JP5608499B2 - ファラデー回転子、および光アイソレーター - Google Patents

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Description

この発明は、磁気光学材料からなるファラデー素子と、このファラデー素子に磁界を印加する励磁気回路とを含んで構成されるファラデー回転子に関する。具体的には、励磁気回路に特徴を有してファラデー素子に効率よく磁界を印加できるファラデー回転子に関する。また、そのファラデー回転子を含んで構成される光アイソレーターにも関する。
現在、光通信、あるいは、マーキングや切断、溶接などの機械加工などにおいてレーザー光線が使用されている。ところで、光源であるレーザー発振器から出射されたレーザー光線は、光通信の経路途上にある光学素子や、機械加工の対象物などによって反射する。その反射光がレーザー発振器に戻ってくると、レーザー発振動作が不安定になったり、レーザー発振器自体が破損したりする可能性がある。そこで、レーザー発振器に戻ってきた反射光を遮断するために、光アイソレーターが使用される。そして、その光アイソレーターには、ファラデー効果を利用したファラデー回転子が利用されている。
周知のごとく、物質に磁場をかけることにより、その物質に応じ、透過してきた光の偏光面が時計回りあるいは反時計回りに回転する現象がファラデー効果である。そして、以下では、そのファラデー効果を利用した光学部品をファラデー回転子と呼ぶことにする。図11に、一般的なファラデー回転子1dの構造を示した。図11(A)は、そのファラデー回転子1dの一部破断斜視図であり、(B)は(A)におけるd−d矢視断面図である。この図に示したように、ファラデー回転子1dは、ファラデー効果を有する磁気光学材料(以下、ファラデー素子)fと、そのファラデー素子fに磁界を印加する励磁気回路10dとによって構成されている。ここに示した例では、励磁気回路は、中空筒状の一つの永久磁石10dである。そして、ファラデー回転子1dは、ヨーク20などの筐体によって固定されている永久磁石10dの円筒軸30を光軸として、その中空筒内2の光軸30上に、ファラデー素子fを配置した構造を基本としている。なお、一般的なファラデー回転子1dでは、永久磁石10dとして、その着磁方向(図中、実線矢印)が円筒軸方向となる円筒軸配向円筒型磁石10dを用いている。そして、図中、点線矢印で示した永久磁石10dのN極からS曲に向かう磁力線によって、ファラデー素子fには、図中、白抜き矢印で示した磁界が印加される。
ファラデー素子fとしては、ファラデー回転係数(ベルデ定数)が大きく、小さな磁界でも動作する希土類鉄ガーネット単結晶がよく知られている。希土類鉄ガーネット単結晶は、とくに、光通信用途で多用されている。しかし、この希土類鉄ガーネット単結晶は、強磁性の起源となる鉄イオンが主成分として含まれ、その鉄イオンにより、1μm程度の波長帯の光を吸収する。この波長帯は、例えば、機械加工などに用いられるレーザーの波長帯であるため、希土類鉄ガーネット単結晶をファラデー素子fとしたファラデー回転子1dを用いて光アイソレーターを構成し、その光アイソレーターに波長1μm程度のレーザー光線を入射すると、ファラデー素子fの光吸収によって損失が大きくなり、結果的にファラデー回転子1dや光アイソレーターが発熱する、という問題がある。
そこで、波長が1μm程度のレーザー用のファラデー回転子には、例えば、テルビウムガリウムガーネット(TGG)が使われる。しかし、TGGは、常磁性体であり、ベルデ定数が小さいため、TGGを用いたファラデー回転子には、大きな磁界を発生させるための大きな磁石が必要となり、光アイソレーターの小型化が難しい、という問題がある。
そして、このような問題に対し、図11に示した永久磁石を一つ用いたファラデー回転
子に代えて、中空円筒状の永久磁石を同軸上に2つ対面配置させたファラデー回転子が提
案されている。例えば、特許文献1には、着磁方向が逆で、かつ着磁方向が円筒の径方向
となるラジアル配向円筒型永久磁石を同軸上に二つ直列配置した構成が示されている。ま
た、特許文献2は、円筒軸配向円筒型永久磁石を同軸上に二つ直列配置し、対向面を同極
にする構成が示されている。
特許第3376529号 特開2004−302412号公報
上述した特許文献1あるいは2に開示されているファラデー回転子では、ファラデー素子に印加する磁界を大きくすることができる。しかし、着磁方向が互いに逆となっている二つの磁石をそのまま積層状態で対面させてしまうと、隣接する磁石の異極同士を結ぶ磁路が形成されて、中空筒内のファラデー素子に磁界が上手く印加されなくなる。すなわち、ファラデー素子を透過する直線的な光路に沿って磁界を形成することができない。
そこで、二つの永久磁石間には、磁界の流れを揃えるため、必ず磁気ギャップを設ける必要がある。そのため、励磁気回路は、磁石自体の円筒軸方向の長さに、この磁気ギャップに要する間隙を加えた長さとなる。また、磁気ギャップの領域では、永久磁石のある領域より磁界強度が低下する。そして、ファラデー素子は、その磁気ギャップの領域に配置されるため、永久磁石で発生される磁界を効率よくファラデー素子に印加させることができない。言い換えれば、ファラデー回転子の大きさを維持したまま、ファラデー素子に実質的に印加される磁界をより大きくすることが難しい。
したがって、本発明は、より大きな永久磁石を用いることなく、磁気ギャップによる磁界の低下を抑止して、より強い磁界をファラデー素子に印加させることができるファラデー回転子を提供することを目的としている。また、そのファラデー回転子を用いた光アイソレーターを提供することも目的としている。なお、その他の目的については、以下の記載で明らかにする。
上記目的を達成するための本発明は、磁気光学材料からなるファラデー素子と、当該ファラデー素子に外部磁界を印加する励磁気回路とを含んで構成されるファラデー回転子であって、
前記励磁気回路は、リング状の端面を有する中空円筒状の第1〜第3の永久磁石が前後方向に同軸上にこの順で積層されてなり、
前記ファラデー素子は、前記第2の永久磁石の中空筒内に同軸となるように配置され、
前記第1および第3の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、互いに着磁方向が逆であるとともに、磁気ギャップを介して配置され、
前記第2の永久磁石は、円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、軸方向に前記磁気ギャップに相当する長さを有し、
前記第1および第3の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が、前記第2の永久磁石においてN極となるリング状端面側に積層され
前記ラジアル配向円筒型磁石は、径の異なる複数のラジアル配向円筒型磁石が異極同士で対面するように前記前後方向に対して直交する径方向に同軸に積層されてなる、
ことを特徴とするファラデー回転子としている。
あるいは、前記励磁気回路は、リング状の端面を有する中空円筒状の第1〜第5の永久磁石を含んで構成され、
前記第1および第2の永久磁石は、円筒軸上に前方からこの順で積層されてなる第1のユニット磁石を構成し、
前記第3および第4の永久磁石は、円筒軸上に前方からこの順で積層されてなる第2のユニット磁石を構成し、
前方から、前記第1のユニット磁石と前記第2のユニット磁石が交互に順次同軸に積層されて積層ユニットを構成し、
前記第5の永久磁石が前記積層ユニットの後端側に同軸上に積層され、
前記第1、第3、第5の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、隣り合うラジアル円筒型磁石同士では着磁方向が逆であるとともに、各ラジアル円筒型磁石は磁気ギャップを介して配置され、
前記第2および第4の永久磁石は、前記円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、前記磁気ギャップに相当する前後長を有するとともに、隣り合う円筒軸配向円筒磁石同士では、着磁方向が逆であり、
前記第2および第4の永久磁石の中空筒内に、第1および第2のファラデー素子が同軸となるように配置され、
前記励磁気回路では、前記第2および第4の永久磁石において、N極となるリング状端面側に、前記第1、第3、第5の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が積層されているファラデー回転子とすることもでき、このファラデー回転子において、前記ラジアル配向円筒型磁石は、径の異なる複数のラジアル配向円筒型磁石が異極同士で対面するように前記前後方向に対して直交する径方向に同軸に積層されていてもよい
上記いずれかに記載のファラデー回転子において、前記励磁気回路を構成する円筒型磁石が中空円筒状のヨーク内に収納された状態で積層されていれば、より好ましい。
また、本発明は、光アイソレーターにも及んでおり、当該光アイソレーターは、上記第1〜第3の永久磁石を備えたファラデー回転子を用いた光アイソレーターであって、
前記円筒軸の延長方向を前後方向として、前記ファラデー素子の前後両端に、それぞれ、前記円筒軸を法線方向とするとともに、互いに透過軸方向が45度となる偏光子が配置され、
前記ファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に45度回転させることを特徴としている。
また、上記第1〜第5の永久磁石を備えたファラデー回転子を用いた光アイソレーターも本発明の範囲であって、
円筒軸の延長方向を前後方向として、前記第1〜第5の永久磁石が前方からこの順に一つずつ配置され、前記第1のファラデー素子の前方に配置された第2の偏光子と、前記第2のファラデー素子の後方に配置された第2の偏光子と、1/2波長板とを備え、
前記第1および第2の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が互いに45度の角度で交差しており、
前記1/2波長板は、前記円筒軸を法線方向として前記第1および第2のファラデー素子の間に配置されているとともに、光学軸の方向が前記第1の偏光子の透過軸の方向と平行であり、
前記第1、および第2のファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に22.5度回転させる光アイソレーターとしている。
また、上記第1〜第5の永久磁石を備えたファラデー回転子を用いた光アイソレーターは、以下のように構成することも可能である。
円筒軸の延長方向を前後方向として、前記第1〜第5の永久磁石が前方からこの順に一つずつ配置され、前記第1のファラデー素子の前方に配置された第1の偏光子と、前記第2のファラデー素子の後方に配置された第2の偏光子と、前記第1および第2のファラデー素子の間に配置された第3の偏光子とを備え、
前記第1および第2の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が平行であり、
前記第3の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が前記第1および第2の偏光子の透過軸に対して、45度傾いており、
前記ファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に45度回転させること。
本発明のファラデー回転子によれば、より強い磁界をファラデー素子に効率よく印加させることができ、結果的に、小型化を達成することができる。また、そのファラデー回転子を用いた光アイソレーターは、ファラデー素子に強磁界を効率的に印加させることができるため、優れた遮光性能を備えるとともに、小型化が容易となる。
本発明の比較例となる第1の実施例に係るファラデー回転子の概略構造図である。 上記第1の実施例にファラデー回転子における各部のサイズを説明するための図である。 上記第1の実施例のファラデー回転子と、従来のファラデー回転子の磁気特性を示す図である。 上記第1の実施例のファラデー回転子を用いた光アイソレーターの概略構造と動作を示す図である。 本発明の一実施形態となる第2の実施例に係るファラデー回転子の概略構造図である。 上記第2の実施例の変形例に係るファラデー回転子の概略構造図である。 上記第2の実施例のファラデー回転子を用いた光アイソレーターの概略構造と動作を示す図である。 上記第2の実施例のファラデー回転子を用いた光アイソレーターの変形例の概略構造と動作を示す図である。 ファラデー回転子を構成するラジアル配向円筒型磁石の課題を説明するための図である。 本発明の一実施形態となる第3の実施例に係るファラデー回転子に用いられる複合磁石の概略構造を示す図である。 一般的な従来のファラデー回転子の概略構造を示す図である。
===比較例(第1の実施例===
<ファラデー回転子>
図1に本発明の比較例となるファラデー回転子1a(以下、第1の実施例とも言う)の概略図を示した。図1(A)は、当該ファラデー回転子1aの一部破断斜視図であり、(B)は(A)におけるa1−a1矢視断面図である。第1の実施例のファラデー回転子1aは、図11に示した従来のファラデー回転子1dと同様に、ヨーク20などの筐体に固定された中空円筒状の永久磁石(11〜13)からなる励磁気回路10aと、永久磁石(11〜13)の中空筒内2に配置されたファラデー素子f1とから構成されている、しかし、第1の実施例のファラデー回転子1aは、その励磁気回路10aの構成に特徴があり、その特徴により、従来のファラデー回転子1dに対し、より強大な磁界をファラデー素子f1に印加させることができるようになっている。また、上記特許文献1や2に示されているファラデー回転子よりも、効率よく磁界をファラデー素子f1に印加させることができるようになっている。
第1の実施例のファラデー回転子1aにおいて、励磁気回路10aは、三つの中空円筒型の永久磁石(11〜13)を同軸30上に積層した構造であり、三つの永久磁石(11〜13)の両端は、ラジアル配向円筒型磁石(以下、ラジアル配向磁石:11,13)であり、その二つのラジアル配向磁石(11,13)の間に円筒軸配向円筒型磁石(以下、円筒軸配向磁石:12)が挿入されている。二つのラジアル配向磁石(11,13)は、その着磁方向(図中、実線矢印)、すなわち磁石(11,13)中におけるS極からN極へ向かう方向が逆であり、一方のラジアル配向磁石11が、円筒の外側面をS極として中空筒内2の内壁面をN極とし、他方のラジアル配向円筒磁石13が、内壁面をS極として外側面をN極としている。
また、三つの永久磁石(11〜13)の円筒軸30方向を前後方向とし、励磁気回路10aにおいて、円筒の外側面がS極となるラジアル配向磁石11を前方とすると、円筒軸配向磁石12は、中空円筒の一方のリング状の前端面がN極であり、後端面がS極となっている。そして、N極となる前端面側に、外周側がS極となる前方のラジアル配向磁石11が積層されている。また、二つのラジアル配向磁石(11,13)間の間隙L2は、磁気ギャップに相当している。したがって、円筒軸配向磁石12の円筒軸30方向の長さ(前後長)は、その磁気ギャップL2と一致することになる。なお、ファラデー素子f1は、円筒軸配向磁石12の中空筒内2に配置されている。
上述した構成のファラデー回転子1aによれば、図1(B)に示したように、ラジアル配向磁石(11,13)間の磁気ギャップに相当する間隙L2に円筒軸配向磁石12が挿入されている。そして、このファラデー回転子1aにおける各永久磁石(11〜13)からの磁力線は、図中にて点線矢印にて示したように、前方のラジアル配向磁石11のN極からの磁力線が円筒軸配向磁石12におけるN極からS極に向かう磁力線に導かれて中空筒内2に導かれ、その中空筒内2に導かれた磁力線が、後方のラジアル配向磁石13のS極にさらに導かれている。それによって、対向するラジアル配向磁石(11,13)間の磁気ギャップにも磁力線が強制的に導かれ、総体的にファラデー素子に印加される磁界を増強させている。もちろん、磁気ギャップ領域での磁界(図中、白抜き矢印)の強度が低下することも防止している。すなわち、従来例1、2と比較して、ファラデー素子f1が配置されている全領域に亘り、強大かつ均一な磁界が印加されることになる。なお、第1の実施例では、永久久磁石(11〜13)の中空塔内2に磁力線の流れを形成して、励磁気回路10aが一つの円筒型磁石のように磁力線が形成されている。そのため、永久磁石(11〜13)を固定する筐体を磁性体からなるヨークとすれば、より強大な磁界を印加させることが期待できる。
ここで、図1に示した第1の実施例のファラデー回転子1aと、図11に示したように、第1の実施例のファラデー回転子1aからラジアル配向磁石(11,13)を除いて、円筒軸配向磁石12のみを磁化印加手段10dとして用いた最も一般的な構成の従来のファラデー回転子(従来例1)1dと、上記特許文献1に示されているファラデー回転子のように、図1に示したファラデー回転子1aから、円筒軸配向磁石12を除いて、着磁方向が異なる二つのラジアル配向磁石(11,13)を対面させた構成の励磁気回路を備えた従来のファラデー回転子(従来例2)のそれぞれについて、円筒軸30方向の磁界強度を測定した。なお、測定に用いた第1の実施例のファラデー回転子1aは、図2に示したように、各永久磁石(11〜13)の外径Ro、各永久磁石(11〜13)の内径Ri、前後方向の全長L、ラジアル配向磁石(11,13)の前後長(L1,L3)、円筒軸配向磁石12の前後長L2、ヨーク20の厚さtとしたとき、Ro=38mm、Ri=5mm、L=45mm、L1=L3=15mm、L2=15mm、t=2mmとなっている。したがって、従来例2は、第1の実施例と同じでサイズであり、従来例1は、前後方向の全長が円筒軸配向磁石12の前後長L2となるだけで、他の部位のサイズは第1の実施例と同じとなる。
図3に、第1の実施例、従来例1、および従来例2における磁気特性をグラフにして示した。このグラフでは、永久磁石の円筒軸30をx軸とし、ファラデー回転子の前後長の中間点を原点(x=0mm)としている。そして、前後方向の距離(mm)と磁界強度(Oe)との関係が示されている。図3に示したグラフから、従来例2は、従来例1と比較すると、磁界強度を大きくすることができるが、ファラデー素子が配置される原点(x=0mm)での磁界強度を極小値として、その前後の磁界強度が増加している。一方、第1の実施例では、その中央付近の磁界強度が増強されており、ファラデー素子f1に効率よく磁界が印加されていることが確認できた。すなわち、外形寸法が同じなら、より強い磁界をファラデー素子f1に印加させることができる。言い換えれば、従来例1や2と同じ素材からなる永久磁石(11〜13)を用いて励磁気回路10aを構成した場合、より小型の永久磁石(11〜13)でも、従来と同程度の磁界をファラデー素子f1に印加させることができる。
<光アイソレーター>
上述したように、第1の実施例のファラデー回転子1aは、励磁気回路10aを小型にしても十分な磁界をファラデー素子f1に印加させることができる。そこで、第1の実施例のファラデー回転子1aを用いて、光アイソレーターとして機能する光学系を構成した。図4に当該光アイソレーター40aの概略図を示した。図4(A)は、ファラデー回転子1aの中空円筒状の永久磁石(11〜13)の軸方向を前後方向としたときに、当該光アイソレーター40aを後方から見たときにヨーク20の一部を破断させたときの斜視図である。(B)は、光アイソレーター40aの縦断面図であり、(A)におけるa2−a2矢視断面に相当する。光アイソレーター40aには、ファラデー回転子1aの前後両端に、それぞれ一つずつ偏光子(p1,p2)が配置されている。これらの偏光子は光が透過した後の直線偏光の振動方向が互いに45度の角度をなしている。すなわち、二つの偏光子(p1,p2)の透過軸が互いに45度の角度で交差している。ここでは、前方から見たとき、前方の偏光子p1の透過軸に対し、後方の偏光子p2の透過軸は反時計回りに45度傾いている。また、ファラデー素子f1に印加される磁界方向は前方から後方に向かう方向となっている。
ここに例示した光アイソレーター40aは、前方から後方に光を透過し、後方からの光を遮断するものである。図4(C)(D)に、当該光アイソレーター40aの動作説明図を示した、当該(C)(D)では、円筒軸30を光軸としたときに、前方から見たときの光路の途上における光の偏光方向が示されている。なお、(C)は、前方から後方に向かう光の偏光状態を示しており、(D)は、後方から前方に向かう光の偏光状態を示している。
この光アイソレーター40aに、前方から光i1が入射すると、その入射光i1は、前方の偏光子p1によって、直線偏光i2として後方に出射され、その直線偏光i2がファラデー素子f1に入射する。ファラデー素子f1は、その直線偏光i2を前方から見て反時計回りに45度回転させた直線偏光i3として後方の偏光子p2に向けて出射する。後方の偏光子p2の透過軸は、このファラデー素子f1からの出射光i3の偏光方向に一致しているため、出射光i4として光アイソレーターから出射される。すなわち、前方からの光i1が後方に透過する。
一方、後方から入射した光r1は、まず、後方の偏光子p2によって直線偏光r2として前方に出射され、次いで、ファラデー素子f1の後端に入射する。ファラデー素子f1は、この直線偏光r2を、前方から見て反時計回りに45度回転させた直線偏光r3として、前方に出射する。このファラデー素子f1から前方に出射した直線偏光r3は、前方の偏光子p1の透過軸と直交する。したがって、ファラデー素子f1からの直線偏光r3は、前方の偏光子p1を透過できず、後方からの入射光r1が遮光される。
なお、上記構成の光アイソレーター40aは、図3における第1の実施例の特性と同様の特性を有するファラデー回転子1aを用いており、ファラデー素子f1には、直径3mmで、前後長が円筒軸配向磁石12の前後長L2にほぼ一致するTGGを用いている。すなわち、ベルデ定数が小さな常磁性体のTGGを用いても、ヨーク20を含めた外径が42mmで、全長が45mm程度の小さなサイズの光アイソレーター40aを実現することができる。なお、図4に示した光アイソレーター40aは、遮光性能を確認するための実験的な構成であり、偏光子(p1,p2)をファラデー回転子1aの外側に配置している。もちろん、実用的な光アイソレーターでは、偏光子(p1,p2)自体も励磁気回路10aを構成する中空筒状の永久磁石(11〜13)の内側に配置されることになり、その偏光子(p1,p2)を固定するための構成もファラデー回転子1aの内側に内蔵してしまえば、実際の光アイソレーター40aのサイズは、ファラデー回転子1aのサイズに一致することになる。
===第2の実施例===
<ファラデー回転子>
従来のファラデー回転子を用いた光アイソレーターでは、その遮光性能をさらに向上させるために、従来のファラデー回転子の前後方向の構成の全部あるいは一部を追加構成として直列に連結することがある。しかし、このような構成では、ファラデー回転子中の光路長が長くなり、遮光性能が向上する代わりに、入射光に対する出射光の強度が低下し、挿入損失が大きくなる、という問題が発生する。しかし、上述した第1の実施例のファラデー回転子1aは、強い磁界を効率よくファラデー素子f1に印加することができる。そのため、この第1の実施例のファラデー回転子1aに追加の構成を連結した場合、単体でのファラデー回転子1aと同等の前後長にすることも可能性となる。すなわち、挿入損失の低減と光学特性の向上を両立できる可能性がある。言い換えれば、同じ光学特性であれば、単体のファラデー回転子よりも小型にすることが可能となる。
そこで、本発明の一実施形態として、図1に示したファラデー回転子1aと、そのファラデー回転子1aの一部の構成とを直列に配置したファラデー回転子を挙げ、このファラデー回転子を第2の実施例とする。図5に、当該第2の実施例に係るファラデー回転子1bの概略構造を示した。この図5では、第2の実施例に係るファラデー回転子1bの縦断面が示されている。また、図1と同様に前後関係が規定されている。このファラデー回転子1bは、第1の実施例に係るファラデー回転子1aに対し、円筒軸配向磁石14とラジアル配向磁石15、およびファラデー素子f2が一つずつ追加されている。
具体的には、励磁気回路10bは、図1に示した第1の実施例のファラデー回転子1aにおける励磁気回路10aの前方に、後端面がN極となる円筒軸配向磁石14が積層され、その円筒軸配向磁石14のさらに前方にラジアル配向磁石15が積層された構成であり、追加されたラジアル配向磁石15は、外側面がN極となっている。また、追加された円筒軸配向磁石14の中空筒内2にファラデー素子f2が配置されている。
なお、図6に示したように、第2の実施例の変形例として、第1のファラデー回転子1aの後方に追加の構成を積層したファラデー回転子1cも考えられる。いずれにしても、第2の実施例に係るファラデー回転子(1b,1c)の励磁気回路10bは、第1のファラデー回転子1aにおける前方、あるいは後方のラジアル配向磁石(11,13)を境界にして、着磁方向が第1のファラデー回転子1aに対して対象となるように追加の構成を前方、あるいは後方に積層した構造となっている。
<多段構成>
ところで、図5において、前方側の二つの永久磁石(15,14)を一組のA型ユニット磁石(以下、A型ユニット)101とし、その後方に積層されている二つの永久磁石(11,12)を別の一組のユニット磁石(以下、B型ユニット)102した場合、第2の実施例に係るファラデー回転子1bは、A型ユニット101の後方にB型ユニットを積層し、後端にラジアル配向型磁石103を積層した構造である。そして、この構造の概念は、前方からA型とB型のユニット(101,102)を交互に順次積層し、後端にラジアル配向型磁石(103)を積層した構造として拡張することができる。なお、後端に積層されるラジアル配向型磁石103は、A型ユニット101とB型ユニット102の積層数によってその着磁方向が異なることになる。具体的には、後端に積層されるラジアル配向型磁石103の着磁方向は、円筒軸配向型磁石を介して隣接するラジアル配向型磁石の着磁方向と逆になっていればよい。それによって、積層状態にある円筒型磁石(11〜15)の中空筒内2を貫く磁束が形成される。
なお、第2の実施例の変形例として図6に示したファラデー回転子1cの構成も、A型とB型のユニット(101,102)の前後関係を逆にしただけで、上記拡張した概念に置き換えることができる。このように、第2の実施例の変形例としては、A型およびB型のユニット(101,102)を前方から交互に順次積層し、その後端にラジアル配向型磁石103を積層した多段構成のファラデー回転子も含まれている。そして、その多段構成のファラデー回転子の励磁気回路の内側や両端に適宜な光学素子(偏光板、1/2波長板など)を配置すれば、光アイソレーターなどの光学部品を構成することが可能となる。
<光アイソレーター>
つぎに、第2の実施例のファラデー回転子(1b,1c)の具体的な応用例として、ファラデー素子にTGGを用いた光アイソレーターを挙げる。図7に、図5に示した構造のファラデー回転子1bを用いた光アイソレーター40bの概略を示した。図7(A)は、光アイソレーター40bの縦断面図であり、(B)(C)は、それぞれ、光アイソレーター40bにおいて、前方から後方に向かう光の偏光状態と、後方から前方に向かう光の偏光状態を示す図である。図7に示したように、この光アイソレーター40bは、前方から後方へは光を透過し、後方からの光を遮断するものである。
光アイソレーター40bの構造は、二つの偏光子(p11、p12)が、ファラデー回転子40bの前後両端に配置されている。また、これらの偏光子(p11,p12)の透過軸は、前方から見たとき時計回りに45度傾いている。そして、この図7に示した例では、後方のファラデー素子f1に印加される磁界方向は前方から後方に向かう方向であり、前方のファラデー素子f2に印加される磁界方向は後方から前方に向かう方向となっている。そして、例示した光アイソレーター40bでは、磁界方向に進行する直線偏光がファラデー素子(f1,f2)に入射した際、その入射光の偏光方向が、前方から見て時計回りに22.5度回転するようになっている。
また、1/2波長板λが、二つのファラデー素子(f1,f2)の間に挿入されている。この例では、前後方向の中央に配置されているラジアル配向型磁石12の中空筒内2に1/2波長板λが配置されている。そして、この1/2波長板λの光学軸は、前方の偏光子p11の透過軸と同じ方向となっている。すなわち、この1/2波長板λに入射する直線偏光は、この光学軸に対して線対称となる直線偏光として出射する。
なお、図7に示した光アイソレーター40bでは、二つの偏光子(p11,p12)を、ファラデー回転子1bの外側に配置しているが、永久磁石(11〜15)の中空筒内2に配置することができる。また、図6に示した構造のファラデー回転子1cを用いた光アイソレーターも、基本的な構造は、図7に示した光アイソレーター40bと同様であり、光の透過と遮断の動作も、光路途上の偏光方向などが異なるだけで、実質的には同じである。
まず、この光アイソレーター40bに、前方から光i11が入射すると、その入射光i11は、前方の偏光子p11によって、直線偏光i12として後方に出射し、その直線偏光i12が前方のファラデー素子f2に入射する。ファラデー素子f2は、その直線偏光i12を前方から見て時計回りに22.5度回転させた直線偏光i13として後方に出射し、この直線偏光i13が1/2波長板λに入射する。当該1/2波長板λは、入射した直線偏光i13の偏光方向を自身の光学軸と対象となる方向の直線偏光i14として出射し、その出射光i14が後方のファラデー素子f1に入射する。すなわち、この出射光i14の偏光方向は、第1の偏光板p11の透過軸に対して時計回りに22.5度傾いており、前方から見たときの直線偏光の偏光方向が、1/2波長板λの透過前後で、見かけ上、時計回りに45度回転する。
次に、後方のファラデー素子f1は、1/2波長板λからの出射光i14の偏光方向を時計回りに22.5ど回転させ、前方の偏光子p11の透過軸に対して時計回りに45度傾いた直線偏光i15として出射する。この直線偏光i15の偏光方向は、後方の偏光子p12の透過軸に一致する。したがって、前方から光アイソレーター40bに入射した光i11が当該光アイソレーター40b後方から出射する。
一方、後方から入射した光r11は、まず、後方の偏光子p12によって直線偏光r12として前方に出射され、後方のファラデー素子f1に入射される。この直線偏光r12は、前方から見て、前方の偏光子p11の透過軸に対して時計回りに45度傾いている。後方のファラデー素子f1は、この直線偏光r12の偏光方向を、前方から見て、時計回りに22.5度回転させ、前方の偏光子p11の透過軸に対して時計回りに67.5度傾いた直線偏光r13として1/2波長板λに入射させる。1/2波長板λは、この入射光r13を自身の光学軸に対して対象となる直線偏光r14として出射する。この出射光r14は、前方の偏光子p11の透過軸に対して時計回りに67.5度傾いている。
そして、前方のファラデー素子f2は、1/2波長板λを透過して前方に向かう直線偏光r14を、前方から見て反時計回りに22.5度回転させて出射する。この出射光r15は、前方の偏光子p11の透過軸と直交するため、この偏光子p11を透過できず、後方からの入射光が遮光される。
ところで、図7に示した光アイソレーター40bは、図4に示した光アイソレーター40aと同等の光学特性(遮光性能)を有している。そして、各永久磁石(11〜15)の内径Riこそ同じ5mmであるもの、図7に示した光アイソレーター40aでは、図4に示した光アイソレーター40aに対し、各永久磁石(11〜15)の外径を38mmから25mmに縮径させることができた。また、全長も45mmから31mmに短縮することができた。第2の実施例のファラデー回転子1bを用いた光アイソレーター40bの全長の内訳としては、前方と後方のラジアルジアル配向磁石(13,15)の前後長が3mm、中央のラジアル配向磁石11が5mmである。すなわち、図4に示した光アイソレーター40aに対し、ファラデー素子(f1,f2)の前後長を5mm短縮させることができた。そして、ファラデー素子は高価な材料であり、図7の光アイソレーター40bは、部品点数の増加に伴うコストアップを、本体の小型化と、ファラデー素子(f1,f2)の短小化とによって、ある程度相殺でき、大きなコストアップを招くことない。また、同じ大きさであれば、より強い磁界を発生させることができる。
<光アイソレーターの変形例>
第2の実施例に係るファラデー回転子1bを用いた光アイソレーターは、図7に示した構成に限らない。図8に、第2の実施例に係るファラデー回転子1bを用いた光アイソレーター40cの変形例の概略構成を示した。この変形例に係る光アイソレーター40cでは、1/2波長板λに代えて偏光子(以下、内蔵偏光子)p23を用いている。そして、前後の偏光子(p21,p22)の透過軸は、同じ角度である。また、例示した光アイソレーター40cでは、磁界方向に進行する直線偏光がファラデー素子(f1、およびf2)に入射した際、その入射光の偏光方向が、前方から見て時計回り、および反時計回りに45度回転するようになっている。すなわち、光アイソレーター40cでは、ファラデー素子(f1,f2)は、直線偏光の回転方向が互いに反対方向となっている。以下に、当該光アイソレーター40cの動作について説明する。
まず、この光アイソレーター40cに、前方から光i21が入射すると、その入射光i11は、前方の偏光子p21によって、直線偏光i22として後方に出射し、その直線偏光i22が前方のファラデー素子f2に入射する。ファラデー素子f2は、その直線偏光i22を前方から見て反時計回りに45度回転させた直線偏光i23として後方に出射し、この直線偏光i23が内蔵偏光子p23に入射する。
内蔵偏光子p23の透過軸は、入射した直線偏光i23の偏光方向と一致し、偏光状態を維持し、直線偏光i24として後方のファラデー素子f1に入射する。このファラデー素子f1は、入射した直線偏光i24を前方から見て時計回りに45度回転させる。ファラデー素子f1から後方に出射される直線偏光i25の偏光方向は、後方の偏光子p23の透過軸と一致し、前方から光アイソレーター40bに入射した光i11が透過光i26として当該光アイソレーター40bの後方から出射する。
一方、後方から入射した光r21は、まず、後方の偏光子p22によって直線偏光r22として前方に出射され、後方のファラデー素子f1に入射される。この直線偏光r22は、前方から見て、前方の偏光子p21の透過軸の方向に一致している。後方のファラデー素子f1は、この直線偏光r22の偏光方向を、前方から見て、時計回りに45度回転させる。後方のファラデー素子f1からの出射光r23の偏光方向は、内蔵偏光子p23の透過軸と直交している。そのため、この偏光子p21を透過できず、後方からの入射光r21が遮光される。
===ラジアル配向磁石について===
ところで、ラジアル配向磁石(11,13,15)は、円筒の外側面と中空筒内2の内壁面を多数の磁極に区分するように多極着磁したものであるが、図4に示した光アイソレーター40aに使用されているラジアル配向磁石(11,13)は、内径が5mmで、外径が38mmであり、リング状の端面のリングの幅、すなわち、磁化方向の肉厚は、16.5mmであった。図7に示した光アイソレーター40bに使用されているラジアル配向磁石(11,13,15)でも10mmの肉厚がある。実は、ラジアル配向磁石は、肉厚が厚いと、フル着磁することが難しいという問題がある。
図9に、ラジアル配向磁石の着磁についての説明図を示した。この図では、中空円筒状のラジアル配向磁石を前後方向から見たときの平面図を示した。図9(A)は、理想的なラジアル配向磁石50であり、磁極の境界がなく、一体的な中空円筒状の磁性体の外周側面、あるいは内壁面の全ての点で同じ磁界強度が得られる。しかし、実際のラジアル配向磁石は、各磁極のパターンに対応した着磁コイルに巻線を施した着磁ヨークを用いてパルス着磁されているため、理想的なラジアル配向磁石に近似させるためには、多極着磁の際の極幅を極めて細くする必要がある。しかし、着磁磁場を発生させるためには巻線の直径や巻数も考慮する必要があり、着磁ヨークの幅には、限度がある。そして、肉厚が厚くなるほど、その肉厚に亘って強い着磁磁場で着磁させることができなくなり、結果的に、フル着磁させることが困難となる。
そこで、上述した理由により、ラジアル配向磁石をフル着磁することができない場合では、普通、図9(B)に示したように、円周を所定角度間隔で分割した複数の磁石51を円陣配置した複合磁石52をラジアル配向磁石として用いている。しかし、この円陣配置型の複合磁石52では、隣り合う個々の磁石の磁極が同極となり、互いに反発し合う。そのため、各磁石同士を強固に接着する必要がある。また、その接着に際しては、異極同士で吸着しようとして磁石が内外周の方向にひっくり返らないように、強大な力で押さえつけておく必要がある。したがって、生産性が悪化し、結果的にファラデー回転子の製造コストを増加させる。
===第3の実施例===
本発明は、上述したラジアル配向磁石に関わる課題を解決するために、ラジアル配向磁石をフル着磁させるのと同等の効果を奏することができる複合磁石を用いたファラデー回転子を提供することも目的としている。そして、本発明の一実施形態となる第3の実施例は、ラジアル配向磁石をフル着磁させるのと同等の効果を奏することができる複合磁石を用いたファラデー回転子としている。
図10に第3の実施例のファラデー回転子に用いられるラジアル配向磁石の構造を示した。この図に示したように、径の異なるラジアル配向磁石(61〜63)を同軸上に径方向に積層した複合磁石60となっている。この複合磁石60では、各ラジアル配向磁石(61〜63)の肉厚が薄く、確実にフル着磁することが可能となる。したがって、所定の磁界強度をより小型のラジアル配向磁石60で発生させることが可能となり、ファラデー回転子をさらに小型にすることができる。なお、複合磁石60を構成する異径のラジアル配向磁石の数、あるいは個々のラジアル配向磁石の肉厚などは、複合磁石60の外径や内径、所望の磁界強度に応じて適宜に設定すればよい。
また、各ラジアル配向磁石(61〜63)は、その積層方向に、異なる磁極が交互に配置されることになり、各ラジアル配向磁石(61〜63)は、互いに吸着し合い、接着剤を用いる必要がない。あるいは、接着剤の量を極めて少なくすることができる。もちろん、各磁石が互いに吸着し合うので、製造に際しては、図9(B)に示した複合磁石52のように、強大な力で抑え付けておく必要もない。したがって、生産性を悪化させることもなく、ラジアル配向磁石60をより低コストで得ることも期待できる。したがって、より安価なファラデー回転子を提供することも可能となる。
===その他の実施例===
当然のことながら、第1〜第3の実施例のファラデー回転子に用いられるファラデー素子としては、常磁性体に限らず、希土類鉄ガーネット単結晶などのベルデ定数が大きな材料であってもよい。そして、ベルデ定数が大きなファラデー素子を上記各実施例のファラデー回転子に採用してもよい。その場合、ベルデ定数が大きなファラデー素子は、弱い磁界でも所望のファラデー回転角が得られるため、ファラデー回転子、およびそれを用いた光学部品を従来よりもさらに小型化することが可能となる。もちろん、ファラデー回転子を用いた光学部品としては、光アイソレーターに限らず、ファラデー効果を利用して、光の進路や偏光状態を変化させる様々な光学部品に適用することができる。
本発明は、光通信やレーザー光線を用いた機械加工用途などに利用できる。
1a〜1d ファラデー回転子、2 中空筒内、10a〜10d 励磁気回路、
11,13,15 ラジアル配向磁石、12,14 円筒軸配向磁石、
20 筐体、30 円筒軸(光軸)、40a,40b,40c 光アイソレーター、
50 理想的なラジアル配向磁石、51 従来の複合磁石を構成する永久磁石、
52、従来の複合磁石、60 本発明の実施例に使用される複合磁石、
61〜63 肉厚が薄いラジアル配向磁石、101,102 ユニット磁石、
p1,p2,p11,p12,p21〜p23 偏光子、λ 1/2波長板

Claims (7)

  1. 磁気光学材料からなるファラデー素子と、当該ファラデー素子に外部磁界を印加する励磁気回路とを含んで構成されるファラデー回転子であって、
    前記励磁気回路は、リング状の端面を有する中空円筒状の第1〜第3の永久磁石が前後方向に同軸上にこの順で積層されてなり、
    前記ファラデー素子は、前記第2の永久磁石の中空筒内に同軸となるように配置され、
    前記第1および第3の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、互いに着磁方向が逆であるとともに、磁気ギャップを介して配置され、
    前記第2の永久磁石は、円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、軸方向に前記磁気ギャップに相当する長さを有し、
    前記第1および第3の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が、前記第2の永久磁石においてN極となるリング状端面側に積層され、
    前記ラジアル配向円筒型磁石は、径の異なる複数のラジアル配向円筒型磁石が異極同士で対面するように径方向に同軸に積層されてなる、
    ことを特徴とするファラデー回転子。
  2. 磁気光学材料からなるファラデー素子と、当該ファラデー素子に外部磁界を印加する励磁気回路とを含んで構成されるファラデー回転子であって、
    前記励磁気回路は、リング状の端面を有する中空円筒状の第1〜第5の永久磁石を含んで構成され、
    前記第1および第2の永久磁石は、円筒軸上に前方からこの順で積層されてなる第1のユニット磁石を構成し、
    前記第3および第4の永久磁石は、円筒軸上に前方からこの順で積層されてなる第2のユニット磁石を構成し、
    前方から、前記第1のユニット磁石と前記第2のユニット磁石が交互に順次同軸に積層されて積層ユニットを構成し、
    前記第5の永久磁石が前記積層ユニットの後端側に同軸上に積層され、
    前記第1、第3、第5の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、隣り合うラジアル円筒型磁石同士では着磁方向が逆であるとともに、各ラジアル円筒型磁石は磁気ギャップを介して配置され、
    前記第2および第4の永久磁石は、前記円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、前記磁気ギャップに相当する前後長を有するとともに、隣り合う円筒軸配向円筒磁石同士では、着磁方向が逆であり、
    前記第2および第4の永久磁石の中空筒内に、第1および第2のファラデー素子が同軸となるように配置され、
    前記励磁気回路では、前記第2および第4の永久磁石において、N極となるリング状端面側に、前記第1、第3、第5の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が積層されている、
    ことを特徴とするファラデー回転子。
  3. 請求項2において、前記ラジアル配向円筒型磁石は、径の異なる複数のラジアル配向円筒型磁石が異極同士で対面するように径方向に同軸に積層されてなることを特徴とするファラデー回転子。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記励磁気回路を構成する円筒型磁石は、中空円筒状のヨーク内に収納された状態で積層されていることを特徴とするファラデー回転子。
  5. 請求項1に記載のファラデー回転子を含んで構成される光アイソレーターであって、
    前記円筒軸の延長方向を前後方向として、前記ファラデー素子の前後両端に、それぞれ、前記円筒軸を法線方向とするとともに、互いに透過軸方向が45度となる偏光子が配置され、
    前記ファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に45度回転させる、
    ことを特徴とする光アイソレーター。
  6. 請求項2または3に記載のファラデー回転子を含んで構成される光アイソレーターであって、
    円筒軸の延長方向を前後方向として、前記第1〜第5の永久磁石が前方からこの順に一つずつ配置され、前記第1のファラデー素子の前方に配置された第1の偏光子と、前記第2のファラデー素子の後方に配置された第2の偏光子と、1/2波長板とを備え、
    前記第1および第2の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が互いに45度の角度で交差しており、
    前記1/2波長板は、前記円筒軸を法線方向として前記第1および第2のファラデー素子の間に配置されているとともに、光学軸の方向が前記第1の偏光子の透過軸の方向と平行であり、
    前記第1、および第2のファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に22.5度回転させる、
    ことを特徴とする光アイソレーター。
  7. 請求項2または3に記載のファラデー回転子を含んで構成される光アイソレーターであって、
    円筒軸の延長方向を前後方向として、前記第1〜第5の永久磁石が前方からこの順に一つずつ配置され、前記第1のファラデー素子の前方に配置された第1の偏光子と、前記第2のファラデー素子の後方に配置された第2の偏光子と、 前記第1および第2のファラデー素子の間に配置された第3の偏光子とを備え、
    前記第1および第2の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が平行であり、
    前記第3の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が前記第1および第2の偏光子の透過軸に対して45度傾いており、
    前記ファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に45度回転させる、
    ことを特徴とする光アイソレーター。
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