JP4104257B2 - 空気圧シリンダ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は 空気圧シリンダ、さらに詳細には軸を流体の圧力で左右方向に移動させることによって、種々の機器を駆動する空気圧シリンダに関する。
【0002】
【従来技術】
この種の空気圧シリンダは、たとえば、図4に示す様な構造のものが知られている。すなわち、空気圧シリンダ は穴部Tを有するフロント側ボンネット1とリア側ボンネット1’とを有し、中空のシリンダ本体11を介して、三者はタイロッドなどによって一体化された構造になっている。そして空気圧シリンダはこのフロント側ボンネット1、リア側ボンネット 1’の穴部T及びシリンダ本体11で構成される中空部12 に収納されたピストン2とにより基本的に構成されている。前記気密な中空部12に収納されるピストン2は前記中空部12に収納された、基本的に断面コの字状のピストンヘッド21と前記ピストンヘッド21に一端が固定されたピストンロッド22とよりなり、前記ピストンロッド22の他端はフロント側ボンネット1を気密に(シール6の作用によって)貫通して外側に突出した構造になっている。
【0003】
リア側ボンネット 1’の内壁に受部13を穿設されており、この受部13にダイヤフラム4のビード部43を嵌込んで固定した構造になっている。前記ダイヤフラム4は断面コの字状のダイヤフラム本体41とこのダイヤフラム本体41に接続する折り返し部分のコンボリューション部42と前記コンボリューション部42に接続するビード部43を有しており、前記ダイヤフラム本体41は前記ピストンヘッド21の側面211から頂部212を覆うように固定されている。
【0004】
この空気圧シリンダは、復動式と称されるものであり、二枚のダイヤフラムを有している。もう一方のダイヤフラム5は、ダイヤフラム本体51の頂上部に円形状の空隙54(図3参照)を有しており、この空隙54の内周縁部55をピストンヘッド21のロッド側端面である底部213とリテーナー3で挟着固定し、一方ダイヤフラム5のビード部53をフロント側ボンネット1の受部14に嵌込み固定した構造になっている。
【0005】
このような空気圧シリンダはリア側ボンネット1’に形成された供給口15より空気を注入すると、前記空気が注入された部分は前記ダイヤフラム4によって密閉された駆動空間Sを構成しているため、空気の圧力によって前記ピストン2は図4において右方向に摺動する。反対に、フロント側ボンネット 1に形成された供給口15より空気を注入すると、前記空気が注入された部分は前記補助ダイヤフラム5によって密閉された駆動空間Sを構成しているため、流体の圧力によってピストン2は、図4において左方向に移動することになる。
【0006】
【発明が解決する問題点】
上述のような複道式の空気圧シリンダにおいて、ピストンヘッド21の底部213とリテーナー3で挟着固定するに際しては、前記底部213とリテーナー3間にダイヤフラム5の内周縁部55を挟んで、ねじ23によって固定していた。このねじ23はリテーナー3の円周方向に複数螺合されており、確実に前記ダイヤフラム内周縁部が固定される反面、このねじ止め作業は手間がかかるという欠点があった。
【0007】
本発明は上述の様な問題点を解決すること、すなわちリテーナーの円周方向にねじ止めすることなく、ダイヤフラムの内周縁部を確実に、かつ容易にピストンヘッドの底部に固定できる空気圧シリンダを提供することを目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
本発明による空気圧シリンダは、一方が閉塞された穴部を有するリア側ボンネットとフロント側ボンネットを中空のシリンダ本体を介して、前記穴部が向かいあうように連結して形成した中空部に、ピストンヘッドとこのピストンヘッドに接続したピストンロッドを有するピストンが前記中空部を移動可能なように収納され、前記ピストンヘッドの底部と中空部壁間に、その中央部に空隙を形成し内周縁部が形成されたダイヤフラムを設けて密閉された駆動空間を形成し、さらに前記駆動空間に空気を注入するための供給口を形成した空気圧シリンダにおいて、前記ピストンヘッドの底部にリング状のリテーナーを固定するとともに、前記リテーナーに内径側より伸長するかしめ爪を設け、前記かしめ爪に前記ダイヤフラムの前記空隙を嵌め合わせ、さらにリテーナーリングと前記リテーナーとの間に前記内周縁部を挟み込むようにリテーナーリングを嵌め合わせ、前記かしめ爪をかしめることによってダイヤフラムの内周縁部及びリテーナーリングを前記リテーナーと前記かしめ爪との間に固定したことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、リテーナーをピストンヘッド底部に固定しておき、前記リテーナーにリテーナーリングを嵌込んでダイヤフラムの内周縁部を挟み込み、かしめることによって固定したため、複数のねじ止めを行うことなく、簡単にダイヤフラムを固定できるという利点がある。
【0010】
【実施例】
図1は本発明による空気圧シリンダの断面図であるが、この図より明らかなように、シリンダ はフロント側ボンネット1およびリア側ボンネット1’は穴部Tを有している。そしてこの実施例においては前記フロント側ボンネット1およびリア側ボンネット1’の間に中空のシリンダ本体11が設けられており、前記シリンダ本体11を中間にして前記穴部Tを相互に向かい合うように接合することによって中空部12が形成されている。
【0011】
この中空部12には、基本的に断面コの字状のピストンヘッド21とこの頂部212裏側の中央部に接続するピストンロッド22よりなるピストン2が設けられており、このピストンロッド22はシリンダ内の気密が保持されるようにシール6を介して前記フロント側ボンネット1の外側に伸長している。
【0012】
ピストンヘッド21の頂部212に固定される前記ダイヤフラム4は断面コの字状のダイヤフラム本体41とこのダイヤフラム本体41に接続する折り返し部分のコンボリューション部42と前記コンボリューション部42に接続するビード部43を有しており、前記ダイヤフラム本体41は前記ピストンヘッド21の側面211から頂部212を覆うように固定されている。一方ピストンヘッド21の底部213(図2参照)に固定されるダイヤフラム5は基本的に同様な構造を有しているが、ダイヤフラム本体51の頂部は中央部が円形に切りかかれた空隙54を有している(図3参照)。
【0013】
前記フロント側ボンネット1およびリア側ボンネット1’の開口先端部には、切り欠き部16が形成されている。この切り欠き部16は基本的に開口先端部が断面鉤状になるように形成されており、内壁に小さく突出した伸長部161が形成され、コの字状部分を有した構造になっている。一方、前記シリンダ本体11の先端部にも断面鉤状になるような切り欠き部111が設けられている。
【0014】
前記ダイヤフラム4及び5のビード部43及び53を固定するため、この実施例においてはスペーサ7を使用している。このスペーサ7は外径部分にO−リング14を介して前記の切り欠き部16のコの字状部分に嵌込まれるフランジ71を有しており、一方内径部分にも、ダイヤフラム4、5のビード部43、53を、前記シリンダ本体11の切り欠き部111との間で挟み込むためのダイヤフラム用フランジ72が形成されている。このように前記ダイヤフラム4および5はスペーサ7とシリンダ本体11の切り欠き部111で空気圧シリンダ内壁に固定される。
【0015】
前記ダイヤフラム5はピストンヘッド21の底部213に固定される。図2及び図3に示すように、前記ダイヤフラム5をピストンヘッド21の底部213に固定するためのリング状のリテーナー3はピストンヘッド21の底部213に形成された切り欠き部214にO−リング215を介して嵌合固定されている。そして、このリテーナー3はフロント側ボンネット1方向に内径側より伸長するかしめ爪31が形成されている。前記ダイヤフラム5の空隙54を前記かしめ爪31に嵌込み、後、さらにリテーナーリング32を前記かしめ爪31に嵌込むことによって、前記ダイヤフラム5の内周縁部55を挟み込むことができる。このような状態で、かしめ爪31をかしめることによって前記内周縁部55をピストンヘッド21の底部213に固定することができる。
【0016】
このようにリテーナー3をピストンヘッド21に底部213に嵌込み固定した後、ダイヤフラム5の内周縁部55をリテーナーリング32とにより挟み込み、かしめ爪31をかしめることによって固定するため、従来に比較して容易にダイヤフラムをピストンヘッド21の底部213に固定できる。
【0017】
空気圧シリンダ はリア側ボンネット1’に形成された供給口15より空気を注入すると、前記空気が注入された部分は前記ダイヤフラム4によって密閉された駆動空間Sを構成しているため、空気の圧力によって前記ピストン2は図1において右方向に摺動する。反対に、フロント側ボンネット 1に形成された供給口15’より空気を注入すると、前記流体が注入された部分は前記補助ダイヤフラム5によって密閉された駆動空間Sを構成しているため、空気の圧力によってピストン2は、図1において右方向に移動することになる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、リテーナーをピストンヘッド底部に固定しておき、前記リテーナーにリテーナーリングを嵌込んでダイヤフラムの内周縁部を挟み込み、かしめることによって固定したため、複数のねじ止めを行うことなく、簡単にダイヤフラムを固定できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気圧シリンダの一実施例の断面図。
【図2】ダイヤフラムの内周縁部の取付け部分の拡大図。
【図3】ダイヤフラムの内周縁部の取付け部分の一部切り欠き分解斜視図。
【図4】従来のダイヤフラム型空気圧シリンダの断面図。
【符号の説明】
1 ロッド側 シリンダ
1’ ヘッド側 シリンダ
11 シリンダ本体
12 中空部
13 受部
14 受部
15 供給口
2 ピストン
21 ピストンヘッド
22 ピストンロッド
213 底部
3 リテーナー
31 かしめ爪
32 リテーナーリング
4 ダイヤフラム
43 ビード部
5 ダイヤフラム
53 ビード部
55 内周縁部
Claims (3)
- 一方が閉塞された穴部を有するリア側ボンネットとフロント側ボンネットを中空のシリンダ本体を介して、前記穴部が向かいあうように連結して形成した中空部に、ピストンヘッドとこのピストンヘッドに接続したピストンロッドを有するピストンが前記中空部を移動可能なように収納され、前記ピストンヘッドの底部と中空部壁間に、その中央部に空隙を形成し内周縁部が形成されたダイヤフラムを設けて密閉された駆動空間を形成し、さらに前記駆動空間に空気を注入するための供給口を形成した空気圧シリンダにおいて、前記ピストンヘッドの底部にリング状のリテーナーを固定するとともに、前記リテーナーに内径側より伸長するかしめ爪を設け、前記かしめ爪に前記ダイヤフラムの前記空隙を嵌め合わせ、さらにリテーナーリングと前記リテーナーとの間に前記内周縁部を挟み込むようにリテーナーリングを嵌め合わせ、前記かしめ爪をかしめることによってダイヤフラムの内周縁部及びリテーナーリングを前記リテーナーと前記かしめ爪との間に固定したことを特徴とする空気圧シリンダ。
- 前記リア側ボンネットおよび/またはフロント側ボンネットの内壁にスペーサを設け、このスペーサと前記シリンダ本体内壁で前記ダイヤフラムのビード部を挟着して固定したことを特徴とする請求項1記載の空気圧シリンダ。
- 前記ピストンヘッドの底部には切り欠き部が形成され、
前記リング状のリテーナーは、前記切り欠き部にO−リングを介して嵌合固定されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の空気圧シリンダ。
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JP27935499A JP4104257B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 空気圧シリンダ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2001099112A JP2001099112A (ja) | 2001-04-10 |
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Family
ID=17610014
Family Applications (1)
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JP27935499A Expired - Lifetime JP4104257B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 空気圧シリンダ |
Country Status (1)
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-
1999
- 1999-09-30 JP JP27935499A patent/JP4104257B2/ja not_active Expired - Lifetime
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