JP3730608B2 - 単管取付用照明灯 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路工事現場などで使用される点滅灯や警告灯などの照明灯を、バリケードや仮設足場などの単管に取り付け固定する単管取付用照明灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、工事現場などで使用する点滅灯や警告灯などの照明灯は、太陽電池や乾電池を備え、再帰反射材などのケースで覆う構成としており、その単価も決して安いものではなく、これを必要数揃えることは工事施工者にとって少なからぬ負担となっている。この照明灯をバリケードなどの単管部分に取り付け固定するための取付具は、U字状もしくはコ字状の単管抱持取付部で単管を側方から抱持し、締め付けネジなどの締付部で圧接して固定するだけという簡便な構造であり、締付部をゆるめて締め付けを解除するだけで容易に取り外すことができるため、工事施工者以外の者が取り外して持ち去ることも多い。この照明灯は、特に道路工事などにおいて作業者や通行車両の安全を確保するために必要なものであり、それが持ち去られるたびに補充しなければならなく、また前記のように安価ではないために安易に持ち去られることによる工事施工者の経済的負担は大きい。一方、このような盗難を防ぐため取付具に錠等の保安器具を備えた製品とすることも提案されているが、コスト高となり実用性に乏しい。
【0003】
本発明は、錠等のコスト高となる手法によらず、簡易で安価な改良により照明灯の盗難を激減できる秀れた発想に基づく画期的な単管取付用照明灯を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0005】
バリケード若しくは仮設足場を構成する脚bに取り付けられたクランプcによって両端を固定され、この脚b間に横設状態で架設される横設単管aに取付固定される単管取付用照明灯であって、点滅灯や警告灯などの照明灯1もしくはこの照明灯1を保持する保持部に横設単管aに抱持固定する単管抱持取付部2を設け、この単管抱持取付部2をO環状もしくは遊離端間3の距離を前記横設単管aの外径より狭くしたC環状に構成し、このO環状もしくはC環状の単管抱持取付部2に横設単管aに締付固定するための締付部4を締め付け解除自在に設け、この単管抱持取付部2を前記締付部4をゆるめて締め付け解除した状態では横設単管aの側方へは抜き取りできず、横設単管aに沿ってスライドさせて 前記クランプcによる固定を解除し前記バリケード若しくは前記仮設足場から解体したこの横設単管aの単管端部a’からしか抜き取ることができないように構成したことを特徴とする単管取付用照明灯に係るものである。
【0006】
また、前記単管抱持取付部2に、前記横設単管aに圧接する締付螺杆4Bを螺子穴4Aに螺着して前記締付部4を設けたことを特徴とする請求項1記載の単管取付用照明灯に係わるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0008】
工事現場などに載置するバリケードなどの横設単管aに単管抱持取付部2を抱持し、締付部4を締め付けて横設単管aに単管抱持取付部2を固定することで照明灯1を横設単管aに固定するが、この締付部4をゆるめて締め付けを解除しても横設単管a側方から単管抱持取付部2を取り外すことはできず、単管抱持取付部2を横設単管aに沿ってスライドさせて、単管端部a’からしか抜き取れない。
【0009】
即ち、従来は単に締付部4をゆるめるだけで横設単管aの側方から容易に照明灯1を外せるため、照明灯1の着脱は容易であり、そのために工事施工者以外の者が容易に盗むことが可能であったが、本発明は、O環状もしくは遊離端間3の距離を横設単管aの外径より狭くしたC環状の単管抱持取付部2に構成したことで、締付部4をゆるめても横設単管aの側方から抜き取ることはできず、従って本発明を横設単管aから着脱できるのは単管端部a’からとなる。従ってバリケードではクランプcによって横設単管aは抱持固定されるため、単管抱持取付部2を横設単管aから抜き取ろうとするには工具等でバリケードを解体するか、単管抱持取付部2を破壊しなければならない。そのため容易に持ち去ることはかなり困難になるため、この困難さ故に盗難されることは激減する。そもそもこの照明灯1の盗難は、確信犯はほとんどいなく、学生等が遊び半分で家へ持ち帰るなどの幼稚犯が多いため、本手法による横設単管aからの抜き取りの困難性によって、簡易な改良ながらその盗難防止効果は絶大となる。
【0010】
【実施例】
図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0011】
本実施例の横設単管aはバリケードとして横設されているものである。横設単管aはバリケードを構成する脚bの頂部に取り付けられたクランプcによって両端を固定され、脚b間に架設されている。
【0012】
この横設単管aに点滅灯や警告灯などの照明灯1を抱持固定するための単管抱持取付部2は、照明灯1の下端部に取り付けられている。
【0013】
本実施例の単管抱持取付部2は横設単管aを抱持する四角形の一側面に遊離端間3を設けたC環状に構成している。C状環は横設単管aを抱持し、遊離端間3の間の距離を横設単管aの外径より狭くなるよう構成している。従って必ずしも円形のC字状である必要はなく、本実施例のように四角形でも他の形でもよい。この遊離端間3の距離は狭ければ狭いほどより横設単管aからは抜き取りにくくなり、本実施例においても遊離端間3の距離は十分に小さく、遊離端間3から横設単管aが抜けることはない。さらに遊離端間3を設けないO状環で構成すれば確実に横設単管aからの抜き取りは出来なくなるが、製作は環状の材料を加工するよりは金属板を本実施例のようなC環状に曲げ加工する方がよい場合が多い。また従来のコ字状取付具の端部に金属板などを追加溶接し、これを遊離端間3とすることでもう一方の遊離端間3との距離を狭める構成とすれば、コ字状取付具を利用して単管抱持取付部2とすることもできる。これにより単管抱持取付部2を、抱持した横設単管aから側方に抜き取ることはかなり困難となる。
【0014】
また単管抱持取付部2の底面には螺子穴4Aとこれに螺着する締付螺杆4Bとで構成する締付部4を設け、締付螺杆4Bを螺子穴4Aにねじ込み、横設単管aに締付螺杆4Bを圧接することで単管抱持取付部2を横設単管a上の任意の位置に締付固定し、回動を防止している。
【0015】
即ち、本発明は従来のように締付部4をゆるめるだけで横設単管a側方から取り外すことはできず、横設単管aに沿ってスライドさせ単管端部a’からしか抜き取る事ができない構造を取っているから、これにより図2に示すようにバリケードなどに架設された横設単管aに本発明を取り付けた場合、このような横設単管aは使用状態では両端をクランプcなどで固定されている場合がほとんどであるから、工事施工者以外の者が本発明を取り外すことはかなり困難となる。さらに、本発明は錠のような複雑な構成を持たないから、金属板の加工や既製品の改良、樹脂成型などにより安価に製作することができるうえ、鍵をかけるなどの煩雑な操作を必要とせずに絶大な盗難防止効果をもたらすこととなる。
【0016】
なお、本実施例では照明灯1に直接単管抱持取付部2を設けているが、例えば照明灯1を差し込むことのできる筒状ケースのような保持部に単管抱持取付部2を設け、照明灯1に単管抱持取付部2を設けてもよい。この場合、保持部を照明灯1が安易に取り外せない構造にすることによって、既製の照明灯1をそのまま使用できる。
【0017】
また図3に示す第二実施例では、単管抱持取付部2を照明灯1の側面に設けている。この場合、照明灯1を側面から抱持支承する支承部5を設け、この支承部5に単管抱持取付部2を取り付けることにより、照明灯1の側面に単管抱持取付部2を設けている。このような構成とすることで、図3のように下部に工事用コーンへの差し込み係止部1Bを設けた照明灯1を用いた場合に、この差し込み係止部1Bの機能を損なう事なく、照明灯1の側面に取り付けられた単管抱持取付部2によって照明灯1を横設単管aに取り付けることができる。即ち、工事用コーンと横設単管aの両方に取り付け可能な実用性の高い単管取付用照明灯とすることができる。
【0018】
また図4に示す第三実施例では、単管抱持取付部2を遊離端間3のないO環状の構成にすることにより、単管抱持取付部2は単管端部a’以外からでは絶対に取り外すことはできないようにしている。さらに単管抱持取付部2の両側面に横設単管aに接触する内向凸部6を設けることにより、締付部4を含めて横設単管aを3点で保持する形とし、より強固に照明灯1を横設単管aに固定している。
【0019】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、従来締付部をゆるめるだけでバリケードなどの横設単管から取り外すことのできた照明灯が、単管抱持取付部を横設単管の側方からは取り外せず、横設単管の端部からのみ取り外せる形状としたことにより、端部をクランプで抱持固定して使用する横設単管においては、工具などを使用しなければ照明灯を取り外すことはできなくなる。
【0020】
従って、従来照明灯の着脱が容易であるために生じていた学生らによる遊び半分の盗難を激減させることができ、なおかつ錠等の複雑な構造を用いないことからコスト高とならず、安価に製作することができる。
【0021】
即ち、本発明は単管抱持取付部の形状を単管端部からのみ取り外すことができるよう構成した点により、上記のような秀れた盗難防止効果を得られるのであって、このような簡易な改良によって安価に盗難を防ぐことのできる画期的な単管取付用照明灯となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の単管への取付説明斜視図である。
【図2】 本実施例の使用状態を示す斜視図である。
【図3】 本実施例の別例(第二実施例)の単管への取付説明斜視図である。
【図4】 本実施例の別例(第三実施例)の単管への取付説明斜視図である。
【符号の説明】
1 照明灯
2 単管抱持取付部
3 遊離端
4 締付部
4A 螺子穴
4B 締付螺杆
横設単管
a’ 単管端部

クランプ

Claims (2)

  1. バリケード若しくは仮設足場を構成する脚に取り付けられたクランプによって両端を固定され、この脚間に横設状態で架設される横設単管に取付固定される単管取付用照明灯であって、点滅灯や警告灯などの照明灯もしくはこの照明灯を保持する保持部に、横設単管に抱持固定する単管抱持取付部を設け、この単管抱持取付部をO環状もしくは遊離端間の距離を前記横設単管の外径より狭くしたC環状に構成し、このO環状もしくはC環状の単管抱持取付部に横設単管に締付固定するための締付部を締め付け解除自在に設け、この単管抱持取付部を前記締付部をゆるめて締め付け解除した状態では横設単管の側方へは抜き取りできず、横設単管に沿ってスライドさせて、前記クランプによる固定を解除し前記バリケード若しくは前記仮設足場から解体したこの横設単管の単管端部からしか抜き取ることができないように構成したことを特徴とする単管取付用照明灯。
  2. 前記単管抱持取付部に、前記横設単管に圧接する締付螺杆を螺子穴に螺着して前記締付部を設けたことを特徴とする請求項1記載の単管取付用照明灯。
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