JP3730405B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、座部と背もたれ部を有する椅子本体の前記座部の前方に脚載置台を設けた椅子またはマッサージ機能を有する椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、座部とこの座部の後方に回動することにより座部に対する角度を調節可能として設けた背もたれ部を有する椅子本体に、前記座部の前方に上下方向に回動可能とした脚載置台を設けた椅子がある。また、このように構成された椅子の座部、背もたれ部および脚載置台に、エアーの給排気により膨縮するエアーバッグ等からなる施療子を設けることにより構成した椅子式マッサージ機があり、この椅子式マッサージ機は、マッサージ機として使用しないときは通常の椅子としても使用されるものである。
【0003】
そして、この種の背もたれ部の座部に対する角度を調節するように上下方向に回動させる(以下背もたれ部の座部に対する角度を調節するように上下方向に回動させることを背もたれ部を起倒させるといい、この起倒させる動作を起倒動作という)とともに、脚載置台を上下方向に回動させるように(以下脚載置台を上下方向に回動させる動作を脚載置台を昇降させるといい、この昇降させる動作を昇降動作という)構成した椅子の使用の態様は、大きくは背もたれ部を起こした状態で使用する態様と、背もたれ部を倒して使用する態様の二つの使用態様がある。そして、背もたれ部を倒した状態で使用する態様においては、一般的には脚載置台を上昇させて使用するものである。また、前記椅子式マッサージ機によってマッサージをする場合においても、リラックスできるとともにマッサージ効果を上げることができることから、体を伸ばした姿勢とするために背もたれ部を倒したときには脚載置台を上昇させて使用するようになっている。
【0004】
そして、背もたれ部の起倒と脚載置台を昇降とをさせるために、起倒させる起倒手段と昇降させる昇降手段をそれぞれ独立して設けた形式のものと、背もたれ部の起倒と脚載置台を昇降とを連動機構によって連動させる形式のものとがある。
【0005】
また、使用者は背もたれ部を後方に倒した状態で使用しようとする場合は、座部に座った後、前記起倒手段を操作して背もたれ部を徐々に後方に倒していくものであり、この際、脚載置台が上昇しないで脚部がそのままつまり膝部から下方に垂れ下がった状態に維持されたままであると身体つまり腹部あるいは腰部等(以下腰部等という)の筋肉が強く伸ばされる等の腰部等に負担がかかる等好ましくない事態が生じる。
【0006】
このことは、背もたれ部を倒す前にあらかじめ脚載置台を上昇させておくことにより解決できるものである。この場合、背もたれ部を起倒させる起倒手段と脚載置台を昇降させる昇降手段とをそれぞれ独立して設けた形式のものでは、使用者は座部に座った後まず昇降手段を操作して、脚載置台をあらかじめ所定の位置まで上昇させ、ついで起倒手段を操作して所望の位置まで背もたれ部を倒すようにしなければならないため、その操作が面倒であるという問題がある。
【0007】
また、背もたれ部の起倒動作と脚載置台の昇降動作とを連動機構を介して連動させる連動形式のものでは、上記のように起倒手段と昇降手段を独立して設けた形式のもののような昇降手段と起倒手段を別々に操作するという問題はないものの、従来の連動形式のものは、背もたれ部を起倒させる起倒速度と、脚載置台の昇降させる昇降速度とを同じつまり1対1に設定しているものであることから、背もたれ部がある程度倒れた状態ではまだ脚載置台は略最上部の位置まで上昇しきっていないため、結局腰部等が強く伸ばされる等の負担がかかるという事態が生じるという問題がある。このことは、腰痛等の疾患をもった使用者においてはとくに好ましいものではないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の背もたれ部を起倒可能にするとともに、昇降可能な脚載置台を設けた椅子あるいは椅子式マッサージ機においては、背もたれ部を倒す過程において脚載置台が上昇していないために腰部が伸ばされる等の負担等が生じるものであり、この問題を解消する方法として、昇降手段と起倒手段とを独立して設けた形式のものにおいては、使用者は背もたれ部を後方に倒した状態で使用しようとする場合に、使用者は昇降手段と起倒手段とを別々に操作しなければならないということから操作が面倒であるという問題があり、また、起倒手段と昇降手段を連動させる形式のものは、背もたれ部が起倒する速度と脚載置台が昇降する速度とが同じであることから、背もたれ部がある程度倒れた状態ではまだ脚載置台もまだ上昇しきっていないため、結局腰部等が強く伸ばされる等により負担がかかるという問題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記事情に鑑みなされたものであり、請求項1記載の発明は、座部を有する本体枠と前記本体枠の後部に回動可能に支持されて設けられ回動によって起倒する背もたれ部とからなる椅子本体と、脚載部を有するとともに回動部材を介して前記本体枠の前部に設けられ回動によって昇降する脚載置台と、前記背もたれ部を倒す動作に連動して前記脚載置台を上昇させるとともに前記背もたれ部を起す動作に連動させて記脚載置台を下降させる作動手段とを備えた椅子において、前記作動手段により、前記脚載置台を上昇させる上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくするとともに、前記背もたれ部が最も倒れた状態となる前に前記脚載置台を略最上部位置に上昇させる椅子としたものである。
【0012】
この請求項1記載の発明は、作動手段により、前記脚載置台を上昇させる上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくするとともに、背もたれ部が最も倒れた状態となる前に脚載置台を略最上部位置に上昇させて、背もたれ部が最も倒れた状態となる前に略最上部位置に上昇している脚載置台によって脚部を上方に位置させるとともに、後方に倒れる背もたれ部とともに倒れる上半身の倒れる速度よりも、脚載置台によって上昇する脚部の上昇速度がその初期において大きくしたので、後方に倒される背もたれ部とともに上半身が後方に倒れる際に腰部等の筋肉が急に強く伸ばされることがなく腰部等に加わる負担を軽減できるという作用を有するものである。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、座部を有する本体枠と前記本体枠の後部に回動可能に支持されて設けられ回動によって起倒する背もたれ部とからなる椅子本体と、脚載部を有するとともに回動部材を介して前記本体枠の前部に設けられ回動によって昇降する脚載置台と、前記背もたれ部を倒す動作に連動して前記脚載置台を上昇させるとともに前記背もたれ部を起す動作に連動させて前記脚載置台を下降させる作動手段とを備えた椅子において、前記作動手段により前記脚載置台を上昇させる上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくした椅子としたものである。
【0014】
この請求項2記載の発明は、作動手段により前記脚載置台を上昇させる上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくしたことから、後方に倒れる背もたれ部とともに倒れる上半身の倒れる速度よりも、脚載置台によって上昇する脚部の上昇速度がその初期において大きいので、腰部等の筋肉が急に伸ばされることはなく腰部等に加わる負担を軽減できるという作用を有するものである。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明における作動手段を、順次連結される複数の作動部材と、前方に向かうに連れて上昇する勾配の急な第一のガイド溝、この第一のガイド溝に連続し前方に向かうに連れて上昇する勾配の緩やかな第二のガイド溝よりなる速度切換溝を設けた固定部材とにより構成し、前記複数の作動部材のうち摺動軸を介して前記速度切換溝を摺動する作動部材を介して前記脚載置台を昇降させることにより前記脚載置台の上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくした椅子としたものである。
【0016】
この請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の作用に加えて、脚載置台の上昇速度を上昇過程における初期に大きく終期に小さくする構成を簡単にできるという作用を有するものである。
【0017】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3の内のいずれか一項記載の発明における作動手段を、背もたれ部を回動可能に支持する支持軸の後部に下方に向けて延出して設けられた第一の作動部材、前記本体枠の座部の下方部で前記支持軸よりも所定距離前方に離間した部位に設けた支点軸に一端側を回動可能に取り付けられるとともに摺動スリットが形成された第二の作動部材、前記支点軸を中心として斜め前方下方の領域に設けた円弧状ガイド溝とこの円弧状ガイド溝の前端部に連通し斜め上方に向けて形成した直線状ガイド溝からなる速度切換溝を有し前記本体枠に取り付けられた固定部材、前記第一の作動部材の下端部の回動中心からの距離が前記円弧状ガイド溝の半径よりも大きい距離離れた部位に一端部を回動可能に軸支されるとともに他端側を前記速度切換溝に遊嵌した摺動軸に前記第二の作動部材とともに取り付けられた第三の作動部材、一端部を前記第二の作動部材の前記支点軸の軸心を中心とした摺動軸の半径よりも大きい距離離れた部位に回動可能に軸支され他端を前記脚載置台の回動部材の回動支点よりも脚載部側に位置した部位に回動可能に軸支された第四の作動部材によって構成した椅子としたものである。
【0018】
この請求項4記載の発明は、請求項1から3の内のいずれか一項記載の発明の作用に加えて、脚載置台の上昇速度を切換る構成を、この速度切換溝に摺動する摺動軸に取り付けられた回動板によって構成することができることから、脚載置台の上昇速度の切換を簡単な構成とできるという作用を有するものである。
【0019】
また、請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4における速度切換溝をバーリング溝とした椅子としたものである。
【0020】
この請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の発明の作用に加えて、固定部材を板金で形成できることから、安価にできるとともに、摺動軸をスムーズに移動させることができるという作用を有するものである。
【0021】
また、請求項6記載の発明は、請求項1から5の内のいずれか一項記載の椅子の身体支持部に身体の被施療部のマッサージをする施療子を配設するとともに、この施療子を動作させる駆動手段を設けた椅子としたものである。
【0022】
この請求項6記載の発明は、請求項1から請求項5の内のいずれか一項記載の発明の作用に加えて、マッサージをできるとともに、背もたれ部を倒した場合は、リラックスした状態でマッサージができて良好なマッサージ効果が得られるという作用を有するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を施療子としてエアーバッグを用いたマッサージ機としても使用できる椅子に適用した場合の実施の形態を図1ないし図8に基づいて説明する。
【0024】
図1、図2等において符号1は椅子であり、この椅子1は、椅子本体10とこの椅子本体10の前部に設けられた後述する脚載置台50および駆動手段としてのエアー給排気手段2等から構成されている。
【0025】
なお、以下の説明において、後部、前部、下部、上部、右側、左側等とした方向に関する記載は、それぞれ椅子本体10の後述する背もたれ部30が設けられている側を後部、背もたれ部30が設けられている側と反対側を前部、床に置かれる側を下部、この下部の上方に位置する側を上部、後述する座部に使用者が座った状態で使用者の右側および左側をそれぞれ右側および左側というものとする。
【0026】
そして、前記椅子本体10の本体枠11は、図4等に示すように左右方向に離間した一対の台枠12、逆L字状に折り曲げて形成され後側の下端部を前記台枠12の後部側に溶接により取り付けられた一対の主枠13、下端部を前記台枠12に溶接により取り付けられ上端部を前記主枠13の前部側に溶接により取り付けられた一対の支柱枠14、前記前後方向に離間して両台枠12に溶接により取り付けられた一対の補強枠12a、前記主枠13の上部に前後方向に離間してその両端部を溶接により両主枠13に取り付けられた一対の補強軸13a、13bから構成されている。
【0027】
また、前記それぞれの主枠13の曲げ部分には後方に突出した支持突起15が設けられており、この支持突起15には軸孔(不図示)が形成されている。また、前記それぞれの主枠13の前端部には軸孔16aが形成された支持片16が延設されている。
【0028】
そして、前記支持突起15には、支持軸20が回動可能に取り付けられており、この支持軸20の両端には軸孔(不図示)が形成された支持片21がそれぞれ設けられており、この支持片21の軸孔と前記支持突起15に形成された図示しない軸孔とに軸23を嵌合することによって、支持軸20は主枠13つまり本体枠11に回動可能に取り付けられているものである。
【0029】
また、支持軸20には、図4に示すようにその左側端部に下方に向けて突出させて溶接により取り付けた第一の作動部材としての駆動杆25が形成されており、この駆動杆25は互いに離間対向した一対の腕片25aから構成され、その先端部には軸孔(不図示)が形成されている。また、支持軸20には図4に示すように前記駆動杆25の近傍に位置した部位に同様に下方に向けて突出させて溶接により結合腕27が取り付けられており、この結合腕27は互いに離間した一対の腕片27aから構成され、その先端には図示しないが軸孔が形成されている。
【0030】
また、前記支持軸20には図4に示すように、互いに離間して上方に向けて突出させた一対の支持棒28が溶接により取り付けられている。この支持棒28には、図1および図4(図4では二点鎖線で示した)に示すように、前記背もたれ部30の枠部31に溶接に取り付けられた中空の一対の結合棒32が嵌合するようになっており、この結合棒32と支持棒28とは図示しない抜止防止ねじによって抜止されて取り付けられるものである。
【0031】
つぎに前記背もたれ部30について説明する。この背もたれ部30は、図1に示すように、パイプ部材で形成した前記枠部31、この枠部31に取り付けられる背受板33等から構成されている。また、この背受板33には、施療子としてのエアーバッグ35が、使用者の首部・肩部、背中部、腰部等にそれぞれ対応させて複数個配設されている。また、背もたれ部30に左右両側には、縦方向に沿って形成され身体を背もたれ部に安定させるための隆起部36が形成されている。
【0032】
また、背もたれ部30は、前記枠部31、背受板33、エアーバッグ35等を覆うカバー37によって覆われている。
【0033】
そして、前述したように背もたれ部30は、前記枠部31に取り付けられた結合棒32を前記支持軸20に設けた支持棒28に嵌合するともに抜止防止ねじにより抜止して取り付けられ、取り付けた状態では支持軸20を介して前記軸23を回動支点として回動し起倒可能となっている。
【0034】
また、前記主枠13の上部には、座部支持板41がねじ42によって取り付けられており、この座部支持板41の上には座部40が載置されており、この座部40には、使用者が座った際に腿部および尻部が対応する部位に施療子としてのエアーバッグ43が配設されている。
【0035】
つぎに、前記本体枠11の前部に回動可能つまり昇降可能に取り付けられる脚載置台50について説明する。
【0036】
この脚載置台50は図6に示すように、脚載部51とこの脚載部51の下側面に取り付けられた取付部材56とから構成されている。そして、前記脚載部51は図5に示すように、底壁52、この底壁52の中央部に形成した中央壁53、この中央壁53と対向離間して形成した側壁54、54とからなり、中央壁53と両側壁54、54との間には脚を載置する一対のU字溝55が形成されている。
【0037】
また、前記中央壁53と両側壁54、54との互いに対向する対向壁には、それぞれ施療子としてのエアーバッグ53a、54aがそれぞれ配設されている。
【0038】
また、脚載部51の下側面に取り付けられる前記取付部材56は、ねじ孔56aが形成された取付部56bとこの取付部56bから後方に突出した突片56cとからなり、前記取付部56bは、図1に示すように脚載部51の下側面にねじ57によって取り付けられている。また、突片56cの先端部には、後述する断面方形状の軸62に嵌合する嵌合孔56dが設けられている。
【0039】
つぎに、前記突片56cに設けた嵌合孔56dが嵌合する軸62は、図6に示すように前述したように断面方形状に形成され、その両端部にはそれぞれ継手片64が設けられており、この継手片64の先端部には軸孔が形成されており、この軸孔と前記支持片16の軸孔16aに軸66を貫通することにより軸62つまり脚載置台50は、前記軸66を回動中心として図1において上下方向に回動可能に取り付けられるものである。
【0040】
また、前記軸62の左側には図6に示すように連結片63が取り付けられている。
【0041】
そして、軸62に取り付けられた前記連結片63と継手片64とは、前記継手片64を支持片16に取り付けている軸66を回動支点として前記脚載置台50を回動させて昇降させるものであり、連結片63と継手片64とは回動部材60を構成するものである。
【0042】
なお、前記連結片63と継手片64とは後述する作動手段70の配置関係によっては一体に形成することも可能であり、また、連結片63、継手片64および前記取付部材56の突片56cを一体としてもよいものである。
【0043】
つぎに、前記背もたれ部30の起倒動作と脚載置台50の昇降動作を連動させる作動手段70を図2ないし図4および図7に基づいて説明する。
【0044】
この作動手段70は、前記支持軸20に設けられた第一の作動部材としての駆動杆25、第二の作動部材としての回動板72、固定部材としての固定板73、第三の作動部材としての従動杆74、第四の作動部材としての連結杆75とから構成されている。
【0045】
そして、前記駆動杆25は前述したように一対の腕片25aからなっており、その先端部には軸孔(不図示)が形成されており、この軸孔の中心と前記支持軸20を回動可能に軸支している前記軸23の軸心との距離つまり軸23の軸心を中心として回動する前記軸孔の中心までの半径R1は後述する固定板73に形成した円弧状ガイド溝73cの半径Rよりも大きく設定されている。
【0046】
また、前記回動板72は図4に示すように断面コ字の部材により形成され、図2に示すように上部に軸孔72c(図1ないし図3参照)が設けられ、この軸孔72cを貫通して支点軸としての軸71に対して回動可能に取り付けられている。
【0047】
なお、前記軸71は、一端側つまり左側は前記補強軸13aに溶接によって取り付けられた軸受腕76に軸支され、他端側はつぎに詳述する前記固定板73に軸支されているものである。
【0048】
また、前記回動板72には、図2に示すように後述する摺動軸77の摺動を許容するつまり摺動軸77の直径よりも僅かに大きい寸法の幅の摺動スリット72aが形成されており、この摺動スリット72aの上端部つまり摺動スリット72aの上端側に摺動軸77が位置した際の摺動軸77の中心と前記軸71の軸心との距離は、前記軸71の軸心を中心とした前記円弧状ガイド溝73cの半径Rと同じに設定されている。
【0049】
また、回動板72には、前記摺動スリット72aの下端側よりも下方つまり前記軸71の中心からの半径が前記摺動スリット72aの下端側よりも大きい距離離れた部位に軸孔72bが形成されている。
【0050】
つぎに、前記固定板73は、図4に示すように板金部材をコ字状に折り曲げて形成されており、その両側の折曲片73aは溶接により前記支柱枠14に取り付けられており、また、底面73bは前記回動板72の摺動スリット72aの溝幅と同じ溝幅とするとともに、図7に示すように溝幅の中心線Lと前記軸71の軸心Oから半径Rとした円弧状ガイド溝73cが形成され、また、この円弧状ガイド溝73cの前端部にはこの円弧状ガイド溝73cに連通し、円弧状ガイド溝73cと同じ溝幅に形成されるとともに、斜め上方に向けて傾斜した直線状ガイド溝73dが形成されている。なお、前記円弧状ガイド溝73cと直線状ガイド溝73dとは、速度切換溝73mを構成しているものである。
【0051】
また、前記円弧状ガイド溝73cの形成されている位置は軸71の軸心を中心として斜め前方下方領域となっている。
【0052】
なお、円弧状ガイド溝73cおよび直線状ガイド溝73dは、いはゆるバーリング溝によって形成されており、このことによって固定板73を板金によって形成したとしても円弧状ガイド溝73cおよび直線状ガイド溝73dと摺動軸77の軸方向の接触面を大きくできるために、摺動軸77をスムーズの移動させることができるものである。
【0053】
つぎに、従動杆74は、図4に示すように断面コ字状の棒状部材から構成され、その後端側には軸孔(不図示)が形成されており、この軸孔と前記駆動杆25の下方部に設けた軸孔とに軸74aを挿通することにより回動可能に前記駆動扞25に取り付けられ、また、前端側は前記円弧状ガイド溝73cに嵌合した摺動軸77に回動可能に取り付けられている。
【0054】
なお、前記回動板72の摺動スリット72aは、摺動軸77が固定板73の円弧状ガイド溝73cを移動するに伴って回動板72が軸71を中心として回転して前記摺動軸77が円弧状ガイド溝73cの終端部つまり直線状ガイド溝73dとの境界部(以下分岐部という)に達したとき、固定板73の直線状ガイド溝73dに重なりあうように設定されている。
【0055】
つぎに、前記連結杆75は、図4に示すようにへ字状に形成された中空の角棒によって形成され、後端側を前記回動板72に形成した軸孔72bに軸75aによって回動可能に取り付けられており、また、前端側は前記連結片63に軸75bによって回動可能に取り付けられている。
【0056】
つぎに、前記背もたれ部30の起倒動作と脚載置台50の昇降動作とを連動させるように前記作動手段70を駆動させる動力手段80について説明する。この動力手段80は、図1、図2等に示すように本体枠11に取り付けられた電動機(不図示)とこの電動機の回転を減速する複数の歯車からなる減速機(不図示)とから構成される動力部81aと、前記減速機の最終段の歯車と噛合する歯が軸方向に沿って形成され電動機の回転に伴って回転しつつ軸方向に移動する移動軸82等からなり電動機の回転力を軸方向に変換させる伝達機構81bとから構成されている。なお、前記減速機の最終段の歯車および移動軸82は軸方向に伸縮するゴム等から構成された蛇腹83によって覆われ、油等の外部への飛散が防止されるようになっている。
【0057】
そして、前記伝達機構81bの一端側は、前記軸62の軸受腕76の左側近傍の部位に溶接によって取り付けられた取付部材78に軸78aによって取り付けられており、他端側は前記支持軸20に設けられた結合腕27の下端側に軸27bによって回動可能に取り付けられている。
【0058】
また、前記動力手段80は、電動機が図1において時計方向に回転すると前記移動軸82は後方に向けて移動し、また、反時計方向に回転したときに前記移動軸82が前方に移動するようになっている。したがって、電動機が時計方向に回転すると、移動軸82は後方に移動することから、結合腕27は後方に押され支持軸20は反時計方向に回動し、その結果背もたれ部30は、軸23を回動支点として反時計方向に回動し、座部40との挟角が小さくなり、つまり起きることになる。逆に電動機が反時計方向に回転すると移動軸82は前方に移動することから、結合腕27は前方に引っ張られて支持軸20は時計方向に回動し、その結果背もたれ部30は、軸23を回動支点として時計方向に回動し、座部40との挟角が大きくなり、つまり倒れることになる。
【0059】
なお、背もたれ部30の起倒と脚載置台50の昇降との関係は、背もたれ部30が図1および図7に二点鎖線で示す位置つまり最も起きた状態の位置(以下初期位置という)となっているときは、脚載置台50は最も下降した状態つまりU字溝55の底面は床面と略直交する位置(以下最下部位置という)に位置するように設定され、また、背もたれ部30が図7に示す位置つまり最も倒れた状態の位置(以下最倒位置という)となっているときは、脚載置台50は最も上昇した状態つまりU字溝55の底面は略水平状態となるとともに座部40の略先端部よりも僅かに下方に位置(以下最上部位置という)するように設定されている。
【0060】
また、前記本体枠11の後部に取り付けた前記エアー給排気手段2は図示しないが、従来周知のエアーポンプとロータリー弁等からなるエアー分配器によって構成され、このエアー分配器と前記背もたれ部30、座部40および脚載置台50にそれぞれ配設したエアーバッグ35、43および53a、54aとは図示しないエアーホースによって接続されている。
【0061】
また、本体枠11には図示しないが前記エアー給排気手段2、動力手段80を制御する制御手段が設けられており、この制御手段の制御により各種マッサージモードの中から設定された所望のマッサージモードが実行され、このマッサージモードによって定められた順序にしたがって前記各エアーバッグ35、43および53a、54aにエアーの給排気がなされマッサージがなされるものである。なお、前記各種マッサージモードとは従来周知のマッサージモード、つまり全身マッサージモード、上半身マッサージモード、下半身マッサージモード、部分マッサージモード等である。
【0062】
また、前記図示しないがリモートコントロール装置からなる入力手段が設けられており、前記マッサージモードの設定および動力手段80の制御つまり背もたれ部30の起倒および脚載置台50の昇降の制御は、この入力手段の操作によってなされるものである。
【0063】
なお、図1、図2等において符号5は、座部40の左右に設けられた肘掛け部である。
【0064】
つぎに、上記椅子1における背もたれ部30の起倒と脚載置台50の昇降の連動動作を図8を参照して説明する。
【0065】
いま、図8に二点鎖線で示すように、背もたれ部30および脚載置台50がそれぞれ初期位置および最下部位置にあるとする。この状態から背もたれ部30を後方に倒す場合は、前記入力手段を操作して電動機を反時計方向に回転するように操作する。この操作により電動機が反時計方向に回転し、この回転に伴って前記移動軸82は徐々に前方に向って移動し結合腕27を前方に向けて移動させることから、背もたれ部30は支持軸20の両端の支持片21の軸23を回動支点として時計方向に回転して徐々に倒れる。
【0066】
また、前記結合腕27が前方に向けて移動するとこの移動に伴って支持軸20に取り付けられている前記駆動杆25も前方に向けて移動する。駆動杆25が前方に移動すると、従動杆74も前方に押されて移動することから摺動軸77は前記円弧状ガイド溝73cに沿って移動する。この摺動軸77が移動するとこの摺動軸77に取り付けられている回動板72は軸71を回動支点として時計方向に回動する。
【0067】
ところで、円弧状ガイド溝73cの半径Rは、前記軸23を中心とする駆動杆25の従動杆74が軸支されている軸74aまでの半径R1よりも小さく、また、回動板72の連結杆75を軸支している軸75aは前記円弧状ガイド溝73cの外側につまり軸71から軸75aまでの距離(半径)が前記円弧状ガイド溝73cの半径Rよりも大きいことから、前記駆動杆25に取り付けられている軸23の移動速度に比べて回動板72に取り付けられている軸75aの移動速度は大きくなる。つまり、軸71を回動支点として回転する回動板72の角速度は、軸23を回動支点として回転する駆動杆25の角速度よりも大きいことから、背もたれ部30が倒れる速度に比べて、回動板72の回動する速度は大きくなるものである。
【0068】
また、前記回動板72が時計方向に回動すると連結杆75は前方に移動し、軸62に設けた連結片63を介して前記継手片64を軸支している軸66を回動支点として脚載置台50を時計方向に回動させて上昇させる。
【0069】
そして、前述したように背もたれ部30が倒れる速度に比べて、回動板72の回動する速度は大きいことから、脚載置台50の上昇速度は背もたれ部30が倒れる速度に比べて大きい。
【0070】
この脚載置台50の上昇速度が背もたれ部30が倒れる速度に比べて大きい範囲は、前記摺動軸77が前記円弧状ガイド溝73cを移動している範囲であり、移動軸82がさらに前方に移動し駆動杆25、従動杆74の移動に伴って摺動軸77が円弧状ガイド溝73cを通過して直線状ガイド溝73dを通過するようになると回動板72の移動速度は円弧状ガイド溝73cを移動しているときに比べて小さくなり、脚載置台50に上昇速度は小さくなる。
【0071】
摺動軸77が前記円弧状ガイド溝73cを移動しているときが、直線状ガイド溝73dを通過しているときよりも脚載置台50に上昇速度が大きいのは、摺動軸77の前方(水平方向)への単位当りの移動量に比対する上方(垂直方向)への移動量が、直線状ガイド溝73dよりも円弧状ガイド溝73cの方が大きいためである。換言すれば直線状ガイド溝73dに比べ円弧状ガイド溝73cの方が前方斜め上方に向かう勾配が急に形成されていることによるものである。
【0072】
また、図8に示すように背もたれ部30が初期状態から後方に倒れて実線で示す位置(以下中間位置という)まで倒れたとき、前記摺動軸77は円弧状ガイド溝73cの先端つまり直線状ガイド溝73dとの分岐部に位置するように設定されている。
【0073】
そして、摺動軸77が前記分岐点に達した後さらに電動機の回転により駆動杆25が前方に移動していくと、つまり背もたれ部30が倒れる方向(後方)に移動していくと摺動軸77は前記分岐部に達し、回動板72の摺動スリット72aは固定板73の直線状ガイド溝73dと重なり、摺動軸77はこれら重なり合った摺動スリット72aと直線状ガイド溝73dにそって前方に移動する。そして、このときは前記直線状ガイド溝73dの勾配が緩やかであることから脚載置台50の上昇速度は小さいものである。
【0074】
上述したように、摺動軸77が円弧状ガイド溝73cを移動しているとき、つまり背もたれ部30が中間位置に達するまでは、脚載置台50の上昇速度は背もたれ部30の倒れる速度よりも大きいことから、背もたれ部30が中間位置まで倒れたとき、脚載置台50は、背もたれ部30よりも速く移動し図8に実線で示す位置まで上昇することになる。
【0075】
このことにより使用者が座部40に座り背中を背もたれ部30に当てた状態で、背もたれ部30を後方に倒していく場合は、背もたれ部30が中間位置まで倒れる過程では脚載置台50は背もたれ部30よりも早く上昇して前記実線で示した位置つまり略最上部位置(最上部位置よりも僅か下方位置)にまで上昇するため、脚載置台50にU字溝に載置した脚部(ふくらはぎ部)が座部40の略上面に達していることから、背もたれ部30とともに倒れていく上半身と下半身つまり伸ばされた腿および脚部との角度は小さく、したがって腰部の筋肉が背もたれ部30が倒れていく過程で強く伸ばされることなく、腰部に加わる負担を軽減することができるものである。このことは、腰痛等の疾患を持つ使用者にとってはとくに有効となるものである。
【0076】
つぎに、前記中間位置から、さらに背もたれ部30を倒し図8の一点鎖線で示す位置(以下最倒位置という)まで倒す過程では、前記摺動軸77は直線状ガイド溝73dを移動することから脚載置台50の上昇速度は小さく、したがって、脚載置台50は前記実線の位置から最上位位置まではゆっくりと上昇することになる。このように実線の位置から最上部位置までの上昇速度が小さくとも、すでに脚部は略最上位位置まで持ち上げられていることから、腰部には負担はかからないものである。
【0077】
つぎに、背もたれ部30を前記最倒位置から起こす場合は、前記入力手段を操作して電動機を時計方向に回転させる。電動機が時計方向に回転するとこの回転に伴って、移動軸82は徐々に後方に移動し結合腕27を後方に移動させることから、結合腕27とともに駆動杆25は前記軸23を回動支点として反時計方向に回動する。この駆動杆25が回動して後方に移動すると、上記と逆に従動杆74は後方に移動し、また、摺動軸77は直線状ガイド溝73dを後方に向かって移動して分岐部に達し、さらに移動すると摺動軸77は円弧状ガイド溝73cに入り込みこの円弧状ガイド溝73cを移動し、この移動に伴って回動板72は反時計方向に回動し始める。そして、脚載置台50は前記摺動軸77が直線状ガイド溝73dを移動している間は、下降速度は小さく円弧状ガイド溝73cを移動するときは大きくなるものである。
【0078】
つまり、背もたれ部30を起こす際も、背もたれ部30が最倒位置から中間位置まで移動する間は、脚載置台50は最上位位置からゆっくり下降し、背もたれ部30が中間位置をすぎると、背もたれ部30が起きる速さに比べて脚載置台50は速く下降するように動作するものである。
【0079】
そしてこの背もたれ部30を起こす場合も、背もたれ部30が中間位置に達するまでは、脚部は上方に位置していることから、腰部等に負担がかかることはなく、また、中間位置を経過してさらに起こす過程には脚載置台50の下降速度は大きくなるが、このときはすでに上半身は背もたれ部30によって中間位置まで起こされており、この状態で脚部は膝部から折られて下方に移動することから同様に腰部等にかかる負担を防止できるものである。
【0080】
上述したように上記椅子は、作動手段70により前記脚載置台50を上昇させる上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくしたことから、後方に倒れる背もたれ部30とともに倒れる上半身の倒れる速度よりも、脚載置台50によって上昇する脚部の上昇速度はその初期において大きいことから、腰部等の筋肉が急に伸ばされることはなく腰部等に加わる負担を軽減できるものである。
【0081】
また、作動手段70を、椅子本体10に支持軸20を介して回動可能に軸支された背もたれ部30に一体的に結合され前記支持軸20に設けた軸23を回動支点として本体枠11の後部下方に向けて延出して設けられた駆動杆25、前記本体枠11の下方の前記支持軸20よりも所定距離前方に設けた軸71に、一端側を回動可能に取り付けられるとともに摺動スリット72aが形成された回動板72、前記軸71を中心として斜め前方下方部分の下方に円弧状ガイド溝73cとこの円弧状ガイド溝73cの前端部に連通し斜め上方に向けて形成した直線状ガイド溝73dからなる速度切換溝73mを形成した固定板73、前記駆動杆25の下端部に一端部を回動可能に軸支されるとともに他端側を前記速度切換溝73mに遊嵌した摺動軸77に前記回動板72とともに取り付けられた従動杆74、一端部を前記回動板72の前記軸71と摺動軸77の半径よりも大きい距離離れた部位に回動可能に軸支され他端を前記脚載置台50の回動部材60に回動可能に軸支された連結杆75によって構成したことから、速度切換溝73mとこの速度切換溝73mに摺動する摺動軸77に取り付けられた回動板72によって脚載置台50の上昇速度の切換を簡単な構成とすることができるものである。
【0082】
また、速度切換溝73mを円弧状ガイド溝73cと直線状ガイド溝73dを構成したことから、他の駆動杆25、回動板72等の寸法変えなくとも円弧状ガイド溝73cの半径を変えるだけで、脚載置台50の上昇過程における初期の速度を任意に変更できるとともに、円周長を変えることにより速度を速くする範囲も任意に設定できるものである。
【0083】
また、速度切換溝73mつまり円弧状ガイド溝73cおよび直線状ガイド溝73dをバーリング溝としたことから、固定部材を板金で形成できるとともに摺動軸77の軸方向の摺動面の幅を大きくできることから摺動軸77の摺動を確実にできるものである。
【0084】
また、椅子の身体支持部である背もたれ部30、座部40、脚載置台50に身体の被施療部のマッサージをする施療子としてのエアーバッグ35、43および53a、54aを配設するとともに、この施療子を動作させる駆動手段としてのエアー給排気手段2を設けたことから、椅子はマッサージ機としても使用できるとともに、部30を倒した場合はリラックスした状態でマッサージをすることができることから良好なマッサージ効果が得られるものである。
【0085】
なお、上記実施の形態においては、固定板73に設けた速度切換溝73mを円弧状ガイド溝73cと直線状ガイド溝73dによって構成するとともに、作動手段70を、複数の作動部材つまり駆動杆25、従動杆74、固定板73、連結杆75で構成し、従動杆74と固定板73とを円弧状ガイド溝73cと直線状ガイド溝73dを移動する摺動軸77に回動可能に取り付けるようにしたが、これは固定板73に前方に向けて上り傾斜でかつ勾配の急な第一のガイド溝と、この第一のガイド溝の前端部に連通するとともに前方に向けて上り傾斜でかつ前記ガイド溝よりも勾配の緩やかな第二のガイド溝を形成し、前記両ガイド溝によって速度切換溝を構成し、前記従動杆74と固定板73とに回動可能に設けられた前記摺動軸77に沿って前記両ガイド溝を移動させる構成としてもよいものである。
【0086】
また、この場合は回動板72の軸71と嵌合する軸孔をスリット状の長孔とすることにより、摺動軸77が急勾配ガイド溝を通過する際に回動板72は軸71に沿って移動することから、摺動軸77は急勾配ガイド溝をスムーズに移動させることができるものである。
【0087】
なお、上記実施の形態における円弧状ガイド溝73cは前方に向けて上り傾斜でかつ勾配の急な前記第一のガイド溝の位置形態であり、勾配の傾斜面は曲線状であっても直線状であってもよい。また、上記実施の形態における直線状ガイド溝73dは勾配の緩やかな第二のガイド溝の当たるものである。
【0088】
また、作動部材に数は具体的な設計において任意に設定できるものである。
【0089】
また、上記実施の形態においては、背もたれ部30の起倒動作および脚載置台50の昇降動作を動力手段80によって動作させる構成として、背もたれ部30の起倒動作および脚載置台50の昇降動作を容易にできる構成としたが、これは価格等の点から前記容易性を犠牲としてもよい場合は省略できるものである。このように動力手段を省略した場合においても、使用者が座部40に座り背中を背もたれ部30に押し当てた状態において、背もたれ部30を背中によって後方に押すことによって背もたれ部30を後方に倒すことができ、このように背もたれ部30が後方に倒れると、支持軸20が軸23を回動支点として回動するため、駆動杆25の先端部は前方に移動することになり、この駆動杆25が移動することによって上述したように脚載置台50は上昇するものである。つまり動力手段80がなくとも、使用者は自分で背もたれ部30を背中によって後方に倒すことによって脚載置台50を上昇させることができるものである。
【0090】
また、上記実施の形態においては、背もたれ部30の起倒動作と脚載置台50の昇降動作をさせる作動手段70を駆動杆25、従動杆74、回動板72、固定板73、連結杆75によって構成したが、脚載置台50を昇降させる作動手段と背もたれ部30を起倒させる作動手段をそれぞれを電動機および減速機構によって別々に構成するとともに、脚載置台50の上昇速度を初期に大きく終期に小さくするようにしてもよいものである。このように作動手段を電動機と減速機構によって別々に構成した場合は、価格の面では高価となるものの、昇降速度の制御を制御手段によってできることから昇降速度をきめ細かく設定できるという利点がある。
【0091】
また、上記実施の形態においては、椅子本体10に施療子としてのエアーバッグを設ける構成としたが、これは単に通常の椅子として用いる場合は省略してもよいものである。また、施療子としてはエアーバッグに限らず突起状の押圧子を用い、この押圧子を電動機等の駆動手段で動作させるようにしてもよいものである。
【0092】
また、上記実施の形態においては、脚載置台50を上昇過程における昇降速度を初期つまり略最上部位置に達するまで大きくし、その後つまり終期において小さくすることにより、腰部等に加わる負担を防止するようにしたが、これは背もたれ部30を倒す前に脚載置台50を略最上部位置まで上昇させるようにしてもよく、また、背もたれ部30が最倒位置に達する前に脚載置台50を略最上部位置まで上昇させるようにしても腰部等に負担が加わることを防止できるものである。なお、上記のように脚載置台50を上昇させる場合の作動手段としては脚載置台50を昇降させる作動手段と背もたれ部30を起倒させる作動手段をそれぞれを電動機および減速機構によって別々に構成することが制御の面からは望ましい。
【0094】
【発明の効果】
上記のように請求項1記載の発明は、背もたれ部が最も倒れた状態となる前に略最上部位置に上昇している脚載置台によって脚部を上方に位置させるとともに、後方に倒れる背もたれ部とともに倒れる上半身の倒れる速度よりも、脚載置台によって上昇する脚部の上昇速度がその初期において大きくしたので、後方に倒される背もたれ部とともに上半身が後方に倒れる際に腰部等の筋肉が急に強く伸ばされることがなく腰部等に加わる負担を軽減できるという効果を有するものである。
【0095】
また、請求項2記載の発明は、作動手段により脚載置台を上昇させる上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくしたことから、後方に倒れる背もたれ部とともに倒れる上半身の倒れる速度よりも、脚載置台によって上昇する脚部の上昇速度がその初期において大きいので、腰部等の筋肉が急に伸ばされることはなく腰部等に加わる負担を軽減できるという効果を有するものである。
【0096】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、脚載置台の上昇速度を上昇過程における初期に大きく終期に小さくする構成を簡単にできるという効果を有するものである。
【0097】
また、請求項4記載の発明は、請求項1から3の内のいずれか一項記載の発明の効果に加えて、脚載置台の上昇速度を切換る構成を、この速度切換溝に摺動する摺動軸に取り付けられた回動板によって構成することができることから、脚載置台の上昇速度の切換を簡単な構成とできるという効果を有するものである。
【0098】
また、請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の発明の効果に加えて、請求項4記載の固定部材および請求項5記載の固定部材を板金で形成できることから、安価にできるとともに、摺動軸をスムーズに移動させることができるという効果を有するものである。
【0099】
また、請求項6記載の発明は、請求項から請求項5の内のいずれか一項記載の発明の効果に加えて、マッサージをできるとともに、背もたれ部を倒した場合は、リラックスした状態でマッサージができる良好なマッサージ効果が得られるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をマッサージ機能を待たせた椅子に適用した実施の形態の要部を断面した側面図。
【図2】上記実施の形態の作動手段を示した側面図。
【図3】上記実施の形態の動力手段を示した側面図。
【図4】上記実施の形態の椅子本体の本体枠の動力部を除いた斜視図。
【図5】上記実施の形態の脚載置台の斜視図。
【図6】上記実施の形態の脚載置台と回動杆を示した平面図。
【図7】回動板の拡大平面図。
【図8】上記実施の形態の背もたれ部と脚載置台の動作を示す側面図。
【符号の説明】
1 椅子
10 椅子本体
20 支持軸
25 駆動杆(第一の作動部材(作動手段の一部))
30 背もたれ部
40 座部
50 脚載置台
51 脚載部
60 回動部材
70 作動手段
72 回動板(第二の作動部材(作動手段の一部))
73 固定板(固定部材(作動手段の一部))
74 従動杆(第三の作動部材(作動手段の一部))
75 連結杆(第四の作動部材(作動手段の一部))
Claims (6)
- 座部を有する本体枠と前記本体枠の後部に回動可能に支持されて設けられ回動によって起倒する背もたれ部とからなる椅子本体と、脚載部を有するとともに回動部材を介して前記本体枠の前部に設けられ回動によって昇降する脚載置台と、前記背もたれ部を倒す動作に連動して前記脚載置台を上昇させるとともに前記背もたれ部を起す動作に連動させて前記脚載置台を下降させる作動手段とを備えた椅子において、前記作動手段により、前記脚載置台を上昇させる上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくするとともに、前記背もたれ部が最も倒れた状態となる前に前記脚載置台を略最上部位置に上昇させることを特徴とする椅子。
- 座部を有する本体枠と前記本体枠の後部に回動可能に支持されて設けられ回動によって起倒する背もたれ部とからなる椅子本体と、脚載部を有するとともに回動部材を介して前記本体枠の前部に設けられ回動によって昇降する脚載置台と、前記背もたれ部を倒す動作に連動して前記脚載置台を上昇させるとともに前記背もたれ部を起す動作に連動させて前記脚載置台を下降させる作動手段とを備えた椅子において、前記作動手段により前記脚載置台を上昇させる上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくしたことを特徴とする椅子。
- 請求項1または2記載の発明における作動手段を、順次連結される複数の作動部材と、前方に向かうに連れて上昇する勾配の急な第一のガイド溝、この第一のガイド溝に連続し前方に向かうに連れて上昇する勾配の緩やかな第二のガイド溝よりなる速度切換溝を設けた固定部材とにより構成し、前記複数の作動部材のうち摺動軸を介して前記速度切換溝を摺動する作動部材を介して前記脚載置台を昇降させることにより前記脚載置台の上昇速度を上昇過程の初期に大きく終期に小さくしたことを特徴とする椅子。
- 請求項1から3の内のいずれか一項記載の発明における作動手段を、背もたれ部を回動可能に支持する支持軸の後部に下方に向けて延出して設けられた第一の作動部材、前記本体枠の座部の下方部で前記支持軸よりも所定距離前方に離間した部位に設けた支点軸に一端側を回動可能に取り付けられるとともに摺動スリットが形成された第二の作動部材、前記支点軸を中心として斜め前方下方の領域に設けた円弧状ガイド溝とこの円弧状ガイド溝の前端部に連通し斜め上方に向けて形成した直線状ガイド溝からなる速度切換溝を有し前記本体枠に取り付けられた固定部材、前記第一の作動部材の下端部の回動中心からの距離が前記円弧状ガイド溝の半径よりも大きい距離離れた部位に一端部を回動可能に軸支されるとともに他端側を前記速度切換溝に遊嵌した摺動軸に前記第二の作動部材とともに取り付けられた第三の作動部材、一端部を前記第二の作動部材の前記支点軸の軸心を中心とした摺動軸の半径よりも大きい距離離れた部位に回動可能に軸支され他端を前記脚載置台の回動部材の回動支点よりも脚載部側に位置した部位に回動可能に軸支された第四の作動部材によって構成したことを特徴とする椅子。
- 請求項3または請求項4における速度切換溝をバーリング溝としたことを特徴とする椅子。
- 請求項1から請求項5の内のいずれか一項記載の椅子の身体支持部に身体の被施療部のマッサージをする施療子を配設するとともに、この施療子を動作させる駆動手段を設けたことを特徴とする椅子。
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