JP2004281928A - 積層熱電素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化や製造効率の向上が可能になる積層熱電素子を提供すること。
【解決手段】複数のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との一方の面に薄膜状の絶縁層13a,13bを形成し、このP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とを間に絶縁層13a,13bを介在させて交互に積層して積層熱電素子10を構成した。そして、隣接する一対のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との端面どうしを電極14a,14bで交互に接続していくことにより、複数のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とをすべて電気的に接続した。また、隣接する一対のP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との端部どうしの接続を、P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との端部側部分において対向する面を直接接合させることによって行った。
【選択図】 図1
【解決手段】複数のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との一方の面に薄膜状の絶縁層13a,13bを形成し、このP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とを間に絶縁層13a,13bを介在させて交互に積層して積層熱電素子10を構成した。そして、隣接する一対のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との端面どうしを電極14a,14bで交互に接続していくことにより、複数のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とをすべて電気的に接続した。また、隣接する一対のP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との端部どうしの接続を、P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との端部側部分において対向する面を直接接合させることによって行った。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電気変換を行う積層熱電素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱電気変換の一つであるペルチェ効果を利用して熱変換を行う熱電モジュールが加熱・冷却装置等に用いられている。この熱電モジュールは、一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれチップからなる熱電素子の上下の端面をハンダ付けすることにより固定して構成されている。このような熱電モジュールの中に、小型化や製造効率の向上等を目的として、P型熱電半導体、N型熱電半導体および絶縁材をそれぞれシート状に形成して各シートを交互に積層して構成した積層熱電素子がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この積層熱電素子では、P型熱電半導体、N型熱電半導体および絶縁材を構成する各シートが、スラリー状の材料をロールを用いてシート状にすることによって形成され、これらの各層を交互に積層したのちに焼結処理することにより一体化している。そして、積層された積層体の側面(各シートの端面)におけるそれぞれ隣り合ったP型熱電半導体とN型熱電半導体との端面を交互に電極で接続することにより、すべてのP型熱電半導体とN型熱電半導体とを電気的に接続している。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−121815号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した積層熱電素子では、チップ状の熱電素子を用いた熱電モジュールと比較すると大幅な小型化や製造効率の向上が可能になっているが、さらに改良が望まれていた。特に、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シート間を絶縁するための絶縁材もロールによってシート状に形成されているため、絶縁材の厚みを一定値以下にすることができないという問題や、積層熱電素子の製造工程がまだ煩雑であるという問題がある。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、小型化や製造効率の向上が可能になる積層熱電素子を提供することである。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる積層熱電素子の構成上の特徴は、少なくとも一方の面に薄膜状の絶縁層が形成された複数のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを間に絶縁層を介在させて交互に積層し、隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしを交互に接続していくことにより、複数のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとをすべて電気的に接続したことにある。
【0008】
本発明の積層熱電素子では、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの間を絶縁する絶縁層を、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの所定の面に形成した薄膜で構成している。このため、絶縁層を任意の厚みの薄膜に形成することが可能になり、さらに積層熱電素子の小型化が図れる。また、絶縁層は、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの両面に形成してもよいが、一方のみに形成して、絶縁層を挟んでP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを交互に積層することによりさらに積層熱電素子の小型化が図れる。
【0009】
また、本発明にかかる積層熱電素子の他の構成上の特徴は、隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしの接続が、一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの両端面に掛かる電極を取り付けることにより行われていることにある。これによると、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとで構成される積層体の側面における隣り合った各一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端面に交互に電極を取り付けるため、それぞれのP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの電気的接続を簡単な方法で確実に行える。この場合の電極の取り付けはメッキやハンダ付けによって行うことができる。
【0010】
また、本発明にかかる積層熱電素子のさらに他の構成上の特徴は、隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしの接続が、一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部側部分に絶縁層を形成せず、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部側部分において対向する面を直接接合させることにより行われていることにある。これによると、それぞれのP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの電気的接続を、対向するP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの一部を直接接合させることにより行うため、電極が不要になる。このため、積層熱電素子の構造を簡略化できる。
【0011】
また、本発明にかかる積層熱電素子の製造方法の構成上の特徴は、P型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するP型熱電半導体シート成形工程と、N型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するN型熱電半導体シート成形工程と、P型熱電半導体シート成形工程とN型熱電半導体シート成形工程とで成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、P型熱電半導体シート成形工程とN型熱電半導体シート成形工程とにおいて成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シート、または絶縁層形成工程において絶縁層が形成された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートとを乾燥して脱脂する脱脂工程と、絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを所定の形状に切断する切断工程と、切断工程において所定の形状に切断された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを間に絶縁層を介在させて交互に積層する積層工程と、積層工程において形成された積層体を焼結して一体化する焼結工程と、焼結工程において焼結された積層体におけるそれぞれ隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端面に交互に電極を取り付けることにより、すべてのP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを電気的に接続する電極取付け工程とを備えたことにある。
【0012】
本発明にかかる積層熱電素子の製造方法によれば、絶縁層形成工程において、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に絶縁層を形成するようにしている。この場合、絶縁層の形成は、液状にした絶縁材料をスプレーでP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの所定の面に塗布したり、液状にした絶縁材料内にP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを入れてその表面に付着させたりすることによって行える。これによって、簡単な方法で、厚みの小さな絶縁層が形成でき、積層熱電素子の小型化が図れる。
【0013】
また、本発明にかかる積層熱電素子の製造方法の他の構成上の特徴は、P型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するP型熱電半導体シート成形工程と、N型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するN型熱電半導体シート成形工程と、P型熱電半導体シート成形工程とN型熱電半導体シート成形工程とで成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に所定の一部を除いて絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、P型熱電半導体シート成形工程とN型熱電半導体シート成形工程とにおいて成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シート、または絶縁層形成工程において絶縁層が形成された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートとを乾燥して脱脂する脱脂工程と、絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを所定の形状に切断する切断工程と、切断工程において所定の形状に切断された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを間に絶縁層を介在させて交互に積層する積層工程と、積層工程において形成された積層体を焼結して一体化する焼結工程とを備えたことにある。
【0014】
本発明にかかる積層熱電素子の製造方法によれば、絶縁層形成工程において、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に所定の一部を除いて絶縁層を形成するようにしている。そして、積層工程において、絶縁層が設けられていない部分でP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを接合させた状態で、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを積層させて構成した積層体を焼結工程において焼結して一体化するようにしている。このため、電極取付け工程が不要になり、積層熱電素子の製造がさらに簡略化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態による積層熱電素子10を示している。積層熱電素子10は、シート状に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とが、交互に積層されて構成されており、各P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との各間には、アルミナからなる絶縁層13a,13bが形成されている。そして、図1に示した積層熱電素子10の上面における隣り合った一対のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とにそれぞれニッケルからなる電極14aがメッキによって形成されている。
【0016】
すなわち、図1における右端のP型熱電半導体シート11とその隣に位置するN型熱電半導体シート12との上端面が一つの電極14aで接続され、図1における右端から2番目のP型熱電半導体シート11とその左隣に位置するN型熱電半導体シート12との上端面が一つの電極14aで接続されている。このようにして順次隣り合った一対のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との上端面が電極14aによって電気的に接続されている。
【0017】
また、図1に示した積層熱電素子10の下面における隣り合った一対のN型熱電半導体シート12とP型熱電半導体シート11とには電極14aと同様の電極14bがメッキによって形成されている。すなわち、図1における右端から1番目のN型熱電半導体シート12とその左隣に位置するP型熱電半導体シート11との下端面が一つの電極14bで接続され、順次隣り合った一対のN型熱電半導体シート12とP型熱電半導体シート11との下端面が電極14bによって電気的に接続されている。このためすべてのP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とが、電極14a,14bによって電気的に接続されている
【0018】
また、積層熱電素子10の左右両端にそれぞれ配置されたP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との前方の端部には、リード線15a,15bが取り付けられ、外部から通電可能になっている。このリード線15a,15bは、それぞれハンダ付けによって、P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とに接続されている。このハンダ付けは、P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との所定部分にハンダ付け用金属層を形成して、この金属層にリード線15a,15bを接合することによって行ってもよい。
【0019】
この場合のハンダ付け用金属層の形成は、銀ペーストの層を塗布、印刷または吹き付け等で全面もしくは一部に形成し、これを乾燥、焼成(600℃の不活性ガス雰囲気中で)することによって行ったり、スパッタリングまたはメッキ等によって、下層から順に、0.5μmの銅層、0.1μmのニッケル層および0.05μmの金層の3層を形成することによって行ったりする。
【0020】
なお、積層熱電素子10は、縦横の長さがそれぞれ8mmで、高さが1.5mmに設定されている。また、絶縁層13aを含むP型熱電半導体シート11および絶縁層13bを含むN型熱電半導体シート12の厚みは、ともに100μmに設定されている。また、P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とは、隣り合った1個のP型熱電半導体シート11と1個のN型熱電半導体シート12とを1対として、40対で構成されている。また、P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とは、ともにビスマス・テルル系の合金からなっているが、その組成は若干異なっている。
【0021】
つぎに、以上にように構成された積層熱電素子10の製造方法について説明する。積層熱電素子10は、図2に示した各工程によって製造される。まず、スラリー形成工程においては、粉末状の熱電材料をイソプロピルアルコール等からなる溶剤とミキサーで混合してスラリー状にしてこれを成形材料(図3参照)16とする。つぎに、図3に示したシート成形機20を用いてドクターブレード法によるシート成形を行う。
【0022】
シート成形機20は、ローラ21の回転駆動によって台部22の上面で移動可能なキャリアベルト23と、台部22の上面に設置されスラリー状の成形材料16を収容する収容部24とを備えている。そして、収容部24のローラ21側の側壁は、上下方向に位置調節が可能になったブレード25で構成されている。このブレード25の下端部は、下方に向って先細りになった鋭角(断面形状の下端部の角度)の刃状に形成されている。また、ブレード25の下端部とキャリアベルト23の上面との間の隙間は、10μmまで狭めることができる。
【0023】
シート成形工程においては、成形材料16を収容部24内に入れてブレード25の高さ調節をし、ローラ21を回転駆動させる。これによって、成形材料16はブレード25の下端部を通過して所定の厚みのシート16aになって、キャリアベルト23の上面で展延されていく。この操作が、P型熱電半導体シート11を形成するための成形材料16とN型熱電半導体シート12を形成するための成形材料16とで行われ、双方のシート16aが形成される。この際、各シート16aは、ブレード25の下端部によって、均一な厚みに成形される。
【0024】
つぎに、絶縁層形成工程において、各シート16aの一方の面に絶縁層13a,13bを形成する。これは、アルミナからなる粉末の絶縁体と溶剤を混合してペースト状にしたものを各シート16aの表面にコーティングすることにより行う。このコーティングは、スプレーによって吹き付けてもよいし、ペースト状の絶縁体の浴槽に各シート16aを浸けるようにしてもよい。この場合の絶縁層13a,13bの厚みは、絶縁層としての効果を発揮し得る最低厚み1μmに近い厚みに設定しておく。
【0025】
つぎに、脱脂工程において、それぞれ表面に絶縁層13a,13bが形成された各シート16aを100℃の温度で加熱して乾燥する。これによってグリーンシートが完成する。そして、加熱乾燥により脱脂された各シート16aを切断工程において、所定の大きさに切断する。これによって、図4(a)に示したような表面に絶縁層13a,13bが形成された複数個のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とが得られる。このP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とを積層工程において、交互に積層して、図4(b)に示した積層体17を形成する。この場合、各絶縁層13a,13bがP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との間に位置するようにする。
【0026】
つぎに、焼結工程において、積層体17を焼結することにより一体化する。この焼結は、ホットプレス法によって行われ、450℃のアルゴン雰囲気中で1tf/cm2の加圧力付加を60分間続けることによって行う。そして、電極取付け工程において、電極14a,14bの取り付けを行う。この電極取り付けは、図5(a)に示した積層体17の一方の面(図1に示した積層熱電素子10の上面に対応する面)の絶縁層13a,13bのうちのハッチングで示した絶縁層13bの部分をマスキングして積層体17の一面にニッケルメッキを施し、図5(b)に示した電極14aを形成する。ついで、積層体17の他方の面に、P型熱電半導体シート11またはN型熱電半導体シート12を1個分ずらして電極14bを形成して、図4(c)に示した積層熱電素子10が得られる。
【0027】
つぎに、以上のように構成した積層熱電素子10と、チップを用いた従来の熱電モジュールとに対して比較テストを行った結果について説明する。この比較テストは、積層熱電素子10および熱電モジュールの加熱側の温度Thを100℃に保ち、この温度と冷却側の温度との温度差ΔTを比較することによって行った。また、比較例としての従来の熱電モジュールは、縦横の長さがそれぞれ8mmで、高さが1.8mmに設定されたものを用いた。また、その熱電モジュールに使用されたチップは31対で構成されそのサイズは、縦横がそれぞれ0.64mmで、高さが0.96mmであった。また、積層熱電素子10の交流抵抗は、1.594mΩ、比較例の熱電モジュールの交流抵抗は、1.598mΩであった。
【0028】
比較テストの結果は、比較例の熱電モジュールの温度差ΔTが99.9℃であったのに対し、積層熱電素子10の温度差ΔTは101.2℃であった。この結果から、チップを用いた熱電モジュールよりも積層熱電素子10の方が、熱変換効果が優れていることが分かる。
【0029】
このように、本実施形態にかかる積層熱電素子10では、チップでなくシートからなるP型熱電半導体シート11およびN型熱電半導体シート12を用い、さらに絶縁層13a,13bは、それぞれのP型熱電半導体シート11およびN型熱電半導体シート12の一面に塗布された薄膜で構成されている。したがって、積層熱電素子10を大幅に小型化でき、その性能も優れたものになる。また、P型熱電半導体シート11およびN型熱電半導体シート12がドクターブレード法によって形成されるシートであるため、積層熱電素子10の製造が容易になり、大量生産が可能になる。さらに、大量に生産できるため、シート全体が均一になり性能が安定するようになる。また、成形材料16の歩留まりも向上する。
【0030】
図6は、本発明の他の実施形態による積層熱電素子30を示している。この積層熱電素子30は、シート状に形成された複数のP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32とが、交互に積層されて構成されており、各P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との各間には、アルミナからなる絶縁層33a,33bが形成されている。絶縁層33aは、図1におけるそれぞれのP型熱電半導体シート31とその左隣に位置するN型熱電半導体シート32との間に設けられている。
【0031】
そして、絶縁層33aの下端部は積層熱電素子30の下面に露呈しており、上端部は、P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との接合部によって閉塞され外部には露呈していない。また、絶縁層33bは、図1におけるそれぞれのN型熱電半導体シート32とその左隣に位置するP型熱電半導体シート31との間に設けられている。そして、絶縁層33bの上端部は積層熱電素子30の上面に露呈しており、下端部は、N型熱電半導体シート32とP型熱電半導体シート31との接合部によって閉塞され外部には露呈していない。
【0032】
このため、各P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32とは、絶縁層33aの上端側と絶縁層33bの下端側に形成される接合部によって電気的に接続されている。また、積層熱電素子30の左右両端にそれぞれ配置されたP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との前方の端部には、リード線35a,35bが取り付けられ、外部から通電可能になっている。なお、それ以外のこの積層熱電素子30を構成する各部分の材質や大きさ等は、前述した積層熱電素子10の対応する部分と略同一に構成されている。
【0033】
以上にように構成された積層熱電素子30は、図7に示した各工程によって製造される。この場合、スラリー形成工程およびシート成形工程では、前述した積層熱電素子10の製造における対応する工程と同じ処理を行って各シートを成形する。そして、絶縁層形成工程において、各シートの一方の面に絶縁層33a,33bを形成する。この際、各シートの一方の縁部側部分には絶縁層33a,33bを形成せずシートの表面を露呈させておく。この場合の絶縁層33a,33bを形成しない部分の幅は、30μm程度に設定しておく。また、絶縁層33a,33bを形成する前に、各シートの絶縁層33a,33b形成部分を研磨して段差を設けておいてもよい。これによると後に行う焼結工程での一体化処理が効果的に行える。
【0034】
つぎに、脱脂工程において、それぞれ表面に絶縁層33a,33bが形成された各シートを加熱して乾燥する。そして、加熱乾燥により脱脂された各シートを切断工程において、所定の大きさに切断する。この場合、図8(a)に示したように、複数個のP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32の表面に形成された絶縁層33a,33bの位置が互い違いになるようにして各シートの切断を行う。
【0035】
そして、切断によって得られたP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32とを積層工程において、交互に積層して、図8(b)に示した積層体37を形成する。この場合、各絶縁層33a,33bがP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との間に位置するようにするとともに、P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との接合部分が図示の左右に交互に位置するようにする。つぎに、焼結工程において、積層体37を焼結することにより一体化して積層熱電素子30が得られる。この焼結は前述したホットプレス法によって同一条件で行われる。
【0036】
以上のようにして製造された積層熱電素子30を用いて前述した比較テストと同様のテストを行ったところ積層熱電素子30の交流抵抗は、1.578mΩで、温度差ΔTは101.4℃であった。この結果から、チップを用いた従来の熱電モジュールよりも積層熱電素子30の方が、熱変換効果が優れていることが分かる。また、このように構成したため、積層熱電素子30では、電極が不要になり、構造の簡略化や製造工程の省略化が図れる。それ以外の作用効果については、前述した積層熱電素子10の作用効果と同様である。
【0037】
また、前述した各実施形態では、脱脂工程の前に、絶縁層形成工程の処理を行っているが、この絶縁層形成は、脱脂工程の後に行ってもよい。これによっても積層熱電素子10,30と同等の性能を有する積層熱電素子を得ることができる。また、前述した各実施形態では、焼結工程における積層体17,37の焼結処理をホットプレス法によって行っているが、この処理は、HIP法(熱間等方圧加圧法)、SPS法(放電プラズマ焼結法)や常温で加圧成形後に常圧焼結を行う方法等によっても行うことができる。
【0038】
HIP法の場合は、450℃のアルゴン雰囲気中で1500気圧の加圧力付加を60分間続けることによって行う。SPS法の場合は、400℃の真空中で0.41tf/cm2の加圧力付加を5分間続けることによって行う。また、常温で加圧成形後に常圧焼結を行う方法では、加圧成形を、一軸加圧法によって1tf/cm2の加圧力付加を5分間続けるか、CIP法(冷間等方圧加圧法)によって2000気圧の加圧力付加を60分間続けることによって行う。そして、常圧焼結は、450℃の真空中で180分間保持することによって行う。
【0039】
これらの方法によっても、前述したホットプレス法によって得られた積層熱電素子10,30と同等の積層熱電素子を得ることができる。また、前述した積層熱電素子10,30の大きさや各部分の大きさは適宜変更実施することができ、P型熱電半導体シート11,31およびN型熱電半導体シート12,32はそれぞれ目的に応じて10μmの厚みにまで薄くすることができる。さらに、前述した各実施形態では、シート16a等の一面にだけ絶縁層13a等を形成するようにしているが、この絶縁層13a等は、シート16a等の両面に形成してもよい。また、積層熱電素子10,30を構成する各部分の材質や製造方法等においても本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる積層熱電素子を示す斜視図である。
【図2】図1に示した積層熱電素子の製造工程を示すフローチャートである。
【図3】シート成形機を示す概略正面図である。
【図4】図1に示した積層熱電素子の製造状態を示す正面図であり、(a)は絶縁層が形成されたP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを示し、(b)はその積層体を示し、(c)は積層熱電素子が製造された状態を示している。
【図5】電極の取り付け状態を示す一部切欠き平面図であり、(a)は積層体における電極形成面を示し、(b)は電極を形成した状態を示している。
【図6】本発明の他の実施形態によるよる積層熱電素子を示す斜視図である。
【図7】図6に示した積層熱電素子の製造工程を示すフローチャートである。
【図8】図6に示した積層熱電素子の製造状態を示す正面図であり、(a)は絶縁層が形成されたP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを示し、(b)はその積層体を示している。
【符号の説明】
10,30…積層熱電素子、11,31…P型熱電半導体シート、12,32…N型熱電半導体シート、13a,13b,33a,33b…絶縁層、14a,14b…電極、16…成形材料、17,37…積層体。
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電気変換を行う積層熱電素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、熱電気変換の一つであるペルチェ効果を利用して熱変換を行う熱電モジュールが加熱・冷却装置等に用いられている。この熱電モジュールは、一対の絶縁基板における相対向する内側の面の所定箇所に複数の電極を形成し、この相対向する電極にそれぞれチップからなる熱電素子の上下の端面をハンダ付けすることにより固定して構成されている。このような熱電モジュールの中に、小型化や製造効率の向上等を目的として、P型熱電半導体、N型熱電半導体および絶縁材をそれぞれシート状に形成して各シートを交互に積層して構成した積層熱電素子がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この積層熱電素子では、P型熱電半導体、N型熱電半導体および絶縁材を構成する各シートが、スラリー状の材料をロールを用いてシート状にすることによって形成され、これらの各層を交互に積層したのちに焼結処理することにより一体化している。そして、積層された積層体の側面(各シートの端面)におけるそれぞれ隣り合ったP型熱電半導体とN型熱電半導体との端面を交互に電極で接続することにより、すべてのP型熱電半導体とN型熱電半導体とを電気的に接続している。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−121815号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した積層熱電素子では、チップ状の熱電素子を用いた熱電モジュールと比較すると大幅な小型化や製造効率の向上が可能になっているが、さらに改良が望まれていた。特に、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シート間を絶縁するための絶縁材もロールによってシート状に形成されているため、絶縁材の厚みを一定値以下にすることができないという問題や、積層熱電素子の製造工程がまだ煩雑であるという問題がある。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、小型化や製造効率の向上が可能になる積層熱電素子を提供することである。
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明にかかる積層熱電素子の構成上の特徴は、少なくとも一方の面に薄膜状の絶縁層が形成された複数のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを間に絶縁層を介在させて交互に積層し、隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしを交互に接続していくことにより、複数のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとをすべて電気的に接続したことにある。
【0008】
本発明の積層熱電素子では、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの間を絶縁する絶縁層を、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの所定の面に形成した薄膜で構成している。このため、絶縁層を任意の厚みの薄膜に形成することが可能になり、さらに積層熱電素子の小型化が図れる。また、絶縁層は、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの両面に形成してもよいが、一方のみに形成して、絶縁層を挟んでP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを交互に積層することによりさらに積層熱電素子の小型化が図れる。
【0009】
また、本発明にかかる積層熱電素子の他の構成上の特徴は、隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしの接続が、一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの両端面に掛かる電極を取り付けることにより行われていることにある。これによると、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとで構成される積層体の側面における隣り合った各一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端面に交互に電極を取り付けるため、それぞれのP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの電気的接続を簡単な方法で確実に行える。この場合の電極の取り付けはメッキやハンダ付けによって行うことができる。
【0010】
また、本発明にかかる積層熱電素子のさらに他の構成上の特徴は、隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしの接続が、一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部側部分に絶縁層を形成せず、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部側部分において対向する面を直接接合させることにより行われていることにある。これによると、それぞれのP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの電気的接続を、対向するP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの一部を直接接合させることにより行うため、電極が不要になる。このため、積層熱電素子の構造を簡略化できる。
【0011】
また、本発明にかかる積層熱電素子の製造方法の構成上の特徴は、P型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するP型熱電半導体シート成形工程と、N型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するN型熱電半導体シート成形工程と、P型熱電半導体シート成形工程とN型熱電半導体シート成形工程とで成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、P型熱電半導体シート成形工程とN型熱電半導体シート成形工程とにおいて成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シート、または絶縁層形成工程において絶縁層が形成された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートとを乾燥して脱脂する脱脂工程と、絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを所定の形状に切断する切断工程と、切断工程において所定の形状に切断された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを間に絶縁層を介在させて交互に積層する積層工程と、積層工程において形成された積層体を焼結して一体化する焼結工程と、焼結工程において焼結された積層体におけるそれぞれ隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端面に交互に電極を取り付けることにより、すべてのP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを電気的に接続する電極取付け工程とを備えたことにある。
【0012】
本発明にかかる積層熱電素子の製造方法によれば、絶縁層形成工程において、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に絶縁層を形成するようにしている。この場合、絶縁層の形成は、液状にした絶縁材料をスプレーでP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの所定の面に塗布したり、液状にした絶縁材料内にP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを入れてその表面に付着させたりすることによって行える。これによって、簡単な方法で、厚みの小さな絶縁層が形成でき、積層熱電素子の小型化が図れる。
【0013】
また、本発明にかかる積層熱電素子の製造方法の他の構成上の特徴は、P型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するP型熱電半導体シート成形工程と、N型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するN型熱電半導体シート成形工程と、P型熱電半導体シート成形工程とN型熱電半導体シート成形工程とで成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に所定の一部を除いて絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、P型熱電半導体シート成形工程とN型熱電半導体シート成形工程とにおいて成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シート、または絶縁層形成工程において絶縁層が形成された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートとを乾燥して脱脂する脱脂工程と、絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを所定の形状に切断する切断工程と、切断工程において所定の形状に切断された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを間に絶縁層を介在させて交互に積層する積層工程と、積層工程において形成された積層体を焼結して一体化する焼結工程とを備えたことにある。
【0014】
本発明にかかる積層熱電素子の製造方法によれば、絶縁層形成工程において、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に所定の一部を除いて絶縁層を形成するようにしている。そして、積層工程において、絶縁層が設けられていない部分でP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを接合させた状態で、P型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを積層させて構成した積層体を焼結工程において焼結して一体化するようにしている。このため、電極取付け工程が不要になり、積層熱電素子の製造がさらに簡略化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態による積層熱電素子10を示している。積層熱電素子10は、シート状に形成されたビスマス・テルル系の合金からなる複数のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とが、交互に積層されて構成されており、各P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との各間には、アルミナからなる絶縁層13a,13bが形成されている。そして、図1に示した積層熱電素子10の上面における隣り合った一対のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とにそれぞれニッケルからなる電極14aがメッキによって形成されている。
【0016】
すなわち、図1における右端のP型熱電半導体シート11とその隣に位置するN型熱電半導体シート12との上端面が一つの電極14aで接続され、図1における右端から2番目のP型熱電半導体シート11とその左隣に位置するN型熱電半導体シート12との上端面が一つの電極14aで接続されている。このようにして順次隣り合った一対のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との上端面が電極14aによって電気的に接続されている。
【0017】
また、図1に示した積層熱電素子10の下面における隣り合った一対のN型熱電半導体シート12とP型熱電半導体シート11とには電極14aと同様の電極14bがメッキによって形成されている。すなわち、図1における右端から1番目のN型熱電半導体シート12とその左隣に位置するP型熱電半導体シート11との下端面が一つの電極14bで接続され、順次隣り合った一対のN型熱電半導体シート12とP型熱電半導体シート11との下端面が電極14bによって電気的に接続されている。このためすべてのP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とが、電極14a,14bによって電気的に接続されている
【0018】
また、積層熱電素子10の左右両端にそれぞれ配置されたP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との前方の端部には、リード線15a,15bが取り付けられ、外部から通電可能になっている。このリード線15a,15bは、それぞれハンダ付けによって、P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とに接続されている。このハンダ付けは、P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との所定部分にハンダ付け用金属層を形成して、この金属層にリード線15a,15bを接合することによって行ってもよい。
【0019】
この場合のハンダ付け用金属層の形成は、銀ペーストの層を塗布、印刷または吹き付け等で全面もしくは一部に形成し、これを乾燥、焼成(600℃の不活性ガス雰囲気中で)することによって行ったり、スパッタリングまたはメッキ等によって、下層から順に、0.5μmの銅層、0.1μmのニッケル層および0.05μmの金層の3層を形成することによって行ったりする。
【0020】
なお、積層熱電素子10は、縦横の長さがそれぞれ8mmで、高さが1.5mmに設定されている。また、絶縁層13aを含むP型熱電半導体シート11および絶縁層13bを含むN型熱電半導体シート12の厚みは、ともに100μmに設定されている。また、P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とは、隣り合った1個のP型熱電半導体シート11と1個のN型熱電半導体シート12とを1対として、40対で構成されている。また、P型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とは、ともにビスマス・テルル系の合金からなっているが、その組成は若干異なっている。
【0021】
つぎに、以上にように構成された積層熱電素子10の製造方法について説明する。積層熱電素子10は、図2に示した各工程によって製造される。まず、スラリー形成工程においては、粉末状の熱電材料をイソプロピルアルコール等からなる溶剤とミキサーで混合してスラリー状にしてこれを成形材料(図3参照)16とする。つぎに、図3に示したシート成形機20を用いてドクターブレード法によるシート成形を行う。
【0022】
シート成形機20は、ローラ21の回転駆動によって台部22の上面で移動可能なキャリアベルト23と、台部22の上面に設置されスラリー状の成形材料16を収容する収容部24とを備えている。そして、収容部24のローラ21側の側壁は、上下方向に位置調節が可能になったブレード25で構成されている。このブレード25の下端部は、下方に向って先細りになった鋭角(断面形状の下端部の角度)の刃状に形成されている。また、ブレード25の下端部とキャリアベルト23の上面との間の隙間は、10μmまで狭めることができる。
【0023】
シート成形工程においては、成形材料16を収容部24内に入れてブレード25の高さ調節をし、ローラ21を回転駆動させる。これによって、成形材料16はブレード25の下端部を通過して所定の厚みのシート16aになって、キャリアベルト23の上面で展延されていく。この操作が、P型熱電半導体シート11を形成するための成形材料16とN型熱電半導体シート12を形成するための成形材料16とで行われ、双方のシート16aが形成される。この際、各シート16aは、ブレード25の下端部によって、均一な厚みに成形される。
【0024】
つぎに、絶縁層形成工程において、各シート16aの一方の面に絶縁層13a,13bを形成する。これは、アルミナからなる粉末の絶縁体と溶剤を混合してペースト状にしたものを各シート16aの表面にコーティングすることにより行う。このコーティングは、スプレーによって吹き付けてもよいし、ペースト状の絶縁体の浴槽に各シート16aを浸けるようにしてもよい。この場合の絶縁層13a,13bの厚みは、絶縁層としての効果を発揮し得る最低厚み1μmに近い厚みに設定しておく。
【0025】
つぎに、脱脂工程において、それぞれ表面に絶縁層13a,13bが形成された各シート16aを100℃の温度で加熱して乾燥する。これによってグリーンシートが完成する。そして、加熱乾燥により脱脂された各シート16aを切断工程において、所定の大きさに切断する。これによって、図4(a)に示したような表面に絶縁層13a,13bが形成された複数個のP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とが得られる。このP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12とを積層工程において、交互に積層して、図4(b)に示した積層体17を形成する。この場合、各絶縁層13a,13bがP型熱電半導体シート11とN型熱電半導体シート12との間に位置するようにする。
【0026】
つぎに、焼結工程において、積層体17を焼結することにより一体化する。この焼結は、ホットプレス法によって行われ、450℃のアルゴン雰囲気中で1tf/cm2の加圧力付加を60分間続けることによって行う。そして、電極取付け工程において、電極14a,14bの取り付けを行う。この電極取り付けは、図5(a)に示した積層体17の一方の面(図1に示した積層熱電素子10の上面に対応する面)の絶縁層13a,13bのうちのハッチングで示した絶縁層13bの部分をマスキングして積層体17の一面にニッケルメッキを施し、図5(b)に示した電極14aを形成する。ついで、積層体17の他方の面に、P型熱電半導体シート11またはN型熱電半導体シート12を1個分ずらして電極14bを形成して、図4(c)に示した積層熱電素子10が得られる。
【0027】
つぎに、以上のように構成した積層熱電素子10と、チップを用いた従来の熱電モジュールとに対して比較テストを行った結果について説明する。この比較テストは、積層熱電素子10および熱電モジュールの加熱側の温度Thを100℃に保ち、この温度と冷却側の温度との温度差ΔTを比較することによって行った。また、比較例としての従来の熱電モジュールは、縦横の長さがそれぞれ8mmで、高さが1.8mmに設定されたものを用いた。また、その熱電モジュールに使用されたチップは31対で構成されそのサイズは、縦横がそれぞれ0.64mmで、高さが0.96mmであった。また、積層熱電素子10の交流抵抗は、1.594mΩ、比較例の熱電モジュールの交流抵抗は、1.598mΩであった。
【0028】
比較テストの結果は、比較例の熱電モジュールの温度差ΔTが99.9℃であったのに対し、積層熱電素子10の温度差ΔTは101.2℃であった。この結果から、チップを用いた熱電モジュールよりも積層熱電素子10の方が、熱変換効果が優れていることが分かる。
【0029】
このように、本実施形態にかかる積層熱電素子10では、チップでなくシートからなるP型熱電半導体シート11およびN型熱電半導体シート12を用い、さらに絶縁層13a,13bは、それぞれのP型熱電半導体シート11およびN型熱電半導体シート12の一面に塗布された薄膜で構成されている。したがって、積層熱電素子10を大幅に小型化でき、その性能も優れたものになる。また、P型熱電半導体シート11およびN型熱電半導体シート12がドクターブレード法によって形成されるシートであるため、積層熱電素子10の製造が容易になり、大量生産が可能になる。さらに、大量に生産できるため、シート全体が均一になり性能が安定するようになる。また、成形材料16の歩留まりも向上する。
【0030】
図6は、本発明の他の実施形態による積層熱電素子30を示している。この積層熱電素子30は、シート状に形成された複数のP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32とが、交互に積層されて構成されており、各P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との各間には、アルミナからなる絶縁層33a,33bが形成されている。絶縁層33aは、図1におけるそれぞれのP型熱電半導体シート31とその左隣に位置するN型熱電半導体シート32との間に設けられている。
【0031】
そして、絶縁層33aの下端部は積層熱電素子30の下面に露呈しており、上端部は、P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との接合部によって閉塞され外部には露呈していない。また、絶縁層33bは、図1におけるそれぞれのN型熱電半導体シート32とその左隣に位置するP型熱電半導体シート31との間に設けられている。そして、絶縁層33bの上端部は積層熱電素子30の上面に露呈しており、下端部は、N型熱電半導体シート32とP型熱電半導体シート31との接合部によって閉塞され外部には露呈していない。
【0032】
このため、各P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32とは、絶縁層33aの上端側と絶縁層33bの下端側に形成される接合部によって電気的に接続されている。また、積層熱電素子30の左右両端にそれぞれ配置されたP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との前方の端部には、リード線35a,35bが取り付けられ、外部から通電可能になっている。なお、それ以外のこの積層熱電素子30を構成する各部分の材質や大きさ等は、前述した積層熱電素子10の対応する部分と略同一に構成されている。
【0033】
以上にように構成された積層熱電素子30は、図7に示した各工程によって製造される。この場合、スラリー形成工程およびシート成形工程では、前述した積層熱電素子10の製造における対応する工程と同じ処理を行って各シートを成形する。そして、絶縁層形成工程において、各シートの一方の面に絶縁層33a,33bを形成する。この際、各シートの一方の縁部側部分には絶縁層33a,33bを形成せずシートの表面を露呈させておく。この場合の絶縁層33a,33bを形成しない部分の幅は、30μm程度に設定しておく。また、絶縁層33a,33bを形成する前に、各シートの絶縁層33a,33b形成部分を研磨して段差を設けておいてもよい。これによると後に行う焼結工程での一体化処理が効果的に行える。
【0034】
つぎに、脱脂工程において、それぞれ表面に絶縁層33a,33bが形成された各シートを加熱して乾燥する。そして、加熱乾燥により脱脂された各シートを切断工程において、所定の大きさに切断する。この場合、図8(a)に示したように、複数個のP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32の表面に形成された絶縁層33a,33bの位置が互い違いになるようにして各シートの切断を行う。
【0035】
そして、切断によって得られたP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32とを積層工程において、交互に積層して、図8(b)に示した積層体37を形成する。この場合、各絶縁層33a,33bがP型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との間に位置するようにするとともに、P型熱電半導体シート31とN型熱電半導体シート32との接合部分が図示の左右に交互に位置するようにする。つぎに、焼結工程において、積層体37を焼結することにより一体化して積層熱電素子30が得られる。この焼結は前述したホットプレス法によって同一条件で行われる。
【0036】
以上のようにして製造された積層熱電素子30を用いて前述した比較テストと同様のテストを行ったところ積層熱電素子30の交流抵抗は、1.578mΩで、温度差ΔTは101.4℃であった。この結果から、チップを用いた従来の熱電モジュールよりも積層熱電素子30の方が、熱変換効果が優れていることが分かる。また、このように構成したため、積層熱電素子30では、電極が不要になり、構造の簡略化や製造工程の省略化が図れる。それ以外の作用効果については、前述した積層熱電素子10の作用効果と同様である。
【0037】
また、前述した各実施形態では、脱脂工程の前に、絶縁層形成工程の処理を行っているが、この絶縁層形成は、脱脂工程の後に行ってもよい。これによっても積層熱電素子10,30と同等の性能を有する積層熱電素子を得ることができる。また、前述した各実施形態では、焼結工程における積層体17,37の焼結処理をホットプレス法によって行っているが、この処理は、HIP法(熱間等方圧加圧法)、SPS法(放電プラズマ焼結法)や常温で加圧成形後に常圧焼結を行う方法等によっても行うことができる。
【0038】
HIP法の場合は、450℃のアルゴン雰囲気中で1500気圧の加圧力付加を60分間続けることによって行う。SPS法の場合は、400℃の真空中で0.41tf/cm2の加圧力付加を5分間続けることによって行う。また、常温で加圧成形後に常圧焼結を行う方法では、加圧成形を、一軸加圧法によって1tf/cm2の加圧力付加を5分間続けるか、CIP法(冷間等方圧加圧法)によって2000気圧の加圧力付加を60分間続けることによって行う。そして、常圧焼結は、450℃の真空中で180分間保持することによって行う。
【0039】
これらの方法によっても、前述したホットプレス法によって得られた積層熱電素子10,30と同等の積層熱電素子を得ることができる。また、前述した積層熱電素子10,30の大きさや各部分の大きさは適宜変更実施することができ、P型熱電半導体シート11,31およびN型熱電半導体シート12,32はそれぞれ目的に応じて10μmの厚みにまで薄くすることができる。さらに、前述した各実施形態では、シート16a等の一面にだけ絶縁層13a等を形成するようにしているが、この絶縁層13a等は、シート16a等の両面に形成してもよい。また、積層熱電素子10,30を構成する各部分の材質や製造方法等においても本発明の技術的範囲内で適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる積層熱電素子を示す斜視図である。
【図2】図1に示した積層熱電素子の製造工程を示すフローチャートである。
【図3】シート成形機を示す概略正面図である。
【図4】図1に示した積層熱電素子の製造状態を示す正面図であり、(a)は絶縁層が形成されたP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを示し、(b)はその積層体を示し、(c)は積層熱電素子が製造された状態を示している。
【図5】電極の取り付け状態を示す一部切欠き平面図であり、(a)は積層体における電極形成面を示し、(b)は電極を形成した状態を示している。
【図6】本発明の他の実施形態によるよる積層熱電素子を示す斜視図である。
【図7】図6に示した積層熱電素子の製造工程を示すフローチャートである。
【図8】図6に示した積層熱電素子の製造状態を示す正面図であり、(a)は絶縁層が形成されたP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを示し、(b)はその積層体を示している。
【符号の説明】
10,30…積層熱電素子、11,31…P型熱電半導体シート、12,32…N型熱電半導体シート、13a,13b,33a,33b…絶縁層、14a,14b…電極、16…成形材料、17,37…積層体。
Claims (5)
- 少なくとも一方の面に薄膜状の絶縁層が形成された複数のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを間に前記絶縁層を介在させて交互に積層し、隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしを交互に接続していくことにより、前記複数のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとをすべて電気的に接続したことを特徴とする積層熱電素子。
- 前記隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしの接続が、前記一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの両端面に掛かる電極を取り付けることにより行われている請求項1に記載の積層熱電素子。
- 前記隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部どうしの接続が、前記一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端部側部分に絶縁層を形成せず、前記P型熱電半導体シートと前記N型熱電半導体シートとの前記端部側部分において対向する面を直接接合させることにより行われている請求項1に記載の積層熱電素子。
- P型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するP型熱電半導体シート成形工程と、
N型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するN型熱電半導体シート成形工程と、
前記P型熱電半導体シート成形工程と前記N型熱電半導体シート成形工程とで成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記P型熱電半導体シート成形工程と前記N型熱電半導体シート成形工程とにおいて成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シート、または前記絶縁層形成工程において絶縁層が形成された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートとを乾燥して脱脂する脱脂工程と、
前記絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを所定の形状に切断する切断工程と、
前記切断工程において所定の形状に切断された前記絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを間に前記絶縁層を介在させて交互に積層する積層工程と、
前記積層工程において形成された積層体を焼結して一体化する焼結工程と、
前記焼結工程において焼結された積層体におけるそれぞれ隣接する一対のP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとの端面に交互に電極を取り付けることにより、すべてのP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとを電気的に接続する電極取付け工程と
を備えたことを特徴とする積層熱電素子の製造方法。 - P型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するP型熱電半導体シート成形工程と、
N型熱電半導体シート成形用スラリーをシート状に成形するN型熱電半導体シート成形工程と、
前記P型熱電半導体シート成形工程と前記N型熱電半導体シート成形工程とで成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シートとのそれぞれの少なくとも一方の面に所定の一部を除いて絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記P型熱電半導体シート成形工程と前記N型熱電半導体シート成形工程とにおいて成形したP型熱電半導体シートとN型熱電半導体シート、または前記絶縁層形成工程において絶縁層が形成された絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートとを乾燥して脱脂する脱脂工程と、
前記絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを所定の形状に切断する切断工程と、
前記切断工程において所定の形状に切断された前記絶縁層形成P型熱電半導体シートと絶縁層形成N型熱電半導体シートを間に前記絶縁層を介在させて交互に積層する積層工程と、
前記積層工程において形成された積層体を焼結して一体化する焼結工程と
を備えたことを特徴とする積層熱電素子の製造方法。
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