JP3726402B2 - カラー陰極線管用インライン電子銃 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー陰極線管のインライン電子銃、特に、その主レンズ電界生成部における電極構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、陰極線管の画面周辺部の解像度を改善するために、インライン電子銃の主レンズに電界共有方式を適用したものが広く採用されている。このようなインライン電子銃においては、主レンズを構成する集束電極とこれに隣り合う加速電極を3本の電子ビームが通過する開口を有する断面が楕円形の筒状の金属部材により形成することによって、主レンズの大口径化を図っている。
【0003】
上記のようなインライン電子銃では、集束電極とこれに隣り合う加速電極の開口の形状が楕円形となっているため主レンズにおける電界が非対称に歪み、主レンズに球面収差、非点収差、コマ収差等の収差が生じ、電子銃のフォーカス特性等に悪影響を及ぼす。
上記収差の度合いを影響を少なくする方法として、例えば、主レンズの電界を補正するための金属板からなる電界補正用電極板を、上記の集束電極とこれに隣り合う加速電極の各々の内部の開口方向に沿って設ける方法が知られている。
この電界補正用電極板は、長円形をした金属板の長軸方向に電子ビームが通過する3つの通過孔がインライン配列されたものであり、前記通過孔の形状を円形とせず楕円等の特殊形状にし、例えば、横方向の径と縦方向の径を適宜変更する等の通過孔の形状調整によって主レンズにおける収差の補正、調整が可能である。
【0004】
しかしながら、電子銃の性能を向上させるためには主レンズの組立の際の組立精度を高くする必要がある。
電子ビームの軌道に対して上記電界補正用電極板の位置決めをする際に、両側の通過孔が円形の場合には、真円の内芯治具を通過孔に挿入することによって高精度な位置決めが可能であるが、上記の電界補正用電極板を用いた場合には通過孔が円形でないため通過孔に挿入する断面が真円の内芯治具を用いることができず、位置決め精度、特に、金属板の回転方向の位置決め精度を管理することが難しかった。
【0005】
上記の問題を解決する方法が、例えば、特公平6−75378号公報において提案されている。
この方法は、電界補正用電極板の3つの通過孔のうち、中央の通過孔を楕円孔とし、両側の通過孔を円形孔とし、楕円形の電界補正用電極板中央の通過孔の縦横比を所定の範囲にすることによって、電子銃の組立の際、上記両側の通過孔に円形の内芯治具を挿入することにより、高精度な位置決めを行うことができるとともに、主レンズ電界の歪みを補正することができるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公平6−75378号公報によれば、電界補正用電極板の両側の通過孔を円形孔としているため、電子銃の組立精度を高めるのは容易であるが、非点収差の調整ができないことから、例えば、新たに非点収差を調整するための補正用の金属板等が必要となるため、主レンズの構造が複雑となり、組立工程も複雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたものであって、電子ビームがそれぞれ通過する3つの通過孔が所定の軸方向に沿ってインライン配列された電界補正用電極板を主レンズに有するカラー陰極線管用インライン電子銃において、容易に組立精度を向上させることが可能で、かつ収差の調整を容易に行うことが可能なカラー陰極線管用インライン電子銃を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点のカラー陰極線管用インライン電子銃は、電子ビームがそれぞれ通過する3つの通過孔が所定の軸方向に沿ってインライン配列された電界補正用電極板を主レンズに有するカラー陰極線管用インライン電子銃であって、前記電界補正用電極板に形成された3つの通過孔のうち両側の通過孔は、円形孔に当該円形孔と同心の円弧形状の切欠部が設けられた形状であり、前記切欠部は、当該切欠部が設けられる通過孔を通過する前記電子ビームの軌道を、前記所定の軸方向に直交する方向にて挟む両側且つ前記3つの通過孔のうち中央の通過孔寄りの位置に設けられている。
【0009】
本発明の第2の観点のカラー陰極線管用インライン電子銃は、電子ビームがそれぞれ通過する3つの通過孔が所定の軸方向に沿ってインライン配列された電界補正用電極板を主レンズに有するカラー陰極線管用インライン電子銃であって、前記電界補正用電極板に形成された3つの通過孔のうち両側の通過孔は、円形孔に当該円形孔と同心の円弧形状の切欠部が設けられた形状であり、前記切欠部は、前記3つの通過孔のうちの中央の通過孔側に、前記3つの通過孔の中心を通る中心線を横切るように設けられている。
【0010】
電子ビームがそれぞれ通過する3つの通過孔が所定の軸方向に沿ってインライン配列された電界補正用電極板を主レンズに有するカラー陰極線管用インライン電子銃であって、前記電界補正用電極板に形成された3つの通過孔のうち両側の通過孔は、円形孔に当該円形孔と同心の円弧形状の切欠部が設けられた形状であり、前記切欠部は、前記3つの通過孔のうちの中央の通過孔とは反対側に、前記3つの通過孔の中心を通る中心線を横切るように設けられている。
【0011】
好適には、前記電界補正用電極板を複数有する。
【0012】
前記円形孔の半径R1 と前記切欠部の円弧の半径R2 との比R2 /R1 は、好ましくは、1.0<R 2 /R 1 1.3のいずれかである。
【0015】
本発明に係るカラー陰極線管用インライン電子銃では、電界補正用電極板に形成された3つの通過孔のうち、両側の通過孔に形成された切欠部による電界の補正作用によって、非点収差やコマ収差等の収差に起因する電子銃のフォーカス特性の調整が行われることになる。
これに加えて、両側の通過孔は基本的には円形であるため、当該通過孔に真円状の内芯治具を挿入して位置決めすることにより、高い精度の組立が行われることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るカラー陰極線管用インライン電子銃の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係るカラー陰極線管用インライン電子銃の主レンズ部の一実施形態を示す構成説明図である。
ここで、図1に示す主レンズ部は、図4に示すインライン電子銃の第5電極である集束電極1および第6電極である加速電極2によって基本的に構成されている。
【0018】
ここで、図4に示すインライン電子銃は、インライン配列され電子を放出するRED用の陰極電極KR,GREEN用の陰極電極KG,BLUE用の陰極電極KB、第1電極5、第2電極6、第3電極7、第4電極8、第5電極としての集束電極1、第6電極としての加速電極2、シールドカップ9の各電極から基本的に構成されている。
【0019】
例えば、陰極電極KR,KG,KBには0〜100Vの電圧が印加され、第1電極5はアースされ、第2電極6と第4電極8とには200〜800Vの電圧が印加され、第3電極7と集束電極(第5電極)1とには5〜10kVの電圧が印加され、加速電極(第6電極)2には20〜30kVの電圧が印加される。
【0020】
図1に示す主レンズ部は、開口部1aおよび2aの断面が楕円形の筒状の金属部材からなる集束電極1および加速電極2から構成されるが、集束電極1および加速電極2の内部の所定の位置には、電子ビームBR,BG,BBの進行方向に対して垂直に電界補正用電極板3,4が設けられている。
【0021】
図2は、図1に示した主レンズ部を電子ビームBR,BG,BBの進行方向から見た断面説明図である。なお図2は、集束電極1あるいは加速電極2のいずれかの断面を示している。
【0022】
図2に示すように、長円形の電界補正用電極板3および4には、3本の電子ビームBR,BG,BBのそれぞれが通過する通過孔3a,3b,3cおよび4a,4b,4cがそれぞれ長円の長軸S方向に所定の間隔で形成されている。
通過孔3a〜3c,4a〜4cのうち中央に位置する通過孔3bおよび4bは、長円形の電界補正用電極板3および4の長軸S上に短軸を有する楕円孔となっている。
【0023】
一方、中央に位置する通過孔3bおよび4bの両側の通過孔3a,3cおよび4a,4cは、基本的には半径R1の円形孔からなり、この円形孔の外側に当該円形孔に連続して周方向に部分的に切欠部3rおよび4rが形成されている。
これらの切欠部3r,4rは、電界補正用電極板3,4の長軸Sに関して対称な中央の通過孔3b,4b寄りの位置にそれぞれ形成されており、切欠部3r,4rによって通過孔3a,3c,4a,4cを通過する電子ビームBR,BBの軌道を挟むように形成されている。
また、切欠部3r,4rは、円形孔3a,3c,4a,4bと同心でかつ円形孔の半径R1よりも大きい半径R2 を有する円弧形状に形成されている。
【0024】
上記のように構成される主レンズ部において、集束電極1および加速電極2については、例えば、薄板に絞り加工を施すことによって製作され、電界補正用電極板3,4は、例えば打ち抜き加工によって製作される。
したがって、電界補正用電極板3,4は、集束電極1および加速電極2に比較して加工精度を高くすることができる。また、通過孔3a,3cおよび4a,4cは基本的に円形孔であり、かつ切欠部3r,4rについても、通過孔3a,3c,4a,4cに同心の円弧状に形成されていることから、加工精度を高くすることができる。
このため、組立の際に電界補正用電極板3,4の位置決めを精度良く行えば、インライン電子銃全体として組立精度を高くすることができる。
【0025】
電界補正用電極板3,4の位置決めを行うには、例えば、図3に示すように、2本の真円断面を有する内芯治具Gを両側の通過孔3a,3cおよび4a,4cに嵌合挿入して、電界補正用電極板3,4を固定する。
このとき、切欠部3r,4rは、電界補正用電極板3,4の長軸Sに関して対称な位置に部分的にのみ形成されており、通過孔3a,3cおよび4a,4cは基本的に円形孔であり、内芯治具Gの外周面は通過孔3a,3c,4a,4cの円形孔部に精度良く嵌合することになる。
また、2本の内芯治具Gを用いるため、電界補正用電極板3,4の回転方向の位置決めも精度良く行われることになる。
【0026】
次に、上記電界補正用電極板3、4の切欠部3r,4rの作用について説明する。
画面中央で電子ビームが集中しても、画面周辺では、蛍光面の曲率と電子ビーム集中の曲率の違いにより電子ビームが集中しないものである。
また、通常、集束電極1および加速電極2から構成される主レンズに非点収差等の収差が存在すると、電子ビームのスポットが広がり、像の鮮鋭度が失われる。
本発明では、上記の収差を電界補正用電極板3、4の通過孔3a,3c,4a,4cに形成された切欠部3r,4rの形状調整によって、積極的に補正・調整する。
非点収差は、集束電極1および加速電極2で構成される主レンズの電界の非対称性によって生じるため、この電界の非対称性を電界補正用電極板3,4を用いて補正・調整するのであるが、通常は、電界補正用電極板の通過孔の形状を楕円等にして、新たに非対称な電界を形成し、これを主レンズの電界に合成することにより補正・調整を行う。
【0027】
しかしながら、上記したように、電界補正用電極板の通過孔の形状を楕円とすると、電子銃の組立の際に、真円状の内芯治具を使用することができないため、電界補正用電極板の正確な位置決めを行うことが難しい。
【0028】
そこで、電界補正用電極板3、4の通過孔3a,3c,4a,4cに切欠部3r,4rを設けることによって、通過孔を楕円形にするのと同様な作用を奏する。
例えば、切欠部3r,4rの円弧の半径R2 を大きくしていくと、画面中心付近では電子ビームのスポットが縦長になっていく。電子ビームのスポットが縦長になっていくと、画面の周辺部においては、電子ビームのスポットが横長から丸形へ近づくようになる。
逆に、切欠部3r,4rの円弧の半径R2 を小さくしていくと、画面中心付近で電子ビームが丸形へ近づき、画面の周辺部ではスポットが横長になっていく。
【0029】
したがって、電子銃における主レンズ部の設計の際に、切欠部3r,4rの円弧の半径R2 を適宜調整することによって、カラー陰極線管の画面の画面中心付近の解像度を重視するものにしたり、画面周辺部の解像度を重視するものにしたり、画面全体の解像度を重視するものにしたりすることができる。
【0030】
電界を補正・調整する際に、電界補正用電極板3、4の切欠部3r,4rの円弧の半径R2 の大きさは、図1に示す集束電極1および加速電極2内での互いに対向する端面からの電界補正用電極板3、4の距離L等から決定される。
すなわち、相対向する端面からの電界補正用電極板3、4の距離L等によって、最適な半径R2 は決定されなければならない。
【0031】
本発明においては、通過孔3a,3c,4a,4cの半径R1と切欠部3r,4rの円弧の半径R2との比R2/R1が、例えば1.0<R2/R1≦1.3のいずれかとなるように、半径R2を決定することができる。
また、円形孔の半径R1は、例えば、3.2mm、切欠部3r,4rの円弧の半径R2は例えば3.25mmに形成することができる。
【0032】
半径R1と半径R2との比R2/R1を1.0よりも大としたのは、切欠部3r,4rを形成する際に、半径R1よりも半径R2が大きい必要があるからであり、1.3よりも小としたのは、これよりも大きくなると集束電極1および加速電極2内での相対向する端面からの電界補正用電極板3、4の距離L等によらず、電子ビームのスポットの集束が調整可能な範囲外となるからである。
したがって、半径R1と半径R2との比R2/R1が1.0<R2/R1≦1.3の範囲内で半径R2の大きさを調整すれば、上記したように、カラー陰極線管の画面の画面中心付近の解像度を重視するものにしたり、画面周辺部の解像度を重視するものにしたり、画面全体の解像度を重視するものにしたりすることを確実に行うことができる。
なお、対称な位置に形成された2つの切欠部3rまたは4rの半径R2は、インライン電子銃の設定されるべき条件にしたがって、互いに異なる値に調整することも可能であり、また、切欠部3rと4rとにおける半径R2をそれぞれ異ならせて調整することもできる。
【0033】
以上のように、本実施形態に係るカラー陰極線管用インライン電子銃によれば、電界補正用電極板3、4の通過孔3a,3c,4a,4cは、基本的に円形孔であるため、真円状の内芯治具を使用して電界補正用電極板3、4の相対的な位置決めを精度良く行うことができるため、カラー陰極線管用インライン電子銃の組み立て精度を向上させることができる。
また、基本的に円形孔からなる通過孔3a,3c,4a,4cの外側に部分的に形成される切欠部3r,4rは、円形孔と同心の円弧形状であるため、電界補正用電極板3、4の精密な加工が容易であり、特に通過孔3a,3c,4a,4cの精度管理が容易となる。
また、電界補正用電極板3、4の通過孔3a,3c,4a,4cに形成された切欠部3r,4rの形状調整によって、積極的にインライン電子銃の主レンズにおいて非点収差等の収差を補正・調整することができ、主レンズの設計の自由度が大きくなる。
【0034】
次に、図5は本発明に係るカラー陰極線管用インライン電子銃における電界補正用電極板の他の形状例を示す説明図であって、(a)は切欠部3r,4rが中央の通過孔3b寄りに電界補正用電極板3,4の長軸Sを横切るように形成されている場合であり、(b)は切欠部3r,4rが中央の通過孔3bとは反対側に電界補正用電極板の長軸Sを横切るように形成されている場合である。
また、図5(a)および(b)に示す電界補正用電極板3,4では、各通過孔3a,3c,4a,4cにつき切欠部3r,4rは一か所のみに形成されている。
【0035】
上記の実施形態では、通過孔3a,3c,4a,4cは、基本的に円形孔であり、この円形孔の外側に連続して電子ビームBB,BRの軌道を挟むように2か所に切欠部3r,4rを形成した。これにより、電子ビームに対して縦軸方向の電界が補正されるため、蛍光面に照射される電子ビームBB,BRのスポットを縦長方向に調整するのに適している。
一方、図5(a)および(b)に示す電界補正用電極板3,4では、一か所のみに形成され、電界補正用電極板3,4の長軸Sを横切るように形成されているため、電子ビームBB,BRに対して横軸方向の電界が補正されるため、電子ビームBB,BRのスポットを横長方向に調整するのに適している。
また、図5(a)の電界補正用電極板3,4と図5(b)の電界補正用電極板3,4とでは、切欠部3r,4rは互いに対向する位置関係となっているため、電子ビームのスポットの調整方向が逆となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るカラー陰極線管用インライン電子銃によれば、主レンズの電界補正用電極板の3つの通過孔のうち両側の通過孔を基本的に円形孔としたことにより、電子銃の組立の際に、真円の内芯治具を当該両側の通過孔に挿入して位置決めを行うことが可能となるため、容易に電子銃の組立精度を向上させることが可能となる。
【0038】
また、電界補正用電極板の3つの通過孔のうち両側の通過孔を基本的に円形孔とするとともに円形孔の外側に切欠部を形成したことにより、切欠部の形状によって集束電極およびこれに隣り合う加速電極からなる主レンズの非点収差等の収差を自由に調整可能となる。
この結果、カラー陰極線管の画面の画面中心付近の解像度を重視するものにしたり、画面周辺部の解像度を重視するものにしたり、画面全体の解像度を重視するものにしたりすることを確実に行うことができる。
【0039】
また、通過孔の切欠部を円形孔と同心の円弧形状に形成したことにより、電界補正用電極板の精度よく加工することが容易となる。
【0040】
また、非点収差等の収差を調整することが可能であるとともに、断面が真円の内芯治具を両側の通過孔に挿入して位置決めを行うことが可能となるため、仕様や管種の異なる電子銃であっても、位置決めや組立に必要な治具を共通して使用することができ、設備の共通化が可能となる。
【0041】
また、通過孔を構成する円形孔の半径R1 と切欠部の円弧の半径R2 との比R2 /R1 が1.0〜1.3となる範囲で切欠部の円弧の半径R2 の大きさを調整することにより、カラー陰極線管の画面の画面中心付近の解像度を重視するものにしたり、画面周辺部の解像度を重視するものにしたり、画面全体の解像度を重視するものにしたりすることを確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー陰極線管用インライン電子銃の主レンズ部の一実施形態を示す構成説明図である。
【図2】図1の主レンズ部を電子ビームの進行方向から見た断面図である。
【図3】図1に示す電界補正用電極板の両側の通過孔真円状の内芯治具を挿入した状態を示す説明図である。
【図4】インライン電子銃の基本的構成を示す説明図である。
【図5】本発明に係るカラー陰極線管用インライン電子銃における電界補正用電極板の他の形状例を示す説明図であって、(a)は切欠部が中央の通過孔寄りに電界補正用電極板の長軸を横切るように形成されている場合であり、(b)は切欠部が中央の通過孔とは反対側に電界補正用電極板の長軸を横切るように形成されている場合である。
【符号の説明】
1…集束電極、2…加速電極、3,4…電界補正用電極板、3a〜3c,4a〜4c…通過孔、3r,4r… 切欠部、5…第1電極、6…第2電極、7…第3電極、8…第4電極、9…シールドカップ,G…内芯治具、BR,BG,BB…電子ビーム。

Claims (5)

  1. 電子ビームがそれぞれ通過する3つの通過孔が所定の軸方向に沿ってインライン配列された電界補正用電極板を主レンズに有するカラー陰極線管用インライン電子銃であって、
    前記電界補正用電極板に形成された3つの通過孔のうち両側の通過孔は、円形孔に当該円形孔と同心の円弧形状の切欠部が設けられた形状であり、
    前記切欠部は、当該切欠部が設けられる通過孔を通過する前記電子ビームの軌道を、前記所定の軸方向に直交する方向にて挟む両側且つ前記3つの通過孔のうち中央の通過孔寄りの位置に設けられている
    カラー陰極線管用インライン電子銃。
  2. 電子ビームがそれぞれ通過する3つの通過孔が所定の軸方向に沿ってインライン配列された電界補正用電極板を主レンズに有するカラー陰極線管用インライン電子銃であって、
    前記電界補正用電極板に形成された3つの通過孔のうち両側の通過孔は、円形孔に当該円形孔と同心の円弧形状の切欠部が設けられた形状であり、
    前記切欠部は、前記3つの通過孔のうちの中央の通過孔側に、前記3つの通過孔の中心を通る中心線を横切るように設けられている
    カラー陰極線管用インライン電子銃。
  3. 電子ビームがそれぞれ通過する3つの通過孔が所定の軸方向に沿ってインライン配列された電界補正用電極板を主レンズに有するカラー陰極線管用インライン電子銃であって、
    前記電界補正用電極板に形成された3つの通過孔のうち両側の通過孔は、円形孔に当該円形孔と同心の円弧形状の切欠部が設けられた形状であり、
    前記切欠部は、前記3つの通過孔のうちの中央の通過孔とは反対側に、前記3つの通過孔の中心を通る中心線を横切るように設けられている
    カラー陰極線管用インライン電子銃。
  4. 前記電界補正用電極板を複数有する
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラー陰極線管用インライン電子銃。
  5. 前記円形孔の半径R1と前記切欠部の円弧の半径R2との比R2/R1が1.0<R2/R1≦1.3のいずれかである
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のカラー陰極線管用インライン電子銃。
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