JP5239431B2 - ファラデー回転子 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信システムやレーザー加工システム等に用いられる磁気光学デバイスに係り、特に、光源から出射された光が光学素子の端面で反射し、光源に戻ることを防止する光アイソレータ等に用いられるファラデー回転子の改良に関するものである。
ファラデー回転子は、ファラデー素子とこのファラデー素子へ磁界を加えてファラデー効果を発生させるための磁石からなる機能素子であり、光通信システムやレーザー加工システム等に用いられる半導体レーザーへの戻り光を遮断し、そのレーザー発振を安定させるために必要な光アイソレータ等の磁気光学デバイスに用いられている。
図1は、現在、光通信システムで使われている基本的なファラデー回転子の断面図である。図中の符号10は、光軸方向に磁化した(黒矢印)永久磁石(磁石体)であり、一般的にその形状は円筒型で、その貫通孔の中にファラデー素子11が挿入してある。ファラデー素子11は、永久磁石10における貫通孔中の光軸方向の磁界によってファラデー効果を発生する。従来、光通信システムで使われる光の波長帯域は主に1.3〜1.7μmであり、光アイソレータの中には、ファラデー素子として希土類鉄ガーネット膜が永久磁石の中に挿入された形でファラデー回転子として使われていた。
近年、加工機用ファイバーレーザーの励起に使われる半導体レーザーの保護に使用される光アイソレータの需要が高まっているが、ここで使われる光の波長は光通信帯域よりも短い波長、主に1μm付近の波長である。そして、1μm付近の波長では、希土類鉄ガーネット膜は光の吸収が大きく使用に耐えられないため、テルビウム・ガリウム・ガーネット(以下、TGGと略記する場合がある)やテルビウムガラス等の常磁性体が上記ファラデー素子として使われている。
特に、ファラデー回転子を光アイソレータに使う場合は、ファラデー効果により光の偏光面を回転させ、その回転角度(以下、ファラデー回転角と称する)が45度(以下、45゜と表記する)でなければならない。ファラデー素子の長さをL、ベルデ定数をV、光軸方向の磁界をHとすると、ファラデー回転角=V×L×Hとなる。
ファラデー素子のベルデ定数は空間的に一定であるが、磁石で作る光軸方向の磁界は空間的に一定とは限らないため、実際は、
ファラデー回転角=ΣV・H(L)・ΔL 式(2)
となる。
しかしながら、TGGやテルビウムガラス等の上記常磁性体はベルデ定数が小さく、偏光方向を回転させる能力が小さいため大きな磁界が必要とされ、結果として上記常磁性体は光軸方向に長い大きなものが必要となり、同時にこれを磁化する永久磁石も巨大なものとなってしまっていた。
そして、常磁性体と磁石の巨大化は大きなコストアップにつながるだけでなく、強力な漏洩磁界のため、光アイソレータの組立、更には光アイソレータのデバイスへの組込みを困難なものとしていた。
また、上記常磁性体の寸法が光軸方向へ長くなると、レーザー光透過の際、光を吸収して常磁性体の温度が上がり、ファラデー回転角が45゜からずれて光アイソレータとしての性能を低下させる原因へもつながっている。
このような問題を解決する手法として、図5に示すように、磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸に向かう方向に磁化されている第1の磁石1と、磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸から離れる方向に磁化されている第2の磁石2とで貫通孔を有する磁石体を構成し、この磁石体の上記貫通孔内にファラデー素子5を配置して、ファラデー素子5への磁界強度を高めたファラデー回転子が既に開発されている(特許文献1、2参照)。
特開2004−302412号公報 特開2007−248779号公報
そして、特許文献1、2に開示された手法により、ファラデー素子への磁界強度を高めることが可能となったが、ファラデー回転子の更なる小型化を図るためには、より強力な磁石体構造の開発が望まれている。
ところで、常磁性体(ファラデー素子)の温度上昇によるファラデー回転角のずれの問題を解決するには、短い複数個の常磁性体を組み合わせて放熱性を向上させる方法、例えばファラデー回転角が22.5度となるファラデー回転子を2個直列に接続することが有効と考えられる。
しかし、特許文献1に記載されたファラデー回転子を直列に接続した場合、2つのファラデー回転子間に十分な間隔を設けないと、ファラデー素子に印加される磁界強度が低下するという問題が存在した。また、特許文献2に記載された光アイソレータの構造を応用することも考えられる。しかし、特許文献2は、ファラデー回転角が45度のファラデー回転子間に偏光子が配置された、所謂セミダブル型光アイソレータ構造であるために機能するものであり、特許文献2に記載された磁石の構成で2つのファラデー素子のファラデー回転角を22.5度としたのでは、偏光子と組み合わせて光アイソレータを構成したときに有効に機能させることはできないものとなる。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、より小型のファラデー回転子を提供すると共に、このファラデー回転子を2個直列に接続させた場合でも、ファラデー回転子として有効に機能させることのできる小型のファラデー回転子を提供することにある。
すなわち、請求項1に係る発明は、
光が通過する貫通孔を中心に有する磁石体と、この貫通孔内に配置されかつ光が透過する常磁性体から成るファラデー素子とを備えるファラデー回転子において、
磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸に向かう方向に磁化されている第1の磁石と、磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸から離れる方向に磁化されている第2の磁石と、上記第1の磁石と第2の磁石間に配置され磁化方向が光軸と平行でかつ第2の磁石から第1の磁石に向かう方向に磁化されている第3の磁石とで上記磁石体が構成され、第1、第2の磁石および第3の磁石の各中心には上記磁石体の貫通孔を構成する孔部が設けられていると共に、これ等孔部で構成される貫通孔の長さ方向中央部にファラデー素子が配置され、かつ、第1の磁石と第2の磁石の光軸方向の長さが共に(L)で等しく、第3の磁石の光軸方向の長さを(L)としたときに、下記式(1)の関係が成り立っていることを特徴とするものである。
/10≦L≦L 式(1)
次に、請求項2に係る発明は、
光が通過する貫通孔を中心に有する磁石体と、この貫通孔内に配置されかつ光が透過する常磁性体から成るファラデー素子とを備えるファラデー回転子において、
請求項1に記載のファラデー回転子が光軸方向に沿って2個直列に接続され、かつ、第1のファラデー回転子と第2のファラデー回転子の間には、第1と第2のファラデー回転子の貫通孔に連通した孔部を有する内側磁石とこの内側磁石の外径より大きい孔部を有しこの孔部に内側磁石全体が嵌入された外側磁石とで構成される第4の磁石対が配置されていると共に、内側磁石と外側磁石の磁化方向が光軸と平行でかつ互いに逆方向に磁化されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、
請求項2に記載の発明に係るファラデー回転子において、
内側磁石全体が外側磁石の孔部に嵌入された上記第4の磁石対における光軸方向の長さが(L/2)以上であることを特徴とし、
請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の発明に係るファラデー回転子において、
第3の磁石における孔部の全て若しくは一部が、第1の磁石および第2の磁石における孔部よりもその径が大きいことを特徴し、
請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の発明に係るファラデー回転子において、
複数の磁石片を組み合わせて上記第1および第2の各磁石が構成されていることを特徴とするものである。
請求項1、4〜5に係るファラデー回転子によれば、
磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸に向かう方向に磁化されている第1の磁石と、磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸から離れる方向に磁化されている第2の磁石と、上記第1の磁石と第2の磁石間に配置され磁化方向が光軸と平行でかつ第2の磁石から第1の磁石に向かう方向に磁化されている第3の磁石とで磁石体が構成され、第1、第2の磁石および第3の磁石の各中心には上記磁石体の貫通孔を構成する孔部が設けられていると共に、これ等孔部で構成される貫通孔の長さ方向中央部にファラデー素子が配置され、かつ第1の磁石と第2の磁石の光軸方向の長さが共に(L)で等しく、第3の磁石の光軸方向の長さを(L)としたときに、上記式(1)の関係が成り立っていることを特徴としている。
そして、特許文献1、2に開示された手法と比較し、磁化方向が光軸と平行でかつ第2の磁石から第1の磁石に向かう方向に磁化されている上記第3の磁石の作用により、ファラデー素子への磁界強度を更に高めることができるため、ファラデー素子における光軸方向の長さ寸法が低減されてファラデー回転子の更なる小型化を図ることが可能となる。
また、請求項2〜5に係るファラデー回転子によれば、
請求項1に記載のファラデー回転子が光軸方向に沿って2個直列に接続され、かつ、第1のファラデー回転子と第2のファラデー回転子の間には、第1と第2のファラデー回転子の貫通孔に連通した孔部を有する内側磁石とこの内側磁石の外径より大きい孔部を有しこの孔部に内側磁石全体が嵌入された外側磁石とで構成される第4の磁石対が配置されていると共に、内側磁石と外側磁石の磁化方向が光軸と平行でかつ互いに逆方向に磁化されていることを特徴としている。
そして、内側磁石と外側磁石とで構成されると共に各磁石の磁化方向が光軸と平行でかつ互いに逆方向に磁化された第4の磁石対の作用により、十分な間隔を設けることなく第1のファラデー回転子と第2のファラデー回転子とを直列に接続させた場合でも、ファラデー素子へ印加する磁界強度の低下が起りにくいため、光吸収によるファラデー素子の温度上昇が抑制され、これによりファラデー回転角が安定したファラデー回転子の更なる小型化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、光が通過する貫通孔を中心に有する磁石体とこの貫通孔内に配置されかつ光が透過する常磁性体から成るファラデー素子とを備える本発明のファラデー回転子は、磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸に向かう方向に磁化されている第1の磁石と、磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸から離れる方向に磁化されている第2の磁石と、上記第1の磁石と第2の磁石間に配置され磁化方向が光軸と平行でかつ第2の磁石から第1の磁石に向かう方向に磁化されている第3の磁石とで上記磁石体が構成され、第1、第2の磁石および第3の磁石の各中心には上記磁石体の貫通孔を構成する孔部が設けられていると共に、これ等孔部で構成される貫通孔の長さ方向中央部にファラデー素子が配置され、かつ、第1の磁石と第2の磁石の光軸方向の長さが共に(L)で等しく、第3の磁石の光軸方向の長さを(L)としたときに、下記式(1)の関係が成り立っていることを特徴とする。
/10≦L≦L 式(1)
そして、磁化方向が光軸と平行でかつ第2の磁石から第1の磁石に向かう方向に磁化されている上記第3の磁石は、第1の磁石および第2の磁石の相互作用で作り出される磁界を更に高めるための補助的役割を果たすが、光軸方向の長さが短すぎると補助磁石の役割が十分に発揮できず、また、長すぎると、第1および第2の磁石の相互作用で作り出される磁界が逆に弱まってしまうため、式(1)の範囲とする。
また、上記ファラデー回転子を2個直列に接続する場合、第1のファラデー回転子から第2のファラデー回転子へ流れる磁力線により、ファラデー素子に印加される磁界が弱まってしまう。
そこで、第1のファラデー回転子と第2のファラデー回転子の間に、光軸方向に対して反平行に磁化された内側磁石と外側磁石とで構成された上記第4の磁石対を配置し、第1のファラデー回転子から第2のファラデー回転子へ流れる磁力線を打ち消すことで、ファラデー素子に印加される磁界の減少を防止している。その際、第4の磁石対の光軸方向の長さは、第1の磁石の光軸方向長さLの1/2以上であることが望ましい。
また、第3の磁石の孔部(貫通孔)付近には、第1の磁石および第2の磁石の相互作用で作り出された非常に大きな磁界が発生するため、第3の磁石として使用する磁石の残留磁束密度や保磁力によっては、第3の磁石の孔部(貫通孔)付近で、減磁や磁化反転が生じて、第3の磁石の効果が減じるという不都合が発生する場合がある。このような場合には、図7に示すように第3の磁石3の孔部(貫通孔)の全て若しくは一部の径を、第1の磁石1および第2の磁石2の孔部(貫通孔)よりも大きくして、減磁や磁化反転が発生する部分を取り去ることが必要となる。
また、第1の磁石および第2の磁石は、複数の磁石片を組み合わせて構成することが、磁石作製の面からは好ましい。
以下、本発明の実施例について図面を用いて具体的に説明する。
図2は、実施例1に係るファラデー回転子の断面図を示したものである。図2中、符号1、2および3は、第1の磁石、第2の磁石、第3の磁石を示し、その磁化方向を黒矢印で示してある。また、各磁石の中心には孔部(貫通孔)が設けられている。
そして、第1の磁石1は、光の進行する光軸に垂直でかつ外側から光軸に向かって磁化している。一方、第2の磁石2の磁化方向は、光軸に垂直ではあるが、第1の磁石1とは逆に光軸から外側に向かった方向に磁化している。また、第3の磁石3は、第1の磁石1と第2の磁石2の間に配置され、磁化方向が光軸と平行でかつ第2の磁石2から第1の磁石1に向かう方向に磁化されている。
また、ファラデー素子5は、第1の磁石1、第2の磁石2、第3の磁石3に設けられた孔部(貫通孔)の長さ方向中央部に配置されている。
そして、実施例1に係るファラデー回転子の作製に先立ち、ファラデー回転子の光軸方向の磁界分布を、有限要素法を用いたコンピューターシミュレーションにより求め、上述した式(1)(2)を満足し、かつ、ファラデー回転子としての体積が小さく、更に、ファラデー素子の長さ寸法も短くなるように最適化を行った。
磁石はNd−Fe−B焼結磁石とし、ファラデー素子には直径が3mmの円柱状のTGGを使用するものとした。第1の磁石1は、図4に示すように6個の磁石片からなり、擬似的に光軸と垂直方向に磁化した形となっている。また、第2の磁石2も、第1の磁石1と同じ厚みの6個の磁石片からなり、磁化の方向は第1の磁石と反平行になっている。尚、第1の磁石1、第2の磁石2、第3の磁石3の中心には、上記ファラデー素子が収容されるよう、3.3mmの孔部(貫通孔)を設けるものとした。
光の波長は1064nmとし、ファラデー回転角が45°となるような、3つの磁石の外径L、第1の磁石1および第2の磁石2の光軸方向長さL、第3の磁石3の光軸方向長さL、および、TGGの光軸上の結晶長Cをコンピューターシミュレーションにより算出した。図3にL〜LおよびCの関係を示す。また、コンピューターシミュレーションの結果を表1に示す。
Figure 0005239431
上記結果に基づき、実施例1に係るファラデー回転子を3台作製し、波長1064nm、光強度100mWのファイバーレーザー光を用いてファラデー回転角の評価を行った。
評価結果は、ファラデー回転角が45±1°と良好なものであった。
次に、光強度を10Wまで上げて連続照射を行ったところ、時間が経過してもファラデー回転角に変化は認められず、TGGの温度変化は無かった。
[比較例1]
特許文献1で開示された図5に示す構成のファラデー回転子を組み立てた。第1の磁石1および第2の磁石2には実施例1と同じものを用い、図3に示すL の寸法は、実施例1と同じとした。すなわち、第1の磁石1と第2の磁石2の間には、第3の磁石を挿入せず、Lの長さだけ空間が設けられている。また、図5に示すように、第1の磁石1と第2の磁石2の外側には、厚さ0.35mmの円筒状の軟鉄(軟磁性体)6製部材を被せ、貫通孔には厚さが0.35mmで内径が2.6mmの円筒状軟鉄(軟磁性体)6製部材を挿入した。このため、実施例1とは異なり、比較例1に係るファラデー素子には、直径が2.5mmの円柱状のTGGを使用したが、TGGの光軸上の長さは実施例1と同じく12mmとした。
そして、実施例1と同様、ファラデー回転角を評価したところ27°であり、光アイソレータとしての使用は不可能なものであった。これは、常磁性体であるファラデー素子5に加わる磁界が不足していることによる。
また、比較例1に係るファラデー回転子における光軸上の磁界分布も、コンピューターシミュレーションにより求め、実施例1と比較した結果を図6に示す。図6のグラフ図から明らかなように、実施例1に係るファラデー回転子では、比較例1(従来技術)と比較して、光軸上の中心付近で極めて大きい磁界が得られていることが分かる。これにより、比較例1(従来技術)では、実施例1に係るファラデー回転子と同じ大きさの磁石および同じ常磁性体の長さではファラデー回転角45°は実現できないことが確認される。
比較例1に係るファラデー回転子を、TGGの径および磁石の貫通孔径は固定で、ファラデー回転角45°が実現できるときの大きさを、コンピューターシミュレーションから算出し、実施例1に係るファラデー回転子と、磁石の体積とTGGの光軸上の長さについて比較した。この結果を表2に示す。尚、比較を容易にするため、実施例1の磁石体積(a.u.)とTGG長(a.u.)を1として、数値を規格化した。
Figure 0005239431
この表2の数値から分かるように、実施例1に係るファラデー回転子は極めて小型化に好適であり、ファラデー素子の光軸上の長さ寸法が短くて済むため、光吸収による温度上昇が抑制されてファラデー回転角が安定していることが確認される。
また、ファラデー回転子の小型化は、磁石および常磁性体の使用量を抑えることにつながるため、コストパフォーマンスにも優れている。
実施例1に係るファラデー回転子と同一のファラデー回転子を図8に示すように2個直列に接続し、かつ、2つのファラデー回転子間に、光軸方向に対して反平行に磁化された内側磁石と外側磁石とで構成された第4の磁石対4を挿入した構造のファラデー回転子を作製した。尚、第4の磁石対4を構成する上記内側磁石は、磁化方向が光軸と平行でかつ図8左側の第1ファラデー回転子から図8右側の第2ファラデー回転子へ向かう方向に磁化され、また、上記外側磁石は、磁化方向が光軸と平行でかつ図8右側の第2ファラデー回転子から図8左側の第1ファラデー回転子へ向かう方向に磁化されており、光軸方向に対して内側磁石と外側磁石は反平行に磁化されている。
そして、実施例1同様、コンピューターシミュレーションにより、ファラデー回転子としての体積が小さく、更に、常磁性体の長さ寸法も短くなるように最適化を行った。
各磁石およびファラデー素子には、実施例1と同様、Nd−Fe−B焼結磁石および直径が3mmの円柱状のTGGを使用するものとした。また、第1の磁石1および第2の磁石2も、実施例1と同様に6個の磁石片から構成した。尚、各磁石の中心には、上記ファラデー素子5が納められるように3.3mmの孔部(貫通孔)を設けるものとした。
光の波長は1064nmとし、2つのファラデー素子によるファラデー回転角の合計が45°となるよう、4種類の磁石の外径L、各磁石の光軸方向の長さL〜LおよびTGGの光軸上の結晶長Cをコンピューターシミュレーションにより算出した。
図8にL〜LおよびCの関係を示す。また、コンピューターシミュレーションの結果を表3に示す。
Figure 0005239431
表3に示す寸法のファラデー回転子を組立て、光を透過させて特性評価を実施例1と同様に行った。
評価結果は、レーザー光強度が100mWのときのファラデー回転角は45±1°と良好なものであり、光強度を10Wまで上げて連続照射を行ってもファラデー回転角に変化は認められず、TGGの温度変化は無かった。尚、実施例1と比較し、温度特性の向上は確認されなかったが、TGGの結晶長が短くなっていることから、更にレーザー光強度を増大させた際には、実施例1より良好な温度特性を示すものと推察される。
このように、各実施例に係るファラデー回転子は極めて小型化に好適であり、ファラデー素子の光軸上の長さ寸法が短くて済むため、光吸収による温度上昇が抑制されてファラデー回転角が安定していることが分かる。また、ファラデー回転子の小型化は、磁石および常磁性体の使用量を抑えることにつながるためコストパフォーマンスにも優れている。
本発明に係るファラデー回転子は極めて小型化に好適で、かつ、ファラデー素子の光軸上の長さ寸法も短くて済むため、光吸収による温度上昇が抑制されてファラデー回転角が安定している。従って、光通信システムやレーザー加工システム等に利用される半導体レーザーへの戻り光を遮断しそのレーザー発振を安定させるために必要な光アイソレータ等の磁気光学デバイスに適用される産業上の利用可能性を有している。
光通信システムで使用されている基本的なファラデー回転子の概略断面図。 本発明に係るファラデー回転子の概略断面図。 実施例1に係るファラデー回転子の概略断面図。 実施例1に係るファラデー回転子の構成部材である第1の磁石の概略断面図。 比較例1(従来技術)に係るファラデー回転子の概略断面図。 実施例1と比較例1に係るファラデー回転子の光軸方向の磁界強度を比較したグラフ図。 本発明の変形例に係るファラデー回転子の概略断面図。 実施例2に係るファラデー回転子の概略断面図。
符号の説明
1 第1の磁石
2 第2の磁石
3 第3の磁石
4 第4の磁石対
5 常磁性体からなるファラデー素子
6 軟鉄(軟磁性体)
10 永久磁石(磁石体)
11 ファラデー素子

Claims (5)

  1. 光が通過する貫通孔を中心に有する磁石体と、この貫通孔内に配置されかつ光が透過する常磁性体から成るファラデー素子とを備えるファラデー回転子において、
    磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸に向かう方向に磁化されている第1の磁石と、磁化方向が光軸と垂直でかつ光軸から離れる方向に磁化されている第2の磁石と、上記第1の磁石と第2の磁石間に配置され磁化方向が光軸と平行でかつ第2の磁石から第1の磁石に向かう方向に磁化されている第3の磁石とで上記磁石体が構成され、第1、第2の磁石および第3の磁石の各中心には上記磁石体の貫通孔を構成する孔部が設けられていると共に、これ等孔部で構成される貫通孔の長さ方向中央部にファラデー素子が配置され、かつ、第1の磁石と第2の磁石の光軸方向の長さが共に(L)で等しく、第3の磁石の光軸方向の長さを(L)としたときに、下記式(1)の関係が成り立っていることを特徴とするファラデー回転子。
    /10≦L≦L 式(1)
  2. 請求項1に記載のファラデー回転子が光軸方向に沿って2個直列に接続され、かつ、第1のファラデー回転子と第2のファラデー回転子の間には、第1と第2のファラデー回転子の貫通孔に連通した孔部を有する内側磁石とこの内側磁石の外径より大きい孔部を有しこの孔部に内側磁石全体が嵌入された外側磁石とで構成される第4の磁石対が配置されていると共に、内側磁石と外側磁石の磁化方向が光軸と平行でかつ互いに逆方向に磁化されていることを特徴とするファラデー回転子。
  3. 内側磁石全体が外側磁石の孔部に嵌入された上記第4の磁石対における光軸方向の長さが(L/2)以上であることを特徴とする請求項2に記載のファラデー回転子。
  4. 第3の磁石における孔部の全て若しくは一部が、第1の磁石および第2の磁石における孔部よりもその径が大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のファラデー回転子。
  5. 複数の磁石片を組み合わせて上記第1および第2の各磁石が構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のファラデー回転子。
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