JP3724133B2 - 熱電変換モジュールの製造方法 - Google Patents

熱電変換モジュールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、p形熱電半導体とn形熱電半導体とが電極により接合される熱電素子を複数列設してユニット化した熱電変換モジュールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の積層型熱電変換モジュールは、p形熱電半導体とn形熱電半導体とを、導電性樹脂及び絶縁層を介して交互に積層し一体化することにより製造されている(特開平3−11674号公報参照)。また、その他の積層型熱電変換モジュールの製造方法としては、p形熱電半導体粉末とn形熱電半導体粉末とを、絶縁性材料の粉末を介して積層し焼結することにより一体化する方法が提案されている(特開平8−32128号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、熱電変換モジュールの製造にあたっては、モジュールの形状に応じて熱電半導体をチップ状もしくは板状などの形状に加工する必要があるが、Bi−Te−Sb−Se系熱電半導体は一般的に脆性材料なので、熱電半導体インゴットを切断する切断工程において材料の割れや欠けが発生したり、寸法精度を整えるための工程が必要であり、材料歩留りが低いという問題があった。また、これらの問題のため、素子形状(素子の幅や、素子の径など)の小型化が難しく、高集積化やモジュールの小型化が難しいという問題があり、高電圧低電流型の熱電変換モジュールの製作が極めて難しいという問題があった。
【0004】
また、熱電半導体は上述のように機械的強度が弱いので、熱電半導体を小型化して配列する際に精度の高い配列を行う場合、歩留りの低下やコストの増大を招くという問題があった。
また、上記従来の製造方法では、各熱電半導体の両面にそれぞれ別々に電極を形成するので電極形成の工程数が多く、しかも、電極と熱電半導体との接合不良によって発生する導通不良や電極間短絡が発生しやすく製品歩留りが低くなってしまうという問題があった。さらに、従来の熱電変換モジュールでは使用中に熱応力などのために電極と熱電半導体との間にずれや剥離が生じたり、接合用の半田や熱電半導体の劣化により性能が劣化してしまい、製品不良が生じやすいという問題があった。また、従来の積層型熱電変換モジュールの製造方法では、導電性樹脂と絶縁層とを分別して塗布する必要があり工程が複雑になるとともに、導電性樹脂の加熱硬化による応力が発生し熱電変換モジュールの性能や信頼性が低下してしまう可能性があった。また、焼結を行う場合に熱電半導体や導電性樹脂が高温に耐えられないという不具合があった。
【0005】
また、熱電変換モジュールに熱交換基板を接合する場合、熱電変換モジュールの表面が平滑になっている必要があるが、導電性樹脂や絶縁層の絶縁材が熱電半導体の間からはみ出したり不足することにより、熱電変換モジュールの表面が平滑にならないので、研削する必要があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コストで性能及び信頼性が高く工程の簡略化が可能な熱電変換モジュールの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、p形熱電半導体とn形熱電半導体とが電極を介して同一方向に交互に配設されるとともに接合され、かつ上記電極が該配設方向に直交する厚み方向の両端側に交互に設けられる熱電変換モジュールの製造方法であって、p形熱電半導体とn形熱電半導体との間に導電性接合部材を設けて接合し一体化することによりブロック体を形成する第1の工程と、上記ブロック体を各熱電半導体と導電性接合部材との接合面に対して略直交するように切断することにより所望の厚さの小ブロック体を形成する第2の工程と、小ブロック体の厚み方向の一端側と他端側とから交互に導電性接合部材の一部を除去することにより導電性接合部材よりなる上記電極を形成する第3の工程とを有することを特徴とし、導電性接合部材と各熱電半導体とを接合してブロック体を形成した後にブロック体を所望の厚さに切断し、導電性接合部材を部分的に除去することにより電極を形成するので、各熱電半導体を別々に所望の大きさに成形する必要がなく、所望の大きさに成形された各熱電半導体を配設する工程や各熱電半導体ごとに電極を接合するための工程も不要となるから、製造工程の簡略化を図ることができ、歩留りを向上できるとともに、熱電変換モジュールの低コスト化を図ることができる。また、導電性接合部材のみを除去することにより電極を形成できるので、比較的単価の高い熱電半導体を有効に利用することができるとともに、熱電半導体の割れや破損が発生しにくく材料歩留りや製品歩留りの向上を図ることができる。また、第1の工程と第2の工程とにより熱電変換モジュールのサイズが決まるので、熱電変換モジュールの形状の制御が容易であり、熱電変換モジュールの小型化を図ることができるとともに、サイズの異なる熱電変換モジュールを容易に作製することができる。さらに、熱電変換モジュールの放熱面及び吸熱面となる小ブロック体の厚み方向に直交する両面を略平滑に形成することができるので、放熱面及び吸熱面と熱交換基板もしくは熱交換器との接合部の熱損失の減少を図ることができ、高性能で信頼性の高い熱電変換モジュールを製造することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の線膨張率及び変形抵抗を有する金属を用い、導電性接合部材と各熱電半導体とを押し出し加工により接合するので、押し出し加工により導電性接合部材と各熱電半導体との接合が行われるから、一括して導電性接合部材と各熱電半導体とを接合することができる。また、各熱電半導体と導電性接合部材との線膨張率が同程度であることから、熱電変換モジュールへの通電時に電極の接合界面における熱応力の発生を抑制することができ、信頼性が向上する。また、各熱電半導体と導電性接合部材との変形抵抗が同程度であるから、押し出し加工時の形状制御が容易となる。また、導電性接合部材と各熱電半導体とを押し出し加工により接合するので、押し出し材を切断することで一度に大量のブロック体を形成することが可能であり、生産性が向上する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、導電性接合部材を内部に複数の収納室が一方向に列設されたカプセルとし、p形熱電半導体粉末とn形熱電半導体粉末とをカプセルの所定の収納室に充填した後に、押し出し加工を行うことにより導電性接合部材と各熱電半導体とを接合するので、押し出し形状の制御が容易になるとともに、押し出し加工により押し出された熱電半導体が多結晶になり、熱電半導体の機械的強度が向上する。また、押し出し加工前の熱電半導体を粉末としたことにより押し出し加工時における熱電半導体の変形抵抗が小さくなるので、押し出し速度が向上し生産性が向上する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、導電性接合部材を内部に複数の収納室が一方向に列設されたカプセルとし、p形熱電半導体圧粉体とn形熱電半導体圧粉体とをカプセルの所定の収納室に充填した後に、押し出し加工を行うことにより導電性接合部材と各熱電半導体とを接合するので、押し出し加工前の熱電半導体を圧粉体にしたことにより、粉末の場合に比べて取扱いが容易になるとともに、熱電半導体の酸化を抑制することができる。
【0010】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4の発明において、押し出し加工後に、押し出された押し出し部材を焼結するので、押し出し加工後に加熱処理が行われるから、熱電半導体の強度の向上及び熱電半導体と導電性接合部材との接合強度の向上が図られる。
請求項6の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の弾性率を有する金属を用い、各熱電半導体として熱電半導体粉末を用い、ホットプレスにより各熱電半導体と導電性接合部材とを接合するので、加圧と焼結とが同時に行われるから、各熱電半導体の機械的強度が向上し、結果として熱電変換モジュールの機械的強度が向上する。また、ホットプレスを行うことにより、各熱電半導体の結晶面が一軸に配向するので、各熱電半導体の熱電特性が向上する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の弾性率を有する金属を用い、各熱電半導体として熱電半導体粉末を用い、熱間静水圧プレスにより各熱電半導体と導電性接合部材とを接合するので、加圧焼結によりネックの再結合が促進され各熱電半導体の機械的強度が向上し、結果として熱電変換モジュールの機械的強度が向上する。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、各熱電半導体と導電性接合部材との間に、導電性を有し且つ各熱電半導体へ拡散可能であって該拡散による各熱電半導体の性能劣化の少ない導電性中間部材を介在させてブロック体を形成するので、導電性中間部材の構成元素が各熱電半導体に拡散することにより、各熱電半導体の性能劣化なしに、各熱電半導体と導電性接合部材との接合強度を高めることができる。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1又は請求項8の発明において、各熱電半導体と導電性接合部材との間に、導電性を有し且つ他の部材からの拡散を防止する拡散防止部材を介在させてブロック体を形成するので、拡散防止部材によって、この拡散防止部材を通る相互拡散が抑制されるから、拡散による各熱電半導体と導電性接合部材との接合強度の低下や熱電半導体の性能の経時劣化を防止することができる。
【0014】
請求項10の発明は、請求項2の発明において、各熱電半導体と導電性接合部材との間に、高い延性を有する導電性中間部材を介在させて押し出し加工を行うので、加圧接合時に接合界面に発生する応力を低減できるから、押し出し形状の制御が容易になるとともに、押し出し加工により形成されたブロック体を切断する工程における歩留りが向上する。
【0015】
請求項11の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材及び熱電半導体の少なくとも一方の表面を、機械的切削、化学エッチング、サンドブラストなどにより粗面化した後に、各熱電半導体と導電性接合部材とを接合するので、接合面の面積が増大し、接合強度が向上する。
請求項12の発明は、請求項8又は請求項10の発明において、導電性中間部材を容器状にし、該容器状に形成された導電性中間層材に熱電半導体を充填した後にブロック体を形成するので、導電性中間部材の厚さを均一にすることができるとともに、製造工程の省力化を図ることができる。
【0016】
請求項13の発明は、請求項8又は請求項10又は請求項11の発明において、ブロック体を形成する前に、導電性接合部材の表面に、メッキ、スパッタリング、ペースト塗布等のいずれかの方法により導電性中間部材を形成する工程を有するので、導電性接合部材と導電性中間層部材との接合強度が向上する。
請求項14の発明は、請求項8又は請求項10又は請求項11の発明において、ブロック体を形成する前に、各熱電半導体の表面に、メッキ、スパッタリング、ペースト塗布等のいずれかの方法により導電性中間部材を形成する工程を有するので、導電性接合部材と導電性中間層部材との接合強度が向上する。
【0017】
請求項15の発明は、請求項1の発明において、上記第3の工程は、導電性接合部材の一部をダイシングソーなどを用いた機械加工により除去するので、加工時間を短くできるとともに熱負荷が小さく、生産性が向上する。
請求項16の発明は、請求項1の発明において、上記第3の工程は、導電性接合部材の一部をレーザにより除去するので、請求項15の発明に比べて微細加工が可能となり、熱電変換モジュールの小型化が可能となる。
【0018】
請求項17の発明は、請求項1の発明において、上記第3の工程は、小ブロック体を導電性接合部材の除去部が開孔されたマスクを設けた後に、サンドブラストにより導電性接合部材の一部を除去するので、マスクを併用することにより広範囲での加工が可能となり、生産性が向上する。
請求項18の発明は、請求項1の発明において、熱電変換モジュールへの通電時に各熱電半導体の結晶面が通電方向に対して平行に配向するように各熱電半導体を形成するので、熱電半導体の性能が高くなる方向と熱電半導体への通電方向とが一致するから、熱電変換モジュールの性能が向上する。
【0019】
請求項19の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材が除去された除去部を樹脂などの絶縁性材料で充填するので、熱電半導体の強度及び電極の接合強度が向上し、耐衝撃性、耐振動性が向上し、防湿、酸化防止、電気絶縁、ホイスカー発生抑制などを図ることができる。
請求項20の発明は、請求項19の発明において、絶縁性材料として熱伝導率が略0.01W/mK乃至略0.5W/mKの低熱伝導率材料を使用するので、熱電変換モジュールの吸熱面と放熱面との間の熱短絡が抑制され、熱電変換モジュールの性能が向上する。
【0020】
請求項21の発明は、請求項19の発明において、絶縁性材料としてシリコーン樹脂のような柔軟性のある材料を使用するので、熱電変換モジュールへの通電時に発生する熱応力が緩和されるとともに、耐衝撃性が向上するから、熱電変換モジュールの信頼性が向上する。
請求項22の発明は、請求項19の発明において、絶縁性材料としてエポキシ樹脂のような熱電半導体との接合強度が熱電半導体の引っ張り強度以上の高接着性樹脂を使用するので、絶縁性材料と熱電半導体との接合強度が向上し、絶縁性材料の剥離や脱落を防止することができる。
【0021】
請求項23の発明は、請求項19の発明において、絶縁性材料として300℃以上の耐熱性を有するエポキシ樹脂やポリイミド樹脂のような高耐熱性材料を使用するので、絶縁性材料の耐熱性が向上して信頼性が向上する。また、熱電変換モジュールが焼損する場合も容易に発火しないので、安全性が向上する。
請求項24の発明は、請求項19乃至請求項23の発明において、上記除去部を絶縁性材料で充填する前に、化学的エッチング、サンドブラスト等により各熱電半導体の表面を粗面化するので、接合部でのアンカー効果が大きくなり、絶縁性材料の接合強度が向上する。
【0022】
請求項25の発明は、請求項1又は請求項19の発明において、上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に熱伝導率の高い金属薄膜を形成する工程を有するので、熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に熱伝導率の高い金属薄膜を形成することにより、放熱板もしくは絶縁板との良好な熱伝導性を得ることができるとともに、電極の接合部の熱応力を緩和することができる。また、熱電半導体や電極の表面の酸化を抑制するとともに防湿性を高めることができる。
【0023】
請求項26の発明は、請求項1又は請求項19の発明において、上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に導電性薄膜を形成もしくは導電性薄板を接合する工程を有するので、熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に導電性薄膜又は導電性薄板を設けることにより、電極の接合強度を高めることができ、さらに、電極への電流の集中を抑制することができる。また、熱電半導体や電極の表面の酸化を抑制するとともに防湿性を高めることができる。
【0024】
請求項27の発明は、請求項1又は請求項19又は請求項25又は請求項26の発明において、上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの全面に樹脂等の絶縁性材料をコーティングする工程を有するので、熱電変換モジュールの全面に絶縁性材料をコーティングすることにより、放熱板や吸熱板など熱交換器との電気絶縁性を高めることができるとともに、熱電半導体や電極の表面の酸化を抑制でき、さらに、防湿性を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の熱電変換モジュールの製造方法を図1に基づいて説明する。なお、熱電半導体の材料としては、p形熱電半導体1は(Sb,Bi) 2 Te 3 を主成分とし、n形熱電半導体2はBi2 (Te,Se)3 を主成分としている。
【0026】
本実施形態では、まず、図1(a)に示すように、矩形板状のp形熱電半導体1と、矩形板状のn形熱電半導体2とを、矩形板状であって熱伝導率の高い(例えば、Al製やAl合金製の)導電性接合部材3を介して接合する(例えば、押し出し、ホットプレス、熱間静水圧プレスなどにより接合する)ことによって、p形熱電半導体1とn形熱電半導体2とが導電性接合部材3を介して交互に配設されたブロック体4を形成する。すなわち、ブロック体4は、各部材が、導電性接合部材3、p形熱電半導体1、導電性接合部材3、n形熱電半導体2、導電性接合部材3、p形熱電半導体1、・・・、導電性接合部材3の順に図1(a)の左右方向に積層されている。なお、本実施形態では、各熱電半導体1,2の厚さを略0.5mm、導電性接合部材3の厚さを略0.2mmとし、各部材1,2,3の縦寸法(図1(a)のブロック体4の上下方向の寸法)及び幅寸法(図1(a)のブロック体4の奥行きの寸法)は同一にしてあり、上記縦寸法は10〜500mm程度、上記幅寸法は5mm程度にしてある。
【0027】
図1(a)のブロック体4を形成した後は、ダイシングソーなどによってブロック体4を図1(b)に示すように各熱電半導体1,2それぞれと導電性接合部材3との接合面に対して横断するように切断する(スライスする)ことにより、複数の矩形板状の小ブロック体5を形成する。なお、本実施形態では、各小ブロック体5は、厚さが2.0mm程度のなるように切断する。また、本実施形態では、p形熱電半導体1、n形熱電半導体2、導電性接合部材3及びブロック体4の幅寸法を5.0mmにしてあるが、例えば幅寸法が15mm程度のブロック体4’を形成した後に、幅寸法が5.0mmになるようにブロック体4’を切断してブロック体4を形成してもよい。
【0028】
図1(b)の小ブロック体5を形成した後は、図1(c)に示すように、小ブロック体5の導電性接合部材3の一部を、小ブロック体5の厚み方向に対して、例えば刃部の材料にダイヤモンドを用いたダイシングソー7によって機械的に除去する。以後、この除去工程により残った部分の導電性接合部材3を電極6と称す。ところで、各導電性接合部材3は、交互に、小ブロック体5の厚み方向の反対側が一部除去される。すなわち、図1(c)に示すように導電性接合部材3を1枚おきに小ブロック体5の下部において導電性接合部材3よりなる電極6が残るように除去し、さらに、電極6間に存在する導電性接合部材3を小ブロック体5の上部において導電性接合部材3よりなる電極6が残るように除去することによって、図1(d)に示すような熱電変換モジュール100が形成される。
【0029】
ここに、熱電変換モジュール100は、図1(d)に示すように、複数のp形熱電半導体1と複数のn形熱電半導体2とが、電極6、p形熱電半導体1、電極6、n形熱電半導体2、電極6、p形熱電半導体1、電極6、n形熱電半導体2、・・・、電極6の順で配設されており、p形熱電半導体1とn形熱電半導体2とが交互に直列接続される。
【0030】
ところで、ダイシングソー7の刃部の厚さを導電性接合部材3の厚さと同程度にしておけば、両熱電半導体1,2を過剰に削除することなく、1度の位置決めで導電性接合部材3の上記一部の除去を行うことができる。また、複数のダイシングソー7を両熱電半導体1,2の厚さで決まる所定間隔で配置し、一度に複数の導電性接合部材3の上記一部の除去を行えば、除去工程に要する時間を短縮することができる。
【0031】
しかして、本実施形態では、導電性接合部材3と各熱電半導体1,2とを接合してブロック体4を形成した後にブロック体4を所望の厚さに切断して小ブロッ体5を形成し、小ブロック体5の導電性接合部材3を部分的に除去することにより電極6を形成するので、従来のように各熱電半導体1,2を別々に所望の大きさに成形する必要がなく、所望の大きさに成形された各熱電半導体1,2を配設する工程や各熱電半導体1,2ごとに電極6を接合するための工程も不要となるから、製造工程の簡略化を図ることができ、歩留りを向上できるとともに、熱電変換モジュール100の低コスト化を図ることができる。また、導電性接合部材3のみを除去することにより電極6を形成できるので、比較的単価の高い熱電半導体1,2を有効に利用することができるとともに、熱電半導体1,2の割れや破損が発生しにくく材料歩留りや製品歩留りの向上を図ることができる。また、ブロック体4を形成する工程と、小ブロック体5を形成する工程とにより熱電変換モジュール100のサイズが決まるので、熱電変換モジュール100の形状の制御が容易であり、熱電変換モジュール100の小型化を図ることができるとともに、サイズの異なる熱電変換モジュール100を容易に作製することができる。さらに、熱電変換モジュール100の放熱面及び吸熱面となる厚み方向に直交する両面を略平滑に形成することができるので、放熱面及び吸熱面と熱交換基板もしくは熱交換器との接合部の熱損失の減少を図ることができ、高性能で信頼性の高い熱電変換モジュール100を製造することができる。
【0032】
また、本実施形態では、導電性接合部材3をダイシングソー7などによって除去するので、加工時間を短くできるとともに熱負荷が小さく、生産性が向上する。
なお、本実施形態では、各熱電半導体1,2及び導電性接合部材3の形状が矩形板状である場合について説明したが、こらら各部材1,2,3は、棒状(角柱状)であってもよい。
【0033】
(実施形態2)
本実施形態の熱電変換モジュールの製造方法を図2に基づいて説明する。本実施形態は、p形熱電半導体1、n形熱電半導体2、導電性接合部材3を押し出し加工により接合する点に特徴があり、それ以外の製造方法については実施形態1と同様であるから説明は省略する。
【0034】
本実施形態では、まず、図2(a)に示すように有底筒状のAl製のカプセル8に熱電半導体粉末を充填する。ここに、カプセル8は、カプセル8に一体形成されカプセル8の軸方向に平行な複数の仕切壁8bによって内部空間が複数の短冊状の充填孔8a(収納室)に分割されており、粒径が10〜500μm程度のp形熱電半導体粉末1’及びn形熱電半導体粉末2’を、充填孔8aに交互に充填する。つまり、ある充填孔8aにp形熱電半導体粉末1’を充填した場合には、その隣接する充填孔8aにはn形熱電半導体粉末2’を充填する。なお、本実施形態におけるカプセル8の形状は、外径を68.0mm、軸方向の長さ(高さ)を300mmとし、充填孔8aは短辺の長さを2.24mm、長辺の長さを22.4mm、深さを200mmとし、充填孔8a間の距離(つまり、仕切壁8bの厚さ)を0.89mmとしてあるが、カプセル8の形状や寸法は特に限定するものではなく、押し出し加工機のコンテナの形状や押し出し比に依存し、充填孔8aの形状や寸法はカプセル8の形状に応じて適宜設定することができる。
【0035】
ところで、本実施形態では、カプセル8の材料をAlとしたが、カプセル8の材料はAlに限定するものではなく、線膨張率、押し出し加工時の変形抵抗が熱電半導体1,2と同程度の材料であればよく、例えばAl合金であってもよい。カプセル8の充填孔8aに各熱電半導体粉末1’,2’を充填した後は、図2(b)に示すように、脱気管9aを備えたAl製のカプセル蓋9とカプセル8とを溶接などにより接合することによって、押し出し加工用のビレット10を作製する。なお、粉末充填からの一連の作業は、各熱電半導体粉末1’,2’の酸化による熱電特性劣化を防止するために、N2 ガスなどの不活性ガスの雰囲気中、H2 ガスなどの酸化還元ガスの雰囲気中、あるいは真空中のいずれかで行うことが望ましい。その後、脱気管9aを通してビレット10の脱気処理(例えば、300℃で2時間程度の脱気処理)を行い、充填孔8aの真空度が1.0×10-3Torr程度(0.133Pa程度)になるようにする。
【0036】
そして、図2(c)に示すように、ビレット10を押し出し加工装置20内のコンテナ21にセッテイングする。ここに、セッテイングにあたっては、押し出し加工性を良くするために、ビレット10を300〜500℃で2時間程度保持してビレット10内部まで充分に加熱することによりビレット10に延性を付与して、押し出し加工時の変形抵抗を小さくすることが望ましい。
【0037】
次に、図2(d)に示すように、ステム23を移動させてビレット10を押圧することにより、押し出し加工(静水圧押し出し加工)を行う。なお、図2(c),(d)中の22はダイを示し、24は圧媒(例えば、ひまし油やグリスなど)を示す。押し出しの条件としては、例えば、押し出し時のビレット10の温度は300〜500℃、押し出し比は5〜50、ステム速度は1〜20mm/secにすればよい。
【0038】
次に、図2(e)に示すように、押し出し加工装置20から押し出されたビレット10’(押し出し部材)を焼結用の加熱炉30の中に入れ、N2 ガスなどの不活性ガスの雰囲気中、H2 ガスなどの酸化還元ガスの雰囲気中、あるいは真空中のいずれかで350℃〜450℃、10分〜10時間の熱処理を行うことにより、p形熱電半導体粉末1’及び熱電半導体粉末2’の焼結を行う。そして、p形熱電半導体粉末1’及び熱電半導体粉末2’が焼結された後のビレット10’を実施形態1のブロック体4として以後実施形態1と同様の工程により熱電変換モジュール100を作製すればよい。
【0039】
ところで、本実施形態では、上述のように導電性接合部材3として各熱電半導体1,2と同程度の線膨張率及び変形抵抗を有する金属を用い、導電性接合部材3と各熱電半導体1,2とを押し出し加工により接合するので、一括して複数の導電性接合部材3と複数の各導電形の熱電半導体1,2とを接合することができる。また、各熱電半導体1,2と導電性接合部材3との線膨張率が同程度であることから、熱電変換モジュール100への通電時に電極6の接合界面における熱応力の発生を抑制することができ、信頼性が向上する。また、各熱電半導体1,2と導電性接合部材3との変形抵抗が同程度であるから、押し出し加工時の形状制御が容易となる。また、導電性接合部材3と各熱電半導体1,2とを押し出し加工により接合するので、一度に大量のブロック体4を形成することが可能であり、生産性が向上する。ここで、導電性接合部材3として変形抵抗が小さい金属を用いることにより、押し出し加工後の形状の制御が容易になるとともに、押し出し速度を速くすることができ生産性が向上する。
【0040】
ところで、本実施形態では、各熱電半導体粉末1’,2’をカプセル8内の所定位置に充填した後、押し出し加工を行うことにより導電性接合部材3と各熱電半導体1,2とを接合するので、押し出し形状の制御が容易になるとともに、押し出し加工により押し出された熱電半導体1,2が多結晶になり、熱電半導体1,2の機械的強度が向上する。また、押し出し加工前の熱電半導体1,2を粉末としたことにより押し出し加工時における熱電半導体1,2の変形抵抗が小さくなるので、押し出し速度が向上し生産性が向上する。
【0041】
また、押し出し加工後に、押し出された押し出し部材を焼結するので、熱電半導体1,2の機械的強度の向上及び熱電半導体1,2と導電性接合部材3との接合強度の向上が図られる。
(実施形態3)
本実施形態は、p形熱電半導体粉末1’及びn形熱電半導体粉末2’を予め所定の形状になるよう圧粉成形してp形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”を作製した後に、p形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”をAl製のカプセル8に充填することを特徴とし、それ以外の方法については実施形態2と同様なので説明を省略する。
【0042】
本実施形態では、図3(a)に示すように一面開口した矩形箱状のゴム製容器40の充填孔40aにp形熱電半導体粉末1’及びn形熱電半導体粉末2’をそれぞれ別々に充填する。なお、本実施形態では、ゴム製容器40の充填孔40aは、短辺の長さを2.52mm、長辺の長さを24.9mm、深さを225mmとしてある。
【0043】
複数のゴム製容器40に熱電半導体粉末1’,2’を別々に充填した後は、図3(b)に示すように、ゴム製容器40にゴム製蓋40bを取り付けて気密シールしてCIP(冷間静水圧プレス)用の炉50内の圧力媒体中に投入し、ゴム製容器40とゴム製蓋40bとで構成される成形型の外表面に法線方向の均一な圧力を加える(例えば、10〜100kg/mm2 の加圧力で等方的にCIPを行う)。その後、図3(c)に示すように、上記成形型から離型したp形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”をAl製のカプセル8の充填孔8aに挿入し、実施形態2と同様に、脱気管9aを備えたAl製のカプセル蓋9とカプセル8とを溶接などにより接合することによって、押し出し加工用のビレット10を作製する。その後の製造工程は実施形態2と同様である。
【0044】
本実施形態では、p形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”をAl製のカプセル8の充填孔8aに充填(挿入)するので、実施形態2のようにカプセル8の充填孔8aに熱電半導体粉末1’,2’を充填する場合に比べて熱電半導体の取扱いが容易になるとともに、熱電半導体が酸化しにくくなる。
(実施形態4)
本実施形態は、p形熱電半導体1、n形熱電半導体2、導電性接合部材3を一体化したブロック体4の形成方法に特徴があり、p形熱電半導体粉末1’、n形熱電半導体粉末2’を後述のように加圧焼結することによりブロック体4を形成している。なお、ブロック体4を形成した後の製造方法は実施形態1と同様であるから説明は省略する。
【0045】
本実施形態では、図4(a)に示すように、上面に矩形状の充填孔71(凹所)を有する金型70の上記充填孔71に、所定量のp形熱電半導体粉末1’もしくはn形熱電半導体粉末2’を粉末充填用容器72の先端部72aを通して充填する。なお、本実施形態では、上記充填孔71の寸法は、短辺を2.1mm、長辺を5.1mm、深さを2.8mmとしてある。
【0046】
金型70の充填孔71にp形熱電半導体粉末1’もしくはn形熱電半導体粉末2’を充填した後は、図4(b)に示すように予備圧粉用のパンチ73によりp形熱電半導体粉末1’もしくはn形熱電半導体粉末2’を加圧することによって予備圧粉を行い矩形板状のp形熱電半導体圧粉体1”及び矩形板状のn形熱電半導体圧粉体2”を形成する。ここで、上記パンチ73の先端部73aの断面形状は充填孔71の断面形状と略等しくかつ圧粉の作業をスムーズに行えるように0.2mm程度のクリアランスを設けてある。
p形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”を形成した後は、図4(c)に示すように、ホットプレス装置80のベース部81上に、p形熱電半導体圧粉体1”とn形熱電半導体圧粉体2”とを導電性接合部材3を介して交互に積層する。つまり、ホットプレス装置80のベース部81上には、導電性接合部材3、p形熱電半導体圧粉体1”、導電性接合部材3、n形熱電半導体圧粉体2”、導電性接合部材3の順に積層されることになる(以後、この積層したものを積層体と称す)。なお、本実施形態では、導電性接合部材3の外形寸法は、短辺の長さを2.1mm、長辺の長さを5.1mm、厚さを0.2mmとしてあり、熱電半導体圧粉体1”,2”と導電性接合部材3とは互いに接触する面を略同じ外形寸法に形成してある。
【0047】
ホットプレス装置80のベース部81上にp形熱電半導体圧粉体1”、導電性接合部材3、n形熱電半導体圧粉体2”を積層した後は、ホットプレス装置80の備えているヒータ84,85により雰囲気温度を350℃〜450℃程度に加熱した状態で、図4(d)に示すように、ホットプレス用のパンチ83を下降させて上記積層体を加圧焼結し、冷却後に取り出すことにより図4(e)に示すようなブロック体4が得られる。なお、ホットプレス装置による成形条件としては、例えば成形圧を30kg/mm2 〜100kg/mm2 、成形時間を10分〜10時間とし、N2 ガス等の不活性ガス雰囲気中、H2 ガスなどの酸化還元ガス雰囲気中、あるいは真空中のいずれかにて加圧することが望ましい。
【0048】
本実施形態では、各熱電半導体1,2の加圧と焼結とを同時に行うので、p形熱電半導体及びn形熱電半導体の機械的強度が向上してブロック体4の強度が向上する。また、各熱電半導体1,2の加圧と焼結とを同時に行うことにより、各熱電半導体1,2の結晶面が一軸に配向するので、各熱電半導体1,2の熱電特性が向上する。なお、導電性接合部材3としては各熱電半導体1,2と同程度の弾性率を有する材料を用いればよく、例えばAlやAl合金を用いればよい。
【0049】
(実施形態5)
ところで、実施形態4では予備圧粉されたp形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”をホットプレス装置80により加圧焼結していたが、本実施形態では、熱間静水圧プレス(HIP)によりp形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”を加圧焼結する点を特徴とし、それ以外の製造方法は実施形態4と同様なので説明を省略する。
【0050】
本実施形態では、まず、図5(a)に示すように、予備圧粉されたp形熱電半導体圧粉体1”と、n形熱電半導体圧粉体2”と、導電性接合部材3とを、上面開口した直方体状の金属製カプセル15の収納室15aに実施形態4と同様の順番で積層し(つまり、導電性接合部材3、p形熱電半導体圧粉体1”、導電性接合部材3、n形熱電半導体圧粉体2”、導電性接合部材3、p形熱電半導体圧粉体1”、・・・の順に積層し)、金属製カプセル15に金属製の蓋15bを取着する。その後、300℃で2時間の加熱脱気処理を行うことにより、p形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”それぞれの表面に吸着している吸着ガスを除去し、金属製カプセル15内の真空度が1.0×10-3Torr程度(0.133Pa程度)になるようにする。
【0051】
次に、図5(b)に示すように、金属製カプセル15を圧力容器(HIP用炉)内の所定の位置に設置し、アルゴンガスや窒素ガスを圧力媒体として、高温高圧で加圧焼結を行う。なお、この時の雰囲気温度は350℃〜450℃、成形圧は30kg/mm2 〜100kg/mm2 、成形時間は10分〜10時間とする。
【0052】
本実施形態では、加圧と焼結とを同時に行っているので、焼結中のネック(ネック形成)の再結合が促進されるから各熱電半導体1,2の機械的強度が向上し、結果として熱電変換モジュール100の機械的強度が向上する。
(実施形態6)
本実施形態は、p形熱電半導体圧粉体1”及びn形熱電半導体圧粉体2”を導電性接合部材3’を介して交互に積層し、押し出し加工を行う点に特徴がある。なお、押し出し加工によってブロック体4’を形成した後の製造方法は実施形態1と同様であるから説明を省略する。
【0053】
本実施形態では、図6(a)に示すp形熱電半導体圧粉体1”(n形熱電半導体圧粉体2”)の全面に、プラズ溶射によりSn膜400を形成する(図6(b)参照)。ここに、Sn膜400は導電性中間部材を構成する。なお、本実施形態では、Sn膜400の膜厚は押し出し比が20の場合には5μm以上必要であり、押し出し比が大きくなるにつれて押し出し後のSn膜400’の膜厚が薄くなるので、押し出し比に応じてSn膜400の膜厚を変化させることが望ましい。また、押し出し加工後の加熱処理の温度、つまり、焼結温度が高い場合にはSnの拡散量が多くなるので、焼結温度が高いほどSn膜400の膜厚を厚くすることが望ましい。以上の点を考慮して本実施形態では、Sn膜400の膜厚を10μm〜200μmとしてある。以下、Sn膜400の形成方法について説明する。
【0054】
まず、p形熱電半導体圧粉体1”(n形熱電半導体圧粉体2”)の表面をサンドペーパ(例えば、FUJISTAR400番相当)で研磨した後に、エタノール中にて超音波洗浄し(例えば、2分程度)、乾燥後に、p形熱電半導体圧粉体1”(n形熱電半導体圧粉体2”)の全面をプラズマエッチング(エッチング条件としては、例えば、RFパワー:300W、エッチングガス:Ar、エッチング圧力:6.6Pa、エッチング時間:1分)することにより清浄化し、該清浄化された表面に、減圧プラズマ溶射(アーク放電電力:5kW、圧力:1kPa、雰囲気ガス:Ar)によってSn膜400を形成する。
【0055】
Sn膜400を形成した後は、Sn膜400表面に減圧プラズマ溶射(アーク放電電力:5kW、圧力:1kPa、雰囲気ガス:Ar)によりMo膜401を形成する(図6(c)参照)。なお、本実施形態では、Mo膜401の膜厚を3μm以上にしてあるが、Mo膜401の膜厚の設定については、Sn膜400の膜厚を決める場合と同様の配慮が必要である。なお、減圧プラズマ溶射において雰囲気ガスとしてArを使用することにより酸化を防止することがき、良好な接合を得ることができる。また、圧力が低いほどプラズマジェットの流速や高温領域が増大して密着力が向上し、圧力としては20kPa以下にすることが望ましい。
【0056】
また、図6(d)に示す例えばアルミニウム板よりなる導電性接合部材3’の表面を粗面化するために該表面を機械的に切削することにより、導電性接合部材3’の表面に凹凸を形成する(図6(e)参照)。その後、導電性接合部材3’の表面にスパッタリングによりMo膜411を形成する。なお、本実施形態では、Mo膜411の膜厚は0.5μm以上としている。
【0057】
そして、図6(g)に示すようにSn膜400及びMo膜401が形成された熱電半導体圧粉体1”,2”をMo膜411が形成された導電性接合部材3’を介して交互に積層し、押し出し加工を行うことにより図6(h)に示すようなブロック体4’が得られる。ここに、Mo膜401,411は拡散防止層を構成する。
【0058】
本実施形態の接合法によれば、各熱電半導体1,2中にSnが拡散しやすくので、Sn膜400と各熱電半導体1,2との接合強度が向上する。ここに、熱電半導体1,2中にSnが拡散されたことによる熱電半導体1,2の性能劣化や経時劣化は小さく、熱電変換モジュールの熱電性能の信頼性を損なうことはない。
【0059】
また、他の導電性中間部材であるMo膜401,411は、拡散防止効果が高く接合部材としても有効なので、Mo膜401,411を通るような相互拡散が防止され、相互拡散による接合強度の低下や熱電半導体1,2の熱電性能の経時劣化が抑制される。
また、本実施形態では、p形熱電半導体圧粉体1”,n形熱電半導体圧粉体2”,導電性接合部材3’それぞれの表面を粗面化することにより接合面の面積を増大させているので、接合強度が向上する。しかも、導電性中間部材であるMo膜411を導電性接合部材3の表面にスパッタリングにより形成して密着させているので、導電性接合部材3とMo膜411の接合強度が高められる。なお、Mo膜411などの導電性中間部材を導電性接合部材3’の表面に形成する方法としてはスパッタリングに限定するものではなく、メッキやペースト塗布などの方法を用いてもよい。
【0060】
ところで、本実施形態では、導電性中間部材としてSn膜400を用いているが、導電性中間部材はSn膜に限定するものではなく、Bi膜やSb膜などを用いてもよい。また、拡散防止層は、Mo膜に限定するものではなく、Ni膜やTi膜やAl膜などを用いてもよい。
(実施形態7)
本実施形態では、実施形態6で述べたMo膜401が形成された熱電半導体1、2とMo膜が形成された導電性接合部材3’との間に、図7に示すようにCu箔もしくはCu板よりなる延性の高い導電性金属部材402(導電性中間部材)を介在させていることを特徴とする。本実施形態では、導電性金属部材402を介在させることにより、実施形態6の製造方法に比べて押し出し加工時(加圧接合時)に接合界面で発生する応力を緩和することができ、応力が緩和されることにより、押し出し加工時の形状制御性が向上するので、押し出し加工により形成されたブロック体4をスライスして小ブロック体5を形成する工程の歩留りの向上を図ることができる。なお、本実施形態では、導電性金属部材402の厚さは10μm〜200μmとしてある。また、導電性金属部材402はCuに限定するものではなく、Ag,Au,Pb,Alなどを用いてもよい。
【0061】
(実施形態8)
ところで、熱電半導体1,2が粉末(p形熱電半導体粉末1’,n形熱電半導体粉末2’)である場合、実施形態6の製造方法を適用することができないので、本実施形態では、図8(a)に示すような導電性中間部材であるSnよりなる直方体状の容器55にp形熱電半導体粉末1’(n形熱電半導体粉末2’)を充填し、図8(b)に示すように容器55に導電性中間層材であるSn製の蓋56を取着し、図8(c)に示すように、p形熱電半導体粉末1’が充填された容器55と、n形熱電半導体粉末2’が充填された容器55とを導電性接合部材3’を介して交互に積層した後に、押し出し加工を行う。なお、本実施形態では、容器55の外形は、短辺の長さを2.23mm、長辺の長さを11.15mm、高さを200mmとし、容器55の各周壁の厚さを100μmとしてある。
【0062】
本実施形態では、導電性中間部材を容器状にしているので、導電性中間部材の厚さを均一にすることができるという利点がある。また、導電性中間部材を容器状にして各熱電半導体粉末1’,2’を充填するので、製造工程の省力化を図ることができる。
(実施形態9)
本実施形態は、実施形態1で説明した小ブロック体5を形成した後、小ブロック体5から導電性接合部材3の一部を除去することにより電極6を形成する工程で、ダイシングソー7を用いる代わりに、レーザLA(例えば、エキシマレーザ)を用いる点に特徴がある。以下、図9に基づいて説明するが、同図(a)〜()の左側の図は小ブロック体5(もしくは熱電変換モジュール100)の正面図を示し、右側の図は上記左側の部材の側面図を示す。
【0063】
図9(a)に示すような小ブロック体5の導電性接合部材3の一部を除去して図9(d)に示すような複数の電極6を形成するには、まず図9(b)に示すように小ブロック体5の上面(図9(b)の上側)から下方に向かって(矢印Aの向きに)レーザ光LBを走査することにより導電性接合部材3を1つおきにその一部を除去して電極6を形成し、次に、図9(c)に示すように小ブロック体5の下面(図9(c)の下側)から上方に向かって(矢印Bの向きに)レーザ光LBを走査することにより導電性接合部材3を1つおきにその一部を除去して電極6を形成する。なお、導電性接合部材3は、小ブロック体5の上面からもしくは下面からどちらか一方からしか除去しない。
【0064】
なお、レーザ光LBを1回走査しただけで導電性接合部材3を所望の量だけ除去できない場合には、レーザ光LBを適宜往復走査すればよい。
本実施形態では、電極6を形成する工程において、ダイシングソー7を用いる場合に比べて微細加工が可能になるとともに、ダイシングソー7で加工できないような加工を施すことも可能となる。
【0065】
(実施形態10)
本実施形態は、実施形態1で説明した小ブロック体5を形成した後、小ブロック体5から導電性接合部材3の一部を除去することにより電極6を形成する工程で、ダイシングソー7を用いる代わりに、サンドブラストにより導電性接合部材3の一部を除去する点に特徴がある。
【0066】
本実施形態では、 図10(a)に示すような小ブロック体5の導電性接合部材3の一部を除去して図10(d)に示すような複数の電極6を形成するには、図10(a)に示すような複数の電極6を形成するには、まず図10(b)に示すように小ブロック体5の正面(図10(b)の紙面表側)に、除去部以外を覆うような(除去部に対応する部位に開口部58aを有する)金属製マスク58を設け、サンドブラストを行うことにより各導電性接合部材3の一部を除去して電極6を形成する。その後、金属製マスク58を取り除くことにより、図10(c)に示すような所望の電極6を有する熱電変換モジュール100が得られる。
【0067】
本実施形態では、小ブロック体5を構成する導電性接合部材3を広い範囲で一括して加工することが可能となるので、電極6を形成する工程の時間を短縮することができ、生産性が向上する。
(実施形態11)
本実施形態は、p形熱電半導体1及びn形熱電半導体2の結晶面であるc面(結晶軸a,b,cにより定義される)が、通電方向に対して平行に配向するようにp形熱電半導体1及びn形熱電半導体2を導電性接合部材3と一体化した点に特徴がある。なお、一体化した後の工程は実施形態1と同様なので説明を省略する。
【0068】
ところで、上記実施形態でp形熱電半導体1の主材料である(Sb,Bi)2 Te 3 系化合物半導体の結晶及びn形熱電半導体2の主材料であるBi2 (Te,Se)3 系化合物半導体の結晶は菱面体構造をもつ層状化合物であり、その結晶対称性から熱電気輸送現象に大きな異方性を示す(大きな異方性を有するので、通電方向により導電率に大きな違いが生じる)。この単結晶のc軸に垂直な方向(つまり、c面に平行な方向)は、c軸に平行な方向よりも導電率が大きいので熱電性能指数Zが大きく、またa軸方向が結晶の成長方向であるため実用には一方向凝固によって成長方向にa軸をそろえた大きな結晶粒からなる多結晶材料が使用されている。なお、c面に平行な方向への結晶構造がイオン結合と共有結合とで構成されているのに対し、c面に垂直な方向(c軸方向)へは分子間結合が含まれているので、c軸方向への導電率が減少する。
【0069】
本実施形態では、図11に示すようなp熱電半導体インゴット17(n形熱電半導体インゴット18)をc面が熱電変換モジュール100を構成した場合の通電方向に対して平行に配向するように角柱状(もしくは平板状)に切り出し(図11(b)参照)、該切り出されたp形熱電半導体1及びn形熱半導体2を導電性接合部材3を介在させて図11(c)に示すブロック体4を形成する。なお、図11(d)に示すように、p熱電半導体インゴット17(n形熱電半導体インゴット18)及びp形熱電半導体1(n形熱電半導体2)は結晶面が一軸方向(熱電変換モジュール100を構成した場合における通電方向、つまり、図11(c)の上下方向)に配向している。
【0070】
しかして、本実施形態では、各熱電半導体1,2の熱電性能指数Zが高く得られる方向と熱電変換モジュール100を構成した場合における各熱電半導体1,2の通電方向とを一致させてあるので、熱電変換モジュール100の熱電性能を向上させることができる。
なお、(Sb,Bi) 2 Te 3 系化合物半導体、Bi2 (Te,Se)3 系化合物半導体の熱電特性は、焼結により形成される場合にも単結晶に類似の異方性を有し、焼結前のプレス方向が単結晶のc軸に対応するので、焼結により形成される熱電半導体を用いた場合にも、c面に相当する面に平行な面が上記通電方向に対して平行となる。
【0071】
(実施形態12)
本実施形態では、実施形態1の製造方法により作製した熱電変換モジュール100を図12(a)に示すように一面開口した直方体状の充填用容器110内にセッティングする。ここに、充填用容器110は、離型しやすいように内周面に適宜の表面処理を施してある。
【0072】
次に、図12(b)に示すように、容器111内に貯蔵されている液状の発泡性ポリスチレンのような発泡性樹脂よりなる絶縁性材料112を、導電性接合部材3の一部を除去することにより形成された除去部(p形熱電半導体1とn形熱電半導体2と電極6とで囲まれる空間)に充填し、所定の硬化条件(例えば120℃で2時間のベーキング)で絶縁性材料112を硬化させる。絶縁性材料112が硬化した後、離型して熱電変換モジュール100の上下を逆にして、同様の処理を行うことにより、図12(c)に示すような熱電変換モジュール100’が得られる。
【0073】
なお、熱電変換モジュール100’の上面及び下面に露出すべき電極6の表面に絶縁性材料112が付着したり、あるいは、絶縁性材料112の過不足その他により、熱電変換モジュール100’の放熱面(例えば上記上面)や吸着面(上記下面)の平坦度が損なわれた不良品が万一発生したときは、薬液で清浄したりあるいは機械的研磨により所望の平坦度が得られるように加工すればよい。
【0074】
本実施形態における熱電変換モジュール100’では、熱電変換モジュール100の上記除去部に絶縁性材料112が充填されているので、各熱電半導体1,2の機械的強度及び電極6の接合強度が向上して耐衝撃性、耐振動性を高めることができるとともに、防湿性、酸化防止性、電気絶縁性などを高めることができ、さらに、ホイスカー(ウイスカー)の発生を抑制することもできる。また、上記絶縁性材料112(及び後述の絶縁性材料113、114、115)は比較的熱伝導率が低い(0.01W/mK〜0.5W/mK程度)ので、吸着面と放熱面との間の熱短絡を抑制することができる。
【0075】
(実施形態13)
ところで、実施形態12では導電性接合部材3の一部が除去されることにより形成された除去部に発泡性樹脂よりなる絶縁性材料112を充填していたが、本実施形態では、上記除去部に、図13に示すように、熱加硫型シリコーンゴム(シリコーン樹脂)のような比較的柔軟性の高い樹脂よりなる絶縁性材料113を充填し、所定の硬化条件(例えば100℃で6時間のベーキング)で絶縁性材料113を硬化させる。
【0076】
なお、熱電変換モジュール100’の上面及び下面に露出すべき電極6の表面に絶縁性材料113が付着したり、あるいは、絶縁性材料113の過不足その他により、熱電変換モジュール100’の放熱面(例えば上記上面)や吸着面(上記下面)の平坦度が損なわれた不良品が万一発生したときは、薬液で清浄したりあるいは機械的研磨により所望の平坦度が得られるように加工すればよい。
【0077】
本実施形態における熱電変換モジュール100’では、実施形態1の製造方法により作製された熱電変換モジュール100の上記除去部に、柔軟性を有する絶縁性材料113が充填されているので、熱電変換モジュール100’への通電時に発生する熱応力を緩和することができるとともに、耐衝撃性も向上し、熱電変換モジュール100’の信頼性が向上する。
【0078】
(実施形態14)
ところで、実施形態12では導電性接合部材3の一部が除去されることにより形成された除去部に発泡性樹脂よりなる絶縁性材料112を充填していたが、本実施形態では、上記除去部に、図14に示すように、エポキシ系接着剤のような熱電半導体1,2との接着力が比較的強い(熱電半導体1,2の引っ張り強度以上の)樹脂よりなる絶縁性材料114を充填し、所定の硬化条件(例えば60℃で1時間のベーキング)で絶縁性材料114を硬化させる。
【0079】
なお、熱電変換モジュール100’の上面及び下面に露出すべき電極6の表面に絶縁性材料114が付着したり、あるいは、絶縁性材料114の過不足その他により、熱電変換モジュール100’の放熱面(例えば上記上面)や吸着面(上記下面)の平坦度が損なわれた不良品が万一発生したときは、薬液で清浄したりあるいは機械的研磨により所望の平坦度が得られるように加工すればよい。
【0080】
本実施形態では、上記除去部に各熱電半導体1,2との接着力が比較的大きな絶縁性材料114が充填されているので、絶縁性材料114と各熱電半導体1,2との接合強度が向上し、絶縁性材料114の剥離や脱落を防止することができる。
(実施形態15)
ところで、実施形態12では導電性接合部材3の一部が除去されることにより形成された除去部に発泡性樹脂よりなる絶縁性材料112を充填していたが、本実施形態では、上記除去部に、図15に示すように、例えば高耐熱エポキシ樹脂やポリイミド樹脂のような高耐熱性(300℃以上の耐熱性)を有する絶縁性材料115を充填し、所定の硬化条件(例えば150℃で1時間のベーキング)で絶縁性材料115を硬化させる。
【0081】
なお、熱電変換モジュール100’の上面及び下面に露出すべき電極6の表面に絶縁性材料115が付着したり、あるいは、絶縁性材料115の過不足その他により、熱電変換モジュール100’の放熱面(例えば上記上面)や吸着面(上記下面)の平坦度が損なわれた不良品が万一発生したときは、薬液で清浄したりあるいは機械的研磨により所望の平坦度が得られるように加工すればよい。
【0082】
本実施形態では、上記除去部に、高耐熱性(300℃以上の耐熱性)を有する絶縁性材料115が充填されているので、上記絶縁性材料112〜114を充填している場合に比べて絶縁性材料の耐熱性が向上し、熱電変換モジュール100’の信頼性が向上する。また、熱電変換モジュール100’が焼損するような場合にあっても絶縁性材料115が発火しにくいので、安全性が向上する。
【0083】
(実施形態16)
本実施形態では、実施形態12乃至実施形態15において絶縁性材料112〜115を上記除去部に充填する前に、以下の処理を行う点に特徴がある。
図16(a)に示すような熱電変換モジュール100を図16(b)に示すように純水槽120にて純水洗浄した後、図16(c)に示すように硝酸(10%)が充填されたエッチング槽100に所定時間だけ浸して熱電変換モジュール100の表面を粗面化し、図16(d)に示すように純水槽122にて純水洗浄し、乾燥させる(図16(e)参照)。
【0084】
しかして、本実施形態では、熱電変換モジュール100の表面が化学エッチングにより粗面化されるので、熱電変換モジュール100の上記除去部の内周面における所謂アンカー効果が大きくなり、熱電変換モジュール100への絶縁性材料112〜115の接合強度が向上する。
なお、熱電変換モジュール100の表面の粗面化の方法は化学エッチングに限定するものではなく、例えばサンドブラストなどにより行ってもよい。
【0085】
(実施形態17)
本実施形態では、実施形態1の製造方法で作製された熱電変換モジュール100の上下両面をサンドペーパにより研磨し、さらにプラズマエッチングを行うことにより表面の粗面化を行った後、金属製マスクを装着して、熱電変換モジュール100の放熱面及び吸熱面に、DCプラズマにより所定の条件(例えば、DCパワー:3000W、圧力:4Pa、ガス:Ar、成膜時間:90秒)で熱伝導率の高い金属薄膜131(例えば、膜厚が1.0μmのMo膜)を形成し、上記金属製マスクを離脱することにより図17(a)に示す熱電変換モジュール100”が得られる。同様に、実施形態12乃至実施形態16に示すように上記除去部に絶縁性材料112〜115が充填されている場合であっも、同様の金属製マスクを利用して用いて上記金属薄膜131を形成することにより図17(b)に示す熱電変換モジュール100”が得られる。
【0086】
本実施形態では、熱伝導率の高い金属薄膜131により熱電変換モジュール100(100’)の吸熱面及び放熱面(熱電変換モジュール100の厚み方向の両面における電極6及び各熱電半導体1,2の表面)を被膜してあるので、放熱板もしくは絶縁板との良好な熱伝導性を得ることができるとともに、電極6の接合部の熱応力を緩和することができる。また、各熱電半導体1,2や電極6の表面の酸化を抑制するとともに防湿性を高めることができる。
【0087】
(実施形態18)
本実施形態では、実施形態1の製造方法で作製された熱電変換モジュール100の上下両面をサンドペーパにより研磨し、さらにプラズマエッチングを行うことにより表面の粗面化を行った後、金属製マスクを装着して、熱電変換モジュール100の放熱面及び吸熱面に、RFプラズマにより所定の条件(例えば、RFパワー:200W、圧力:0.4Pa、ガス:Ar、成膜時間:20分)で導電性金属膜132(例えば、膜厚が1.0μmのSn膜)を形成し、さらに、DCプラズマにより所定の条件(例えば、DCパワー:3000W、圧力:4Pa、ガス:Ar、成膜時間:45秒)で熱伝導率の高い金属薄膜131’(例えば膜厚が0.5μmのMo膜)を形成し、金属製マスクを離脱し、その後、電気Cuメッキにより50μmの厚さのCu膜よりなる導電性厚膜133を形成することにより図18(a)に示す熱電変換モジュール100”が得られる。同様に、実施形態12乃至実施形態16に示すように上記除去部に絶縁性材料112乃至115が充填されている場合であっも、同様の金属製マスクを利用して導電性金属膜132及び上記金属薄膜131’を形成した後に、金属製マスクを離脱して導電性厚膜133を形成することにより図18(b)に示す熱電変換モジュール100”が得られる。
【0088】
しかして、本実施形態では、実施形態7に比べて電極6の接合強度がさらに向上し、また、導電性厚膜133が補助電極として働き電極6への電流の集中を抑制することができる。また、実施形態17と同様に、熱電半導体1,2や電極6表面の酸化防止及び防湿性向上を図ることができる。
(実施形態19)
本実施形態では、高い熱伝導性を有する低粘性エポキシ系樹脂よりなる絶縁性材料116を実施形態1の製造方法で作製された熱電変換モジュール100よりも大きな容器に充填し、該熱電変換モジュール100を上記容器内の絶縁性材料116にディップすることにより、図19(a)に示すように、熱電変換モジュール100の全面に絶縁性材料116がコーティングされる。同様に、実施形態12乃至実施形態16に示すように上記除去部に絶縁性材料112乃至115が充填されている場合であっも、熱電変換モジュール100’を上記容器内の絶縁性材料116にディップすることにより、図19(b)に示すように、熱電変換モジュール100’の表面に絶縁性材料116がコーティングされる。
【0089】
本実施形態では、熱電変換モジュール100もしくは100’の全面に絶縁性材料116がコーティングされるので、放熱板や吸熱板などの熱交換器との電気絶縁性を高めることができるとともに、実施形態17と同様に、熱電半導体1,2や電極6表面の酸化防止及び防湿性向上を図ることができる。
【0090】
【発明の効果】
請求項1の発明は、p形熱電半導体とn形熱電半導体とが電極を介して同一方向に交互に配設されるとともに接合され、かつ上記電極が該配設方向に直交する厚み方向の両端側に交互に設けられる熱電変換モジュールの製造方法であって、p形熱電半導体とn形熱電半導体との間に導電性接合部材を設けて接合し一体化することによりブロック体を形成する第1の工程と、上記ブロック体を各熱電半導体と導電性接合部材との接合面に対して略直交するように切断することにより所望の厚さの小ブロック体を形成する第2の工程と、小ブロック体の厚み方向の一端側と他端側とから交互に導電性接合部材の一部を除去することにより導電性接合部材よりなる上記電極を形成する第3の工程とを有するので、導電性接合部材と各熱電半導体とを接合してブロック体を形成した後にブロック体を所望の厚さに切断し、導電性接合部材を部分的に除去することにより電極を形成するから、各熱電半導体を別々に所望の大きさに成形する必要がなく、所望の大きさに成形された各熱電半導体を配設する工程や各熱電半導体ごとに電極を接合するための工程も不要となるから、製造工程の簡略化を図ることができ、歩留りを向上できるとともに、熱電変換モジュールの低コスト化を図ることができるという効果がある。また、導電性接合部材のみを除去することにより電極を形成できるので、比較的単価の高い熱電半導体を有効に利用することができるとともに、熱電半導体の割れや破損が発生しにくく材料歩留りや製品歩留りの向上を図ることができるという効果がある。また、第1の工程と第2の工程とにより熱電変換モジュールのサイズが決まるので、熱電変換モジュールの形状の制御が容易であり、熱電変換モジュールの小型化を図ることができるとともに、サイズの異なる熱電変換モジュールを容易に作製することができるという効果がある。さらに、熱電変換モジュールの放熱面及び吸熱面となる小ブロック体の厚み方向に直交する両面を略平滑に形成することができるので、放熱面及び吸熱面と熱交換基板もしくは熱交換器との接合部の熱損失の減少を図ることができ、高性能で信頼性の高い熱電変換モジュールを製造することができるという効果がある。
【0091】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の線膨張率及び変形抵抗を有する金属を用い、導電性接合部材と各熱電半導体とを押し出し加工により接合するので、押し出し加工により導電性接合部材と各熱電半導体との接合が行われるから、一括して導電性接合部材と各熱電半導体とを接合することができるという効果がある。また、各熱電半導体と導電性接合部材との線膨張率が同程度であることから、熱電変換モジュールへの通電時に電極の接合界面における熱応力の発生を抑制することができ、信頼性が向上するという効果がある。また、各熱電半導体と導電性接合部材との変形抵抗が同程度であるから、押し出し加工時の形状制御が容易となるという効果がある。また、導電性接合部材と各熱電半導体とを押し出し加工により接合するので、押し出し材を切断することで一度に大量のブロック体を形成することが可能であり、生産性が向上するという効果がある。
【0092】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、導電性接合部材を内部に複数の収納室が一方向に列設されたカプセルとし、p形熱電半導体粉末とn形熱電半導体粉末とをカプセルの所定の収納室に充填した後に、押し出し加工を行うことにより導電性接合部材と各熱電半導体とを接合するので、押し出し形状の制御が容易になるとともに、押し出し加工により押し出された熱電半導体が多結晶になり、熱電半導体の機械的強度が向上するという効果がある。また、押し出し加工前の熱電半導体を粉末としたことにより押し出し加工時における熱電半導体の変形抵抗が小さくなるので、押し出し速度が向上し生産性が向上するという効果がある。
【0093】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、導電性接合部材を内部に複数の収納室が一方向に列設されたカプセルとし、p形熱電半導体圧粉体とn形熱電半導体圧粉体とをカプセルの所定の収納室に充填した後に、押し出し加工を行うことにより導電性接合部材と各熱電半導体とを接合するので、押し出し加工前の熱電半導体を圧粉体にしたことにより、粉末の場合に比べて取扱いが容易になるとともに、熱電半導体の酸化を抑制することができるという効果がある。
【0094】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4の発明において、押し出し加工後に、押し出された押し出し部材を焼結するので、押し出し加工後に加熱処理が行われるから、熱電半導体の強度の向上及び熱電半導体と導電性接合部材との接合強度の向上が図られるという効果がある。
請求項6の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の弾性率を有する金属を用い、各熱電半導体として熱電半導体粉末を用い、ホットプレスにより各熱電半導体と導電性接合部材とを接合するので、加圧と焼結とが同時に行われるから、各熱電半導体の機械的強度が向上し、結果として熱電変換モジュールの機械的強度が向上するという効果がある。また、ホットプレスを行うことにより、各熱電半導体の結晶面が一軸に配向するので、各熱電半導体の熱電特性が向上するという効果がある。
【0095】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の弾性率を有する金属を用い、各熱電半導体として熱電半導体粉末を用い、熱間静水圧プレスにより各熱電半導体と導電性接合部材とを接合するので、加圧焼結によりネックの再結合が促進され各熱電半導体の機械的強度が向上し、結果として熱電変換モジュールの機械的強度が向上するという効果がある。
【0096】
請求項8の発明は、請求項1の発明において、各熱電半導体と導電性接合部材との間に、導電性を有し且つ各熱電半導体へ拡散可能であって該拡散による各熱電半導体の性能劣化の少ない導電性中間部材を介在させてブロック体を形成するので、導電性中間部材の構成元素が各熱電半導体に拡散することにより、各熱電半導体の性能劣化なしに、各熱電半導体と導電性接合部材との接合強度を高めることができるという効果がある。
【0097】
請求項9の発明は、請求項1又は請求項8の発明において、各熱電半導体と導電性接合部材との間に、導電性を有し且つ他の部材からの拡散を防止する拡散防止部材を介在させてブロック体を形成するので、拡散防止部材によって、この拡散防止部材を通る相互拡散が抑制されるから、拡散による各熱電半導体と導電性接合部材との接合強度の低下や熱電半導体の性能の経時劣化を防止することができるという効果がある。
【0098】
請求項10の発明は、請求項2の発明において、各熱電半導体と導電性接合部材との間に、高い延性を有する導電性中間部材を介在させて押し出し加工を行うので、加圧接合時に接合界面に発生する応力を低減できるから、押し出し形状の制御が容易になるとともに、押し出し加工により形成されたブロック体を切断する工程における歩留りが向上するという効果がある。
【0099】
請求項11の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材及び熱電半導体の少なくとも一方の表面を、機械的切削、化学エッチング、サンドブラストなどにより粗面化した後に、各熱電半導体と導電性接合部材とを接合するので、接合面の面積が増大し、接合強度が向上するという効果がある。
請求項12の発明は、請求項8又は請求項10の発明において、導電性中間部材を容器状にし、該容器状に形成された導電性中間層材に熱電半導体を充填した後にブロック体を形成するので、導電性中間部材の厚さを均一にすることができるとともに、製造工程の省力化を図ることができるという効果がある。
【0100】
請求項13の発明は、請求項8又は請求項10又は請求項11の発明において、ブロック体を形成する前に、導電性接合部材の表面に、メッキ、スパッタリング、ペースト塗布等のいずれかの方法により導電性中間部材を形成する工程を有するので、導電性接合部材と導電性中間層部材との接合強度が向上するという効果がある。
【0101】
請求項14の発明は、請求項8又は請求項10又は請求項11の発明において、ブロック体を形成する前に、各熱電半導体の表面に、メッキ、スパッタリング、ペースト塗布等のいずれかの方法により導電性中間部材を形成する工程を有するので、導電性接合部材と導電性中間層部材との接合強度が向上するという効果がある。
【0102】
請求項15の発明は、請求項1の発明において、上記第3の工程は、導電性接合部材の一部をダイシングソーなどを用いた機械加工により除去するので、加工時間を短くできるとともに熱負荷が小さく、生産性が向上するという効果がある。
請求項16の発明は、請求項1の発明において、上記第3の工程は、導電性接合部材の一部をレーザにより除去するので、請求項15の発明に比べて微細加工が可能となり、熱電変換モジュールの小型化が可能となるという効果がある。
【0103】
請求項17の発明は、請求項1の発明において、上記第3の工程は、小ブロック体を導電性接合部材の除去部が開孔されたマスクを設けた後に、サンドブラストにより導電性接合部材の一部を除去するので、マスクを併用することにより広範囲での加工が可能となり、生産性が向上するという効果がある。
請求項18の発明は、請求項1の発明において、熱電変換モジュールへの通電時に各熱電半導体の結晶面が通電方向に対して平行に配向するように各熱電半導体を形成するので、熱電半導体の性能が高くなる方向と熱電半導体への通電方向とが一致するから、熱電変換モジュールの性能が向上するという効果がある。
【0104】
請求項19の発明は、請求項1の発明において、導電性接合部材が除去された除去部を樹脂などの絶縁性材料で充填するので、熱電半導体の強度及び電極の接合強度が向上し、耐衝撃性、耐振動性が向上し、防湿、酸化防止、電気絶縁、ホイスカー発生抑制などを図ることができるという効果がある。
請求項20の発明は、請求項19の発明において、絶縁性材料として熱伝導率が略0.01W/mK乃至略0.5W/mKの低熱伝導率材料を使用するので、熱電変換モジュールの吸熱面と放熱面との間の熱短絡が抑制され、熱電変換モジュールの性能が向上するという効果がある。
【0105】
請求項21の発明は、請求項19の発明において、絶縁性材料としてシリコーン樹脂のような柔軟性のある材料を使用するので、熱電変換モジュールへの通電時に発生する熱応力が緩和されるとともに、耐衝撃性が向上するから、熱電変換モジュールの信頼性が向上するという効果がある。
請求項22の発明は、請求項19の発明において、絶縁性材料としてエポキシ樹脂のような熱電半導体との接合強度が熱電半導体の引っ張り強度以上の高接着性樹脂を使用するので、絶縁性材料と熱電半導体との接合強度が向上し、絶縁性材料の剥離や脱落を防止することができるという効果がある。
請求項23の発明は、請求項19の発明において、絶縁性材料として300℃以上の耐熱性を有するエポキシ樹脂やポリイミド樹脂のような高耐熱性材料を使用するので、絶縁性材料の耐熱性が向上して信頼性が向上するという効果がある。また、熱電変換モジュールが焼損する場合も容易に発火しないので、安全性が向上するという効果がある。
【0106】
請求項24の発明は、請求項19乃至請求項23の発明において、上記除去部を絶縁性材料で充填する前に、化学的エッチング、サンドブラスト等により各熱電半導体の表面を粗面化するので、接合部でのアンカー効果が大きくなり、絶縁性材料の接合強度が向上するという効果がある。
請求項25の発明は、請求項1又は請求項19の発明において、上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に熱伝導率の高い金属薄膜を形成する工程を有するので、熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に熱伝導率の高い金属薄膜を形成することにより、放熱板もしくは絶縁板との良好な熱伝導性を得ることができるとともに、電極の接合部の熱応力を緩和することができるという効果がある。また、熱電半導体や電極の表面の酸化を抑制するとともに防湿性を高めることができるという効果がある。
【0107】
請求項26の発明は、請求項1又は請求項19の発明において、上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に導電性薄膜を形成もしくは導電性薄板を接合する工程を有するので、熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に導電性薄膜又は導電性薄板を設けることにより、電極の接合強度を高めることができ、さらに、電極への電流の集中を抑制することができるという効果がある。また、熱電半導体や電極の表面の酸化を抑制するとともに防湿性を高めることができるという効果がある。
【0108】
請求項27の発明は、請求項1又は請求項19又は請求項25又は請求項26の発明において、上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの全面に樹脂等の絶縁性材料をコーティングする工程を有するので、熱電変換モジュールの全面に絶縁性材料をコーティングすることにより、放熱板や吸熱板など熱交換器との電気絶縁性を高めることができるとともに、熱電半導体や電極の表面の酸化を抑制でき、さらに、防湿性を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の製造方法の説明図である。
【図2】実施形態2の製造方法の説明図である。
【図3】実施形態3の製造方法の説明図である。
【図4】実施形態4の製造方法の説明図である。
【図5】実施形態5の製造方法の説明図である。
【図6】実施形態6の製造方法の説明図である。
【図7】実施形態7の製造方法の説明図である。
【図8】実施形態8の製造方法の説明図である。
【図9】実施形態9の製造方法の説明図である。
【図10】実施形態10の製造方法の説明図である。
【図11】実施形態11の製造方法の説明図である。
【図12】実施形態12の製造方法の説明図である。
【図13】実施形態13の製造方法の説明図である。
【図14】実施形態14の製造方法の説明図である。
【図15】実施形態15の製造方法の説明図である。
【図16】実施形態16の製造方法の説明図である。
【図17】実施形態17の製造方法の説明図である。
【図18】実施形態18の製造方法の説明図である。
【図19】実施形態19の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1 p形熱電半導体
2 n形熱電半導体
3 導電性接合部材
4 ブロック体
5 小ブロック体
6 電極
7 ダイシングソー

Claims (27)

  1. p形熱電半導体とn形熱電半導体とが電極を介して同一方向に交互に配設されるとともに接合され、かつ上記電極が該配設方向に直交する厚み方向の両端側に交互に設けられる熱電変換モジュールの製造方法であって、p形熱電半導体とn形熱電半導体との間に導電性接合部材を設けて接合し一体化することによりブロック体を形成する第1の工程と、上記ブロック体を各熱電半導体と導電性接合部材との接合面に対して略直交するように切断することにより所望の厚さの小ブロック体を形成する第2の工程と、小ブロック体の厚み方向の一端側と他端側とから交互に導電性接合部材の一部を除去することにより導電性接合部材よりなる上記電極を形成する第3の工程とを有することを特徴とする熱電変換モジュールの製造方法。
  2. 導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の線膨張率及び変形抵抗を有する金属を用い、導電性接合部材と各熱電半導体とを押し出し加工により接合することをことを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  3. 導電性接合部材を内部に複数の収納室が一方向に列設されたカプセルとし、p形熱電半導体粉末とn形熱電半導体粉末とをカプセルの所定の収納室に充填した後に、押し出し加工を行うことにより導電性接合部材と各熱電半導体とを接合することを特徴とする請求項2記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  4. 導電性接合部材を内部に複数の収納室が一方向に列設されたカプセルとし、p形熱電半導体圧粉体とn形熱電半導体圧粉体とをカプセルの所定の収納室に充填した後に、押し出し加工を行うことにより導電性接合部材と各熱電半導体とを接合することを特徴とする請求項2記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  5. 押し出し加工後に、押し出された押し出し部材を焼結することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  6. 導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の弾性率を有する金属を用い、各熱電半導体として熱電半導体粉末を用い、ホットプレスにより各熱電半導体と導電性接合部材とを接合することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  7. 導電性接合部材として各熱電半導体と同程度の弾性率を有する金属を用い、各熱電半導体として熱電半導体粉末を用い、熱間静水圧プレスにより各熱電半導体と導電性接合部材とを接合することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  8. 各熱電半導体と導電性接合部材との間に、導電性を有し且つ各熱電半導体へ拡散可能であって該拡散による各熱電半導体の性能劣化の少ない導電性中間部材を介在させてブロック体を形成することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  9. 各熱電半導体と導電性接合部材との間に、導電性を有し且つ他の部材からの拡散を防止する拡散防止部材を介在させてブロック体を形成することを特徴とする請求項1又は請求項8記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  10. 各熱電半導体と導電性接合部材との間に、高い延性を有する導電性中間部材を介在させて押し出し加工を行うことを特徴とする請求項2記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  11. 導電性接合部材及び熱電半導体の少なくとも一方の表面を、機械的切削、化学エッチング、サンドブラストなどにより粗面化した後に、各熱電半導体と導電性接合部材とを接合することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  12. 導電性中間部材を容器状にし、該容器状に形成された導電性中間層材に熱電半導体を充填した後にブロック体を形成することを特徴とする請求項8又は請求項10記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  13. ブロック体を形成する前に、導電性接合部材の表面に、メッキ、スパッタリング、ペースト塗布等のいずれかの方法により導電性中間部材を形成する工程を有することを特徴とする請求項8又は請求項10又は請求項11記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  14. ブロック体を形成する前に、各熱電半導体の表面に、メッキ、スパッタリング、ペースト塗布等のいずれかの方法により導電性中間部材を形成する工程を有することを特徴とする請求項8又は請求項10又は請求項11記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  15. 上記第3の工程は、導電性接合部材の一部をダイシングソーなどを用いた機械加工により除去することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  16. 上記第3の工程は、導電性接合部材の一部をレーザにより除去することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  17. 上記第3の工程は、小ブロック体を導電性接合部材の除去部が開孔されたマスクを設けた後に、サンドブラストにより導電性接合部材の一部を除去することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  18. 熱電変換モジュールへの通電時に各熱電半導体の結晶面が通電方向に対して平行に配向するように各熱電半導体を形成することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  19. 導電性接合部材が除去された除去部を樹脂などの絶縁性材料で充填することを特徴とする請求項1記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  20. 絶縁性材料として熱伝導率が略0.01W/mK乃至略0.5W/mKの低熱伝導率材料を使用することを特徴とする請求項19記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  21. 絶縁性材料としてシリコーン樹脂のような柔軟性のある材料を使用することを特徴とする請求項19記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  22. 絶縁性材料としてエポキシ樹脂のような熱電半導体との接合強度が熱電半導体の引っ張り強度以上の高接着性樹脂を使用することを特徴とする請求項19記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  23. 絶縁性材料として300℃以上の耐熱性を有するエポキシ樹脂やポリイミド樹脂のような高耐熱性材料を使用することを特徴とする請求項19記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  24. 上記除去部を絶縁性材料で充填する前に、化学的エッチング、サンドブラスト等により各熱電半導体の表面を粗面化することを特徴とする請求項19乃至請求項23記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  25. 上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に熱伝導率の高い金属薄膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項19記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  26. 上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの厚み方向の両面における電極及び各熱電半導体の表面に導電性薄膜を形成もしくは導電性薄板を接合する工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項19記載の熱電変換モジュールの製造方法。
  27. 上記第1、第2、第3の工程により形成された熱電変換モジュールの全面に樹脂等の絶縁性材料をコーティングする工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項19又は請求項25又は請求項26記載の熱電変換モジュールの製造方法。
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