JP3731508B2 - 磁性単結晶育成用原料棒及び磁性単結晶 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性単結晶育成用原料棒及び磁性単結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】
アイソレータ、サーキュレータ、及び静磁波デバイスのような高周波デバイスにおいて、小型化、高性能化の要求があり、磁性単結晶体の必要性が高まっている。また、光アイソレータ、光磁気センサー、光高周波カップリングを用いた光変調器などの光磁性デバイスにも、磁性単結晶が用いられている。
【0003】
このような単結晶の製造は、バルク単結晶の育成でチョクラルスキー法(以下、CZ法という。)、フローティングゾーン法(以下、FZ法という。)など、様々な手法が提案され実用に供されている。
【0004】
そのうち、FZ法では、代表的なものとして、光の加熱による集光加熱法がある。この集光加熱法は、原料としての多結晶体(原料棒)を加熱炉中に保持し、一定の帯域(ゾーン)を融点より高い温度に熱して融解することで融帯を形成し、その融帯を移動させることにより、融帯を冷却凝固させて単結晶を育成する方法である。この方法は、坩堝材料との接触がないために結晶の高純度が保たれることや、温度勾配が大きいために結晶の育成速度が速いことがメリットとして挙げられる。このような坩堝接触のないFZ法としては、例えば、集光加熱とレーザー加熱を組み合わせたレーザー加熱ぺデスタル法(以下、LHPG法という。)等が紹介されている(特開平6−48883号公報)。
【0005】
ところで、アイソレータ等の高周波デバイスに使用される材料として、イットリウム鉄ガーネット単結晶(Y3Fe5O12:以下、YIGという。)がある。このYIGは分解溶融型の化合物であり、化学量論組成の融液を冷却、固化するだけでは、直接、同じ組成の単結晶を得ることができない。すなわち、YIGの化学量論組成の融液をそのまま凝固させると、初相としてオルソフェライト(YFeO3)が析出し、約1585℃でこのオルソフェライトが液相と反応してYIGが生成する。したがって、従来のFZ法では、原料棒と種結晶との接合部におけるオルソフェライトの析出により、単結晶の成長方位を制御することができなかった。
【0006】
単結晶の成長方位を制御できる方法として、FZ法の一種であるトラベリングソルベントフローティングゾーン法(以下、TSFZ法という。)がある。この方法は、種結晶の上に組成と重量を精密に制御したソルベントを設置し、加熱溶融して両者を十分になじませた後、そこに原料としての多結晶体(原料棒)を接合し、単結晶を育成する方法である。この方法によれば、融液から分解溶融型化合物のバルク単結晶を、成長方位を制御して育成することができるため、近年、TSFZ法を用いて、YIG単結晶等を作製することが盛んに行われている。
【0007】
しかしながら、TSFZ法では、特に形状としてファイバーに分類できる直径2mm以下のファイバー状単結晶を得ようとする場合に、種結晶上にソルベントを設置することが物理的に困難であり、しかも、ソルベントの量が微量であるため、その重量制御も困難である。これらの理由でソルベント量が不適切になると、単結晶の育成条件が不安定になり、オルソフェライト層の残存や逆にソルベント量の過剰により、育成単結晶が切断されるという問題があった。
【0008】
これらの問題を解決してファイバー状単結晶を製造する例として、セルフソルベントフローティングゾーン法(以下、SSFZ法という。)が特開平10−251088号公報に開示されている。この方法は、原料としての多結晶体(原料棒)において、種結晶と接合される側と反対側を加熱、溶融させて分解溶融反応を起こし、生じた液相を種結晶側へ移動させて種結晶に接合させるものである。このSSFZ法では、オルソフェライト(YFeO3)を反応系の外において、方位制御を行いつつ、ファイバー状単結晶を育成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなSSFZ法により、YIG単結晶を製造する場合、生産性の向上を目的に育成速度を上げると、育成単結晶の方位制御性が崩れて磁気特性を示す強磁性共鳴半値幅(ΔH)が大幅に上昇し、磁気特性の劣化が顕著になるという問題があった。そのため、YIG単結晶の育成速度は、10mm/時間以下で育成せざるを得ず、生産性が低く、コスト高となっていた。
【0010】
そこで、本発明の目的は、育成速度を速くしても単結晶の方位制御性が保たれて強磁性共鳴半値幅(ΔH)が大きくならず、磁気特性が劣化しないYIG単結晶が得られる磁性単結晶育成用原料棒と磁性単結晶を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1において、磁性単結晶育成用原料棒は、組成が(Y3-aAa)(Fe5-b-cBb)O12-α(但し、Aはランタノイド系希土類から選ばれる少なくとも1種以上の元素、BはGa、Al、In及びScの中から選ばれる少なくとも1種以上の元素、cはFe組成を化学量論的組成比よりも少なくする値、αは酸素の組成比を少なくして化学的中性条件を満足させる値を表し、0≦a≦0.5、0≦b≦1.0、0<c≦0.15、0<αである。)で表されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2において、磁性単結晶は、組成が(Y3-aAa)(Fe5-b-cBb)O12-α(但し、Aはランタノイド系希土類から選ばれる少なくとも1種以上の元素、BはGa、Al、In及びScの中から選ばれる少なくとも1種以上の元素、cはFe組成を化学量論的組成比よりも少なくする値、αは酸素の組成比を少なくして化学的中性条件を満足させる値を表し、0≦a≦0.5、0≦b≦1.0、0<c≦0.15、0<αである。)で表されることを特徴とする。
【0013】
このように、YIG単結晶の育成用原料棒のFe組成をcで表される分だけ化学量論的組成比よりも少なくすると同時に、酸素の組成比をαで表される分だけ少なくして化学的中性条件を満足させることにより、YIG単結晶の育成速度を速くした場合でも、方位制御性が保たれて良好な磁気特性を有するYIG単結晶が得られるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例にもとづき説明する。
【0015】
図1(a)は、本発明にかかる単結晶育成用原料棒を用いて単結晶を育成する、レーザー光加熱による単結晶育成装置の一例を示す正面断面図であり、図1(b)は同装置の平面断面図である。この単結晶育成装置10は、主加熱装置を構成するレーザー発振装置12a、12bを含む。レーザー発振装置12a、12bから導出されたレーザー光は、光ファイバー14a、14bを介して、2つのレーザー導入孔16a、16bに導かれる。単結晶育成装置10は、筐体17を含み、その中に反射鏡面18が形成される。レーザー導入孔16a、16bは筐体17及び反射鏡面18を貫通し、反射鏡面18で囲まれた空間の中央部を挟んで対向して配置される。また、反射鏡面18内には、ハロゲンランプ等の加熱光源20a、20bが配置され、補助加熱装置が構成される。
【0016】
加熱光源20a、20bからの光は、反射鏡面18内面で反射されて、集光加熱焦点Fに集光される。また、レーザー導入孔16a、16bからのレーザー光も、集光加熱焦点Fに向かって発射される。したがって、集光加熱焦点Fに試料を配置することにより、試料が加熱されて高温となるが、その周囲は加熱されていないので、集光加熱焦点Fから遠ざかるにつれて、急激に温度が低下する。また、加熱光源20a、20bの出力を調整することにより、単結晶育成用原料棒24と種結晶25における融帯近傍の温度勾配を調節できる。
【0017】
反射鏡面18で囲まれた内部には、単結晶育成用原料棒24及び種結晶25を保持するための上軸22a及び下軸22bが、集光加熱焦点Fを間に挟んで対抗して配置され、上軸移動装置23a及び下軸移動装置23bに取り付けられる。上軸移動装置23a及び下軸移動装置23bは、上軸22a及び下軸22bを移動させる。
【0018】
上軸22aの端部には、単結晶育成用原料棒24が固定される。また、下軸22bの端部には、種結晶25が固定される。このように原料棒24と種結晶25とを保持することにより、両者が突き合わされることになる。また、上軸22a、下軸22b、単結晶育成用原料棒24、種結晶25及び育成される単結晶は、石英チューブ27内に収納されている。
【0019】
(実施例)
上記の図1(a)、図1(b)に示した単結晶育成装置10を用いてSSFZ法によりYIG単結晶を育成した。
【0020】
単結晶育成用原料棒24には、(Y3-aAa)(Fe5-b-cBb)O12-αの組成において、置換元素AにCe、置換元素BにAlを選び、表1に示すように、Alの値bを0.5、cの値を0.025とし、Ceの値aを0〜0.8の範囲で変化させたものを用いた。なお、表中、試料番号に*印を付したものは本発明の範囲外である。
【0021】
【表1】
【0022】
種結晶25には、<110>方位YIG単結晶を用い、種結晶25を下軸22bの上端に固定し、また、単結晶育成用原料棒24は上軸22aの下端に固定した。そして、単結晶育成用原料棒24が種結晶25に対向した端部を集光加熱焦点Fに配置して、主加熱装置及び補助加熱装置により加熱溶融させ、これに種結晶25の端部を当接させ接合した。
【0023】
次に、加熱を中止して上軸22a及び下軸22bを同期させて移動させ、集光加熱焦点Fに単結晶育成用原料棒24の接合部と反対側の端部を持ってきた。この端部を加熱溶融して融帯(図示せず)を形成した。続いて、上軸22a及び下軸22bを同期させて移動させ、融帯を単結晶育成用原料棒24と種結晶25との接合部へ移動させた。そして、融帯を種結晶25に接触させて種付けを行い、この段階で、充分な種付けを行うために、融帯を単結晶育成用原料棒24と種結晶25との接合部に一定時間停止させた。
【0024】
次に、融帯を単結晶育成用原料棒24の接合部から他端側へと移動させ、加熱溶融と冷却凝固を連続的に行うことにより、表1に示す育成速度(融帯の移動速度)で、方位制御を行いながら、直径1.0mmのファイバー状のYIG単結晶を育成した。
【0025】
このようにして得られたYIG単結晶の試料を、X線極点図測定(ポールフィギャー)により、方位制御性を調べ、単結晶になっているかどうかを確認した。また、波長1.55μmでファラデー回転角を測定した。
【0026】
以上の測定結果を表1に示す。なお、表中、方位制御性欄の○印は、育成軸方向が誤差範囲内で種結晶と同様になっていたことを示す。また、単結晶性欄の○印は、単結晶育成用原料棒と同じ組成で単相のYIGが得られたことを示す。
【0027】
その結果、試料番号4に示すように、置換元素Ceの値aが0.5を超えると、Ceの固溶限界を超えるのでYIG中には置換されず、析出物(インクルージョン)を含んだものが得られた。しかしながら、aの値が0.5以下の試料番号1〜3では、30mm/時間という速い育成速度でも、種結晶と同じ<110>方位に制御された、単結晶育成用原料棒と同じ組成の単結晶が得られた。そして、ファラデー回転角は、aの値が0.3の試料番号2は−900deg・cm-1、aの値が0.5の試料番号3は−1400deg・cm-1であり、YがCeで置換されていることがわかった。したがって、aの値は、0≦a≦0.5であることが好ましい。
【0028】
次に、単結晶育成用原料棒24に、(Y3-aAa)(Fe5-b-cBb)O12-αの組成において、置換元素AにLa、置換元素BにGaを選び、表2に示すように、Laの値aを0.1、cの値を0.025とし、Gaの値bを0〜1.5の範囲で変化させたものを用いた。なお、表中、試料番号に*印を付したものは本発明の範囲外である。
【0029】
【表2】
【0030】
種結晶25には、<100>方位YIG単結晶を用い、表2に示す育成速度で、前述と同様にして、方位制御を行いながら、直径0.5mmのファイバー状のYIG単結晶を育成した。
【0031】
得られたYIG単結晶の試料を、前述と同様にして、方位制御性と単結晶性を確認し、また、飽和磁化(Ms)をVSM法で測定した。
【0032】
以上の測定結果を表2に示す。なお、表中、方位制御性欄の○印、及び単結晶性欄の○印は、表1と同じ内容を示す。
【0033】
その結果、試料番号8に示すように、置換元素Gaの値bが1.0を超えると、Gaの固溶限界を超えるのでYIG中には置換されず、析出物(インクルージョン)を含んだものが得られた。しかしながら、bの値が1.0以下の試料番号5〜7では、30mm/時間という速い育成速度でも、種結晶と同じ<100>方位に制御された、単結晶育成用原料棒と同じ組成の単結晶が得られた。また、飽和磁化(Ms)は、Gaの値bの増加に伴ってMsが減少しており、FeがGaで置換されていることがわかった。したがって、bの値は、0≦b≦1.0であることが好ましい。
【0034】
次に、単結晶育成用原料棒24に、(Y3-aAa)(Fe5-b-cBb)O12-αの組成において、置換元素Aは用いず、置換元素BにGaを選び、表3に示すように、Gaの値bを0と0.4、また、cの値を0〜0.25の範囲で変化させたものを用いた。なお、表中、試料番号に*印を付したものは本発明の範囲外である。
【0035】
【表3】
【0036】
種結晶25には、<111>方位YIG単結晶を用い、表3に示す育成速度で、前述と同様にして、方位制御を行いながら、直径0.5mmのファイバー状のYIG単結晶を育成した。
【0037】
得られたYIG単結晶の試料を、前述と同様にして、方位制御性と単結晶性を確認し、また、ESR装置を用いてFMR測定により、ΔHを測定した。このΔHの測定は、試料を直径0.5mm、長さ1mmの大きさに切断し、育成軸方向に直流磁場を印加し、さらに、電磁波を直流磁場に対して垂直方向から印加して測定した。
【0038】
以上の測定結果を表3に示す。なお、表中、方位制御性欄の○印、及び単結晶性欄の○印は、表1と同じ内容を示す。また、ΔH欄の×印はFMRピークが出現しなかったことを示す。
【0039】
その結果、20〜30mm/時間という速い育成速度において、試料番号9、12に示すように、cの値が0では、方位制御性や単結晶性が得られなかった。また、試料番号16に示すように、cの値が0.15を超えると、組成ずれを起こして単層の単結晶が得られなかった。しかしながら、cの値が0<c≦0.15の範囲にある試料番号10、11、13〜15では、20〜30mm/時間という速い育成速度でも、方位制御性と単結晶性が確保されていた。また、強磁性共鳴半値幅(ΔH)の値は小さいほうが損失は少なく、デバイスとして好ましいが、本発明の単結晶では、ΔHが1000A/m以下のものが得られ、磁気特性に優れた単結晶が得られることがわかった。したがって、cの値は0<c≦0.15であることが好ましい。
【0040】
本発明において重要な点は、(Y3-aAa)(Fe5-b-cBb)O12-αの組成におけるcの存在であり、Feサイトをcで表される分だけ化学量論より少なくし、また、化学的中性条件を達成するために、酸素の組成比をαで表される分だけ少なくした。(例えば、Feが三価でcの値が0.15のとき、二価の酸素はαの値が0.225と計算されるが、Feが三価でなく二価である場合、αの値は変化する。)このような単結晶育成用原料棒を用いることで、単結晶の育成速度を従来の10mm/時間を超えて速くしても、良好な磁気特性、種結晶と同じ方位性、原料棒と同じ組成を有する単結晶が得られる。
【0041】
なお、本実施例で用いた単結晶育成用原料棒は、あらかじめ焼結された多結晶セラミック棒であり、できるだけ焼結密度の高いものがよく、焼結相対密度は90%以上あることが好ましい。また、融帯は部分的に融解された原料棒が表面張力で未融解の原料棒間で保持されている部分であり、この融帯の移動方法は熱源を移動させる方法、また、融帯を含む原料棒を移動させる方法のいずれの方法を用いてもよい。
【0042】
また、本実施例では、置換元素AにCe、Laを、置換元素BにAl、Gaを用いたが、本発明はこれらの元素に限られるものではない。置換元素AにCe、La以外のランタノイド系希土類元素(Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc及びY)、置換元素BにAl、Ga以外のIn、Scを用いても本実施例と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、本実施例では、直径が0.5mmまたは1.0mmのファイバー状のYIG単結晶を育成するために、SSFZ法を用いたが、本発明はファイバー状と呼ばれる細径の単結晶に限らなければ、SSFZ法以外のFZ法を用いても、本実施例と同様なYIG単結晶を作製することができる。そして、原料棒の形状は、育成する単結晶の断面形状に応じて、丸棒状、角棒状、板状その他の形状のものを用いることが可能である。
【0044】
また、原料棒の融解に必要な主たるエネルギーは、非接触で部分加熱が容易なレーザー光、すなわち、CO2ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー等を用いることが好ましい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、FZ法による単結晶の育成において、育成速度を速くしても、方位制御性と強磁性共鳴半値幅(ΔH)の小さい良好な磁気特性とを兼ね備えたYIG系の磁性単結晶が得られる。そして、生産性が向上するとともに安価な磁性単結晶を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)レーザー光加熱による単結晶育成装置の一例を示す示す正面断面図である。
(b)同装置の平面断面図である。
【符号の説明】
10 単結晶育成装置
12a、12b レーザー発振装置
14a、14b 光ファイバー
16a、16b レーザー導入孔
17 筐体
18 反射鏡面
20a、20b 加熱光源
F 集光加熱焦点
22a 上軸
22b 下軸
23a 上軸移動装置
23b 下軸移動装置
24 単結晶育成用原料棒
25 種結晶
27 石英チューブ
Claims (2)
- 組成が(Y3-aAa)(Fe5-b-cBb)O12-α(但し、Aはランタノイド系希土類から選ばれる少なくとも1種以上の元素、BはGa、Al、In及びScの中から選ばれる少なくとも1種以上の元素、cはFe組成を化学量論的組成比よりも少なくする値、αは酸素の組成比を少なくして化学的中性条件を満足させる値を表し、0≦a≦0.5、0≦b≦1.0、0<c≦0.15、0<αである。)で表されることを特徴とする、磁性単結晶育成用原料棒。
- 組成が(Y3-aAa)(Fe5-b-cBb)O12-α(但し、Aはランタノイド系希土類から選ばれる少なくとも1種以上の元素、BはGa、Al、In及びScの中から選ばれる少なくとも1種以上の元素、cはFe組成を化学量論的組成比よりも少なくする値、αは酸素の組成比を少なくして化学的中性条件を満足させる値を表し、0≦a≦0.5、0≦b≦1.0、0<c≦0.15、0<αである。)で表されることを特徴とする、磁性単結晶。
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