JP3723227B2 - ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート及びその塩の大規模生産のための方法 - Google Patents

ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート及びその塩の大規模生産のための方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、新規の塩を含む治療用ジヌクレオチドの生産のための方法に関する。より詳しくは、本発明は、従来の製造方法に優る利点を有するP1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、即ちジウリジンテトラホスフェート(U2P4)の合成のための方法に関する。
発明の背景
1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートは次の構造式:
Figure 0003723227
(式中、XはNa,NH4又はHであり、但し全てのX基がHではない)
のジヌクレオチドである。
1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート(式中、Xは水素である)の遊離酸は、以前に、ウリジンとのP'''→5’−エステルであるウリジン5’−(四リン酸五水素)として開示されている(CAS Resistry Number:59985-21-6;C.Vallejoら、Biochimica et Biophysica Acta 438, 305(1976)及びH.Costeら、J.Biol.Chem.262, 12096(1987))。
プリンジヌクレオチド、例えばジアデノシンテトラホスフェート(A2P4)の合成のために異なる方法が開示されている(E.Rappaport et al,Proc.Natl.Acad.Sci,78, 838,(1981);A.Guranowski et al,Biochemistry,27, 2959,(1988);C.Lobaton et al,Eur.J.Biochem.,50, 495, 1975;K.Ng and L.Orgel,Nucl.Acid Res.,15, 3573,(1987))。しかしながら、これはピリミジンヌクレオチドであるU2P4については開示されていない。プリンヌクレオチド及びピリミジンヌクレオチドは類似しているように見えるが、プリンヌクレオチド合成のために用いる方法はウリジンのようなピリミジンのために必ずしも作用しない。
ジウリジンテトラホスフェートは慢性の閉塞性肺疾患(COPD)のような種々の病気の治療において有益な特性を有することが示されている。例えば、それらは、種々の理由、例えば嚢胞性繊維症、慢性気管支炎、喘息、気管支拡張症、術後粘液貯留、肺炎、一次毛様体運動障害のために治療の必要なヒトを含む哺乳動物のような被検体の肺からの粘液分泌物の浄化(M.J.Stutts,IIIら、米国特許5,635,160;PCT国際公報WO 96/40059)並びに固定患者における肺炎の予防及び治療(K.M.Jacobus及びH.J.Leighton、米国特許5,763,447)を容易にすることが証明されている。更なる治療的使用には、副鼻腔炎(PCT国際公報WO 98/03177)、中耳炎(PCT国際公報WO 97/29756)、乾性眼、網膜剥離、鼻涙管閉塞の治療、粘液分泌の増加及び上皮表面の水和作用による膣の乾燥症による女性不妊症及び過敏症の治療、並びに運動家の能力の増加がある。
U2P4は、哺乳動物、例えばこれらに限らないが、イヌ、ネコ及びウマにおける獣医学的製品としての利用性も有する。
先行技術の方法は、ジウリジンテトラホスフェートの生産のための唯一のプロトコルを記述する。この方法は極めて時間がかかり、5日間、続き、そして少量のジウリジンテトラホスフェートを生産する(C.Vallejoら、Biochimica et Biophysia Acta 438, 305(1976),Silleroら、Eur J Biochem 76, 332(1972))。この技術に従って、ジウリジンテトラホスフェートは、無水ピリジン(10ml)の媒体中でのウリジン5’−モノホスホモルホリデート(0.54mmol)のピロリン酸のトリエチルアミン塩(0.35mmol)との反応により合成された30℃で5日後、エバポレーションにより反応混合物からピリジンを除去し、その残留物をガラス−蒸留水(8mL)に再度懸濁し、その懸濁液をDEAE−セルロースカラム(37.5×2.6cm)に適用し、重炭酸アンモニウムpH8.6の直線勾配(0.06〜0.25M)の3.2Lで分画された、0.17〜0.19Mの重炭酸アンモニウム間に溶出するピークは、クエン酸緩衝液pH5.0での電気泳動により、ホスホジヒステラーゼIでの処理後、次の基準:アルカリホスファターゼに対する不感受性、塩基に対するリンの比及び加水分解の産物(UTP+UMP)の分析によりU2P4としてキャラクタライズされた。収率又は分光データは供されなかった。これにより、ジウリジンテトラホスフェートの合成のための先行技術の手順は冗長であり、部分的にキャラクタライズされただけのジウリジンテトラホスフェートを少量しか生産しなかった。本発明は、より効果的かつ便利に行うことができ、ジウリジンテトラホスフェート及びその塩の大規模生産に適用できるこの医学的に役立つ化合物を生産するための方法にある。
発明の概要
本発明は、治療用ジヌクレオチド、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート(式I)の合成のための新規方法を供し、大量での生産への適用性を証明する。本発明の方法は、ジウリジンテトラホスフェートを合成するために必要とされる時間を、好ましくは3日又はそれ未満に実質的に減少させる。これらの方法により調製されたP1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートの新規アンモニウム及びナトリウム塩は安定で、可溶性で、非毒性で、そして製造の間での取り扱いが容易である。テトラアンモニウム塩が好ましく;テトラナトリウム塩が最も好ましい。
Figure 0003723227
(式中、Xは、Na,NH4又はHであり、但し全てのX基がHであることはない)
式Iの化合物及びその医薬として許容される塩を合成する方法は、一般に、次のステップ:1)極性、非プロトン性有機溶媒及び疎水性アミン中に式IIa−dのウリジン又はウリジンヌクレオチド化合物を溶解し;2)式IVa−bのリン酸化剤でリン酸化し及び/又は式IIIa−cの活性化剤で活性化し;そして3)イオン交換クロマトグラフィーにより精製することにより行われる。
本発明の別の態様は、種々の病状、例えばこれらに限らないが、慢性の閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、中耳炎、鼻涙管閉塞、乾燥性眼疾患、網膜剥離、肺炎、及び膣の乾燥症により引きおこされる女性不妊及び過敏症を治療する方法である。
本発明の別の態様は、医薬として許容される担体と一緒に式Iの化合物を含む医薬組成物である。
発明の詳細な記載
本発明は、治療用ジヌクレオチド、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートの合成のための新規方法を供し、大量での生産への適用性を証明する。本発明の方法は、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートを合成するために必要とされる時間を、好ましくは3日又はそれ未満に実質的に減少させる。これらの方法により調製されたP1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート(式I)のアンモニウム及びナトリウム塩は安定で、可溶性で、非毒性で、そして製造の間での取り扱いが容易である。
本発明は、式I:
Figure 0003723227
(式中、Xは、Na,NH4又はHであり、但し全てのX基がHであることはない)
の化合物を更に供する。
1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートのナトリウム及びアンモニウム塩は多くの利点を有する。ナトリウム及びアンモニウム塩は、リン酸エステルの加水分解を触媒する二価カチオン(例えばCa2+,Mg2+,Mn2+)のものと比べて優れた長期安定性プロフィールを供する。P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートの四ナトリウム塩は肺及び眼に対して非刺激性である。他のカチオンは、肺、眼、及び他の粘膜上皮を刺激し得、又はヒトの体により十分に許容されない。これらの無機ナトリウム及びアンモニウム塩は疎水性アミン塩、例えばトリ−及びテトラブチルアンモニウム及び類似の塩と比べて優れた水溶解性を与える。高い水溶性は種々の濃度の医薬製剤における柔軟性のため重要な利点である。P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートのテトラアンモニウム及びテトラナトリウム塩は、有機溶媒を用いない水性のイオンクロマトグラフィーにより直ちに精製される点でも有利である。更に、これらの塩は、いくつかのアミン塩で油又はガム状であるのと比べて飛散性(fluffy)の白色固体として容易に取り扱われる。
テトラナトリウム塩が好ましい。
式Iの化合物は、種々の理由、例えば嚢胞性繊維症、慢性気管支炎、喘息、気管支拡張症、術後粘液貯留、肺炎、一次毛様体運動障害のために治療の必要なヒトを含む哺乳動物のような被検体の肺からの粘液分泌物の浄化(M.J.Stutts,IIIら、米国特許5,635,160;PCT国際公報WO 96/40059)並びに固定患者における肺炎の予防及び治療(K.M.Jacobus及びH.J.Leighton、米国特許5,763,447)を容易にするために用いることができる。更なる治療的使用には、副鼻腔炎(PCT国際公報WO 98/03177)、中耳炎(PCT国際公報WO 97/29756)、乾性眼、網膜剥離、鼻涙管閉塞の治療、粘液分泌の増加及び上皮表面の水和作用による膣の乾燥症による女性不妊症及び過敏症の治療、並びに運動家の能力の増加がある。
式Iの化合物は、吸入又は噴霧により経口的、局所的、非経口的に手順中に、直腸に、又は膣に、慣用的な非毒性医薬として許容される担体、アジュバント及びビヒクルを含む投与単位製剤で投与することができる。本明細書に用いる用語“局所的”には、パッチ、ゲル、クリーム、軟膏、坐剤、ペッサリー、又は鼻、耳もしくは眼用の液滴がある。本明細書に用いる用語“非経口”には、皮下、注入、静脈内、筋内、胸骨内注入又は注射技術がある。更に、一般式Iの化合物及び医薬として許容される担体を含む医薬製剤を供する。一般式Iの1又は複数の化合物が1又は複数の非毒性の医薬として許容される担体又は希釈剤もしくはアジュバント、及び必要に応じて他の活性成分と合わせて存在し得る。1つのこのような担体は、糖であろう。ここでは、その化合物は、グラシフィケーション(glassification)の間にマトリックス中に親密に組み込んでもよく、又は担体(例えばラクトース、スクロース、トレハロース、マンニトール)もしくは肺もしくは気道デリバリーのための他の許容される賦形剤と単に混合してもよい。
一般式Iの1又は複数の化合物は、別個にもしくは一緒に、又は粘液溶解剤、例えばDNAse(Pulmozyme▲R▼)もしくはアセチルシステイン、抗生物質、例えばこれらに限らないが、吸入化Tobramycin▲R▼;非ステロイド性抗炎症剤、抗ウイルス剤、ワクチン、うっ血除去剤及びコルチコステロイドと別個にもしくは一緒に投与することができる。
一般式Iの化合物を含む医薬組成物は、経口的使用に適した形態、例えば錠剤、カプレット、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは粒子、エマルション、硬質もしくは軟質カプセル、又はシロップもしくはエリキシルとして用いることができる。経口的使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のために当該技術分野で周知であるいずれかの方法に従って調製することができ、これらの組成物は、医薬としてエレガントで味のよい調製物を供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤及び防腐剤からなる群から選択される1又は複数の剤を含み得る。錠剤は、錠剤の製造のために適した非毒性の医薬として許容される賦形剤との混合物で活性成分を含む。これらの賦形剤は、例えば不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;顆粒化及び分解剤、例えばコーンスターチ、又はアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン又はアカシア;及び滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであり得る。錠剤は、コートしなくても、又は胃腸管内での分散及び吸収を遅らせてそれによりより長期にわたる持続活性を供するために周知の技術によりコートしてもよい。例えば時間遅延材料、例えばグリセリルモノステアレート又はグリセリルジステアレートを用いることができる。
経口的使用のための製剤は、活性成分が、不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されている硬質ゼラチンカプセルとして、又は活性成分が水もしくは油媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合されている軟質ゼラチンカプセルとして供してもよい。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造のために適した賦形剤との混合物において活性材料を含む。このような賦形剤は、懸濁剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルース、メチルセルロース及びナトリウムアルギネートである。分散又は湿潤剤は、天然のホスファチドもしくはアリレンオキシドの脂肪酸との縮合産物、又はエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物、又はエチレンオキシドの、脂肪酸及びヘキシトールからの部分エステルとの縮合産物、又はエチレンオキシドの、脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合産物であり得る。当業者は、上述の一般的記載により包含される多くの特定の賦形剤及び湿潤剤を認めるであろう。水性懸濁液は、1又は複数の防腐剤、例えばエチルもしくはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1もしくは複数の着色剤、1もしくは複数の芳香剤、及び1もしくは複数の甘味剤、例えばスクロースもしくはサッカリンを含み得る。
水の添加による水性懸濁液の調製のために適した分散性粉末及び粒子は、分散又は湿潤剤、懸濁剤及び1又は複数の防腐剤との混合物において活性成分を供する。適切な分散又は湿潤剤及び懸濁剤は、先に既に言及したものにより例示される。更なる賦形剤、例えば甘味剤、芳香剤、及び着色剤も存在し得る。
式Iの化合物は、滅菌媒体中で非経口的に投与することができる。その薬剤は、用いるビヒクル及び濃度により、ビヒクル内に懸濁し又は溶解することができる。有利には、局所麻酔剤のようなアジュバント、防腐剤及び緩衝剤をビヒクルに溶かすことができる。滅菌注入調製物は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注入溶液又は懸濁液であり得る。用いることができる許容されるビヒクル及び溶媒は、滅菌水、塩類溶液、又はリンガー溶液である。一般式Iの化合物は、薬剤の耳、直腸、又は膣内投与のための坐剤の形態で投与してもよい。これらの組成物は、薬剤を、通常の温度で固体であるが、体温で液体であり、それゆえ溶けて薬剤を放出するであろう適切な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。このような材料はココアバター及びポリエチレングリコールである。
式Iの化合物の溶液は、体内のいずれかの部位での術中設置により投与することができる。
約1〜約400mg、好ましくは10〜300mg、最も好ましくは25〜250mgの範囲の単一投与レベルが上述の呼吸条件の治療に役立つ。約0.0005〜約5mg、好ましくは0.001〜3mg、最も好ましくは0.025〜1mgの範囲の単一投与レベルが上述の眼病状態の治療に役立つ。担体材料と組み合わせて単一投与形態を作ることができる活性成分の量は、治療するホスト及び特定の投与の態様に極めて依存するであろう。しかしながら、いずれの特定の被検体についての特定の投与レベルも、種々の因子、例えば用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康状態、性別、食事、投与の時間、投与の経路、及び排泄の比率、薬剤の組合せ及び治療を行う特定の病気の激しさに依存するであろう。
下記の合成方法は、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートを生産するためのいくつかの合成ストラテジーを包含する。一般に、全ての方法は、極性非プロトン性有機溶媒(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、N−メチルピロリドン、トリメチルホスフェート)及び疎水性アミン(例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、2,4,6−コリジン、テトラブチルアンモニウム、トリ−及びテトラ−アルキルアミン、ヘテロ環式アミン)中に溶解する、出発材料として式IIa−dからのウリジン又はウリジンヌクレオチド化合物を用いる。その産物は、各々、式IVからのリン酸化剤(例えばリンオキシクロライド、ピロリン酸、ピロホスホリルクロライド)でリン酸化し、又は式IIIからの活性化剤(例えばカルボニルジイミダゾール、アルキル又はアリールカルボジイミド、アルキル又はアリールホスホクロリデート)でリン酸基を活性化し、次に当業者に公知である種々の精製手段、例えばこれらに限らないが、イオンクロマトグラフィー(例えばDEAE Sephadex、DEAEセルロース、Dowex 50、アニオン及びカチオン交換樹脂)を行うことにより得られる。
ピリミジンβ−D−リボフラノシル出発材料ウリジン、ウリジン5’−モノホスフェート(UMP)、ウリジン5’−ジホスフェート(UDP)、及びウリジン5’−トリホスフェート(UTP)は各々以下の式IIa−dに遊離酸として示される。これらの材料は、全て、種々の塩形態で大量に市販されている。
Figure 0003723227
Figure 0003723227
及びその塩;
Figure 0003723227
及びその塩;
Figure 0003723227
及びその塩。
活性剤カルボジイミド、活性化カルボニル、及び活性化リン化合物は各々以下の一般式IIIa−cに示される。
Figure 0003723227
(式中、R1及びR2はC1−C8アルキル又はシクロアルキル、C1−C8の任意に置換されたアルキル又はシクロアルキル(例えばヒドロキシ及びアミノ基);アリール又は任意に置換されたアリール(例えばヒドロキシ及びアミノ基)である))式IIIaの好ましい化合物はジシクロヘキシルカルボジイミド及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライドである。
Figure 0003723227
(式中、Xはイミダゾール、テトラゾール、及び/又はハロゲンである)。式IIIbの好ましい化合物はカルボニルジイミダゾール及びカルボニルジトリアゾールである。
Figure 0003723227
(式中、R1及びR2はC1−C8アルキル又はシクロアルキル、C1−C8の任意に置換されたアルキル、アルコキシ又はシクロアルキル(例えばヒドロキシ及びアミノ基);アリール、アルコキシ又は任意に置換されたアリール、アリールオキシ又はアルコキシ(例えばヒドロキシ及びアミノ基)及び/又はハロゲンであり;そしてXはハロゲンである)。好ましい式IIIcの化合物は、ジフェニルホスホロクロリデート、フェニルホスホロジクロリデート、フェニルホスホン酸ジクロライド及びジフェニルホスフィン酸クロライドである。
一及び二リン酸化剤は以下に一般式IVa−bに示す。
Figure 0003723227
(式中、Xはハロゲンである)。好ましい式IVaの化合物はオキシ塩化リンである。
Figure 0003723227
(式中、Xは、酸素、ヒドロキシ、又はハロゲンである)及びその塩。好ましい式IVbの化合物はピロホスホリルクロライド及びピロホスフェートである。
当業者は、本発明が以下の実施例に限定されないこと、及び以下の実施例におけるステップを変えることができることを認めるであろう。
実施例1
ウリジン5’−ジホスフェートを用いるジウリジンテトラホスフェート、四ナトリウム塩の生産のための方法
ウリジン5’−ジホスフェート二ナトリウム塩(Yamasa,Choshi,Japan;600グラム)を脱イオン水(5.4L)に溶かした。その溶液をDowex 50W×4H+(Dow Chemical)カラムに流した。ウリジン5’−ジホスフェートを含む画分をプールし、トリブチルアミン(Aldrich,St.Louis;300mL)で中和した。その中和した画分を、55〜60℃の浴温でのロータリーエバポレーターを用いて油に濃縮した。その油を乾燥ジメチルホルムアミド(Aldrich,3L)に溶かし、次にロータリーエバポレーター(55〜60℃の浴温)を用いて油に濃縮した。このステップを2回、くり返した。その油を再びジメチルホルムアミド(3L)に溶かし、1,1−カルボニルジイミダゾール(Aldrich;100g)を加えた。その溶液を21/2時間、50℃に加熱した。更なる量の活性化剤(33グラム)を加え、加熱を更に21/2時間、続けた。その溶液を再びロータリーエバポレーター(55〜60℃の浴温)上で油に濃縮した。生じた油を0.2M NH4HCO3と等しい伝導度まで脱イオン水に溶かした。次にその溶液をSephadex DEAE-A25(Pharmacia,Upsala,Sweden;1.0M NaHCO3中で予め膨潤し、2カラム容量の脱イオンH2Oで洗ったもの)に充填した。そのカラムを以下の順番で次の溶液:60Lの0.25M NH4HCO3、120Lの0.275M NH4HCO3、40Lの0.30M NH4HCO3及び40Lの0.35M NH4HCO3で溶出した。十分な量の純粋なジウリジンテトラホスフェートを有する画分をHPLC分析により測定してプールし、そしてロータリーエバポレーター(55〜60℃の浴温)で濃縮した。生じた残留物を脱イオン水(1.5L)に溶かしてロータリーエバポレーターで濃縮した。このステップを15回、又は過剰な重炭酸緩衝液が除去されるまでくり返した。生じた油を十分な量の脱イオン水に溶かして約10%の溶液を形成し、その溶液をDowex 50W×4Na+(Dow)カラムに詰めて脱イオン水で溶出した。U2P4を含む画分をプールし、約10〜15%溶液に濃縮し、それを凍結乾燥して白色固体としてU2P4テトラナトリウムを生成した(150g、ウリジン5’−ジホスフェートに基づいて約25%収率)。
1 ,P 4 −ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩の構造解析
文献での非アデニル化ジヌクレオチドの適切な分光データの欠如のため、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩の全構造解析を、近代的な分析技術を用いることにより行った。その分子量は質量分析により878〔m/z 855、(M-Na+)〕であると決定され、分子式C18H22N4O23P4・4Naであることを確認した。C18H22N4O23P4・3Na〔(M-Na+):計算値854.9318〕について測定した正確な質量は854.9268であった。その測定した質量は理論値と5.0ミリマス単位(5.9ppm)だけ異なり、99.7%の信頼レベルであった。カール・フィッシャー水分分析は1.73%H2Oの値を供し、分子式の更なる確認を元素分析から得た:分子式:C18H22N4O23P4・4.2Na・1.1H2O(FW=902.4g/mol)に基づいて、計算値:Na=10.70、測定値:10.81%;C:P比計算値:1.74、測定値:1.80。赤外スペクトルは3422cm-1において広いシグナル、1702cm-1においてシグナルを示し、このことは、ヒドロキシル(O−Hストレッチ)及びカルボニル(C=0ストレッチ)官能基の存在を示した。更に、ホスフェートP=0ストレッチが1265cm-1で観察された。水中でのUVスペクトルは、262nmのλmax、及び17,004の吸収率(ε)を示した。25℃での比施光度(C=1,H2O)は、偏光計により−9.56°であると決定された。
NMRスペクトルは、1H NMR(D2O,TMS)δ4.11(m,2H),4.14(m,1H),4.25(m,1H),4.27(m,1H),5.84(d,J=8.1Hz,1H),5.86(d,J=5.4Hz,1H),7.81(d,J=8.1Hz);13C NMR(D2O,TMS)δ65.1(d,J=5.5Hz),69.7,73.5,83.4(d,J=9.4Hz),88.1,102.8,141.5,152.9,167.5;31P NMR(D2O,H3PO4 std)δ−22,32(m),-10.75(m)である。1H共役31Pスペクトルは、1Hカップリングの導入のためδ−10.75ppmにおいて多重項の広がりを示した。それゆえこの多重項はPαと確認した。−22.23ppmで多重項への1Hカップリングの効果はなし、これをPβとしてデフォルトにより割り当てた。核オーバーハウザー効果(NOE)を、H2'及びH3'糖プロトンに対してH6について観察された。H5が糖プロトンに対してNOEを示すことができないので、H6が確認される。更に、N1置換が確認される。なぜならN3置換化構造が可能なピリミジン−糖NOEはなりからである。
更なる2次元NMR実験を連結度を確認するために行った。HMQCは、C5に対するH5及びC6に対するH6についての連結度を示し、C5及びC6を確認する。COSY及びNOE連結度はH6に対するH5について観察され、H5を確認した。HMBC3−結合連結度は、C1'に対するH6、H1'に対するC6、C2に対するH1'、C2に対するH6について観察された。これにより、これらのデータは、H1,C2及びN1置換を確認する。H2'に対するH1'のCOSY連結度はH2'、及びC1'に対するH1'のHMQC連結度を確認し、C2'に対するH2'はC1'及びC2'を確認する。更に、HMBCは、C4に対するH5からの2−結合J連結度を示し、C4を確認する。mult=1.5での13C DEPTスペクトルは、全ての他の炭素に対して逆方向のδ65.1の炭素を示す。この観察結果は、C5'がメチレンであることを確認する。31Pのδ65.1及び83.4の炭素へのカップリングはC5'及びC4'を確認する。なぜなら、C4'は唯一の連結したメチレンであるからである。更に、HMQCは、H5'に対するC5'及びH4'に対するC4'についての連結性を示し、H4'及びH5'を確認する。NOEは、H4'に対するH1'、H2'に対するH6及びH3'に対するH1について観察され、βアノマー糖配列を確認する。結論として、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩を150g規模で合成して5時間の全反応時間で、市販の出発材料から25%収率を供した。粗生成物はイオン交換クロマトグラフィーにより効率よく精製され、その反応生成物の構造は、質量分析、NMR及び他の分析技術を用いて明白に証明された。
実施例2
ウリジン5’−モノホスフェートを用いるジウリジンテトラホスフェートテトラナトリウム塩の生産のための方法
ウリジン5’−モノホスフェート(Sigma,Milwaukee、3.0g、9.26mmol)を乾燥DMF(10mL)及びトリブチルアミン(Aldrich、2mL)に溶かした。その溶液を真空下で40℃で油にエバポレートした。その残留物を乾燥DMF(Aldrich、8mL)に溶かして溶液を形成した。カルボニルジイミダゾール(Aldrich、1.65g、10.18mmol)をこの溶液に加えた。その反応を1時間、50℃に加熱した。以下の実施例3に記載されるDMF(5mL)及びトリブチルアミン(2mL)中の無水トリブチルアンモニウム塩として調製したウリジン5’−トリホスフェート(Yamasa、5.60g、10.18mmol)を反応溶液に加えた。その混合物を3日間、50℃で撹拌し、この時、溶液を真空下で油にエバポレートし、水(5mL)に溶かし、カラム(300×50mm)クロマトグラフィー(Sephadex DEAE-A25、40〜120μ、Aldrich、1.0M NaHCO3中で予め膨潤し、2カラム容量の脱イオンH2Oで洗ったもの)により精製した(H2O→0.3M NH4HCO3勾配)。その純粋な画分を真空下で35℃に濃縮し、H2Oを加え、5回、再びエバポレートして白色固体(2.37g、30%収率)としてジウリジンテトラホスフェートテトラアンモニウム塩を得た:標準と同じ滞留時間でのHPLCによる92.11%純度。更に、そのテトラアンモニウム塩をFABMSにより分析して質量〔C18H25N4O23P4(M-H+-:計算値788.9860〕788.9857を得て、遊離酸についてC18H26N4O23P4の親の式を確認した。
実施例3A
ウリジン5’−トリホスフェート(UTP)を用いるジウリジンテトラホスフェートの生産のための方法
水(5mL)中のウリジン5’−トリホスフェート(UTP)トリナトリウム塩(ProBioSint,Varese,Italy;5.86g、0.01mol)の溶液をそのトリブチルアミン形態でBiioRad AG-MP50(Aldrich)強力カチオン交換樹脂のカラムに流し(50mLベット容量)、蒸留水(約300mL)で溶出した。この溶液にトリブチルアミン(Aldrich;5mL)を加え、その懸濁液を、その水性画分のpHが8まで上がるまで振とうした。その層を分離し、その水溶液を少量になるまでエバポレートし、次に、一晩、凍結乾燥した。その残留物を乾燥ジメチルホルムアミド(Aldrich;20mL)に溶かし、その溶液を0.1mmHgでエバポレートした。その乾燥したトリブチルアミン塩を無水アセトンで100mLに構成し、ストック溶液(UTP中0.1M)を供した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(Baker,Phillipsburg;0.227g、1.2mmol)を先のUTP溶液(10mL、1.0mmol)のアリコートに加え、その溶液を室温で30分、撹拌した。その混合物を、ウリジン5’−モノホスフェートのトリエチルアミン塩(2.0mmol、トリエチルアミン(0.5mL)をウリジン5’−モノホスフェート(UMP)の溶液(Sigma;DMF中0.648g)に加え、エバポレートして乾燥させることにより調製したものに加えた。次にこの懸濁液を乾燥するまでエバポレートし、乾燥DMF中に残留物を5.0mL、作り上げ40℃で24時間、放置した。その反応混合物を、0〜1.0M重炭酸アンモニウムの勾配、5mL/分、30分、溶出する半調製用イオン交換クロマトグラフィーにより分離した。ジヌクレオチドテトラホスフェートは21〜23分で溶出し;その産物(UTPに基づいて76.5%収率)を、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートの標準溶液のものとλmax263nmでの紫外線吸光度を比較することにより定量した。
実施例3B
ウリジン5’−トリホスフェート(UTP)及び過剰な活性化剤を用いるジウリジンテトラホスフェートの生産のための方法
UTPの、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートへの変換は、トリブチルアミン塩(0.1mmol)の大過剰のDCC(0.1g、0.5mmol)での活性化により増強することができ;この場合、析出したジシクロヘキシウレアはろ過により除去し、その反応混合物をエーテル(10mL)で抽出し、その残留物を乾燥DMFに溶かし、その後、トリブチルアミンUMP(0.2mmol)で処理した。上述の実施例3Aの通り、反応混合物のクロマトグラフィー分離及び紫外線吸収による定量に基づいて、ウリジンテトラホスフェート産物は混合物中のウリジレート種の50.7%を構成し、これは95.9%のUTPからの変換に相当した。
実施例4A
カルボニルジイミダゾールで活性化されたウリジン5’−モノホスフェートを用いてジウリジンテトラホスフェートの生産のための方法
ウリジン5’−モノホスフェート(UMP)(0.324g、1.0mmol)を乾燥DMF(5mL)及びトリブチルアミン(237μL、1mmol)の混合物に溶かし、その溶液を乾燥するまでエバポレートし、次に更に2回、DMFで処理して無水トリブチルアミン塩を供した。その残留物をDMF(5mL)に溶かし、カルボニルジイミダゾール(CDI)(0.81g、5mmol)を加えた。その溶液を3時間、放置し、次にメタノール(324mL、8mmol)を加えて過剰なCDIを破壊した。その溶液を1時間、放置した、トリブチルアミンピロホスフェート(Sigma、0.228g、0.5mmol)を加え、その懸濁液を室温で窒素下で撹拌した。3時間後、その反応を水で停止させ、その混合物を上述の実施例3Aの通りHPLCにかけた。263nmでの吸光度により定量したP1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートの収率は9.3%であった。
実施例4B
ジフェニルホスホクロライドで活性化されたウリジン5’−モノホスフェートを用いるジウリジンテトラホスフェートの生産のための方法
本質的に上述の通り調製したUMPの無水トリブチルアミン塩を乾燥ジオキサン(5mL)及びDMF(1mL)の混合物に溶かした。ジフェニルホスホクロリデート(0.3mL)及びトリブチルアミン(0.3mL)を加え、その溶液を室温で3時間、放置した。その溶液をエバポレートし、その残留物をエーテル(約10mL)を共に振とうし、次に4℃で30分、放置した。そのエーテルをデカントして除き、その残留物をDMF(3mL)中トリブチルアミンピロホスフェート(0.228g、0.5mmol)の溶液に溶かした。その溶液を窒素下で室温で保存した。3時間後、その反応を水で止め、その混合物を先の実施例3Aの通りHPLCにかけた。その263nmでの吸光度により定量したP1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートの収率は9.6%であった。
実施例5
ウリジン・リンオキシクロライド及びピコホスフェートを用いるジウリジンテトラホスフェートの生産のための方法
ウリジン(Aldrich、0.244g、1mmol)をトリメチルホスフェート(Aldrich、5mL)に溶かし、トリブチルアミン(466μL、2mmol)を加えた。その溶液をリンオキシクロライド(0.153g(93.2μL)、1mmol)の添加の間、0℃で撹拌し、生じた懸濁液を0℃で3時間、撹拌した。トリブチルアミンピロホスフェート(0.228g)を加え、その懸濁液を室温で3時間、撹拌した。その反応を1.0M重炭酸トリエチルアミン水溶液で止め、その混合物をメチルクロライドで抽出してトリメチルホスフェートを除去した。その水溶液を先の実施例3Aの通りHPLCにかけた。263nmでのその吸光度により定量したP1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートへのウリジンの変換率は6.83%であった。
実施例6
ウリジン5’−モノホスフェート及びピロホスホリルクロラドを用いるジウリジンテトラホスフェートの生産のための方法
ウリジン5’−モノホスフェート(UMP)(64.8mg、0.2mmol)を乾燥ピリジン(1mL)に溶かし、ピロホスホリルクロライド(13.9μL(25mg)、0.1mmol)を加えながら、氷中で撹拌した。その溶液はほぼすぐにくもり、次に豊富な半結晶性白色沈殿が形成され、それは1〜2分以内に粘着性の塊になった。その混合物を一晩、室温に保存し、水で反応を止め、先の実施例3Aの通りHPLCにかけた。263nmでのその吸光度により定量したP1,P4−ジ(ウリジン5’−テトラホスフェート)の収率は15.8%であった。実質的な量のP1,P3−ジ(ウリジン5’−トリホスフェート)(25.4%)を、主要副産物として得た。
実施例7
1 ,P 4 −ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩の水安定性及び溶解性
水中でのP1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩の溶解度を、溶液が濁るまで固体の部分を周知の量の脱イオン水に加えることにより測定した。これにより、水中での最大溶解度は約900mg/mlと決定された。低(5℃)及び高(40℃)温でインキュベートした固体又は水溶液の安定性研究は、HPLC分析により決定して、1.5%未満の分解が3ヶ月にわたっておこったことを示した。これにより、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェートの四ナトリウム塩は医薬としての適用に適した優れた溶解度及び安定性プロフィールを有すると決定された。
実施例8
動物中でのP 1 ,P 4 −ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、テトラナトリウムの毒性
1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩の非臨床的毒物学的プロフィールを、細菌の逆変異アッセイ、試験管内哺乳動物細胞遺伝子テスト、試験管内哺乳動物細胞遺伝子変異テスト、及びマウスにおける微小核の細胞遺伝学アッセイを含む一群の遺伝子毒物学アッセイにおいて評価した。ウサギにおける研究を、6週間にわたる複数の毎日の投与の後に、局所的な視覚上の許容性及び半長期的な視覚上の許容性を検査した。更に、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩を、ラット及びイヌにおける2回の単一投与急性吸入毒性研究、並びにイヌにおける1回の単一投与急性静脈内毒性研究においてもテストした。
これらの研究の結果は、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩が一連の遺伝子毒物学アッセイにおいて非遺伝子毒性であることを示す。視覚上の毒物学的研究において悪影響は見い出されなかった。単一投与吸入(ラット、イヌ)及び静脈内(イヌ)毒性研究において低い程度の急性毒性が見られた。それゆえ、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩は、ヒトに投与するために広い安全性の余裕を有する優れた毒物学的プロフィールを有すると決定された。
実施例9
正常なヒト有志者におけるP 1 ,P 4 −ジ(ウリジン5’−テトラホスフェート)、四ナトリウム塩の安全性及び効能
1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩を、75人の正常な健康な男性有志者におけるフェーズI、ダブル・ブラインド、プラシーボ・コントロール、上昇投与量、安全性及び許容性研究において評価した。40人の非喫煙者及び35人の喫煙者を、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩(20〜400mg)の単一エーロゾル投与を与えた12人、及びプラシーボ(通常の塩類溶液)を与えた4人から構成される16人の有志者の5の投与群において評価した。プラシーボ又はアクティブなイヌにおいて、FEV1,FVC,MMEF、臨床研究、12−リードECG、又は尿検査結果に大きな変化はなかった。喫煙者において、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩は、投与5分以内に喀出された喀痰の重量が2倍〜7倍、投与量依存で増加し、喀痰をはく刺激は喀痰収集の次の時間までにわたって持続した。P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩が非喫煙者において喀出を導く効果も観察された。結論として、P1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート、四ナトリウム塩は安全であり、正常な男性被検体において十分許容され、プラシーボと比べた時に喀出を刺激するのに有効である。

Claims (18)

  1. 1,P4−ジ(ウリジン5’)−テトラホスフェート・四ナトリウム塩。
  2. 式I:
    Figure 0003723227
    (式中、XはNa,NH4及びHからなる群から選択され、但し全てのX基がHであることはない)
    の化合物又はその医薬として許容される塩を合成するための方法であって、
    a)式IIa−d:
    Figure 0003723227
    Figure 0003723227
    及びその塩;
    Figure 0003723227
    及びその塩;
    Figure 0003723227
    及びその塩;
    のウリジン又はウリジンヌクレオチド化合物を、極性非プロトン性有機溶媒及び疎水性アミンに溶解し;
    b)式IVa−b:
    Figure 0003723227
    (式中、Xはハロゲンである);
    Figure 0003723227
    (式中、Xは酸素、ヒドロキシ、ハロゲンからなる群から選択される)及びその塩のうちの1のリン酸化剤でリン酸化して式Iの化合物を生成し、又は前記ウリジンヌクレオチド化合物のリン酸基を、式IIIa−c;
    Figure 0003723227
    (式中、R1及びR2は、独立して、C1−C8のアルキル、シクロアルキル、及びアリールからなる群から選択され、ここで該アルキル、シクロアルキル、又はアリールはヒドロキシ又はアミノ基で任意に置換される);
    Figure 0003723227
    (式中、Xは、独立して、イミダゾール、テトラゾール及びハロゲンからなる群から選択される);
    Figure 0003723227
    (式中、Xはハロゲンであり、R1及びR2は各々独立して、C1−C8のアルキル、シクロアルキル、C1−C8のアルコキシ、アリール、及びハロゲンからなる群から選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、又はアリールはヒドロキシ、アミノ、アルコキシ、又はハロゲン基で任意に置換される)
    のうちの1の活性化剤で活性化し、式IIb−dの適切な化合物と反応させて式Iの化合物を生成し;そして
    c)式Iの化合物及びその医薬として許容される塩をイオン交換クロマトグラフィーにより精製すること
    を含む、前記方法。
  3. 前記IIIaの化合物が、ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロライドからなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  4. 前記式IIIbの化合物が、カルボニルジイミダゾール及びカルボニルジトリアゾールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  5. 前記式IIIcの化合物が、ジフェニルホスホロクロリデート、フェニルホスホロジクロリデート、フェニルホスホン酸ジクロライド及びジフェニルホスフィン酸クロライドからなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  6. 前記式IVaの化合物がオキシ塩化リンであることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 前記式IVbの化合物が、ピロホスホリルクロライド及びピロホスフェートからなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  8. 請求項に記載の式IIcの化合物を、極性非プロトン性有機溶媒及び疎水性アミンに溶解し、請求項に記載の式IIIa−cからの活性化剤で処理し、そして次にクロマトグラフィーにより精製することを含む、請求項に記載の方法。
  9. 請求項に記載の式IIbの化合物を、極性非プロトン性有機溶媒及び疎水性アミンに溶解し、請求項に記載の式IIIa−cのうちの1つからの活性化剤で処理し、そして次に請求項に記載の式IIdの化合物と反応させ、そして次にクロマトグラフィーにより精製することを含む、請求項に記載の方法。
  10. 請求項に記載の式IIdの化合物を、極性非プロトン性有機溶媒及び疎水性アミンに溶解し、請求項に記載の式IIIa−cのうちの1つからの等モル量の活性化剤で処理し、そして次に請求項に記載の式IIbの化合物と反応させ、そして次にクロマトグラフィーにより精製することを含む、請求項に記載の方法。
  11. 過剰な活性化剤を用いることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項に記載の式IIbの化合物を、極性非プロトン性有機溶媒及び疎水性アミンに溶解し、請求項に記載の式IIIa−cのうちの1つからの活性化剤で処理し、そして次に請求項に記載の式IVbの適切な化合物と反応させ、そして次にクロマトグラフィーにより精製することを含む、請求項に記載の方法。
  13. 請求項に記載の式IIaの化合物を、極性非プロトン性有機溶媒及び疎水性アミンに溶解し、請求項に記載の式IVa−bのうちの1つからのリン酸化剤で処理し、そして次にクロマトグラフィーにより精製することを含む、請求項に記載の方法。
  14. 請求項に記載の式IIbの化合物を、極性非プロトン性有機溶媒及び疎水性アミンに溶解し、請求項に記載の式IVbからのリン酸化剤で処理し、そして次にクロマトグラフィーにより精製することを含む、請求項に記載の方法。
  15. 有効に慢性の閉塞性の肺疾患を治療する量の以下の式I:
    Figure 0003723227
    (式中、XはNaである)
    の化合物を含む、慢性の閉塞性の肺疾患を治療するための医薬組成物。
  16. 有効に粘液分泌を取り除く量の以下の式I:
    Figure 0003723227
    (式中、XはNa,NH4及びHからなる群から選択され、但し全てのX基がHであることはない)
    の化合物を含む、鼻涙管閉塞を治療するための医薬組成物。
  17. 喀痰の誘導を容易にするのに有効な量の以下の式I:
    Figure 0003723227
    (式中、XはNa,NH4及びHからなる群から選択され、但し全てのX基がHであることはない)
    の化合物を含む、喀痰誘導を容易にするための医薬組成物。
  18. 喀出を容易にするのに有効な量の以下の式I:
    Figure 0003723227
    (式中、XはNa,NH4及びHからなる群から選択され、但し全てのX基がHであることはない)
    の化合物を含む、喀出を容易にするための医薬組成物。
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