JP3727588B2 - ランプ用管球の成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無電極放電ランプやシリカ電球などに用いられるランプ用管球に関し、特に、その成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無電極蛍光ランプおよび高輝度放電ランプ(HID)などの無電極放電ランプやシリカ電球などにおいては、ランプ用管球としてガラス製のものが用いられている。一般にランプ用管球は、当該管球の取り付け支持部となるネック部とこれを保持するランプホルダーとが、シリコン樹脂やセメントなどの接着剤によって接着固定されている。ところが、このランプ用管球は、吊るされた、すなわちぶら下がった状態で使用されることが多く、経時やランプの発熱によって接着剤の劣化が進み、ランプ用管球が落下する可能性があった。
【0003】
そこで、ランプ用管球の落下防止のために、無電極放電ランプにおいては、ランプ用管球のネック部に凹凸を設けるとともに、ランプホルダーにネック部の凹凸と嵌合する凹凸を設ける技術がある(特表平8−511650号公報)。これによれば、ネック部とランプホルダーの凹凸がかみ合うので、接着剤の劣化が進んだとしてもランプ用管球の落下を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ランプ用管球のネック部に凹凸を成形するためには、ランプ用管球のネック部を軟化点以上まで加熱する加熱ステップと、軟化点以上まで加熱されたネック部に対し、例えば二分割された型枠それぞれ対向させて挟み込むように押し付け、ネック部を型枠内部に入れる型入れステップと、管球内部の圧力を外部より高めてネック部を膨張させて型枠形状にシェイピングするシェイピングステップとが必要になると考えられる。これらのステップによって、ネック部に凹凸が形成されたランプ用管球を得ることができると考えられる。
【0005】
しかしながら、上記成形方法では、ランプ用管球の形状が所定の形状に形成されない可能性がある。
上記型入れステップにおいては、加熱後の軟らかくなったネック部に対して型枠を近接させて挟み込むようにしているため、各型枠の対向面においてガラスを挟みこんでしまい、成形後のネック部にバリを生じる可能性がある。このようにバリが発生した場合には、バリを削り落とす必要があるが、その際に加わる応力によって管球が割れることがある。このバリの発生を防止するためには、ネック部の加熱を十分行って軟化させガラスの表面張力によって加熱部分に縮みを生じさせる、いわゆる焼き縮みを行うことが考えられる。これによれば、十分な加熱によってネック部を型枠内部からはみ出さない大きさまで小さくすることができると考えられるが、成形したい部分以外に対しても不要な加熱を行うことになってしまい、時間がかかる上コストもかかる。また、あらかじめネック部を型枠よりも充分小さく形成しておくことによって、上記ネック部の挟み込みを防止することも考えられるが、その場合には、シェイピングステップにおけるネック部の膨張率を高めなくてはならない。その結果、成形されるネック部のガラスの厚みが薄くなり、ランプ用管球の強度に問題が生じる場合がある。
【0006】
他方、ランプ用管球の成形予定部以外が変形する可能性もある。上記型入れステップにおいては、凹凸を形成したい部分に対して型枠を挟み込むのが一般的であると考えられるが、ランプ用管球における型枠からはみ出た部分においても軟化点以上に加熱された部分があれば、その部分がシェイピングステップの加圧時において膨張する可能性がある。このような場合には、型枠からはみ出た部分も膨らみ、ランプ用管球がいびつな形状に形成されると考えられる。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑み、バリや管球の膨張の発生を抑制し、ランプ用管球を所定の形状に形成することができるランプ用管球の成形方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るランプ用管球の成形方法は、ランプ用管球の成形予定部を加熱する加熱ステップと、前記管球内部の圧力を管球外部よりも減圧することにより、前記加熱された成形予定部を収縮させる減圧ステップと、前記減圧ステップにおいて収縮された状態のままの成形予定部に対して、複数に分割された成形用の型枠を集合するように近接させることにより、前記成形予定部を型枠内部に入れる型入れステップと、前記管球内部の圧力を管球外部よりも昇圧することにより、前記加熱された成形予定部を膨張させて、当該成形予定部を型枠形状にシェイピングするシェイピングステップとを有することを特徴とする。
【0009】
これによれば、管球の成形予定部が型入れ工程前に減圧ステップによって収縮されるので、ガラスが型枠に挟み込まれることがなくなる。したがって、バリの発生が抑制される。また、成形予定部を収縮させた後、膨張させているので、成形前後における管球の厚みもあまり変化しない。
また、前記減圧ステップにおける管球内部圧力は、1KPa〜100KPaに設定することが好ましい。1KPaよりも圧力を小さくすると、収縮しすぎ、逆に100KPaよりも大きい場合には収縮しない可能性がある。
【0010】
前記シェイピングステップにおいては、管球内部圧力を110KPa〜600KPaに設定することが好ましい。110KPa以下では管球が膨らまず、600KPa以上では管球が破損する可能性がある。
また、上記成形予定部は、ランプとなった場合にランプホルダーと係合するランプ用管球の支持部にあり、前記ランプホルダーに設けられる凹部または凸部と嵌合するための凸部または凹部が成形される。この凹凸を成形することによって、凹部と凸部が引っかかり、管球の落下を防止することができる。
【0011】
また、本発明に係るランプ用管球の形成方法は、ランプ用管球の成形予定部を加熱する加熱ステップと、前記加熱された成形予定部に対して、複数に分割された成形用の型枠を集合するように近接させることにより、前記成形予定部を型枠内部に入れる型入れステップと、前記管球内部の圧力を管球外部よりも昇圧することにより、前記加熱された成形予定部を膨張させて、当該成形予定部を型枠形状にシェイピングするシェイピングステップとを有し、前記型入れステップにおいて用いる型枠は、前記加熱ステップにおいてランプ用管球の軟化点以上に加熱された部分全てが前記型枠内部に配される厚みを有することを特徴とする。
【0012】
このようにすれば、シェイピングステップにおける加圧によっても管球の成形予定部以外が膨らんでいびつな形状になることが抑制される。
また、本発明に係るランプ用管球の成形方法は、ランプ用管球の成形予定部を加熱する加熱ステップと、前記加熱された成形予定部に対して、複数に分割された成形用の型枠を集合するように近接させることにより、前記成形予定部を型枠内部に入れる型入れステップと、前記管球内部の圧力を管球外部よりも昇圧することにより、前記加熱された成形予定部を膨張させて、当該成形予定部を型枠形状にシェイピングするシェイピングステップとを有し、前記型入れステップにおいて用いる型枠は、ランプ用管球における成形予定部および当該部位から少なくとも10mm離れた領域までが前記型枠内部に配される厚みを有することを特徴とする。
【0013】
このようにすれば、シェイピングステップにおける加圧によっても管球の成形予定部以外が膨らんでいびつな形状になることが抑制される。
ここで、前記加熱ステップと前記型入れステップとの間において、前記管球内部の圧力を管球外部よりも減圧することにより、前記加熱された成形予定部を収縮させる減圧ステップを有するようにすれば、さらにバリの発生を抑制することができる。
【0014】
また、具体的には、前記成形予定部は、ランプとなった場合にランプホルダーと係合するランプ用管球の支持部にあり、前記ランプホルダーに設けられる凹部または凸部と嵌合するための凸部または凹部が成形される。これによれば、凹部と凸部の引っかかりによって管球の落下を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るランプ用管球の成形方法を、無電極放電ランプ用管球の成形方法に適用した場合の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。(無電極放電ランプ用の管球の構成)
まず、無電極放電ランプ用管球(以下、「管球」という。)の構成について説明する。
【0016】
図1は、本発明の成形方法を適用して作製した管球の概略斜視図であり、図2は、当該管球における断面図である。
両図に示すように、管球は、球状の管球部1と、当該管球部1の表面から中心に向けて円筒状に凹設されたコイルボビン挿入部2とからなり、コイルボビン挿入部2には、ランプとなった場合に磁場発生用コイルボビン(不図示)が挿入される。なお、管球の材料には一般的にソーダガラスが用いられる。
【0017】
管球部1は、円形の開口部10aを有するガラス球10と、当該ガラス球10の開口部10aを封止するように凸設された有底円筒状のネック部11とからなる。
ネック部11は、円筒部12、底面部13、凸部14とからなる。
円筒部12は、ガラス球10の開口部10aから管球外方に延出するように設けられ、その延出方向先端面と、コイルボビン挿入部2における円筒部20の端面とが底面部13によって貼設された形状となっている。円筒部12の周壁には、外方に突出した四つの凸部14がそれぞれ90°ピッチで配設されており、この凸部14は、図外のランプホルダーに形成された凹部と嵌合することによって管球の落下が防止される。凸部14の数は四つに限定されるものではなく、例えば、リング状に周壁を一周する一つの凸部であってもよい。この数は、成形するときに使用する型枠の形状変更によって変更することができる。
【0018】
コイルボビン挿入部2は、円筒部20、細管部21、頂面部22とからなり、円筒部20の管軸方向に沿って、それよりも径の細い細管部21が中心に配された二重管構造を有するとともに、円筒部20と細管部21の管球内方側端部同士が頂面部22によって貼設された構成となっている。ここで、細管部21は、両端面が開放された状態となっており、図2に示すように、管球内部は、細管部21を介して外部と連通されている。これによって、後述する管球内の減圧、加圧などを行うことができる。
【0019】
(管球の形成方法)
次に、上記管球の形成方法について説明する。
図3は、管球の形成方法を説明するための凸部形成前における管球の部品構成図である。管球は、予め形成された管球部3と、コイルボビン挿入部4とを加熱して融着、封止する封止工程を経た後、凸部14(図1)を成形する凸部成形工程を経ることによって形成される。
【0020】
▲1▼封止工程
まず、封止工程について説明する。
図3に示すように、管球の封止は、管球部3におけるネック部31と、コイルボビン挿入部4における底面部43とを融着して接合することによって行われる。具体的には、ネック部31の縁端部31aと、底面部43の縁端部43aとを図中矢印で示すように近接させ、保持具(不図示)によってコイルボビン挿入部4を保持した後、ネック部31付近をバーナーで加熱することによって行われ、これによって各縁端部31a,43a同士が融着し、封止される。
【0021】
図4は、封止工程における管球およびその固定台50の斜視図である。なお、図4においては、固定台50を載置する台の図示は省略している。
同図に示すように、管球は、封止工程においては固定台50に固定された状態で加熱される。
固定台50は、支持板511,513、支柱514,515、保持アーム518を備え、支持板511上に支柱514,515を介して支持板513が平行に支持されている。なお、固定台50はバーナー53によって加熱されるため、材質は鉄などの金属からなる。
【0022】
支持板513は、支持板511と対向する主面にレール溝(不図示)を備えるとともに、一対の保持アーム518が上記レール溝と嵌合してスライド可能に保持される。この各保持アーム518は、互いに対向する方向に向けて弾性付勢されており、各保持アーム518の間に管球を配することによって、弾性付勢された各保持アーム518が管球を動かないように固定することができる。
【0023】
このような構成を有する固定台50は図示しない回転テーブルに載置され、管球の細管部41の管軸を中心に図中矢印方向に回転される。ここで、バーナー53は、ネック部31の周壁接線方向に炎が当たるように細管部41の管軸を中心に120°ピッチで3基(図4においては、1基が支持板513に隠れており、2基のみ図示している。)配されるとともに、各バーナー53のガス噴出口の位置がネック部31の下端から枠体71,72(図5(c))の上面10mmの高さまで上下移動を繰り返すように図示しない駆動装置に固定されており、これにより、回転する管球のネック部31は、融点以上まで満遍なく加熱される。したがって、図3に示す管球部3とコイルボビン挿入部4は、互いに融着されて封止される。なお、後述する管球の膨張を防ぐため、バーナー53を固定する駆動装置においては、管球における枠体71,72(図5(c))からはみ出る部分の温度が軟化点未満の温度に保持されるように、その上下移動の動作速度が調整される。
【0024】
▲2▼凸部成形工程
次に、凸部成形工程について説明する。
図5および図7は、凸部成形工程の各工程のおける固定台50に載置された管球の正面図であり、(a)〜(e)の順に工程が進行する。なお、各図中における固定台50は、保持アーム518の一部以外についての図示を省略しており、また固定台50の回転は行われていない。
【0025】
(1)加熱工程
凸部14(図1)を成形するためには、ネック部31を軟化点以上の温度(400〜800℃)にまでバーナー53を用いて加熱する必要がある。しかし、本実施の形態においては、ネック部31が上記封止工程において融点以上、すなわち軟化点以上の温度に加熱された状態であるので、そのまま連続して凸部14の成形を行うことができる。したがって、封止工程を加熱工程として兼ねることができるため、加熱工程については説明を省略する。なお、封止工程終了直後、すなわち凸部成形工程開始時点においては、図5(a)に示すように、ネック部31の直径がD1となっている。
【0026】
(2)減圧工程
次に、図4に示す置換装置60を、管球の細管部41に接続して管球内部の減圧を行い、ネック部31を収縮させる。
図4に示すように、置換装置60は、真空ポンプ61、チャンバー62、加圧ポンプ63、チューブ64a,b,c,d、バルブ65a,b,cを備える。
【0027】
真空ポンプ61は、ロータリーポンプなどの一定圧力まで減圧可能なポンプであり、チューブ64aを介してチャンバー62と接続される。チューブ64aの途中には、開閉自在のバルブ65aが配されている。
チャンバー62は、その内部に一定体積の空間を有する箱体であり、途中に開閉自在なバルブ65bが配されたチューブ64bと接続される。チューブ64bは、チューブ64dと接続され、チューブ64dの一端が細管部41に挿入される。これによって、真空ポンプ61と管球内部とが連通される。ここで、チューブ64bとチューブ64dとの接続点においては、チューブ64cとも接続されている。
【0028】
加圧ポンプ63は、出力圧力を所定圧力(例えば200KPa)に制御可能な加圧ポンプであり、途中に開閉自在なバルブ65cが配されたチューブ64cと接続されている。チューブ64cはチューブ64dと接続されているので、これによって加圧ポンプ63と管球内部とが連通される。
管球内部の減圧を行うためには、まず、バルブ65aを開くとともに、バルブ65b,65cを閉めた後、真空ポンプ61を起動する。これにより、チャンバー62内部においては、一定の圧力まで減圧される。
【0029】
次に、バルブ65aを閉めた後、バルブ65bを開ける。これにより、管球内部とチャンバー62内部の圧力が平衡に達する。すなわち、管球内部においてはチャンバー62の体積に応じて所定圧力まで減圧される。この減圧によって、図5(b)に示すように、軟化点以上に加熱されているネック部31は、管球内部の圧力が管球外部の圧力よりも低下して収縮を起こすので、その直径がD2(D2<D1)と小さくなる。ここで、直径D2は、後述する型枠7の型部73における最小直径D3よりも小さくすることが好ましい。そのためには、管球内部と外部の圧力差を1KPa〜100KPaの範囲に設定することが好ましい。これは、管球の材質、温度、厚みにもよるが、1KPaを下回るとネック部を収縮させることができず、100KPaを越えると収縮しすぎてネック部が破れる可能性があると考えられるからである。これらの点を考慮して、特に93KPa(700mmHg)程度の圧力差が好ましい。なお、ここでは、管球内部の圧力を減圧したが、管球内部と外部の圧力差が生じればよく、管球外部の圧力を高めるようにしても良い。
【0030】
(3)型入れ工程
次に、減圧工程において小径化したネック部31に対し、成形予定の凸部の形状に対応した型枠を近接させ、ネック部31を型枠内部に配置するようにする。図6(a)は、型枠7の平面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるA−A´線断面図である。
【0031】
両図に示すように、型枠7は、一対の枠体71,72からなり、その端面を図中矢印方向に対向させて近接させることにより、ネック部31の型枠となる。ここで、各枠体71,72については同じ構成であるので、以下、枠体71を例にその構成を説明する。
枠体71は、枠体72と対向する側の端部に、管球におけるネック部31を対向する凸部14の位置において半分に切断した形状の型となる型部73が彫られている。
【0032】
型部73は、枠体72の型部73と会合したときに、成形後のネック部31の型になる形状となっている。具体的には、図6(b)に示すように、管球に凸部14を形成するための凸部74,75が形成されている。ここで、凸部75は、管球の凸部14が半分に切断された状態の型となっており、枠体72の凸部75と会合することによって、1つの凸部14と対応する形状となっている。また、型部73の端面中央下部には、細管部41を通すための半円孔76が形成されており、枠体71,72が会合したとしても細管部41を挟み込むことが抑制される。
【0033】
枠体71,72には、それぞれにヒータ71a,72aが内設されており、このヒータの加熱によって、管球の素材であるガラスの歪み点(例えば、400℃)以上に保持され、成形中にネック部に歪みが残留することが抑制される。この枠体71,72は、管球のガラスとの剥離性が良好な材質が好ましく、たとえば真鍮を用いることができる。
【0034】
このような構成を有する枠体71,72を、図5(c)に示すようにネック部31において会合させて近接させる。ここで、枠体71,72が会合した場合における型部73内部の最小直径D3とすると、D3は、上記減圧工程においてネック部31の縮小した後の直径D2よりも大きい、すなわち直径D2はD2<D3となることが好ましい。従来では、型入れ工程直前におけるネック部31の直径が略D3となっていたため、枠体71,72が対向する部分においてネック部31のガラスが挟み込まれ、バリが生じていたが、本実施の形態においては減圧工程によってネック部31の直径D2がD3よりも小径化されているので、枠体71,72を会合させた場合においても、枠体71と枠体72との間にネック部31が挟まれることを抑制することができる。したがって、バリの発生を抑制することができるので、バリを削り取る必要がなく、管球を破損することもなくなる。
【0035】
また、凸部74(75)の厚みL1は、本実施の形態においては約2mmである。他方、凸部74(75)よりも上方の厚みL2は、管球の軟化点以上に加熱された部分が全て型部73に収まるようになるように設計することが好ましく、少なくとも10mm以上確保することが好ましい。L2をこのような厚みに設定することによって、後述するシェイピング工程において軟化点以上に加熱されたガラスが膨らみ、管球を所定形状に形成することができないといった問題が解消される。
【0036】
(4)シェイピング工程
上記型入れ工程において型入れされたネック部31は、このままでは、型部73よりも直径が小さく、所定の形状に成形されない。そこで、管球内部に圧力を加えることによって軟化点以上に加熱されたネック部31を膨らませ、型部73に沿った形状に成形(シェイピング)させる。
【0037】
具体的には、図4に示す置換装置60において、バルブ65bを閉めた後、バルブ65cを開ける。これによって、加圧ポンプ63と管球内とが連通されるので、加圧ポンプによって管球内が昇圧され、図7(d)に示すようにネック部31が型部73に押し当てられる。加圧ポンプ63の圧力は、110KPa〜600KPaの範囲が好ましい。管球の材質、温度、厚みにもよるが、110KPaを下回るとネック部を膨張させることができず、600KPaを越えると管球が破裂する可能性がある。これらの点を考慮して、特に150KPa程度の圧力が好ましい。
【0038】
また、ネック部31における軟化点以上に加熱された領域全てが型枠内部に配設される厚みL2を設定しているので、図7(d)中、破線Bで示すような管球の膨らみは生じない。
このように、凸部形成工程においては、減圧工程を経ることによって、ネック部31が収縮して型枠に挟まれることが抑制されるので、バリの発生が抑制される。また、ネック部31を一旦収縮させた後、膨張させるので、予めネック部を小さく作っておく場合に比べてネック部31の厚みも薄くならない。さらに、型入れ工程において用いる型枠の厚みL2を最適な値に設定しているので、シェイピング工程においてもネック部31上部が膨れることなく、所定の形状に管球を成形することができる。なお、ここでは、管球内部の圧力を昇圧したが、管球内部と外部の圧力差が生じればよく、管球外部の圧力を減圧するようにしても良い。
【0039】
(変形例)
上記実施の形態においては、本発明に係るランプ用管球の成形方法を無電極放電ランプ用管球に適用したが、シリカ電球用管球にも適用することができる。
図8は、シリカ電球の側面図である。
同図に示すように、本変形例に係るシリカ電球のネック部81には、その周壁が内方へ凹んだ凹部81aが形成されている。一般的なシリカ電球にはこの凹部81aは設けられていないが、管球の落下防止のために、ランプホルダーの凸部と嵌合するように設けることができる。これは、上記実施の形態で述べた成形方法と同様の方法を用いて成形することができる。なお、このときに用いる型枠については、凹部81aの形状と対応したものを用いるようにすればよい。
【0040】
また、上記実施の形態において用いていた固定台50(図4)においては、一対の保持アーム518が管球を挟み込んで保持していたが、これに限定されるものではなく、保持アーム518の代わりに、管球頂部表面を吸引して保持する保持具を設けるようにしてもよい。
図9は、固定台の保持具に保持された管球の一部側面図である。
【0041】
同図に示すように、保持具918は、図4における支持板513に支持されており、その下方に管球頂部の形状と嵌合する半球凹面状の凹部918aを備える。この凹部918aは、パイプ919を介して真空パイプ(不図示)と連通するように形成されており、真空ポンプの吸引によって凹部918aと管球の頂部が密着し、管球をホールドすることができる。上記実施の形態においては、バーナーの熱が保持アーム518にこもってその温度が高まり、これが管球に伝熱して管球における保持アーム518との接触および非接触部分との間に温度差が生じやすかった。この温度差がネック部31にまで及べば成形後のネック部に歪みが残留する可能性がある。しかし、本変形例の保持具918を用いることによって、管球は、その頂部において保持されるので保持具918には熱がこもりにくくなり、上記温度差の発生を抑制することができる。したがって、ネック部におけるひずみの残留を抑制することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る管球の成形方法は、ランプ用管球の成形予定部を加熱する加熱ステップと、前記管球内部の圧力を管球外部よりも減圧することにより、前記加熱された成形予定部を収縮させる減圧ステップと、前記減圧ステップにおいて収縮された状態のままの成形予定部に対して、複数に分割された成形用の型枠を集合するように近接させることにより、前記成形予定部を型枠内部に入れる型入れステップと、前記管球内部の圧力を管球外部よりも昇圧することにより、前記加熱された成形予定部を膨張させて、当該成形予定部を型枠形状にシェイピングするシェイピングステップとを有するので、管球の成形予定部は、型入れ工程前に減圧ステップによって収縮される。したがって、成形予定部が型枠に挟み込まれることがなくなり、バリの発生が抑制される。また、成形予定部を収縮させた後、膨張させているので、成形前後における管球の厚みもあまり変化しない。
【0043】
また、型枠の厚みが、加熱ステップにおいてランプ用管球の軟化点以上に加熱された部分全てが前記型枠内部に配される厚みを有するようにすれば、加圧による管球の膨張を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】管球の斜視図である。
【図2】上記管球の断面図である。
【図3】上記管球の凸部成形前における部品構成図である。
【図4】管球が固定台に固定された状態における斜視図である。
【図5】凸部成形工程の各工程における管球の側面図であり、(a)〜(c)の順に工程が進行する。
【図6】(a)は、型枠の平面図であり、(b)はA−A´線における断面図である。
【図7】凸部成形工程の各工程における管球の側面図であり、(d),(e)の順に工程が進行する。
【図8】シリカ電球の側面図である。
【図9】管球の保持具の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 管球部
2,4 コイルボビン挿入部
3 管球部
7 型枠
10 ガラス球
11 ネック部
12 円筒部
13 底面部
14 凸部
20 円筒部
21 細管部
31 ネック部
31a,43a 縁端部
41 細管部
50 固定台
53 バーナー
60 置換装置
61 真空ポンプ
62 チャンバー
63 加圧ポンプ
71,72 枠体
73 型部

Claims (4)

  1. ランプ用管球の成形予定部を加熱する加熱ステップと、前記管球内部の圧力を管球外部よりも減圧することにより、前記加熱された成形予定部を収縮させる減圧ステップと、前記減圧ステップにおいて収縮された状態のままの成形予定部に対して、複数に分割された成形用の型枠を集合するように近接させることにより、前記成形予定部を型枠内部に入れる型入れステップと、前記管球内部の圧力を管球外部よりも昇圧することにより、前記加熱された成形予定部を膨張させて、当該成形予定部を型枠形状にシェイピングするシェイピングステップとを有することを特徴とするランプ用管球の成形方法。
  2. 前記減圧ステップにおいては、管球内部圧力を1KPa〜100KPaに設定することを特徴とする請求項1に記載のランプ用管球の成形方法。
  3. 前記シェイピングステップにおいては、管球内部圧力を110KPa〜600KPaに設定することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のランプ用管球の成形方法。
  4. 前記成形予定部は、ランプとなった場合にランプホルダーと係合するランプ用管球の支持部にあり、前記ランプホルダーに設けられる凹部または凸部と嵌合するための凸部または凹部が成形されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のランプ用管球の成形方法。
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