JP3142447B2 - アトリウム - Google Patents

アトリウム

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JP3142447B2
JP3142447B2 JP06222462A JP22246294A JP3142447B2 JP 3142447 B2 JP3142447 B2 JP 3142447B2 JP 06222462 A JP06222462 A JP 06222462A JP 22246294 A JP22246294 A JP 22246294A JP 3142447 B2 JP3142447 B2 JP 3142447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、その周囲の壁に複数階
にわたり耐火スクリーンを有するアトリウムに関する。
【0002】
【従来の技術】アトリウムが形成されている建造物で
は、アトリウムに面する側は居室である場合もあるが、
多くは回廊式の通路になっている。この通路のアトリウ
ムに面する側には、コンクリート造の下がり壁・腰壁・
開口が設けられているが、建築基準法・消防法などによ
り防火区画とされている。このため、開口の上部の壁面
に防火シャッタを備えておき、火災時にシャッタを降ろ
して防火を行う構造が従来から行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アトリウムに面した壁
に開口が設けられていると、採光の問題や視覚的要素の
点で有利さがあるが、反面、墜落や器物の落下の危険が
あるだけでなく、通路側を空調する際に空調空気がアト
リウム側に逃げるデメリットがある。また、備えなけれ
ばならない防火設備が高価なだけでなく、メンテナンス
費用が大きい難点があり、また、下がり壁や腰壁を耐火
性のあるコンクリートなどで造ることは施工上手間のか
かることでもある。
【0004】本発明は上記に鑑み、採光の問題や視覚的
要素の点での有利さを損なうことなく、墜落や器物の落
下の危険をなくし、また、初期設備費が高くメンテナン
ス費用も大きい従来の防火構造に比較して安価に提供で
き、しかも、空調上のデメリットも解消することができ
るアトリウムの構造を明らかにすることを課題とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアトリウム
は、(1)建築物の内部に構築されるアトリウムにおい
て、そのアトリウムが面する壁の全域又は一部が複数階
にわたる透明ないし半透明な耐火ガラスとその支持材又
は接合材で形成される耐火スクリーン(但し、鏡面状の
壁面は除く)で構成されていること、(2)耐火スクリ
ーン(但し、鏡面状の壁面は除く)が方立及び無目で支
持された複数枚の耐火ガラスで形成される構造であるこ
と、をそれぞれ特徴とする。
【0006】
【発明の具体的構成】次に、本発明に係るアトリウムの
構造を添付図面に従って詳細に説明する。図1は、本発
明の防火構造を適用した建造物を概略断面図で示したも
のであって、建造物の中央には吹き抜け状態のアトリウ
ム1が配置されており、アトリウム1に面した側には回
廊式の通路2が形成されている。
【0007】通路2のアトリウム1に面する部分には、
複数階にわたり耐火スクリーン3が構成されているが、
図2に示すように、全面を耐火スクリーン3とせず、一
部を壁とする構成も本発明に包含される。
【0008】図3に示すように、耐火スクリーン3を構
成する耐火ガラス4は、方立5と無目6とによって支持
される。耐火スクリーン3は、従来のガラスカーテンウ
オールと異なり、上下階の境目にあたる防火区画部分に
耐火ボードなどの耐火上の補強をすることなく、方立5
と無目6などの支持材及びその他の接合材により形成さ
れる。耐火ガラス4は 方立5の上下端部はスラブに固
定されるが、図4にはその具体的構造の1例が示されて
いる。即ち、スラブの端部に配置されるH型鋼50に
は、ファスナ51が熔接及び又はボルトにより固定され
ており、このファスナ51にブラケット52が取り付け
られ、次いで、このブラケット52に方立5が固定され
る。尚、符号53はレベル調整用部材である。
【0009】無目本体60の両端部は、図5に示すよう
に、アングル61を介して方立5に接合される。方立5
及び無目6の表面はそれぞれカバーにより被覆される。
【0010】図6は耐火ガラス4を上下方向に連続させ
る無目6の1例を示すものであり、無目本体62は図示
の如き型材で形成されており、下方側には耐火ガラス4
の上端を嵌合させるための凹部62が用意されており、
上方側には耐火ガラス4の下端を取り付けるための段部
63が用意されている。耐火ガラス4の取り付けは、無
目本体60の段部に立設させた耐火ガラス4を若干持ち
上げ、その上端を凹部62に嵌合した状態で、下端側に
生じた空隙にスペーサ64を差し込んで支持させ、次い
で、押縁65を取り付けて耐火ガラス4の下端側の移動
を阻止し、最後に耐火シールを施工して完了する。
【0011】尚、方立5及び無目6の具体的構造は、以
上説明したものに限定されるものではなく、ビルディン
グ外壁にミラーガラスなどを取り付けるのに利用される
各種の支持具を適宜選択して利用することが可能であ
る。
【0012】また、方立5及び無目6とは、耐火ガラス
4を支持するのに十分な機械的強度を有しており、予想
される最強震度の地震の振動に耐えられるものであるこ
と、耐熱特性を有していること、などが要求される。具
体的に利用可能なものとしては鋼鉄製の枠(形材)が好
ましく挙げられるが、機械的強度或いは耐熱特性を満足
させるものであれば、他の金属(合金を含む)製、その
他、例えばセラミックスや炭素繊維などであってもよ
い。
【0013】また更に、アトリウムに面する壁の全面を
上記した耐火スクリーンとする態様を説明したが、その
一部に開閉可能な窓構造を配設する態様も本発明に包含
される。また、壁の一部を複数階にわたって耐火スクリ
ーン3とすることも本発明に包含される。
【0014】尚、本発明の耐火スクリーン3に付いて
は、建築基準法第107条又は第107条の2の「間仕
切り壁」に示されている以上の耐火性能や強度を有する
ことが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0015】本発明の耐火スクリーン3で利用される耐
火ガラス4としては、超耐熱結晶化ガラスが用いられ、
JIS A1311で定める耐火標準加熱温度曲線の2時間の範
囲内の温度で軟化したり割れたりしない特性を持つもの
であることが好ましい。また光線透過率もフロートガラ
スなどと変わらない特性を持つものであることが好まし
い。
【0016】具体的に利用可能な耐火ガラス4として
は、ファイアライト(商品名、日本電気硝子社製)が挙
げられるが、これに限定されるものではない。
【0017】利用される耐火ガラス4は、一重で使用し
ようと二重ないし多重で利用しようと限定はなく、ま
た、耐火ガラスとフロートガラスないし強化ガラスとの
併用である態様であってもよい。
【0018】耐火ガラスの二重ないし多重構造、或い
は、耐火ガラスとフロートガラスないし強化ガラスの二
重ないし多重構造とする態様では、中間に空気層を配置
することにより、断熱或いは防音構造とすることが可能
である。
【0019】
【発明の効果】本発明に係るアトリウムによれば、採光
の問題や視覚的要素の点での有利さを損なうことなく、
墜落や器物の落下の危険をなくし、また、初期設備費が
高くメンテナンス負荷も大きい従来の防火構造に比較し
て安価に提供でき、しかも、空調上のデメリットも解消
することができ、更にコンクリートやPC版による下が
り壁や腰壁の施工も必要がなく、頭記の課題の解決が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したアトリウムの概略断面図
【図2】図1における矢符A方向から見た立面図
【図3】同じく概略斜視図
【図4】方立の固定構造を示す断面図
【図5】方立と無目との固定構造を示す断面図
【図6】無目と耐火ガラスとの固定構造を示す断面図
【符号の説明】 1−アトリウム 2−通路 3−耐火スクリーン 4−耐火ガラス 5−方立 6−無目 7−ファスナ 50−H型鋼 51−ファスナ 52−ブラケット 53−レベル調整用部材 60−無目本体 61−アングル 62−凹部 63−段部 64−スペーサ 65−押縁

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物の内部に構築されるアトリウムにお
    いて、そのアトリウムが面する壁の全域又は一部が複数
    階にわたる透明ないし半透明な耐火ガラスとその支持材
    又は接合材で形成される耐火スクリーン(但し、鏡面状
    の壁面は除く)で構成されていることを特徴とするアト
    リウム。
  2. 【請求項2】耐火スクリーン(但し、鏡面状の壁面は除
    く)が方立及び無目で支持された複数枚の耐火ガラスで
    形成される構造であることを特徴とする請求項1に記載
    のアトリウム。
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JP2001317138A (ja) * 2000-05-02 2001-11-16 Fujita Corp 耐火ガラス取付構造およびそれを使用したガラス耐火間仕切壁
JP7446134B2 (ja) * 2020-03-24 2024-03-08 株式会社Lixil サッシ枠、カーテンウォールのインナー構造及びカーテンウォール

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