JP3660863B2 - 立上がり支援装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、座椅子や便座等に腰を下ろした状態からの立上がりを補助する立上がり支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に高齢者には、足腰が弱って立ち座りの困難な人および脳梗塞等で片手片足の不自由な人が比較的多く、このような場合、自立した日常生活を可能とするための基本である自力移動が難しいという状況がしばしば生じていた。そこで、立上がり等に対して支援機能を有する福祉機器が種々提案されており、移動機、歩行機、椅子、便座および座椅子等に対する支援機器がある。移動機と歩行機は、例えば特願平7−29727号公報及び特願平7−30397号公報に開示されているような、施設での使用を目的とした大型電動式車輌がある。
【0003】
また、立ち上がり支援機器として最も多く提案されているのが椅子用のものであり、例えば、圧縮空気で蛇腹に乗った座面を真上に押上げる形式のものや、電動機駆動のねじ式リニアモータやガススプリングをアクチュエータとして用い、リンクに取付けた座面を押上げる機構を備えたものがあった。そして、これらの機構は、椅子の座面の下に配置されていた。
【0004】
しかしながら、最も負荷が大きくなる座面最下端では、配置スペースが狭くなるので、アクチュエータの出力方向が横方向に寝かせるような配置となり、押上げに有効作用するリンクの出力割合が小さく、座面が上昇して押上げ負荷が減少するに従い、アクチュエータ出力軸が立上がって、リンクによる出力が押上げに有効に作用するようになる構造が多い。従って、最大負荷を考慮して不必要にアクチュエータ容量を大きくした例が多い。
【0005】
一方、椅子に腰掛けている場合には腰位置が高いので、座面を上昇とともに傾斜させるだけで比較的無理なく立上がることが可能であるため、座面を回転だけで前傾させる簡単なものも提案されている。しかし、座面を積極的に前にせり出す機構のものは無い。
【0006】
同様に、便座の立上がり支援機構も、リンク機構の椅子と同型式であり、押上げ機構を便器の外周部に配置せねばならない制限がある。
【0007】
これらに対して座椅子では、座った状態の腰位置が床に近く低くなるため、座面の上昇距離が長くなり、直線案内に取付けた座面をチェーン掛けやねじ駆動で昇降させる形式の立上がり支援機構が多く、座面が傾斜するものはない。このため、ある程度深く腰掛けている場合、立上がるには、大腿部が水平なために足を手前に引いて上体を前傾させて重心を前に出し、足位置の上方に重心を移動させないと立上がることができないものであった。また、座面が上昇したときに安定性を保つために、直線案内を後傾させているものが多い。このために、腰が足位置よりも後方になり、上体が立つので、さらに意識的に腰を曲げて前傾しなければならず、膝や腰関節の曲りづらい高齢者には、このような状態から立ち上がるのはかなり困難であり、立上がりにくいものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来のものは、身体の動きを機器の動作に追従させねばならず、使用者が機器に順応せざるを得ないというものであり、使用者の立場を尊重したものではなかった。
【0009】
さらに、下肢障害等のある高齢者が座敷で立ち座りする場合、特に立上がる動作においては、腰が床に近い位置まで下がっているため、腰の位置を上げる距離が長くなり、足を腰の下に位置させる動作も加わって最も負担が大きくなるために、立上がり困難な状態となる場合が多い。なお、正座では足が腰の下に来ているが、膝関節が充分に曲らない場合や膝痛の場合には、正座は不可能な姿勢である。一方、座布団や座椅子に座って多少なりとも足を投げ出している状態では、足が腰の前方に離れて位置し、膝に負担がかからない。しかし、このままの姿勢で立つためには、膝を曲げて足を腰の下方に位置させ、さらに、腰を前方に向かって大きく曲げた後、体を押上げるようにして立ち上がらなければならない。また、洋式便器や椅子から立上がる場合にも、多少なりとも同様の問題がある。
【0010】
この発明は、屋内での日常生活を支援するためのもので、自力で座椅子、椅子あるいは便座等から立ち上がって歩行器に移ったり、車椅子に移乗すること、および逆に座ることを可能とするための支援機能を有する座椅子、便座及び椅子等からの立上がり支援装置を提供することを目的とする。
【0011】
さらにこの発明は、揺動リンクの可動プーリの位置を調節するだけで、容易に座面の動きを調節可能とし、使用者の状態に応じた自然な立上がり動作に適応するように実現して、心身共に楽な状態での立ち座りを実現する立上がり支援装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、人が腰を下ろす座面と、この座面を支持した支持板の後端部に一端部が軸支されるとともに、他端部が固定部材に軸支された揺動リンクと、上記固定部材に対して移動自在に設けられたスライダと、前記揺動リンクとは独立に設けられ一端部がこのスライダに揺動可能に取り付けられ他端部が上記支持板の前端部に軸支された揺動スライドリンクと、上記揺動リンクを揺動させる駆動装置と、上記駆動装置による上記揺動リンクの揺動により上記座面を上昇させるとともに、上記スライダが前方に移動して上記座面を前方にせり出させて前傾させる連動手段とを設けた立上がり支援装置である。上記連動手段は、上記揺動リンクに軸支されたプーリと、一端が上記揺動スライドリンクに固定され他端が所定位置に連結されて上記プーリに掛け渡されたワイヤである。上記プーリは、上記揺動リンクに対して位置調節可能に設けられ、上記座面のせり出し量を調整可能としている。
【0013】
また、上記駆動装置を、端部が進退自在に設けられた押し棒とこの押し棒をその軸方向に進退させる駆動部とにより構成し、上記揺動リンクをL字状に形成し、その揺動リンクの一方の端に上記押し棒と上記駆動部のうちの一方を取り付け、他方を固定部材に取り付け、上記押し棒が伸びて上記揺動リンクを揺動させ、上記座面の揺動とともに他方の揺動スライドリンクを上記スライダとともに摺動させつつ揺動させ、上記座面を前傾させてせり出させるものである。また、上記揺動リンクの一方の端に上記押し棒と上記駆動部のうちの一方を取り付け、他方を上記スライダに取り付けても良い。
【0014】
また、この発明の立上がり支援装置は、上記揺動リンクと揺動スライドリンクの組が独立して上記座面の両側に各々配置され、上記座面が床面まで下降可能としても良い。
【0015】
またこの発明は、上記座面後部側に上記駆動装置を設け、上記駆動装置の駆動部を固定部材に取り付け、上記押し棒をほぼ直立状態に設け上記座面の後部側の部材にその先端部を取り付けた立上がり支援装置である。また、座面後部側に設けられた上記駆動部を上記スライダに連結してスライドさせ、上記押し棒が常にほぼ直立状態を保つことができるようにしても良い。さらに、上記揺動リンクの上端と揺動スライドリンク上端とに連結された上記座面を、上記各リンクの上端部に対して位置調節可能に設け、上記座面の上昇位置を座面の水平移動により調節しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の第一実施形態の立上がり支援装置について図面を基にして説明する。この実施形態の立上がり支援装置は、背当て部11と座面13とからなり、座椅子10を昇降可能に支持した揺動リンク12と揺動スライドリンク14を互いにクロス配置している。揺動リンク12の先端部は、座椅子10の座面13の支持板18後端部に軸支され、揺動スライドリンク14の先端部は、座椅子10の座面13の支持板18前端部に軸支されている。そして、揺動リンク12の基端部は、座椅子10を支持したベース部材20の前端部に軸支されている。揺動スライドリンク14の基端部は、ベース部材20の表面に設けられ、揺動スライドリンク14の延出方向にベース部材20表面で摺動自在に設けられたスライダ22に軸支されている。スライダ22は、ベース部材20表面を滑りにより移動するものの他、ローラにより移動するものも含み、揺動スライドリンク14の基端部をベース部材20表面で移動可能にするものであればよい。
【0017】
揺動リンク12は、略L字状に形成され、L字の角部がベース部材20に軸支されている。L字の一方の先端部12aには、ボールネジ機構やシリンダ機構等の駆動装置24の押し棒26が軸着され、駆動装置24の基端部は、ベース部材22の後端部に固定されたブラケット28に軸支されている。駆動装置24は、略水平方向に配置されている。
【0018】
揺動リンク12の略中間部には、軸方向に移動自在の可動プーリ30が軸着され、揺動リンク12の基端部には、回転自在で位置が固定された固定プーリ32が回転自在に軸着されている。そして、ブラケット28に一端が固定され、可動プーリ30,固定プーリ32を経て他端部がスライダ22に連結されたワイヤ34が設けられている。
【0019】
この実施形態の立上がり支援装置は、駆動装置を座面13の一方、または両側に設け、昇降用の揺動リンク12,揺動スライドリンク14等も座面13の一方または両側に配置することが出来る。
【0020】
この実施形態の立上がり支援装置は、図2に示すように、駆動装置24によりロッド26が突出すると、揺動リンク12の先端部12aを介して揺動リンク12が図面上反時計回りに回動する。各リンク12,14が水平に寝ているときは座面13が最下端に位置しており、L型の揺動リンク12と駆動装置24のロッド26と連結したリンク先端部12aを短くして所要ストロークを減少させることができる。また、駆動装置24の伝達系の減速比を大きく取って、駆動装置24の所要力を小さく抑えるとともに、駆動装置24と各リンク12,14の互いの軸方向が直角から大幅にずれないようにL字状の先端部12aを配置し、駆動装置24の出力をリンクの回転駆動に有効に用いる。
【0021】
この実施形態の立上がり支援装置は、座面後部に取り付けた昇降用の揺動リンク12の上端が円弧運動を行い、座面13を上方に移動させつつ前にせり出す。円弧運動の特徴は、リンクが水平に近いほどリンク先端はほとんど垂直方向に動き、昇降機能が大きく、リンクが垂直に近いほどリンク先端はほとんど水平方向に動き、前出後退機能が大きくなる。この立上がり支援装置の動作は、図1の基本構成のように、2本のリンク12,14をクロス配置し、座面13後方を支持する揺動リンク12の両端を固定して、各リンク12,14を駆動して揺動させ、座面13に円弧運動を生じさせる。
【0022】
そして、揺動リンク12を駆動装置24で押して揺動運動させると、初期には座面後部が押上げられ、揺動リンク12の先端部の動きがそのまま上昇に変換して、座面13を急速に押上げる。そして、徐々に揺動リンク12先端の動きの水平成分が増し、垂直成分が減少してくる。したがって座面13の動きは、上昇速度が鈍ってくるが、前出速度が、増して、座面13が前に出てくる。
【0023】
高齢者は関節が硬くなっており、膝関節が曲らないと足と腰の位置関係が変化しないので、着床している足位置を変えないと腰はほとんど円弧運動する。図2に示したように、着床している座面位置Tのときに使用者の着座姿勢Sでは足が腰の前に出ている。揺動リンク12の回転駆動初期の座面が低いときには腰を大きく押上げ、その後揺動リンク12の回転角が増すとともに徐々に腰の前出量が増えていくので、腰の動きに追従して座面13が動き、座面13の上昇及び前へのせり出しとともに、背当て11と座面13が前傾することによって上体が前傾させられて自然に立上がり姿勢に近づいていく。そして、最上昇位置T’では、着床しているときの足位置を変えなくても身体の重心に近い腰を足位置の上方に位置させ、自然に起立可能な姿勢S’にすることができる。
【0024】
さらに、この実施形態の立上がり支援装置は、座面後部の高さに対して、座面前部に取り付けた傾斜用の揺動スライドリンク14の上端の高さを調節することで、座面の傾斜を変化させることができる。この各リンク12,14の動きは、昇降用の揺動リンク12の動きに連動して傾斜用の揺動スライドリンク14が揺動するとき、揺動リンク12の両端は、軸支部分に固定されているので、傾斜用の揺動スライドリンク14のどちらかの端を自由にしなければならず、ここでは、座面を支持するために上端を座面前部に軸支固定するので、揺動スライドリンク14の下端を摺動可能としスライダ22に軸支している。そして、揺動スライドリンク14の上端の高さにより決定される座面13の傾斜角度は、揺動スライドリンク14の長さと可動プーリ30の位置により決まる。スライダ22の位置は、ワイヤ34とプーリ20,32を用いて決定される。
【0025】
ワイヤ34は、揺動スライドリンク14下端のスライダ22にワイヤ34の端を取り付け、揺動リンク12下端の固定プーリ32および途中の可動プーリ30にワイヤを掛けて、他端をベース部材20のブラケット28に固定する。これにより、座面13を最下端に下げて2本のリンク12,14を水平にした場合、ワイヤ34も水平になる。そして、この状態で可動プーリ30の位置を変化させる。可動プーリ30は水平なワイヤ34を下から擦るだけなので、ワイヤ34の張り長さは変わらない。このため、可動プーリ30の位置を変えてもワイヤ34を張り直す必要がなく、可動プーリ30の位置の変化だけで座面高さと傾斜の関係の調節が可能となる。
【0026】
この実施形態の立上がり支援装置は、揺動リンク12をL型にして、駆動装置24を連結する側のリンク長を短くすることでストロークを短縮して長さ寸法を抑え、かつ駆動装置24からの伝達系の減速比を大きく取って駆動装置24の発生する所要力を小さくしてアクチュエータ容量を抑えることで小型化することが出来る。これにより、この装置全体を肘掛け部等に収納することができる。また、可動プーリ30の位置を調節するだけで、昇降と傾斜の関係を調節することが出来、極めて簡単な装置であり、簡単に使用者の個体差に適応できる。
【0027】
次に、この発明の立上がり支援装置の第二実施形態について図3を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の立上がり支援装置は、駆動装置24の駆動部に減速機付モータ40を設け、押し棒として送りネジ42を設けるとともに、送りネジ42が螺合した固定ナット44を設けたものである。減速機付モータ40の基端部は揺動リンク12のL字状の先端部12aに連結されている。揺動スライドリンク14の基端部には、スライダとしてローラ46が設けられ、揺動スライドリンク14の基端部がベース部材20に対してスライド可能に設けられている。また、座面13の側方には、肘掛け48が取り付けられている。
【0028】
この実施形態の立上がり支援装置によれば、送りネジ42の回転により容易に各リンク12,14を作動させることができ、構造を簡略するとともに、確実な動作が可能となるものである。
【0029】
次に、この発明の立上がり支援装置の第三実施形態について図4を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の立上がり支援装置は、上記第に実施形態のナット44の支持部44aにローラ47を設け、揺動スライドリンク14のローラ46とともにベース部材20上を移動可能としたものである。ローラ46,47は連結部材49により一体的に移動可能に設けられている。
【0030】
この実施形態の立上がり支援装置によれば、リンク12,14が上記実施形態と同じ場合、座面13の傾斜をより緩やかな傾斜にすることができる。
【0031】
次に、この発明の立上がり支援装置の第四実施形態について図5を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の立上がり支援装置は、減速機付モータ40により回動する送りネジ42を設け、この送りネジ42が螺合するナット50を座椅子10の背当て11の中央部に設けたものである。ナット50は背当て11に対して揺動可能に設けられている。
【0032】
この実施形態の立上がり支援装置によれば、駆動装置を簡略化することができ、しかも座椅子の背面側に駆動装置を設けたので、座椅子10の側面や底面部をシンプルな構造とすることができる。
【0033】
次に、この発明の立上がり支援装置の第五実施形態について図6を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の立上がり支援装置は、減速機付モータ40により回動する送りネジ42を設け、この送りネジ42が螺合するナット50を座椅子10の背当て11の中央部に設け、減速機付モータ40の基端部をローラ52によりスライド可能としたものである。ローラ52は、揺動スライドリンク14のローラ46と一体にベース部材20上を移動する。
【0034】
この実施形態の立上がり支援装置によっても上記実施形態と同様の効果を得ることができ、さらに、駆動装置である減速機付モータ40と送りネジ42を垂直に近い角度で作動させることができ、より効率的に座面13を揺動させ得る。
【0035】
次に、この発明の立上がり支援装置の第六実施形態について図7を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の立上がり支援装置は、洋式便器50の便座52に、揺動リンク12と揺動スライドリンク14の先端部を軸支したものである。便座52には、蓋54が開閉可能に取り付けられている。
【0036】
この実施形態の立上がり支援装置を用いた便座52も、上記実施形態と同様の動作をするもので、減速機付モータ40により送りネジ42を回動し、便座52を揺動させるとともにせり出し、人の立上がりを容易にする。
【0037】
次に、この発明の立上がり支援装置の第七実施形態について図8を基にして説明する。ここで、上記実施形態と同様の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態の立上がり支援装置は、椅子60の脚部62を設けたベース部材20に、揺動リンク12と揺動スライドリンク14を軸支したものである。
【0038】
尚この発明の立ち上がり支援装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、駆動装置や押し棒は適宜の機構を選択し得る。また、座面をリンクの軸支部分に対して移動可能とすることもできる。これにより、座面の上昇位置の調節や、リンク長を短くすることも可能である。
【0039】
【発明の効果】
この発明の立上がり支援装置によれば、簡単な機構で容易に立上がりの支援を行うことができる。特に、可動プーリ位置を変えるだけで、座面の昇降と傾斜の関係の調節が可能であり、使用者の個体差や身体障害状況に応じて適応可能である。
【0040】
また、この発明の立上がり支援装置は、座面後部が円弧運動し、上昇しながら前傾しつつ、かつせり出すので、関節の硬い使用者の腰の動きにも追従して座面を動かすことができる。特に座椅子の場合には、座位で足が腰の前に出るため、立上がり初期には座面をほとんど傾斜させずに上昇を卓越させるので腰が大きく上がり、その後は上昇とともに徐々に座面が前傾しつつせり出すので、足を引きつけることができなくとも足位置を動かさずに腰を前に押し出し、背当てと座面が前傾することによって上体が前傾させられて自然に立上がり姿勢をとることができる。
【0041】
また、座面の下に機構が無く簡単な4リンク機構として構成することができ、座面の両側面に配置できるので、座面を床面まで下げる構造が可能である。さらに、座面をクロスリンク機構で支持することで、座面中央を1本のリンクで支持した機構に比べて、リンクの長さを短くでき、座面の取り付け位置を前にスライドすると、更にリンクの長さを短くできる効果を発揮する。また、座面を前傾させると、自動的にリンク長を更に一層短くする効果を奏する。
【0042】
また、座面の下に機構が無く中央部に空間が取れるので、座面の下降下限を腰掛け高さに設定して、座面の上昇とともに大きく前にせり出しつつ前傾する立上がり支援椅子及び立上がり支援便器等を実現できることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第一実施形態の立上がり支援装置の側面図である。
【図2】 この発明の第一実施形態の立上がり支援装置の使用状態を示す概略図である。
【図3】 この発明の第二実施形態の立上がり支援装置の側面図である。
【図4】 この発明の第三実施形態の立上がり支援装置の側面図である。
【図5】 この発明の第四実施形態の立上がり支援装置の側面図である。
【図6】 この発明の第五実施形態の立上がり支援装置の側面図である。
【図7】 この発明の第六実施形態の立上がり支援装置の側面図である。
【図8】 この発明の第七実施形態の立上がり支援装置の側面図である。
【符号の説明】
10 座椅子
12 揺動リンク
13 座面
14 揺動スライドリンク
20 ベース部材
22 スライダ
24 駆動装置
26 ロッド(押し棒)
28 ブラケット
30 可動プーリ
32 固定プーリ
34 ワイヤ
Claims (8)
- 人が腰を下ろす座面と、この座面を支持した支持板の後端部に一端部が軸支されるとともに、他端部が固定部材に軸支された揺動リンクと、上記固定部材に対して移動自在に設けられたスライダと、前記揺動リンクとは独立に設けられ一端部がこのスライダに揺動可能に取り付けられ他端部が上記支持板の前端部に軸支された揺動スライドリンクと、上記揺動リンクを揺動させる駆動装置と、上記駆動装置による上記揺動リンクの揺動により上記座面を上昇させるとともに、上記スライダが前方に移動して上記座面を前方にせり出させて前傾させる連動手段とを設けたことを特徴とする立上がり支援装置。
- 上記座面を上昇させるとともに前方にせり出させて前傾させる連動手段は、上記揺動リンクに軸支されたプーリと、一端が上記揺動スライドリンクに固定され他端が所定位置に連結され上記プーリに掛け渡されたワイヤであることを特徴とする請求項1記載の立上がり支援装置。
- 上記プーリを上記揺動リンクに対して位置調節可能に設けたことを特徴とする請求項2記載の立上がり支援装置。
- 上記駆動装置は、進退自在に設けられた押し棒とこの押し棒をその軸方向に進退させる駆動部とにより構成され、上記揺動リンクをL字状に形成し、その揺動リンクの一方の端に上記押し棒と上記駆動部のうちの一方を取り付け、他方を固定部材又は上記スライダに取り付け、上記押し棒が伸びて上記揺動リンクを揺動させ、上記座面の揺動とともに他方の揺動スライドリンクを上記スライダとともに摺動させつつ揺動させることを特徴とする請求項1,2または3記載の立上がり支援装置。
- 上記揺動リンクと揺動スライドリンクの組が独立して上記座面の両側に配置され、上記座面が床面まで下降可能であることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の立上がり支援装置。
- 上記座面後部側に上記駆動装置を設け、上記駆動装置の駆動部を上記固定部材に取り付け、上記押し棒をほぼ直立状態に設け上記座面の後部側の部材にその先端部を取り付けたことを特徴とする請求項1,2または3記載の立上がり支援装置。
- 上記座面後部側に設けられた上記駆動部を上記スライダに連結してスライド自在に設け、上記押し棒が常にほぼ直立状態を維持可能にしたことを特徴とする請求項6記載の立上がり支援装置。
- 上記揺動リンクの上端と揺動スライドリンク上端とに連結された上記座面を、上記各リンクの上端部に対して位置調節可能に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の立上がり支援装置。
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