JP3726556B2 - カラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー撮像管素子、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタの製造に使用されるカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー撮像管素子、カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタは、感光性樹脂の塗膜にフォトマスクを介し放射線を照射(以下、「露光」という。)して、露光部を硬化させ、その後現像処理を行なって、塗膜の未露光部を除去して画素パターンを形成したのち、染色する方法(染色法)や、感光性樹脂に着色剤を分散あるいは溶解させた組成物を用いて、前記と同様に塗膜形成、露光および現像処理を行うフォトリソグラフィー法等の方法により製造されており、これらのカラーフィルタの着色剤には、赤、緑および青の3原色のほか、特にカラー撮像管の場合、シアン、マゼンタおよび黄の補色の組み合わせも使用されている。
また、カラー液晶表示装置には、一般に液晶を駆動させるために、酸化インジウムや酸化錫等からなる透明電極が、カラーフィルタ上に例えば蒸着あるいはスパッタリングにより形成され、さらにその上に液晶を一定方向に配向させるための配向膜が形成されており、高性能の透明電極および配向膜を得るためには、それらの形成時に、一般に200℃以上、好ましくは250℃以上の高温が必要とされている。
そして、前記方法により製造されたカラーフィルタのうち、染料を用いたカラーフィルタは、放射線に対する透明性は高いが、耐熱性が不十分であるため、透明電極および配向膜の形成を200℃未満の温度で行なわざるをえず、透明電極および配向膜の性能が充分確保できないという問題があった。また、染料を用いたカラーフィルタは耐光性も劣っており、屋外での使用には適さないという欠点があった。そこで近年では、耐熱性や耐光性等の観点から、着色剤としては、染料の代わりに顔料、特に有機顔料が用いられるようになっている。
ところで、近年におけるカラー撮像管素子、カラー液晶表示装置等の高品質化および用途の拡大を反映して、カラーフィルタに用いられる感放射線性組成物では、現像性、基板との密着性、パターン形状、成膜後の機械的強度、表示性能等の特性が重要とされているが、着色剤として顔料を用いた感放射線性組成物からカラーフィルタを形成したとき、同一種の顔料を使用しても、液晶表示素子としての特性がバラツキを生じたり、不十分であったりする場合があり、機能および信頼性の両面で問題となっていた。
そこで、カラーフィルタに用いられる感放射線性組成物について、現像性、基板との密着性、パターン形状、成膜後の機械的強度、表示性能等の諸特性について、十分な信頼性を確保することが強く求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、現像時の画素パターンに欠落や剥がれを生じることがなく、現像性に優れており、しかも表示パネルにしたとき焼き付き等の表示不良を生じることがなく、かつ成膜後の機械的強度が優れ、また基板との密着性、パターン形状も良好なカラーフィルタをもたらしうるカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(A)顔料、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)多官能性モノマー、(D)光重合開始剤および(E)溶剤の各成分を含有するカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法であって、電圧保持率が80%未満の顔料を(ア)再結晶法および/または(イ)溶媒洗浄法により精製することによって電圧保持率を80%以上とした(A)成分を、(B)〜(E)成分と混合することを特徴とするカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法、
からなる。
【0005】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)顔料
本発明における(A)成分は、電圧保持率が80%未満の顔料を(ア)再結晶法および/または(イ)溶媒洗浄法により精製することによって電圧保持率を80%以上とした顔料(以下、「顔料(A−I)」ともいう。)である。ここで、電圧保持率とは、下記に定義する電圧保持率〔I〕を意味する。
顔料(A−I)は、色調が特に限定されるものではなく、カラーフィルタの用途に応じて適宜選定されるが、カラーフィルタには高精細な発色と耐熱性が求められることから、本発明における顔料成分としては、発色性が高く、かつ耐熱性の高い顔料、就中耐熱分解性の高い顔料が好ましく、特に好ましくは有機顔料が使用される。
前記有機顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行) においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
【0006】
C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー20、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー31、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー60、C.I.ピグメントイエロー61、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー71、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー100、C.I.ピグメントイエロー101、C.I.ピグメントイエロー104、C.I.ピグメントイエロー106、C.I.ピグメントイエロー108、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー113、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー116、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー119、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー126、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー152、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー156、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185;
【0007】
C.I.ピグメントオレンジ1、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ14、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ40、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ46、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ63、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、C.I.ピグメントオレンジ73;
【0008】
C.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド14、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド30、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド37、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド40、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド42、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド50:1、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド57:2、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド90:1、C.I.ピグメントレッド97、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド102、C.I.ピグメントレッド104、C.I.ピグメントレッド105、C.I.ピグメントレッド106、C.I.ピグメントレッド108、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド113、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド151、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド174、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド243、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド265;
【0009】
C.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット38;
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー60;
C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36;
C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25;
C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7。
【0010】
また、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。
【0011】
本発明者らは、着色剤として顔料を用いたカラーフィルタ用感放射線性組成物について、特に液晶表示素子の表示性能に着目して鋭意検討した結果、顔料の電圧保持率が表示性能と強く相関し、電圧保持率の高い顔料を使用することにより、表示性能が著しく改良されることを見いだした。
即ち、本発明に用いられる(A)顔料は、電圧保持率(以下、「電圧保持率〔I〕」という。)が80%以上であることが必須であり、好ましくは電圧保持率〔I〕が85%以上であるものが望ましい。
この場合、電圧保持率〔I〕が80%未満である顔料を使用すると、表示パネルを組み立てて駆動する際に、焼き付きなどの表示不良を来たすため好ましくない。
本発明において、電圧保持率〔I〕は、本発明における(E)溶剤中に顔料を1重量%分散させた分散液を、酸化インジウム(ITO)膜を表面に形成した基板上に、0.5マイクロリットル滴下し、180〜250℃程度の温度で乾燥して得た基板を用いて組み立てた液晶セルについて、60℃、保持時間16.7ミリ秒の条件で測定されるものである。
【0012】
また、本発明者らによると、カラーフィルタ用感放射線性組成物の着色剤として、市販の顔料を用いたとき、例えば、同じカラーインデックス(C.I.)番号の有機顔料でも、製品バッチが異なると、電圧保持率〔I〕が必ずしも同一とならず、80%以上の場合も80%未満の場合もあることが確認された。例えば、C.I.ピグメントグリーン36の場合、市販品の電圧保持率〔I〕は約65〜約94%の範囲でバラツキがある。
本発明においては、カラーフィルタ用感放射線性組成物に使用される顔料について、予め電圧保持率〔I〕を測定し、その値が80%未満の顔料(以下、「粗顔料」という。)について、後述する方法により処理したのち、改めて電圧保持率〔I〕を測定し、その値が80%以上に達した顔料(A−I)が使用される。
電圧保持率〔I〕は、粗顔料に対して、適切な処理方法を選択し、処理方法を繰り返し、あるいは2以上の処理方法を適切に組み合わせることにより、ほぼ100%とすることも可能である。
【0013】
本発明における粗顔料の精製法は、(ア)再結晶法および/または(イ)溶媒洗浄法からなる。
以下、粗顔料を電圧保持率〔I〕が80%以上である顔料(A−I)とする精製法について詳細に説明する。なお、このような精製法は、所望により、電圧保持率〔I〕が既に80%以上である顔料に対しても適用することができる。
(ア)再結晶法
再結晶法は、顔料成分を溶解でき、顔料成分と反応しない適当な溶媒を選択し、この溶媒中に粗顔料を加温下で溶解させた飽和溶液を冷却して、顔料成分を再結晶させる処理方法である。
この再結晶法に使用される溶媒は、顔料成分の種類により変わるが、例えば、C.I.ピグメントグリーン7やC.I.ピグメントグリーン36のような銅フタロシアニン系グリーン顔料の場合には、濃硫酸、クロロスルホン酸等が好ましい。この場合、溶媒の使用量は、顔料成分を完全に溶解するために、粗顔料の、通常、5倍重量部以上、好ましくは10倍重量部以上とすることが望ましい。
また、粗顔料の溶解温度は、高過ぎると顔料成分が分解するおそれがあり、一方低過ぎると冷却前後の溶解度の差が小さくなり、顔料(A−I)の収率が悪くなるので、通常、30〜500℃、好ましくは50〜250℃の範囲が望ましい。さらに、粗顔料の溶解時間は、短か過ぎると得られる顔料の電圧保持率〔I〕を80%以上とすることができないおそれがあり、一方長過ぎると顔料成分が分解するおそれがあり、好ましくは5秒〜5時間、さらに好ましくは30秒〜2時間が望ましい。
このような処理条件で粗顔料を再結晶させたのち、ろ過することにより、所定の顔料(A−I)を得ることができる。
【0015】
(イ)溶媒洗浄法
溶媒洗浄法は、粗顔料を分散でき、顔料成分と反応せず、かつ適度の揮発性を有する適当な溶媒を選択して、粗顔料を洗浄する方法である。この溶媒洗浄法に使用される溶媒は、洗浄中に十分な量の顔料成分を残存させることができる限り、顔料成分をある程度溶解するものであってもよい。
溶媒洗浄法に使用される溶媒としては、例えば、純水、有機溶媒、酸性水溶液、アルカリ性水溶液等を挙げることができる。
【0016】
前記有機溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
ジエチルエーテル、エチル−i−プロピルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の他のエーテル類;
【0017】
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;
2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル、ジメチルカーボネート等の他のエステル類;
N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、
メタノール、エタノール、i−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;
ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン等の他の高極性溶媒;
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、ヘキサクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類
等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0018】
また、前記有機溶媒と共に、例えば、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶媒を併用することもできる。
これらの高沸点溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0019】
また、前記酸性水溶液に使用される酸は、有機酸でも無機酸でもよい。
前記有機酸としては、例えば、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸類;
しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルこはく酸、テトラメチルこはく酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸等の脂肪族ジカルボン酸類;
トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸類;
安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸類;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類;
トリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸等の3価以上の芳香族ポリカルボン酸類;
グリコール酸、乳酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、りんご酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロパ酸、クマル酸、ウンベル酸等のオキシカルボン酸類のほか、
フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロけい皮酸、フェニルこはく酸、アトロパ酸、けい皮酸、シンナミリデン酸
等を挙げることができる。
前記無機酸としては、例えば、硫酸、硝酸、炭酸、塩素酸、過塩素酸等を挙げることができる。この場合、硫酸の水溶液は、濃硫酸、熱濃硫酸、希硫酸等として使用することができる。
これらの酸は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0020】
また、前記アルカリ性水溶液に使用されるアルカリは、無機アルカリでも有機アルカリでもよい。
前記無機アルカリとしては、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム
等を挙げることができる。
前記有機アルカリとしては、例えば、
エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、2−(ジ−n−プロピルアミノ)エタノール、2−(ジ−i−プロピルアミノ)エタノール、2−(ジ−n−ブチルアミノ)エタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、2−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−ジエチルアミノ−1−プロパノール、4−ジメチルアミノ−2−ブタノール、4−ジエチルアミノ−2−ブタノール、3−ジメチルアミノ−2−ブタノール、3−ジエチルアミノ−2−ブタノール、5−ジメチルアミノ−2−ペンタノール、5−ジエチルアミノ−2−ペンタノール、4−ジメチルアミノ−2−ペンタノール、4−ジエチルアミノ−2−ペンタノール等のアルカノールアミン類;
モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、モノ−n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、モノ−i−プロピルアミン、ジ−i−プロピルアミン、モノ−n−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等のアルキルアミン類
等を挙げることができる。
これらのアルカリは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0021】
これらの溶媒のうち、洗浄力、顔料成分との親和性等の観点から、純水のほか、有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、アセトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、ジメチルカーボネート、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−ヘキサン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、高沸点溶剤としては、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
また、酸性水溶液としては、しゅう酸の1重量%水溶液、フタル酸の1重量%水溶液、クエン酸の1重量%水溶液、濃硫酸、熱濃硫酸、希硫酸等が好ましい。また、アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリの水溶液;エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トリメチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機アルカリの水溶液が好ましい。
【0022】
前記溶媒を使用する洗浄操作としては、例えば、
(イ−1) 粗顔料と溶媒との混合物を、ディゾルバー、ホモミキサー、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、3本ロール、2本ロール、ビーズミル等の混合装置を用い、通常、1分〜70時間、好ましくは5分〜24時間、さらに好ましくは10分〜6時間混合し、ろ過、デカンテーション等により溶媒を分離したのち、乾燥する分散洗浄操作;
(イ−2) 粗顔料と溶媒との混合物に、超音波分散ホモジナイザー、超音波洗浄機等の超音波混合装置内で、通常、1〜300KHz、好ましくは2〜100KHzの周波数の超音波を、通常、30秒〜10時間、好ましくは1分〜5時間照射し、ろ過、デカンテーション等により溶媒を分離したのち、乾燥する超音波洗浄操作;
(イ−3) 粗顔料と溶媒との混合物を、翼付攪拌機を用い、通常、50〜15000rpm、好ましくは100〜2000rpmの回転数で、通常、5分〜10時間、好ましくは10分〜5時間攪拌し、ろ過、デカンテーション等により溶媒を分離したのち、乾燥する攪拌洗浄操作
等を挙げることができる。
また、前記(イ−1)〜(イ−3)の操作は、個別に実施しても、何れか2つ以上を組み合わせて実施してもよい。
前記(イ−1)〜(イ−3)の操作を行なう際の粗顔料の濃度は、通常、0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%である。
このような溶媒洗浄法により、所定の顔料(A−I)を得ることができる。
【0025】
本発明において、前記(ア)ないし(イ)の各精製法は、1回でも2回以上を繰り返してもよく、また個別に実施しても2つの方法を組み合わせて実施してもよい。精製法の好ましい組み合わせの例としては、(ア)再結晶法と(イ)溶媒洗浄法の組み合わせ(再結晶・溶媒洗浄法)や、(イ)溶媒洗浄法で溶媒を替えて2回以上洗浄する組み合わせ(複数溶媒洗浄法)等を挙げることができる。
本発明において、顔料(A−I)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0026】
また、本発明においては、場合により、粗顔料を顔料(A−I)と混合して、混合物の電圧保持率〔I〕が80%以上となるようにして併用することができる。
この場合の粗顔料中の顔料成分も、色調が特に限定されるものではなく、カラーフィルタの用途に応じて適宜選定されが、カラーフィルタには高精細な発色と耐熱性が求められることから、該顔料成分としては、発色性が高く、かつ耐熱性の高い顔料、就中耐熱分解性の高い顔料が好ましく、特に好ましくは有機顔料が使用され、また無機顔料を使用することもできる。
これらの有機顔料および無機顔料の例としては、顔料(A−I)について例示した前記有機顔料および無機顔料と同様のものを挙げることができる。
これらの顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0027】
本発明において、(A)顔料は、所望により、分散剤と共に使用することができる。
前記分散剤としては、ウレタン結合を有する分散剤(以下、「ウレタン系分散剤」という。)が好ましい。
ウレタン系分散剤におけるウレタン結合は、一般に、式
R−NH−COO−R’
(但し、RおよびR’は脂肪族、脂環族または芳香族の1価または多価の有機基であり、その多価の有機基はさらにウレタン結合を有する基あるいは他の基に結合している。)で表され、ウレタン系分散剤中の親油性基および/または親水性基に存在することができ、またウレタン系分散剤の主鎖および/または側鎖に存在することができ、さらにウレタン系分散剤中に1個以上存在することができる。ウレタン結合がウレタン系分散剤中に2個以上存在するとき、各ウレタン結合は同一でも異なってもよい。
また、ウレタン系分散剤は、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系あるいは両性であることができ、またシリコーン系、フッ素系等の構造をとることもできる。
【0028】
このようなウレタン系分散剤としては、例えば、ジイソシアナート類および/またはトリイソシアナート類と片末端に水酸基を有するポリエステル類および/または両末端に水酸基を有するポリエステル類との反応生成物を挙げることができる。
前記ジイソシアナート類としては、例えば、ベンゼン−1,3−ジイソシアナート、ベンゼン−1,4−ジイソシアナート等のベンゼンジイソシアナート類;トルエン−2,4−ジイソシアナート、トルエン−2,5−ジイソシアナート、トルエン−2,6−ジイソシアナート、トルエン−3,5−ジイソシアナート等のトルエンジイソシアナート類;1,2−キシレン−3,5−ジイソシアナート、1,2−キシレン−3,6−ジイソシアナート、1,2−キシレン−4,6−ジイソシアナート、1,3−キシレン−2,4−ジイソシアナート、1,3−キシレン−2,5−ジイソシアナート、1,3−キシレン−2,6−ジイソシアナート、1,3−キシレン−4,6−ジイソシアナート、1,4−キシレン−2,5−ジイソシアナート、1,4−キシレン−2,6−ジイソシアナート等のキシレンジイソシアナート類等の芳香族ジイソシアナート類を挙げることができ、また前記トリイソシアナート類としては、例えば、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアナート、ベンゼン−1,2,5−トリイソシアナート、ベンゼン−1,3,5−トリイソシアナート等のベンゼントリイソシアナート類;トルエン−2,3,5−トリイソシアナート、トルエン−2,3,6−トリイソシアナート、トルエン−2,4,5−トリイソシアナート、トルエン−2,4,6−トリイソシアナート、トルエン−3,4,6−トリイソシアナート、トルエン−3,5,6−トリイソシアナート等のトルエントリイソシアナート類、1,2−キシレン−3,4,6−トリイソシアナート、1,2−キシレン−3,5,6−トリイソシアナート、1,3−キシレン−2,4,5−トリイソシアナート、1,3−キシレン−2,4,6−トリイソシアナート、1,3−キシレン−3,4,5−トリイソシアナート、1,4−キシレン−2,3,5−トリイソシアナート、1,4−キシレン−2,3,6−トリイソシアナート等のキシレントリイソシアナート類等の芳香族トリイソシアナート類を挙げることができる。
これらのジイソシアナート類およびトリイソシアナート類は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0029】
さらに、前記片末端に水酸基を有するポリエステル類または両末端に水酸基を有するポリエステル類としては、例えば、片末端または両末端に水酸基を有するポリカプロラクトン、片末端または両末端に水酸基を有するポリバレロラクトン、片末端または両末端に水酸基を有するポリプロピオラクトン等の片末端または両末端に水酸基を有するポリラクトン類;片末端または両末端に水酸基を有するポリエチレンテレフタレート、片末端または両末端に水酸基を有するポリブチレンテレフタレート等の片末端または両末端に水酸基を有する重縮合系ポリエステル類等を挙げることができる。
これらの水酸基を有するポリエステル類は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0030】
ウレタン系分散剤としては、芳香族ジイソシアナート類と片末端に水酸基を有するポリラクトン類および/または両末端に水酸基を有するポリラクトン類との反応生成物が好ましく、特に、トルエンジイソシアナート類と片末端に水酸基を有するポリカプロラクトンおよび/または両末端に水酸基を有するポリカプロラクトンとの反応生成物が好ましい。
【0031】
ウレタン系分散剤は、熱処理による不溶化の有無、酸価、アミン価および電圧保持率(以下、「電圧保持率〔II〕」という。)の何れか1つ以上の因子により特徴づけることができる。
ウレタン系分散剤としては、150℃以上、好ましくは150〜250℃で、30分以上、好ましくは30〜90分間、熱処理したとき、極性溶剤、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等に不溶となるものが望ましい。
また、ウレタン系分散剤としては、酸価が5〜25mgKOH/g 、好ましくは8〜20mgKOH/g で、アミン価が0mgKOH/g 、あるいはアミン価が5〜25mgKOH/g 、好ましくは8〜20mgKOH/g で、酸価が0mgKOH/g であるものが望ましい。
また、ウレタン系分散剤としては、電圧保持率〔II〕が高い程望ましく、具体的には、電圧保持率〔II〕が80%以上、好ましくは85%以上であるものが望ましい。この電圧保持率〔II〕は、本発明における感放射線性組成物から(A)顔料を除いた各成分の混合物にウレタン系分散剤を1重量%溶解した溶液を、表面に酸化インジウム(ITO)膜を形成した基板に塗布して乾燥塗膜を形成し、露光したのち、200〜250℃程度の温度でポストベークを行なって得た基板を用いて組み立てた液晶セルについて、60℃、保持時間16.7ミリ秒の条件で測定されるものである。
前記性状の少なくとも1つを有するウレタン系分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(エフカーケミカルズビーブイ(EFKA)社製)、Disperbyk(ビックケミー(BYK)社製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)等を挙げることができる。
ウレタン系分散剤のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、通常、5,000〜50,000、好ましくは7,000〜20,000である。前記ウレタン系分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0032】
また、ウレタン系分散剤と共に、分散助剤を併用することもできる。
前記分散助剤としては、例えば、銅フタロシアニンスルホン酸化合物等を挙げることができる。
前記銅フタロシアニンスルホン酸化合物の具体例としては、銅フタロシアニンスルホン酸、銅フタロシアニンスルホン酸アンモニウム、銅フタロシアニンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、銅フタロシアニンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、銅フタロシアニンスルホン酸テトラ−n−プロピルアンモニウム、銅フタロシアニンスルホン酸テトラ−i−プロピルアンモニウム、銅フタロシアニンスルホン酸テトラ−n−ブチルアンモニウム等を挙げることができる。
これらの銅フタロシアニンスルホン酸化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
分散助剤の使用量は、(A)顔料100重量部に対して、通常、20重量部以下、好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下である。
【0033】
また、ウレタン系分散剤以外の分散剤(以下、「他の分散剤」という。)としては、例えば、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系分散剤;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル系分散剤;ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤;脂肪酸変性ポリエステル系分散剤のほか、以下商品名で、Solsperse(ゼネカ(ZENEKA)社製)、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(共栄社化学(株)製)、エフトップ(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード、サーフロン(以上、旭硝子(株)製)等を挙げることができる。
これらの他の分散剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
他の分散剤についても、ウレタン系分散剤に代えて他の分散剤を用い、前記と同様にして測定した電圧保持率〔II〕が高い程望ましく、具体的には、80%以上、好ましくは85%以上であることが望ましい。
【0034】
分散剤の使用量は、(A)顔料100重量部に対して、通常、100重量部以下、好ましくは70重量部以下、さらに好ましくは50重量部以下である。この場合、分散剤の使用量が100重量部を超えると、現像性等が損なわれるおそれがある。
【0035】
本発明において、(A)顔料を分散剤によりカラーフィルタ用感放射線性組成物中に分散させる際には、(A)顔料と分散剤とを別々に添加することもできるが、予め(A)顔料を分散剤と共に、適当な溶媒中に分散させ、この顔料分散液をカラーフィルタ用感放射線性組成物を構成する他の成分と混合することが好ましい。
前記顔料分散液に使用される溶媒としては、カラーフィルタ用感放射線性組成物を構成する各成分を分散または溶解し、これらの成分と反応せず、後述する(E)溶剤との親和性を有し、かつ適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができるが、通常、後述する(E)溶剤の中から選択して使用される。
前記顔料分散液の固形分濃度は、通常、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。
【0036】
(B)アルカリ可溶性樹脂
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、(A)顔料に対してバインダーとして作用し、かつカラーフィルタ製造時の現像処理工程において用いられるアルカリ現像液に可溶性である限り、適宜の樹脂を使用することができる。
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有する樹脂を挙げることができる。
アルカリ可溶性樹脂のうち、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和モノマー(以下、単に「カルボキシル基含有不飽和モノマー」という。)の(共)重合体を挙げることができ、
前記カルボキシル基含有不飽和モノマーの(共)重合体としては、特にカルボキシル基含有不飽和モノマーと他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(以下、単に「他の不飽和モノマー」という。)との共重合体(以下、「カルボキシル基含有共重合体(b)」という。)が好ましい。
【0037】
カルボキシル基含有不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸(無水物)類;3価以上の不飽和多価カルボン酸(無水物)類;こはく酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の非重合性ジカルボン酸のモノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕エステル類や、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレート等を挙げることができる。
これらのカルボキシル基含有不飽和モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0038】
また、他の不飽和モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物;インデン、1−メチルインデン等のインデン類;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルアクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルアクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステル類;2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の不飽和アミド類;マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド等の不飽和イミド類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;ポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ−n−ブチルアクリレート、ポリ−n−ブチルメタクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基あるいはモノメタクリロイル基を有するマクロモノマー類等を挙げることができる。
これらの他の不飽和モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0039】
カルボキシル基含有共重合体(b)としては、(β1)アクリル酸および/またはメタクリル酸を必須とし、場合により、こはく酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)および/またはこはく酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)をさらに含有するカルボキシル基含有不飽和モノマーと、(β2)スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマーおよびポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種の他の不飽和モノマーとの共重合体(以下、「カルボキシル基含有共重合体(b1)」という。)が好ましい。
【0040】
カルボキシル基含有共重合体(b1)の具体例としては、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/スチレン/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、
(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体
等を挙げることができる。
【0041】
これらのカルボキシル基含有共重合体(b1)のうち、特に、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/スチレン/メチルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/メチルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/ベンジルメタクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体等が好ましい。
【0042】
カルボキシル基含有共重合体(b)におけるカルボキシル基含有不飽和モノマーの共重合割合は、通常、5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。この場合、カルボキシル基含有不飽和モノマーの共重合割合が5重量%未満では、得られる感放射線性組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、アルカリ現像液による現像時に、形成された画素の基板からの脱落や画素表面の膜荒れを来たしやすくなる傾向がある。
特にカルボキシル基含有不飽和モノマーを前記特定の共重合割合で含有するカルボキシル基含有共重合体(b)は、アルカリ現像液に対して優れた溶解性を有するものであり、当該共重合体をバインダーとして用いた感放射線性組成物は、アルカリ現像液による現像後に未溶解物が残存することが極めて少なく、基板上の画素を形成する部分以外の領域における地汚れ、膜残り等が発生し難く、しかも該組成物から得られる画素は、アルカリ現像液に過剰に溶解することがなく、基板に対して、優れた密着性を有し、基板から脱落するおそれもないものとなる。
カルボキシル基含有共重合体(b)のMwは、好ましくは3,000〜300,000、さらに好ましくは5,000〜100,000である。
【0043】
また、アルカリ可溶性のポリエステル樹脂を、アルカリ可溶性樹脂として使用することもできる。
このようなポリエステル樹脂としては、特に、比較的低分子量のポリ乳酸が好ましい。
前記ポリ乳酸のMwは、通常、3,000〜300,000、好ましくは5,000〜100,000である。
また、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基含有芳香族ビニル化合物の(共)重合体、フェノールノボラック樹脂等を挙げることができる。
前記フェノール性水酸基含有芳香族ビニル化合物としては、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン等を挙げることができる。
これらのフェノール性水酸基含有芳香族ビニル化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記フェノール性水酸基含有芳香族ビニル化合物は、場合により1種以上の他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー、例えば前記他の不飽和モノマーと共重合させることができる。
また、前記フェノールノボラック樹脂に使用されるフェノール類としては、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、 2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等を挙げることができ、またアルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド等を挙げることができる。
これらのフェノール類およびアルデヒド類は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0044】
フェノール性水酸基含有芳香族ビニル化合物の(共)重合体のMwは、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは3,000〜100,000であり、フェノールノボラック樹脂のMwは、好ましくは1,000〜150,000、さらに好ましくは1,500〜80,000である。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0045】
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の使用量は、(A)顔料100重量部に対して、通常、10〜1,000重量部、好ましくは20〜500重量部である。この場合、アルカリ可溶性樹脂の使用量が10重量部未満では、例えば、アルカリ現像性が低下したり、画素が形成される部分以外の領域での地汚れや膜残りが発生するおそれがあり、一方1,000重量部を超えると、相対的に着色剤濃度が低下するため、薄膜として目的とする色濃度を達成することが困難となる場合がある。
【0046】
(C)多官能性モノマー
本発明における多官能性モノマーは、重合可能なエチレン性不飽和結合を2個以上有するモノマーからなる。
このような多官能性モノマーとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジアクリレートまたはジメタクリレート類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールのポリアクリレートまたはポリメタクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物;ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、スピラン樹脂等のオリゴアクリレートまたはオリゴメタクリレート類;両末端ヒドロキシポリ−1,3−ブタジエン、両末端ヒドロキシポリイソプレン、両末端ヒドロキシポリカプロラクトン等の両末端ヒドロキシル化重合体のジアクリレートまたはジメタクリレート類のほか、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスメタクリロイルオキシエチルフォスフェート等を挙げることができる。
【0047】
これらの多官能性モノマーのうち、3価以上の多価アルコールのポリアクリレートまたはポリメタクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物が好ましく、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、こはく酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、こはく酸変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート等を挙げることができ、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、こはく酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレートが、画素強度が高く、画素表面の平滑性に優れ、かつ画素が形成される部分以外の領域での地汚れ、膜残り等を発生し難い点で好ましい。
【0048】
本発明において、多官能性モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における多官能性モノマーの使用量は、(B)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、5〜500重量部、好ましくは20〜300重量部である。この場合、多官能性モノマーの使用量が5重量部未満では、画素強度あるいは画素表面の平滑性が低下する傾向があり、一方500重量部を超えると、例えば、アルカリ現像性が低下したり、画素が形成される部分以外の領域での地汚れや膜残りが発生しやすくなる傾向がある。
【0049】
また、本発明においては、多官能性モノマーの一部を、重合可能なエチレン性不飽和結合を1個有する単官能性モノマーに置き換えることもできる。
前記単官能性モノマーとしては、例えば、前記カルボキシル基含有共重合体(b)について例示したカルボキシル基含有不飽和モノマーや他の不飽和モノマー等を挙げることができる。これらのモノマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
単官能性モノマーの使用割合は、多官能性モノマーと単官能性モノマーとの合計に対して、通常、40重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
【0050】
(D)光重合開始剤
本発明における光重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の露光により、前記(C)多官能性モノマーの重合を開始しうる活性種を発生することができる化合物からなる。
このような光重合開始剤としては、下記式(1)、式(2)または式(3)で表される主要骨格を少なくとも1種有するビイミダゾール系化合物のほか、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、キサントン系化合物、ジアゾ系化合物、トリアジン系化合物等を挙げることができ、これらのうちビイミダゾール系化合物が好ましい。
【0051】
【化1】
【0052】
【化2】
【0053】
【化3】
【0054】
前記ビイミダゾール系化合物の具体例としては、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
【0055】
2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5.5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5.5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−メトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−フェノキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
【0056】
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−シアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリシアノフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
【0057】
2,2’−ビス(2−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−エチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリエチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−フェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリフェニルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
等を挙げることができる。
【0058】
これらのビイミダゾール系化合物のうち、特に、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールおよび2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましい。
前記ビイミダゾール系化合物は、溶剤に対する溶解性に優れ、未溶解物、析出物等の異物を生じることがなく、しかも感度が高く、少ないエネルギー量の露光により硬化反応を十分進行させるとともに、コントラストが高く、未露光部で硬化反応が生じることがないため、露光後の塗膜は、現像液に対して不溶性の硬化部分と、現像液に対して高い溶解性を有する未硬化部分とに明確に区分され、パターンの欠落、欠損やアンダーカットのない優れたカラーフィルタを形成することができる。
【0059】
また、前記ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、メチル−2−ベンゾイルベンゾエート等を挙げることができる。
前記アセトフェノン系化合物としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−アジドアセトフェノン、4−アジドベンザルアセトフェノン等を挙げることができる。
前記ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0060】
前記α−ジケトン系化合物としては、例えば、ジアセチル、ジベンゾイル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。
前記多核キノン系化合物としては、例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン等を挙げることができる。
前記キサントン系化合物としては、例えば、キサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等を挙げることができる。
前記ジアゾ系化合物としては、例えば、4−ジアゾジフェニルアミン、4−ジアゾ−4’−メトキシジフェニルアミン、4−ジアゾ−3−メトキシジフェニルアミン等を挙げることができる。
前記トリアジン系化合物としては、例えば、2−(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−ブロモ−4’−メチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−チオフェニルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を挙げることができる。
さらに、前記以外の光重合開始剤として、4−アジドベンズアルデヒド、アジドピレン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、N−フェニルチオアクリドン、トリフェニルピリリウムパークロレート等を使用することもできる。
【0061】
本発明において、光重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における光重合開始剤の使用量は、(C)多官能性モノマーと場合により使用される単官能性モノマーとの合計100重量部に対して、通常、0.01〜200重量部、好ましくは1〜120重量部、特に好ましくは1〜50重量部である。この場合、光重合開始剤の使用量が0.01重量部未満では、露光による硬化が不十分となり、パターンに欠落、欠損やアンダーカットを生じるおそれがあり、一方200重量部を超えると、形成されたパターンが現像時に基板から脱落しやすく、またパターンが形成される部分以外の領域で地汚れ、膜残り等を生じやすくなる。
【0062】
さらに、本発明においては、前記光重合開始剤と共に、増感剤、硬化促進剤、高分子光架橋・増感剤等を1種以上併用することもできる。
前記増感剤としては、例えば、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等を挙げることができる。
これらの増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。前記硬化促進剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−4,6−ジメチルアミノピリジン等の連鎖移動剤を挙げることができる。
これらの硬化促進剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、前記高分子光架橋・増感剤は、放射線の照射により架橋剤および/または増感剤として作用しうる少なくとも1種の官能基を主鎖および/または側鎖中に有する高分子化合物であり、その例としては、4−アジドベンズアルデヒドとポリビニルアルコールとの縮合物、4−アジドベンズアルデヒドとフェノールノボラック樹脂との縮合物、けい皮酸4−アクリロイルフェニルの(共)重合体、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン等を挙げることができる。
これらの高分子光架橋・増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
前記増感剤、硬化促進剤および高分子光架橋・増感剤の合計使用量は、光重合開始剤100重量部に対して、通常、300重量部以下、好ましくは200重量部以下、さらに好ましくは100重量部以下である。
【0063】
本発明においては、形成された画素が現像時に基板から脱落し難く、画素強度および感度も高くなる点から、光重合開始剤として、ビイミダゾール系化合物とベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびチアゾール系硬化促進剤の群から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせて使用することが好ましい。本発明において、光重合開始剤としてビイミダゾール系化合物と他の成分とを併用する場合、他の成分の使用量は、光重合開始剤全体の80重量%以下であることが好ましい。
【0064】
本発明における特に好ましい光重合開始剤を、その構成成分の組み合わせとして示すと、下記のものを挙げることができる。即ち、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/2−メルカプトベンゾチアゾール、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール/4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン/1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン/2−メルカプトベンゾチアゾール。
【0065】
(E)溶剤
本発明における溶剤としては、前記(A)、(B)、(C)および(D)成分や、所望により配合される他の添加剤成分を分散または溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
このような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類等を挙げることができる。
これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0066】
さらに、前記溶剤とともに、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、しゅう酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を併用することもできる。
これらの高沸点溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0067】
前記溶剤のうち、溶解性、顔料分散性、塗布性等の観点から、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸i−プロピル、酪酸エチル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましく、また高沸点溶剤としてはγ−ブチロラクトン等が好ましい。
本発明における溶剤の使用量は、(B)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、100〜10,000重量部、好ましくは500〜5,000重量部である。
【0068】
他の添加剤
さらに、本発明におけるカラーフィルタ用感放射線性組成物は、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。
このような添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ポリ(フロロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3’−t−ブチル−
5’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤等を挙げることができる。
【0069】
カラーフィルタの形成方法
次に、本発明により調製されたカラーフィルタ用感放射線性組成物を用いて、カラーフィルタを形成する方法について説明する。
まず、透明基板の表面上の画素パターンを形成する部分を区画するように遮光層を形成し、この基板上に、例えば赤色の(A)顔料が分散された感放射線性組成物を塗布したのち、プリベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマスクを介して露光したのち、アルカリ現像液で現像処理を行い、塗膜の未露光部を溶解除去し、次いでポストベークを行うことによって、赤色に着色された画素が所定のパターンで配置された画素アレイを形成する。
その後必要に応じて、他の色(例えば、緑または青)の(A)顔料が分散された各組成物を用い、上記と同様にして、各組成物の塗布、プリベーク、露光、現像処理およびポストベークを行い、各色の画素アレイを同一基板上に順次形成することにより、カラーフィルタを得る。
カラーフィルタを形成する際に使用される透明基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ノルボルネン系開環重合体あるいはその水素添加物等を挙げることができる。これらの透明基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
カラーフィルタ用感放射線性組成物を透明基板に塗布する際には、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の適宜の塗布法を採用することができる。塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmである。
カラーフィルタを形成する際に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。放射線の露光エネルギー量は、好ましくは1〜1,000mJ/cm2 である。
また、前記アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。 前記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
アルカリ現像法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができ、現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
このようにして形成されたカラーフィルタは、特にカラー撮像管素子に好適に使用されるほか、カラー液晶表示装置、カラーセンサー等にも有用である。
【0070】
【発明の実施の形態】
本発明により調製されるカラーフィルタ用感放射線性組成物は、(A)顔料、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)多官能性モノマー、(D)光重合開始剤および(E)溶剤を必須成分として含有するものであるが、特に好ましい組成物を具体的に例示すると、下記(i)〜(v)のとおりである。
(i) (B)成分がカルボキシル基含有共重合体(b)からなり、(D)成分が2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールおよび2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールの群から選ばれる1種以上を含有するカラーフィルタ用感放射線性組成物。(ii) (D)成分がさらにベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびチアゾール系硬化促進剤の群から選ばれる1種以上の成分を含む前記(i)のカラーフィルタ用感放射線性組成物。
【0071】
(iii) カルボキシル基含有共重合体(b)が(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体および(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体の群から選ばれる少なくとも1種である前記(i)または(ii)のカラーフィルタ用感放射線性組成物。
(iv) (C)成分がトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびこはく酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレートの群から選ばれる少なくとも1種である前記(i)、(ii)または(iii)のカラーフィルタ用感放射線性組成物。
(v) 顔料(A−I)の電圧保持率〔I〕が85%以上である前記(i)、(ii)、(iii) または(iv)のカラーフィルタ用感放射線性組成物。
【0072】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
実施例および比較例における評価・測定は、次のようにして行った。
焼き付きの評価
液晶:
フルオロビフェニルの誘導体からなるネマティック型液晶(商品名ZLI−5081 、メルクジャパン(株)製)を用いた。
液晶表示素子の作製:
(1) ガラス基板の片面に、パターニングされた1cm2 のITO膜を形成したのち 、該ITO膜上に、スピンナーを用いて、市販のアクティブマトリックス用液晶 配向剤を塗布したのち、180℃で1時間乾燥して、膜厚600Åの塗膜を形成 した。
(2) 各実施例の液状組成物を用いて形成したカラーフィルタ上に、パターニングさ れた1cm2 のITO膜を形成したのち、該ITO膜上に、(1)と同様にして 、液晶配向剤の塗膜を形成した。
(3) 各比較例の液状組成物を用いて形成したカラーフィルタ上に、パターニングさ れた1cm2 のITO膜を形成したのち、該ITO膜上に、(1)と同様にして 、液晶配向剤の塗膜を形成した。
(4) ガラス基板の片面にITO膜(連続膜)を形成したのち、該ITO膜上に、( 1)と同様にして、液晶配向剤の塗膜を形成した。
(5) 次いで、(1)〜(4)で得た各基板上の塗膜の表面に、レーヨン製の布を巻 き付けたロールを備えたラビングマシーンを用いてラビング処理を行なって、液 晶配向膜を形成した。その際のラビング条件は、ロール回転数400rpm、ス テージの移動速度3cm/秒、毛足の押し込み長さ0.4mmであった。
(6) このようにして液晶配向膜が形成された基板のうち、(1)、(2)または( 3)の処理を経たそれぞれの基板を(4)の処理を経た基板と組み合わせて2枚 一組とし、各組毎に、2枚の基板の外縁部に、直径5.5μmのシリカゲル柱状 スペーサーを含有するエポキシ樹脂系接着剤をスクリーン印刷により塗布したの ち、各液晶配向膜のラビング方向が90度に交差するように、2枚の基板を間隙 を開けて対向配置し、各基板の外縁部同士が当接するように圧着して、接着剤を 硬化させた。
(7) 次いで各組毎に、2枚の基板の内表面と接着剤の硬化層とにより区画されたセ ルギャップ内に、ネマティック型液晶「ZLI−5081」を注入充填したのち 、注入孔を封止して液晶セルを作製した。その後、液晶セルの外表面に偏光板を 、その偏光方向が各基板上の液晶配向膜のラビング方向と一致するように貼り合 わせて、液晶表示素子を作製した。
【0073】
焼き付きの評価方法:
(1) 液晶表示素子にファンクションジェネレーターWAVE FACTRY(NF ELECTRONIC IN STRUMENT社製)を接続して、AC3V、DC1Vの矩形波電圧を印加し、その状 態で液晶表示素子を70℃で1時間加熱する。
(2) 加熱後の液晶表示素子を、矩形波電圧を切って、5分間放冷したのち、前記フ ァンクションジェネレーターにより、30Hz、中間調電圧の矩形波電圧を印加 する。
(3) LCD EVALUATION SYSTEM(Photal社製) を用いて、液晶表示素子の表示に関する フリッカー出現パルスのデータから得られるフリッカー波形を、オシロスコープ 54600A OSCILLOSCOPE(HEWLETT PACKARD 社製)に取り込み、 FFTアナライザーR9 211C FFT SERVO ANALYZER(ADVANTEST 社製) により、フリッカー強度を測定する 。
(4) 前記ファンクションジェネレーターによりオフセット電圧を印加し、フリッカ ー波形が完全になくなる点のオフセット電圧を測定して、フリッカー消去電圧( 即ち、焼き付き除去電圧)とする。焼き付きの程度はフリッカー消去電圧が大き いほど著しくなり、フリッカー消去電圧が50mV未満であれば、焼き付きは生 じないが、50mV以上であると、焼き付きが生じる。
ここでは、フリッカー消去電圧が10mV未満の場合を、焼き付きが“優”、 10mV以上50mV未満の場合を、焼き付きが“良”、50mV以上の場合を 、焼き付きが“不良”とした。
【0074】
電圧保持率〔I〕の測定
各実施例または比較例で使用した顔料を、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート中に1重量%分散させ、この分散液を、表面に酸化インジュウム(ITO)膜を形成したガラス基板上に0.5マイクロリットル滴下したのち、200℃で30分乾燥した。その後、この基板を、表面に酸化インジュウム(ITO)膜を形成した別のガラス基板と張り合わせ、基板間にネマティック型液晶(商品名ZLI− 5081)を注入して液晶セルを組み立てて、100℃で1時間アニールを行った。得られた液晶セルについて、60℃、保持時間16.7ミリ秒の条件で測定した。
電圧保持率〔 II 〕の測定
各実施例または比較例で使用した分散剤を、各実施例または比較例で使用した(B)〜(E)成分からなる混合物に1重量%溶解し、この溶液を、表面に酸化インジュウム(ITO)膜を形成したガラス基板上に、膜厚3μmとなるようにスピンコートして、80℃で10分間プリベークを行なったのち、波長365nm、405nmおよび436nmの光を含む100mJ/cm2 の紫外線を200mJ/cm2 露光し、さらに220℃で1時間ポストベークを行った。その後、この基板を、表面に酸化インジュウム(ITO)膜を形成した別のガラス基板と張り合わせ、基板間にネマティック型液晶(商品名ZLI− 5081)を注入して液晶セルを組み立てて、100℃で1時間アニールを行った。得られた液晶セルについて、60℃、保持時間16.7ミリ秒の条件で測定した。
【0075】
比較例1
顔料としてC.I.ピグメントグリーン36(商品名6YK、東洋インキ製造(株)製)40重量部を用い、ウレタン系分散剤(商品名Disperbyk-170)15重量部により、4−メトキシブチルアセテート中に分散させて、固形分濃度20重量%の分散液を調製した。その後、この分散液を、(B)成分としてメタクリル酸/ベンジルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体(共重合重量比=25/65/10、Mw=55,000)50重量部、(C)成分としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート40重量部、(D)成分として2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール10重量部と4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン10重量部、および(E)成分としてエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート800重量部と混合して、感放射線性組成物(g1)を調製した。次いで、表面にナトリウムイオンの溶出を防止するシリカ(SiO2)膜が形成されたソーダガラス製透明基板の表面上に、画素パターンを形成する部分を区画するように遮光層を設けたのち、スピンコーターを用いて感放射線性組成物(g1)を塗布し、90℃で2分間プリベークを行なって、膜厚2.0μmの塗膜を形成した。
次いで、基板を冷却したのち、高圧水銀ランプを用い、フォトマスクを介して、塗膜に波長365nm、405nmおよび436nmの光を含む100mJ/cm2 の紫外線を露光した。その後、基板を25℃の0.1重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中に1分間浸漬して現像処理を行い、超純水で洗浄し、風乾したのち、さらに180℃で30分間ポストベークを行なって、各辺20μm×20μmの大きさの緑色の画素パターンが形成された画素アレイを作製した。
電圧保持率〔I〕および電圧保持率〔 II 〕の測定結果
ここで使用したC.I.ピグメントグリーン36の電圧保持率〔I〕は、74%であった。
また、ここで使用したウレタン系分散剤の電圧保持率〔II〕は、86%であった。
評価結果
得られた画素アレイを用いて表示パネルは、焼き付きが“不良”であった。
【0076】
【実施例】
【0077】
実施例1
比較例1で用いたC.I.ピグメントグリーン36(商品名6YK)と同一商品バッチから秤取した顔料100重量部を、常温で濃硫酸1,000重量部に添加して、顔料の一部が溶解し一部が分散した混合液とし、これを100℃で1時間攪拌したのち、100℃の熱濃硫酸500重量部を添加し1時間攪拌して洗浄した。その後、混合液を20℃に冷却して、溶解していた顔料を再結晶させたのち、顔料をろ過し、純水1,000重量部で2回洗浄したのち、乾燥することにより、(ア)再結晶法で処理した顔料(A−I)を得た。この顔料(A−I)を、「顔料(α)」とする。
次いで、顔料として顔料(α)を用いた以外は、比較例1と同様にして、感放射線性組成物(G1)を調製した。
次いで、感放射線性組成物(G1)を用いた以外は、比較例1と同様にして、緑色の画素パターンが形成された画素アレイを作製した。
電圧保持率〔I〕および電圧保持率〔 II 〕の測定結果
ここで使用した顔料(α)の電圧保持率〔I〕は、88%であった。
また、ここで使用したウレタン系分散剤の電圧保持率〔II〕は、86%であった。
評価結果
得られた画素アレイを用いて作製した表示パネルは、焼き付きが“優”であった。
さらに、得られた画素アレイを光学顕微鏡で観察したところ、画素パターンに欠落および剥がれが認められず、現像性に優れ、かつ成膜後の機械的強度が優れ、また画素の基板との密着性、パターン形状も良好であった。
【0078】
実施例2
顔料として実施例1で得た顔料(α)40重量部を用い、かつポリエチレンイミン−ポリエステル系分散剤(商品名Solsperse24000) 15重量部により、4−メトキシブチルアセテート中に分散させて、固形分濃度20重量%の分散液を調製した。その後、この分散液を用いた以外は、比較例1と同様にして、感放射線性組成物(G2)を調製した。
次いで、感放射線性組成物(G2)を用いた以外は、比較例1と同様にして、緑色の画素パターンが形成された画素アレイを作製した。
電圧保持率〔I〕および電圧保持率〔 II 〕の測定結果
ここで使用した顔料(α)の電圧保持率〔I〕は、88%であった。
また、ここで使用したポリエチレンイミン−ポリエステル系分散剤の電圧保持率〔II〕は、71%であった。
評価結果
得られた画素アレイを用いて作製した表示パネルは、焼き付きが“良”であった。
さらに、得られた画素アレイを光学顕微鏡で観察したところ、画素パターンに欠落および剥がれが認められず、現像性に優れ、かつ成膜後の機械的強度が優れ、また画素の基板との密着性、パターン形状も良好であった。
【0080】
【発明の効果】
本発明により調製されるカラーフィルタ用感放射線性組成物は、電圧保持率〔I〕が80%以上となるように処理された(A)顔料を使用することにより、現像時の画素パターンに欠落や剥がれを生じることがなく、現像性に優れており、しかも表示パネルが焼き付きによる表示不良を生じることがなく、かつ成膜後の機械的強度が優れ、また画素の基板との密着性、パターン形状も良好なカラーフィルタをもたらすことができる。
したがって、本発明により調製されるカラーフィルタ用感放射線性組成物は、特にカラー撮像管素子に好適に使用されるほか、カラー液晶表示装置、カラーセンサー等にも有用である。
Claims (5)
- (A)顔料、(B)アルカリ可溶性樹脂、(C)多官能性モノマー、(D)光重合開始剤および(E)溶剤の各成分を含有するカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法であって、電圧保持率が80%未満の顔料を(ア)再結晶法および/または(イ)溶媒洗浄法により精製することによって電圧保持率を80%以上とした(A)成分を、(B)〜(E)成分と混合することを特徴とするカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法。
- 電圧保持率が80%未満の顔料を(イ)溶媒洗浄法で溶媒を替えて2回以上洗浄する組み合わせからなる精製法により精製することによって電圧保持率を80%以上とした(A)成分を、(B)〜(E)成分と混合することを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法。
- (A)成分をウレタン結合を有する分散剤と共に使用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法。
- (B)成分が(β1)アクリル酸および/またはメタクリル酸を必須とし、場合により、こはく酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)および/またはこはく酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)をさらに含有するカルボキシル基含有不飽和モノマーと、(β2)スチレン、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、N−フェニルマレイミド、ポリスチレンマクロモノマーおよびポリメチルメタクリレートマクロモノマーの群から選ばれる少なくとも1種の他の不飽和モノマーとの共重合体からなる請求項1〜3の何れかに記載のカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法。
- (C)成分がトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよびこはく酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレートの群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4の何れかに記載のカラーフィルタ用感放射線性組成物の調製法。
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