JPH0780272B2 - 熱伝導複合材料 - Google Patents

熱伝導複合材料

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JPH0780272B2
JPH0780272B2 JP2040550A JP4055090A JPH0780272B2 JP H0780272 B2 JPH0780272 B2 JP H0780272B2 JP 2040550 A JP2040550 A JP 2040550A JP 4055090 A JP4055090 A JP 4055090A JP H0780272 B2 JPH0780272 B2 JP H0780272B2
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恭之 中村
健治 平野
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば、半導体チツプ搭載用放熱基板やリ
ードフレーム用材料の如く、半導体チツプによる発熱を
効率良く外部に放熱するため、金属、セラミツクス、Si
等の半導体、プラスチツクス等の被着相手材との熱膨張
係数の整合性と良好な熱伝導性を両立できるように、熱
膨張係数及び熱伝導率を任意に変化させ、かつ相手材と
の接合性並びに表面性状のすぐれた熱伝導複合材料に係
り、Cu板に厚み方向に所要の貫通孔を有するNi−Fe系金
属板を一体化し、前記貫通孔からCuをNi−Fe系金属板表
面に露出させた芯材の両面にCu箔を圧接し、これら金属
板の厚さ比や貫通孔面積比を適宜選定することにより、
熱膨張係数、熱伝導率を可変となし、受熱の均一化、熱
拡散効果の向上をはかり、表面微細孔がなくメッキやろ
う材など薄膜の被着性にすぐれた熱伝導複合材料に関す
る。
従来の技術 半導体パッケージの集積回路チップ(以下チップ)、と
りわけ、大型コンピューター用のLSIやULSIは、高集積
度化、演算速度の高速化の方向に進んでおり、作動中に
おける消費電力の増加に伴う発熱量が非常に大きくなっ
ている。
すなわち、チップは大容量化して、発熱量が大きくなっ
ており、基板材料の熱膨張係数がチップ材料であるシリ
コンやガリウムヒ素等と大きな差があると、チップが剥
離あるいは割れを生ずる問題がある。
これに伴ない、半導体パッケージの設計も、熱放散性を
考慮したものとなり、チップを搭載する基板にも放熱性
が要求されるようになり、基板材料の熱伝導率が大きい
ことが求められている。
従って、基板には、チップと熱膨張係数が近く、かつ熱
伝導率が大きいことが要求されている。従来の半導体パ
ッケージとしては、種々の構成が提案されているが、例
えば、第9図a,bに示す構成のものが知られている。
第9図aの場合は、チップ(1)の熱膨張係数に近いMo
材(2)と、パッケージ基板を構成するアルミナ材
(3)の熱膨張係数に近いコバール合金材(4)をろう
付け積層し、Mo(2)材にチップを搭載し、コバール合
金材(4)を介してパッケージ基板に接合し、さらに放
熱フィン(5)を付設した構成がある。
かかる構成において、アルミナ材(3)とコバール合金
材(4)とは熱膨張係数が近いため、剥離や割れを生ず
る危険は少ないが、放熱性を支配する材料が熱伝導率の
低いコバール合金材(4)であるため、放熱フィン
(5)を付設しても、充分な放熱性が得られない問題が
あった。
そこで、チップの熱膨張係数との整合性を有し、熱伝導
率が大きいという、相反する要求を満足する材料とし
て、クラッド板やCu−MoあるいはCu−W合金等の放熱基
板用複合材料が提案されている。
放熱基板用クラッド板としては、銅板とインバー合金板
を積層した材料が使用されている。
すなわち、前記クラッド板は、銅は熱伝導性が良好であ
るが熱膨張係数が大きいため、これを抑制するためにイ
ンバー合金を積層圧接することにより、板の長手方向の
熱膨張に関して半導体素子との整合性を得るものであ
る。また、銅板の両面にインバー合金板を積層圧接した
サンドイッチ構造を取ることにより、温度上昇によるそ
りを防ぐ構造となっている。
このクラッド板は、熱膨張係数に関してはチップとほぼ
同一にすることができるが、板厚方向への熱伝導度は、
第9図aの構成と同様に、インバー合金板を介在するた
め、必ずしも十分でない。
また、半導体素子の熱膨張率に近い熱膨張率を有するNi
−Fe製のパンチングメタルを、Cu等の半導体素子支持面
に埋め込んだ半導体素子用支持体も提案(特公昭58−46
073号公報)されている。
これは、片面にパンチングメタルを埋め込んだ構成のた
め、バイメタル効果により、そりなどが発生する問題が
あった。
半導体素子の熱膨張率に近い熱膨張率を有するNi−Fe製
の格子を、Cu等の半導体素子支持内に埋め込まれるよう
に積層した半導体素子用放熱支持体も提案(U.S.P3,39
9,332号)されている。
これは、製造時にガスやゴミが吸蔵され加熱時にフクレ
を生じることが懸念され、また、Cu等の支持体の厚みの
中央部に、熱膨張調整用のNi−Fe製の格子があるため、
表面の熱膨張係数を格子程度にするためには、Cuの厚み
を薄くする必要があり、厚み方向には熱伝達が良いが面
平行方向はかなり悪くなる。
さらに、複数の貫通孔を有する熱源と熱膨張係数が同等
の一対のCo−Ni−FeやNi−Fe板の間にCuやAlを挟み貫通
孔に充填させた熱伝導金属板が提案(特公昭63−3741号
公報)されている。
しかし、上記熱伝導金属板を加工すると、剥がれが生じ
ることが懸念され、また、ろう付け可能にするため表面
にNiメッキなどを被着すると、メッキ層と銅が反応して
メッキ層のむらが生じたり、メッキ層と材料の界面にガ
スやゴミが吸蔵され加熱時にフクレを生じることが懸念
される。
また、上記熱伝導金属板において、発熱体の熱は局部的
に見れば、Cuを下地にした場合とCo−Ni−FeやNi−Fe板
を下地にした場合とは異なり、Co−Ni−FeやNi−Fe上の
熱は貯まりやすく均一に受熱しない問題がある。
一方、Cu−Mo、Cu−W合金基板は、チップの熱膨張係数
とほぼ等しいMo、W粉を焼結することによって、気孔率
の大きい焼結体を作製し、その後、溶融した銅を含浸さ
せて製造(特開昭59−141247号公報)するか、あるいは
Mo、Wの粉末と銅の粉末を焼結(特開昭62−294147号公
報)することによって得られたMoあるいはWとCuの複合
体である。
かかる複合体基板(6)は、パツケージへの装着に際
し、第9図bに示す如く、チップ(1)の搭載面とは反
対側に、パッケージを構成するアルミナ材(3)と接合
するためのフランジ部(7)を付設し、同部で放熱する
構成からなる。
前記複合体は熱膨張係数、熱伝導度とも実用上満足すべ
き条件にかなっているが、Mo、W等が高密度であるため
重く、所定の寸法を得るには機械的成形加工しなければ
ならず、加工費が高く、歩留りが悪くなっていた。
発明が解決しようとする課題 また、上述した放熱基板のほかにリードフレームも被着
相手材との熱膨張係数の整合、熱伝導度の向上を同時に
図る必要がある。
第10図に示す如き、樹脂封止の半導体パッケージにおい
ては、リードフレームがチップの外部への電気的接続の
経路となるだけでなく、チップで発生する熱の放散経路
として重要な役割を果している。
すなわち、半導体パッケージにおいて、チップ(84)は
リードフレーム(80)の中央部に形成されるアイランド
(81)に載置され、ろう材や接着材、はんだ等にて固着
されるとともに、ステッチ(82)(インナーリード部)
とボンディングワイヤ(85)を介して電気的に接続さ
れ、さらに周囲を樹脂(86)にて封止されている。
チップ(84)から発生する熱は、アイランド(81)、樹
脂(86)、ステッチ(82)という経路にてリードフレー
ム(80)のリード部(83)に達し、外部に放散されるこ
とになる。
従って、リードフレーム(80)には、チップから発生す
る熱を半導体パッケージの外部に放散するために熱伝導
率の良い材料が望まれる。
一方、チップ(84)とアイランド(81)との接着界面の
剥離や、樹脂(86)にみられるクラック等は、チップ
(84)や封止樹脂(86)とリードフレーム(80)との熱
膨張係数の差を要因として発生しており、これを防止す
るためには、前記チップ(84)及び樹脂(86)とリード
フレーム(80)との熱膨張係数の整合性が不可欠とな
る。
上述したようにプラスチックス半導体パッケージにおけ
るリードフレームには、従来から、熱の放散性の観点か
ら熱伝導率の良い銅合金からなるリードフレームが多用
されている。
ところが、高信頼性を要求される用途には、銅合金は、
機械的強度が低く、チップとの熱膨張係数の整合性が悪
く、チップとアイランドの接着界面の剥離等が懸念され
るため、チップとの熱膨張係数の整合性から42%Ni−Fe
合金等の低熱膨張係数を有するNi−Fe系合金を採用した
半導体パッケージも提案されている。
しかし、Ni−Fe系合金は熱伝導率が悪いため、現在の要
求を満すだけの熱の放散性が得られていない。また、チ
ップと封止樹脂との熱膨張差は非常に大きく、リードフ
レームとチップとの熱膨張係数の整合性がよい場合で
も、リードフレームと樹脂との間の整合性が悪く、封止
樹脂に発生するクラックを完全に防止することは困難で
あった。
さらに、セラミックス半導体パッケージでは、ガラス封
着するために、リードフレームには封着位置にAlを設け
たNi−Fe系合金が多用されている。しかし、Ni−Fe系合
金は上述の如く、熱放散性が悪く、セラミックスとの熱
膨張係数の整合性に問題があった。
また、基板の機械的強度を考慮して、内層に42%Ni−Fe
材料を2層以上有し、表層がCuである5層以上の多層複
合金属条が提案(特開昭60−53037号)されているが、
これは放熱特性の観点から表層をCuとした基板であり、
熱膨張係数を調整するために内層に42%Ni−Feを配置
し、内層材による板厚方向への熱伝導度を改善するため
内層に複数個の透孔を設けており、また、Cuからなる表
層とNi−Fe材料からなる内層が同厚みであり、基本的に
表層がCu主体であるために上述のごとく、チップとの熱
膨張係数の整合性が悪い問題がある。
この発明は、上述した半導体パッケージにおける熱の放
散性の問題の例で明らかにした如く、チップや封止樹脂
等の接着相手材の熱膨張係数との整合性にすぐれ、かつ
熱伝導性が良好というように、用途や目的に応じて熱膨
張係数と熱伝導率を任意に選定できる複合材料の提供を
目的としている。
この発明は、例えば、半導体チップ搭載に際し、熱膨張
係数、熱伝導率を可変となし、受熱の均一化、熱拡散効
果の向上を図り、表面微細孔がなくメッキやろう材など
薄膜の被着性にすぐれた熱伝導複合材料、さらに実装に
際しての加工性や製造性にすぐれ、安価に提供できる半
導体パッケージ用放熱基板として用いることができる複
合材料の提供を目的としている。
課題を解決するための手段 この発明は、相手材に応じた熱膨張係数の整合性と放熱
性が確保できかつ製造性にすぐれた金属材料を目的に種
々検討した結果、Cu板に厚み方向に多数の貫通孔を有す
るNi−Fe系金属板を圧接一体化し、前記貫通孔からCuを
Ni−Fe系金属板表面に露出させた芯材の両面にCu箔を圧
接した5層構造の複合材料とすることにより、芯材のCu
板とNi−Fe系金属板の厚さ比およびNi−Fe系金属板表面
に露出したCuとNi−Fe系金属との表面積比を適宜選定し
て、熱膨張係数、熱伝導率を任意に変化させ得ること、
表面のCu箔層により受熱の均一化、熱拡散効果の向上を
図り、表面微細孔がなくメッキやろう材など薄膜の被着
性にすぐれ、容易に目的とする複合材料が製造できるこ
とを知見したものである。
すなわち、この発明は、 厚さTiのCu板の両面に、厚み方向に多数の貫通孔を有す
る各々厚さt2のNi−Fe系板を配置し、前記Cu板の一部が
各々Ni−Fe系板の貫通孔を介して少なくともNi−Fe系板
の表面に露出することによって前記Cu板と各々Ni−Fe系
板とが一体化するとともに、各々Ni−Fe系板表面におけ
る露出Cu材の面積比率が20〜80%の範囲にある3層芯材
を構成し、 かつ、該3層芯材の両面に各々厚さt3のCu箔を圧接し
て、前記Ni−Fe系板表面に露出するCu板の一部と該Cu箔
とが一体化してなる5層構造からなり、 3層芯材を構成するCu板とNi−Fe系板及びCu箔の各々厚
さがt1/t2=1〜3、 t3≦(1/10)t2、51+2t2=0.1mm〜30mm、t3=2μm〜
100μmの関係を満足するとともに、30℃〜200℃におけ
る平均熱膨張係数が3〜8×10-6/℃であり、20℃にお
ける熱伝導率が140W/m・K以上であることを特徴とする
熱伝導複合材料である。
さらに、前記構成において、 熱伝導複合材料の少なくとも一主面の所要位置に、Cu、
Al、Ni、Snのうちいずれかからなる金属メッキを被着し
たことを特徴とする熱伝導複合材料である。
例えば、Cu板の両主面に厚み方向に多数の貫通孔を設け
たNi−Co−Fe系金属板を一体化して、前記貫通孔からCu
をNi−Co−Fe系金属板表面に露出させるとともに、最外
層にCu箔を圧接して複合材料となし、プレス成形、積
層、メッキやろう材の被着等の加工を施すことにより、
セラミックスパッケージ、メタルパッケージなどのチッ
プ搭載用放熱基板、リードフレーム等、種々用途の熱伝
導複合材料が得られる。
作 用 この発明は、Cu板に厚み方向に多数の貫通孔を有するNi
−Fe系金属板を一体化し、前記貫通孔からCuをNi−Fe系
金属板表面に露出させた芯材の両面にCu箔を圧接した5
層構造を特長とし、主に芯材金属板の厚さ比の選定によ
り熱膨張係数を任意に変化させることができ、芯材に高
熱伝導性金属のCuを用い、露出したCuのNi−Fe系金属板
表面での面積比を適宜選定することにより熱伝導率を任
意に変化させ得るもので、前記厚さ比と露出面積比の選
定により、種々の用途、目的に応じた熱膨張係数及び熱
伝導率を設定でき、多種の複合材料を提供できる。
また、最外層のCu箔層により、受熱の均一化、熱拡散効
果の向上を図り、相手材との接合性にすぐれ、表面性状
がすぐれ微細孔がなくメッキやろう材など薄膜の被着性
にすぐれた種々の用途の複合材料を提供できる。
この発明による熱伝導複合材料は、Cu板の両面の全面に
Ni−Fe系金属板を積層化するに際し、Ni−Fe系金属板の
全面あるいは部分的に厚み方向の貫通孔を所要間隔、パ
ターンで配置し、例えば貫通孔の孔寸法、形状、配置パ
ターン等を種々変えたり、圧延時の変形を考慮して厚み
方向に貫通あるいは貫通しない切り目を設けるなど、芯
材の両金属板の厚さ比およびNi−Fe系金属板表面に露出
したCuとNi−Fe系金属との表面積比を選定する手段を選
定組み合せることにより、複合材料の全体あるいは部分
的に、用途、目的に応じた熱膨張係数及び熱伝導率を設
定でき、例えば、所要の金属、セラミックス、Si等の半
導体、プラスチックス等の相手材の熱膨張係数との整合
性を図り、かつ所要の熱伝導性を有する複合材料が得ら
れる。
例えば、チップと整合する熱膨張係数と、封止樹脂と整
合する熱膨張係数とが異なる場合、チップを配設する部
分のNi−Fe系金属板表面におけるCu板の面積占積率やNi
−Fe系金属板の厚さ等の条件と、裏面の直接封止樹脂に
接触する表面との条件を前述の如く変えることにより、
各主面の熱的特性を要求する値に近似させることでき
る。
この発明による複合材料の熱膨張係数は、芯材のCu板と
Ni−Fe系金属板の体積比、すなわち、積層板の厚み比に
より、Cu板の熱膨張係数とNi−Fe系金属板との間の任意
の値を選択することが可能である。
例えば、既存のチップが熱歪の影響を受けないための熱
膨張係数αは、30℃〜200℃における平均熱膨張係数
が、3〜8×10-6/℃であることが必要であり、より好
ましくは、4〜6×10-6/℃である。
前記チップ搭載用放熱基板の場合、30℃〜200℃におけ
る平均熱膨張係数が10×10-6/℃以下のNi−Fe系金属板
と、30℃〜200℃における平均熱膨張係数が10×10-6/℃
を越えるCu板を組み合せて用いることができ、特に、20
℃における熱伝導率が140W/m・K以上を達成できる。
熱伝導率を任意に変化させるには、Ni−Fe系金属板表面
におけるCu板の面積比率を20〜80%の範囲で適宜選定す
ることが望ましい。該面積比率の変更は、例えば、貫通
孔の直径、寸法や配置のピッチ等を変更するなどの手段
が適宜選定できる。
芯材のCu板は、圧接や鍛造等にてNi−Fe系金属板の貫通
孔内に圧入充填されることから、展延伸性に富むように
不純物が少ないものが好ましい。
また、Ni−Fe系金属板には、30〜50wt%Niを含有するNi
−Fe系合金、4〜20wt%Coを含有するNi−Co−Fe系合金
などを用いることができる。
芯材両面の最外層のCu箔には、用途やさらに被着する薄
膜層材質を考慮して、芯材のCu板と同材質とする。
この発明による熱伝導複合材料は、上述する5層構造を
特徴とするが、さらに、用途などに応じて、ろう付け性
や耐食性を向上させるため、あるいはAu、Agメッキの被
着性を向上させるため、Al、Ni、Snなどをメッキ、蒸
着、イオンプレーティング、CVD(chemical vapor depo
sition)等の公知のコーティング技術によって被着する
他、はんだAgろう材、セラミックス、ガラス層などを被
覆、あるいは所要位置に被着することができる。
製造方法には、例えば、芯材は、Ni−Fe系金属板の所要
位置に厚み方向の貫通孔を多数せん孔配置した後、酸洗
したり、ブラッシングなどで被着面を清浄化し、該Ni−
Fe系金属板とCu板とを冷間または温間圧接し、さらに必
要に応じて拡散熱処理を施して密着性を向上させる等、
公知の圧接、圧延あるいは鍛造技術が採用でき、さらに
この芯材の両面にCu箔を冷間または温間圧接し、その後
必要に応じて熱処理を施して得るため、工業的規模にお
ける量産に際しても安定した特性を有する複合材料を提
供できる。
また、上述の5層の素材をそれぞれ清浄化した後、5層
の素材を同時に冷間または温間圧接し、さらに熱処理す
ることができ、圧接時には、5層の材質の組合せ、Ni−
Fe系金属板の板厚み方向の貫通孔あるいは切り目などの
寸法や配置パターン等に応じて、冷間または温間の選
定、さらに圧接ロール径、ロール段数及び圧下率を選定
する必要がある。例えば、冷間圧接でも、圧接直前に芯
相のCuを加熱して行うなど、5層の材質の組合せ、厚み
などの諸条件に応じて、冷間または温間、さらには、不
活性、非酸化、減圧などの種々雰囲気を適宜選定するこ
ともできる。
この発明の熱伝導複合材料を工業規模にて量産するに
は、上記の如く、圧接ロールを用いて冷間、温間による
圧接圧延を実施することが最も効果的であるが、特に最
終製品の厚さが比較的厚く、1mm程度以上の個片状で得
る場合には、所定の材料をダイス内に積層して各材料の
再結晶温度以下にて圧力を加える温圧法、または、各材
料の融点温度以下にて圧力を加える熱圧法にて、圧接一
体化する方法も採用できる。
さらに、上述の芯材両面に、Cuの2〜5μmの厚いメッ
キを施したのち、公知の均質化の熱処理し、さらに圧延
し、拡散焼鈍することにより、最外層にCu箔層を有する
5層構造の熱伝導複合材料を製造できる。
また、この発明の複合材料におけるNi−Fe系金属板の表
面に露出するCuの形状や配列形態は、前述の如く目的に
応じあるいは製造方法により各種形態を取り得る。
例えば、材料幅方向の機械的強度を均一にするため、同
一寸法形状の孔パターンが繰り返されないように配置し
たり、圧接、圧延後の芯材の貫通孔が板厚み方向と一致
しないよう傾斜させたり、孔寸法が表裏で異なるように
テーパー状としかつ隣接孔が孔寸法の大小の組合せとな
るように配置することが望ましい。
また、貫通孔間隔が狭いほうが製品のばらつきを低減す
る上で有利であり、通常3mm以下、好ましくは1mm以下で
あり、さらに好ましくは0.5mm以下である。
また、Ni−Fe系金属板の板厚み方向の貫通孔は、プレス
打ち抜き等の機械加工のほか、エッチング等の化学的加
工も採用でき、貫通孔形状も横断面が円、楕円、多角形
状等、縦断面がストレート、テーパー等種々形状が採用
でき、テーパー状の場合、貫通孔内への圧入を容易にし
かつ接合強度を高めることができる。
さらに、Ni−Fe系金属板の板厚み方向の貫通孔は、圧
接、圧延等にCu板が充填される所要の貫通孔になればよ
く、例えば、圧延前のNi−Fe系金属板に、板厚みの所要
方向に貫通するかあるいは貫通直前の切り目を入れた
り、該金属板の両面から切り目方向や種々の切り目の形
状を変えて入れたりして、上述の貫通孔配置となるよう
種々選定でき、切り目の形状も、− + <など種々の
形状が採用でき、また、板厚みの所要方向に例えば、三
角錐の如き楔状()の切り目を入れることもできる。
この発明の複合材料は上述した構成により、固有の熱膨
張係数及び熱伝導率を有するが、さらに異なる熱膨張係
数及び熱伝導率を有するこの発明の複合材料を厚み方向
に積層し、任意の熱膨張係数及び熱伝導率を設定するこ
とができる。また、前述の芯材を複数積層して、最外層
にCu箔層を有する複合材料とすることもできる。
この発明において、最外層のCu箔層は、受熱の均一化、
熱拡散効果、相手材との接合性、薄膜の被着性の向上を
図るものであり、かかる効果を得るには、2μm以上の
厚みが必要であるが、100μmを越えると熱膨張係数の
整合性が得難くなるため、2〜100μmとする。
また、芯材の厚みは、使用用途により異なるが、少なく
とも0.1mmは必要であり、30mmを越えると圧延による製
造が困難となる。
また、芯材のCuとNi−Fe系金属との厚さ比は、第1図に
示す如く、芯材のCu厚みをt1、Ni−Fe系金属厚みをt2
最外層のCu箔層厚みをt3とすると、 t1=1t2−3t2、t3≦1/10t2が好ましい。
この発明による熱伝導複合材料は、後述する実施例で明
らかにする如く、平板に切り出してろう付けして用いた
り、所要形状に打ち抜きして複数を積層したりあるいは
他の熱伝導材と積層したり、またキャップ状にプレス成
形したり、所要形状に折り曲げて弾性を有する熱伝導複
合材料とするなど、種々の加工が可能で、さらに、前述
した金属メッキ、あるいはAgろう材、セラミックス、ガ
ラス層などを加工前後に被覆、被着できる。
図面に基づく発明の開示 第1図a,bはこの発明による熱伝導複合材料を示す斜視
説明図である。
第2図a、第3図a、第4図a、第6図はこの発明の熱
伝導複合材料を用いた半導体パッケージの実施例を示す
説明図である。第2図b、第3図b、第4図bはこの発
明の熱伝導複合材料の説明図である。
第4図cは第4図aの詳細を示す部分拡大図、第4図
d、eはこの発明の他の実施例からなる熱伝導複合材料
の説明図である。第5図はこの発明の熱伝導複合材料を
用いたハイパワーモジュールの一部を示す説明図であ
る。
第7図a,b、第8図はこの発明による複合材料の製造方
法の概念を示す斜視説明図である。
以下の説明において、芯材には純銅板を、Ni−Co−Fe系
金属板としてコバール板を用いた例を説明する。
第1図a,bに示す熱伝導複合材料(10)は、いずれも銅
板(11)の両面に厚み方向に多数の貫通孔(13)を有す
るコバール板(12)が圧接された芯材(14)と、芯材
(14)の両面に圧接されたCu箔層(16)とからなる。
芯材(14)の両面には、貫通孔(13)を通してコバール
板(12)表面に露出する銅露出面(15)が形成され、第
1図aの場合は、板厚み方向に同一寸法の貫通孔(13)
が形成されて長楕円状の銅露出面(15)が配列されてお
り、第1図bの場合は、孔寸法が表裏で異なるようにテ
ーパー状としかつ隣接孔が孔寸法の大小の組合せとなる
ように配置してある。
これらのいずれの構成においても、芯材(14)における
銅板(11)の両面に圧接されるコバール板(12)の各々
の厚み及び銅露出面(15)の比率や分散状態等を選定す
ることにより、各主面の熱的特性を要求される特性に近
似させることできる。
さらに、芯材(14)の両面に圧接した最外層のCu箔層
(16)を有するため、受熱の均一化、熱拡散効果、相手
材との接合性、薄膜の被着性の向上効果が得られる。
構成1 第2図a,bに示す熱伝導複合材料(20)は、セラミック
スパッケージ用の放熱基板に用いた例であり、パッケー
ジに応じた寸法の矩形板に切断され、図示の如く所要表
面部にAgろう(32)が被着してある。
熱伝導複合材料(20)は、例えば、第1図a,bに示す熱
伝導複合材料(10)において、芯材(14)はチップ(3
1)と熱的整合が得られるよう、銅板(11)とコバール
板(12)の厚さ比、コバール板(12)と銅露出面(15)
の比率が適宜選定され、Cu箔層(16)上にさらにNiメッ
キした構成からなり、Agろう(32)との接着性を良好に
して、セラミックス(30)との接合性を高めている。
すなわち、熱伝導複合材料(20)は、Agろう(32)が溶
融する際に該Cu箔層(16)と反応し、この反応面の形成
により熱伝導の低下を招くため、通常2〜10μm厚程度
のNiメッキが必要となる。
特に、Niメッキの被着性を良好にするためには、熱伝導
複合材料(20)の表面(Cu)にNiメッキを被着したの
ち、Ar、N2等の不活性雰囲気またはH2等の還元性雰囲気
の中で750℃〜950℃、2分〜1時間の均質化処理(再結
晶化焼鈍)を施すことが望ましい。
第2図の構成においては、熱伝導複合材料(20)の一方
面の所要位置にのみAgろう(32)を被着した構成を示し
たが、用途に応じて、熱伝導複合材料(20)の一方面全
面、または面にAgろうを被着してもよく、いずれの構成
においても熱伝導複合材料(20)の表面には、Agろう被
着前にNiメッキを施しておくことが望ましい。
Niメッキは前述の如く、AgろうとCuとの反応を防ぐ効果
だけでなく、Agろうの流れ性を良好にし、パッケージの
気密性を向上させることができる。
また、第2図に示す如く、予め熱伝導複合材料(20)に
Agろうを被着しておく場合は、パッケージとの接合性、
作業性等を考慮すると、Agろうの厚さは30〜120μm程
度が望ましい。なお、図中のチップ(31)はAu−Siろう
にて着設してある。
構成2 第3図a,bに示す熱伝導複合材料(21)は、セラミック
スパッケージ用の放熱基板を用いた例であり、第2図a,
bの熱伝導複合材料(20)と同等であるが、さらに、同
様構成の熱伝導複合材料(22)を中央部にろう付けにて
積層した構成からなり、同部にチップ(31)をAu−Siろ
う付けする。
この場合、主体となる熱伝導複合材料(21)は、特に、
セラミックス(30)の熱的特性と近似させ、積層した熱
伝導複合材料(22)はチップ(31)の熱的特性とより近
似させるよう、芯材(14)の各金属板の厚さ比およびコ
バール板表面に露出した銅露出面(15)との表面積比を
考慮するとよい。
第3図に示す構成において、一対の熱伝導複合材料(2
1)(22)をAgろうにて一体にする場合は、第2図に示
す構成にて説明した如く、各熱伝導複合材料の少なくと
もAgろうを被着面に、Niメッキを施しておくことが望ま
れる。
しかし、チップを載置する面にまでAgろうが被着するこ
とは、チップ載置面に凹凸ができ、チップの位置精度が
低下する等の理由から好ましくなく、チップを載置する
側の熱伝導複合材料(22)の外周側面は、あえて、Agろ
うの流れ性を良好にするNiメッキを施すことなく、Agろ
うの流れを低くすることが望ましい。
また、図示の如く熱伝導複合材料を積層してセラミック
スパッケージに配置する場合、予め一対の熱伝導複合材
料(21)(22)をAgろうにて一体化したのち、再度一方
の熱伝導複合材料(21)とセラミックス(30)とをAgろ
うにて一体化する方法が採用できるが、チップ(31)の
位置精度を確保するための他の方法として、予め一方の
熱伝導複合材料(21)の一主面にAgろうを被着し、その
Agろう被着面に他方の熱伝導複合材料(22)を機械的な
圧着手段等にて仮止めしておき、前記熱伝導複合材料
(21)とセラミックス(30)との接合時に同時にAgろう
付けを完了する方法が採用できる。
構成3 第4図a,bに示す熱伝導複合材料(23)は、セラミック
スパッケージ用の放熱基板に用いた例で、上述した第2
図a,bの熱伝導複合材料(20)と同等であり、パッケー
ジに応じた寸法でキャップ状にプレス成形してあり、周
縁部でセラミックス(30)とろう付けし、凸部にチップ
(31)をAu−Siろう付けする。
この構成においては、プレス成形にて容易に製造でき、
熱伝導複合材料(23)が本来有する熱的な特性による効
果だけでなく、キャップ状の円筒部(231)(第4図
(c)参照)の形成により、セラミックスパッケージ、
及びチップと該熱伝導複合材料(23)との熱膨張差によ
る影響を一層緩和することができる。
この構成を採用するにあたっては、プレス成形が可能な
範囲で熱伝導複合材料(23)の厚さを選定することが必
要である。特に、要求される熱的特性を満足させるため
に、熱伝導複合材料(23)の厚さを厚くすると第4図
(c)に示す如く、折り曲げ部(232)のRが大きくな
り、必然的にセラミックスパッケージの穴径が大きくな
ってしまうため、セラミックスパッケージの内径開放端
部に切欠き部(301)を設けることが望ましい。
また、プレス成形性等を考慮して、熱伝導複合材料(2
3)の厚さを薄くすると、チップ接合時の応力により変
形し、チップの適正配置が困難となるだけでなく、要求
される放熱効果、特に面平行方向の放熱効果が得られな
いことが懸念される。
このような場合は第4図(d)に示す如く、キャップ状
に成形された熱伝導複合材料(23)にCu、Cu合金、Al、
Al合金等の高熱伝導材料からなり、中央部に凸状突起
(401)を有する、補強材(40)を接合一体化すること
が望ましい。
この補強材(40)として、最適形状、寸法を選定すれ
ば、従来例の第9図(a)に示す如き放熱フィン(5)
を不要とすることができる。
また、この補強材(40)が薄く、熱伝導複合材料(23)
とのバイメタル効果によるソリの発生が懸念される場合
は、補強材(40)の一方面、すなわち熱伝導複合材料
(23)の被着面と反対側主面にNi−Fe系等の低熱膨張合
金を接合することが望ましい。
また、チップ接合時の変形を防ぐとともにチップとの熱
膨張差を考慮し、第4図(e)に示す如く、熱伝導複合
材料(23)のチップ載置面に予め所定の厚さを有する他
の熱伝導複合材料や、Mo、Cu−Mo合金、Cu−W合金等の
補強板材(42)を接合しておくことも好ましい構成であ
る。
以上に示す如く、本発明者はキャップ状にプレス成形さ
れた熱伝導複合材料(23)を効果的に使用する構成を種
々提案したが、通常、0.2〜0.3mm程度の熱伝導複合材料
であれば、要求されるキャップ形状にプレス加工でき、
しかも良好なる熱的特性をも得られることを確認した。
以上に示したいずれの構成においても、第3図の構成と
同様に、チップ載置面にAgろうが被着することは望まし
くなく、キャップ状の円筒部やチップ載置面には、Agろ
うの流れ性を良好にするNiメッキを施こすことなく、Cu
箔面がそのまま表れている構成が望ましい。
構成4 第5図に示す熱伝導複合材料(24)は、ハイパワーモジ
ュールに用いた例で、板を折り曲げてコ字型にしてあり
かつ所要面にはんだ層が被着してあり、一端にCuリード
(33)が接続され、他の板状熱伝導複合材料(25)とで
チップ(31)を挟むようにろう付けし、全体が樹脂モー
ルドされる。
この構成において、一対の熱伝導複合材料(24)(25)
は、大電流を流すためのリードであるとともに、チップ
(31)から発生する熱を放散する機能を有し、特に、熱
伝導複合材料(24)は外部からの振動などの影響を軽減
するために、コ字型にして弾性体としての機能を有す
る。
熱伝導複合材料(24)(25)は、第1図a,bに示す熱伝
導複合材料(10)において、芯材(14)はチップ(31)
および樹脂との熱的整合が得られるよう、銅板(11)と
コバール板(12)の厚さ比、コバール板(12)と銅露出
面(15)の比率が適宜選定され、Cu箔層(16)上にさら
にNiメッキした構成からなり、はんだとの被着性を良好
にするとともにチップ(31)との接合性を高めている。
すなわち、第5図に示す如く、チップ(31)と熱伝導複
合材料(24)(25)とがはんだによって一体化される場
合、該熱伝導複合材料(24)(25)の全表面がCuにて形
成されているため、はんだの流れがよく良好な接合が得
られる。
特に、この発明の熱伝導複合材料と他の部材とを、はん
だ等の低融点の接合剤にて一体にする場合は、第2図、
第3図、第4図に示した構成の如くAgのろう材とCuとの
反応を懸念する必要がなく、あえて、Cu表面にNiメッキ
を施す必要はない。
また、第5図の構成においては、熱伝導複合材料の所定
位置にのみはんだ層を形成した場合を示したが、用途に
応じて予め熱伝導複合材料の一方主面、または両面の全
体にはんだ層を形成する構成も採用可能である。
構成5 第6図に示す熱伝導複合材料(26)は、メタルパッケー
ジ用の放熱基板に用いた例で、チップ(34)を収納でき
るように舟形に成形してあり、中央凹部にチップ(34)
をろう付け載置し、周縁部に金属キャップ(37)を載置
し封着する際に、リードフレーム(35)を挟みガラス
(36)封着してある。
熱伝導複合材料(26)は、第1図a,bに示す熱伝導複合
材料(10)において、芯材(14)はチップ(34)と熱的
整合が得られるよう、銅板(11)とコバール板(12)の
厚さ比、コバール板(12)と銅露出面(15)の比率が適
宜選定され、Cu箔層(16)上の所要封着部にAl膜を成膜
した構成からなり、ガラス(36)封着性にすぐれ、Agろ
うあるいははんだ等との被着性を良好にしている。
なお、放熱基板のCu箔層(16)の全面にAl膜を形成した
場合は、チップ(34)は絶縁層を介して着設され、ま
た、封着後の耐食性を向上させるために、外面にアルミ
ナなどのセラミックスコーティング、あるいはアルマイ
ト処理が施してある。
製造方法 第1図a,bの構成からなる複合材料(10)の製造方法を
説明すると、第7図aに示す如く、一対のコバール板
(12)(12)は、予めプレスによる打ち抜き加工を行
い、例えば、小さな孔を多数個穿孔して網目状となし、
さらに、焼鈍後、表面処理を施してコイルに巻き取って
ある。
所要寸法、厚みの銅板(11)コイルを巻き戻し、上方及
び下方より巻き戻した前記コバール板(12)を重ねて、
冷間または温間で大径の圧延ロール(50)により圧延接
合する。さらに、必要に応じて、接合後、密着性を向上
させるために拡散焼鈍する。
圧接の結果、第1図に示すように、コバール板(12)の
多数個の貫通孔(13)内に銅が侵入し、コバール板(1
2)の所要位置に銅露出面(15)が部分的に配置形成さ
れた芯材(14)が得られる。さらに、拡散焼鈍し、表面
処理を施してコイルに巻き取る。
次に、第7図bに示す如く、芯材(14)コイルを巻き戻
し、上方及び下方より巻き戻したCu、Al等の金属箔(1
6)(16)を重ねて、冷間または温間で圧延ロール(5
1)により圧接接合する。
次に、必要に応じて、この複合材料を拡散焼鈍し、さら
に、所要厚みとなるまで圧延する。
また、第8図に示す如く、焼鈍後、表面処理を施してコ
イルに巻き取った所要寸法、厚みの銅板(11)コイルを
巻き戻し、予めプレスによる打ち抜き加工を行い、焼鈍
後、表面処理を施してコイルに巻き取ったコバール板
(12)(12)を上方及び下方よりそれぞれ巻き戻して銅
板(11)に重ね、さらに各コバール板(12)(12)の情
報より、表面処理を施してコイルに巻き取った金属箔
(16)(16)を巻き戻して重ねて、所要段数の圧延ロー
ル(52)により圧接、圧延して一体に接合するとよい。
上述の如くこの発明の熱伝導複合材料は、圧延加工及び
圧接により所定の寸法の板状で得られるため、所定の厚
みに仕上げるのに機械的加工等の複雑な加工方法を用い
る必要はなく、安価に製造でき、また、切削加工性にす
ぐれ、パッケージ基板やチップに応じて容易に加工でき
る利点がある。
実施例 実施例1 板厚0.5mm、板幅30mmの一対のコバール板(29Ni−16Co
−Fe合金)に、各々孔径1.0mm、孔間隔1.5mmで多数の穿
孔を施し、さらに、900℃で焼鈍後、ワイヤーブラッシ
ングした。
コバール板の30〜200℃における平均熱膨張係数は5.2×
10-6/℃であった。
また、板厚1.0mm、板幅30mmの銅板に、同様に焼鈍、ワ
イヤーブラッシングを施した。銅板の30〜200℃におけ
る平均熱膨張係数は17.2×10-6/℃であった。
前記コバール板と銅板を、第7図aに示す冷間圧接機に
より圧接し、板厚0.85mmの芯材を得た。
すなわち、冷間圧接時にコバール板の貫通孔中に銅が侵
入し、コバール板表面の所要位置に銅板表面が部分的に
露出した第1図に示す芯材が得られた。
この芯材を800℃で5分間、拡散焼鈍して接合一体化し
た。
得られた芯材の主面におけるCu露出面は圧延方向に長い
楕円形となり、孔間隔は圧延方向に1.0mmであり、コバ
ール板に対するCu露出面の比率は35%であった。
得られた芯材の厚み方向の熱伝導率は230w/m・K、及び
各主面における熱膨張係数は8×10-6/℃であった。
板厚0.85mmの芯材の両面に、0.05mm厚みのCu箔を、2段
の冷間圧接機により圧接し、板厚0.37mmの熱伝導複合材
料を得た。
この熱伝導複合材料において芯材を構成する銅板の厚さ
(t1)は0.166mm、コバール板の厚さ(t2)はそれぞれ
0.095mm、表面のCu箔の厚さ(t3)はそれぞれ0.007mmで
あった(第1図a参照)。
板厚0.37mmの熱伝導複合材料を所要寸法に切断して、こ
れを第3図aに示す如く、2枚積層した放熱基板となし
た。
上記放熱基板を用いて、セラミックスパッケージを作製
したところ、良好な熱放散性が得られ、熱的整合性も優
れていることを確認できた。
さらに、板厚0.37mmの熱伝導複合材料を焼鈍後、冷間圧
延にて板厚0.15mmに加工した。得られた熱伝導複合材料
において、芯材を構成する銅板の厚さ(t1)は0.068m
m、コバール板の厚さ(t2)はそれぞれ0.038mm、表面の
Cu箔の厚さ(t3)はそれぞれ0.003mmであった。
その後、公知の方法にてリードフレームに加工し、半導
体パッケージを作製したところ、チップとアイランドと
の接着界面の剥離や封止樹脂のクラック等が発生するこ
となく、また、従来の銅合金を用いたリードフレームに
近似する良好な熱放散性が得られた。
実施例2 実施例1と同一素材を用いて、芯材の銅板とコバール板
との圧接前に、銅板を加熱してから圧接する以外は、実
施例1と同等の製造方法、条件で、板厚0.37mmの熱伝導
複合材料を製造した。
この熱伝導複合材料において、芯材を構成する銅板の厚
さ(t1)は0.158mm、コバール板の厚さ(t2)はそれぞ
れ0.100mm、表面のCu箔の厚さ(t3)はそれぞれ0.006mm
であった。
板厚0.37mmの熱伝導複合材料を焼鈍後、板厚0.25mmに冷
間圧延した。得られた熱伝導複合材料において、芯材を
構成する銅板の厚さ(t1)は0.106mm、コバール板の厚
さ(t2)はそれぞれ0.068mm、表面のCu箔の厚さ(t3
はそれぞれ0.004mmであった。この熱伝導複合材料を第
4図aに示す如く、キャップ状にプレス成形して放熱基
板となしたところ、種々の深絞りが可能で、プレス成形
性にすぐれていることが確認できた。
また、上記放熱基板を用いて、セラミックスパッケージ
を作製したところ、良好な熱放散性が得られ、熱的整合
性もすぐれていることが確認できた。
発明の効果 この発明は、Cu板に厚み方向に多数の貫通孔を有するNi
−Fe系金属板を圧接一体化し、前記貫通孔からCuをNi−
Fe系金属板表面に露出させた3層芯材の両面に極薄いCu
箔を圧接した5層構造の複合材料とすることにより、実
施例にも明らかなように、 3層芯材のCu板とNi−Fe系金属板の厚さ比を選定し
て、熱膨張係数を調整でき、 Ni−Fe系金属板表面に露出したCuとNi−Fe系金属との
表面積比を選定して、熱伝導率を所要値に変化させ得る
こと、 また、表面のCu箔層は極薄く、表面層の主体が3層芯
材のNi−Fe系板であり、半導体素子などの熱膨張係数の
小さな披着相手材との熱膨張係数の整合性が得られるこ
と、 さらに、表面のCu箔層により受熱の均一化、熱拡散効
果の向上を図ることができ、 表面微細孔がなくメッキやろう材など薄膜の披着性に
すぐれ、容易に目的とする複合材料が製造できる 利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bはこの発明による熱伝導複合材料を示す斜視
説明図である。 第2図a、第3図a、第4図a、第6図はこの発明の熱
伝導複合材料を用いた半導体パッケージの実施例を示す
説明図である。第2図b、第3図b、第4図bはこの発
明の熱伝導複合材料の説明図である。 第4図cは第4図aの詳細を示す部分拡大図、第4図
d、eはこの発明の他の実施例からなる熱伝導複合材料
の説明図である。 第5図はこの発明の熱伝導複合材料を用いたハイパワー
モジュールの一部を示す説明図である。 第7図a,b、第8図はこの発明による複合材料の製造方
法の概念を示す斜視説明図である。 第9図a,bは従来の放熱基板を示すパッケージの縦断説
明図である。 第10図は半導体パッケージの概略図である。 1,31,32,34……チップ、2……Mo材、3……アルミナ
材、 4……コバール材、5……放熱フィン、 6……複合体基板、7……フランジ部、 80……リードフレーム、81……アイランド、 82……ステッチ、83……リード部、84……チップ、 85……ボンディングワイヤ、86……樹脂、 10,20,21,22,23,24,25……熱伝導複合材料、 11……銅板、12……コバール板、13……貫通孔、 14……芯材、15……銅露出面、 16……Cu箔層、231……円筒部、232……折り曲げ部、 30……セラミックス、301……切欠き部、 33……Cuリード、36……ガラス、37……金属キャップ、 40……補強材、401……凸状突起、41……補強板材、 50,51,52……圧延ロール。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さt1のCu板の両面に、厚み方向に多数の
    貫通孔を有する各々厚さt2のNi−Fe系板を配置し、前記
    Cu板の一部が各々Ni−Fe系板の貫通孔を介して少なくと
    もNi−Fe系板の表面に露出することによって前記Cu板と
    各々Ni−Fe系板とが一体化するとともに、各々Ni−Fe系
    板表面における露出Cu材の面積比率が20〜80%の範囲に
    ある3層芯材を構成し、かつ、該3層芯材の両面に各々
    厚さt3のCu箔を圧接して、前記Ni−Fe系板表面に露出す
    るCu板の一部と該Cu箔とが一体化してなる5層構造から
    なり、3層芯材を構成するCu板とNi−Fe系板及びCu箔の
    各々厚さがt1/t2=1〜3、t3≦(1/10)t2、t1+2t2
    0.1mm〜30mm、t3=2μm〜100μmの関係を満足すると
    ともに、30℃〜200℃における平均熱膨張係数が3〜8
    ×10-6/℃であり、20℃における熱伝導率が140W/m・K
    以上であることを特徴とする熱伝導複合材料。
  2. 【請求項2】熱伝導複合材料の少なくとも一主面の所要
    位置に、Al、Ni、Snのうちいずれかからなる金属メツキ
    を被着したことを特徴とする請求項1記載の熱伝導複合
    材料。
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