JP3728664B2 - ガラスカーテンウォール - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスカーテンウォールに係わり、特に、ガラスを主体とする開口部にガラス扉を備えるガラスカーテンウォールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のガラスカーテンウォールにおいて、ガラス扉を支持、固定する方法としては、適宜箇所に方立材を付加し、それにガラス扉を支持させたり、オートドアの場合にはガラス扉に加え扉駆動部も支持させる方法がある。また、ガラス部を強化ガラスとし、それにガラス扉や扉駆動部を支持させる方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のガラスカーテンウォールにおけるガラス扉支持方法であっては次に示す問題があった。
すなわち、前者の方立材を用いる場合には、方立材によりガラス面の透明感が損なわれてしまう。
また、後者の強化ガラスを用いる場合には、強化ガラスの制作可能寸法に限度があり大開口部には不向きである、また、高コストとなりやすいという問題があった。
【0004】
上記事情に鑑みて、本発明においては、ガラス面の透明感が損なわれることなく、また、大開口部にあっても施工可能であり、さらにコストの上昇を抑えることことを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載のガラスカーテンウォールは、第1の吊り部材によって水平支持金物が吊り支持され、該水平支持金物によって、それより上側の上部フェイスガラス、水平支持金物より下側のガラス扉および下部フェイスガラスがそれぞれ支持されていることを特徴としている。
【0006】
このような構成では、上方から吊り下げ支持される水平支持金物によって、ガラス扉および下部フェイスガラスを支持しており、ガラス扉の周りには方立材を立てる必要がなく、人の視線レベルにおいてガラス面の透明感が損なわれない。また、水平支持金物で上部フェイスガラスも支持しているので、人の視線レベルの上側でもガラス面の透明感が確保され、充分な開放感が得られる。
また、水平支持金物を下部フェイスガラス等で支持する必要がないため、下部フェイスガラスのガラス材としてはなんら強化ガラスを用いることなく通常のガラス材を利用することができ、このためコストの上昇を抑えることができる。
さらに、ガラス扉および下部フェイスガラス等を支持する水平支持金物はその長さを自由に長く設定でき、したがって大開口部にあっても適用可能である。
【0007】
請求項2記載のガラスカーテンウォールは、請求項1記載のものにおいて、前記水平支持金物によって前記ガラス扉を開閉する駆動部も支持されていることを特徴としている。
このような構成では、ガラス扉をオートドアとすることができ、この場合でも、ガラス面の透明感が損なわれず、また、コスト上昇を抑えることができる。
【0008】
請求項3記載のガラスカーテンウォールは、請求項1または2記載のものにおいて、前記水平支持金物がその上方に配置された水平トラスにより前記第1の吊り部材を介して吊り支持され、該水平トラスが建物躯体により第2の吊り部材を介して吊り支持されていることを特徴としている。
このような構成では、水平支持金物、水平トラスをそれぞれ第1,第2の吊り部材で支持しており、それらを下方の床から支持する目障りな柱部材を用いていないため、人の視線レベルにおけるガラス面の透明感、開放感が広い範囲に渡って損なわれない。
【0009】
請求項4記載のガラスカーテンウォールは、請求項3記載のものにおいて、前記水平トラスが前記水平支持金物よりも長く設定され、水平トラスの水平支持金物から張り出す張り出し部分と下方の床と間に、前記上部フェイスガラスと前記下部フェイスガラスとの高さの和と略同じ高さに設定された大型フェイスガラスが支持されていることを特徴としている。
このような構成では、ガラス扉に隣接するよう、大型フェイスガラスを柱部材を用いることなく支持することができ、より一層、カラス面による開放感が得られる。
【0010】
請求項5記載のガラスカーテンウォールは、請求項4記載のものにおいて、前記水平トラスと前記床との間に、前記大型フェイスガラスと直交するようにリブガラスが支持されていることを特徴としている。
このような構成では、リブガラスによって、大型フェイスガラスの面に直交する方向の剛性を確保することができ、強度確保とガラス面による開放感とをともに満足させることができる。
【0011】
請求項6記載のガラスカーテンウォールは、請求項3〜5のいずれかに記載のものにおいて、前記水平トラスと前記建物躯体との間に開口部が設けられ、この開口部が開閉シャッタによって開閉可能とされていることを特徴としている。
このような構成では、水平トラスのさらに上側に開放空間を形成することができ、さらなる開放感が得られる。
また、上部、下部フェイスガラスや大型フェイスガラスを通して加温された室内空気を上側の開放空間から放出することができ、もって、特に夏期等において室内側の温度上昇を抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す玄関周りの正面図であり、図中、符号1は1階の床を示す。2は水平トラスであり、この水平トラス2により、第1の吊り部材3を介して水平支持金物4が吊り支持されている。また、水平トラス2は、第2の吊り部材5を介して建物躯体、具体的には4階の床を構成するスラブ6によって吊り支持されている。
【0013】
水平トラス2は、図4にも示すように、所定間隔をあけて互いに平行に配置される2本の平行バー2aと、それら平行バー2aどうしを斜めあるいは直交するように連結する連結部材2bとから構成されている。
水平トラス2を吊り支持する第2の吊り部材5は、パイプ材から成っていて、水平トラス2が前後左右に動かないよう、該水平トラス2の長さ方向所定間隔おきの複数箇所を、前後並びに左右の斜め方向から吊り支持している。
【0014】
水平支持金物4を吊り支持する第1の吊り部材3は、図2、図4に示すように、水平トラス2と水平支持金物4との間に渡されるロッド3aにより構成されている。また、図5にも示すようにロッド3aは間に上部フェイスガラス10を挟み込むように、水平支持金物4の幅方向に所定間隔をあけて設けられ、かつ、それら互いに対をなすロッド3aが、水平支持金物4の長さ方向に所定間隔をあけて複数組設けられている。
【0015】
また、前記4階の床を構成するスラブ6と水平トラス2との間には、所定間隔をあけて複数の縦材7が渡されており、それら縦材7同士の間には開口部8と最上部フェイスガラス9が交互に設けられている。開口部8は防雨シャッタ(図示略)により必要に応じて覆われるようになっている。
【0016】
水平トラス2と水平支持金物4との間には、上部フェイスガラス10が、水平トラス2および水平支持金物4に支持されて取り付けられている。また、水平支持金物4の下方には、ガラス扉12および下部フェイスガラス13が配置され、これらガラス扉12等は水平支持金物4によって支持されている(図2、図3参照)。
【0017】
前記ガラス扉12は2種類設けられている。その内の一つは自動的に開閉する引戸タイプのオートドア12Aであり、他のガラス扉は手動で開閉するヒンジタイプのスイングドア12Bである。ここでは、中央にオートドア12Aが配置され、その両側にスイングドア12Bが配置されている。そして、それらガラス扉12(12A、12B)の間に、下部フェイスガラス13が、水平支持金物4とその下方の床1によって固定状態で支持されている。
【0018】
水平支持金物4は、図5に示すように、2個のL字状の型鋼4aが所定間隔をあけて背中合わせの状態で、かつ、互いの垂直プレート部4aaを連結部材4bにより連結されて構成されている。
【0019】
水平支持金物4の室内側(図5における右側)のL字状の型鋼4aには、前記オートドア12Aを開閉する駆動部15が、ボルト等の適宜固定手段16によって取り付けられている。駆動部15の下方には、人の有無を検出するセンサ17が、オートドア12Aの内側と外側にそれぞれ配置され、これらセンサ17は水平支持金物4の室内側のL字状の型鋼4aによって支持されている。
また、図5に示すように、床1には、オートドア12Aの下端部を若干の隙間をあけて挟み込むガイドレール18が、アンカー19を介して固定されている。
【0020】
前記水平トラス2は水平支持金物4よりも長く設定されている(図1参照)。そして、水平トラス2の水平支持金物4から外方へ張り出す張り出し部分と下方の床1と間には、上部フェイスガラス10と前記下部フェイスガラス13との高さの和と略同じ高さに設定された大型フェイスガラス20が支持されている。
【0021】
また、水平トラス2と床1と間には、リブガラス22が大型フェイスガラス20と直交するようにかつ大型フェイスガラス22の面方向所定間隔おきに配置され、これらリブガラス22は水平トラス2および床1によって支持され留とともに、大型フェイスガラス、上部フェイスガラス10と適宜接着剤を介して接合されている(図3,図4参照)。
【0022】
次に、上記構成のガラスカーテンウォールの作用について説明する。
上記構成のガラスカーテンウォールによれば、上方から吊り下げ支持された水平支持金物4によって、ガラス扉12(12A,12B)および下部フェイスガラス13を支持しており、ガラス扉12(12A,12B)の周りには方立材を立てる必要がない。したがって、人の視線レベルにおいて視覚的にガラス面を遮るものがなく、ガラス面の透明感が損なわれない。
また、水平支持金物4で上部フェイスガラス10も支持しているので、人の視線レベルの上側でもガラス面の透明感が確保され、充分な開放感が得られる。
【0023】
また、水平支持金物4を第1の吊り部材3によって吊り支持しており、下部フェイスガラス13は、水平支持金物4を支持するような機能は不要であって単に透明なガラス面を構成するだけでよく、このため、下部フェイスガラス13のガラス材としては、強化ガラスを用いなければならない程の強い強度は要求されず、したがって、通常のガラス材を利用することができ、もって、コストの上昇を抑えることができる。
【0024】
また、ガラス扉12および下部フェイスガラス13を支持する水平支持金物4は、その長さを自由に長く設定でき、したがって、大開口部の場合にあっても充分適用可能である。
【0025】
また、水平支持金物4をその上方の水平トラス2により第1の吊り部材3を介して吊り支持し、水平トラス2を建物躯体のスラブ6により第2の吊り部材5を介して吊り支持しており、このように水平支持金物4および水平トラス2をそれぞれ吊り部材3,5で支持しているため、それらを下方の床1から支持する目障りな方立材や柱部材を用いる必要がなく、この点においても人の視線レベルにおいてガラス面の透明感等が広い範囲に渡って損なわれない。
【0026】
また、水平トラス2を水平支持金物4よりも長く設定し、この水平トラス2の水平支持金物4から張り出す張り出し部分と下方の床1との間に大型フェイスガラス20を支持しており、このような構成にすることによって、ガラス扉12(12A、12B)に隣接するよう、大型フェイスガラス20を柱部材を用いることなく支持することができ、より一層、カラス面の開放感が得られる。
【0027】
この場合、前述したように水平トラス2を第2の吊り部材5によって吊り支持しており、大型フェイスガラス22は、単に透明なガラス面を構成するだけでよく、水平トラス2を支持するような機能は不要である。このため、大型フェイスガラス22のガラス材としては、強化ガラスを用いなければならない程の強い強度は要求されず、通常のガラス材を利用することも可能となり、さらなるコスト低減を図ることもできる。
【0028】
また、水平トラス2と床1との間に、大型フェイスガラス20と直交するようにリブガラス22を支持しており、このリブガラス22によって、大型フェイスガラス20や上部フェイスガラス10を補強することができ、強度確保とガラス面による開放感をともに満足させることができる。
【0029】
さらに、水平トラス2と建物躯体のスラブ6との間に開口部8を設け、この開口部8を開閉シャッタによって開閉可能となる構成になっており、夏期の昼間等の暑いときには、開口部8を開放することにより、上部、下部フェイスガラス10,13や大型フェイスガラス20を通して加温された室内空気を上側の開口部8から外部へ放出することができ、もって、室内側の温度上昇を抑えることができる。
【0030】
以上において本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用することができる。
例えば、上記実施の形態において、玄関の中央にオートドア12Aを設け、その両側にスイングドア12Bを設けているが、これに限られることなく、中央にスイングドア12Bを設け、その両側にオードドア12Aを設けてもよく、あるいは全てをオートドア12Aまたはスイングドア12Bにしてよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上方から吊り下げ支持される水平支持金物によって、ガラス扉および下部フェイスガラスを支持しており、ガラス扉の周りには方立材を立てる必要がなく、人の視線レベルにおいてガラス面の透明感が損なわれず、また、ガラス材としてなんら強化ガラスを用いることなく通常のガラス材を利用することができ、もってコストの上昇を抑えることができる。さらに、ガラス扉および下部フェイスガラス等を支持する水平支持金物はその長さを自由に長く設定でき、したがって大開口部にあっても適用可能である。
また、水平支持金物をその上方の水平トラスにより第1の吊り部材を介して吊り支持し、この水平トラスを建物躯体により第2の吊り部材を介して吊り支持するような構成にすれば、水平支持金物、水平トラスを下方の床から支持する目障りな柱部材を用いる必要がなく、人の視線レベルにおけるガラス面の透明感、開放感が広い範囲に渡り損なわれず、より一層の開放感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す建物の玄関周りの正面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態を示す建物の玄関周りの拡大正面図である。
【図3】 本発明の一実施の形態を示す建物の玄関周りの拡大平面図である。
【図4】 本発明の一実施の形態を示す建物の玄関周りの拡大側面図である。
【図5】 本発明の一実施の形態を示すオートドアの詳細を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 床
2 水平トラス
3 第1の吊り部材
4 水平支持金物
5 第2の吊り部材
6 スラブ(建物躯体)
8 開口部
10 上部フェイスガラス
12 ガラス扉
12A オートドア
12B スイングドア
13 下部フェイスガラス
15 駆動部
20 大型フェイスガラス
22 リブガラス
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスカーテンウォールに係わり、特に、ガラスを主体とする開口部にガラス扉を備えるガラスカーテンウォールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のガラスカーテンウォールにおいて、ガラス扉を支持、固定する方法としては、適宜箇所に方立材を付加し、それにガラス扉を支持させたり、オートドアの場合にはガラス扉に加え扉駆動部も支持させる方法がある。また、ガラス部を強化ガラスとし、それにガラス扉や扉駆動部を支持させる方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のガラスカーテンウォールにおけるガラス扉支持方法であっては次に示す問題があった。
すなわち、前者の方立材を用いる場合には、方立材によりガラス面の透明感が損なわれてしまう。
また、後者の強化ガラスを用いる場合には、強化ガラスの制作可能寸法に限度があり大開口部には不向きである、また、高コストとなりやすいという問題があった。
【0004】
上記事情に鑑みて、本発明においては、ガラス面の透明感が損なわれることなく、また、大開口部にあっても施工可能であり、さらにコストの上昇を抑えることことを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明においては以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載のガラスカーテンウォールは、第1の吊り部材によって水平支持金物が吊り支持され、該水平支持金物によって、それより上側の上部フェイスガラス、水平支持金物より下側のガラス扉および下部フェイスガラスがそれぞれ支持されていることを特徴としている。
【0006】
このような構成では、上方から吊り下げ支持される水平支持金物によって、ガラス扉および下部フェイスガラスを支持しており、ガラス扉の周りには方立材を立てる必要がなく、人の視線レベルにおいてガラス面の透明感が損なわれない。また、水平支持金物で上部フェイスガラスも支持しているので、人の視線レベルの上側でもガラス面の透明感が確保され、充分な開放感が得られる。
また、水平支持金物を下部フェイスガラス等で支持する必要がないため、下部フェイスガラスのガラス材としてはなんら強化ガラスを用いることなく通常のガラス材を利用することができ、このためコストの上昇を抑えることができる。
さらに、ガラス扉および下部フェイスガラス等を支持する水平支持金物はその長さを自由に長く設定でき、したがって大開口部にあっても適用可能である。
【0007】
請求項2記載のガラスカーテンウォールは、請求項1記載のものにおいて、前記水平支持金物によって前記ガラス扉を開閉する駆動部も支持されていることを特徴としている。
このような構成では、ガラス扉をオートドアとすることができ、この場合でも、ガラス面の透明感が損なわれず、また、コスト上昇を抑えることができる。
【0008】
請求項3記載のガラスカーテンウォールは、請求項1または2記載のものにおいて、前記水平支持金物がその上方に配置された水平トラスにより前記第1の吊り部材を介して吊り支持され、該水平トラスが建物躯体により第2の吊り部材を介して吊り支持されていることを特徴としている。
このような構成では、水平支持金物、水平トラスをそれぞれ第1,第2の吊り部材で支持しており、それらを下方の床から支持する目障りな柱部材を用いていないため、人の視線レベルにおけるガラス面の透明感、開放感が広い範囲に渡って損なわれない。
【0009】
請求項4記載のガラスカーテンウォールは、請求項3記載のものにおいて、前記水平トラスが前記水平支持金物よりも長く設定され、水平トラスの水平支持金物から張り出す張り出し部分と下方の床と間に、前記上部フェイスガラスと前記下部フェイスガラスとの高さの和と略同じ高さに設定された大型フェイスガラスが支持されていることを特徴としている。
このような構成では、ガラス扉に隣接するよう、大型フェイスガラスを柱部材を用いることなく支持することができ、より一層、カラス面による開放感が得られる。
【0010】
請求項5記載のガラスカーテンウォールは、請求項4記載のものにおいて、前記水平トラスと前記床との間に、前記大型フェイスガラスと直交するようにリブガラスが支持されていることを特徴としている。
このような構成では、リブガラスによって、大型フェイスガラスの面に直交する方向の剛性を確保することができ、強度確保とガラス面による開放感とをともに満足させることができる。
【0011】
請求項6記載のガラスカーテンウォールは、請求項3〜5のいずれかに記載のものにおいて、前記水平トラスと前記建物躯体との間に開口部が設けられ、この開口部が開閉シャッタによって開閉可能とされていることを特徴としている。
このような構成では、水平トラスのさらに上側に開放空間を形成することができ、さらなる開放感が得られる。
また、上部、下部フェイスガラスや大型フェイスガラスを通して加温された室内空気を上側の開放空間から放出することができ、もって、特に夏期等において室内側の温度上昇を抑えることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す玄関周りの正面図であり、図中、符号1は1階の床を示す。2は水平トラスであり、この水平トラス2により、第1の吊り部材3を介して水平支持金物4が吊り支持されている。また、水平トラス2は、第2の吊り部材5を介して建物躯体、具体的には4階の床を構成するスラブ6によって吊り支持されている。
【0013】
水平トラス2は、図4にも示すように、所定間隔をあけて互いに平行に配置される2本の平行バー2aと、それら平行バー2aどうしを斜めあるいは直交するように連結する連結部材2bとから構成されている。
水平トラス2を吊り支持する第2の吊り部材5は、パイプ材から成っていて、水平トラス2が前後左右に動かないよう、該水平トラス2の長さ方向所定間隔おきの複数箇所を、前後並びに左右の斜め方向から吊り支持している。
【0014】
水平支持金物4を吊り支持する第1の吊り部材3は、図2、図4に示すように、水平トラス2と水平支持金物4との間に渡されるロッド3aにより構成されている。また、図5にも示すようにロッド3aは間に上部フェイスガラス10を挟み込むように、水平支持金物4の幅方向に所定間隔をあけて設けられ、かつ、それら互いに対をなすロッド3aが、水平支持金物4の長さ方向に所定間隔をあけて複数組設けられている。
【0015】
また、前記4階の床を構成するスラブ6と水平トラス2との間には、所定間隔をあけて複数の縦材7が渡されており、それら縦材7同士の間には開口部8と最上部フェイスガラス9が交互に設けられている。開口部8は防雨シャッタ(図示略)により必要に応じて覆われるようになっている。
【0016】
水平トラス2と水平支持金物4との間には、上部フェイスガラス10が、水平トラス2および水平支持金物4に支持されて取り付けられている。また、水平支持金物4の下方には、ガラス扉12および下部フェイスガラス13が配置され、これらガラス扉12等は水平支持金物4によって支持されている(図2、図3参照)。
【0017】
前記ガラス扉12は2種類設けられている。その内の一つは自動的に開閉する引戸タイプのオートドア12Aであり、他のガラス扉は手動で開閉するヒンジタイプのスイングドア12Bである。ここでは、中央にオートドア12Aが配置され、その両側にスイングドア12Bが配置されている。そして、それらガラス扉12(12A、12B)の間に、下部フェイスガラス13が、水平支持金物4とその下方の床1によって固定状態で支持されている。
【0018】
水平支持金物4は、図5に示すように、2個のL字状の型鋼4aが所定間隔をあけて背中合わせの状態で、かつ、互いの垂直プレート部4aaを連結部材4bにより連結されて構成されている。
【0019】
水平支持金物4の室内側(図5における右側)のL字状の型鋼4aには、前記オートドア12Aを開閉する駆動部15が、ボルト等の適宜固定手段16によって取り付けられている。駆動部15の下方には、人の有無を検出するセンサ17が、オートドア12Aの内側と外側にそれぞれ配置され、これらセンサ17は水平支持金物4の室内側のL字状の型鋼4aによって支持されている。
また、図5に示すように、床1には、オートドア12Aの下端部を若干の隙間をあけて挟み込むガイドレール18が、アンカー19を介して固定されている。
【0020】
前記水平トラス2は水平支持金物4よりも長く設定されている(図1参照)。そして、水平トラス2の水平支持金物4から外方へ張り出す張り出し部分と下方の床1と間には、上部フェイスガラス10と前記下部フェイスガラス13との高さの和と略同じ高さに設定された大型フェイスガラス20が支持されている。
【0021】
また、水平トラス2と床1と間には、リブガラス22が大型フェイスガラス20と直交するようにかつ大型フェイスガラス22の面方向所定間隔おきに配置され、これらリブガラス22は水平トラス2および床1によって支持され留とともに、大型フェイスガラス、上部フェイスガラス10と適宜接着剤を介して接合されている(図3,図4参照)。
【0022】
次に、上記構成のガラスカーテンウォールの作用について説明する。
上記構成のガラスカーテンウォールによれば、上方から吊り下げ支持された水平支持金物4によって、ガラス扉12(12A,12B)および下部フェイスガラス13を支持しており、ガラス扉12(12A,12B)の周りには方立材を立てる必要がない。したがって、人の視線レベルにおいて視覚的にガラス面を遮るものがなく、ガラス面の透明感が損なわれない。
また、水平支持金物4で上部フェイスガラス10も支持しているので、人の視線レベルの上側でもガラス面の透明感が確保され、充分な開放感が得られる。
【0023】
また、水平支持金物4を第1の吊り部材3によって吊り支持しており、下部フェイスガラス13は、水平支持金物4を支持するような機能は不要であって単に透明なガラス面を構成するだけでよく、このため、下部フェイスガラス13のガラス材としては、強化ガラスを用いなければならない程の強い強度は要求されず、したがって、通常のガラス材を利用することができ、もって、コストの上昇を抑えることができる。
【0024】
また、ガラス扉12および下部フェイスガラス13を支持する水平支持金物4は、その長さを自由に長く設定でき、したがって、大開口部の場合にあっても充分適用可能である。
【0025】
また、水平支持金物4をその上方の水平トラス2により第1の吊り部材3を介して吊り支持し、水平トラス2を建物躯体のスラブ6により第2の吊り部材5を介して吊り支持しており、このように水平支持金物4および水平トラス2をそれぞれ吊り部材3,5で支持しているため、それらを下方の床1から支持する目障りな方立材や柱部材を用いる必要がなく、この点においても人の視線レベルにおいてガラス面の透明感等が広い範囲に渡って損なわれない。
【0026】
また、水平トラス2を水平支持金物4よりも長く設定し、この水平トラス2の水平支持金物4から張り出す張り出し部分と下方の床1との間に大型フェイスガラス20を支持しており、このような構成にすることによって、ガラス扉12(12A、12B)に隣接するよう、大型フェイスガラス20を柱部材を用いることなく支持することができ、より一層、カラス面の開放感が得られる。
【0027】
この場合、前述したように水平トラス2を第2の吊り部材5によって吊り支持しており、大型フェイスガラス22は、単に透明なガラス面を構成するだけでよく、水平トラス2を支持するような機能は不要である。このため、大型フェイスガラス22のガラス材としては、強化ガラスを用いなければならない程の強い強度は要求されず、通常のガラス材を利用することも可能となり、さらなるコスト低減を図ることもできる。
【0028】
また、水平トラス2と床1との間に、大型フェイスガラス20と直交するようにリブガラス22を支持しており、このリブガラス22によって、大型フェイスガラス20や上部フェイスガラス10を補強することができ、強度確保とガラス面による開放感をともに満足させることができる。
【0029】
さらに、水平トラス2と建物躯体のスラブ6との間に開口部8を設け、この開口部8を開閉シャッタによって開閉可能となる構成になっており、夏期の昼間等の暑いときには、開口部8を開放することにより、上部、下部フェイスガラス10,13や大型フェイスガラス20を通して加温された室内空気を上側の開口部8から外部へ放出することができ、もって、室内側の温度上昇を抑えることができる。
【0030】
以上において本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で他の構成を採用することができる。
例えば、上記実施の形態において、玄関の中央にオートドア12Aを設け、その両側にスイングドア12Bを設けているが、これに限られることなく、中央にスイングドア12Bを設け、その両側にオードドア12Aを設けてもよく、あるいは全てをオートドア12Aまたはスイングドア12Bにしてよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上方から吊り下げ支持される水平支持金物によって、ガラス扉および下部フェイスガラスを支持しており、ガラス扉の周りには方立材を立てる必要がなく、人の視線レベルにおいてガラス面の透明感が損なわれず、また、ガラス材としてなんら強化ガラスを用いることなく通常のガラス材を利用することができ、もってコストの上昇を抑えることができる。さらに、ガラス扉および下部フェイスガラス等を支持する水平支持金物はその長さを自由に長く設定でき、したがって大開口部にあっても適用可能である。
また、水平支持金物をその上方の水平トラスにより第1の吊り部材を介して吊り支持し、この水平トラスを建物躯体により第2の吊り部材を介して吊り支持するような構成にすれば、水平支持金物、水平トラスを下方の床から支持する目障りな柱部材を用いる必要がなく、人の視線レベルにおけるガラス面の透明感、開放感が広い範囲に渡り損なわれず、より一層の開放感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す建物の玄関周りの正面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態を示す建物の玄関周りの拡大正面図である。
【図3】 本発明の一実施の形態を示す建物の玄関周りの拡大平面図である。
【図4】 本発明の一実施の形態を示す建物の玄関周りの拡大側面図である。
【図5】 本発明の一実施の形態を示すオートドアの詳細を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 床
2 水平トラス
3 第1の吊り部材
4 水平支持金物
5 第2の吊り部材
6 スラブ(建物躯体)
8 開口部
10 上部フェイスガラス
12 ガラス扉
12A オートドア
12B スイングドア
13 下部フェイスガラス
15 駆動部
20 大型フェイスガラス
22 リブガラス
Claims (6)
- 第1の吊り部材によって水平支持金物が吊り支持され、該水平支持金物によって、それより上側の上部フェイスガラス、水平支持金物より下側のガラス扉および下部フェイスガラスがそれぞれ支持されていることを特徴とするガラスカーテンウォール。
- 請求項1記載のガラスカーテンウォールにおいて、
前記水平支持金物によって前記ガラス扉を開閉する駆動部も支持されていることを特徴とするガラスカーテンウォール。 - 請求項1または2記載のガラスカーテンウォールにおいて、
前記水平支持金物はその上方に配置される水平トラスにより前記第1の吊り部材を介して吊り支持され、該水平トラスは建物躯体により第2の吊り部材を介して吊り支持されていることを特徴とするガラスカーテンウォール。 - 請求項3記載のガラスカーテンウォールにおいて、
前記水平トラスは前記水平支持金物よりも長く設定され、水平トラスの水平支持金物から張り出す張り出し部分と下方の床と間に、前記上部フェイスガラスと前記下部フェイスガラスとの高さの和と略同じ高さに設定された大型フェイスガラスが支持されていることを特徴とするガラスカーテンウォール。 - 請求項4記載のガラスカーテンウォールにおいて、
前記水平トラスと前記床との間に、前記大型フェイスガラスと直交するようにリブガラスが支持されていることを特徴とするガラスカーテンウォール。 - 請求項3〜5のいずれかに記載のガラスカーテンウォールにおいて、
前記水平トラスと前記建物躯体との間に開口部が設けられ、この開口部が開閉シャッタによって開閉可能とされていることを特徴とするガラスカーテンウォール。
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