JP5276640B2 - 1μm帯光アイソレータ - Google Patents

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Description

本発明は、約1μmの波長帯域において使用される光アイソレータに関する。この光アイソレータは、産業用レーザの分野で加工又はマーキング用途等に用いられ、高出力レーザと共に好適に使用される。
従来から、切断、溶接、マーキング等の用途に使用する産業用レーザ加工機には、CO2レーザ(10.6μm)又はランプ励起式YAGレーザ(1μm)が使用されてきた。
近年、その加工性能に対する要求が一層厳しくなり、より高精度かつ高出力、長寿命化がレーザ加工機に求められるようになっている。そのような市場要求の中で注目を浴びているのがファイバーレーザである。ファイバーレーザは、光路がすべて光ファイバで構成され、レーザダイオード(LD)光源から発振した1μm帯の光を、イッテルビウム(Yb)などの希土類元素をドーピングしたファイバにより増幅することにより、高精度かつ高出力なレーザ光をファイバ出力できるという特徴を持つ。同波長帯のランプ励起式YAGレーザと比較すると、ファイバーレーザは、励起光の変換効率が高く、放熱性に優れているため空冷でよく、ランプ励起が不要であることから、低消費電力・高出力化・長寿命という長所を理由に注目されている。
しかしながら、ファイバーレーザは、その発光スペクトルが狭くて変換効率に優れるという特徴を持つが、その反面、反射光による戻り光に対しては非常に敏感であり、光ファイバヘの結合端面や高反射率の金属面からの反射光が戻ると特性が不安定状態になり、ひいては高出力な発光のためにLD光源部が破損してしまうという危険性がある。よって、ファイバーレーザの安定動作の為には、反射光が発光光源である発光素子へ戻るのを防止するため、発光光源と加工体との間に、順方向の光を透過し、逆方向の光を遮断する機能を有する光アイソレータ(an optical isolator)を配置し、光ファイバから発光光源へ反射して戻ってくる光を遮断することが不可欠となる(特許文献1)。
ここで、光アイソレータは、ファラディ回転子と、ファラディ回転子の光入射側及び光出射側に配置された一対の偏光子と、ファラディ回転子の光透過方向(光軸方向)に磁界を印加するマグネットと、の3つの主要部品から構成される。この形態で光がファラディ回転子に入射するとファラディ回転子の中で偏光面が回転するという現象が生じる。これはファラディ効果と呼ばれる現象であり、偏光面が回転する角度をファラディ回転角と称し、その大きさθは次式で表される。
θ=V×H×L
Vはベルデ定数でファラディ回転子の材料および測定波長で決まる定数であり、Hは磁束密度、Lはファラディ回転子の長さである。この式から解るように、ある一定の大きさのベルデ定数を持つ回転子において、所望のファラディ回転角を得ようとすると、ファラディ回転子に印可する磁界が大きいほど回転子長を短くすることができ、回転子長が長いほど磁束密度を小さくすることできる。
特許文献1には、液相エピタキシャル法で育成された特定の組成の結晶体からなるファラディ回転子及びこれを用いた光アイソレータが開示されている。
また、一般的に光アイソレータの機能を有するためには、45度程度のファラディ回転角が必要となる。具体的に、光アイソレータに入射された光は、その偏光面をファラディ回転子により45度回転されて各々角度調整された入出射偏光子を透過する。一方、戻り光はファラディ回転子の非相反性を利用して、逆方向に偏光面を45度回転され入射偏光子と90度の直行偏光面となり、透過できなくなる。光アイソレータは、この現象を利用して光を単一方向にのみ透過させ、反射して戻ってくる光を阻止するものである。
特開平6−324294号公報
従来から使用されている光アイソレータでは、例えばテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGG)結晶のようなファラディ回転子を使用している。TGGのベルデ定数は、波長1.06μmにおいて0.135min/(Oe・cm)程度であるため、そのファラディ回転角45度を満たすためには、少なくとも2.0cm程度の長さが必要であった。このため、ファラディ回転子に与える磁束密度を大きくするために、その周囲のマグネット形状を大きくする必要があり、光アイソレータ全体の大きさも大きくならざるを得なかった。その結果、光デバイス内における設計上の制限が生じたり、また光アイソレータ外部への漏洩磁場も大きくなり、取扱いが困難であった。なお、1分(min)は1/60度を表す。
本発明が解決しようとする課題は、小型化した光アイソレータを提供することである。特に、レーザ加工用等の用途に使用される高出力レーザ、例えばファイバーレーザに使用される光アイソレータとして好適な小型光アイソレータを提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、ファラディ効果が大きいファラディ回転子を使用し、かつ、小さな外形のマグネットと組み合わせた光アイソレータを提供することである。本発明の他の課題は、以下の説明から明らかになるであろう。
上記の諸課題は、以下の手段(1)により達成された。好ましい実施形態(2)〜(10)と共に列記する。
(1)波長1.06μmにおけるベルデ定数が0.27min/(Oe・cm)以上のファラディ回転子と、前記ファラディ回転子の外周に配置される第1の中空マグネット並びに第1の中空マグネットを光軸上で挟んで配置された第2及び第3の中空マグネットユニットと、を備え、第2及び第3の中空マグネットユニットは、光軸に対し90度方向に等分割された2以上のマグネットから構成され、前記ファラディ回転子に印加される磁束密度B(Oe)は下記式(1)の範囲内にあり、前記ファラディ回転子が配置される光路長L(cm)は下記式(2)の範囲内にある、ことを特徴とする1μm帯光アイソレータ、
0.5×104≦B≦1.5×104 (1)
0.70≦L≦1.10 (2)
(2)前記ファラディ回転子が、下記式(I)で表される酸化物を99重量%以上含有する、(1)に記載の光アイソレータ、
(Tbx1-x23 (I)
(式(I)中、xは、0.5≦x≦1.0であり、Rは、スカンジウム、イットリウム、テルビウム以外のランタノイド元素群よりなる集合から選択された少なくとも1つの元素を含む。)
(3)前記酸化物が単結晶である、(2)に記載の光アイソレータ、
(4)前記酸化物がセラミックスである、(2)に記載の光アイソレータ、
(5)前記ファラディ回転子が、光路長L(cm)において、1dB以下の挿入損失と25dB以上の消光比を有する、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の光アイソレータ、
(6)第1の中空マグネット、並びに、第2及び第3の中空マグネットユニットが、ネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)系磁石からなる、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の光アイソレータ、
(7)第1の中空マグネットの磁界極性を光軸方向とし、第2及び第3の中空マグネットユニットの磁界極性を光軸法線方向において互いに反対とした、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の光アイソレータ、
(8)さらに2枚以上の平板複屈折結晶及び1枚以上の45度旋光子を具備した、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の光アイソレータ、
(9)前記平板複屈折結晶の光学軸は光軸に対しほぼ45度方向であり、厚みが1.0cm以上である、(8)に記載の光アイソレータ、
(10)第1の中空マグネット、第2の中空マグネットユニット及び第3の中空マグネットユニットが炭素鋼筐体の内部に搭載された、(1)〜(9)のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
本発明においては、ベルデ定数の大きいファラディ回転子と、磁束密度の大きいマグネット材及び磁気回路を用いることにより、光アイソレータの小型化が達成できた。
本発明に使用するファラディ回転子は、TGG結晶のような従来の回転子と比べて、2倍以上のベルデ定数を有するので、光路長の短いファラディ回転子とすることができた。このファラディ回転子に磁束密度の大きいマグネット材及び磁気回路を用いることにより、光アイソレータの小型化を可能とした。このために、光アイソレータを組み込むデバイス内の空間的寸法の自由度を大きくすることができた。また、ファラディ回転子の光路長を1/2程度に短くできるので、高出力レーザにより懸念されるファラディ回転子の光損傷を減少させることができる。
上記の(7)に記載の発明により、ファラディ回転子に印可される磁束密度を高め、一層の小型化が達成できた。
上記の(8)に記載の発明により、小型化に加えて偏光無依存化を達成することができた。
本発明の光アイソレータの構成例を示す断面模式図である。 第2の中空マグネットユニット8及び第3の中空マグネットユニット9の断面模式図である。 光アイソレータ内における入力光と戻り光の偏光面の挙動を光軸に沿って示す模式図である。 実施例1〜3及び比較例1において使用するファラディ回転子の光路長L(0.7〜1.1cm)に対する、ファラディ回転角が45度となる磁束密度T(104Oe)の大きさを示した図である。 有限要素法に基づく、NdFeB系マグネットの形状解析結果を示す図である。 ファラディ回転子として使用する酸化物単結晶の製造に使用されるフローティングゾーン法装置の一例を示す断面図である。 ファラディ回転子として使用する酸化物単結晶の製造に使用されるマイクロ引下げ法の一例を示す説明図である。
本発明の光アイソレータは、波長1.06μmにおけるベルデ定数が0.27min/(Oe・cm)以上のファラディ回転子と、前記ファラディ回転子の外周に配置される第1の中空マグネット並びに第1の中空マグネットを光軸上で挟んで配置された第2及び第3の中空マグネットユニットと、を備え、第2及び第3の中空マグネットユニットは、光軸に対し90度方向に等分割された2以上のマグネットから構成され、前記ファラディ回転子に印加される磁束密度B(Oe)は下記式(1)の範囲内にあり、前記ファラディ回転子が配置される光路長L(cm)は下記式(2)の範囲内にある、ことを特徴とする。
0.5×104≦B≦1.5×104 (1)
0.70≦L≦1.10 (2)
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のアイソレータは、0.90〜1.10μmの波長帯域のレーザ光に好ましく使用される。このようなレーザには、ランプ励起式YAGレーザが含まれる。
なお、当業者は、本発明のアイソレータを上記以外の波長帯域のレーザ光に設計変更することができる。
本発明の光アイソレータの基本的な構成例を、以下図面を参照して説明する。
図1は、本発明の光アイソレータの構成例を示す断面模式図である。
図1において、入射偏光子1、ファラディ回転子4、及び出射偏光子6が、左側の入射側から右側の出射側に向う光軸12上に、順次配置されている。
図1において、入射偏光子1は楔ガラス2により、また、出射偏光子6は楔ガラス2により光軸12上に固定されている。入射側で入射偏光子1は、偏光子ホルダ3に固定され、出射側では45度旋光子と出射偏光子6が偏光子ホルダ3に固定されている。また、光学軸11を入射偏光子1及び出射偏光子6に示した。
ファラディ回転子4の形状は特に限定されず、三角柱状、四角柱状でもよいが、円筒状であることが好ましい。以下に円筒状のファラディ回転子を例にとり説明する。
このファラディ回転子4の外周には、第1の中空マグネット7並びに第1の中空マグネットを光軸上で挟んで、第2の中空マグネットユニット8及び第3の中空マグネットユニット9が配置されている。ファラディ回転子4が円筒状の場合、第1の中空マグネット7並びに第2の中空マグネットユニット8及び第3の中空マグネットユニット9はいずれも中空円筒状であることが好ましく、ファラディ回転子4の中心軸及び第1の中空マグネット7の中空部と二つの中空マグネットユニット8,9の中空部の中心軸は同軸であることが好ましい。また、ファラディ回転子4の外径と、第1の中空マグネット7の中空部の内径と、二つの中空マグネットユニット8,9の中空部の内径はほぼ同じであり、光アイソレータを組み立てた後に調芯とすることが好ましい。この配置により、ファラディ回転子4を第1の中空マグネット7の中心に配置される。
第1の中空マグネット7と、第2の中空マグネットユニット8及び第3の中空マグネットユニット9とは、これらの中空部が光軸と同軸になるように配置されている。これらの2つの中空マグネットユニット8,9は、いずれも、光軸に対し90度方向に2以上に等分割された複数のマグネットの集合体である。
図2は、2つの中空マグネットユニット8,9の一実施形態を示す断面模式図である。両中空マグネットユニット共に、円筒マグネットを90度に4分割した4個のマグネットの集合体となっている。4分割したマグネットユニット(集合体)は、加工適性に優れるので好ましい。この4分割マグネットユニットの態様の他に、180度に2分割された2個のマグネットの集合体や、120度に3分割された3個のマグネットの集合体でもよい。
図2に示すように、第2の中空マグネットユニット8及び第3の中空マグネットユニット9は、それぞれ、筐体10の内部に収納されている。
図2に示す実施形態において、円筒マグネットを4分割したマグネットは、その磁界極性は外周方向となっている。この場合、各々のマグネットは相互に反磁力を持ち合わせるので、組み合わせたマグネットユニットの外周外径と筐体10の内径をマグネットユニットが挿入できるようにほぼ一致させると、各々の反磁力のみで筐体10の内部に固定することができる。この固定法を利用すれば、第2の中空マグネットユニット8と第3の中空マグネットユニット9を両側の押さえとして、第1の中空マグネット7を隙間無く固定することができるので、構成するマグネット全体の固定が接着剤等を必要としない信頼性の高い実装とすることができる。
本発明の光アイソレータは、波長1.06μmにおけるベルデ定数が0.27min/(Oe・cm)以上のファラディ回転子を有する。このファラディ回転子について説明する。
本発明に用いることができるファラディ回転子は、波長1.06μmでのベルデ定数が0.27min/(Oe・cm)以上である。ベルデ定数は0.27min/(Oe・cm)以上であれば特に限定されないが、大きいベルデ定数を有することが好ましい。ベルデ定数が0.27min/(Oe・cm)未満であると、ファラディ回転角を45度とするために必要なファラディ回転子の長さが長くなり、光アイソレータを小型化することが困難である。
また、ファラディ回転子の波長1.06μmでのベルデ定数は、製造の容易性の観点から、0.36min/(Oe・cm)以下であることが好ましい。
本発明において、ベルデ定数は、定法に従い測定すればよく、特に限定されない。
具体的には、所定の厚さの酸化物を切り出し、鏡面研磨仕上げを行い、磁束密度の大きさが既知の永久磁石にファラディ回転子をセットし、波長1.06μmにおけるベルデ定数を測定する。また、測定条件は25±10℃とし、大気中で測定を行う。
本発明の光アイソレータにおいて、前記ファラディ回転子が配置される光路長L(cm)は下記式(2)の範囲内にある。
0.70≦L≦1.10 (2)
光路長が1.10cmを超えると、アイソレータの小型化が難しくなり、0.70cm未満であると所望のファラディ回転角を得るための磁束密度の大きさが大きくなり、やはりアイソレータの小型化が難しくなる。
本発明に用いるファラディ回転子は、下記式(I)で表される酸化物を99重量%以上含有することが好ましい。
(Tbx1-x23 (I)
(式(I)中、xは、0.5≦x≦1.0であり、Rは、スカンジウム、イットリウム、Tb以外のランタノイド元素群よりなる集合から選択された少なくとも1つの元素を含む。)
上記の酸化物の含有量は、99.9重量%以上であることが好ましく、99.99重量%以上であることがより好ましい。
式(I)中、Rは、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ユウロピウム、ガドリニウム及びルテチウムよりなる群から選ばれた少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。
ここで、Rは一種単独であってもよいし、複数のRが任意の比率で含まれていてもよく、特に限定されない。
これらの中でも、原料が入手容易であるという観点から、Rとしては、イットリウム、ガドリニウム及びルテチウムが好ましく、より好ましくはイットリウムである。
式(I)中、xは0.5以上1.0以下である。すなわち、式(I)で表される酸化物は、モル比換算でTb23を40モル%以上含有する。
xは、0.5以上1.0未満であることが好ましく、0.5以上0.8以下であることがより好ましく、0.5以上0.75以下であることがさらに好ましい。xが上記範囲内であると高いベルデ定数が得られ、さらに、透明性に優れるので好ましい。特にxが0.8以下であると、結晶育成後の冷却中のクラックの発生が抑制され、結晶の白濁が抑制されるので好ましい。
また、前記式(I)で表される酸化物は、固溶体であることが好ましい。
なお、本実施形態において、「固溶体」とは、原料粉末である酸化テルビウムの結晶層の格子点にあるテルビウムが、全く不規則に別種の元素(例えば、イットリウム等)と置換している状態を意味する。したがって、単結晶、多結晶、及び、焼結により作製された多結晶であるセラミックス等を包含するものである。
これらの中でも、前記式(I)で表される酸化物は、単結晶又はセラミックスであることが好ましく、単結晶であることがより好ましい。
本発明に用いることができるファラディ回転子が含有しうるその他の成分としては、アルカリ土類金属の酸化物、第13族元素の酸化物、第14族元素の酸化物、その他第4族元素、第5族元素(V,Nb,Taなど)、第6族元素(Mo,Wなど)、及び第17族元素(F,Cl,Brなど)の酸化物よりなる群から選択される金属酸化物が好ましい。
本発明に用いることができるファラディ回転子は、アルカリ土類金属、第13族元素、第14族元素、第4族元素、第5族元素(V,Nb,Taなど)、第6族元素(Mo,Wなど)、第17族元素(F,Cl,Brなど)のうち1つまたは2つ以上の元素の酸化物を0.0001重量%以上1.0重量%未満含有することが好ましい。
これらの酸化物の含有量は、本発明の酸化物に対して、0.000001重量%以上1.0重量%未満であることが好ましく、0.00001〜0.1重量%であることがより好ましく、0.0001〜0.01重量%であることがさらに好ましい。
アルカリ土類金属の酸化物として具体的には、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウムが例示され、13族元素の酸化物としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ガリウムが例示され、14族元素の酸化物としては酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化スズが例示され、4族元素の酸化物としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウムが例示される。
上記の金属酸化物は、例えば、単結晶作製の際に添加するドーパントや、セラミックス作製時に添加する焼結助剤の残留物として含有される。
単結晶作製の際に添加する、ドーパントとしては、アルカリ土類金属の酸化物が好適であり、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等が好ましい。これらの酸化物は、ファラディ回転子全体に対して、0.000001重量%以上1.0重量%未満含有することが好ましく、0.00001〜0.1重量%含有することがより好ましく、0.0001〜0.01重量%含有することがさらに好ましい。
焼結助剤としては、炭酸マグネシウムなどのアルカリ土類金属の炭酸塩、アルミナ、酸化ガリウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム等が例示できる。なお、例えばアルカリ土類金属の炭酸塩を焼結助剤として使用した場合、得られる酸化物においては、焼結によって酸化されており、アルカリ土類金属の酸化物として含有される。
アルカリ土類金属の酸化物の含有量は、ファラディ回転子全体の0.00001〜1.0重量%であることが好ましく、0.0001〜0.1重量%であることがより好ましく、0.0001〜0.01重量%であることがさらに好ましい。
酸化物単結晶及びセラミックス等のファラディ回転子又はその材料の製造時に、副成分が混入する場合があり、例えば、坩堝の構成成分が混入する場合が挙げられる。本発明の酸化物は、これらの意図しない副成分の混入を排除するものではないが、その混入量は、上記その他の成分と合計して、1重量%未満であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましく、0.01重量%以下であることが特に好ましい。
−単結晶−
本発明に用いることができるファラディ回転子は、前記式(I)で表される酸化物の単結晶を用いることができる。
酸化物結晶を作製する方法しては、特に限定されないが、フローティングゾーンメルト法、マイクロ引下げ法、引上げ法、スカルメルト法、及び、ブリッジマン法が例示される。これらの各方法については、「バルク単結晶の最新技術と応用開発」(福田承生監修、シーエムシー出版、2006年3月)、「結晶成長ハンドブック」(「日本結晶成長学会「結晶成長ハンドブック」編集委員会編、共立出版株式会社、1995年9月」に詳しい。
酸化物単結晶の作製においては、上述したように、安定に結晶化させる目的で、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)を0.001〜0.01重量%ドーピングすることも好ましい。
以下、代表的な製造方法について詳述する。
<フローティングゾーン法>
フローティングゾーン法にて酸化物単結晶を作製する一実施態様を記載する。
フローティングゾーン法による単結晶の製造方法としては、例えば、特開昭62−271385号公報を参照することができる。
先ず原料として、高純度(好ましくは99.9重量%以上)の粉末原料(Tb23及びRe23並びにその他の成分)を用意し、これを混合して、混合粉末を調製する。Reは、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ユウロピウム、ガドリニウム、及び、ルテチウムよりなる群から選択されることが好ましい。
製造に供する混合粉末及びその成形体の調製については後述する。
以下、図6を参照して光学式フローティングゾーン法の一例である、キセノンランプフローティングゾーン法(キセノンランプFZ法)について詳述する。
なお、以下の説明において、特に断りのない限り、同一の符号は同一の対象を意味する。
図6は、キセノンランプFZ法に使用されるキセノンランプFZ装置100の構成を示す概念断面図である。キセノンランプFZ装置100は、溶融用のキセノンランプ120光源と楕円体鏡130を設けた構成になっており、楕円体鏡130は2つの楕円体を無端状に繋げた形状に形成されており、キセノンランプ120から試料に集光して加熱融解することができる。図1において、キセノンランプFZ装置100は、内部が中空で試料を入れる石英管140と、2つのキセノンランプが1つの楕円体鏡130内にある。楕円体鏡130を形成する2つの楕円体はそれぞれ2つの焦点を有しており、楕円体鏡130としては、計4つの焦点を有している。楕円体鏡130の4つの焦点のうち、2つの焦点は重なっており、石英管140は、この重なった点を通るように置かれている。また、2つのキセノンランプ120の軸心は、楕円体鏡130の4つの焦点のうち、残り2つの焦点をそれぞれ通るように置かれている。
楕円体鏡130内側は、鏡面処理が施されている。キセノンランプ120から照射されたキセノン光は、鏡面処理された楕円体鏡130に反射して、軸心部の石英管140にほぼ全方向から入射される。光源には、キセノンランプ以外にハロゲンランプを用いることができるが、キセノンランプは、到達温度を高くでき、集光度をシャープにできるので、温度勾配を急峻にできる利点がある。
石英管140内には、回転可能な上シャフト110と上シャフト110の下端から下方に隔てられて配置された下シャフト112とを有する。上シャフト110と下シャフト112は、石英管140内で上下移動が可能である。石英管140は、結晶成長させるための雰囲気制御が可能になっている。上シャフト110に原料棒として、原料の成形体を取り付ける。また下シャフトは、種結晶となる材料を取り付けるのが望ましいが、原料の成形体や原料の焼結体を取り付けてもよい。ここで、上シャフトに取り付けた原料成形体をフィードロッド114、下シャフトに取り付けた原料の成形体、焼結体又は種結晶になる材料をシードロッド116という。
図6において、石英管140は、図示しない一端から他端に向けて、アルゴンガスと数%の水素ガスを入れて陽圧にすることが好ましい。これは、1つには石英管140外部から大気が侵入しないようにするためであり、もう1つは、結晶育成時に原料棒(フィードロッド114)に含まれる酸化テルビウムが酸化されないようにするためである。
次に上下シャフト110、112に、それぞれフィードロッド114及びシードロッド116を取り付けた後、各端部がお互いに接近する状態で配置し、この状態で、フィードロッド114の下端とシードロッド112の上端とが両方溶解し始める温度までキセノンランプ120の出力を上げる。そしてそれぞれのロッドをお互いに逆回転しながら近づける。なおこれら2つのロッドを回転しなくても構わない。この状態で、2つのロッドを接触させて融液部分を形成させる。このとき、形成した融液部分が、表面張力で融液形状を適正に保てるように、キセノンランプ120の出力を微調整しながら、シードロッド116とフィードロッド114をゆっくり降下していく。それによって、所定の組成の結晶が、融液部分の下部、すなわちシードロッド116の上部に形成されていく。シードロッド116とフィードロッド114の降下速度を同じにすれば、結晶体が育成されていく。所望の長さ、あるいは、シードロッド116が消費されたら、ロッドの降下を停止し、ゆっくりキセノンランプ120の出力を下げて温度を下げていくと、透明な結晶体を得ることができる。
なお、フローティングゾーン法において、得られた結晶は、温度勾配が強い条件で育成されているので、成長時の熱歪が残っており、結晶を切断するときに、クラックが生じる場合がある。そのため、結晶成長後、カーボン炉などを用いて、カーボン容器に、結晶を入れて、1,200℃以上の不活性雰囲気もしくは還元雰囲気でアニールして、熱歪を除去しておくことが好ましい。このときのアニール温度は特に限定されないが、1,200〜2,200℃であることが好ましく、1,400〜2,200℃であることがより好ましく、1,600〜2,000℃であることがさらに好ましい。また、アニール時間は特に限定されないが、1〜100時間であることが好ましく、5〜50時間であることがより好ましく、10〜50時間であることがさらに好ましい。
なお、得られた単結晶をアイソレータのファラディ回転子として使用する場合には、切断後、研磨剤等により表面に鏡面仕上げを施すことが好ましい。研磨剤は特に限定されないが、例えば、コロイダルシリカが例示される。
<マイクロ引下げ法>
酸化物単結晶の作製方法として、別の方法である、マイクロ引下げ法にて単結晶を作製する場合について以下に説明する。なお、マイクロ引下げ法については、特開2001−226196号公報を参照することができる。
先ず原料粉末を所望のモル比となるように、秤量する。装置に仕込む際に、上記粉末原料は十分に混合され、また、乾燥又は焼結されていればよく、公知の方法を適宜採用すればよい。混合粉末の調製方法については後述する。
次にマイクロ引下げ装置を用いて単結晶を育成する。
図7は、本実施形態に好適に使用されるマイクロ引下げ法の一例を示す説明図である。
マイクロ引下げ法に使用されるマイクロ引下げ装置200は、坩堝220と、坩堝底部に設けた細孔から流出する融液210に接触させる種を保持する種保持具260と、種保持具260を下方に移動させる移動機構(不図示)と、該移動機構の移動速度制御装置(不図示)と、坩堝220を加熱する誘導加熱装置250とを具備した単結晶成長装置である。なお、図7において、坩堝220の下部は、坩堝支持治具222により保持されており、また、坩堝220の外部には、保温筒230及び石英管240が設けられており、石英管240の外部から、誘導加熱装置250により坩堝220を加熱している。
該坩堝220は、耐熱性の観点からレニウム金属焼結体またはレニウム合金金属焼結体であることが好ましく、坩堝底部外周にレニウム金属焼結体またはレニウム合金金属焼結体からなる発熱体であるアフターヒーター(不図示)を配置することが好ましい。坩堝220及びアフターヒーターは、誘導加熱装置250の出力を調整することで、発熱量を調整でき、それによって、坩堝底部に設けた細孔から引き出される融液210の固液界面の加熱温度及び温度勾配を制御することができる。
この装置において、細孔を複数個設けて、融液が垂れ落ちない大きさ(好ましくは直径200〜300μm)とし、流下する融液が、種結晶もしくは焼結した同じ組成の原料を成形した焼結体を、接触する前に合流するように複数の細孔を配置することが好ましい。
この装置を用いて、上述の方法で準備した焼結原料を坩堝220にセットする。昇温する前に、炉内を不活性ガス雰囲気とすることが好ましく、高周波誘導加熱コイル(誘導加熱装置250)に高周波電力を徐々に印加することで、坩堝220を加熱して、坩堝220内の原料を完全に融解する。できれば融液210の組成が均一になるように、この状態で数時間保持しておくことが好ましい。
種結晶もしくは焼結成形棒を所定の速度で徐々に上昇させて、その先端を坩堝下端の細孔に接触させて充分になじませる。次いで、融液温度を調整しながら引き下げ軸を下降させることで結晶を成長させる。準備した材料が全て結晶化し、融液が無くなった時点で結晶成長は終了になる。成長した結晶は、アフターヒーターに保持された状態で、徐々に室温まで冷却することが好ましい。
−セラミックス(透明セラミックス)−
前記式(I)で表される酸化物は、波長1.06μmにおいて透明性が高く、かつ熱歪などの異方性が無ければ、多結晶であるセラミックス(本発明において、透明セラミックスともいう。)でもよい。なお、本発明において透明セラミックスとは、波長1.06μm、光路長0.3cmでの透過率が70%以上であるセラミックスを意味する。
単結晶を製造する場合は、融液状態になるよう、高温まで昇温しなくてはならず、酸化テルビウムは融点が約2,600℃、酸化イットリウムでは融点が約2,300℃であり、それら2つの固溶体の場合は、それらの中間温度まで昇温する必要があり、非常に高温まで昇温する必要がある。したがって、坩堝の中で溶融して単結晶を作製する場合は、坩堝の選定が、レニウム、タングステン、又はそれらの合金等と、非常に限られてしまう。
一方、透明セラミックスの場合は、その融点まで昇温する必要がなく、加圧焼結すれば、融点以下で、透明化することができる。焼結時に、焼結助剤を入れて、焼結密度を上げて、緻密化させることも可能である。
透明セラミックスの作製方法としては、従来公知の製造方法を適宜選択して使用することができ、特に限定されない。透明セラミックスの製造方法としては、熱間等方圧加圧処理する方法、固相法とプレス成形法とを組み合わせる方法、鋳型成形等を利用して真空焼結する方法等が例示され、池末明生著「光学単結晶から光学多結晶へ」応用物理、第75巻、第5号、579−583(2006)、柳谷高公、八木秀喜著「セラミックレーザー材料の現状と将来」レーザー研究、第36巻、第9号、544−548(2008年)等に記載されている。
以下、透明セラミックスの作製方法として、熱間等方圧加圧法(HIP(Hot Isostatic Pressing)を使用して透明セラミックスを作製する場合の一例について説明する。
先ず原料粉末(Tb23、R23及びその他の成分)の混合粉末を調製する。なお、混合粉末の調製方法については後述する。得られた混合粉末に、溶媒、結合剤、可塑剤、潤滑剤等を添加し、湿式混合してスラリー状とする。なお、このとき上述した焼結助剤を所定量、好ましくは原料全体の0.00001〜1.0重量%、より好ましくは0.0001〜0.1重量%、さらに好ましくは0.001〜0.01重量%添加することも好ましい。得られたスラリーをスプレードライヤーで処理して、乾燥させ、その後、成形する。成形は一段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。また、成形後、加熱(好ましくは400〜600℃)により脱脂処理を行うことも好ましい。
その後、真空炉で焼成を行うことが好ましい。焼成条件としては、1,600〜2,000℃であることが好ましく、1,700〜1,900℃であることがより好ましく、1,750〜1,850℃であることがさらに好ましい。焼成時間は1〜50時間であることが好ましく、2〜25時間であることがより好ましく、5〜20時間であることがさらに好ましい。このとき、好ましくは1,200℃程度までは昇温速度を100〜500℃/hr、より好ましくは200〜400℃/hr、さらに好ましくは250〜350℃/hrとし、それ以上の温度では、昇温速度を遅くすることが好ましく、25〜75℃/hrとすることがより好ましい。また、焼成時真空度は、1Pa以下であることが好ましく、1×10-1Pa以下であることがより好ましい。
また、上記の焼成の後、さらに透明性を上げるため、熱間等方圧加圧(HIP)法で処理を行う。処理温度は、前記焼成温度よりも高いことが好ましく、1,600〜2,000℃であることが好ましく、1,700〜1,900℃であることがより好ましく、1,750〜1,850℃であることがさらに好ましい。処理圧力は、10〜1,000MPaであることが好ましく、20〜500MPaであることがより好ましく、40〜200MPaであることがさらに好ましい。処理時間は特に限定されないが、50時間以下が好ましく、25時間以下がより好ましく、10時間以下がさらに好ましい。また、15分以上が好ましく、30分以上がより好ましく、1時間以上がさらに好ましい。
<混合粉末及び成形体の調製>
例えば、混合粉末及びその成形体(焼結体を含む)について所望のモル比となるように秤量し、前記の方法等により前記式(I)で表される酸化物の単結晶及び透明セラミックスを製造することができる。
粉末材料(Tb23、R23、及び、その他の成分)は、高純度のものを使用することが好ましく、純度99.9重量%以上であることが好ましく、99.99重量%以上であることがより好ましく、99.999重量%以上であることがさらに好ましい。なお、前記R23中のRは式(I)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
なお、酸化テルビウムとしてはTb23に限定されるものではなく、Tb47を使用することもできるが、得られる酸化物の結晶性に優れることから、Tb23を使用することが好ましい。
粉末材料を所望のモル比で秤量した後、乾式で混合してもよく、湿式で混合してもよく、特に限定されない。また、湿式又は乾式で混合した後、焼成処理を行ってもよく、焼成処理の後、さらに粉砕処理を行ってもよい。
具体的には、ボールミル等で乾式混合した後、混合粉末を不活性ガス雰囲気下で焼成する方法が例示できる。焼成温度及び焼成時間は特に限定されないが、焼成温度は600〜2,000℃であることが好ましく、800〜1,800℃であることがより好ましく、1,000〜1,800℃であることがさらに好ましい。不活性ガス雰囲気としては、希ガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気下が挙げられるが、アルゴン雰囲気下で焼成することが好ましい。また、焼成時間は特に限定されず、混合粉末の含水量や焼成温度に応じて適宜選択すればよいが、1〜100時間であることが好ましく、より好ましくは5〜50時間であり、さらに好ましくは10〜30時間である。また、焼成を行う場合には、焼成後にさらにボールミル等で粉砕混合することも好ましい。
また、混合粉末の平均粒子径の分布をシャープにし、さらに、高純度とする目的で、粉末材料を溶解して、再結晶化及び粉砕した後、原料粉末として使用してもよい。
具体的には、高純度(例えば99.9重量%以上)の原料粉末を用意し、Tb23:R23が所望のモル比になるように、秤量する。これらの原料粉末を濃度1mol/l硝酸水溶液として溶解し、それに濃度1mol/lの硫酸アンモニウム水溶液を混合し、さらに超純水を加えて、濃度を調整し、得られた水溶液を撹拌しながら、濃度0.5mol/lの炭酸水素アンモニウム水溶液を、一定の滴下速度でpH8になるまで滴下し、攪拌しながら室温で数日間放置し、その後、ろ過と超純水での洗浄を行って、150℃で数日間乾燥する方法が例示できる。得られた混合粉末を、アルミナ坩堝に入れて、窒素雰囲気もしくはアルゴン雰囲気などの不活性雰囲気で、好ましくは800〜1,500℃、より好ましくは1,000〜1,400℃、さらに好ましくは1,100〜1,200℃にて、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜7時間、さらに好ましくは2〜4時間仮焼きを行う。ここで、不活性雰囲気にするのは、酸化テルビウムの価数が変化しないようにするためである。
粉末材料をよく混合した後、混合物を成形機を用いて所望の形状及び大きさに成形してもよい。成形する形状は特に限定されず、使用する装置等に応じて適宜選択すればよく、例えば、円柱状に成形することが例示される。
粉末材料の成形方法としては、例えば、十分に乾式混合した粉末原料を、成形器により加圧成形する方法が例示できる。
また、粉末材料に有機バインダーを加えて、スラリー状にし、これを成形した後、焼成して焼結体とし、これを原料成形体として使用することもできる。焼結温度は、600〜2,000℃であることが好ましく、800〜1,800℃であることがより好ましく、1,000〜1,800℃であることがさらに好ましい。焼結雰囲気は、希ガス又は不活性ガス雰囲気であることが好ましく、アルゴン雰囲気であることがさらに好ましい。焼結時間は特に限定されないが、1〜100時間であることが好ましく、5〜50時間であることがより好ましく、10〜30時間であることがさらに好ましい。
また、HIP法にて透明セラミックスを製造する場合には、成形体を製造後、これをHIP法にて処理する。
具体的な成形体の製造方法としては、原料粉末に溶媒、結合剤(バインダー)、可塑剤、潤滑剤等を加えて湿式混合してスラリー状とする方法が例示できる。このとき、焼結助剤を所定量添加してもよい。成形体の製造方法としては特に限定されないが、例えば得られたスラリーをスプレードライヤーで処理して乾燥球状体を得る方法が例示される。
前記スラリーに使用する溶媒としては特に限定されないが、取扱いの容易さから、水又は低級アルコールが好ましく、水、メタノール、エタノールが好ましく例示され、特にメタノールが好ましい。また、結合剤として公知の結合剤から適宜選択すればよく特に限定されないが、ポリビニルアルコールが例示される。
可塑剤、潤滑剤についても特に限定されず、公知の可塑剤、潤滑剤から適宜選択すればよい。可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコールが例示され、潤滑剤の具体例としては、ステアリン酸が例示される。
前記乾燥球状体を、成形後、脱脂を行うことが好ましい。成形方法としては特に限定されず、公知の成形方法から適宜選択すればよい。また、成形は一段階で行ってもよく、多段階で行ってもよい。
脱脂は、加熱により行うことが好ましい。加熱温度は400〜600℃であることが好ましい。また、脱脂を行う際には、400℃までの加熱は大気中で行い、それより高い温度は、不活性雰囲気下で加熱を行うことが好ましい。
本発明に用いることができるファラディ回転子は、本発明の光アイソレータにおける前記光路長L(cm)において、1dB以下の挿入損失と25dB以上の消光比とを有することが好ましい。上記の範囲内であると、低損失かつ高アイソレーションの光学特性を有する光アイソレータの作製を可能にするという観点で好ましい。
なお、挿入損失及び消光比等の光学特性は、定法に従い、波長1.06μmにおいて測定する。なお、測定条件は25±10℃とし、大気中で測定を行う。
本発明に用いることができるファラディ回転子は、波長1.06μm、光路長Lcm(0.70≦L≦1.10)での透過率(光の透過率)が70%以上であることが好ましく、72%以上であることがより好ましく、75%以上であることがさらに好ましい。透過率は高いことが好ましく、その上限は特に限定されず、100%以下であればよい。
透過率は、波長1.06μmの光を厚さLcmのファラディ回転子に透過させた時の光の強度により測定される。すなわち、透過率は以下の式で表される。
透過率=I/Io×100
(上記式中、Iは透過光強度(厚さLcmの試料を透過した光の強度)、Ioは入射光強度を表す。)
なお、得られる酸化物の透過率が均一ではなく、測定箇所によって透過率に変動がある場合には、任意の10点の平均透過率をもって、該酸化物の透過率とする。
本発明のアイソレータにおいて、第1の中空マグネット並びに第2の中空マグネットユニット及び第3の中空マグネットユニットを含む中空マグネットユニット群について説明を追加する。
第1の中空マグネット並びに第2及び第3の中空マグネットユニットは、いずれも、可能な限り小型な永久磁石とすることが好ましく、かつ大きな磁場強度を得るために、ネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)系磁石を使用することが好ましい。
本発明のアイソレータにおいて、図1に示すように、第1の中空マグネットの磁界極性を光軸方向とし、第2の中空マグネットユニットの磁界極性と第3の中空マグネットユニットの磁界極性を光軸法線方向において互いに反対とすることが好ましい。この構成を採ることにより、ファラディ回転子に与える印加磁束密度を最大とすることができる。
本発明の光アイソレータの基本設計において、ファラディ回転子の長さを短くすることが小型化のために重要であり、このためにファラディ効果が大きいファラディ回転子と磁束密度の大きいマグネット材(磁石)及び磁気回路を組み合わせて用いることにより小型化を実現したものである。また、レーザ加工機で問題となるハイパワー光によるファラディ回転子の光損傷は、ファラディ回転子の透過率と長さで決まるため、透過率が高く長さが短いファラディ回転子ほど好都合である。
本発明の光アイソレータにおいて、さらに2枚以上の平板複屈折結晶及び1枚以上の45度旋光子を光軸上に具備することが好ましい。この構成により、偏光無依存のアイソレータとすることができる。
この場合、前記平板複屈折結晶の光学軸は光軸に対しほぼ45度方向であり、厚みが1.0cm以上であることが好ましい。この場合厚みの1/10であるφ1.0mmのビーム径にまで対応することができる。
ファイバーレーザの高出力化に伴い、搭載される光アイソレータに対する要求事項としては、各々の部品がハイパワー光に対して耐性を持ち、伝搬する光の偏光状態に影響されない偏光無依存型であることが挙げられる。この要求に応えるべく、使用される偏光子としては、その屈折率差を利用して光ビームを分離する複屈折結晶が最適である。代表的な複屈折結晶としては、波長0.9〜1.1μmで透明であるイットリウム・バナデート(YVO4)、ルチル単結晶(TiO2)、方解石単結晶(CaCO3)、α−BBO結晶(BaB24)があり、そのいずれかを使用すればよい。また、前述した偏光無依存化を図るために、複屈折結晶の光学軸は光軸に対しておよそ45度になるように平板加工を施すことが好ましい。また、その厚みは異常光の分離距離と比例関係にあるため所望のビームシフト量を満足する厚みに各々精度良く加工すればよい。この平板型複屈折偏光子を入出射偏光子として2枚配置し、その間に波長0.9〜1.1μmのいずれかにおいてファラディ回転角が45度有するファラディ回転子と同一波長で偏光面を45度回転する45度旋光子とその周囲にファラディ回転子の光軸方向に磁界を与えるマグネットを配置することにより、偏光無依存型光アイソレータが構成される。
図3には、光アイソレータ内における入力光と戻り光の偏光面の挙動を光軸に沿って示した。
図3の上段には、入力光の偏光面の挙動を示す。最初に、入力光はスネルの法則に従い入射偏光子の光学軸偏光方向にシフトする異常光と光学軸に対して直交偏光方向で直進する常光2つに分離される。入射光は、入射偏光子1において偏光面をそれぞれ0度、90度に分離された常光、異常光がファラディ回転子4により右回りにそれぞれ45度回転される。この偏光面の角度が更に右回りに45度回転されるように、1/2波長板の光学軸は面内に22.5度とし配置した。この構成で常光、異常光が1/2波長板を透過すると、偏光面が共に右回りに45度回転されるので、常光、異常光それぞれ90度偏光面を回転する。その結果、出射偏光子6においては、入射偏光子1と同方向に光学軸を有しているので、常光が異常光としてビームシフト、異常光は常光として直進し双方のビームが一致して偏光無依存化が図られる。
図3の下段には、戻り光の偏光面の挙動を示す。戻り光はファラディ回転子の非相反性を利用して、逆方向に偏光面を45度回転され入射偏光子と90度の直行偏光面となり、透過できなくなる。
本発明の光アイソレータは、第1の中空マグネット並びに第2の中空マグネットユニット及び第3の中空マグネットユニットを炭素鋼筐体に搭載することが好ましい。炭素鋼筐体に収納することにより、マグネットの周囲にヨーク(継鉄)材が構成されることになるので、マグネットの持っている吸着力あるいは吸引力を増大させることができる。
なお、図2の説明おいて述べたように、等分割した4つのマグネットユニットの外周外径と筐体10の内径をマグネットが挿入できるようにほぼ一致させると、各々マグネットの反磁力のみで2つのマグネットユニットを筐体の内部に固定することができる。
(実施例1)
図1に示す構成の1μm帯光アイソレータを製作した。
入射偏光子1及び出射偏光子6としてはルチル単結晶を使用し、その光透過面は1.0cm厚の平行平板に加工されており、その光学軸11は光軸12に対して47.8度傾いている。図1では、傾き方向が紙面の中にあるように描かれている。さらにこの平板型偏光子は光透過面に中心波長1.06μmの反射防止膜を施すとともに、入射光路に光透過面の反射光が戻ることを回避するため、5度だけ傾き角度をもった楔ガラス2の上に偏光子底面を接着固定し偏光子ホルダ3に搭載した。
また、ファラディ回転子4は第1の中空マグネット7の中空部中心に位置するようにし、第2の中空マグネットユニット8と第3の中空マグネットユニット9を合わせた全てのマグネットにより形成される磁界分布の最大となる位置に固定した。第2及び第3のマグネットユニットは、図2に示したように、4つに等分割されたマグネットを組み合わせて使用した。入射光路順にファラディ回転子4の後に配置される45度旋光子5は、人工水晶を材質とする1/2波長板を使用し、その光透過面には中心波長1.06μmの反射防止膜を施した。
ファラディ回転子としては、波長1.06μmにおいてベルデ定数が0.27min/(Oe・cm)以上となる、テルビウム・イットリウム酸化物を光路長0.7〜1.1cmとして使用した。ファラディ回転子の外周には、ネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)系マグネットからなる中空マグネットを配置した。その中空マグネット両側には、磁界極性が反対であり、且つ光軸に対し90度方向に4つに等分割された中空マグネットユニットを配置し、分割された各々のマグネットの磁界極性は光軸法線方向とした磁気回路を構成した。また、マグネット及びマグネットユニットの外側には、炭素鋼筐体を配置した。
なお、前述したビームシフト量は平行平板偏光子の厚みに依存する。平行平板偏光子の厚さを1.0cmとした本実施例においては、ビームシフト量は約1mmとなる。戻り光についても入射位置よりそれぞれ上下1mm離れて分離され出射されるので、光アイソレータ機能を考慮すると、最大ビーム径(1/e2)としてはφ1.0mmまで対応することができる。また、ハイパワー光のパワー密度を小さくする等の目的で、さらに大きいビーム径を取り扱う場合は、ファラディ回転子の有効領域を確保した上で、平行平板偏光子の厚みを1.0cm以上の任意の大きさにすれば良い。
次に、本実施例1において使用したファラディ回転子4の詳細を説明する。材料としてはテルビウム・イットリウム酸化物を99.99重量%含む単結晶であり、その組成は、前出式(I)において、x=0.6とする(Tb0.60.423単結晶を用いた。この単結晶を波長1.06μmにおいて測定したところ、挿入損失0.5dB、消光比35dB、ベルデ定数0.30min/(Oe・cm)の光学特性を有していることがわかった。なお、このときの測定したサンプルは外径φ3.5mm、長さ10.5mmの円筒形状であった。
(実施例2及び3)
前出式(I)において、Tb含有率x(0.5〜1.0)とベルデ定数の対応を検討した。実施例2として、x=0.5である(Tb0.50.523なる組成の酸化物を同重量%含む単結晶を使用する以外は、実施例1と全く同様に実施した。
また、実施例3として、x=1.0であるTb23酸化物を同重量%含む単結晶を使用する以外は、実施例1と全く同様に実施した。
これらの組成を有する単結晶のベルデ定数を測定した。その結果、x=0.5で0.27min/(Oe・cm)、x=1.0で0.43min/(Oe・cm)の大きさのベルデ定数であることがわかった。また、実施例2及び3において消光比はいずれも35dBであった。
図4に、実施例1〜3において使用する単結晶のサンプル長(光路長)を0.7〜1.1cmに0.1cmずつ変化させた場合に、ファラディ回転角が45度となる磁束密度T(104Oe)を光路長L(cm)の関数として示す。
ここで、前述したサンプル光路長が1.05cmである場合に、実施例1のベルデ定数(0.30min/(Oe・cm))値よりファラディ回転角が45度となる磁束密度を算出すると、必要とする磁束密度は約8,500[Oe](=0.85[T])となることがわかる。
(比較例1)
図4に示すように、比較例1としてTGG結晶(ベルデ定数0.135min/(Oe・cm))をファラディ回転子とした光アイソレータを作製した。
このTGG結晶に印可する磁束密度を算出すると、光路長1.05cmにおいて必要とする磁束密度は約19,000[Oe](=1.9[T])、同様に磁束密度の下限値を示す光路長2.00cmにおいては約10,000[Oe](=1.0[T])となることがわかる。
よって、本発明の光アイソレータにおいては、光路長に対する磁束密度の関係が、実施例1〜3で示される関係にあり、いずれも前出(1)中の式(1)及び式(2)を満たす範囲内にある(図4の斜線部参照)。
TGG結晶に使用するマグネットと比較して、本発明のアイソレータでは、ファラディ回転子の光路長及び印可する磁束密度を小さくできるので、マグネットの外径を小さくすることができ、この結果光アイソレータの小型化が実現できる。光アイソレータの製品形状の小型化の他に、光アイソレータから外部に漏洩する磁場の低減も図ることができる。
これを具現化するため、各々マグネット外径をパラメータとして、得られる磁束密度分布を磁場解析により求めた。解析手法としては有限要素法(JMAG−Designer)を選択し、マグネット材質は信越化学工業(株)製ネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)マグネット、外部筐体10の材質は炭素鋼とした。シミュレーション結果を図5に示す。式(1)、式(2)を満たす上限の磁束密度は実施例2における光路長0.70cmの磁束密度分布、下限の磁束密度は実施例3における光路長1.10cmの磁束密度分布を示しており、各々マグネット形状は内径φ0.4cm、外径φ1.4(下限値)〜φ2.4cm(上限値)となった。
また、実施例1において使用したファラディ回転子4(光路長1.05cm、外径φ3.5mm)に与える磁束密度8,500[Oe](=0.85[T])を満足するには、図5中の磁束密度分布aが最適であった。この結果から、実施例1の構成を採用する場合に使用するマグネット形状は、第1の中空マグネット、並びに、第2及び第3の中空マグネットユニットを組み合わせて実際に製作したところ内径φ0.4cm、外径φ1.8cm、長さ3.2cmとなった。この組み立て構成品のファラディ回転角を波長1.06μmで実測したところ、45.0度となりシミュレーション結果と合致していた。また、比較例1で示した従来構成の下限値である光路長2.00cmにおけるTGG結晶を使用したマグネット形状は、内径φ0.4cm、外径φ2.8cm、長さ3.8cmであるから、両者を比較すると、本発明においては従来品に比べて、体積比65%のサイズダウンを実現することがわかった。
よって、本発明の光アイソレータは、使用する各々の部品及びその構成が1μm帯のハイパワー光に対して耐性を持ち、十分に小型化された偏光無依存型光アイソレータとして作用することを示している。
1 入射偏光子
2 楔ガラス
3 偏光子ホルダ
4 ファラディ回転子
5 45度旋光子
6 出射偏光子
7 第1の中空マグネット
8 第2の中空マグネットユニット
9 第3の中空マグネットユニット
10 筐体
11 光学軸
12 光軸
100 キセノンランプFZ装置
110 上シャフト
112 下シャフト
114 フィードロッド
116 シードロッド
120 キセノンランプ
130 楕円体鏡
140 石英管
200 マイクロ引下げ装置
210 融液
220 坩堝
222 坩堝支持治具
230 保温筒
240 石英管
250 誘導加熱装置
260 種保持具

Claims (9)

  1. 波長1.06μmにおけるベルデ定数が0.27min/(Oe・cm)以上のファラディ回転子と、
    前記ファラディ回転子の外周に配置される第1の中空マグネット並びに第1の中空マグネットを光軸上で挟んで配置された第2及び第3の中空マグネットユニットと、を備え、
    第2及び第3の中空マグネットユニットは、光軸に対し90度方向に等分割された2以上のマグネットから構成され、
    前記ファラディ回転子に印加される磁束密度B(Oe)は下記式(1)の範囲内にあり、
    前記ファラディ回転子が配置される光路長L(cm)は下記式(2)の範囲内にあり、 前記ファラディ回転子が、下記式(I)で表される酸化物を99重量%以上含有する、ことを特徴とする
    1μm帯光アイソレータ。
    0.5×104≦B≦1.5×104 (1)
    0.70≦L≦1.10 (2)
    (Tb x 1-x 2 3 (I)
    (式(I)中、xは、0.5≦x≦1.0であり、Rは、スカンジウム、イットリウム、テルビウム以外のランタノイド元素群よりなる集合から選択された少なくとも1つの元素を含む。)
  2. 前記酸化物が単結晶である、請求項に記載の光アイソレータ。
  3. 前記酸化物がセラミックスである、請求項に記載の光アイソレータ。
  4. 前記ファラディ回転子が、光路長L(cm)において、1dB以下の挿入損失と25dB以上の消光比を有する、請求項1〜のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
  5. 第1の中空マグネット、並びに、第2及び第3の中空マグネットユニットが、ネオジム−鉄−ボロン(NdFeB)系磁石からなる、請求項1〜のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
  6. 第1の中空マグネットの磁界極性を光軸方向とし、第2及び第3の中空マグネットユニットの磁界極性を光軸法線方向において互いに反対とした、請求項1〜のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
  7. さらに2枚以上の平板複屈折結晶及び1枚以上の45度旋光子を具備した、請求項1〜のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
  8. 前記平板複屈折結晶の光学軸は光軸に対しほぼ45度方向であり、厚みが1.0cm以上である、請求項に記載の光アイソレータ。
  9. 第1の中空マグネット、第2の中空マグネットユニット及び第3の中空マグネットユニットが炭素鋼筐体の内部に搭載された、請求項1〜のいずれか1つに記載の光アイソレータ。
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