本発明を実施するための実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る柵を示す正面図である。図2は、実施形態1に係る柵を示す平面図である。図3は、図1におけるA−A断面図である。図4は、図1におけるB−B断面図である。図5は、図1におけるC−C断面図である。図6は、図1におけるD−D断面図である。実施形態1に係る柵1は、例えば歩行者が通る通路100に設けられた高欄である。なお、柵1は、車両が通る道路に設けられた高欄であってもよい。また、柵は、高欄、車両用防護柵、手摺、歩道柵およびフェンス等を含む総称であり、以下においても同様の意味で使用される。
図1〜図3に示すように、柵1は、通路100の縁に設けられた地覆200に設けられている。地覆200は、通路100の縁に沿って設けられており、通路100の路面よりも上方に突出している。例えば、地覆200はコンクリートで形成されており、通路100の路面よりも100mm程度高くなっている。
柵1は、支柱10と、第1横部材11と、第2横部材12と、バラスター2と、を備える。支柱10は、通路100の縁に沿って複数設けられており、それぞれ台座101を介して地覆200に固定されている。複数の支柱10は、互いに所定間隔を空けて配置されている。支柱10は、例えば構造用アルミニウム合金等で形成されている。
第1横部材11は、隣接する支柱10に架け渡された、水平方向に長い長尺部材である。図5に示すように、第1横部材11は、外側部材111と、内側部材112と、を備える。外側部材111は、例えば構造用アルミニウム合金等で形成された、略U字状の押し出し形材である。外側部材111は、ボルト等の締結部材によって支柱10に固定されている。内側部材112は、例えば構造用アルミニウム合金等で形成された、略I字状の押し出し形材である。内側部材112は、外側部材111の内側に配置されており、外側部材111に支持されている。より具体的には、外側部材111の内壁に2つの突出部が設けられており、内側部材112の両端部に設けられた溝が外側部材111の突出部に引っ掛けられている。
第2横部材12は、隣接する支柱10に架け渡された、水平方向に長い長尺部材である。第2横部材12は、第1横部材11の下方に配置されており、ボルト等の締結部材によって支柱10に固定されている。第2横部材12は、例えば構造用アルミニウム合金等で形成されている。図6に示すように、第2横部材12は、例えば略U字状の押し出し形材である。
バラスター2は、第1横部材11および第2横部材12に支持された、鉛直方向に長い長尺部材である。より具体的には、バラスター2の一端が第1横部材11の内側部材112に連結されており、バラスター2の他端が第2横部材12に連結されている。バラスター2は、支柱10の並ぶ方向に沿って複数設けられている。複数のバラスター2は、互いに所定間隔を空けて配置されている。以下の説明において、バラスター2の並ぶ方向に沿う鉛直面1000(図2および図3参照)に対する直交方向は、前後方向と記載される。また、柵1から見て通路100がある方向は前方Dfと記載され、柵1から見て通路100とは反対方向は後方Dbと記載される。例えば図2において、下方が前方Dfであり、上方が後方Dbである。例えば図3において、右方が前方Dfであり、左方が後方Dbである。また、水平方向であって前後方向に対する直交方向は、左右方向と記載される。すなわち、バラスター2の並ぶ方向が左右方向である。
図4に示すように、バラスター2は、バラスター本体21と、照明取付用補助体22と、照明装置収納ケース23と、透光性カバー24と、緩衝部材25と、を備える。
バラスター本体21は、バラスター2に求められる強度を確保するための部材であって、照明取付用補助体22を支持する。例えば構造用アルミニウム合金等で形成されている。バラスター本体21は、例えば筒状の押し出し形材であって、内部に2つのビスホール212およびビスホール213を備える。2つのビスホール212およびビスホール213は前後方向に並べられている。図5に示すように、第1横部材11の内側部材112を貫通するネジ28がビスホール212およびビスホール213に挿入されることで、バラスター本体21が内側部材112に連結されている。図6に示すように、第2横部材12を貫通するネジ29がビスホール212およびビスホール213に挿入されることで、バラスター本体21が第2横部材12に連結されている。
図4に示すように、バラスター本体21は、基部218と、固定部210と、を備える。基部218は、バラスター本体21のうち後方Dbの端部に配置されている。例えば、基部218の断面形状は略U字状であって、基部218の左右方向の幅は、前方Dfに向かうにしたがって大きくなっている。固定部210は、例えば、基部218の前方Dfに基部218と一体に設けられている。固定部210は、突起219と、孔211と、位置決め部214と、を備える。
突起219は、基部218の前方Dfの端部から前方Dfに向かって突出している。例えば、突起219の断面形状は、基部218の略U字状とは反対向きの略U字状である。より具体的には、突起219は、左右方向に対して直交する2つの側面と、前後方向に対して直交し且つ2つの側面を接続する端面と、を含む。孔211は、突起219の側面に設けられている。例えば、突起219の左右方向の幅は一定であって、基部218の前方Dfの端部における左右方向の幅よりも小さい。これにより、基部218と突起219との間に段差が生じている。このため、基部218の前方Dfの端部には、前後方向に対して直交する端面として位置決め部214が形成されている。言い換えると、バラスター本体21のうち位置決め部214よりも後方Db側の部材が基部218であり、バラスター本体21のうち位置決め部214よりも前方Df側の部材が突起219である。
照明取付用補助体22は、照明装置3を内蔵できる筐体であって、バラスター本体21に取り付けられる。すなわち、照明取付用補助体22は、バラスター本体21に照明装置3を取り付けるための部材である。照明取付用補助体22は、例えば構造用アルミニウム合金等で形成された、略H字状の押し出し形材である。照明取付用補助体22は、光を通さない部材、すなわち遮光性部材である。照明取付用補助体22は、基部220と、挟持部221と、爪部223と、を備える。基部220は、バラスター本体21の突起219の端面の前方Dfに配置されている。例えば、基部220の断面形状は、前方Dfに向かって開口する略U字状である。基部220の左右方向の幅は、前方Dfに向かうにしたがって小さくなっている。挟持部221は2つ設けられている。2つの挟持部221のそれぞれは、基部220の後方Dbの端部における左右方向の両端から、後方Dbに向かって突出している。挟持部221は、突起219の側面に接している。すなわち、一対の挟持部221が突起219を両側から挟んでいる。挟持部221の左右方向の厚みは、バラスター本体21における基部218と突起219との間の段差の大きさに等しい。これにより、バラスター本体21と挟持部221との間に段差が生じにくくなっている。また、挟持部221の前後方向の長さは、バラスター本体21の突起219の前後方向の長さに等しい。これにより、挟持部221の先端が、バラスター本体21の位置決め部214に接している。位置決め部214は、照明取付用補助体22の前後方向における位置を規制している。また、挟持部221には孔222が設けられている。孔222は、突起219に設けられた孔211に重なるように配置されている。孔211および孔222に対して固定部材26が固着される。固定部材26は、例えばボルトであり、より具体的には超極低頭ボルトである。これにより、照明取付用補助体22がバラスター本体21に連結されている。爪部223は、基部220の前方Dfの端部において、左右方向の内側に向かって突出している。
照明装置収納ケース23は、照明取付用補助体22の内部に照明装置3を配置する作業を容易にし、且つ照明装置3を保護するための部材である。照明装置収納ケース23は、例えば合成樹脂等で形成されている。照明装置収納ケース23の断面形状は、前方Dfに向かって開口する略U字状である。照明装置収納ケース23は、照明取付用補助体22の基部220の内部に配置されている。照明装置収納ケース23の底面には、後述する照明装置3の発光部31が取り付けられている。また、基部220のうち照明装置収納ケース23の底面に対向する位置に、位置決め部材27が設けられている。位置決め部材27は、例えば六角穴付き止めねじであって、基部220に設けられた雌ネジ224に取り付けられている。位置決め部材27は、雌ネジ224から前方Dfに突出しており、照明装置収納ケース23を前方Dfに向かって押している。これにより、照明装置収納ケース23は、透光性カバー24および緩衝部材25を介して爪部223と位置決め部材27とに挟まれることで位置決めされる。位置決め部材27が照明装置収納ケース23を押していることで、照明装置収納ケース23のガタツキが抑制される。なお、六角穴付き止めねじは、イモネジ等とも称される。
透光性カバー24は、発光部31の光を所定の方向に透過させる部材である。透光性カバー24は、例えばポリカーボネート等で形成された板状部材である。透光性カバー24は、照明取付用補助体22の前方Dfの端部に配置されており、照明装置収納ケース23の開口部分を覆っている。また、透光性カバー24は、鉛直面1000と平行に配置されており、照明装置収納ケース23の底面に設けられた発光部31に対向している。透光性カバー24は、照明装置収納ケース23で爪部223に押えつけられることによって、照明取付用補助体22に固定されている。
緩衝部材25は、例えば合成樹脂等で形成されている。緩衝部材25は、透光性カバー24と爪部223との間に配置されている。緩衝部材25は、加えられる力の大きさに応じて変形することで、透光性カバー24と爪部223との間を埋めている。
なお、固定部材26は、必ずしもボルトでなくてもよく、例えばリベット等であってもよい。また、位置決め部材27は、必ずしも六角穴付き止めねじでなくてもよく、例えば皿ネジ等であってもよい。また、透光性カバー24は、必ずしもポリカーボネートでなくてもよく、例えばアクリル等であってもよい。また、緩衝部材25は、必ずしも合成樹脂でなくてもよく、例えば合成ゴム等であってもよい。さらに、緩衝部材25はなくてもよい。
図7は、実施形態1に係る照明装置を示す平面図である。図7に示すように、照明装置3は、発光部31と、配線32と、電源装置33と、配線34と、を備える。
発光部31は、基体310と、複数の発光素子311と、を備える。基体310は、例えばシリコーンゴム等で形成された可撓性部材である。例えば、基体310は、厚みが3mm程度のテープ状に形成されている。基体310は、例えば接着材によって、図4に示した照明装置収納ケース23に貼り付けられている。発光素子311は、例えば発光ダイオードすなわちLED(Light Emitting Diode)である。図7に示すように、複数の発光素子311は、基体310の長手方向に沿って等間隔に並べられている。
電源装置33は、交流電力を直流電力に変換する装置であり、いわゆるAC−DCアダプタである。電源装置33は、配線32によって発光部31と電気的に接続されている。電源装置33は、配線32を介して直流電力を発光素子311に供給することができる。また、電源装置33には、配線32とは反対側の位置に配線34が設けられている。
図5に示すように、照明装置3は、照明取付用補助体22の内部に収納されている。例えば実施形態1においては、電源装置33が照明取付用補助体22の上端部に配置されており、電源装置33の下端部から配線32および発光部31が下方に向かって設けられている。配線34は、プラグ等のコネクタ35を介して配線41に接続されている。配線41は、内側部材112に設けられた配線用孔113を通じて、第1横部材11の内部に配置された配線40に接続されている。配線40は、柵1の付近にある電力線に接続されている。これにより、交流電力が、配線40、配線41および配線34を介して電源装置33に供給される。
電源装置33から発光部31に直流電力が供給されると、発光素子311が光を放つ。照明取付用補助体22は、遮光性部材であるため、発光素子311が放つ光の一部を遮蔽することで発光素子311が放つ光の方向を規制する。発光素子311が放つ光の一部は、発光部31に対向して配置された透光性カバー24を前方Dfに向かって透過する。すなわち、バラスター2においては、照明取付用補助体22に内蔵された照明装置3によって、前方Dfに向かって光が照射される。そして、バラスター2の前方Dfに向かう光は、通路100の路面を照射する。このように、照明取付用補助体22は、前方Dfに光を照射するように照明装置3を内蔵することができる。
柵1においては、照明装置3のメンテナンスが必要になった場合、バラスター本体21から照明取付用補助体22が取り外される。具体的には、固定部材26が取り外されることによって、照明取付用補助体22がバラスター本体21から離脱することができる。照明取付用補助体22の一部がバラスター本体21から離脱すると、配線34、コネクタ35および配線41が露出する。このため、コネクタ35による配線34および配線34の連結の解除が容易である。配線34および配線34の連結が解除されると、照明取付用補助体22および照明装置3が一体のまま柵1から離脱することができる。その後、新たな照明装置3または修理された照明装置3を内蔵した照明取付用補助体22がバラスター本体21に取り付けられることで、メンテナンスが完了する。より具体的には、新たな照明装置3または修理された照明装置3の配線34が配線41に接続された後に、固定部材26によって照明取付用補助体22がバラスター本体21に取り付けられる。
このように、柵1において照明装置3のメンテナンスが必要になった場合、照明取付用補助体22を照明装置3と一体にバラスター本体21から取り外すことが可能である。このため、バラスター2は、照明装置の取り外し作業および取付作業における作業性を向上させることができる。
(変形例1)
図8は、変形例1に係るバラスターを示す断面図である。変形例1に係る柵1においては、上述したバラスター2とは異なるバラスター2Aが少なくとも1つ設けられている。バラスター2Aは、上述したバラスター2と比較して、照明取付用補助体22を備えていない点が異なる。図8に示すように、バラスター2Aにおいては、固定部210が露出している。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
上述したように、照明装置3が放つ光によって通路100の路面が照射される。例えば、路面の照度は、柵1から2mの位置において20lux以上であることが好ましい。一方、路面の照度が大きすぎると、歩行者またはドライバーが眩しく感じる可能性がある。このため、全てのバラスター2が光を照射しなくてもよいことがある。このような場合、複数のバラスター2のうち光を照射する必要のない位置に対応するバラスター2を、変形例1に係るバラスター2Aとすることで、バラスター2の並ぶ間隔が保たれると共に路面の照度の調整が容易となる。また、バラスター2Aに対しては、必要に応じて照明取付用補助体22が容易に取り付けられる。
(変形例2)
図9は、変形例2に係るバラスターを示す断面図である。変形例2に係る柵1においては、ダミー部材2Bが少なくとも1つ設けられている。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図9に示すように、ダミー部材2Bは、例えば構造用アルミニウム合金等で形成されている。ダミー部材2Bは、例えば筒状の押し出し形材であって、内部に2つのビスホール212Bおよびビスホール213Bを備える。2つのビスホール212Bおよびビスホール213Bの配置は、実施形態1に係るバラスター本体21のビスホール212およびビスホール213の配置と同じである。これにより、ダミー部材2Bは、実施形態1に係るバラスター本体21と同様に、第1横部材11および第2横部材12に連結される。
変形例1で説明したように、全てのバラスター2が光を照射しなくてもよい場合、複数のバラスター2のうちのいくつかを変形例1に係るバラスター2Aに置き換えることで、バラスター2の並ぶ間隔が保たれると共に路面の照度の調整が容易となる。しかしながら、外観が異なるバラスター2およびバラスター2Aが混在している状態では、柵1の意匠性が向上しにくい可能性がある。
これに対して、ダミー部材2Bを長手方向に対して垂直な平面で切った断面形状は、上述したバラスター2を長手方向に対して垂直な平面で切った断面形状と同じである。これにより、ダミー部材2Bの外観が、バラスター2の外観に類似する。このため、柵1においてバラスター2およびダミー部材2Bが混在している場合でも、柵1の意匠性が向上する。
(変形例3)
図10は、変形例3に係るバラスターを示す断面図である。変形例3に係るバラスター2Cは、バラスター本体21Cと、照明取付用補助体22Cと、を備える。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
バラスター本体21Cは、実施形態1に係る固定部210とは異なる固定部210Cを備える。固定部210Cにおける突起219Cは、側面(左右方向に対して直交する面)に凹部215を備える。
照明取付用補助体22Cは、実施形態1に係る挟持部221とは異なる挟持部221Cを備える。挟持部221Cは、突起219Cの側面に対向する表面に凸部225を備える。凸部225は、凹部215に重なる位置に配置されており、凹部215に噛み合っている。
変形例3に係るバラスター2Cにおいて、バラスター本体21Cに照明取付用補助体22Cが取り付けられる際、挟持部221Cが突起219Cに向かって押し込まれる。凸部225が突起219Cの側面に接すると、挟持部221Cが左右方向に変形する。そして、凸部225が凹部215の位置に達すると、挟持部221Cの変形が復元することで凸部225が凹部215に噛み合う。これにより、照明取付用補助体22Cがバラスター本体21Cに固定される。なお、このような取付方法は、メカニカルクランプ方式と称されることがある。
変形例3に係るバラスター2Cにおいては、バラスター本体21Cに照明取付用補助体22Cを固定するための別部材が不要である。このため、変形例3に係るバラスター2Cは、バラスター本体21Cに対する照明取付用補助体22Cの取付を容易にすることができる。すなわち、バラスター2Cは、バラスター本体21Cに照明取付用補助体22Cが取り付けられる時の作業性を向上させることができる。
(変形例4)
図11は、変形例4に係るバラスターを示す断面図である。変形例4に係るバラスター2Dは、上述した実施形態1に係るバラスター2と比較して、照明装置収納ケース23を備えていない点が異なる。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図11に示すように、バラスター2Dは、照明取付用補助体22Dと、透光性カバー24Dと、を備える。照明取付用補助体22Dは、実施形態1に係る爪部223とは異なる爪部223Dを備える。爪部223Dは、基部220の前方Dfの端部において、左右方向の内側に向かって突出している。より具体的には、爪部223Dは、基部220の先端部から、透光性カバー24Dの厚み分だけ後方Db側に寄った位置に配置されている。透光性カバー24Dは、例えば接着材によって爪部223Dの前方Df側の表面に固定されている。
バラスター2Dにおいては、照明装置3の発光部31が照明取付用補助体22Dに直接取り付けられている。具体的には、発光部31は、接着材によって基部220の底面に貼り付けられている。
バラスター2Dは、上述した実施形態1に比較して、照明装置収納ケース23を備えないため、部品点数を低減することができる。このため、バラスター2Dは、容易に組み立てることができる。
バラスター2Dは、工場等において事前に照明装置3を照明取付用補助体22Dに固定することができる場合に用いられることが好ましい。上述した実施形態1に係るバラスター2においては、工場等において事前に照明装置3が照明取付用補助体22に取り付けられてもよいし、現場で照明装置3が照明取付用補助体22に取り付けられてもよい。一方、バラスター2Dにおいては、照明装置3を照明取付用補助体22Dに固定した後に、透光性カバー24Dを接着材等を用いて照明取付用補助体22Dに固定する必要がある。このため、照明取付用補助体22Dの組み立ては、工場等において行われる方が好ましい。
(変形例5)
図12は、変形例5に係るバラスターを示す断面図である。変形例5に係るバラスター2Eは、上述した実施形態1に係るバラスター2と比較して、照明装置収納ケース23を備えていない点が異なる。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図12に示すように、バラスター2Eは、照明取付用補助体22Eと、透光性カバー24Eと、を備える。照明取付用補助体22Eは、実施形態1に係る爪部223とは異なる爪部223Eを備える。爪部223Eは、基部220の前方Dfの端部において、左右方向の内側に向かって突出している。より具体的には、爪部223Eは、基部220の先端部から、透光性カバー24Eの板部240の厚み分だけ後方Db側に寄った位置に配置されている。透光性カバー24Eは、板状に形成された板部240と、板部240から後方Dbに突出する2つのカバー側爪部241と、を備える。板部240は、爪部223Eの前方Df側の表面に接する。カバー側爪部241は、爪部223Eと噛み合っている。
変形例5に係るバラスター2Eにおいて、照明取付用補助体22Eに透光性カバー24Eが取り付けられる際、カバー側爪部241が1対の爪部223Eの間に押し込まれる。カバー側爪部241が爪部223Eに接すると、カバー側爪部241が左右方向に変形する。そして、カバー側爪部241が爪部223Eを乗り越えたとき、爪部223Eの変形が復元することでカバー側爪部241が爪部223Eに噛み合う。これにより、透光性カバー24Eが照明取付用補助体22Eに固定される。なお、このような取付方法は、メカニカルクランプ方式と称されることがある。
バラスター2Eにおいては、照明装置3の発光部31が照明取付用補助体22Eに直接取り付けられている。具体的には、発光部31は、接着材によって基部220の底面に貼り付けられている。
バラスター2Eは、上述した実施形態1に比較して、照明装置収納ケース23を備えないため、部品点数を低減することができる。このため、バラスター2Eは、容易に組み立てることができる。
また、変形例5に係るバラスター2Eにおいては、照明取付用補助体22Eに透光性カバー24Eを固定するための接着材が不要である。このため、変形例5に係るバラスター2Eは、照明取付用補助体22Eに対する透光性カバー24Eの取付を容易にすることができる。すなわち、バラスター2Eは、照明取付用補助体22Eに透光性カバー24Eが取り付けられる時の作業性を向上させることができる。
さらに、接着材を用いる工程がなくなるので、照明取付用補助体22Eに透光性カバー24Eを固定する作業が現場においても容易となる。このため、変形例5に係るバラスター2Eにおいては、工場等において事前に照明装置3が照明取付用補助体22Eに取り付けられてもよいし、現場で照明装置3が照明取付用補助体22Eに取り付けられてもよい。
(変形例6)
図13は、変形例6に係るバラスターを示す断面図である。図14は、変形例6に係るバラスターを示す断面図である。変形例6に係るバラスター2Fは、上述した実施形態1に係るバラスター2と比較して、照明装置3が放つ光の方向が異なる。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図13に示すように、照明取付用補助体22Fは、基部220Fと、挟持部221と、爪部226と、爪部227と、を備える。基部220Fの断面形状は、突起219に対向する一辺と、一辺の一端から前方Dfに突出する他辺とを有する略L字状である。爪部226は、基部220Fの前方Dfの端部において、左右方向の内側に向かって突出している。爪部227は、基部220Fの左右方向の端部において、前方Dfに向かって突出している。より具体的には、爪部226は、基部220Fの先端部から、透光性カバー24Fの厚み分だけ後方Db側に寄った位置に配置されている。爪部227は、基部220Fの先端部から、透光性カバー24Fの厚み分だけ左右方向の内側に寄った位置に配置されている。
透光性カバー24Fは、例えば、一部が屈曲した板状部材である。透光性カバー24Fは、例えば接着材によって爪部226の前方Df側の表面、および爪部227の左右方向の外側表面に固定されている。また、バラスター2Fにおいては、照明装置3の発光部31が照明取付用補助体22Fに直接取り付けられている。
発光素子311が放つ光の一部は、発光部31の前方Dfおよび左右方向の一方に配置された透光性カバー24Fを前方Dfおよび左右方向の一方に向かって透過する。すなわち、バラスター2Fにおいては、照明取付用補助体22Fに内蔵された照明装置3によって、前方Dfおよび左右方向の一方に向かって光が照射される。そして、バラスター2Fの前方Dfおよび左右方向の一方に向かう光は、通路100の路面を照射する。このように、照明取付用補助体22Fは、前方Dfおよび左右方向の一方に光を照射するように照明装置3を内蔵することができる。
バラスター2Fにおいては、光が前方Dfおよび左右方向の一方に照射されるので、実施形態1のバラスター2に比較して、照射できる面積が大きくなる。このため、バラスター2Fを用いた柵1においては、通路100の路面の照度を所定値以上とするために必要なバラスター2Fの数を低減することができる。したがって、バラスター2Fは、通路100の路面の照度を所定値以上とするための消費電力を抑制することができる。
また、通路100における歩行者の進行方向が一定である場合、バラスター2Fが放つ光の方向は、前方Dfおよび左右方向のうち歩行者の進行方向と同じ方向であることが好ましい。すなわち、透光性カバー24Fは、発光部31に対して前方Dfと、発光部31に対して歩行者の進行方向と同じ方向とを覆うように配置されることが好ましい。言い換えると、図13に示すバラスター2Fは、歩行者の進行方向が図13の左側から右側に向かう方向であるときに用いられることが好ましい。仮に歩行者の進行方向とは反対方向に向かって光が照射される場合、光が歩行者の目に入射しやすいので、歩行者が眩しく感じる可能性がある。これに対して、バラスター2Fは、光が歩行者の目に入射することを抑制するので、歩行者が眩しく感じる可能性を低減することができる。
なお、通路100が車両の通る道路である場合、バラスター2Fが放つ光の方向は、前方Dfおよび左右方向のうち車両の進行方向と同じ方向とすればよい。また、図14に示すように、照明取付用補助体22Fの位置と透光性カバー24Fの位置とを逆転させることで、バラスター2Fは、歩行者または車両の進行方向が逆である通路100にも適用することができる。
(変形例7)
図15は、変形例7に係るバラスターを示す断面図である。変形例7に係るバラスター2Gは、上述した実施形態1に係るバラスター2と比較して、照明装置3が放つ光の方向が異なる。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図15に示すように、照明取付用補助体22Gは、基部220Gと、挟持部221と、爪部226Gと、爪部227Gと、を備える。基部220Gの断面形状は、突起219に対向する一辺と、一辺の一端から前方Dfに突出する他辺とを有する略L字状である。爪部226Gは、基部220Gの前方Dfの端部において、左右方向の内側に向かって突出しており、複数の屈曲部を有する。爪部227Gは、基部220Gの左右方向の端部において、前方Dfに向かって突出しており、屈曲部を有する。より具体的には、爪部226Gは、略S字状に屈曲している。爪部227Gは、略L字状に屈曲している。
透光性カバー24Gは、例えば、一部が屈曲した板状部材である。透光性カバー24Gは、カバー側爪部242と、カバー側爪部243と、カバー側爪部244と、カバー側爪部245と、を備える。カバー側爪部242およびカバー側爪部243が、爪部226Gと噛み合っている。カバー側爪部244およびカバー側爪部245が、爪部227Gと噛み合っている。
変形例7に係るバラスター2Gにおいて、照明取付用補助体22Gに透光性カバー24Gが取り付けられる際、透光性カバー24Gが変形した状態で爪部226Gと爪部227Gとの間に押し込まれる。そして、カバー側爪部242およびカバー側爪部243が、爪部226Gと噛み合うとともに、カバー側爪部244およびカバー側爪部245が、爪部227Gと噛み合う。これにより、透光性カバー24Gが照明取付用補助体22Gに固定される。なお、このような取付方法は、メカニカルクランプ方式と称されることがある。
また、変形例7に係るバラスター2Gにおいては、照明取付用補助体22Gに透光性カバー24Gを固定するための接着材が不要である。このため、変形例7に係るバラスター2Gは、照明取付用補助体22Gに対する透光性カバー24Gの取付を容易にすることができる。すなわち、バラスター2Gは、照明取付用補助体22Gに透光性カバー24Gが取り付けられる時の作業性を向上させることができる。
(変形例8)
図16は、変形例8に係るバラスターを示す断面図である。変形例8に係るバラスター2Hは、上述した実施形態1に係るバラスター2と比較して、照明装置3が放つ光の方向が異なる。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図16に示すように、照明取付用補助体22Hは、基部220Hと、挟持部221と、爪部228と、を備える。基部220Hは、突起219に対向する板状部材である。爪部228は、基部220Hの左右方向の両端部において、前方Dfに向かって突出している。より具体的には、爪部228は、基部220Hの先端部から、透光性カバー24Hの厚み分だけ左右方向の内側に寄った位置に配置されている。
透光性カバー24Hは、例えば、一部が屈曲した板状部材である。透光性カバー24Hの断面形状は、略U字状である。透光性カバー24Hは、例えば接着材によって爪部228の左右方向の外側表面に固定されている。また、バラスター2Hにおいては、照明装置3の発光部31が照明取付用補助体22Hに直接取り付けられている。透光性カバー24Hは、発光部31に対する前方Dfおよび左右方向の両方を覆っている。
発光素子311が放つ光の一部は、発光部31の前方Dfおよび左右方向の両方に配置された透光性カバー24Hを前方Dfおよび左右方向の両方に向かって透過する。すなわち、バラスター2Hにおいては、照明取付用補助体22Hに内蔵された照明装置3によって、前方Dfおよび左右方向の両方に向かって光が照射される。そして、バラスター2Hの前方Dfおよび左右方向の両方に向かう光は、通路100の路面を照射する。このように、照明取付用補助体22Hは、前方Dfおよび左右方向の両方に光を照射するように照明装置3を内蔵することができる。
バラスター2Hにおいては、光が前方Dfおよび左右方向の両方に照射されるので、実施形態1のバラスター2および変形例6に係るバラスター2Fに比較して、照射できる面積が大きくなる。このため、バラスター2Hを用いた柵1においては、通路100の路面の照度を所定値以上とするために必要なバラスター2Hの数を低減することができる。したがって、バラスター2Hは、通路100の路面の照度を所定値以上とするための消費電力を抑制することができる。
(変形例9)
図17は、変形例9に係る柵を示す断面図である。図18は、変形例9に係るバラスターを示す断面図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図17に示すように、変形例9に係る柵1Iは、例えば歩行者が通る通路100aと通路100bとの間の地覆200に設けられた高欄である。このため、柵1Iに設けられるバラスター2Iは、柵1Iの前方Dfおよび後方Dbの両方に光を照射できることが好ましい。なお、通路100aおよび通路100bは、車両が通る道路であってもよい。変形例9の説明においては、柵1Iから見て通路100aがある方向が前方Dfと記載され、柵1Iから見て通路100bがある方向が後方Dbと記載される。例えば図17において、右方が前方Dfであり、左方が後方Dbである。
図18に示すように、バラスター2Iは、1つのバラスター本体21Iに対して2つの照明取付用補助体22を備える。より具体的には、バラスター本体21Iの前後方向の両端部に1つずつ固定部210が設けられており、2つの固定部210のそれぞれに照明取付用補助体22が取り付けられている。
一方の照明取付用補助体22において、発光素子311が放つ光の一部は、発光部31に対向して配置された透光性カバー24を前方Dfに向かって透過する。すなわち、一方の照明取付用補助体22においては、照明取付用補助体22に内蔵された照明装置3によって、前方Dfに向かって光が照射される。そして、バラスター2Iの前方Dfに向かう光は、通路100aの路面を照射する。
他方の照明取付用補助体22において、発光素子311が放つ光の一部は、発光部31に対向して配置された透光性カバー24を後方Dbに向かって透過する。すなわち、他方の照明取付用補助体22においては、照明取付用補助体22に内蔵された照明装置3によって、後方Dbに向かって光が照射される。そして、バラスター2Iの後方Dbに向かう光は、通路100bの路面を照射する。
このように、変形例9に係るバラスター2Iは、前方Dfに光を照射するように照明装置3を内蔵することができる照明取付用補助体22を備えると共に、後方Dbに光を照射するように照明装置3を内蔵することができる照明取付用補助体22を備える。このため、変形例9に係るバラスター2Iは、前方Dfおよび後方Dbの両方に光を照射することができる。
(変形例10)
図19は、変形例10に係る柵を示す断面図である。変形例10に係るバラスター2Jは、上述した実施形態1に係るバラスター2と比較して、照明装置3の配置が異なる。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図19に示すように、照明装置3は、照明取付用補助体22の内部に収納されている。変形例10においては、電源装置33が照明取付用補助体22の下端部に配置されており、電源装置33の上端部から配線32および発光部31が上方に向かって設けられている。配線34は、プラグ等のコネクタ35Jを介して配線41Jに接続されている。配線41Jは、第2横部材12Jに設けられた配線用孔121を通じて、第2横部材12Jの内部に配置された配線40Jに接続されている。配線40Jは、柵1の付近にある電力線に接続されている。これにより、交流電力が、配線40J、配線41Jおよび配線34を介して電源装置33に供給される。
(変形例11)
図20は、変形例11に係る柵を階段から見た内観図である。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図20に示すように、変形例11に係る柵1Kは、階段300に設けられた高欄である。階段300は、例えば歩道橋に設けられる階段である。柵1Kは、実施形態1で説明したバラスター2を備える。これにより、柵1Kは、階段300の路面に光が照射できるため、階段300の歩行者に対する安全性を向上させることができる。
より詳しくは、柵1Kは、登り口301、踊り場302および降り口303に対応する位置にバラスター2を備える。登り口301、踊り場302および降り口303は、勾配の変化する場所であるので、歩行者の安全のために路面の視認性がより重要である。柵1Kは、勾配の変化する場所の路面に光が照射されるため、階段300の歩行者に対する安全性を向上させることができる。
なお、バラスター2は、必ずしも登り口301、踊り場302および降り口303に対応する位置に設けられていなくてもよい。バラスター2は、登り口301、踊り場302および降り口303のうちの少なくとも1つに対応する位置に設けられていてもよい。また、バラスター2は、登り口301、踊り場302および降り口303に対応する位置以外にも設けられていてもよい。
なお、従来歩道橋において照明が必要な場合、ポールの先端に照明器具が取り付けられた街灯が設置されていた。このような照明器具に対してメンテナンスが必要になった場合、照明器具が高い位置にあるためメンテナンスが困難になることがあった。これに対して、変形例11の柵1Kを歩道橋に適用すれば、高所での作業が生じないので、従来技術に比較してメンテナンスを容易にすることができる。また、街灯が設置されている場合に比較して歩道橋の下に向かう光が抑制されるので、歩道橋の下を通る道路を通行する車両のドライバーが眩しく感じる可能性が低減される。
以上で説明したように、実施形態1に係るバラスター2は、柵1の第1横部材11に固定できるバラスター本体21を備える。バラスター本体21は、バラスター本体21の並ぶ方向に沿う鉛直面1000に対する前後方向のうち少なくとも一方に光を照射するように照明装置3を内蔵できる照明取付用補助体22を固定するための固定部210を備える。これにより、柵1において照明装置3のメンテナンスが必要になった場合、照明取付用補助体22を照明装置3と一体にバラスター本体21から取り外すことが可能である。このため、バラスター2は、照明装置3の取り外し作業および取付作業における作業性を向上させることができる。
例えば実施形態1に示したように、固定部210は、照明取付用補助体22を固定するための固定部材26が固着する孔211を備える。これにより、バラスター本体21に対する照明取付用補助体22の固定が容易になる。
例えば実施形態1に示したように、固定部210は、照明取付用補助体22によって両側から挟まれる突起219を備える。これにより、照明取付用補助体22のガタツキが抑制される。
例えば実施形態1に示したように、固定部210は、照明取付用補助体22の前後方向における位置を規制するための位置決め部214を備える。これにより、バラスター本体21に照明取付用補助体22が取り付けられる際の、照明取付用補助体22の位置決めが容易になる。
例えば実施形態1に示したように、バラスター2は、柵1の第1横部材11に固定できるバラスター本体21と、照明取付用補助体22と、を備える。照明取付用補助体22は、バラスター本体21に固定されて、バラスター本体21の並ぶ方向に沿う鉛直面1000に対する前後方向のうち少なくとも一方に光を照射するように照明装置3を内蔵できる。これにより、柵1において照明装置3のメンテナンスが必要になった場合、照明取付用補助体22を照明装置3と一体にバラスター本体21から取り外すことが可能である。このため、バラスター2は、照明装置の取り外し作業および取付作業における作業性を向上させることができる。
例えば実施形態1に示したように、照明装置3は、テープ状の基体310の長手方向に沿って並べられた複数の発光素子311を備える。これにより、バラスター2を小型化することが容易になる。
例えば実施形態1に示したように、照明取付用補助体22は、バラスター本体21に設けられた突起219を両側から挟むことによりバラスター本体21に固定される。これにより、照明取付用補助体22のガタツキが抑制される。
例えば変形例3に示したように、照明取付用補助体22Cに設けられた凸部225とバラスター本体21Cに設けられた凹部215とが噛み合うことで、照明取付用補助体22Cがバラスター本体21Cに固定される。これにより、バラスター2Cは、バラスター本体21Cに照明取付用補助体22Cを固定するための部材が不要であるため、バラスター本体21Cに照明取付用補助体22Cが取り付けられる時の作業性を向上させることができる。
例えば実施形態1に示したように、バラスター2は、照明取付用補助体22の内部に収納可能である照明装置収納ケース23を備える。照明装置3は、照明装置収納ケース23に取り付けられる。これにより、照明装置3が破損する可能性が低減される。
例えば実施形態1に示したように、バラスター2は、照明装置収納ケース23の前後方向における位置を規制するための位置決め部材27を備える。これにより、照明装置収納ケース23のガタツキが抑制される。
例えば変形例4(または変形例5〜変形例8)に示したように、照明装置3は、照明取付用補助体22Dに取り付けられる。これにより、照明装置収納ケース23を備える場合に比較して部品点数が低減されるので、バラスター2Dの組み立てが容易になる。
例えば実施形態1に示したように、照明取付用補助体22は、遮光性部材であって、照明装置3が照射する光の方向を規制する。これにより、バラスター2は、光の向かう方向を、歩行者またはドライバーの進行方向に応じて好ましい方向に制御できる。
例えば実施形態1に示したように、照明取付用補助体22の前後方向における先端部に透光性カバー24が設けられている。これにより、光がバラスター2から前後方向に向かって照射される。このため、歩行者またはドライバーに向かう光が低減されるので、歩行者またはドライバーが眩しく感じる可能性が低減される。
例えば実施形態1に示したように、柵1は、一方向に沿って並べられる複数の支柱10と、支柱10に支持される第1横部材11と、支柱10に支持され且つ第1横部材11の下方に設けられる第2横部材12と、第1横部材11および第2横部材12に支持される複数のバラスター2と、を備える。複数のバラスター2の少なくとも1つは、第1横部材11および第2横部材12に固定されるバラスター本体21と、バラスター本体21に取り付けられて、バラスター本体21の並ぶ方向に沿う鉛直面1000に対する前後方向のうち少なくとも一方に光を照射するように照明装置3を内蔵できる照明取付用補助体22と、を備える。これにより、柵1において照明装置3のメンテナンスが必要になった場合、照明取付用補助体22を照明装置3と一体にバラスター本体21から取り外すことが可能である。このため、柵1は、照明装置の取り外し作業および取付作業における作業性を向上させることができる。
例えば実施形態1および変形例10に示したように、第1横部材11または第2横部材12Jの内部に通された配線40(または配線40J)を介して、照明装置3が有する電源装置33に電力が供給される。これにより、外から見える配線の数が低減されるので、柵1の意匠性が向上する。
例えば実施形態1および変形例10に示したように、電源装置33は、照明取付用補助体22の内部に配置されている。これにより、第1横部材11または第2横部材12Jの内部にスペースが生じやすくなるので、配線40(または配線40J)の施工が容易になる。
例えば変形例1に示したように、柵1においては、複数のバラスター2のうち光を照射する必要のない位置に対応するバラスター2Aにおいて、バラスター本体21の照明取付用補助体22を固定するための固定部210が露出している。全てのバラスター2が光を照射しなくてもよい場合、バラスター2Aが用いられることで、バラスター2の並ぶ間隔が保たれると共に路面の照度の調整が容易となる。また、バラスター2Aに対しては、必要に応じて照明取付用補助体22が容易に取り付けられる。
例えば変形例2に示したように、柵1は、光を照射する必要のない位置に、第1横部材11および第2横部材12に支持されるダミー部材2Bを備える。ダミー部材2Bを長手方向に対して垂直な平面で切った断面形状は、バラスター本体21および照明取付用補助体22を有するバラスター2を長手方向に対して垂直な平面で切った断面形状と同じである。全てのバラスター2が光を照射しなくてもよい場合、ダミー部材2Bが用いられることで、バラスター2の並ぶ間隔が保たれると共に路面の照度の調整が容易となる。さらに、ダミー部材2Bの外観が、バラスター2の外観に類似する。このため、柵1においてバラスター2およびダミー部材2Bが混在している場合でも、柵1の意匠性が向上する。
例えば変形例11に示したように、柵1Kは、階段300に設けられる。これにより、柵1Kは、階段300の路面に光が照射できるため、階段300の歩行者に対する安全性を向上させることができる。
例えば変形例11に示したように、バラスター本体21および照明取付用補助体22を有するバラスター2は、階段300の登り口301、降り口303または踊り場302に対応する位置に配置される。これにより、柵1Kは、勾配の変化する場所の路面に光が照射されるため、階段300の歩行者に対する安全性を向上させることができる。
(実施形態2)
図21は、実施形態2に係る改修柵を示す正面図である。図22は、図21におけるE−E断面図である。図23は、図21におけるF−F断面図である。実施形態2に係る柵1Lは、既存の柵を改修した柵であって、例えば歩行者が通る通路100に設けられた高欄である。なお、柵1Lは、車両が通る道路に設けられた高欄であってもよい。
図21に示すように、柵1Lは、支柱10Lと、第1横部材11Lと、第2横部材12Lと、バラスター2Lと、を備える。支柱10Lは、通路100の縁に沿って複数設けられており、図22に示すようにそれぞれ台座101Lを介して地覆200に固定されている。複数の支柱10Lは、互いに所定間隔を空けて配置されている。
第1横部材11Lは、隣接する支柱10Lに架け渡された、水平方向に長い長尺部材である。第1横部材11Lは、ボルト等の締結部材によって支柱10Lに固定されている。第2横部材12Lは、隣接する支柱10Lに架け渡された、水平方向に長い長尺部材である。第2横部材12Lは、第1横部材11Lの下方に配置されており、ボルト等の締結部材によって支柱10Lに固定されている。
図21に示すように、バラスター2Lは、第1横部材11Lおよび第2横部材12Lに支持された、鉛直方向に長い長尺部材である。バラスター2Lは、支柱10Lの並ぶ方向に沿って複数設けられている。複数のバラスター2Lは、互いに所定間隔を空けて配置されている。バラスター2Lには、改修ユニット5が取り付けられている。
図23に示すように、改修ユニット5は、アダプター6と、照明ユニット50と、を備える。アダプター6がバラスター2Lに固定されており、照明ユニット50がアダプター6に固定されている。すなわち、照明ユニット50がアダプター6を介してバラスター2Lに固定されている。
アダプター6は、照明ユニット50をバラスター2Lに取り付けるための部材である。すなわち、アダプター6は、接続器具または取り付け用付属器具などと言い換えることもできる。アダプター6は、例えば構造用アルミニウム合金等で形成されている。アダプター6は、第1挟持部61と、第2挟持部63と、接合部62と、連結部64と、を備える。第1挟持部61および第2挟持部63は、バラスター2Lを左右方向の両側から挟むように配置されている。接合部62は、第1挟持部61および第2挟持部63の前方Dfの端部同士を連結している。連結部64は、第2挟持部63の後方Dbの端部から第1挟持部61とは反対側に突出している。連結部64には、前後方向に貫通する孔66が設けられている。
第1挟持部61は、左右方向に貫通する孔65と、孔65に固着する締結部材69と、を備える。締結部材69は、例えばクランピングスクリューである。締結部材69は、第1挟持部61のバラスター2Lと対向する表面から突出し且つバラスター2Lに接している。締結部材69は、バラスター2Lを第2挟持部63に押えつけている。締結部材69が第1挟持部61から突出する長さが長いほど、バラスター2Lが押さえつけられる力が大きくなる。締結部材69とバラスター2Lとの間および第2挟持部63とバラスター2Lとの間に生ずる摩擦によって、アダプター6がバラスター2Lに固定されている。
照明ユニット50は、第1支持部材51と、第2支持部材52と、照明装置収納ケース53と、透光性カバー54と、緩衝部材55と、を備える。
第1支持部材51は、照明ユニット50に求められる強度を確保するための部材であって、第2支持部材52を支持する。第1支持部材51は、例えば構造用アルミニウム合金等で形成されている。第1支持部材51は、例えば筒状の押し出し形材である。第1支持部材51は、連結部64の孔66と重なる位置に孔512を備える。孔66および孔512に固着する締結部材59によって、第1支持部材51がアダプター6に連結されている。
第1支持部材51は、基部518と、固定部510と、を備える。基部518は、第1支持部材51のうち後方Dbに配置されている。固定部510は、例えば、基部518の前方Dfに基部518と一体に設けられている。固定部510は、突起519と、孔511と、位置決め部514と、を備える。
突起519は、基部518の前方Dfの端部から前方Dfに向かって突出している。例えば、突起519の断面形状は、基部518の略U字状とは反対向きの略U字状である。より具体的には、突起519は、左右方向に対して直交する2つの側面と、前後方向に対して直交し且つ2つの側面を接続する端面と、を含む。孔511は、突起519の側面に設けられている。例えば、突起519の左右方向の幅は一定であって、基部518の前方Dfの端部における左右方向の幅よりも小さい。これにより、基部518と突起519との間に段差が生じている。このため、基部518の前方Dfの端部には、前後方向に対して直交する端面として位置決め部514が形成されている。言い換えると、第1支持部材51のうち位置決め部514よりも後方Db側の部材が基部518であり、第1支持部材51のうち位置決め部514よりも前方Df側の部材が突起519である。
第2支持部材52は、照明装置3を内蔵できる筐体であって、第1支持部材51に取り付けられる。すなわち、第2支持部材52は、第1支持部材51に照明装置3を取り付けるための部材である。第2支持部材52は、例えば構造用アルミニウム合金等で形成された、略H字状の押し出し形材である。第2支持部材52は、基部520と、挟持部521と、爪部523と、を備える。基部520は、第1支持部材51の突起519の端面の前方Dfに配置されている。例えば、基部520の断面形状は、前方Dfに向かって開口する略U字状である。挟持部521は2つ設けられている。2つの挟持部521のそれぞれは、基部520の後方Dbの端部における左右方向の両端から、後方Dbに向かって突出している。挟持部521は、突起519の側面に接している。すなわち、一対の挟持部521が突起519を両側から挟んでいる。挟持部521の左右方向の厚みは、第1支持部材51における基部518と突起519との間の段差の大きさに等しい。これにより、第1支持部材51と挟持部521との間に段差が生じにくくなっている。また、挟持部521の前後方向の長さは、第1支持部材51の突起519の前後方向の長さに等しい。これにより、挟持部521の先端が、第1支持部材51の位置決め部514に接している。位置決め部514は、第2支持部材52の前後方向における位置を規制している。また、挟持部521には孔522が設けられている。孔522は、突起519に設けられた孔511に重なるように配置されている。孔511および孔522に対して固定部材56が固着される。固定部材56は、例えばボルトであり、より具体的には超極低頭ボルトである。これにより、第2支持部材52が第1支持部材51に連結されている。爪部523は、基部520の前方Dfの端部において、左右方向の内側に向かって突出している。
照明装置収納ケース53は、第2支持部材52の内部に照明装置3を配置する作業を容易にし、且つ照明装置3を保護するための部材である。照明装置収納ケース53は、例えば合成樹脂等で形成されている。照明装置収納ケース53の断面形状は、前方Dfに向かって開口する略U字状の部材である。照明装置収納ケース53は、第2支持部材52の基部520の内部に配置されている。照明装置収納ケース53の底面には、照明装置3の発光部31が取り付けられている。また、基部520のうち照明装置収納ケース53の底面に対向する位置に、位置決め部材57が設けられている。位置決め部材57は、例えば六角穴付き止めねじであって、基部520に設けられた雌ネジ524に取り付けられている。位置決め部材57は、雌ネジ524から前方Dfに突出しており、照明装置収納ケース53を前方Dfに向かって押している。これにより、照明装置収納ケース53は、透光性カバー54および緩衝部材55を介して爪部523と位置決め部材57とに挟まれることで位置決めされる。位置決め部材57が照明装置収納ケース53を押していることで、照明装置収納ケース53のガタツキが抑制される。
透光性カバー54は、発光部31の光を所定の方向に透過させる部材である。透光性カバー54は、例えばポリカーボネート等で形成された板状部材である。透光性カバー54は、第2支持部材52の前方Dfの端部に配置されており、照明装置収納ケース53の開口部分を覆っている。また、透光性カバー54は、鉛直面1000と平行に配置されており、照明装置収納ケース53の底面に設けられた発光部31に対向している。透光性カバー54は、照明装置収納ケース53で爪部523に押えつけられることによって、第2支持部材52に固定されている。
緩衝部材55は、例えば合成樹脂等で形成されている。緩衝部材55は、透光性カバー54と爪部523との間に配置されている。緩衝部材55は、加えられる力の大きさに応じて変形することで、透光性カバー54と爪部523との間を埋めている。
なお、固定部材56は、必ずしもボルトでなくてもよく、例えばリベット等であってもよい。また、位置決め部材57は、必ずしも六角穴付き止めねじでなくてもよく、例えば皿ネジ等であってもよい。また、透光性カバー54は、必ずしもポリカーボネートでなくてもよく、例えばアクリル等であってもよい。また、緩衝部材55は、必ずしも合成樹脂でなくてもよく、例えば合成ゴム等であってもよい。さらに、緩衝部材55はなくてもよい。
発光部31が放つ光の一部は、発光部31に対向して配置された透光性カバー54を前方Dfに向かって透過する。すなわち、照明ユニット50においては、第2支持部材52に内蔵された照明装置3によって、前方Dfに向かって光が照射される。そして、照明ユニット50の前方Dfに向かう光は、通路100の路面を照射する。このように、照明ユニット50は、前方Dfに光を照射するように照明装置3を内蔵することができる。
改修ユニット5を用いた柵1Lの改修方法は以下の通りである。すなわち、まずバラスター2Lにアダプター6が取り付けられる。その後、アダプター6に対して締結部材59によって照明ユニット50が取り付けられる。すなわち、改修ユニット5を用いた柵1Lの改修方法は、既存のバラスター2Lにアダプター6を介して照明ユニット50を取り付ける工程を含む。また、第1支持部材51および第2支持部材52は、例えば工場等で事前に組み立てられている。
なお、アダプター6は、必ずしも鉛直方向に長い長尺部材、すなわち通し部材でなくてもよい。例えば、アダプター6は、バラスター2Lの上端部および下端部に取り付けられていてもよい。また、第1支持部材51および第2支持部材52は、事前に組み立てられていなくてもよい。例えば、現場において、締結部材59によって第1支持部材51がアダプター6に取り付けられた後、固定部材56によって第2支持部材52が第1支持部材51に取り付けられてもよい。
なお、実施形態2に係る柵1Lにおいて、例えば上述した実施形態1の変形例3〜9の構成が適用されてもよい。すなわち、柵1Lにおいて、第2支持部材52がメカニカルクランプ方式で第1支持部材51に取り付けられていてもよい。また、柵1Lにおいて、照明装置収納ケース53がなく、照明装置3の発光部31が第2支持部材52に直接取り付けられていてもよい。また、柵1Lにおいて、透光性カバー54がメカニカルクランプ方式で第2支持部材52に取り付けられていてもよい。また、柵1Lにおいて、照明ユニット50は、前方Dfおよび左右方向の一方に光を照射してもよいし、前方Dfおよび左右方向の両方に光を照射してもよい。また、柵1Lにおいて、照明ユニット50が2つ設けられており、2つの照明ユニット50のそれぞれが前方Dfおよび後方Dbの両方に光を照射してもよい。
以上で説明したように、実施形態2に係る柵1Lは、既存の柵を改修した柵であって、既存のバラスター2Lに、バラスター2Lの並ぶ方向に沿う鉛直面1000に対する前後方向のうち少なくとも一方に光を照射するように照明装置3を内蔵できる照明ユニット50が取り付けられている。これにより、柵1Lにおいて照明装置3のメンテナンスが必要になった場合、照明ユニット50を照明装置3と一体にバラスター2Lから取り外すことが可能である。このため、柵1Lは、照明装置の取り外し作業および取付作業における作業性を向上させることができる。
また、実施形態2に係る改修ユニット5は、既存のバラスター2Lに取り付けられる改修ユニットである。改修ユニット5は、アダプター6と、照明ユニット50と、を備える。アダプター6は、バラスター2Lを両側から挟む第1挟持部61および第2挟持部63と、第2挟持部63から第1挟持部61とは反対側に突出する連結部64と、を含む。照明ユニット50は、連結部64に固定されており、バラスター2Lの並ぶ方向に沿う鉛直面1000に対する前後方向のうち少なくとも一方に光を照射するように照明装置3を内蔵できる。これにより、柵1Lにおいて照明装置3のメンテナンスが必要になった場合、照明ユニット50を照明装置3と一体にバラスター2Lから取り外すことが可能である。このため、改修ユニット5は、照明装置3の取り外し作業および取付作業における作業性を向上させることができる。
また、実施形態2に係る改修ユニット5において、第1挟持部61は、バラスター2Lに対向する表面から突出し且つバラスター2Lに接する締結部材69を備える。アダプター6は、締結部材69とバラスター2Lとの間および第2挟持部63とバラスター2Lとの間に生ずる摩擦によって、バラスター2Lに固定されている。これにより、バラスター2Lに対して穴を開ける等の加工が不要となるので、改修ユニット5をバラスター2Lに取り付ける際の作業性が向上する。
実施形態2に係る改修方法は、既存の柵の改修方法であって、既存のバラスター2Lに、バラスター2Lの並ぶ方向に沿う鉛直面1000に対する前後方向のうち少なくとも一方に光を照射するように照明装置3を内蔵できる照明ユニット50を取り付ける工程を含む。この改修方法によって改修された柵1Lにおいて照明装置3のメンテナンスが必要になった場合、照明ユニット50を照明装置3と一体にバラスター2Lから取り外すことが可能である。このため、改修方法は、柵1Lのメンテナンス時の照明装置3の取り外し作業および取付作業における作業性を向上させることができる。
また、従来から設けられている歩道橋の柵の周辺には、ポールの先端に照明器具が取り付けられた街灯が設置されていることがある。従来から設けられている歩道橋の柵に対して、上述した改修ユニット5を用いた改修が行われると、街灯が不要となるので、街灯の撤去が可能になる。このため、改修ユニット5を用いた改修は、高所での作業となる街灯のメンテナンス作業の削減に寄与する。また、街灯が設置されている場合に比較して歩道橋の下に向かう光が抑制されるので、歩道橋の下を通る道路を通行する車両のドライバーが眩しく感じる可能性が低減される。