JP2012068598A - ファラデー回転子、および光アイソレーター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気光学材料からなるファラデー素子fと、中空円筒状の第1〜第3の永久磁石(11〜13)が同軸30上にこの順で積層されてなる励磁気回路10aとを含むファラデー回転子1aであって、ファラデー素子は、第2の永久磁石の中空筒内2に同軸となるように配置され、第1および第3の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、互いに着磁方向が逆であるとともに、磁気ギャップL2を介して配置され、第2の永久磁石は、円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、軸方向に磁気ギャップに相当する長さを有し、第1および第2の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が、前記第2の永久磁石においてN極となるリング状端面側に積層されている。
【選択図】図1
Description
前記励磁気回路は、リング状の端面を有する中空円筒状の第1〜第3の永久磁石が同軸上にこの順で積層されてなり、
前記ファラデー素子は、前記第2の永久磁石の中空筒内に同軸となるように配置され、
前記第1および第3の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、互いに着磁方向が逆であるとともに、磁気ギャップを介して配置され、
前記第2の永久磁石は、円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、軸方向に前記磁気ギャップに相当する長さを有し、
前記第1および第3の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が、前記第2の永久磁石においてN極となるリング状端面側に積層されている。
前記第1および第2の永久磁石は、円筒軸上に前方からこの順で積層されてなる第1のユニット磁石を構成し、
前記第3および第4の永久磁石は、円筒軸上に前方からこの順で積層されてなる第2のユニット磁石を構成し、
前方から、前記第1のユニット磁石と前記第2のユニット磁石が交互に順次同軸に積層されて積層ユニットを構成し、
前記第5の永久磁石が前記積層ユニットの後端側に同軸上に積層され、
前記第1、第3、第5の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、隣り合うラジアル円筒型磁石同士では着磁方向が逆であるとともに、各ラジアル円筒型磁石は磁気ギャップを介して配置され、
前記第2および第4の永久磁石は、前記円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、前記磁気ギャップに相当する前後長を有するとともに、隣り合う円筒軸配向円筒磁石同士では、着磁方向が逆であり、
前記第2および第4の永久磁石の中空筒内に、第1および第2のファラデー素子が同軸となるように配置され、
前記励磁気回路では、前記第2および第4の永久磁石において、N極となるリング状端面側に、前記第1、第3、第5の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が積層されているファラデー回転子とすることもできる。
前記円筒軸の延長方向を前後方向として、前記ファラデー素子の前後両端に、それぞれ、前記円筒軸を法線方向とするとともに、互いに透過軸方向が45度となる偏光子が配置され、
前記ファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に45度回転させることを特徴としている。
円筒軸の延長方向を前後方向として、前記第1〜第5の永久磁石が前方からこの順に一つずつ配置され、前記第1のファラデー素子の前方に配置された第2の偏光子と、前記第2のファラデー素子の後方に配置された第2の偏光子と、1/2波長板とを備え、
前記第1および第2の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が互いに45度の角度で交差しており、
前記1/2波長板は、前記円筒軸を法線方向として前記第1および第2のファラデー素子の間に配置されているとともに、光学軸の方向が前記第1の偏光子の透過軸の方向と平行であり、
前記第1、および第2のファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に22.5度回転させる光アイソレーターとしている。
円筒軸の延長方向を前後方向として、前記第1〜第5の永久磁石が前方からこの順に一つずつ配置され、前記第1のファラデー素子の前方に配置された第1の偏光子と、前記第2のファラデー素子の後方に配置された第2の偏光子と、前記第1および第2のファラデー素子の間に配置された第3の偏光子とを備え、
前記第1および第2の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が平行であり、
前記第3の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が前記第1および第2の偏光子の透過軸に対して、45度傾いており、
前記ファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に45度回転させること。
<ファラデー回転子>
図1に本発明の第1の実施例に係るファラデー回転子1aの概略図を示した。図1(A)は、当該ファラデー回転子1aの一部破断斜視図であり、(B)は(A)におけるa1−a1矢視断面図である。第1の実施例のファラデー回転子1aは、図10に示した従来のファラデー回転子1dと同様に、ヨーク20などの筐体に固定された中空円筒状の永久磁石(11〜13)からなる励磁気回路10aと、永久磁石(11〜13)の中空筒内2に配置されたファラデー素子f1とから構成されている、しかし、第1の実施例のファラデー回転子1aは、その励磁気回路10aの構成に特徴があり、その特徴により、従来のファラデー回転子1dに対し、より強大な磁界をファラデー素子f1に印加させることができるようになっている。また、上記特許文献1や2に示されているファラデー回転子よりも、効率よく磁界をファラデー素子f1に印加させることができるようになっている。
上述したように、第1の実施例のファラデー回転子1aは、励磁気回路10aを小型にしても十分な磁界をファラデー素子f1に印加させることができる。そこで、第1の実施例のファラデー回転子1aを用いて、光アイソレーターとして機能する光学系を構成した。図4に当該光アイソレーター40aの概略図を示した。図4(A)は、ファラデー回転子1aの中空円筒状の永久磁石(11〜13)の軸方向を前後方向としたときに、当該光アイソレーター40aを後方から見たときにヨーク20の一部を破断させたときの斜視図である。(B)は、光アイソレーター40aの縦断面図であり、(A)におけるa2−a2矢視断面に相当する。光アイソレーター40aには、ファラデー回転子1aの前後両端に、それぞれ一つずつ偏光子(p1,p2)が配置されている。これらの偏光子は光が透過した後の直線偏光の振動方向が互いに45度の角度をなしている。すなわち、二つの偏光子(p1,p2)の透過軸が互いに45度の角度で交差している。ここでは、前方から見たとき、前方の偏光子p1の透過軸に対し、後方の偏光子p2の透過軸は反時計回りに45度傾いている。また、ファラデー素子f1に印加される磁界方向は前方から後方に向かう方向となっている。
<ファラデー回転子>
従来のファラデー回転子を用いた光アイソレーターでは、その遮光性能をさらに向上させるために、従来のファラデー回転子の前後方向の構成の全部あるいは一部を追加構成として直列に連結することがある。しかし、このような構成では、ファラデー回転子中の光路長が長くなり、遮光性能が向上する代わりに、入射光に対する出射光の強度が低下し、挿入損失が大きくなる、という問題が発生する。しかし、上述した本発明の第1の実施例のファラデー回転子1aは、強い磁界を効率よくファラデー素子f1に印加することができる。そのため、この第1の実施例のファラデー回転子1aに追加の構成を連結した場合、単体でのファラデー回転子1aと同等の前後長にすることも可能性となる。すなわち、挿入損失の低減と光学特性の向上を両立できる可能性がある。言い換えれば、同じ光学特性であれば、単体のファラデー回転子よりも小型にすることが可能となる。
ところで、図5において、前方側の二つの永久磁石(15,14)を一組のA型ユニット磁石(以下、A型ユニット)101とし、その後方に積層されている二つの永久磁石(11,12)を別の一組のユニット磁石(以下、B型ユニット)102した場合、第2の実施例に係るファラデー回転子1bは、A型ユニット101の後方にB型ユニットを積層し、後端にラジアル配向型磁石103を積層した構造である。そして、この構造の概念は、前方からA型とB型のユニット(101,102)を交互に順次積層し、後端にラジアル配向型磁石(103)を積層した構造として拡張することができる。なお、後端に積層されるラジアル配向型磁石103は、A型ユニット101とB型ユニット102の積層数によってその着磁方向が異なることになる。具体的には、後端に積層されるラジアル配向型磁石103の着磁方向は、円筒軸配向型磁石を介して隣接するラジアル配向型磁石の着磁方向と逆になっていればよい。それによって、積層状態にある円筒型磁石(11〜15)の中空筒内2を貫く磁束が形成される。
つぎに、第2の実施例のファラデー回転子(1b,1c)の具体的な応用例として、ファラデー素子にTGGを用いた光アイソレーターを挙げる。図7に、図5に示した構造のファラデー回転子1bを用いた光アイソレーター40bの概略を示した。図7(A)は、光アイソレーター40bの縦断面図であり、(B)(C)は、それぞれ、光アイソレーター40bにおいて、前方から後方に向かう光の偏光状態と、後方から前方に向かう光の偏光状態を示す図である。図7に示したように、この光アイソレーター40bは、前方から後方へは光を透過し、後方からの光を遮断するものである。
第2の実施例に係るファラデー回転子1bを用いた光アイソレーターは、図7に示した構成に限らない。図8に、第2の実施例に係るファラデー回転子1bを用いた光アイソレーター40cの変形例の概略構成を示した。この変形例に係る光アイソレーター40cでは、1/2波長板λに代えて偏光子(以下、内蔵偏光子)p23を用いている。そして、前後の偏光子(p21,p22)の透過軸は、同じ角度である。また、例示した光アイソレーター40cでは、磁界方向に進行する直線偏光がファラデー素子(f1、およびf2)に入射した際、その入射光の偏光方向が、前方から見て時計回り、および反時計回りに45度回転するようになっている。すなわち、光アイソレーター40cでは、ファラデー素子(f1,f2)は、直線偏光の回転方向が互いに反対方向となっている。以下に、当該光アイソレーター40cの動作について説明する。
ところで、ラジアル配向磁石(11,13,15)は、円筒の外側面と中空筒内2の内壁面を多数の磁極に区分するように多極着磁したものであるが、図4に示した光アイソレーター40aに使用されているラジアル配向磁石(11,13)は、内径が5mmで、外径が38mmであり、リング状の端面のリングの幅、すなわち、磁化方向の肉厚は、16.5mmであった。図7に示した光アイソレーター40bに使用されているラジアル配向磁石(11,13,15)でも10mmの肉厚がある。実は、ラジアル配向磁石は、肉厚が厚いと、フル着磁することが難しいという問題がある。
本発明は、上述したラジアル配向磁石に関わる課題を解決するために、ラジアル配向磁石をフル着磁させるのと同等の効果を奏することができる複合磁石を用いたファラデー回転子を提供することも目的としている。そして、本発明の第3の実施例は、ラジアル配向磁石をフル着磁させるのと同等の効果を奏することができる複合磁石を用いたファラデー回転子としている。
当然のことながら、第1〜第3の実施例のファラデー回転子に用いられるファラデー素子としては、常磁性体に限らず、希土類鉄ガーネット単結晶などのベルデ定数が大きな材料であってもよい。そして、ベルデ定数が大きなファラデー素子を上記各実施例のファラデー回転子に採用してもよい。その場合、ベルデ定数が大きなファラデー素子は、弱い磁界でも所望のファラデー回転角が得られるため、ファラデー回転子、およびそれを用いた光学部品を従来よりもさらに小型化することが可能となる。もちろん、ファラデー回転子を用いた光学部品としては、光アイソレーターに限らず、ファラデー効果を利用して、光の進路や偏光状態を変化させる様々な光学部品に適用することができる。
11,13,15 ラジアル配向磁石、12,14 円筒軸配向磁石、
20 筐体、30 円筒軸(光軸)、40a,40b,40c 光アイソレーター、
50 理想的なラジアル配向磁石、51 従来の複合磁石を構成する永久磁石、
52、従来の複合磁石、60 本発明の実施例に使用される複合磁石、
61〜63 肉厚が薄いラジアル配向磁石、101,102 ユニット磁石、
p1,p2,p11,p12,p21〜p23 偏光子、λ 1/2波長板
Claims (7)
- 磁気光学材料からなるファラデー素子と、当該ファラデー素子に外部磁界を印加する励磁気回路とを含んで構成されるファラデー回転子であって、
前記励磁気回路は、リング状の端面を有する中空円筒状の第1〜第3の永久磁石が同軸上にこの順で積層されてなり、
前記ファラデー素子は、前記第2の永久磁石の中空筒内に同軸となるように配置され、
前記第1および第3の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、互いに着磁方向が逆であるとともに、磁気ギャップを介して配置され、
前記第2の永久磁石は、円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、軸方向に前記磁気ギャップに相当する長さを有し、
前記第1および第3の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が、前記第2の永久磁石においてN極となるリング状端面側に積層されている、
ことを特徴とするファラデー回転子。 - 磁気光学材料からなるファラデー素子と、当該ファラデー素子に外部磁界を印加する励磁気回路とを含んで構成されるファラデー回転子であって、
前記励磁気回路は、リング状の端面を有する中空円筒状の第1〜第5の永久磁石を含んで構成され、
前記第1および第2の永久磁石は、円筒軸上に前方からこの順で積層されてなる第1のユニット磁石を構成し、
前記第3および第4の永久磁石は、円筒軸上に前方からこの順で積層されてなる第2のユニット磁石を構成し、
前方から、前記第1のユニット磁石と前記第2のユニット磁石が交互に順次同軸に積層されて積層ユニットを構成し、
前記第5の永久磁石が前記積層ユニットの後端側に同軸上に積層され、
前記第1、第3、第5の永久磁石は、円筒の径方向に着磁されたラジアル配向円筒型磁石で、隣り合うラジアル円筒型磁石同士では着磁方向が逆であるとともに、各ラジアル円筒型磁石は磁気ギャップを介して配置され、
前記第2および第4の永久磁石は、前記円筒軸方向に着磁された円筒軸配向円筒型磁石であり、前記磁気ギャップに相当する前後長を有するとともに、隣り合う円筒軸配向円筒磁石同士では、着磁方向が逆であり、
前記第2および第4の永久磁石の中空筒内に、第1および第2のファラデー素子が同軸となるように配置され、
前記励磁気回路では、前記第2および第4の永久磁石において、N極となるリング状端面側に、前記第1、第3、第5の永久磁石のうち、円筒の外周側をS極としたラジアル配向円筒型磁石が積層されている、
ことを特徴とするファラデー回転子。 - 請求項1または2において、前記ラジアル配向円筒型磁石は、径の異なる複数のラジアル配向円筒型磁石を径方向に同軸に積層されてなることを特徴とするファラデー回転子。
- 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記励磁気回路を構成する円筒型磁石は、中空円筒状のヨーク内に収納された状態で積層されていることを特徴とするファラデー回転子。
- 請求項1に記載のファラデー回転子を含んで構成される光アイソレーターであって、
前記円筒軸の延長方向を前後方向として、前記ファラデー素子の前後両端に、それぞれ、前記円筒軸を法線方向とするとともに、互いに透過軸方向が45度となる偏光子が配置され、
前記ファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に45度回転させる、
ことを特徴とする光アイソレーター。 - 請求項2に記載のファラデー回転子を含んで構成される光アイソレーターであって、
円筒軸の延長方向を前後方向として、前記第1〜第5の永久磁石が前方からこの順に一つずつ配置され、前記第1のファラデー素子の前方に配置された第2の偏光子と、前記第2のファラデー素子の後方に配置された第2の偏光子と、1/2波長板とを備え、
前記第1および第2の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が互いに45度の角度で交差しており、
前記1/2波長板は、前記円筒軸を法線方向として前記第1および第2のファラデー素子の間に配置されているとともに、光学軸の方向が前記第1の偏光子の透過軸の方向と平行であり、
前記第1、および第2のファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に22.5度回転させる、
ことを特徴とする光アイソレーター。 - 請求項2に記載のファラデー回転子を含んで構成される光アイソレーターであって、
円筒軸の延長方向を前後方向として、前記第1〜第5の永久磁石が前方からこの順につずつ配置され、前記第1のファラデー素子の前方に配置された第1の偏光子と、前記第2のファラデー素子の後方に配置された第2の偏光子と、前記第1および第2のファラデー素子の間に配置された第3の偏光子とを備え、
前記第1および第2の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が平行であり、
前記第3の偏光子は、前記円筒軸を法線方向とするとともに、透過軸の方向が前記第1および第2の偏光子の透過軸に対して、45度傾いており、
前記ファラデー素子は、磁界の方向に一致する方向に進行する直線偏光が入射されると、当該直線偏光の偏光方向を、光源側から見たときに、所定の方向に45度回転させる、
ことを特徴とする光アイソレーター。
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