JP3727992B2 - 流体圧シリンダを有する構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体圧シリンダを有する構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
四周外面に開口の幅が狭く内側が拡開しかつ長手方向に貫通する取付溝を有する多数の構造部材を、これらの取付溝に装着したジョイントにより互いに直交する方向に組付けて支持枠状とした構造体は、例えば特開平7−27113号公報によって既に知られている。
上記構造体は、構造部材に設けた取付溝によって、構造部材に種々の流体圧機器を組付けることができるが、個々の流体圧機器の取付溝の形状等がまちまちであると、作業環境が雑然として作業に不都合を生ずることがある。
また流体圧機器の種類に応じた複数種類のジョイントを使用すると、部品点数が多くなって部品管理が面倒であり、しかも構造体全体が高価になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする第1の課題は、作業環境を整然とすることができる、流体圧シリンダを有する構造体を提供することにある。
【0004】
また、本発明が解決しようとする第2の課題は、上記構造体を安価なものにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記第1及び第2の課題を解決するため、本発明の流体圧シリンダを有する構造体は、
四周外面の少なくとも複数面に開口の幅が狭く内側が拡開しかつ長手方向に貫通する取付溝を有する複数の構造部材を、これらの取付溝に装着したジョイントにより互いに直交する方向に組付けて支持枠状とした構造体と、該構造体に組付けられた流体圧シリンダとを備え、上記流体圧シリンダのシリンダボディが、外面に上記取付溝と同形の取付溝を備え、上記流体圧シリンダを、これらの取付溝に装着したジョイントによって構造部材に組付け、上記構造部材に流体圧シリンダを組付けるジョイントを、構造部材を互いに組付けるジョイントと同じ構成にし、上記流体圧シリンダのロッドに、外面に構造部材の取付溝と同形の取付溝を有する機器の取付ブロックを取付け、この取付ブロックに、ボディの外面に上記取付溝と同形の取付溝を有する他の構造部材または流体圧機器を、これらの取付溝に装着するジョイントによって組付け可能としたことを特徴としている。
【0007】
また、同様の課題を解決するため、上記機器の取付ブロックに他の構造部材や流体圧機器を組付けるジョイントが、構造部材を互いに組付けるジョイントと同じ構成を備えていることを特徴としている。
【0008】
また、これらの課題を解決するため、位置検出スイッチが、これらのシリンダボディの取付溝に係止可能なスイッチホルダを備え、上記位置検出スイッチが、スイッチホルダによってシリンダボディの取付溝に取付けられていることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
支持枠状とした構造体を構成する構造部材と、これらの構造部材に組付けられる流体圧シリンダのシリンダボディとが、それぞれ外面の長手方向に、開口の幅が狭く内方が拡開する同形の取付溝を備えているので、これらの取付溝に装着したジョイントによって、構造部材の所望の位置に流体圧シリンダを組付けることができる。
【0010】
また、この流体圧シリンダのロッドに取付けた機器の取付ブロックが、外面に上記取付溝と同形の取付溝を備えているので、この取付ブロックに、これと同形の取付溝を有する他の構造部材や流体圧シリンダを、さらに組付けることができる。
これらの場合、各部材の取付溝をすべて同形としたので、構造部材を互いに組付けるジョイントによって、流体圧シリンダ及び他の構造部材や流体圧シリンダを組付けることができる。
【0011】
さらに、スイッチホルダによって、流体圧シリンダのシリンダボディの取付溝に、位置検出スイッチを取付けることができる。
【0012】
【実施例】
図は本発明の実施例を示し、この実施例は図1に概略を示すように、複数個の構造部材2,・・をジョイント3,・・によって互いに直交する方向に組付けて支持枠状とした構造体1と、構造部材2に組付けられた流体圧シリンダ5と、そのロッド6に取付けられた機器の取付ブロック7と、この取付ブロック7に組付けられた他の流体圧シリンダ9と、そのロッド10に取付けられた他の機器の取付ブロック11とを備え、この取付ブロック11にさらに別の構造部材12が組付けられている。
【0013】
上記構造部材2は、端面の外形がほぼ矩形状をなし、各長辺の外面に2個の取付溝14,14が、各短辺の外面に1個の取付溝14がそれぞれ背向させて形成され、内部に長手方向に貫通する肉抜き部17,17と18が形成されており、アルミニウムの押出し材によって一体に形成されている。
上記取付溝14は何れも同形で構造部材2の長手方向に貫通し、開口15の幅が狭く内側が拡開して係止面16,16を有するものとして構成されている。また円形の肉抜き部17,17は、必要により流体流路とすることができる。
【0014】
構造部材2における一組の取付溝14,14には、長手方向端部近くに、内側拡開部に開口する円形のジョイント取付部20,20が形成されている。
構造部材2,2を互いに直交する方向に連結する上記ジョイント3は、特開平7−27113号公報に開示されかつ図1に概略を示すように、ジョイント取付部20を通って取付溝14に挿入される取付プレート21と、開口15から取付溝14に挿入される取付アンカー22と、これらを連結するセットねじ23とを備え、いずれも構造部材2より硬質の素材によってそれぞれ一体に形成されている。
【0015】
上記取付プレート21はほぼ円形をなし、中心にセットねじ23が螺入するねじ孔21aが、外周面下方の対向する位置に、ほぼ三角形状で回動により取付溝14の係止面16,16に係脱可能な一対の係止部21b,21bが、それぞれ形成されている。
取付アンカー22は、取付溝14の開口15の幅よりも狭い幅と長い長さを有し回動により係止面16,16に係脱可能な一対の係止部22a,22aと、これと直交し取付溝14の開口15から外部に突出する先端部22bとを備え、先端部22bに円錐凹部22cが形成されている。また、セットねじ23は、ねじ孔21aに螺入可能で、先端に円錐部23aが形成されている。
【0016】
上記ジョイント3は、一方の構造部材2の取付溝14の開口15から取付アンカー22を取付溝に挿入してほぼ90度回転すると、係止部22a,22aが取付溝14の係止面16,16に係止する。また、セットねじ23を中間まで螺入した取付プレート21を、ジョイント取付部20を通して他方の構造部材2の取付溝14に挿入してほぼ90度回転すると、係止部21b,21bが取付溝14の係止面16,16に係止する。
次いでこれらの構造部材2と2を互いに直交させ、取付アンカー22の先端部22bを取付プレート21を装着した構造部材の取付溝14に挿入して、セットねじ23をさらに螺入すると、円錐部23aが取付アンカー22の円錐凹部22cに押入される。この場合、円錐部23aの先端を円錐凹部22cの先端よりも取付アンカー22の先端部22b側に位置するようにしたことにより、円錐部23aの円錐凹部22cへの押入によって係止部22a,22aが係止面16,16に圧接されるので、構造部材2と2が組付けられる。
しかしながら、上記ジョイント3は、取付溝14,14によって構造部材2を互いに組付けることができるものであればよく、図示のジョイントに限定されるものではない。
【0017】
構造部材2に組付けられる流体圧シリンダ5は、一辺の長さが構造部材2の長辺の長さと等しいほぼ正方形の端面を有するシリンダボディ26を備え、四周外面の構造部材2の長辺の取付溝14,14と対応する位置にそれぞれ同形の取付溝14,・・が形成され、一組の取付溝14,14の長手方向端部近くに、ジョイント取付部20,20が形成されている。
上記シリンダボディ26は、対角方向の一方が長く他方が短い擬似楕円形のシリンダ孔27と、その短径部側方のガイドロッド孔28,28を有し(図3及び図7参照)、シリンダ孔の27の軸方向両端は、取付ねじ29,・・でシリンダボディ26に取付けられたヘッドカバー30とロッドカバー31によって、気密に閉鎖されている。
シリンダ孔27を気密に摺動するピストン33の上記ロッド6は、ロッドカバー31を気密に貫通してシリンダボディ26外に突出している。また、シリンダボディ26一側面の取付溝14,14間には、ピストン33で区画された一対のシリンダ室に圧縮空気を給排するポート34,34が開設され、これらのポートにそれぞれ継手35(図1参照)が螺着されている。
【0018】
上記機器の取付ブロック7は、図4に示すように、シリンダボディ26と同じ外形を備え、したがって、四周外面のシリンダボディ26の取付溝14,・・に対応する位置に、それぞれ同形の取付溝14,・・が形成され、内部に長手方向に貫通する十字形の肉抜き部37と4個の円形の貫通孔38,・・が形成されており、構造部材2と同様にアルミニウムの押出し材によって一体に成形されている。
十字形の肉抜き部37には、十字状の突部を有するインナブロック39が取付ねじ40,・・によって取付けられており、インナブロック39の中心にロッド6の先端が螺着されている。また、対角位置にある2個の貫通孔(ガイドロッド孔)38,38にはブッシュ41がそれぞれ嵌着され、ブッシュ41に挿入されたガイドロッド42の基端は、スプリングピン43によって取付ブロック7に取付けられている。そして、ロッドカバー31を通ってシリンダボディ26のガイドロッド孔28に挿入されたガイドロッド42の先端は、ガイドロッド孔28に装着した滑り軸受44等のガイド部材によって摺動が案内される。
【0019】
上記構成を有する流体圧シリンダ5は、擬似楕円形のピストン33よってガイドロッド孔28,28による受圧面積の低下が防止されるとともに、ガイドロッド42,42によって機器の取付ブロック7の回転が防止される。
また、インナブロック39によって、中心に肉抜き部37を有する構造部材で形成した取付ブロック7を、ロッド6に取付けることができる。
上記シリンダボディ26は、構造部材2の長辺の取付溝14,14と対応する箇所にこれと同形の取付溝14,14を備えているので、構造部材2と2を組付けるジョイント3によって、構造部材2に組付けることができる。
図5中の符号46,46はダンパ、符号47は位置検出のための環状の磁石である。
【0020】
機器の取付ブロック7には、他の流体圧シリンダ9が組付けられている(図1参照)。
上記流体圧シリンダ9のシリンダボディ50は、図8に詳細を示すように構造部材2と同じ外形を有している。したがって、長辺外面の取付ブロック7の取付溝14,14と対応する位置に同形の取付溝14,14が、短辺の外面に同形の取付溝14が、長辺の一組の取付溝14,14の長手方向端部近くにジョイント取付部20,20がそれぞれ形成されており、ジョイント3,3によって取付ブロック7に組付けられる(図1参照)。
【0021】
上記シリンダボディ50は、図9に詳細を示すように、長手方向に貫通する断面円形のシリンダ孔51とガイドロッド孔59,59とを備え、シリンダ孔51の両端は、止め輪52,52によってシリンダボディ50に取付けられたヘッドカバー53とロッドカバー54によって閉鎖されており、シリンダ孔51を気密に摺動するピストン55の上記ロッド10は、ロッドカバー54を気密に貫通してシリンダボディ50外に突出している。
また、シリンダボディ50の一組の取付溝14,14間には、シリンダボディ26と同様に、ピストン55で区画された一対のシリンダ室に圧縮空気を給排するポートが開設され、これらのポートに継手35,35が、ピストン55に位置検出のための環状の磁石47がそれぞれ取付けられている。
【0022】
上記機器の取付ブロック11は上記構造部材2によって形成されている。したがって、四周外面の同位置にそれぞれ同形の取付溝14,・・を備えている。
取付ブロック11における断面円形の肉抜き部17,17には、それぞれブッシュ56が装着され、これらのブッシュに挿入されたガイドロッド57は、基部がスプリングピン58によって取付ブロック11に取付けられ、先端部分がガイドロッド孔59に装着した滑り軸受44等のガイド部材によって摺動が案内される。
また、肉抜き部18に挿入されたインナブロック60は、上記スプリングピン58,58によってガイドロッド57,57とともに取付ブロック11に取付けられており、シリンダ孔51内を摺動するピストン55の上記ロッド10は、先端がインナブロック60の中心に螺着されている(図11参照)。
したがって、取付ブロック7と同様に、中心に肉抜き部18を有する構造部材で形成した取付ブロック11をロッド10に取付けることができ、ガイドロッド57,57によってその回転が防止される。
【0023】
図1に示すように、取付ブロック11の一組の取付溝14,14にはジョイント取付部20,20が形成され、取付ブロック11に、ジョイント3によって構造部材2と同じ部材で形成された他の構造部材12が組付けられている。そして、構造部材12の取付溝14,14に、取付ねじ65,65によってブラケット64が組付けられ、ブラケット64に他の流体圧機器(図示の例では吸盤63,63)が取付けられている。
したがって、吸盤63,63は、流体圧シリンダ5と9及び取付ブロック7と11によって、構造体1のX方向及びY方向に移動させることができる。
【0024】
図8に示すように、シリンダボディ50の取付溝14,・・の1つには、ピストン55の位置を検出する位置検出スイッチ66が組付けられる。
この位置検出スイッチ66は、上下方向の両面に係止面67aと67bを有するスイッチホルダ67,67と、スイッチホルダ67の係止面67bに係止可能な係止面68a有するスイッチ本体68とを備えている。
取付溝14に挿入された位置検出スイッチ66は、スイッチ本体68の一端に螺着したねじ69の先端を取付溝14の底面に圧接させて、スイッチ本体68の係止面68aとスイッチホルダ67の係止面67b、及びスイッチホルダ67の係止面67aと取付溝14の係止面16とを係止させることによって、取付溝14に組付けられる。
そして、上記スイッチ本体68は、ピストン55に取付けた上記磁石47の近接によって信号を発生する、磁気近接スイッチとして構成されている。
しかしながら、位置検出スイッチ66は、磁気近接スイッチに限定されるものではない。
【0025】
図示の例においては、2個のスイッチホルダ67,67を連結体70により連結して、スイッチ本体68のリード線71を連結体70に設けた孔70aから引き出しているが、連結体70は必ずしも必要ではない。
また、上記位置検出スイッチ66は、シリンダボディ26の取付溝14にも取付けることができる。
【0026】
上記構造部材2と12、シリンダボディ26と50、及び機器の取付ブロック7と11は、これらの組付け面の幅がすべて同じにされている。したがって、構造体1に流体圧シリンダ5と9、取付ブロック7と11及び構造体12を組付けても、作業環境が整然としている。
なお、これらの部材の四周外面に設けた同形の取付溝14,14は、ジョイントによって各部材を組付けることができるものであればよく、取付溝の形状は図示の形状に限定されるものではない。また、シリンダボディ50を構造体2に組付け、その取付ブロック11に流体圧シリンダ5のシリンダボディ26を組付けることもできる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の流体圧シリンダを有する構造体は、支持枠状に組付けた構造体を構成する構造部材と、これらの構造部材に組付けられる流体圧シリンダのシリンダボディ、及びこの流体圧シリンダのロッドに取付けた機器の取付ブロックが、それぞれ外面の長手方向に貫通し、かつ開口の幅が狭く内方が拡開する同形の取付溝を備えているので、これらの取付溝に装着したジョイントによって、構造部材の長手方向の所望の位置に流体圧シリンダを組付けることができ、これによって作業環境を整然とすることができる。
また、各部材の取付溝をすべて同形としたので、構造部材を組付けるためのジョイントによって、流体圧シリンダ及び他の構造部材や流体圧シリンダを組付けることができるので、部品点数が少なくなり、したがって部品管理が容易で全体を安価なものとすることができる。
【0028】
さらに、スイッチホルダによって、シリンダボディの取付溝に位置検出スイッチを組付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の斜視図である。
【図2】流体圧シリンダの斜視図である。
【図3】図2の左側面図である。
【図4】同じく右側面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】図6のC−C断面図である。
【図8】次の流体圧シリンダの斜視図である。
【図9】同じく要部断面図である。
【図10】図8の右側面図である。
【図11】図9のD−D断面図である。
【図12】図9のE−E断面図である。
【符号の説明】
1 構造体
2 構造部材
3 ジョイント
5,9 流体圧シリンダ
6 ロッド
7 取付ブロック
14 取付溝
15 開口
26 シリンダボディ
66 位置検出スイッチ
67 スイッチホルダ
Claims (3)
- 四周外面の少なくとも複数面に開口の幅が狭く内側が拡開しかつ長手方向に貫通する取付溝を有する複数の構造部材を、これらの取付溝に装着したジョイントにより互いに直交する方向に組付けて支持枠状とした構造体と、該構造体に組付けられた流体圧シリンダとを備え、
上記流体圧シリンダのシリンダボディが、外面に上記取付溝と同形の取付溝を備え、
上記流体圧シリンダを、これらの取付溝に装着したジョイントによって構造部材に組付け、
上記構造部材に流体圧シリンダを組付けるジョイントを、構造部材を互いに組付けるジョイントと同じ構成にし、
上記流体圧シリンダのロッドに、外面に構造部材の取付溝と同形の取付溝を有する機器の取付ブロックを取付け、
この取付ブロックに、ボディの外面に上記取付溝と同形の取付溝を有する他の構造部材または流体圧機器を、これらの取付溝に装着するジョイントによって組付け可能とした、
ことを特徴とする流体圧シリンダを有する構造体。 - 上記機器の取付ブロックに他の構造部材または流体圧機器を組付けるジョイントが、構造部材を互いに組付けるジョイントと同じ構成を備えている、
ことを特徴とする請求項1に記載した流体圧シリンダを有する構造体。 - 位置検出スイッチが、シリンダボディの取付溝に係止可能なスイッチホルダを備え、
上記位置検出スイッチが、スイッチホルダによってシリンダボディの取付溝に取付けられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載した流体圧シリンダを有する構造体。
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