JP2710880B2 - 4極磁界発生器を用いたインライン型陰極線管の集中調整方法 - Google Patents

4極磁界発生器を用いたインライン型陰極線管の集中調整方法

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JP2710880B2
JP2710880B2 JP3216974A JP21697491A JP2710880B2 JP 2710880 B2 JP2710880 B2 JP 2710880B2 JP 3216974 A JP3216974 A JP 3216974A JP 21697491 A JP21697491 A JP 21697491A JP 2710880 B2 JP2710880 B2 JP 2710880B2
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、4極磁界発生器を用
いたインライン型カラー陰極線管の集中補正を行う集中
調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6(a)は、例えば、特公平2−13
36号に示されたインライン型カラー陰極線管を示す断
面図である。図において、1は陰極線管、2は蛍光面、
3はパネル、4はシャドウマスク、5はファンネル、6
はネック、7はインライン型電子銃構体、8cは4極磁
界発生器で、ネック6の周りに取り付けられた枠体9に
よって支持されている。10は偏向ヨーク、11r,1
1bは赤,青の外側電子ビーム、11gは緑の中央電子
ビーム、12は陰極線管1の管軸である。
【0003】通常、インライン型カラー陰極線管では、
偏向ヨーク10の形成する水平偏向磁界を糸巻型に、垂
直偏向磁界を樽型に設定することで、3本の電子ビーム
の集中ずれを走査画面全域で補正するセルフコンバージ
ェンス方式を実現しているが、このような非斉一磁界中
を通過、偏向されることによって、電子ビームスポット
はいわゆる偏向歪を受けて水平方向に長く歪み、また、
ハローと呼ばれる収差が出易くなる。特に、走査画面の
周辺部でこの傾向が大きく、解像度が大きく劣化する欠
点があった。
【0004】特公平2ー1336号公報の発明は、この
ような欠点に鑑みなされたもので、例えば、3本の電子
ビームはインライン型電子銃構体7によって放射集束さ
れ、4極磁界発生器8cによる集中補正作用がない場合
には、3本の電子ビーム11r,11g,11bはシャ
ドウマスク4や蛍光面2上では決して交わらず、ほぼ管
軸12上にあって蛍光面2よりパネル3側で交わるよう
に、すなわち不足集中するように設定されており、3本
の電子ビーム11r,11g,11bが蛍光面2上で集
中するよう、4極磁界発生器8cによって外側電子ビー
ム11r,11bを中央電子ビーム11gの方向に集中
補正するようにしている。
【0005】この時、各電子ビームは、4極磁界発生器
8cによる磁界から水平方向力と垂直方向引力を受け
るので、走査画面中央部の電子ビームスポット形は縦長
となり、一方、走査画面周辺部では、前記偏向歪とハロ
ーが改善され、走査画面中央部の電子ビームスポットの
縦長率(横径に対する縦径の比率)を1.1〜2.0に
すれば、走査画面全域で高解像度が得られるというもの
である。
【0006】図6(b)は、従来の4極磁界発生器8c
の分解斜視図で、一対の4極に磁化された円環状の磁石
8d,8eから成り、各円環状の磁石8d,8eには、
図示のように90度角間隔にN極磁子13,14,1
9,20と、S極磁子15,16,17,18が交互に
配置されている。
【0007】図7は、このような従来の4極磁界発生器
8cを用いて集中補正をおこなった場合の、各電子ビー
ムが受ける作用を説明するための図で、一対の円環状の
磁石8d,8eを適当な角度だけ相互に回転させること
によって磁束23a,23b,24a,24bが発生
し、これらの磁束23a〜24bによって、中央電子ビ
ーム11gに対して不足集中している外側電子ビーム1
1r,11bが集中補正されるが、同時に、3本の電子
ビームは、これらの磁束23a〜24bによって図中に
示した矢印のように水平方向押力と垂直方向引力を受
け、走査画面の中央では電子ビームスポットは縦長にな
り、これによって走査画面周辺部の偏向歪とハローを改
善している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のインライン型カ
ラー陰極線管は以上のように構成されているが、4極磁
界発生器による集中補正量が、1つのインライン型カラ
ー陰極線管に対し一意的に定まってしまい、外側電子銃
と中央電子銃の間で集中補正による解像度の改善効果を
同一にすることが困難であるという欠点があった。
【0009】この理由を、図7を用いて説明する。従来
の4極磁界発生器8cは、円環状の磁石8d,8eを相
互に回転させることによって外側電子ビーム11r,1
1bを集中補正しているが、このとき形成される4極磁
界の磁極は、円環状の磁石8d,8e間の近接している
同じ磁子、例えば、図中の13と20、16と18、1
4と19、15と17のちょうど中間にあって、それぞ
れN極、S極、N極、S極を形成している。そして、こ
れらのうち、同じ磁極同士を結ぶ直線21,22はほぼ
管軸12上で交わり、3電子銃の配列方向(以下、「X
軸方向」とする)に垂直な方向(以下、「Y軸方向」と
する)に成す角度(以下、「調整角度」という)θは1
つしかあり得ず、ほぼ90度である。
【0010】また、前記直線21,22上に形成される
4極磁界の各磁極の強さは、円環状の磁石8d,8eの
相互の回転角で定まるが、それも外側電子ビーム11
r,11bの不足集中量で一意的に定まる。すなわち、
従来の4極磁界発生器8cを用いて、不足集中している
外側電子ビーム11r,11bを集中補正した場合、形
成される4極磁界の分布は一意的に定まってしまい、こ
のため、その集中補正による解像度改善効果も、外側電
子銃と中央電子銃とも、それぞれ一意的に定まる。
【0011】また、通常、4極磁界から受ける水平方向
押力と垂直方向引力は、3本の電子ビームと磁極との位
置関係の相違から、外側電子ビームと中央電子ビームと
で異なる。したがって、従来の4極磁界発生器8cを用
いて解像度改善をなそうとする場合、集中補正を完了し
た状態で、外側電子銃と中央電子銃の解像度改善効果を
同一にするには、外側電子ビーム11r,11bの不足
集中量を所定の値に精度よく設定する必要がある。
【0012】然るに、インライン型電子銃構体におい
て、電気的または機械的に外側電子ビームを集中させる
電極部(図示せず)の組立精度のバラツキや、その電極
部品の寸法精度のバラツキ等のため、上記不足集中量を
高精度に設定することは困難であり、また、たとえその
不足集中量を所定値に高精度に設定できても、静電また
は静磁集束レンズを形成する電極部(図示せず)の組立
精度のバラツキや、その電極寸法のバラツキ等があるた
め、従来の4極磁界発生器8cの集中補正による解像度
改善方法では、外側電子銃と中央電子銃間で効果差が生
じてしまい、結果として外側電子銃と中央電子銃間の解
像度差を生じることが多かった。
【0013】すなわち、外側電子銃と中央電子銃におい
て、一方は図8(a)に示すように電子ビームスポット
29は走査画面中央で縦長過剰だが、走査画面周辺では
偏向歪やハローは良好、逆に、他方は図8(b)に示す
ように、電子ビームスポット29は走査画面中央でほぼ
真円だが、走査画面周辺で偏向歪やハロー30が大きい
という症状を呈し、各電子銃間のフォーカス特性の妥協
がとりにくくなるという問題点があった。
【0014】さらに、走査画面中央の電子ビームスポッ
トの縦長率を1.1〜2.0(Y軸方向に長いことを意
味する)に規定することについては、電子ビームスポッ
トの形状は、上記集中補正以外に、インライン型電子銃
構体に施される種々の解像度改善策に影響されるため、
上記集中補正によって常に縦長になるとは限らず、ま
た、走査画面中央の解像度に対し、電子ビームスポット
が縦長になっていることは望ましくない。したがって、
縦長率以外に、解像度改善の目安となるような指標が必
要であった。
【0015】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、従来の4極磁界発生器による集中
補正の解像度改善効果は残しつつ、その集中補正時に生
じる外側電子銃と中央電子銃間のフォーカス特性差を減
少させることができるようにした4極磁界発生器を用い
たコンバージェンス調整方法を得ることを目的としてい
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係るインライ
ン型カラー陰極線管の集中調整方法は、インライン型電
子銃構体を有するカラー陰極線管のネック部に環状体の
内側にN極、外側にS極が位置する磁石を180°の角
度間隔で配置した第1の環状の磁石と、環状体の内側に
S極、外側にN極が位置する磁石を180°の角度間隔
で配置した第2の環状の磁石とを設け、上記第1及び第
2の環状の磁石の相対関係を調整することにより上記カ
ラー陰極線管の電子ビームの集中特性を調整するように
したものにおいて、上記カラー陰極線管の蛍光面の中央
における電子ビームスポットの電子銃配列方向の横径が
最小となる集束電圧から、上記電子ビームの縦径が最小
となる集束電圧を差し引いた値である収差係数を0〜3
00Vにすると共に、上記第 1の環状の磁石における各
磁石を結ぶ線と上記第2の環状の磁石における各磁石を
結ぶ線とがなす調整角度θを、上記インライン型電子銃
構体の外側電子銃の収差係数が中央電子銃の収差係数よ
り小さい時は90°<θ<180°の範囲で調整し、外
側電子銃の収差係数が中央電子銃の収差係数より大きい
時は0°<θ<90°の範囲で調整するようにしたもの
である。
【0017】
【作用】この発明によれば、4極磁界発生器の調整角度
θを、0°<θ<90°または90°<θ<180°の
どちらかの範囲に制限して外側電子ビームを集中補正す
るようにしたので、4極磁界発生器の磁束が電子ビーム
に及ぼす力が異なり、このため、集中補正による解像度
改善効果が中央電子銃と外側電子銃のいずれか一方で強
くなる。
【0018】また、この発明によれば、インライン型電
子銃構体の各電子銃の解像度に対する指標である収差係
数を、各電子銃とも0〜300vに設定したので、走査
画面中央の電子ビームスポットの縦長過剰と走査画面周
辺の偏向収差とハローをバランス良く抑制でき、走査画
面全域で良好な解像度が得られる。
【0019】
【実施例】実施例1. 以下、この発明の一実施例を説明する。図1(a)は
発明を適用するインライン型電子銃構体を有するカラ
ー陰極線管を示す断面図、図1(b)はこの発明の主要
な構成要素である4極磁界発生器の構成を示す分解斜視
図で、1〜7,9〜12は図6(a)に示した従来例と
同一のものである。図において、8は4極磁界発生器
で、環状体の内側にN極、外側にS極が位置する磁石を
180°の角度間隔で配置した第1の環状の磁石8a
と、環状体の内側にS極、外側にN極が位置する磁石を
180°の角度間隔で配置した第2の環状の磁石8bか
ら成り、第1の環状の磁石8a上には180度の角度間
隔で内側にN極磁子25,26が、また、第2の環状の
磁石8bには180度の角度間隔で内側にS極磁子2
7,28がそれぞれ形成されており、これら二つの環
の磁石8a,8bを相互に回転させることで4極磁界を
発生させ、外側電子ビームを集中補正するように構成さ
れている。
【0020】このように構成されたインライン型カラー
陰極線管1において、予め不足集中するよう設定されて
いる外側電子ビーム11r,11bを集中補正するに
は、適切な4極磁界を電子ビームの周囲に発生させてや
る必要があるが、4極磁界発生器8によって形成される
4極磁界の磁極は、第1、第2の環状の磁石8a,8b
の各磁子そのものであるから、相互に回転させてもその
磁極の強さは一定であり、従来の4極磁界発生器のよう
に、環状の磁石の相互の回転角で磁極の強さを変化させ
ることができない。したがって、4極磁界発生器8によ
って外側電子ビーム11r,11bの不足集中量に見合
った4極磁界を形成するには、第1、第2の環状の磁石
8a,8bの各磁子を外側電子ビーム11r,11bに
対して適当な位置に位置させる必要がある。
【0021】次に、4極磁界発生器8によって外側電子
ビーム11r,11bを集中補正したとき各電子ビーム
が受ける作用を、図2(a)および図2(b)で説明す
る。第1の環状の磁石における各磁石を結ぶ直線21
第2の環状の磁石における各磁石を結ぶ直線22は、4
極磁界発生器8の同じ磁子同士を結ぶ直線21,22に
等しく、両直線21,22は管軸12上でほぼ交わり、
両直線間のY軸方向の角度を調整角度θとする。
【0022】図2(a)において、調整角度θ1は0°
<θ1<90°の範囲にあり、4極磁界発生器8の磁子
25,26,27,28は、磁束23c,23d,24
c,24dを発生させている。このうち、外側電子ビー
ム11r,11bの集中補正を司るのは磁束23c,2
3dであり、調整角度θ1を上記の範囲内で調整するこ
とで、外側電子ビーム11r,11bに対する磁束23
c,23dの強さ、位置を最適化でき、その結果、外側
電子ビーム11r,11bを集中補正できる。すなわ
ち、0°<θ<90°の範囲で外側電子ビームを集中補
正可能な調整角度θが存在する。
【0023】このとき、各電子ビームは、図示した矢印
のような水平方向押力と垂直方向引力を受けて、走査画
面中央で縦長になるが、磁束24c,24dは外側電子
ビーム11r,11bから遠くに位置するので、外側電
子ビーム11r,11bの垂直方向引力は、中央電子ビ
ーム11gのそれより小さいので、外側電子ビーム11
r,11bよりも、中央電子ビーム11gのほうが走査
画面中央で縦長に成り易い。すなわち、外側電子銃に対
し、中央電子銃の方が集中補正による解像度改善効果が
大きくなる。
【0024】図2(b)において、調整角度θ2は90
°<θ2<180°の範囲にあり、4極磁界発生器8の
磁子25,26,27,28は、磁束23e,23f,
24e,24fを発生させている。このうち、外側電子
ビーム11r,11bの集中補正を司るのは磁束23
e,23fであり、調整角度θ2を上記範囲内で調整す
ることで、外側電子ビーム11r,11bに対する磁束
23e,23fの強さ、位置を最適化でき、その結果、
外側電子ビーム11r,11bを集中補正できる。すな
わち、90°<θ2<180°の範囲で外側電子ビーム
を集中補正可能な調整角度θが存在する。
【0025】このとき、各電子ビームは、図示した矢印
のような水平方向押力と垂直方向引力を受けて、走査画
面中央で縦長になるが、磁束23e,23fは中央電子
ビーム11gから遠くに位置するので、中央電子ビーム
11gの受ける水平方向押力は外側電子ビーム11r,
11bのそれよりも小さいので、中央電子ビーム11g
より外側電子ビーム11r,11bの方が走査画面中央
で縦長に成り易い。すなわち、中央電子銃に対し、外側
電子銃の方が集中補正による解像度改善効果が大きくな
る。
【0026】このように、本実施例のインライン型カラ
ー陰極線管によれば、4極磁界発生器8の調整角度θの
範囲を、0°<θ<90°または90°<θ<180°
のいずれかに制限することで、外側電子ビームの集中補
正による解像度改善効果を、中央電子銃と外側電子銃の
ちらか一方に対して強めることができ、従来の4極磁
界発生器を用いた場合に生じていた中央電子銃と外側電
子銃間のフォーカス特性差を減少できる。
【0027】一方、電子銃のフォーカス特性の指標とし
て、電子ビームスポットの縦長率が適当でないことは前
述の通りである。そもそも、電子ビームスポットが走査
画面中央で縦長になるという現象は、電子ビームのX,
Y軸方向で集束点位置が異なる、すなわち、電子ビーム
に非点収差があるということと同義である。したがっ
て、フォーカス特性の指標として非点収差の量で表すの
が適切であるため、カラー陰極線管の蛍光面の中央にお
ける電子ビームスポットの電子銃配列方向の横径が最小
となる集束電圧から、上記電子ビームの縦径が最小とな
る集束電圧を差し引いた値を収差係数と定義すると、
の収差係数が大きい程、非点収差量が走査画面周辺の偏
向収差とハローを改善する方向に大きい。
【0028】また、偏向収差とハローを改善するような
非点収差量であるためには、その定義から、収差係数は
正の値を持たねばならない。収差係数という指標は、走
査画面中央の電子ビームスポットが縦長である場合はも
ちろん、種々の解像度改善策によって、その電子ビーム
スポットが縦長でない場合にも用いることが可能であ
る。
【0029】外側電子ビーム11r,11bが不足集中
しているようなインライン型カラー陰極線管1におい
て、4極磁界発生器による集中補正で走査画面中央の電
子ビームスポットを縦長にするということは、言い替え
れば、その集中補正で電子銃の収差係数を大きくするこ
とである。そして、従来の4極磁界発生器8cで生じ易
い中央電子銃と外側電子銃間のフォーカス差とは、それ
らの収差係数の差に外ならない。
【0030】したがって、図1(a)に示すインライン
型カラー陰極線管1で、従来の4極磁界発生器8cを用
いて外側電子ビーム11r,11bの集中補正を行う
と、収差係数が中央電子銃より外側電子銃で小さくなっ
てしまう場合は、図1(b)に示す4極磁界発生器8を
用いて、図2(b)のように調整角度θを90°<θ<
180°として外側電子ビーム11r,11bの集中補
正を行うことにより、外側電子銃の収差係数を大きくで
き、その結果、中央電子銃と外側電子銃間の収差係数の
差が小さくなり、すなわち、フォーカス差が減少する。
【0031】逆に、従来の4極磁界発生器8cを用いて
外側電子ビーム11r,11bの集中補正を行うと、収
差係数が外側電子銃より中央電子銃で小さくなってしま
う場合は、図1(b)に示す4極磁界発生器8を用い
て、図2(a)のように調整角度θを0°<θ<90°
として外側電子ビーム11r,11bの集中補正行う
ことにより、中央電子銃の収差係数を大きくできるの
で、同様にフォーカス差が減少する。図3(a)および
(b)に、16インチのインライン型カラー陰極線管
を、高圧25kv,単電子銃あたりのカソード電流0.
3mAという条件で動作させた場合の、従来の4極磁界
発生器8cによる集中補正と、この発明による場合の収
差係数を示す。
【0032】収差係数は、走査画面周辺の偏向収差とハ
ローを改善するには、正の値を持つことが必要である
が、あまり収差係数が大きいと、走査画面中央の電子ビ
ームスポットが過度に縦長になってしまい、走査画面中
央の解像度が劣化する。走査画面全般の解像度を、バラ
ンス良く良好ならしめる収差係数の範囲は、実験結果に
よれば、0〜300vが適当である。
【0033】図4に、20インチのインライン型カラー
陰極線管を、高圧26Kv,単電子銃あたりのカソード
電流0.3mAという条件で動作させた場合の、走査画
面中央および周辺の電子ビームスポット径と収差係数の
関係を示す。この図からわかるように、収差係数が負の
場合は、走査画面周辺の電子ビームスポット径が急激に
大きくなり、逆に、収差係数が300vを越えると、走
査画面中央の電子ビームスポット径が大きくなりすぎ
る。
【0034】実施例2. 実施例1では、4極磁界発生器8を一対の環状の磁石8
a,8bで構成したが、図5に示すように、ネック6の
周囲に、2つの環状の磁石を一体化した形の低磁性材料
からなる帯状部材8fを設け、その中に外側電子ビーム
11r,11bの不足集中量に見合った磁性と、磁極の
強さに選択された永久磁気領域を形成させるようにした
4極磁界発生器8gを用い、収差係数に応じた調整角度
とするようにしても同様の効果が得られる。
【0035】実施例3. 実施例1,2では、インライン型電子銃構体7の中央電
子銃と外側電子銃間のフォーカス差を減少させることに
主眼をおいて説明したが、この発明では故意にフォーカ
ス差をつけることも可能である。すなわち、外側電子ビ
ーム11r,11bが不足集中しているようなインライ
ン型カラー陰極線管1において、従来の4極磁界発生器
8cを用いて外側電子ビーム11r,11bを集中補正
した場合に、収差係数が中央電子銃と外側電子銃でほぼ
同一、つまりフォーカス差が小さい場合でも、例えば、
実施例1における4極磁界発生器8を用い、調整角度θ
を90°<θ<180°として外側電子ビーム11r,
11bの集中補正を行えば、収差係数を中央電子銃より
外側電子銃の方を大きくできる。
【0036】一般に、走査画面周辺の偏向収差やハロー
は、中央電子銃より外側電子銃で強いので、このよう
に、故意に外側電子銃の収差係数を大きくしてやる方が
望ましい場合があり、このような場合にもこの発明は有
効である。
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、収差係数を0〜30
0Vにすると共に、調整角度θを、収差係数が中央電子
銃より外側電子銃の方が小さくなる時は、90°<θ<
180°の範囲内で外側電子ビームを集中補正するよう
にし、収差係数が外側電子銃より中央電子銃の方が小さ
くなる時は、0°<θ<90°の範囲内で外側電子ビー
ムを集中補正するようにしたので、集中補正による電子
銃の解像度改善効果は残しつつ、中央電子銃と外側電子
銃間のフォーカス特性差を減少させることができるとと
もに、走査画面中央の電子ビームスポットの縦長過剰と
走査画面周辺の偏向収差およびハローを抑制し、走査画
面全般の解像度をバランス良く良好ならしめることがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用するインライン型カラー陰極線
管の縦断面図およびこの発明の主要な構成要素である
極磁界発生器の構成を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の実施例を説明するための環状の磁石
の作用説明図である。
【図3】この実施例における4極磁界発生器と収差係数
との関係を示す実験データを示す図である。
【図4】この実施例の収差係数と電子ビームスポット径
との関係を示す実験データを示す図である。
【図5】この発明の他の実施例の主要な構成要素である
4極磁界発生器の断面図である。
【図6】従来のインライン型カラー陰極線管の構成を示
す断面図およびこの従来の4極磁界発生器の構成を示す
分解斜視図である。
【図7】従来の4極磁界発生器の作用を説明するための
ネックへの取付部分の断面図である。
【図8】走査画面上の電子ビームスポットの形状を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 インライン型カラー陰極線管 2 蛍光面 3 パネル 6 ネック 7 インライン型電子銃構体 8 4極磁界発生器 8a,8b 環状の磁石 25,26 N極磁子 27,28 S極磁子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インライン型電子銃構体を有するカラー
    陰極線管のネック部に環状体の内側にN極、外側にS極
    が位置する磁石を180°の角度間隔で配置した第1の
    環状の磁石と、環状体の内側にS極、外側にN極が位置
    する磁石を180°の角度間隔で配置した第2の環状の
    磁石とを設け、上記第1及び第2の環状の磁石の相対関
    係を調整することにより上記カラー陰極線管の電子ビー
    ムの集中特性を調整するようにしたものにおいて、上記
    カラー陰極線管の蛍光面の中央における電子ビームスポ
    ットの電子銃配列方向の横径が最小となる集束電圧か
    ら、上記電子ビームの縦径が最小となる集束電圧を差し
    引いた値である収差係数を0〜300Vにすると共に、
    上記第1の環状の磁石における各磁石を結ぶ線と上記第
    2の環状の磁石における各磁石を結ぶ線とがなす調整角
    度θを、上記インライン型電子銃構体の外側電子銃の収
    差係数が中央電子銃の収差係数より小さい時は90°<
    θ<180°の範囲で調整し、外側電子銃の収差係数が
    中央電子銃の収差係数より大きい時は0°<θ<90°
    の範囲で調整するようにしたことを特徴とする4極磁界
    発生器を用いたインライン型陰極線管の集中調整方法。
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