化亜鉛、弗化珪素などの弗化物、
塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化リチウム、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化
バリウム、塩化ストロンチウム、塩化マグネシウム、塩
化珪素などの塩化物、臭化アンモニウム、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、臭化リチウム、臭化アルミニウム、
臭化カルシウム、臭化バリウム、臭化ストロンチウム、
臭化マグネシウム、臭化亜鉛、臭化珪素などの臭化物が
例として挙げられる。この中でも、入手容易性や効果の
点から、塩化アンモニウムあるいは弗化ナトリウムもし
くはそれらの混合物を添加することが好ましい。
【0020】一方、後者のフラックスの主成分であるア
ミンとしては、トリエタノールアミン、ジエタノールア
ミンなどがある。また、これに添加する硼弗化物は金属
やアンモニウムのいかなる硼弗化物でも使用可能である
が、入手容易性や効果の点から、好ましくは、硼弗化水
素酸、硼弗化アンモニウム、硼弗化亜鉛、硼弗化カドミ
ウムがよい。
【0021】これらのフラックスは洗浄が困難である
が、非腐食性であるため、はんだ付後の腐食の心配は無
い。また、除去する必要性があれば、ワイヤーブラシな
どでこすって容易に除去することも可能である。フラッ
クスの組成については、特に制限は設けないが、重金属
塩化物とハロゲン化物からなるフラックス、アミンと硼
弗化物からなるフラックスのいずれにおいても、主成分
となる重金属塩化物やアミンの組成範囲が、80〜95
重量%であることが好ましく、この組成範囲であれば、
十分なぬれ性が確保できる。
【0022】本発明において用いるはんだ材は、Alよ
り融点の低い金属であればよい。これは加熱温度を最小
限にし、はんだ付部における歪の発生やめっき層の損傷
を抑えるためである。具体的には、Pb、Sn系、Zn
系のはんだ材が上げられる。Pb系のはんだ材として
は、Pb−Sn系などが、Sn系のはんだ材としては、
Sn−Zn系、Sn−Ag系、Sn−Sb系などが、Z
n系のはんだ材としては、Zn−Al系などが好ましい
はんだ材として挙げられる。
【0023】本発明におけるAl系めっき鋼板として
は、純Alめっき鋼板のほか、Al−Si合金めっき鋼
板、Al−Mn合金めっき鋼板、Al−Zn合金めっき
鋼板などが使用可能である。Al系めっき層は、通常、
溶融めっき法で形成されるが、電気めっき法、蒸着法、
溶射、などの方法で形成しても良い。また、Al系めっ
き鋼板とはんだ付するAl系めっき以外のめっき鋼板や
パイプとしては、純Znめっき、Zn−Fe系めっき、
Zn−Al系めっき、Zn−Ni系めっきなどのZn系
めっきやSn−Zn系めっき、Ni系めっきが施された
鋼板やパイプが上げられる。これらのめっき層は、溶融
めっき法、電気めっき法、蒸着法、溶射、などのいずれ
の方法で形成しても良い。
【0024】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに具体
的に説明する。 −実施例1− 初めに、下記に示す3種類のAl系めっき鋼板(50×
50×0.8mm)と市販のフラックス(表1)およびは
んだ材(表2)を用いて、はんだ材のぬれ性評価とはん
だ付後のフラックスの除去性評価を実施した。
【0025】供試材 純Alめっき鋼板 ;両面めっき材−付着量
4g/m2 、蒸着めっき Al−10%Siめっき鋼板;両面めっき材−付着量
60g/m2 、溶融めっき Al−25%Mnめっき鋼板;両面めっき材−付着量
20g/m2 、電気めっき 図2に示すように、3種類のAl系めっき2が施された
鋼板1の上に、表1に示すA〜Cのフラックス3を2〜
3gと表2に示すa〜eのはんだ材4を1〜2g置き、
大気中でAl系めっき鋼板を下側からアセチレンガスバ
ーナー5で加熱して、はんだ材のぬれ性(広がり性)を
調べた。また、はんだ付後のフラックスの除去性を調べ
た。フラックスの除去性の判定は、はんだ付部をワイヤ
ーブラシでこすり、フラックスの残留程度を目視で確認
して行った。ぬれ性およびフラックスの除去性を調べた
結果を表3に示す。なお、それぞれの評価は4段階で行
い、良いものから、◎−○−△−×、とした。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】表3の結果からわかるように、市販のフラ
ックスとはんだ材を用いた場合には、Al系めっき鋼板
に対するぬれ性は非常に悪いことがわかった。 −実施例2− 次に、本発明のフラックスC〜Gを用いて、実施例1と
同様に、3種類のAl系めっき鋼板に対するぬれ性とは
んだ付後のフラックスの除去性を評価した。はんだ付に
用いたフラックスの組成を表4に示す。また、CとFの
フラックスを用いた場合のぬれ性およびフラックスの除
去性を調べた結果を表5に示す。なお、はんだ材は、表
2に示すものを用いた。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】表5の結果からわかるように、フラックス
CおよびFを用いた場合には、Al系めっき鋼板に対す
るぬれ性は非常に良好であった。また、はんだ付後のフ
ラックスの除去性も良好であった。フラックスCとF
は、いずれも大気中で腐食性を持たないため、除去せず
大気中で放置しても、特に問題とはならない。フラック
スCの代わりにD、Eを用いても、また、フラックスF
の代わりにGを用いても結果は同様であった。なお、い
ずれのはんだを用いた場合にも、はんだ材がまず溶融
し、それからフラックスが反応してはんだ材が広がっ
た。これは、フラックスの活性温度が、はんだ材の融点
より低いためであると考えられる。Cのフラックスで、
SnCl2 の組成範囲を80〜95wt%で変化させて
も、また、Fのフラックスで、弗化物+塩化物の組成範
囲を5〜20wt%で変化させても、結果は同様であっ
た。 −実施例3− 次に、下記に示す6種類のめっき鋼板(50×50×
0.8mm)を用いて、はんだ材のぬれ性評価とはんだ付
後のフラックスの除去性評価を実施した。
【0033】供試材 Znめっき鋼板 ;両面めっき材−付着量60g
/m2 、溶融めっき Zn−Feめっき鋼板;両面めっき材−付着量45g
/m2 、溶融めっき Zn−Alめっき鋼板;両面めっき材−付着量60g
/m2 、溶融めっき Zn−Niめっき鋼板;両面めっき材−付着量20g
/m2 、溶融めっき Sn−Znめっき鋼板;両面めっき材−付着量40g
/m2 、溶融めっき Niめっき鋼板 ;両面めっき材−付着量10g
/m2 、電気めっき フラックスCとFを用いた時の評価結果を表6および表
7に示す。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】表6および表7の結果からもわかるよう
に、いずれのめっき鋼板でも、はんだ材のぬれ性および
はんだ付後のフラックスの除去性は良好であった。ま
た、フラックスCの代わりにD、Eを用いても、また、
フラックスFの代わりにGを用いても結果は同様であっ
た。 −実施例4− さらに、JIS Z 3192(はんだ付継手の引張せ
ん断試験法)に準じて、はんだ付部の引張せん断試験を
実施した。試験片としては実施例1で述べた3種類のA
l系めっき鋼板(〜)と実施例3で述べた6種類の
めっき鋼板(〜)を用いた。試験片の形状は15×
50×0.8mmの短冊状とし、図3に示すようにラップ
しろ5mmの所にフラックス3とはんだ材4を挟み込み、
両側からバーナー5で加熱して、はんだ材が溶融した時
点で両側から加圧し冷却させた。試験片の組み合わせと
しては、同種のAl系めっき鋼板同士の組み合わせ、お
よび3種類のAl系めっき鋼板(〜)と6種類のめ
っき鋼板(〜)の組み合わせとした。表5、表6お
よび表7で示した本発明でのはんだ材とフラックスの組
み合わせで試験片を作製し、引張せん断試験片を実施し
た。その結果、a〜dのはんだ材とC〜Gのフラックス
を用いた場合には、いずれのめっき鋼板同士の組み合わ
せでも、破断ははんだ内で起こった。これは、はんだ材
自体の強度が低いためであると考えられる。しかし、引
張せん断強さの値は、従来のPb−Sn合金めっき鋼板
同士のはんだ付部(この場合の破断もはんだ内で起こ
る)とほぼ同等であり、強度比で95〜105%の値で
あった。また、引張せん断強さのばらつきの範囲は強度
の10%以内と非常に小さかった。一方、eのはんだ材
とC〜Gのフラックスを用いた場合には、いずれのめっ
き鋼板同士の組み合わせでも全て母材破断となり、はん
だ付部の強度は高いことがわかった。この結果は、表
5、表6および表7で示したはんだ材とフラックスの組
み合わせ以外の組み合わせにおいても同様であった。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、A
l表面の緻密な酸化膜を除去し、Al系めっき鋼板のは
んだぬれ性の問題を有効に解決できるので、極めて良好
なはんだ付が行え、安定した継手強度を得ることができ
る。また、はんだ付後の腐食の心配も無く、ワイヤーブ
ラシ等による除去も可能であるため、はんだ付性が問題
で、これまで適用できなかった自動車などの分野におい
てもAl系めっき鋼板を使用することが可能となった。
従って、本発明の実用上の意義は、極めて大きいもので
あるといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、Al系めっき鋼板同士のはんだ付方法
を模式的に示す断面図である。
【図2】図2は、Al系めっき鋼板に対するはんだ材の
ぬれ性(広がり性)を調べる方法を模式的に示す断面図
である。
【図3】図3は、引張せん断試験片を作製する方法を模
式的に示す断面図である。
【符号の説明】 1…鋼板 2…Al系めっき層 3…フラックス 4…はんだ材 5…バーナー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al系めっき鋼板のはんだ付において、 塩化亜鉛あるいは塩化錫もしくはそれらの混合物を主成
    分とし、さらに、 アンモニウムもしくは金属のハロゲン化物の1種以上を
    含有するフラックスを使用することを特徴とするAl系
    めっき鋼板のはんだ付方法。
  2. 【請求項2】 Al系めっき鋼板のはんだ付において、 アミンを主成分とし、さらに、 1種以上の硼弗化物を含有するフラックスを使用するこ
    とを特徴とするAl系めっき鋼板のはんだ付方法。
  3. 【請求項3】 Pb系、Sn系、Zn系のいずれかのは
    んだを用いることを特徴とする請求項1または2に記載
    のAl系めっき鋼板のはんだ付方法。
JP8411898A 1998-03-30 1998-03-30 アルミニウム系めっき鋼板のはんだ付方法 Withdrawn JPH11277221A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002059293A (ja) * 2000-08-09 2002-02-26 Ishikawa Kinzoku Kk アルミはんだ付け用フラックス
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