JP3731716B2 - 情報記録/再生装置 - Google Patents

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  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD,DVDなどの光ディスクに光スポットを照射することにより、情報の記録,再生あるいは消去を行うことが可能な光ピックアップを搭載した光ディスクドライバに適用され、特にその光ピックアップにおける光ディスクに対する傾き調整,高さ調整を行うことが可能な情報記録/再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクはCDからDVDへと移行しつつある。DVDはCDの約7倍の記憶容量を有する。その記録容量の拡大に対応して光ピックアップ側では、光ディスクに照射する光スポットを小径化する必要がある。このために、光源である半導体レーザの短波長化,対物レンズの高NA化が行われている。この高NA化により、光ディスクに対する対物レンズのチルトが重要な問題となる。
【0003】
すなわち、光ディスクに対して対物レンズが傾斜する(チルトする)と、光スポットにコマ収差が発生するが、NAが大きいほどコマ収差が発生しやすくなる。コマ収差により光スポットの性能が悪化し、記録,再生時のジッタ(情報データにおける時間軸の揺らぎ)が悪化する。
【0004】
このために、DVDドライバでは、ディスクと対物レンズとの間の傾斜角度を調整することが一般的に採用されている。調整手段に関しては、既に多くの技術が出願されており、例えば、特開平10−69650号公報,特開平10−112122号公報,特開平10−208372号公報には、記録/再生装置において、ベース体に対して傾斜調整可能なプレートにスピンドルモータを搭載することにより、チルト調整を可能にする構成が記載されている。
【0005】
また、特開平11−25466号公報,特開平11−149724号公報には、光ピックアップをディスクの半径方向に移動ガイドするガイドシャフトをチルト調整するようにした構成の記録/再生装置が記載されている。
【0006】
これらの従来の技術を大別すると、ディスクを搭載するスピンドルモータを調整する構成、あるいは対物レンズを搭載する光ピックアップを調整する構成とに分けることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術において、前者の構成では、ベース体に対してスピンドルモータを直接固定しないために支持剛性が低下する。このために、ディスク回転時のスピンドルモータの回転動作による振動が大きい。DVDドライブにおいてもCDディスクの記録再生を行う必要があるが、近年のCDドライブの回転数は高速になっており、最高回転数が約10,000rpmである。このように高速に回転するスピンドルモータを高剛性に支持しないと、振動がディスクあるいは光ピックアップに発生し、このため記録再生動作が不安定になる。また、CDあるいはDVDディスクに偏重心がある場合には大きな振動が発生するが、スピンドルモータの支持剛性が低いと、ディスクあるいは光ピックアップに伝わる振動が大きくなって問題である。
【0008】
また、スピンドルモータを傾斜調整することによってディスクが傾斜する。このためディスクが内蔵されたカートリッジを使用する場合には、カートリッジ内においてディスクが傾斜調整されることによって、カートリッジの内壁にディスクが接触するおそれがある。
【0009】
さらに後者の構成では、ディスクの半径方向に光ピックアップを駆動(アクセス動作)するためのシーク系のガイド手段であるガイドシャフトを傾斜させるが、ベース体にガイドレールを直接固定しないために、光ピックアップの支持剛性が低下する。このためピックアップの高速アクセス動作時における振動が大きいという問題がある。
【0010】
本発明の主な目的は、前記従来の問題を解決し、光ディスクあるいは光ピックアップの支持剛性を低下させることなく、チルト調整を可能にした情報記録/再生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、光ディスクを回転させるスピンドルモータと、光ディスクに光スポットを照射して情報の記録,再生を行う光ピックアップと、光ピックアップを光ディスクの半径方向に駆動するシーク機構からなる情報記録/再生装置において、前記スピンドルモータを保持する固定シャーシと、前記シーク機構を保持してシーク方向に対して直交する方向に2つのピボット部を有する回動シャーシとを備え、前記2つのピボット部を、前記固定シャーシに取り付けられた凹部を有するピボット受け体と、前記回動シャーシに取り付けられて前記ピボット受け体の凹部に設置されるピンとにより構成し、さらに前記2つのピボット部を支点として前記回動シャーシを前記固定シャーシに対して回動駆動する駆動カムを備え、前記光ディスクに対する前記光ピックアップの傾き調整として、前記ピボット受け体の少なくとも一方を上下動させることによりタンジェンシャルチルト調整を行い、前記駆動カムを回転させることによりラジアルチルトサーボを行うことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記駆動カムを回転駆動する駆動源を備えたことを特徴とする
【0013】
また本発明は、前記ピボット受け体が、前記固定シャーシに設けられた雌ネジ部に対して螺合するように形成した雄ネジ部により光ディスクの厚さ方向に上下動して光ディスクに対する前記光ピックアップの高さ調整を行うことを特徴とする。
【0015】
また本発明は、光ディスクの厚さ方向に上下動可能な前記ピボット受け体前記雄ネジ部分と円筒部分とを設け、前記固定シャーシに、前記雄ネジ部分が螺合する前記雌ネジと前記円筒部分が嵌合する開口部とを設けたことを特徴とし、調整時の非調整部分の移動のぶれ,ずれ,がたつきをなくし、光ピックアップの光軸ずれを低減させることができる。
【0016】
また本発明は、前記固定シャーシと前記ピボット受け体間に弾性部材を介在させたことを特徴とし、弾性部材により前記移動のぶれ,ずれ,がたつきを吸収することができ、さらに光ピックアップの光軸ずれを低減させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は本発明の第1実施形態を説明するための記録/再生装置のシーク機構部分を示す平面図、図2は第1実施形態におけるシーク機構の調整構造を示す分解斜視図である。
【0019】
図1において、1は、後述するベース体である固定シャーシに固定され、図示しない光ディスクを回動駆動するスピンドルモータ、2は、情報の記録,再生,消去に際して光ビームを光ディスクに光スポットとして集光するための対物レンズ3を有し、光ディスクからの反射光を受ける図示しない受光素子などが備えられた公知の構成の光ピックアップ、4,4は光ピックアップ2をシーク方向へ移動案内するガイドレール、5は、光ピックアップ2に設けられた図示しない連結爪部が係合する螺旋状のネジ溝5aが形成され、周方向に回転することにより光ピックアップ2を移動させるリードスクリュー、6はギヤ7を介してリードスクリュー5に回転駆動力を与えるシークモータ、8はガイドレール4,4とリードスクリュー5とシークモータ6を保持する回動シャーシである。
【0020】
回動シャーシ8の両側部には、図2に示すように、シーク方向に対して直交する方向に相対向して支持機構を構成する第1のピボット部10と第2のピボット部11とが設けられている。この両ピボット部10,11は、スピンドルモータ1を固定するベース体である固定シャーシ12に支持され、回動シャーシ8を両ピボット部10,11を結ぶ線を中心に回動可能に支持する。固定シャーシ12には、第1のピボット部10を受ける台座である円筒状の第1のピボット受け体13と、第2のピボット部11を受ける台座である矩形状の第2のピボット受け体14とを保持する保持腕部15,16が設けられている。各ピボット部10,11は、固定シャーシ12に固定される付勢バネ17,18により、各ピボット受け体13,14に付勢押圧される。
【0021】
回動シャーシ8の一隅には被駆動部20が設けられており、図示しない駆動源によって回転駆動される駆動カム21における表面高さが変化するカム面21aに接触している。被駆動部20は、駆動カム21のカム面21aに固定シャーシ12に固定される付勢バネ22によって付勢押圧される。
【0022】
図3は第1実施形態における支持機構の第1のピボット部10部分を拡大して示す断面図であり、第1のピボット受け体13は、上部に受け凹部25が形成された頭部26の下部に雄ネジ部27が形成されており、受け凹部25に第1のピボット部10における下方へ延出する垂下ピン28が設置され、垂下ピン28の上部部分が付勢バネ17により押下されている。雄ネジ部27は固定シャーシ12の保持腕部15に設けられた雌ネジ部29に上下動可能に螺合している。
【0023】
したがって、第1実施形態では、第1のピボット受け体13を回転させることにより、図2の矢印A方向に第1のピボット受け体13を上下動させることができる。このとき第2のピポット受け体14側は固定しておくことにより、回動シャーシ8が傾斜することになる。この傾斜方向は、両ピボット部10,11を結ぶ線に対して直交する線を回転軸とする変位方向、すなわち、光ピックアップ2におけるタンジェンシャルチルト調整方向である。
【0024】
このように、第1実施形態では、特別な機構を加えることなく、従来のラジアルチルトサーボ機構における一方の支持機構の構成を変更するだけで、タンジェンシャルチルト調整が可能となる。このため、タンジェンシャルチルト機構の負荷によるディスクあるいは光ピックアップの支持剛性低下が発生しないため、ディスクの高速回転、あるいは光ピックアップの高速アクセスを阻害することがない。
【0025】
図4は本発明の第2実施形態を説明するための支持機構を拡大して示す断面図であり、第1実施形態の説明で既に説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0026】
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、第1のピボット受け体13における頭部26と雄ネジ部27間に円筒部30を設け、一方、固定シャーシ12の保持腕部15に設けられた雌ネジ部29の上部に、第1のピボット受け体13の円筒部30と嵌合して位置規制するための断面円状の開口部31を形成した構成にある。
【0027】
このため第2実施形態の構成によれば、固定シャーシ12の雌ネジ部29に第1のピボット受け体13の雄ネジ部27を螺入する際に、第1のピボット受け体13は、円筒部30と開口部31とのガイド作用により、雄ネジ部27が雌ネジ部29に対して適正に螺入することになり、しかも螺入方向以外に回動シャーシ8の位置ずれを起こすことはない。よって、タンジェンシャルチルト調整時に回動シャーシ8を、ディスク厚さ方向(フォーカシング方向)、ディスク半径方向(トラッキング方向)などの他の方向に不用意に動かしてしまうことを防止することができる。
【0028】
図5は本発明の第3実施形態を説明するための支持機構を拡大して示す断面図であり、第1,2実施形態の説明で既に説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0029】
第3実施形態が第2実施形態と異なる点は、第1のピボット受け体13における頭部26の下部と開口部31の上部分間に、バネワッシャ,板バネ,バネ座金,コイルスプリングなどからなる弾性部材35を介在させた構成にある。
【0030】
このため第3実施形態の構成によれば、固定シャーシ12の雌ネジ部29に第1のピボット受け体13の雄ネジ部27を螺入する際、弾性部材35が頭部26の下部と開口部31の上部間で挟持されて撓むため、第1のピボット受け体13と固定シャーシ12との間に互いに押付け合う力が発生する。このために、雄ネジ部27と雌ネジ部29とのネジ山同士が押付け合うことになり、螺合部におけるがたつきがなくなる。これにより、タンジェンシャルチルト調整後のがたつきをなくすことができる。
【0031】
前記各実施形態において、図1に示す第1のピボット部10と光ピックアップ2の対物レンズ3との距離をL1とし、第2のピボット部11と対物レンズ3との距離をL2とした場合、それらの距離がL1>L2となるように設定してある。
【0032】
図6は第1のピボット部10と第2のピボット部11と対物レンズ3との位置関係を示す概念図であり、各部材が前記のようにそれぞれ間隔L1,L2で並んでいる場合、角度B分のタンジェンシャルチルト調整を行うためには、第1のピボット部10をX1の距離だけ移動する必要がある。その移動方向はディスク厚さ方向(フォーカス方向)である。このタンジェンシャルチルト調整により対物レンズ3は、フォーカス方向に距離X2移動する。距離X2は(数1)の式で求めることができる。
【0033】
【数1】
X2=L2/(L1+L2)×X1
対物レンズ3に対しては、アクチュエータによりディスクに対して焦点合わせ動作(フォーカシング動作)が行われる。このため距離X2が大きいと、アクチュエータのフォーカシング動作の移動ストロークが長くなり、記録/再生装置の大型化(反薄型化)を招いてしまうため最小限にする必要がある。
【0034】
しかし、本実施形態では、前記のようにL1>L2の関係に設定してあるため、対物レンズ3の移動距離X2を最小限にすることができる。逆にL1<L2の関係にすると、前記(数1)の式より明らかなように、対物レンズ3の移動距離X2が大きくなってしまう。
【0035】
図7は本発明の第4実施形態を説明するための要部を拡大して示す断面図であり、第1乃至3実施形態の説明で既に説明した部材に対応する部材には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0036】
第4実施形態では、前記実施形態において説明した上下動可能な支持機構の構成を両ピボット部10,11部分において採用している。本例では、第3実施形態の支持機構を両ピボット部10,11部分に採用した例を示してある。
【0037】
このため第4実施形態の構成によれば、いずれか一方のピボット部10,11におけるピボット受け体13を移動調整することによってタンジェンシャルチルト調整が行え、さらに、両ピボット部10,11におけるピボット受け体13を移動調整することによって回動シャーシ8の高さ調整を行うことが可能になる。
【0038】
また前記高さ調整を行うことによって、部品,組付けのばらつきによる光ディスクと光ピックアップとの高さ寸法誤差を少なくするように調整することが可能になり、記録/再生装置における薄型化が可能になる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ディスクに対する光ピックアップの傾き調整、さらに光ディスクに対する光ピックアップの高さ調整が可能になる。しかも、特別な機構を加えることなく、従来のラジアルチルトサーボ機構における支持機構の構成を変更するだけで、タンジェンシャルチルト調整が可能となる。このため、タンジェンシャルチルト機構の負荷によるディスクあるいは光ピックアップの支持剛性を低下させることがないため、ディスクの高速回転、あるいは光ピックアップの高速アクセスを阻害することがないなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明するための記録/再生装置のシーク機構部分を示す平面図
【図2】本発明の第1実施形態におけるシーク機構の調整構造を示す分解斜視図
【図3】本発明の第1実施形態における支持機構の第1のピボット部部分を拡大して示す断面図
【図4】本発明の第2実施形態を説明するための支持機構を拡大して示す断面図
【図5】本発明の第3実施形態を説明するための支持機構を拡大して示す断面図
【図6】本発明の実施形態における第1のピボットと第2ピボットと対物レンズとの位置関係を示す概念図
【図7】本発明の第4実施形態を説明するための支持機構を拡大して示す断面図
【符号の説明】
1 スピンドルモータ
2 光ピックアップ
3 対物レンズ
4 ガイドレール
5 リードスクリュー
6 シークモータ
8 回動シャーシ
10,11 ピボット部
12 固定シャーシ
13,14 ピボット受け体
15,16 保持腕部
27 雄ネジ部
28 垂下ピン
29 雌ネジ部
30 円筒部
31 開口部
35 弾性部材

Claims (5)

  1. 光ディスクを回転させるスピンドルモータと、光ディスクに光スポットを照射して情報の記録,再生を行う光ピックアップと、光ピックアップを光ディスクの半径方向に駆動するシーク機構からなる情報記録/再生装置において、
    前記スピンドルモータを保持する固定シャーシと、前記シーク機構を保持してシーク方向に対して直交する方向に2つのピボット部を有する回動シャーシとを備え、
    前記2つのピボット部を、前記固定シャーシに取り付けられた凹部を有するピボット受け体と、前記回動シャーシに取り付けられて前記ピボット受け体の凹部に設置されるピンとにより構成し、
    さらに前記2つのピボット部を支点として前記回動シャーシを前記固定シャーシに対して回動駆動する駆動カムを備え、
    前記光ディスクに対する前記光ピックアップの傾き調整として、前記ピボット受け体の少なくとも一方を上下動させることによりタンジェンシャルチルト調整を行い、前記駆動カムを回転させることによりラジアルチルトサーボを行うことを特徴とする情報記録/再生装置。
  2. 前記駆動カムを回転駆動する駆動源を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報記録/再生装置。
  3. 前記ピボット受け体が、前記固定シャーシに設けられた雌ネジ部に対して螺合するように形成した雄ネジ部により光ディスクの厚さ方向に上下動して光ディスクに対する前記光ピックアップの高さ調整を行うことを特徴とする請求項1または2記載の情報記録/再生装置。
  4. 光ディスクの厚さ方向に上下動可能な前記ピボット受け体に前記雄ネジ部分と円筒部分とを設け、前記固定シャーシに、前記雄ネジ部分が螺合する前記雌ネジと前記円筒部分が嵌合する開口部とを設けたことを特徴とする請求項1,2または3記載の情報記録/再生装置。
  5. 前記固定シャーシと前記ピボット受け体間に弾性部材を介在させたことを特徴とする請求項または記載の情報記録/再生装置。
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